(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の揮散容器では、カートリッジ体をケース体に装着させるときの操作性を向上させることについて改善の余地がある。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、操作性を向上させることができる揮散容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る揮散容器は、揮散剤が収容されるカートリッジ体と、前記カートリッジ体が着脱可能に収納されたケース体と、を備える揮散容器であって、前記ケース体は、互いに対向する第1主壁部および第2主壁部と、これらの両主壁部を接続する周壁部と、を備え、前記周壁部には、このケース体の外部に向けて開口し前記カートリッジ体が挿入される挿入口が形成され、前記第1主壁部の内面には、前記両主壁部が対向する対向方向と、前記カートリッジ体が前記挿入口から挿入される挿入方向と、の両方向に直交する直交方向に間隔をあけて配置された一対の支持突部と、前記直交方向に沿って前記一対の支持突部の間に配置された案内突部と、が設けられ、前記案内突部のうち、少なくとも、前記挿入方向の前側に位置する前端部は、前記第2主壁部の内面に設けられた被嵌合部よりも前記挿入方向の前側に位置するとともに、前記一対の支持突部は、前記被嵌合部よりも前記挿入方向の後側に位置し、前記案内突部の前記第1主壁部からの突出量は、前記挿入方向の後側から前側に向かうに従い漸次大きくなり、前記カートリッジ体は、前記案内突部の前端部および前記支持突部により、前記直交方向に沿った第1主壁部側から支持されて、これらの案内突部の前端部および支持突部と、前記第2主壁部と、に前記対向方向に挟み込まれ、前記カートリッジ体には、前記被嵌合部に着脱可能に嵌合された嵌合部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
この発明では、カートリッジ体をケース体内に収納するときには、カートリッジ体を挿入口からケース体内に挿入する。このときカートリッジ体のうち、嵌合部よりも挿入方向の前側に位置する前部に、案内突部上を挿入方向に摺動させることで、カートリッジ体を挿入方向に前進させながら、カートリッジ体の前部を対向方向に沿った第2主壁部側に移動させる。そして、カートリッジ体の前部が案内突部の前端部に到達するときに、カートリッジ体のうち、嵌合部よりも挿入方向の後側に位置する後部を前記第2主壁部側に移動させる。このときカートリッジ体の嵌合部を、支持突部に対向方向に沿った第1主壁部側から被嵌合部に嵌合させるとともに、カートリッジ体の後部を前記第1主壁部側から支持させ、カートリッジ体をケース体内に収納する。
ケース体内に収納されたカートリッジ体は、案内突部および支持突部により前記第1主壁部側から支持されていて、カートリッジ体のうち、嵌合部を挿入方向に挟む前部および後部の両方が支持されている。したがって、例えばカートリッジ体の前部や後部が対向方向にがたつくこと等が抑えられて、嵌合部の被嵌合部への嵌合が維持され易くなり、カートリッジ体がケース体から不用意に抜け出ることが抑制される。
以上のように、この揮散容器によれば、カートリッジ体を挿入口からケース体内に挿入し、カートリッジ体の前部に案内突部上を挿入方向に摺動させることで、カートリッジ体をケース体内に収納することができるので、カートリッジ体をケース体に容易に装着させることが可能になり、操作性を向上させることができる。
【0008】
また、前記支持突部の前記第1主壁部からの突出量は、前記挿入方向の後側から前側に向かうに従い漸次大きくなり、この揮散容器を前記直交方向から見た側面視において、前記支持突部の突端縁が前記第1主壁部に対してなす傾斜角度は、前記案内突部の突端縁が前記第1主壁部に対してなす傾斜角度よりも大きくてもよい。
【0009】
この場合、カートリッジ体の前部が案内突部の前端部に到達するときに、カートリッジ体の前部に、案内突部上を挿入方向に摺動させながら、カートリッジ体の後部に、支持突部上を挿入方向に摺動させ、カートリッジ体の前部および後部をそれぞれ、案内突部または支持突部により前記第2主壁部側に向けて移動させる。ここで前記側面視において、支持突部の突端縁が第1主壁部に対してなす傾斜角度が、案内突部の突端縁が第1主壁部に対してなす傾斜角度よりも大きいので、カートリッジ体の後部の前記第2主壁部側への移動量が、前部の前記第2主壁部側への移動量よりも大きくなる。したがってこのとき、カートリッジ体が前進するとともに、カートリッジ体の後部が、前部を中心として前記第2主壁部側に回動させられ、単にカートリッジ体を前進させることで、カートリッジ体の後部を前記第2主壁部側に移動させることができる。
このように、カートリッジ体の前部が案内突部の前端部に到達するときに、単にカートリッジ体を前進させることで、カートリッジ体の後部を前記第2主壁部側に移動させることができるので、カートリッジ体をケース体に一層容易に装着させることができる。
【0010】
また、前記カートリッジ体のうち、前記支持突部に対して前記挿入方向の前側に位置する部分には、前記挿入方向の前側および前記第1主壁部側に向けて開口する切り欠き部が形成されていてもよい。
【0011】
この場合、カートリッジ体のうち、支持突部に対して挿入方向の前側に位置する部分に前記切り欠き部が形成されているので、カートリッジ体の前部に案内突部上を摺動させるときに、支持突部を切り欠き部内に位置させ、支持突部とカートリッジ体とが当接するのを防ぐことができる。これにより、カートリッジ体の前部に案内突部上を円滑に摺動させることが可能になり、操作性を一層向上させることができる。
【0012】
また、前記ケース体内には、前記挿入方向に反転させられた前記カートリッジ体が前記挿入口から挿入されることを規制する規制部が設けられていてもよい。
【0013】
この場合、ケース体内に前記規制部が設けられているので、挿入方向に反転させられたカートリッジ体を挿入口から挿入するという誤操作を防止することが可能になり、使い勝手を向上させることができる。
【0014】
また、前記被嵌合部は、前記第2主壁部に前記対向方向に貫設された貫通孔とされ、前記嵌合部は、前記カートリッジ体に突設され前記被嵌合部内に嵌合する突部とされていてもよい。
【0015】
この場合、被嵌合部が貫通孔とされ、嵌合部が突部とされているので、カートリッジ体をケース体から取り外すときに、ケース体の外部から嵌合部を前記第1主壁部側に押し込むことができる。これにより、被嵌合部に対する嵌合部の嵌合を容易に解除することが可能になり、カートリッジ体をケース体から円滑に取り外すことができる。
【0016】
また、前記ケース体内には、このケース体内を前記挿入方向に移動する前記カートリッジ体の前記直交方向への移動を規制するガイド部が設けられていてもよい。
【0017】
この場合、ケース体内に前記ガイド部が設けられているので、カートリッジ体にケース体内を挿入方向に移動させるときに、このカートリッジ体が直交方向にがたつくのを抑制することが可能になり、操作性を一層向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る揮散容器によれば、操作性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、
図1から
図8を参照し、本発明の一実施形態に係る揮散容器10を説明する。この揮散容器10は、例えば芳香剤、消臭剤、殺虫剤、忌避剤、除菌剤などの揮発性を有する揮散剤を揮散させる。
【0021】
図1から
図3に示すように、揮散容器10は、揮散剤が収容されるカートリッジ体11と、カートリッジ体11が着脱可能に収納されたケース体12と、を備えている。
ケース体12は、互いに対向する第1主壁部21および第2主壁部22と、これらの両主壁部21、22を接続する周壁部23と、を備えている。両主壁部21、22は、矩形の板状に形成されている。周壁部23は、両主壁部21、22同士のうち、外周縁部同士を、全周にわたって接続している。前記ケース体12は、中空の偏平直方体状に形成されている。
【0022】
周壁部23には、挿入口24が形成されている。挿入口24は、ケース体12の外部に向けて開口している。挿入口24には、このケース体12の内部に収納されるカートリッジ体11が外部から挿入される。カートリッジ体11は、挿入口24から、この挿入口24が開口する開口方向に沿ってケース体12の内部に挿入される。
【0023】
第2主壁部22の内面には、被嵌合部25が設けられている。被嵌合部25は、第2主壁部22に、両主壁部21、22が対向する対向方向Zに貫設された貫通孔とされている。被嵌合部25は、この揮散容器10を前記対向方向Zから見た平面視において、前記対向方向Zと、カートリッジ体11が挿入口24から挿入される前記挿入方向Xと、の両方向に直交する前記直交方向Yに長い矩形状に形成されている。
【0024】
図4から
図6に示すように、第1主壁部21の内面には、一対の支持突部26と、案内突部27と、規制部28と、が設けられている。一対の支持突部26は、前記直交方向Yに間隔をあけて配置されている。一対の支持突部26はそれぞれ、前記挿入方向Xに沿って前記被嵌合部25の外側に位置している。これらの両支持突部26は、被嵌合部25よりも前記挿入方向Xの後側に位置している。
【0025】
案内突部27は、前記直交方向Yに沿って一対の支持突部26の間に配置されている。案内突部27は、前記直交方向Yに間隔をあけて一対設けられている。一対の案内突部27はそれぞれ、前記挿入方向Xに沿って前記被嵌合部25の外側に位置している。案内突部27のうち、前記挿入方向Xの前側に位置する前端部は、被嵌合部25よりも前記挿入方向Xの前側に位置し、前記挿入方向Xの後側に位置する後端部は、被嵌合部25よりも前記挿入方向Xの後側に位置している。案内突部27の後端部は、支持突部26の後端部よりも前記挿入方向Xの前側に位置している。
【0026】
これらの支持突部26および案内突部27はそれぞれ、前記挿入方向Xに延在し前記直交方向Yを向く板状に形成されている。
図5に示すように、案内突部27の第1主壁部21からの突出量は、前記挿入方向Xの後側から前側に向かうに従い漸次大きくなっている。支持突部26の第1主壁部21からの突出量も、前記挿入方向Xの後側から前側に向かうに従い漸次大きくなっている。案内突部27の前端部の突出量と、支持突部26の前端部の突出量と、は互いに同等とされ、案内突部27の前端部の突端縁と、支持突部26の前端部の突端縁と、は前記対向方向Zに互いに同等の位置に配置されている。
【0027】
この揮散容器10を前記直交方向Yから見た側面視において、支持突部26の突端縁が第1主壁部21に対してなす傾斜角度は、案内突部27の突端縁が第1主壁部21に対してなす傾斜角度よりも大きい。なお支持突部26は、前記側面視において、三角形状に形成されていて、支持突部26の後端部と第1主壁部21の内面とは、段差部ではなく屈曲部を介して連結されている。
【0028】
規制部28は、第1主壁部21の内面に立設されている。規制部28は、前記直交方向Yに間隔をあけて一対配設されている。規制部28は、前記対向方向Zに延在し前記直交方向Yを向く板状に形成されている。規制部28は、前記支持突部26と前記直交方向Yの位置が同等とされている。規制部28の第1主壁部21からの突出量は、支持突部26の前端部の第1主壁部21からの突出量よりも大きくなっている。
【0029】
ここで
図2から
図4に示すように、第1主壁部21には、指入れ凹部29と、通気口30と、が設けられている。指入れ凹部29は、第1主壁部21の外周縁部うち、前記挿入方向Xの後側に位置する部分に形成されている。指入れ凹部29は、第1主壁部21を前記対向方向Zに貫通し、挿入口24に連通している。通気口30は、指入れ凹部29、並びに前述の一対の支持突部26、案内突部27および規制部28を回避する位置に形成されている。なお、
図2および後述する
図8、
図9においては、図面の見易さのため、通気口30の図示を省略している。
【0030】
また前記ケース体12は、一対のケース形成体12Aが前記対向方向Zに組み合わされてなる。ケース体12は、周壁部23における前記対向方向Zの中央部に形成された区画ラインにより、前記一対のケース形成体12Aに区画されている。これらのケース形成体12Aは、前記対向方向Zに実質的に離脱不能に組み合わされている。
【0031】
図4から
図6に示すように、カートリッジ体11は、案内突部27の前端部および支持突部26により、前記直交方向Yに沿った第1主壁部21側から支持されている。カートリッジ体11は、これらの案内突部27の前端部および支持突部26と、第2主壁部22と、に前記対向方向Zに挟み込まれている。カートリッジ体11は、本体部31と、一対の突出フランジ部32と、一対の連結フランジ部33と、を備えている。
【0032】
本体部31には揮散剤が収容されている。本体部31は、前記通気口30に前記対向方向Zに対向していて、揮散剤は、ケース体12の外部から前記通気口30を通してケース体12内に導入された空気により揮散させられる。
本体部31は、案内突部27の前端部により、前記第1主壁部21側から支持されている。本体部31は、前記平面視において、前記直交方向Yに長い矩形状をなしていて、この本体部31のうち、前記直交方向Yの両端部が、一対の案内突部27により各別に支持されている。本体部31は、案内突部27の前端部と第2主壁部22とに前記対向方向Zに挟み込まれている。
【0033】
一対の突出フランジ部32は、本体部31から前記直交方向Yの外側に各別に突設されている。突出フランジ部32は、本体部31の前記直交方向Yの端部の全長にわたって形成されている。突出フランジ部32は、本体部31の前記直交方向Yの端部のうち、前記第1主壁部21側の端部に連設されている。突出フランジ部32は、前記対向方向Zを向く板状に形成されている。突出フランジ部32は、前記対向方向Zに弾性変形可能となっている。突出フランジ部32は、支持突部26により前記第1主壁部21側から支持されている。
【0034】
一対の連結フランジ部33は、本体部31から前記挿入方向Xの外側に各別に突設されている。連結フランジ部33のうち、前記挿入方向Xの後側に位置するものは、前記指入れ凹部29を通して外部に露出している。連結フランジ部33は、前記直交方向Yに延在し、一対の本体部31の前記挿入方向Xの各端部を連結している。連結フランジ部33は、前記対向方向Zを向く板状に形成されている。連結フランジ部33は、前記対向方向Zに弾性変形可能となっている。
【0035】
なお連結フランジ部33の表裏面は、突出フランジ部32の表裏面と滑らかに連なっていて、これらの連結フランジ部33および突出フランジ部32とは、本体部31の外周面に全周にわたって延在する環状フランジ部35を構成している。この環状フランジ部35は、このカートリッジ体11の外周縁部を構成し、前記突出フランジ部32は、このカートリッジ体11の前記直交方向Yの端部を構成し、前記連結フランジ部33は、このカートリッジ体11の前記挿入方向Xの端部を構成している。
【0036】
ここで
図1および
図3に示すように、前記ケース体12内には、ガイド部37が設けられている。ガイド部37は、第2主壁部22の内面に突設されている。ガイド部37は、前記直交方向Yに間隔をあけて一対配設されている。ガイド部37は、前記本体部31を前記直交方向Yに挟み込んでいて、本体部31は、ガイド部37の前記挿入方向Xの内側に配置されている。ガイド部37は、前記挿入方向Xに延在し前記直交方向Yを向く板状に形成されている。
【0037】
ガイド部37の前端部には、突き当て部38が連設されている。突き当て部38は、第2主壁部22の内面に突設されている。突き当て部38は、ガイド部37の前端部に、前記直交方向Yの内側から連結されている。突き当て部38は、前記直交方向Yに間隔をあけて一対配置されている。突き当て部38には、本体部31が、この突き当て部38に対して前記挿入方向Xの後側から当接されている。
【0038】
そして本実施形態では、前記カートリッジ体11には、前記被嵌合部25に着脱可能に嵌合された嵌合部34が設けられている。嵌合部34は、本体部31に突設され被嵌合部25内に嵌合する突部とされている。嵌合部34は、前記平面視において、前記直交方向Yに長い矩形状に形成されている。
また本実施形態では、カートリッジ体11のうち、支持突部26に対して前記挿入方向Xの前側に位置する部分には、切り欠き部36が形成されている。切り欠き部36は、カートリッジ体11における前記直交方向Yの両側に一対形成されていて、図示の例では、前記突出フランジ部32に形成されている。切り欠き部36は、前記挿入方向Xの前側および前記第1主壁部21側に向けて開口している。
【0039】
切り欠き部36は、カートリッジ体11の前端縁から、前記挿入方向Xの後側に向けて延在している。切り欠き部36は、カートリッジ体11を前記対向方向Zに貫通していて、さらに前記直交方向Yの外側に向けても開口している。切り欠き部36は、前記平面視において前記挿入方向Xに延在する矩形状に形成されている。切り欠き部36は、カートリッジ体11のうち、前記嵌合部34よりも前記挿入方向Xの前側に位置する前部を、前記嵌合部34よりも前記挿入方向Xの後側に位置する後部よりも、前記直交方向Yに狭幅に形成している。そして切り欠き部36内には、前記規制部28が配置されている。
【0040】
前記揮散容器10では、カートリッジ体11をケース体12から取り外すときには、例えば、ケース体12の外部から嵌合部34を前記第1主壁部21側に押し込んで、被嵌合部25に対する嵌合部34の嵌合を解除するとともに、カートリッジ体11を挿入口24からケース体12の外部に引き抜く。
【0041】
カートリッジ体11をケース体12内に収納するときには、カートリッジ体11を挿入口24からケース体12内に挿入する。このときカートリッジ体11の前部に、
図5に示すような案内突部27上を前記挿入方向Xに摺動させることで、カートリッジ体11を前記挿入方向Xに前進させながら、カートリッジ体11の前部を前記対向方向Zに沿った第2主壁部22側に移動させる。このとき、規制部28は切り欠き部36内に位置していて、カートリッジ体11の前進は規制されていない。一方、カートリッジ体11の本体部31は、前述の一対のガイド部37の間に位置していて、カートリッジ体11の前記直交方向Yへの移動はガイド部37により規制されている。
【0042】
そして、カートリッジ体11の前部が案内突部27の前端部に到達するときに、カートリッジ体11の後部を前記第2主壁部22側に移動させる。
このとき本実施形態では、カートリッジ体11の前部に、案内突部27上を前記挿入方向Xに摺動させながら、カートリッジ体11の後部の突出フランジ部32に、支持突部26上を前記挿入方向Xに摺動させ、カートリッジ体11の前部および後部をそれぞれ、案内突部27または支持突部26により前記第2主壁部22側に向けて移動させる。ここで前記側面視において、支持突部26の突端縁が第1主壁部21に対してなす傾斜角度が、案内突部27の突端縁が第1主壁部21に対してなす傾斜角度よりも大きいので、カートリッジ体11の後部の前記第2主壁部22側への移動量が、前部の前記第2主壁部22側への移動量よりも大きくなる。したがってこのとき、カートリッジ体11が前進するとともに、カートリッジ体11の後部が、前部を中心として前記第2主壁部22側に回動させられ、単にカートリッジ体11を前進させることで、カートリッジ体11の後部を前記第2主壁部22側に移動させることができる。
【0043】
なおこのとき本実施形態では、
図7に示すように、嵌合部34が、第2主壁部22の内面に前記第1主壁部21側から係合することで、カートリッジ体11の後部の前記第2主壁部22側への移動が規制されていて、突出フランジ部32が前記対向方向Zに弾性変形させられている。この状態から更にカートリッジ体11を、例えば本体部31が突き当て部38に当接するまで前進させ、嵌合部34の第2主壁部22の内面に対する係合を解除すると、突出フランジ部32の弾性復元力により、本体部31が前記第2主壁部22側に付勢され、カートリッジ体11の後部が、前部を中心として前記第2主壁部22側に回動する。その結果、カートリッジ体11の嵌合部34が前記第1主壁部21側から被嵌合部25に嵌合されるとともに、突出フランジ部32が前記第1主壁部21側から支持され、カートリッジ体11がケース体12内に収納される。
【0044】
ケース体12内に収納されたカートリッジ体11は、案内突部27および支持突部26により前記第1主壁部21側から支持されていて、カートリッジ体11のうち、嵌合部34を前記挿入方向Xに挟む前部および後部の両方が支持されている。したがって、例えばカートリッジ体11の前部や後部が前記対向方向Zにがたつくこと等が抑えられて、嵌合部34の被嵌合部25への嵌合が維持され易くなり、カートリッジ体11がケース体12から不用意に抜け出ることが抑制される。
【0045】
なお本実施形態では、
図8に示すように、前記挿入方向Xに反転させられたカートリッジ体11を挿入口24から挿入すると、カートリッジ体11の突出フランジ部32がケース体12内の規制部28に突き当たり、カートリッジ体11の更なる前進が規制されることとなり、誤操作が防止されている。
【0046】
以上説明したように、本実施形態に係る揮散容器10によれば、カートリッジ体11を挿入口24からケース体12内に挿入し、カートリッジ体11の前部に案内突部27上を前記挿入方向Xに摺動させることで、カートリッジ体11をケース体12内に収納することができるので、カートリッジ体11をケース体12に容易に装着させることが可能になり、操作性を向上させることができる。
【0047】
また、カートリッジ体11の前部が案内突部27の前端部に到達するときに、単にカートリッジ体11を前進させることで、カートリッジ体11の後部を前記第2主壁部22側に移動させることができるので、カートリッジ体11をケース体12に一層容易に装着させることができる。
【0048】
またカートリッジ体11のうち、支持突部26に対して前記挿入方向Xの前側に位置する部分に前記切り欠き部36が形成されているので、カートリッジ体11の前部に案内突部27上を摺動させるときに、支持突部26を切り欠き部36内に位置させ、支持突部26とカートリッジ体11とが当接するのを防ぐことができる。これにより、カートリッジ体11の前部に案内突部27上を円滑に摺動させることが可能になり、操作性を一層向上させることができる。
【0049】
また、ケース体12内に前記規制部28が設けられているので、前記挿入方向Xに反転させられたカートリッジ体11を挿入口24から挿入するという誤操作を防止することが可能になり、使い勝手を向上させることができる。
【0050】
また、被嵌合部25が貫通孔とされ、嵌合部34が突部とされているので、カートリッジ体11をケース体12から取り外すときに、ケース体12の外部から嵌合部34を前記第1主壁部21側に押し込むことができる。これにより、被嵌合部25に対する嵌合部34の嵌合を容易に解除することが可能になり、カートリッジ体11をケース体12から円滑に取り外すことができる。
【0051】
また、ケース体12内に前記ガイド部37が設けられているので、カートリッジ体11にケース体12内を前記挿入方向Xに移動させるときに、このカートリッジ体11が前記直交方向Yにがたつくのを抑制することが可能になり、操作性を一層向上させることができる。
【0052】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば
図9および
図10に示す変形例のように揮散容器40を構成してもよい。この揮散容器40では、案内突部27の前端部は、カートリッジ体11のうち、突出フランジ部32を支持している。また切り欠き部36は、前記平面視において、角部が曲線状に面取りされた矩形状に形成されている。
【0053】
また前記実施形態では、ガイド部37は、第2主壁部22に設けられているものとしたが、これに限られず、例えば第1主壁部に設けられていてもよい。この場合、ガイド部が突出フランジ部を前記直交方向に挟み込むように一対配置されていてもよい。
また、前記実施形態では、規制部28は、第1主壁部21に設けられているものとしたが、これに限られず、例えば第2主壁部に設けられていてもよい。
さらに、ガイド部37および規制部28はなくてもよい。
【0054】
また前記実施形態では、支持突部26の第1主壁部21からの突出量が、前記挿入方向Xの後側から前側に向かうに従い漸次大きくなっているものとしたが、これに限られない。例えば、支持突部の突出量が、前記挿入方向の位置によらず同等であってもよい。この場合、カートリッジ体の前部が案内突部の前端部に到達するときに、例えば指等により、カートリッジ体の後部を前記第2主壁部側に持ち上げることで移動させてもよい。
【0055】
また前記実施形態では、被嵌合部25が貫通孔とされ、嵌合部34が突部とされているものとしたが、これに限られない。例えば、被嵌合部が、前記対向方向に沿った外側に向けて凹み窪みつつ前記対向方向の外側に向けて非開口の窪みに形成されていてもよい。また被嵌合部が、第2主壁部の内面から前記第1主壁部側に向けて突出する突部とされ、嵌合部が、本体部に凹設され被嵌合部に外嵌する凹部に形成されていてもよい。
【0056】
また前記実施形態では、案内突部27の前端部が、被嵌合部25よりも前記挿入方向Xの前側に位置し、案内突部27の後端部が、被嵌合部25よりも前記挿入方向Xの後側に位置しているものとしたが、これに限られず、案内突部27のうち、少なくとも前端部が、被嵌合部よりも前記挿入方向の前側に位置する他の構成に適宜変更してもよい。例えば、案内突部の全体が、被嵌合部よりも前記挿入方向の前側に位置していてもよい。
【0057】
また前記実施形態では、一対のケース形成体12Aが、前記対向方向Zに実質的に離脱不能に組み合わされているものとしたが、離脱可能に組み合わされていてもよく、互いに着脱可能に組み合わされていてもよい。この場合、カートリッジ体をケース体から取り外すに際し、ケース体を前記対向方向に2つのケース形成体に分割してカートリッジ体を取り外した後、両ケース形成体を改めて組み合わせてもよい。
【0058】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。