(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、一定時間ごとに取得した座標情報の差のみに基づいて利用者が歩行していることを検出すると、利用者が、エスカレータ、動く歩道等で移動している場合にも移動していると検出し、一部の機能を利用できないように制限するおそれがあった。
【0007】
本発明は、このような従来の課題を解決すべくなされたものであり、ユーザが端末を利用すべきでない状態であることを精度良く検出し、端末の機能制限、又はユーザへの警告出力を実行することを可能とする端末、制御方法及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る端末は、端末であって、端末の移動中の利用が禁止されるエリアに配置された無線LANのアクセスポイントの識別情報を記憶する記憶部と、音声又は画像を出力する出力部と、無線LANのアクセスポイントと無線通信を行う無線通信部と、端末の移動に係るデータを出力するセンサと、センサから出力されたデータに基づいて端末が移動中であるか否かを判定する状態判定部と、状態判定部が端末が移動中であると判定し且つ無線通信部を介して受信したアクセスポイントの識別情報が記憶部に記憶された識別情報と一致する場合、出力部を用いる機能の少なくとも一部を制限し、又は端末を使用しないように出力部に音声又は画像による警告を出力する制御部と、を有する。
【0009】
また、本発明に係る端末において、制御部は、機能の少なくとも一部を制限することとして、出力部が音声を出力しないように制限することが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る端末において、端末が存在する位置を検出する位置検出部をさらに有し、制御部は、状態判定部が端末が移動中であると判定し且つ無線通信部を介して受信したアクセスポイントの識別情報が記憶部に記憶された識別情報と一致する場合、端末が存在する位置が予め設定された位置である場合に限り、機能の少なくとも一部を制限し、又は出力部に警告を出力することが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る端末において、センサは、端末の移動に係るデータとして加速度又は回転角速度を出力する第1センサと、端末の移動に係るデータとして磁気の大きさを出力する第2センサと、を含み、状態判定部は、第1センサから出力されたデータに基づいて端末が移動中であるか否かを判定し、端末が移動中であると判定した場合、第2センサから出力されたデータに基づいて、端末を携帯するユーザが歩行中であるか否かを判定し、制御部は、状態判定部が端末が移動中であると判定し且つ無線通信部を介して受信したアクセスポイントの識別情報が記憶部に記憶された識別情報と一致する場合、端末を携帯するユーザが歩行中である場合に限り、機能の少なくとも一部を制限し、又は出力部に警告を出力することが好ましい。
【0012】
本発明に係る端末の制御方法は、端末の移動中の利用が禁止されるエリアに配置された無線LANのアクセスポイントの識別情報を記憶する記憶部と、音声又は画像を出力する出力部と、無線LANのアクセスポイントと無線通信を行う無線通信部と、端末の移動に係るデータを出力するセンサと、を有する端末の制御方法であって、センサから出力されたデータに基づいて端末が移動中であるか否かを判定し、端末が移動中であると判定し且つ無線通信部を介して受信したアクセスポイントの識別情報が記憶部に記憶された識別情報と一致する場合、出力部を用いる機能の少なくとも一部を制限し、又は端末を使用しないように出力部に音声又は画像による警告を出力することを含む。
【0013】
本発明に係る端末の制御プログラムは、端末の移動中の利用が禁止されるエリアに配置された無線LANのアクセスポイントの識別情報を記憶する記憶部と、音声又は画像を出力する出力部と、無線LANのアクセスポイントと無線通信を行う無線通信部と、端末の移動に係るデータを出力するセンサと、を有する端末の制御プログラムであって、センサから出力されたデータに基づいて端末が移動中であるか否かを判定し、端末が移動中であると判定し且つ無線通信部を介して受信したアクセスポイントの識別情報が記憶部に記憶された識別情報と一致する場合、出力部を用いる機能の少なくとも一部を制限し、又は端末を使用しないように出力部に音声又は画像による警告を出力することを端末に実行させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る端末、制御方法及び制御プログラムは、端末が移動中であるか否かと、無線LANのアクセスポイントから受信したそのアクセスポイントの識別情報が、予め設定された、端末の移動中の利用が禁止されるエリアに配置されたアクセスポイントの識別情報と一致するか否かとを判定することにより、ユーザが端末を利用すべきでない状態であることを精度良く検出し、端末の機能制限、又はユーザへの警告出力を実行することを可能とする。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0017】
本実施形態では、携帯端末には、移動中の利用が禁止されたエリアに配置された無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントのBSSID(Basic Service Set Identifier)が予め設定される。そして、携帯端末は、加速度センサ等を用いてユーザが移動中であるか否かを判定し、ユーザが移動中であり且つアクセスポイントから受信したBSSIDが予め設定されているBSSIDと一致する場合、携帯端末の機能制限、又はユーザへの警告出力を実行する。
【0018】
図1は、通信システム100の概略構成の一例を示す図である。
【0019】
通信システム100は、無線LAN通信機能を有する携帯端末1と、無線LANのアクセスポイント2と、サーバ3とを有する。
【0020】
アクセスポイント2は、サービスエリア4内で携帯端末1と無線LAN通信方式に従った無線通信を行う。さらに、アクセスポイント2は、バックボーンネットワーク5に接続される。バックボーンネットワーク5には、イーサネット(登録商標)等の有線LANにより、バックボーンネットワーク5とインターネット7とを中継するゲートウェイ6が接続される。インターネット7にはサーバ3が接続され、アクセスポイント2は、サーバ3と通信を行うことができる。
【0021】
さらに、バックボーンネットワーク5には、イーサネット(登録商標)等の有線LANにより、携帯端末1のユーザを認証するための認証サーバ8が接続される。携帯端末1は、認証サーバ8によってユーザが認証されることにより、ゲートウェイ6を介して、インターネット7に接続することができる。
【0022】
アクセスポイント2は、携帯端末1と、バックボーンネットワーク5又はインターネット7に接続された装置との間の通信を中継する通信装置である。アクセスポイント2は、主に2.4GHz帯、5GHz帯等を感受帯域とするアンテナを含む、通信インターフェース回路を有し、携帯端末1との間で、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)802.11規格の無線通信方式に基づいて無線通信を行う。
【0023】
アクセスポイント2は、アクセスポイントごとに一意に定められる識別情報であるBSSIDを含むビーコンを一定間隔ごとにブロードキャスト配信する。これにより、携帯端末1は、アクセスポイント2を認識することができる。
【0024】
サーバ3は、携帯端末の移動中の利用が禁止されるエリア(例えば、駅等)に配置されたアクセスポイントのBSSIDと、そのアクセスポイントのサービスエリア内において移動中の利用を禁止する携帯端末のアドレス(例えば、電話番号)を記憶する。そして、サーバ3は、アドレスを記憶している各携帯端末に、記憶している全てのアクセスポイントのBSSIDを送信して設定する。
【0025】
図2は、携帯端末1の概略構成の一例を示す図である。
【0026】
携帯端末1は、無線LANによる通信機能を有する通信装置であり、例えば携帯電話、携帯情報端末(Personal Digital Assistant, PDA)、携帯ゲーム機、携帯音楽プレーヤ、タブレットPC等である。携帯端末1は、無線通信ネットワークへの接続、携帯端末1の移動検知、所定のアプリケーションプログラムの実行等を可能とする。そのために、携帯端末1は、第1無線通信部11と、第2無線通信部12と、操作部13と、表示部14と、音声出力部15と、加速度センサ16と、地磁気センサ17と、GPS(Global Positioning System)部18と、記憶部19と、中央処理部20とを有する。
【0027】
第1無線通信部11は、主に2.4GHz帯、5GHz帯等を感受帯域とするアンテナを含む、通信インターフェース回路を有し、アクセスポイント2との間でIEEE802.11規格の無線通信方式に基づいて無線通信を行う。そして、第1無線通信部11は、アクセスポイント2から受信したデータを中央処理部20に供給する。また、第1無線通信部11は、中央処理部20から供給されたデータをアクセスポイント2に送信する。
【0028】
第2無線通信部12は、主に2.1GHz帯を感受帯域とするアンテナを含む、通信インターフェース回路を有し、携帯端末1を不図示の携帯電話ネットワークに接続する。第2無線通信部12は、不図示の携帯電話の基地局により割り当てられるチャネルを介して、基地局との間でCDMA(Code Division Multiple Access)方式等による無線信号回線を確立し、基地局との間で通信を行う。そして、第2無線通信部12は、基地局から受信したデータを中央処理部20に供給する。また、第2無線通信部12は、中央処理部20から供給されたデータを基地局に送信する。なお、携帯端末1が携帯電話機能を有さない場合、第2無線通信部12は省略されてもよい。
【0029】
操作部13は、携帯端末1の操作が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパネル式の入力装置、キーパッド等である。ユーザは、このデバイスを用いて、文字、数字等を入力することができる。操作部13は、ユーザにより操作されると、その操作に対応する信号を発生する。そして、発生した信号は、ユーザの指示として、中央処理部20に入力される。
【0030】
表示部14は、出力部の一例であり、動画像、静止画像等の出力が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパネル式の表示装置、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等である。表示部14は、中央処理部20から供給される動画像データに応じた動画像、静止画像データに応じた静止画像等を表示する。
【0031】
音声出力部15は、出力部の一例であり、音声の出力が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、スピーカである。音声出力部15は、中央処理部20から供給される音声信号に応じた音声を発する。
【0032】
加速度センサ16は、中央処理部20からの要求に応じて、携帯端末1に加わる加速度を3軸方向毎に検出し、検出した加速度を携帯端末1の移動に係るデータとして出力する。加速度センサ16は、例えば、ピエゾ抵抗効果を利用したピエゾ抵抗型の3軸加速度センサ、又は静電容量の変化を利用した静電容量型の3軸加速度センサとすることができる。なお、加速度センサの代わりに、携帯端末1の回転角速度を検出するジャイロセンサを利用し、加速度の代わりに回転角速度を携帯端末1の移動に係るデータとして出力してもよい。
【0033】
地磁気センサ17は、中央処理部20からの要求に応じて、携帯端末1の向きの方位及び磁気の大きさを検出し、検出した方位及び磁気の大きさを携帯端末1の移動に係るデータとして出力する。
【0034】
GPS部18は、位置検出部の一例であり、主に1.5GHz帯を感受帯域とするアンテナを含む、GPS回路を有し、不図示のGPS衛星からGPS信号を受信する。GPS部18は、そのGPS信号をデコードし、時刻情報等を取得する。そして、GPS部18は、その時刻情報等に基づいてGPS衛星から携帯端末1までの擬似距離を計算し、その擬似距離を代入して得られる連立方程式を解くことにより、携帯端末1が存在する位置(緯度、経度、高度等)を検出し、位置情報として出力する。
【0035】
記憶部19は、例えば、半導体メモリを有する。記憶部19は、中央処理部20での処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、記憶部19は、ドライバプログラムとして、第1無線通信部11を制御する無線通信デバイスドライバプログラム、第2無線通信部12を制御する携帯電話通信デバイスドライバプログラム、操作部13を制御する入力デバイスドライバプログラム、表示部14を制御する出力デバイスドライバプログラム等を記憶する。また、記憶部19は、オペレーティングシステムプログラムとして、IEEE802.11規格の無線通信方式を実行する接続制御プログラム、携帯電話の接続制御プログラム等を記憶する。また、記憶部19は、アプリケーションプログラムとして、ウェブページの取得及び表示を行うウェブブラウザプログラム、電子メールの送信及び受信を行う電子メールプログラム等を記憶する。コンピュータプログラムは、例えばCD−ROM(compact disk read only memory)、DVD−ROM(digital versatile disk read only memory)等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶部19にインストールされてもよい。また、記憶部19は、データとして、サーバ3により予め設定されたアクセスポイントのBSSID等を記憶する。さらに、記憶部19は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
【0036】
中央処理部20は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。中央処理部20は、携帯端末1の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。中央処理部20は、携帯端末1の各種処理が記憶部19に記憶されているプログラム、操作部13の操作等に応じて適切な手順で実行されるように、第1無線通信部11、第2無線通信部12、表示部14等の動作を制御する。中央処理部20は、記憶部19に記憶されているプログラム(ドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、中央処理部20は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することができる。
【0037】
中央処理部20は、状態判定部21と、制御部22とを有する。中央処理部20が有するこれらの各部は、中央処理部20が有するプロセッサ上で実行されるプログラムによって実装される機能モジュールである。あるいは、中央処理部20が有するこれらの各部は、独立した集積回路、マイクロプロセッサ、又はファームウェアとして携帯端末1に実装されてもよい。
【0038】
図3は、中央処理部20による携帯端末1の機能制限処理の動作フローの一例を示す図である。なお、以下に説明する動作フローは、予め記憶部19に記憶されているプログラムに基づいて、主に中央処理部20により、携帯端末1の各要素と協働して実行される。
【0039】
最初に、状態判定部21は、加速度センサ16及び地磁気センサ17から出力された、携帯端末1の移動に係るデータを取得する(ステップS101)。
【0040】
次に、状態判定部21は、加速度センサ16及び地磁気センサ17から出力された、携帯端末1の移動に係るデータに基づいて携帯端末1が移動中であるか否かを判定する状態判定処理を実施する(ステップS102)。状態判定処理の詳細については後述する。
【0041】
次に、制御部22は、状態判定処理において状態判定部21が携帯端末1が移動中であると判定したか否かを判定する(ステップS103)。
【0042】
状態判定部21が携帯端末1が移動中でないと判定した場合(ステップS103−No)、制御部22は、処理をステップS110へ移行する。
【0043】
一方、状態判定部21が携帯端末1が移動中であると判定した場合(ステップS103−Yes)、制御部22は、最近の一定期間(例えば、1秒間)内に第1無線通信部11を介して受信したビーコンに含まれていたBSSIDを取得する(ステップS104)。中央処理部20は、第1無線通信部11を介してビーコンを受信するたびに、受信したビーコンからBSSIDを抽出し、受信した時刻とともに記憶部19に記憶しておく。制御部22は、最近の一定期間内に受信したBSSIDを記憶部19から読み出して取得する。
【0044】
次に、制御部22は、取得したBSSIDが、記憶部19に記憶された、サーバ3により設定されたBSSIDのうちの何れか一つと一致するか否かを判定する(ステップS105)。
【0045】
制御部22は、取得したBSSIDが、取得したBSSIDが、サーバ3により設定されたBSSIDのうちの何れとも一致しない場合(ステップS105−No)、処理をステップS110へ移行する。
【0046】
一方、制御部22は、取得したBSSIDが、取得したBSSIDが、サーバ3により設定されたBSSIDのうちの何れか一つと一致する場合(ステップS105−Yes)、GPS部18から出力された位置情報を取得する(ステップS106)。
【0047】
次に、制御部22は、取得した位置情報に示される位置が予め設定された位置であるか否かを判定する(ステップS107)。制御部22は、ジオフェンシングの技術を利用して、地図上にバーチャルなフェンスを設置し、位置情報に示される位置が特定のフェンス内にある場合に、その位置が予め設定された位置であると判定する。バーチャルなフェンスを駅のホーム等に設定することにより、制御部22は、携帯端末1が駅のホームに存在するか否かを判定することができる。特に、駅のホームの緯度、経度とともに高度を予め設定しておくことにより、制御部22は、携帯端末1が駅のホームに存在するか否かをより精度よく判定することができる。
【0048】
なお、携帯端末1が携帯電話の機能を有する場合、制御部22は、不図示の携帯電話の基地局から受信したセルID(Identifier)を利用して、携帯端末1の現在位置を特定してもよい。
【0049】
制御部22は、位置情報に示される位置が予め設定された位置でないと判定した場合(ステップS107−No)、処理をステップS110へ移行する。
【0050】
一方、制御部22は、位置情報に示される位置が予め設定された位置であると判定した場合(ステップS107−Yes)、表示部14又は音声出力部15を用いる携帯端末1の機能の少なくとも一部を実行しないように制限する(ステップS108)。
【0051】
制御部22は、携帯端末1の機能制限として、音声出力部15が音声を出力しないように制限する、いわゆるマナーモードの設定を行う。なお、制御部22は、携帯端末1の機能制限として、携帯端末1にインストールされている一部又は全てのアプリケーションプログラムを実行しないように制限してもよい。
【0052】
次に、制御部22は、携帯端末1を使用しないように、音声による警告を音声出力部15に出力し、又は画像による警告を表示部14に出力し(ステップS109)、再度処理をステップS101へ戻して、ステップS101〜S111の処理を繰り返す。なお、制御部22は、ユーザが警告画像を確実に視認できるように、表示中の全ての画像の最前面に警告画像を表示する。または、制御部22は、表示部14の画面全体に警告を表示してもよい。
【0053】
一方、ステップS110において、制御部22は、携帯端末1の機能制限を実行しているか否かを判定する(ステップS110)。
【0054】
制御部22は、携帯端末1の機能制限を実行していない場合(ステップS110−No)、特に処理を行わず、再度処理をステップS101へ戻して、ステップS101〜S111の処理を繰り返す。
【0055】
一方、制御部22は、携帯端末1の機能制限を実行している場合(ステップS110−Yes)、機能制限を解除し(ステップS111)、再度処理をステップS101へ戻して、ステップS101〜S111の処理を繰り返す。
【0056】
なお、ステップS106〜S107の処理を省略し、制御部22は、ステップS105において、取得したBSSIDがサーバ3により予め設定されたBSSIDのうちの何れか一つと一致した場合、位置情報に示される位置が予め設定された位置であるか否かに関わらず、携帯端末1の機能制限を実行してもよい。
【0057】
また、ステップS108及びS109の処理のうち、何れか一方を省略し、制御部22は、携帯端末1の機能制限、及び警告出力のうちの何れか一方だけを実行してもよい。
【0058】
図4は、状態判定処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0059】
図4に示す動作のフローは、
図3に示すフローチャートのステップS102において実行される。
【0060】
最初に、状態判定部21は、加速度センサ16が出力した加速度が第1閾値以上であるか否かを判定する(ステップS201)。第1閾値は、事前の実験により、携帯端末1を携帯するユーザが移動していない状態で得られる加速度の平均値と、携帯端末1を携帯するユーザが移動している状態で得られる加速度の平均値との中間値に定められる。
【0061】
なお、状態判定部21は、所定時間(例えば1秒)内に加速度センサ16が出力した加速度の平均値が第1閾値以上であるか否かを判定してもよい。これにより、携帯端末1が移動中であるか否かの判定精度を向上させることが可能となる。
【0062】
状態判定部21は、加速度センサ16が出力した加速度が第1閾値未満である場合(ステップS201−No)、携帯端末1は移動中でないと判定し(ステップS202)、一連のステップを終了する。
【0063】
一方、状態判定部21は、加速度センサ16が出力した加速度が第1閾値以上である場合(ステップS201−Yes)、携帯端末1は移動中であると判定する(ステップS203)。
【0064】
次に、状態判定部21は、地磁気センサ17が出力した磁気の大きさが第2閾値以上であるか否かを判定する(ステップS204)。第2閾値は、事前の実験により、携帯端末1を携帯するユーザが電車に乗っている状態で得られる
磁気の大きさの平均値と、携帯端末1を携帯するユーザが電車に乗っていない状態で得られる
磁気の大きさの平均値との中間値に定められる。
【0065】
なお、状態判定部21は、所定時間(例えば1秒)内に地磁気センサ17が出力した磁気の大きさの平均値が第2閾値以上であるか否かを判定してもよい。これにより、携帯端末1を携帯するユーザが歩行しているか電車で移動しているかの判定精度を向上させることが可能となる。
【0066】
次に、状態判定部21は、地磁気センサ17が出力した磁気の大きさが第2閾値未満である場合(ステップS204−No)、携帯端末1を携帯するユーザは歩行中であると判定し(ステップS205)、一連のステップを終了する。
【0067】
一方、状態判定部21は、地磁気センサ17が出力した磁気の大きさが第2閾値以上である場合(ステップS204−No)、携帯端末1を携帯するユーザは歩行中でなく、電車等で移動中であると判定し(ステップS206)、一連のステップを終了する。
【0068】
このように、状態判定部21は、加速度センサ16から出力された加速度に基づいて携帯端末1が移動中であるか否かを判定し、携帯端末1が移動中であると判定した場合、地磁気センサ17から出力された磁気の大きさに基づいて、携帯端末1を携帯するユーザが歩行中であるか否かを判定する。
【0069】
なお、状態判定部21は、加速度センサ16から出力された加速度が第1閾値以上である場合、その加速度が第1閾値より大きい第3閾値以上であるか否かを判定し、第3閾値未満である場合、ユーザは歩行中であり、第3閾値以上である場合、ユーザは電車で移動していると判定してもよい。しかしながら、電車は頻繁に速度が変化するため、地磁気センサ17から出力された磁気の大きさに基づいて判定する方が、より精度良く、ユーザが歩行中であるか否かを判定することができる。
【0070】
なお、
図3のステップS103において、制御部22は、携帯端末1が移動中であるか否かを判定するのではなく、携帯端末1を携帯するユーザが歩行中であるか否かを判定し、携帯端末1を携帯するユーザが歩行中である場合に限り、携帯端末1の機能の少なくとも一部を制限し、警告を出力してもよい。これにより、携帯端末1を携帯するユーザは、電車で移動しているときは、携帯端末1を利用することが可能となる。
【0071】
以上説明してきたように、携帯端末1には、移動中の利用が禁止されたエリアに配置されたアクセスポイントのBSSIDが予め設定される。携帯端末1は、加速度センサを用いてユーザが移動中であるか否かを判定し、ユーザが移動中であり且つアクセスポイントから受信したBSSIDが予め設定されているBSSIDと一致する場合、携帯端末の機能制限、又はユーザへの警告出力を実行する。これにより、携帯端末1は、ユーザが携帯端末1を利用すべきでない状態であることを精度良く検出し、携帯端末1の機能制限、又はユーザへの警告出力を実行することが可能となる。
【0072】
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、駅においてユーザが移動しながら携帯端末1を利用する場合に、機能制限又は警告出力を実行するものとしたが、道路においてユーザが移動しながら携帯端末1を利用する場合に、機能制限又は警告出力を実行してもよい。その場合、ユーザが移動しながら携帯端末を利用することを禁止する道路沿い、特にバス停等に設置されたアクセスポイントのBSSIDを携帯端末1に設定することにより、携帯端末1は、道路においてユーザが移動しながら携帯端末1を利用したときに、機能制限又は警告出力を実行することができる。
【0073】
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。