【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、一態様において、開始剤化合物の残基から伸びるヒドロキシル基を末端とするポリエーテル鎖を2本以上含むプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマーであって、ポリエーテル鎖がそれぞれ、内側ブロックと外側ブロックを含み、内側ブロックがそれぞれ、約150〜350の分子量を有し、10〜35重量%のオキシプロピレン単位と65〜90重量%のオキシエチレン単位を含み、外側ブロックがそれぞれ、95〜100重量%のオキシプロピレン単位と0〜5重量%のオキシエチレン単位を含み、さらにプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマーのヒドロキシル当量重量が800〜2000であり、全オキシエチレン含有量が5〜18重量%であるプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマーである。
【0009】
本発明はまた、ポリエーテルポリオールのブレンドを調製する方法であって、ヒドロキシルおよび/またはアミン水素1個当たりの当量重量が30〜150であり、1分子当たり少なくとも2個のヒドロキシルおよび/またはアミン水素を有する開始剤化合物を、65〜90重量%のエチレンオキシドと10〜35重量%のプロピレンオキシドとの混合物でアルコキシル化して、開始剤化合物の残基から伸びる分子量150〜350のポリエーテル鎖を有する中間体を形成するステップと、中間体と、ヒドロキシルおよび/またはアミン水素1個当たりの当量重量が15〜100であり、1分子当たり少なくとも2個のヒドロキシルおよび/またはアミン水素を有する異なる開始剤化合物を混合するステップと、得られた混合物を、プロピレンオキシドまたは少なくとも95重量%のプロピレンオキシドと5重量%までのエチレンオキシドとの混合物でアルコキシル化して、ヒドロキシル当量重量が800〜2000であるポリエーテルポリオールブレンドを形成するステップとを含む方法である。この方法は、良質なポリウレタンフォームを形成するのに使用することができるポリエーテルポリオールブレンドを調製するのに有用である。
【0010】
本発明はまた、ポリウレタンフォームを調製する方法であって、少なくとも
(a)ヒドロキシル当量重量が800〜2000である1つまたは複数のポリエーテルポリオールであって、ポリエーテルポリオールの少なくとも60重量%は、開始剤化合物の残基から伸びるヒドロキシル基を末端とするポリエーテル鎖を2本以上含む1つまたは複数のプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマーであり、ポリエーテル鎖はそれぞれ、内側ブロックと外側ブロックを含み、内側ブロックはそれぞれ、約150〜350の分子量を有し、10〜35重量%のオキシプロピレン単位と65〜90重量%のオキシエチレン単位を含み、外側ブロックはそれぞれ、95〜100重量%のオキシプロピレン単位と0〜5重量%のオキシエチレン単位を含み、さらにプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマーのヒドロキシル当量重量は800〜2000であり、かつ全オキシエチレン含有量は5〜18重量%である1つまたは複数のポリエーテルポリオール;
(b)少なくとも1つの発泡剤;
(c)少なくとも1つの有機ポリイソシアナート;ならびに
(d)少なくとも1つの界面活性剤およびイソシアナート基とヒドロキシル基の反応のための少なくとも1つの触媒
を含有するフォーム配合物を形成するステップと、
フォーム配合物を硬化させて、ポリウレタンフォームを形成するステップと
を含む方法である。
【0011】
本発明は、また前述の方法に従って調製されたポリウレタンフォームである。本発明のフォームは、クッション材、シート材およびベッド材用途で有用である。
【0012】
プロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマーは、好ましくはヒドロキシル当量重量が少なくとも1000である。そのヒドロキシル当量重量は、いくつかの実施形態において1700までまたは1500までとすることができる。内側ブロックはそれぞれ、好ましくは20〜30重量%のオキシプロピレン単位と70〜80%のオキシエチレン単位を含む。内側ブロックの分子量は、好ましくは180〜300、より好ましくは200〜300である。外側ブロックは、好ましくは98〜100重量%のオキシプロピレンオキシドと0〜2重量%のオキシエチレン単位を含む。プロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマーの全オキシエチレン含有量は、好ましくは少なくとも8重量%、より好ましくは少なくとも12重量%であり、いくつかの実施形態においては18重量%までである。プロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマーの平均ヒドロキシル官能価は、好ましくは2〜8、より好ましくは2〜4である。本発明では官能価は、公称の官能価であり、ポリオールを調製するのに使用される開始剤化合物のヒドロキシルおよび/またはアミン水素の平均個数と等しいと考えられる。プロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマーは、好ましくは少なくとも75%の第二級ヒドロキシル基、より好ましくは85〜100%の第二級ヒドロキシル基を含む。
【0013】
プロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマーは、ヒドロキシル基、第一級もしくは第二級アミノ基、またはヒドロキシルと第一級もしくは第二級アミノ基との両方を有する開始剤化合物上にアルキレンオキシドを重合させる多段重合で調製することができる。開始剤化合物は、ヒドロキシルおよび/またはアミノ水素を少なくとも合計2個有する。開始剤化合物は、ヒドロキシルおよび/またはアミン水素を8個以上も有することができる。好ましい開始剤は、ヒドロキシルおよび/またはアミン水素を合計2〜4個有する。さらに一層好ましい開始剤は、ヒドロキシル基を2〜4個含み、第一級または第二級アミノ基を含まない。ヒドロキシルおよび/またはアミン水素1個当たりの当量重量は、好適には約15〜100、より好ましくは約20〜約75である。好適な開始剤化合物の例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、ソルビトール、スクロース、エチレンジアミン、トルエンジアミン、アニリン、メチレンジアニリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、3,3’−ジアミノ−N−メチルジプロピルアミン、3,3’−ジアミノ−N−エチルジプロピルアミン、2,2’−ジアミノ−N−メチルジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルジプロパノールアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル−1,3−プロパンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル−1,2−エタンジアミンなどが挙げられる。
【0014】
内側ブロックは、65〜90重量%のエチレンオキシドと10〜35重量%のプロピレンオキシドとの混合物を開始剤化合物上に重合させることによって形成される。この重合を、前に指定された分子量を有するブロックが開始剤上に形成されるまで継続させる。次いで、プロピレンオキシドまたはプロピレンオキシドと5重量%までのエチレンオキシドとの混合物を、得られた中間体に添加し、ポリエーテルポリオールが前に記載された分子量を実現するまで重合させる。重合ステップは、重合触媒の存在下に120〜180℃などの高温で行われる。好適な重合触媒の例としては、アルカリ金属水酸化物、およびヘキサシアノコバルト酸亜鉛触媒錯体などのいわゆる複合金属シアン化物触媒が挙げられる。複合金属シアン化物触媒は、第1の重合ステップの開始剤および/または生成物がアミン基を含むとき使用すべきではない。第1の重合ステップをアルカリ金属触媒の存在下に行い、第2の重合ステップを複合金属シアン化物触媒の存在下に行うことが有利である場合が多い。得られたプロピレンオキシド/エチレンオキシド化合物は、構造
A−[B−C−OH]
n
で表すことができ、式中、Aは開始剤化合物の残基を表し、Bは内側ブロックを表し、Cは外側ブロックを表し、nは、開始剤化合物が本来有するヒドロキシルおよびアミン水素の全数と等しい数である。内側ブロックBは、65〜90重量%のオキシエチレン基と10〜35重量%のオキシプロピレン基を含む。内側ブロックBは、分子量が150〜350である。外側ブロックCは、少なくとも95重量%のオキシプロピレン基を含み、残部はオキシエチレン基である。nは、好ましくは2〜4である。
【0015】
記載されたプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマーが2つ以上存在してもよい。さらに、成分(a)は、ヒドロキシル当量重量が800〜2000であるが、ポリプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマーと異なる少なくとも1つの追加のポリエーテルポリオールも含んでもよい。このような追加のポリエーテルポリオールは、例えばプロピレンオキシドのホモポリマー、プロピレンオキシドとエチレンオキシドのランダムコポリマー、1つまたは複数のポリ(オキシエチレン)ブロックおよび1つまたは複数のポリ(プロピレンオキシド)ブロックを有するブロックコポリマーとすることができる。成分(a)は全体として、平均ヒドロキシル当量重量が好ましくは800〜2000、より好ましくは800〜1500であり、平均ヒドロキシル官能価が2〜5、より好ましくは2.5〜3.5である。成分(a)は、プロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマーの少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも80重量%を含有することが好ましい。成分(a)は、プロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマーの100重量%までを含有してもよい。
【0016】
プロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマーと追加のポリエーテルポリオールとの混合物は、単一重合プロセスで調製することができる。これは、例えばエチレンオキシドとプロピレンオキシドの混合物を開始剤上に重合させて、前に記載された中間体を形成することによって実施することができる。次いで、この中間体を、異なる1つまたは複数の追加開始剤と組み合わせ、次いでさらにプロピレンオキシドまたはプロピレンオキシドと5重量%までのエチレンオキシドとの混合物でアルコキシル化することができる。異なる追加開始剤は、ヒドロキシルまたはアミン水素1個当たりの当量重量が15〜100であり、1分子当たり合計2〜8個、好ましくは2〜4個のヒドロキシルおよびアミン水素を含むことができる。
【0017】
成分(a)は、分散されたポリマー粒子を含有することができる。ポリマー粒子が存在する場合それは、成分(a)の全重量の8〜30%、好ましくは8〜15%を構成することができる。ポリマー粒子は、例えば、スチレンなどの芳香族ビニルモノマーのコポリマー又はポリマー;アクリロニトリルのポリマーもしくはコポリマー;ポリウレタン;ポリ尿素;ポリウレタン−尿素;または他の好適なポリマーとすることができる。スチレン−アクリロニトリルコポリマー粒子は、特に好ましいタイプである。分散されたポリマー粒子は、ポリエーテルポリオールの1つまたは複数の中で現場重合させることができる。分散されたポリマー粒子の粒径は、100nm〜50ミクロン、好ましくは500nm〜約30ミクロンである。分散されたポリマー粒子は、好ましくはポリエーテルポリオール分子の少なくとも一部分上にグラフト化される。
【0018】
発泡剤(成分(b))は、物理的(吸熱性)または化学的(発熱性)タイプのものとすることができる。水は、極めて好ましい発泡剤である。周知のように、水はイソシアナート基と反応して、二酸化炭素を発生させ、尿素結合を形成することによって、発泡機能と鎖延長機能とを遂行する。水に加えて、補助発泡剤をフォーム配合物中に含めることが可能であるが、水は、フォーム配合物中で単独の発泡剤であることが好ましい。補助発泡剤は、カルバマートなどの化学的タイプ、あるいは例えば二酸化炭素または低沸点炭化水素、ヒドロフルオロカーボンもしくはヒドロクロロフルオロカーボンなどの物理的発泡剤とすることができる。水が単独の発泡剤である好ましい場合に、水の量は、得られるフォームの密度に関して重要な寄与因子である。成分(a)100部当たり、少なくとも1.5重量部、好ましくは少なくとも2.0重量部の水が存在する。やはり成分(a)100重量部当たり、7重量部までの水、好ましくは5重量部までの水を使用することができる。
【0019】
成分(c)は、1分子当たり平均1.8個以上のイソシアナート基を有する有機ポリイソシアナートまたはその混合物である。イソシアナート官能価は、好ましくは約1.9〜4、より好ましくは1.9〜3.5、特に1.9〜2.7である。イソシアナート当量重量は、約70〜200、好ましくは70〜160とすることができる。ただし、例外として、ポリウレタンを形成する方法の一部分としてポリイソシアナートがプレポリマーに形成される場合は、より高いイソシアナート当量重量を用いることができる。好適なポリイソシアナートとしては、芳香族、脂肪族および脂環式のポリイソシアナートが挙げられる。芳香族ポリイソシアナートが、コスト、利用可能性および生成物のポリウレタンに付与される特性に基づいて、通常好ましい。例示的なポリイソシアナートとしては、例えばm−フェニレンジイソシアナート、2,4−および/または2,6−トルエンジイソシアナート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)の種々の異性体、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアナート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアナート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアナート、ヘキサヒドロトルエンジイソシアナート、水素化MDI(H
12 MDI)、ナフチレン−1,5−ジイソシアナート、メトキシフェニル−2,4−ジイソシアナート、4,4’−ビフェニレンジイソシアナート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニルジイソシアナート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアナート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアナート、ポリメチレンポリフェニルイソシアナート、水素化ポリメチレンポリフェニルイソシアナート、トルエン−2,4,6−トリイソシアナート、ならびに4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアナートが挙げられる。好ましいポリイソシアナートとしては、MDI、およびビウレット変性「液体」MDI生成物やポリメリックMDIなどのMDIの誘導体、ならびにTDIの2,4−異性体と2,6−異性体の混合物が挙げられる。別の有用なポリイソシアナートは、TDI異性体とMDIまたはポリメリックMDIの混合物であり、混合物の60〜90重量%をTDI異性体が構成し、TDI異性体の少なくとも70重量%を2,4−TDI異性体が構成するものである。このようなイソシアナート生成物は、Dow Chemical CompanyからVoranate(登録商標)TM−20として入手可能である。
【0020】
ポリイソシアナートの使用量は、典型的にはイソシアナート指数70〜125を実現するのに十分な量である。好ましい範囲は80〜120であり、より好ましい範囲は90〜115である。イソシアナート指数は、配合物中のイソシアナート基とイソシアナート反応性基の比を100倍した数値である。
【0021】
成分(a)と(c)(および成分(b)が水または他のイソシアナート反応性発泡剤である場合それと)が反応して、本発明のポリウレタンフォームが形成される。フォーム配合物は、成分(a)〜(c)に加えて他の反応性材料を含有してもよい。これらの他の反応性材料は、イソシアナート反応性基1個当たりの当量重量が799まで、より好ましくは250までであることが好適である。これらオプションの他の反応性材料としては、1分子当たりちょうど2個のイソシアナート反応性基を有する鎖延長剤、および1分子当たり3個以上のイソシアナート反応性基を有する架橋剤が挙げられる。鎖延長剤および架橋剤は、当量重量が好ましくは30〜150、より好ましくは30〜125である。イソシアナート反応性基は、例えばヒドロキシル基、第一級アミノ基または第二級アミノ基とすることができる。鎖延長剤および架橋剤の例としては、エチレングリコール、1,2−または1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのアルキレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなどのグリコールエーテル;シクロヘキサンジメタノール;グリセリン;トリメチロールプロパン;トリエタノールアミン;ジエタノールアミンなどが挙げられる。
【0022】
鎖延長剤および架橋剤が存在する場合それらはそれぞれ、通常少量が使用され、典型的には成分(a)100部当たりそれぞれ約5重量部以下で使用される。鎖延長剤および/または架橋剤が仮にも存在する場合それらはそれぞれ、成分(a)100部当たり好ましくは0.1〜2重量部、より好ましくは0.1〜1重量部の量で存在する。
【0023】
本発明の弾性軟質ポリウレタンフォームは、フォーム配合物の前述の反応性材料の反応生成物である。フォーム配合物は、反応性材料に加えて、典型的には少なくとも1つの触媒および少なくとも1つのシリコーン界面活性剤を含有する。
【0024】
好ましい1つの触媒タイプは、第三級アミン触媒である。第三級アミン触媒は、少なくとも1つの第三級アミン基を有し、ポリオールとポリイソシアナートと少なくとも1つの第三級アミン基との反応に触媒活性を示す化合物であればいずれでもよい。代表的な第三級アミン触媒としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジメチルピペラジン、1,4−ジアゾビシクロ−2,2,2−オクタン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、モルホリン、4,4’−(オキシジ−2,1−エタンジイル)ビス、トリエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N−セチルN,N−ジメチルアミン、N−ココモルホリン、N,N−ジメチルアミノメチルN−メチルエタノールアミン、N,N,N’−トリメチル−N’−ヒドロキシエチルビス(アミノエチル)エーテル、N,N−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)N−イソプロパノールアミン、(N,N−ジメチル)アミノ−エトキシエタノール、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン、1,8−ジアザビシクロ−5,4,0−ウンデセン−7、N,N−ジモルホリノジエチルエーテル、N−メチルイミダゾール、ジメチルアミノプロピルジプロパノールアミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)アミノ−2−プロパノール、テトラメチルアミノビス(プロピルアミン)、(ジメチル(アミノエトキシエチル))((ジメチルアミン)エチル)エーテル、トリス(ジメチルアミノプロピル)アミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、ビス(N,N−ジメチル−3−アミノプロピル)アミン、1,2−エチレンピペリジン、およびメチル−ヒドロキシエチルピペラジンが挙げられる。
【0025】
フォーム配合物は、前に記載された第三級アミン触媒に加えてまたはその代わりに、1つまたは複数の他の触媒を含有してもよい。このような好適な触媒としては、例えば:
1)トリアルキルホスフィンやジアルキルベンジルホスフィンなどの第三級ホスフィン;
2)アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、アセト酢酸エチルなどとBe、Mg、Zn、Cd、Pd、Ti、Zr、Sn、As、Bi、Cr、Mo、Mn、Fe、Co、およびNiなどの金属から得ることができるものなど種々の金属のキレート;
3)塩化第二鉄、塩化第二スズ、塩化第一スズ、三塩化アンチモン、硝酸ビスマス、および塩化ビスマスなど強酸の酸性金属塩;
4)アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物、アルコキシド、およびフェノキシドなど強塩基;
5)Ti(OR)
4、Sn(OR)
4、およびAl(OR)
3など種々の金属のアルコラートおよびフェノラート(式中、Rはアルキルまたはアリールである)、ならびにアルコラートとカルボン酸、β−ジケトン、および2−(N,N−ジアルキルアミノ)アルコールとの反応生成物;
6)カルボン酸アルカリ土類金属、Bi、Pb、SnまたはAl塩;ならびに
7)4価のスズ化合物、および3価または5価のビスマス、アンチモンまたはヒ素化合物が挙げられる。
【0026】
特に重要なのは、カルボン酸スズ塩および4価のスズ化合物である。これらの例としては、オクチル酸第一スズ、二酢酸ジブチルスズ、ジラウリン酸ジブチルスズ、ジブチルスズジメルカプチド、ジアルキルスズジアルキルメルカプト酸、ジブチルスズオキシド、ジメチルスズジメルカプチド、ジイソオクチルメルカプト酢酸ジメチルスズなどが挙げられる。
【0027】
触媒は、典型的には少量が使用される。例えば、触媒の全使用量は、成分(a)100重量部当たり0.0015〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部とすることができる。金属触媒、特にスズ触媒は、典型的にはこれらの範囲の下端近くの量で使用される。
【0028】
セルサイズの調節に役立ち、かつ/またはフォームが膨張および硬化するとき安定化するように、1つまたは複数のシリコーン界面活性剤を、フォーム配合物に含めることが好ましい。有用な1つのシリコーン界面活性剤タイプは、ポリジメチルシロキサンタイプである。別の有用なシリコーン界面活性剤タイプは、ポリ(オキシアルキレン基)で修飾されたポリシロキサン主鎖を有する。各タイプの界面活性剤を少なくとも1つずつ含有する混合物を使用することができる。
【0029】
種々の追加成分を、フォーム配合物に含めることができる。これらとしては、例えば充填剤、可塑剤、着色剤、保存剤、臭気マスキング剤、難燃剤、殺生物剤、酸化防止剤、紫外線安定剤、および帯電防止剤が挙げられる。
【0030】
フォームは、前述の材料を混合して、フォーム配合物を形成し、そのフォーム配合物を、反応混合物が硬化して、ポリウレタンフォームが形成されるような条件にかけることによって、前述の材料から調製される。イソシアナート反応性材料の一部または全部を、有機ポリイソシアナートと接触させる前に様々な組合せの構成要素として混合することができる。諸成分は、有機イソシアナートをイソシアナート反応性材料と接触させるとき、好都合には約10℃〜約50℃の温度である。硬化は多くの場合、混合物に熱をさらに加えなくても十分に進行する。しかし、重合および発泡プロセスを促進することが望まれる場合には、硬化混合物を加熱してもよい。
【0031】
フォームは、本発明に従って、いわゆるスラブストックもしくはフリーライズプロセスまたは種々の成形プロセスにより調製することができる。スラブストックまたはフリーライズプロセスにおいて、種々の成分が、個別にまたは様々な組合せの構成要素としてミキシングヘッドに導入され、そこで混合され、トラフに分配される。分配された混合物は、熱を加えなくても典型的には膨張および硬化する。スラブストックプロセスにおいて、反応混合物は自由にまたは(カバーシートまたはフィルムの重量によって加えられ得るような)最小限の抑制下で膨張する。
【0032】
成形プロセスにおいて、反応混合物が形成され、次いで密閉金型に分配され、硬化が起こる。金型の加熱を行うことができるが、必ずしも必要でない。成形条件は、成形フォームの表面に一体スキン層が形成されるように選択することができる。反応混合物が膨張し、金型を満たし、上記の密度を有するフォームが形成されるように、十分量の反応混合物を金型に仕込む。混合物は、損傷または永久歪なしに取出しできるまで金型中で硬化される。取り出されたフォームは、金型から取り出された後に加熱することによって後硬化することができる。
【0033】
本発明に従って調製されたフォームは、心部密度が24〜128kg/m
3、好ましくは24〜64kg/m
3の範囲であることが有利である。密度は、発泡プロセス時に形成される可能性がある外部スキン層をいずれも除去した後、好都合にはISO 845に従って測定される。
【0034】
本発明のプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマーは、本発明のプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマーの内側ブロック/外側ブロック構造を含まないという点以外では同様のポリエーテルポリオールを使用して調製された類似のフォームに比べて、引張強さおよび/または引裂強さが改善されたポリウレタンフォームをもたらすことが明らかになった。この引張強さおよび/または引裂強さの増加は、フォームの密度の増加、伸びの大幅な損失、および圧縮永久歪の増加なしに見られる場合が多い。したがって、本発明は、ポリウレタンフォームの引張強さおよび/または引裂強さを増加させる単純で安価な手法を提供する。
【0035】
本発明に従って調製されたフォームは、マットレス、家具用クッション、自動車用シート材、バンパーパッド、スポーツおよび医療用機器、ヘルメットライナー、パイロットシート、耳栓、ならびに他の種々の騒音および振動減衰用途など種々の包装材、シート材および他のクッション材用途で有用である。