特許第5933568号(P5933568)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5933568
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月15日
(54)【発明の名称】食感改良剤を含有する菓子製品
(51)【国際特許分類】
   A23G 3/00 20060101AFI20160602BHJP
   A23G 3/34 20060101ALI20160602BHJP
   A23L 29/20 20160101ALI20160602BHJP
【FI】
   A23G3/00
   A23L1/04
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-534187(P2013-534187)
(86)(22)【出願日】2011年10月12日
(65)【公表番号】特表2013-539980(P2013-539980A)
(43)【公表日】2013年10月31日
(86)【国際出願番号】EP2011005112
(87)【国際公開番号】WO2012052128
(87)【国際公開日】20120426
【審査請求日】2014年7月24日
(31)【優先権主張番号】10188342.9
(32)【優先日】2010年10月21日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】397058666
【氏名又は名称】カーギル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ・ロベル・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイクマンス・コーエン
【審査官】 山本 晋也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−186959(JP,A)
【文献】 特開平05−030913(JP,A)
【文献】 特開平05−015337(JP,A)
【文献】 特開平04−228032(JP,A)
【文献】 特表2013−542743(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/060539(WO,A1)
【文献】 特表2010−508829(JP,A)
【文献】 特表2002−507400(JP,A)
【文献】 特開平07−067577(JP,A)
【文献】 特開2004−049225(JP,A)
【文献】 特開2012−136484(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23G
A23L
CAplus/FSTA/FROSTI(STN)
DWPI(Thomson Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)60〜90重量/重量%(乾燥重量に対して)のポリデキストロース、
b)5〜12重量/重量%(乾燥重量に対して)のゼラチン、
c)0.01〜0.35重量/重量%(乾燥重量に対して)のキサンタンガム及び
d)0.01〜0.35重量/重量%(乾燥重量に対して)のローカストビーンガムを含有する、菓子製品。
【請求項2】
前記菓子製品が、更に高甘味度甘味料を含有する、請求項1に記載の菓子製品。
【請求項3】
前記高甘味度甘味料が、天然の甘味料である、請求項2に記載の菓子製品。
【請求項4】
前記天然の甘味料がステビアである、請求項3に記載の菓子製品。
【請求項5】
a)60〜90重量/重量%(乾燥重量に対して)のポリデキストロース、
b)5〜12重量/重量%(乾燥重量に対して)のゼラチン、
c)0.01〜0.25重量/重量%(乾燥重量に対して)のキサンタンガム、
d)0.01〜0.25重量/重量%(乾燥重量に対して)のローカストビーンガム
及び
e)0.020〜0.70重量/重量%(乾燥重量に対して)ステビアを含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の菓子製品。
【請求項6】
更に、
a)1.0〜9.2重量/重量%(乾燥重量に対して)ポリオールを含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の菓子製品。
【請求項7】
前記ポリオールがマルチトールである、請求項6に記載の菓子製品。
【請求項8】
次工程:
a)ポリデキストロースと食感改良剤を混合する工程、
b)前記混合物を調理する工程、そして
c)前記調理した混合物を所望の成形型に流し入れる工程から構成される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の菓子製品の製造方法。
【請求項9】
高甘味度甘味料及び/又はポリオールが、工程a)において、あるいは工程b)の前において添加される、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリデキストロースと少なくとも2種の食感改良剤とを含有する菓子製品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、菓子製造において、カロリー含量を低減させ、かつ歯のう蝕を招く傾向を低下させた製品を提供する目的で、糖を一部又はすべて糖アルコール(ポリオール)で置き換えるようになってきている。これまでに菓子類の製造に提案されたポリオールとしては、イソマルト、マルチトール、キシリトール、エリスリトール及びこれらの混合物が挙げられる。
【0003】
低カロリーのゲル状菓子製品の分野において、食感、口当たりなどの感覚特性が満足のいくものであり、かつ消化特性も許容可能なものである適切な増量剤を発見することは、非常に困難であるとされてきた。
【0004】
日本特許第3100186号は、ヒドロコロイドを更に含有しているエリスリトール系キャンディーを記載している。
【0005】
欧州特許第2 091 346号(すなわち国際公開第2008/055510号)は、糖含量及びカロリー含量を低減させた甘味菓子製品を記載している。この甘味菓子製品は、少なくとも1種の高甘味度甘味料と、少なくとも1種の食感付与剤と、2種以上の低カロリー増量剤と、を含んでいる。
【0006】
欧州特許第0 438 912号は、ポリデキストロースと封入剤とを含有する、低カロリー非う蝕原性食用組成物を記載している。
【0007】
米国特許第5,098,730号は、キシリトールと、低カロリー増量剤(例えばポリデキストロース)とを、乾燥重量に基づいて約4:約0.05の重量比で含有する、糖質系甘味料組成物を提供する。
【0008】
米国特許第2010/0112142号は、ポリオール、特にエリスリトールを含んでいる菓子製品を記載している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
満足できる食感、口当たりなどの感覚特性を示し、かつ許容可能な消化特性を示す菓子製品がより一層必要とされている。本発明はこのような菓子製品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ポリデキストロースと、これに加え更にゼラチン、微生物ガム、寒天、ペクチン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、βグルカン、カラギーナン、グルコマンナン、グアーガム、ガティゴム、トラガカントゴム、カラヤガム、タラゴム、フェヌグリークガム、及びローカストビーンガムからなる群から選択される少なくとも2種の食感改良剤とを含有し、ポリデキストロースを乾燥重量で60〜90重量/重量%含有し、食感改良剤を乾燥重量で10〜40重量/重量%含有することを特徴とする、菓子製品に関する。
【0011】
更に、本発明は、本発明の菓子製品の製造方法に関し、これに加えてポリデキストロースと、ゼラチン、微生物ガム、寒天、ペクチン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、βグルカン、カラギーナン、グルコマンナン、グアーガム、ガティゴム、トラガカントゴム、カラヤガム、タラゴム、フェヌグリークガム、及びローカストビーンガムからなる群から選択される少なくとも2種の食感改良剤とを含有し、ポリデキストロースを乾燥重量で60〜90重量/重量%含有し、食感改良剤を乾燥重量で10〜40重量/重量%含有することを特徴とするドライミックスに関する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、ポリデキストロースと、これに加え更にゼラチン、微生物ガム、寒天、ペクチン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、βグルカン、カラギーナン、グルコマンナン、グアーガム、ガティゴム、トラガカントゴム、カラヤガム、タラゴム、フェヌグリークガム、及びローカストビーンガムからなる群から選択される少なくとも2種の食感改良剤とを含有し、ポリデキストロースを乾燥重量で60〜90重量/重量%含有し、食感改良剤を乾燥重量で10〜40重量/重量%含有することを特徴とする、菓子製品に関する。
【0013】
本発明の範囲内の菓子製品は、ソフト及び/又はチュアブル及び/又はグミ様甘味キャンディー組成物などの固体食品組成物を包含し、これらの食品組成物としては、ガム及びゼリー、リコリス菓子及び他の成形製品が挙げられる。好ましくは、菓子製品はゼリー菓子である。これらの例としては、発泡ガム、ソフトガム、ひも状グミ(laces)、チューブ状グミ、グミベア(gummy bears)、及びゼリーベビー(jelly babies)などが挙げられる。
【0014】
本明細書で述べられるポリデキストロースは、水溶性で低カロリーの非う触性増量剤である。この増量剤は、主にβ−1−6及びβ−1−4結合を有することを特徴とするランダムに架橋された(分枝状)グルカンポリマー(多糖類複合体)であり、酸触媒による、糖単独のあるいは糖アルコールの存在下での縮合により製造される。ポリデキストロースは、粉末及び/又は液体形態で用いることができる。ポリデキストロースを食品成分として特殊調製粉乳に加えた場合に、幼児にとってポリデキストロースが安全であることを確認する目的で、数例の実験が実施された。これらの分析により、ポリデキストロースのもつ下痢誘発効果は、摂取量を1日当たり体重1kgにつき1g未満に抑えられれば、子供でも現れないことが確認された。
【0015】
更に、菓子製品は、食感改良剤(=食感付与剤)を含有する。
【0016】
食感改良剤は、一体特性、貯蔵安定性、並びに消費者に対する良好な訴求力及び消費者による良好な支持を備える、高品質の食品を提供するにあたって非常に有効である。食感改良剤は、エネルギー含量を有意に増加させることなく製品の食感を調節することのできる化合物として定義される。実際に、少なくとも2種の食感改良剤を含有させると、殆どの場合で、本発明の菓子製品の弾性及び/又は固体特性にすべて又は一部関与する。
【0017】
少なくとも2種の食感改良剤が加えられるが、これらの食感改良剤はゼラチン、微生物ガム、寒天、ペクチン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、βグルカン、カラギーナン、グルコマンナン、グアーガム、ガティゴム、トラガカントゴム、カラヤガム、タラゴム、フェヌグリークガム、ローカストビーンガムからなる群から選択される。これらの少なくとも2種の食感改良剤の混合物が本発明に加えられる。
【0018】
食品等級のゼラチンは、魚類又は哺乳類(ブタ及びウシなど)コラーゲンから水抽出により製造される。この製造法により、固く粘着性のゲル構造物が得られる。ブルーム強度(ブルーム強度が高くなるほどゲルの強度が増すことになる)及び濃度に応じて、菓子製品の食感は弾性なものからチューズ(chew)のように固くゴム様のものに変化する。
【0019】
本明細書で使用するとき、用語「微生物ガム」は、微生物源由来、すなわち藻類、バクテリア又は真菌類由来のすべての多糖類ガムを意味することを意図する。これらのものの例としては、例えばいずれも微生物により産生されるジェランガム及びキサンタンガムが挙げられる。本明細書で使用するのに好ましい微生物ガムは、好気性液内発酵により商業的に産生される、微生物由来の乾燥耐性ポリマーのキサンタンガムである。キサンタンガムは、側鎖として(3,1)−α−結合型D−マンノピラノース−(2,1)−β−D−グルクロン酸−(4,1)−β−D−マンノピラノースを繰り返し単位上に有する、β−(1,4)−D−グルコピラノースグルカン主鎖をもつアニオン性の高分子電解質である。
【0020】
寒天は植物由来の多糖類樹脂である。ゲル化剤は、主に一部の紅藻、テングサ及びオゴノリ類、又は海藻の細胞壁から得られる非分岐型多糖類である。
【0021】
他の水溶性食物繊維としてはペクチンが挙げられる。ペクチンは果物及び野菜に見られる不均一な酸性多糖類群であり、主に、廃棄物となる柑橘類の皮及びリンゴの搾汁かすから製造される。ペクチンは複合構造体であり、その構造の大部分は、主にL−アラビノースとD−ガラクトースからなるほぼ中性の側鎖(1〜20残基)を備えた分岐点を含む、実質的に毛状の非ゲル化領域である、α−(1,2)−L−ラムノシル−α−(1,4)−D−ガラクツロノシルの繰り返し部位を備える、ホモポリマー状の、一部メチル化されたポリ−α−(1,4)−D−ガラクツロン酸残基からなる構造を持つ。ペクチンの特性はエステル化の程度によって異なり、エステル化度は一般的には約70%程度である。低メトキシ(LM)ペクチンのエステル化度は40%未満であるのに対し、高メトキシ(HM)ペクチンのエステル化度は43%以上であり、通常67%である。
【0022】
アルギン酸及びアルギン酸ナトリウムは、β−(1,4)−結合型D−マンヌロン酸残基とα−(1,4)−結合型L−グルロン酸残基とを含有している直鎖ポリマーからなる植物ガムであり、海藻から製造される。
【0023】
β−グルカンは、β−(1,3)−D−グルコピラノース単位がランダムな順番で結合している直鎖の非分岐型多糖類からなる構造体であると定義される。β−グルカンは、例えば、大麦、オート麦、ライ麦及び小麦などの穀類のふすまに含まれる。
【0024】
カラギーナンは、紅藻のアルカリ抽出により製造される多糖類の総称である。カラギーナンは、ガラクトース誘導体を約25,000個有する直鎖ポリマーである。カラギーナンの基本構造は、3−結合型β−D−ガラクトピラノース単位と4−結合型α−D−ガラクトピラノース単位とが交互に結合して構成される。市販のカラギーナンは大きく分けてκ、ι及びλカラギーナンの3つに分類される。
【0025】
グルコマンナンは主に分岐を低い割合でもつ直鎖ポリマーからなる。構成糖はβ−(1→4)−結合型D−マンノースとD−グルコースであり、これらを1.6:1比で含む。分岐度は約8%であり、これはβ−(1→6)−グルコシル結合によるものである。
【0026】
グアーガムは、6位にα−D−ガラクトースを結合する分岐点を備えるα−(1,4)−結合型β−D−マンノピラノース骨格鎖からなるガラクトマンナンとして定義される。グアーガムは非イオン性であり、典型的には約10,000残基からなる。グアーガムは水溶性が高く、例えば、ローカストビーンガムよりも水溶性である。
【0027】
ガティゴムは、インドゴムノキ(アノゲイサス・ラチフォリア(Anogeissus latifolia))から得られる天然ゴムである。
【0028】
トラガカントゴムは、多糖類の、粘稠であり、無味無臭の水溶性混合物であり、レンゲソウ属のA.アドセンデンス(A. adscendens)、A.グミファー(A. gummifer)、及びA.トラガカンタス(A. tragacanthus)などの数種類の中近東のマメ科植物の根から採取される液体から得られる。
【0029】
カラヤガムは、ステルクリア(Sterculia)属の木の浸出液として製造される植物ガムである。このゴムは糖のガラクトースと、ラムノースと、ガラクツロン酸から構成される酸性多糖類である。
【0030】
タラゴムは白色又はベージュ色のほとんど無臭の粉末であり、クレオメ・スピノサ(C. spinosa)の種子の内胚乳を分離し、磨砕することで製造される。このガムの主要な成分は、グアーガム及びローカストビーンガムの主要成分と同様にガラクトマンナンポリマーである。
【0031】
フェヌグリークガムはD−マンノピラノース残基とD−ガラクトピラノース残基とからなり、それぞれを1.2:1.0のモル比で含有する。このガラクトマンナン主鎖は、主鎖の83.3%がC6でα−(1,6)−D−ガラクトピラノースの単一残基により置換されたβ−(1,4)−結合型D−マンノピラノース残基からなる。ガラクトマンナンは約2,000個の残基からなる。フェヌグリークガム(種子内胚乳)の73.6%はガラクトマンナンが占める。
【0032】
ローカストビーンガムはグアーガム同様ガラクトマンナンである。このガムは多分散性で非イオン性であり、約2,000個の残基からなる。ローカストビーンガムはグアーガムと比べ溶解性が低く、粘性が低く、温水に可溶性である。
【0033】
好ましくは、少なくとも2種の食感改良剤は、a)ゼラチンとb)キサンタンガム及び/又はローカストビーンガムの混合物である。
【0034】
食感改良剤は、菓子製品の乾燥重量に基づき10重量/重量%〜40重量/重量%、好ましくは15重量/重量%〜25重量/重量%の量で含有させる。食感改良剤の内、重量を主に占めるものはゼラチンであり、それに対しキサンタンガム及び/又はローカストビーンガムの最大含有量は、菓子製品の乾燥重量に基づき0.25重量/重量%である。
【0035】
好ましくは、菓子製品は、
a)5〜12重量/重量%のゼラチンと、
b)0.01〜0.25重量/重量%のキサンタンガム、ローカストビーンガム又はこれらの混合物と、を含有する。
【0036】
菓子製品は更に、高甘味度甘味料を含有する。
【0037】
非糖質系甘味料として使用することのできる高甘味度甘味料は、アスパルテーム、アセスルファム塩、例えばアセスルファム−K、サッカリン(例えば、ナトリウム及びカルシウム塩)、シクラミン酸(例えば、ナトリウム及びカルシウム塩)、スクラロース、アリターム、ネオテーム、ステビオシド、グリチルリチン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、モネリン、タウマチン、ブラゼイン、これらの2種以上の混合物、及び同様物からなる群から選択することができる。実際に、任意の他の天然由来の高甘味度甘味料も同様に好適であり、好ましくは本発明においてはステビアが使用される。
【0038】
菓子製品は更にポリオールを含有する。
【0039】
本発明の文脈において、ポリオールは、テトリトール類、ペンチトール類、ヘキシトール類、水素添加二糖類、水素添加三糖類、水素添加四糖類、水素添加マルトデキストリン類及びこれらの混合物から選択される。
【0040】
より具体的には、ポリオールは、エリスリトール、トレイトール、アラビニトール、キシリトール、リビトール、アリトール、アルトリトール、グリトール、ガラクチトール、マンニトール、ソルビトール、タリトール、マルチトール、イソマルチトール、イソマルト、ラクチトール、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。好ましくは、ポリオールはマルチトール、ソルビトール、イソマルト又はこれらの2種以上の混合物である。
【0041】
本発明の菓子類には、更に香味料及び/又は着色剤を含有させることができる。
【0042】
香味料の例としては、果実及び液果(例えば、バナナ、ラズベリー、リンゴ、マンゴー、パパイヤ、及び柑橘類など)、野菜(例えば、キュウリ、ダイオウ、トマト、ニンジン、アスパラガスなど)、殻果(例えば、ヘーゼルナッツ、アーモンド、松果、及びカシューナッツなど)、香辛料(例えば、バジル、カルダモン、桂皮、及びタイムなど)、花(例えば、バラ、エルダーフラワー、及びラベンダーなど)、ハーブ(例えば、バジル、ローズマリー、及びディルなど)、根茎(例えば、甘草)、植物(例えば、バニラ、ミント、モミ、及び茶など)、並びに様々な他の種類の供給源(例えば、プロポリス及び蜂蜜)由来の香味料、及び/又は抽出物及び/又は、芳香油、精油が挙げられる。これに加え香味料には更に、ココア、チョコレート、カラメル、カラメルエッセンス、ヌガー、ヌガーエッセンス、マジパン、アーモンドエッセンス、油、リカー、ブランデー、ラム酒、ポート酒、ウイスキー、及びワインなどの素材の香味料が含まれる。
【0043】
典型的な香味例は、ミント味、チョコミント味、風船ガム味、スパイスアップル味(apple spice)、ブラックチェリー味、パイナップル味、コーラ味、ブドウ味、さくらんぼ味、リンゴ味、並びにオレンジ味、レモン味、ライム味、フルーツポンチ味などの柑橘味、並びにこれらの2種以上が混合された味から選択される。香味料の量は、選択された香味料(1種以上)、所望される香味料の印象及び香味料の使用形態によって異なる。
【0044】
必要に応じて、同様に着色剤も加えることができる。食品着色料は、食品に加えることで、食品の色を変化させるか、あるいは食品に鮮やかで美味しそうな色味をつける物質である。人々は特定の色味を特定の味と関連付けるため、色味は知覚される味に影響する可能性がある。この観点から、食品製造者は食品に色素を加える。本発明には、食品への使用が認可されている任意の水溶性着色剤を使用することができる。天然の着色剤、例えば、植物、野菜、果実、及び/又は昆虫から抽出された着色剤は、本発明との関連において好ましい。
【0045】
本発明は、更に次の:
a)60〜90重量/重量%のポリデキストロースと、
b)5〜12重量/重量%のゼラチンと、
c)0.01〜0.25重量/重量%のキサンタンガム、ローカストビーンガム、又はこれらの両方の混合物と、
d)0.020〜0.10重量/重量%のステビアと、を含有するグミ状菓子製品(すなわち、ゼリー)にも関する。
【0046】
より具体的には、更に1〜9.2重量/重量%ポリオールを、好ましくはマルチトールを含有する菓子製品に関連する。
【0047】
本発明は、次の
a)60〜90重量/重量%のポリデキストロースと、
b)5〜12重量/重量%のゼラチンと、
c)0.01〜0.25重量/重量%のキサンタンガムと、
d)0.01〜0.25重量/重量%のローカストビーンガムと、
e)0.020〜0.10重量/重量%のステビアと、
f)1〜9.2重量/重量%のポリオール、好ましくはマルチトールと、を含有する菓子製品に関し、好ましくはグミ状菓子製品に関する。
【0048】
好ましい菓子製品、すなわちゼリーの湿分含量は12〜20%である。チューインキャンディーの湿分含量は約6〜10%であるため、これらの菓子製品の湿分含量は異なる。
【0049】
本発明は、更に本発明の菓子製品の製造方法に関し、本方法は次の工程
a)ポリデキストロースと食感改良剤を混合する工程と、
b)混合物を調理する工程と、
c)調理した混合物を所望の成形型に流し入れる工程と、から構成される。
【0050】
成形型に流し入れた後、菓子製品は室温で貯蔵する。この貯蔵時には、残留含湿分を除去するために高温(50〜60℃)で乾燥させる工程を追加で組み込みはしない。
【0051】
この加工は、工程a)において、又は工程b)の前において、高甘味度甘味料、及び/又はポリオールを添加することにより更に特徴づけられる。
【0052】
最終的に、本発明は、ポリデキストロースと、ゼラチン、微生物ガム、寒天、ペクチン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、βグルカン、カラギーナン、グルコマンナン、グアーガム、ガティゴム、トラガカントゴム、カラヤガム、タラゴム、フェヌグリークガム、ローカストビーンガムからなる群から選択される少なくとも2種の食感改良剤と、を含むドライミックスからなる。並びに、ポリデキストロースを乾燥重量で60〜90重量/重量%と、食感改良剤を乾燥重量で10〜40重量/重量%含有することを特徴とし、好ましくは少なくとも2種の食感改良剤はa)ゼラチンと、b)キサンタンガム、ローカストビーンガム又はこれらの両方の混合物と、である。
【0053】
更に、本発明は、次の
a)5〜12重量/重量%のゼラチンと、
b)0.01〜0.25重量/重量%のキサンタンガム、ローカストビーンガム、又はこれらの両方の混合物と、を含むドライミックスに関する。
【0054】
本発明は、高甘味度甘味料を、好ましくは天然の甘味料を更に含有するドライミックスに関し、より好ましくは天然の甘味料はステビアである。
【0055】
本発明は、以降に実施例に従う形態で例示される。
【実施例】
【0056】
(実施例1)
【0057】
【表1】
【0058】
加工方法:
A ゼラチン溶液
90℃の温水16kgを量り取り、8.075kgのゼラチンを加える。
【0059】
高速混合を行いゼラチンを溶解させ、このまま維持する。
【0060】
加工槽の温度は60〜70℃に維持する。
【0061】
B 粉末配合物
キサンタン0.115kgとローカストビーンガム0.115kgとポリデキストロース粉末5kgを量り取り、よく混合する。
【0062】
プレミックス
溶液Aのゼラチン溶液27.075kgを量り取り、これをプレミックス槽に加える。
【0063】
プレミックス槽の温度を70〜80℃に維持する、あるいはこの温度に加温する。
【0064】
70℃に温度を維持しながら、プレミックスに、残りのポリデキストロース54.97kgをすべて加え、すべてのポリデキストロース粉末が溶解するまで撹拌し続ける。
【0065】
ここまでの作業が完了したならば、Bのキサンタン/LBGとポリデキストロースの粉末配合物5.23kgを加え、すべての材料が溶解するまで撹拌することができる。
【0066】
プレミックスの温度を70〜80℃に維持する。
【0067】
熱交換器により調理を行う。
【0068】
この混合物の調理温度は、調理速度に応じて100〜140℃である。
【0069】
調理後のブリックスは75〜82°である。
【0070】
調理物の温度は80〜120℃である。
【0071】
溶液又は粉末状のステビアを加えることもできるが、既にプレミックスに加えられている場合には加える必要はない。
【0072】
着色剤、香味料及び酸を調理物に加える。
【0073】
流し入れ
調理物を所望の型に流し入れ、ゼリー状になるまで、15〜25℃、RH 30〜70%下で24〜48時間固める。
【0074】
流し入れ温度は60〜95℃である。
【0075】
型から取り出し、包装する。
【0076】
型から取り出した製品に対し、所定の時間の経過後にポリシング剤により艶出しを行う。
【0077】
安定性のため製品を6〜8時間トレーに保存する。
【0078】
製品を所望の包装形態で包装する。
【0079】
カロリー減少率は44.63%である。