特許第5933596号(P5933596)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5933596
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月15日
(54)【発明の名称】センサー・モジュール
(51)【国際特許分類】
   G01D 11/24 20060101AFI20160602BHJP
   G01D 11/30 20060101ALI20160602BHJP
【FI】
   G01D11/24 Z
   G01D11/30 S
【請求項の数】6
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-549715(P2013-549715)
(86)(22)【出願日】2012年1月18日
(65)【公表番号】特表2014-503074(P2014-503074A)
(43)【公表日】2014年2月6日
(86)【国際出願番号】DE2012000040
(87)【国際公開番号】WO2012097800
(87)【国際公開日】20120726
【審査請求日】2014年12月22日
(31)【優先権主張番号】102011009156.4
(32)【優先日】2011年1月22日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】503355292
【氏名又は名称】コンティ テミック マイクロエレクトロニック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Conti Temic microelectronic GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100157440
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 良太
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンク・アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】コイテン・マティアス
(72)【発明者】
【氏名】トレンナー・ウーヴェ
(72)【発明者】
【氏名】カラー・ヘルムート
(72)【発明者】
【氏名】ヘニンガー・ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィークツォーレク・マティアス
【審査官】 櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】 実開平06−035917(JP,U)
【文献】 特開2011−027466(JP,A)
【文献】 実開昭58−082616(JP,U)
【文献】 実開昭58−187717(JP,U)
【文献】 特開平11−118534(JP,A)
【文献】 特開2009−282135(JP,A)
【文献】 実開平05−000329(JP,U)
【文献】 特開平09−152359(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0028202(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 11/24
G01D 11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
−金属製キャリアプレート(2)、
−内部に、少なくとも1つのセンサー・エレメントが設けられている合成樹脂製のセンサーハウジング(3)、
からなるセンサー・モジュール(1)であって、
−該センサー・ハウジング(3)は、キャリアプレート(2)キャリアプレート(2)の貫通開口部(6)に通されている少なくとも1つのネジ(5)によって接続されていて
センサー・ハウジング(3)内のネジ・チャンネル(7)が、ハウジングマテリアルによってプリセットされていることを特徴とするセンサー・モジュール。
【請求項2】
ネジ(5)、及び/或いは、センサー・ハウジング(3)が、ネジ軸(8)に沿って作用するネジ力の作用の下で柔軟に変形するように、該ネジ(5)、及び/或いは、該センサー・ハウジング(3)は構成されていることを特徴とする請求項1に記載のセンサー・モジュール。
【請求項3】
該センサー・ハウジング(3)が、該ネジ・チャンネル(7)に対して間隔をあけて該キャリアプレート(2)に支えられているように、中空空間(9)が、該貫通開口部(6)とネジ・チャンネル(7)のに配置されていることを特徴とする請求項に記載のセンサー・モジュール。
【請求項4】
該中空空間(9)を区画するセンサー・ハウジング(3)の変形区間(12,13)が、ネジ力の作用の下で柔軟に変形するように、当該変形区間(12,13)は設計されていることを特徴とする請求項3に記載のセンサー・モジュール。
【請求項5】
変形区間が、ばね、或いは、リブとして構成されていることを特徴とする請求項4に記載のセンサー・モジュール。
【請求項6】
キャリアプレート(2)が、ネジ軸(8)に沿って作用するネジ力の作用の下で柔軟に変形するように、該キャリアプレート(2)は設計されていることを特徴とする請求項から5の何れか一項に記載のセンサー・モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリアプレートと少なくとも一つのセンサー・エレメントが設けられているセンサー・ハウジングからなるセンサー・モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
既知のセンサー・モジュールでは、センサー・ハウジングは、キャリアプレートにネジによって接続されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、冒頭に述べたようなセンサー・モジュールを発展させ、ネジによる接続を確実なものとすることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、本発明の請求項1記載の
−金属製のキャリアプレート(2)、
−内部に、少なくとも1つのセンサー・エレメントが設けられている合成樹脂製のセンサー・ハウジング(3)、
からなるセンサー・モジュール(1)であって、
−該センサー・ハウジング(3)は、該キャリアプレート(2)に、該キャリアプレート(2)の貫通開口部(6)に通されている少なくとも1つのネジ(5)によって接続されていて、
−該センサー・ハウジング(3)内のネジ・チャンネル(7)が、ハウジングマテリアルによってプリセットされていることによって達成される。
【0005】
本発明では、既知の従来の技術において、センサー・ハウジングに接続されたネジ・ブッシュの独立したネジ・チャンネル(スリーブ)として実施されていることによって発生している問題を、センサー・ハウジング内において合成樹脂系ハウジングマテリアルによって直接的に設けられるネジ・チャンネルとすることにより、回避できることが見出された。本発明に係るハウジングマテリアル内への直接的なネジ・チャンネルのプリセットにより、ハウジングマテリアルの柔軟性、及び/或いは、可塑性をネジによる接続/ネジ止めの確実性を得るために活かすことができる。また、センサー・ハウジングの製造においては、ハウジングとネジ・ブッシュを接続することに関連する、例えば、ネジ・ブッシュを、センサー・ハウジングが、製造される射出成形金型にはめると言った製造工程が、必要なくなる。更に、該ネジによる接続は、温度変化や振動にさらされる環境にあっても、センサー・ハウジングを確実にキャリアプレートと接続できるようにデザインできる。即ち、該ネジによる接続は、耐温度変化、及び/或いは、耐振動的に、実施されることも可能となる。独立したネジ・ブッシュを使用しないことにより、該ネジ止め部の取付空間を節約することができる。
【0006】
請求項2に係るネジ、及び/或いは、センサー・ハウジングのデザインは、ネジによる接続/ネジ止めの確実性をより高める。該ネジ、及び/或いは、センサー・ハウジングは、ネジ止めによる力の作用によって可塑的に変形するようにデザインされていてもよい。
【0007】
請求項3に係る中空空間デザインによれば、ネジ止めの初期張力を設定し、ネジによる接続/ネジ止めを確実なものとすることができる。
【0008】
請求項4及び5に係る変形区間は、ネジによる接続/ネジ止めを確実なものとする初期張力手段のデザインとして特に好ましいことが見出された。該変形区間は、ハウジング・ストラクチャーの目的にかなった意図的な虚弱化として実施することもできる。このような虚弱化は、センサー・ハウジング内における切欠き、特に、周縁部の切欠きとして実施可能である。
【0009】
同様の長所を請求項6に係る柔軟に変形自在なキャリアプレートも有している。
【0010】
以下、本発明の実施例を、図面に基づいてより詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】金属製キャリアプレートと合成樹脂製センサー・ハウジングからなるセンサー・モジュールを示す側面図である。
図2】センサー・ハウジングとキャリアプレートのネジによる接続部のある位置でのセンサー・モジュール脚部の上下方向断面図である。
図3】ネジによる接続の他の実施形態を、軽く締めたネジを含む長軸方向断面として示すセンサー・モジュール脚部の更なる実施例の模式図である。
図4図3のネジによる接続において、ネジを締め付けた状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、一部が示されているキャリアプレート2と、模式的に示されたセンサー・エレメント3aが取り付けられている合成樹脂製のセンサー・ハウジング3からなるセンサー・モジュール1を示している。センサー・ハウジング3は、プラスチック・ドームとも呼ばれる。該センサー・モジュール1は、車両のトランスミッション内やエンジンルーム内に設置されることができる。該センサー・モジュール1のセンサー・エレメント3aは、例えば、制御装置において使用される回転数、距離、その他の測定値を割出すことができる。
【0013】
図2は、センサー・ハウジング3の脚部4の詳細を示している。センサー・ハウジング3は、キャリアプレート2と少なくとも一本のネジ5によって接続されている。該ネジは、キャリアプレート2の開口部6に差し込まれている。センサー・ハウジング3のネジ・チャンネル7は、合成樹脂製ハウジングマテリアルによってプリセットされている。ネジ5は、セルフ・タッピング用のネジ山を有している。即ち、該ネジ5は、セルフ・タッピング用ネジである。該ネジ5は、ネジ軸8に沿ってかかるネジ力に対して柔軟に変形するようにデザインされている。ねじ込む力による、特に、センサー・ハウジング3のハウジングマテリアルにタップを切り込む力によるネジ5の可塑的変形も可能である。これにより、ネジ5の外ネジとハウジングマテリアルの噛み合う効果が、助長される。
【0014】
図3図4は、センサー・ハウジング3の脚部4とキャリアプレート2とのネジによる接続の更なる実施形態を示している。先に図1と2に関連して既に記述されたものに相当するコンポーネントについては、同じ符号が振られ、繰り返し説明しない。開口部6とネジ・チャンネル7の間には、中空空間9が設けられている。これは、ネジ5のネジ・ボディ10を、センサー・ハウジング3が、ネジ・チャンネル7とキャリアプレート2のリング状区間11を介して間隔を持つように取り囲んでいる。
【0015】
該中空空間9が境界となるセンサー・ハウジング3の変形区間は、ネジ軸8に沿って作用するネジ力により柔軟に変形するように設計されている。該変形区間は、図3と4に係るセンサー・ハウジング3の目的にかなった意図的な虚弱化、即ち、リング状区間11を一部材として形成するリング状リブ12によって実施される。中空空間9の向かい側においては、リング状リブ12の広がりは、センサー・ハウジング3の脚部4の外周溝13によって、制限されている。ばね、及び/或いは、リブ、及び/或いは、切欠きなどによる他の変形区間の実施形態によっても、センサー・ハウジング3が、ネジ力の作用によって柔軟に変形することを可能にできる。該変形区間は、ハウジング・ストラクチャーの目的にかなった意図的な虚弱化として実施することもできる。
【0016】
図4は、図3のネジによる接続において、ネジ5を締め付けた状態を示している。ここでは、リング状リブ12、外周溝13並びにこれと接するセンサー・ハウジング3のハウジングの一部からなるセンサー・ハウジングの該変形区間が、ネジ力の作用によって柔軟に変形している。これにより、キャリアプレート2側の中空空間壁14が、キャリアプレート2の方向、ネジ・チャンネル7に隣接するリング状区間に移動している。
【0017】
また、該キャリアプレート2も、図3及び4の実施形態においては、図3及び4に示されているごとく、ネジ力の作用によって、柔軟に変形している。ネジ5を締め付けると、キャリアプレート2は、中空空間壁14条のネジ・ボディ10に隣接するリング状区間内に移動する。ネジ5を締め付けた状態でも、中空空間14とキャリアプレート2は、接触せず、間隔が維持される。
図1
図2
図3
図4