(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術にあっては、ユニット体を設置するために車両の助手席シートを取り外す必要があるため、煩雑である。
また、一般に、飼い主とペットとは、接近した状態でいることにより互いに安心感を得ることができる。これに対して、従来技術にあっては、助手席シートを取り外した後のスペースにペットが収納されているため、飼い主であるドライバーと収納されたペットとの距離を短縮し、飼い主およびペットの安心感を向上するという点で改善の余地がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みたものであって、ペットキャリーバッグを車室内に簡単に固定できるとともに、飼い主に対してペットを接近した状態で収納して互いに安心感を得ることができる車載用ペットキャリーバッグ保持具の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の請求項1に記載の発明は、ペット(例えば、後述の実施形態におけるペットP)を運搬するためのペットキャリーバッグ(例えば、後述の実施形態におけるペットキャリーバッグ60)を車室内(例えば、後述の実施形態における車室内2)に保持させるための車載用ペットキャリーバッグ保持具(例えば、後述の実施形態における車載用ペットキャリーバッグ保持具10)であって、前記ペットキャリーバッグが装着可能なベース部(例えば、後述の実施形態におけるベース部11)を備え、前記ベース部は、運転席シート(例えば、後述の実施形態における運転席シート4)と助手席シート(例えば、後述の実施形態における助手席シート5)との間の領域(例えば、後述の実施形態におけるウォークスルー領域8a)において、車両(例えば、後述の実施形態における車両1)のフロアパネル(例えば、後述の実施形態におけるフロアパネル8)に対して取り付けられるとともに、その上面に前記ペットキャリーバッグが
前記ベース部の前後に設けられた第一規制部(例えば、後述の実施形態における第一規制部20)によって前記ベース部に対する車両前後方向の動きが規制されるように載置され、前記ベース部の上面は、前記運転席シート及び前記助手席シートの座面よりも下方に位置し、前記ペットキャリーバッグは、前記ベース部に装着された状態において、
前記ベース部から上方へ延出する帯部材(例えば、後述の実施形態におけるベルト部材30a〜30d)である第二規制部(例えば、後述の実施形態における第二規制部30)に拘束されて前記ベース部に対する上方への動きが規制され、かつ前記運転席シートの座面及び前記助手席シートの座面によって車両左右方向で挟まれ
て前記ベース部に対する車両左右方向の動きが抑制されることを特徴としている。
【0008】
本発明によれば、車載用ペットキャリーバッグ保持具は、ベース部が、運転席シートと助手席シートとの間の領域に取り付けられるので、従来技術のように、助手席シート等を取り外すことなく、車載用ペットキャリーバッグ保持具を車室内に設置できる。したがって、ペットキャリーバッグを車室内に簡単に固定できる。
また、車載用ペットキャリーバッグ保持具にペットキャリーバッグを装着したとき、ペットが収納されたペットキャリーバッグは、運転席シートと助手席シートとの間の領域に配置される。これにより、ペットは、運転席シートおよび助手席シートに着座した飼い主に対して接近した状態で収納されるので、飼い主およびペットが互いに安心感を得ることができる。
さらに、運転席シートと助手席シートとの間の領域にペットキャリーバッグを配置することで、走行時のコーナリング等により車両の横方向に荷重が発生した場合であっても、ペットキャリーバッグの転倒や移動を防止できる。とりわけ、ペットキャリーバッグの幅が、運転席シートと助手席シートとの離間距離と同等の場合には、運転席シートと助手席シートとによりペットキャリーバッグが挟持されて強固に保持される。したがって、ペットキャリーバッグの転倒や移動を確実に防止できる。
【0010】
また、運転席シートと助手席シートとの間が平坦に形成されて歩行ができる、いわゆるウォークスルーが可能な車両に好適であるとともに、車載用ペットキャリーバッグ保持具を取り外すことによりウォークスルーが可能となる。
また、ベース部が、車両のフロアパネルに対して取り付けられているので、例えば車両の衝突等により過度の荷重が加わった場合であっても、車載用ペットキャリーバッグ保持具およびペットキャリーバッグを保持できる。したがって、車両の衝突時の安全性に寄与できる。
【0012】
さらに、車両の加速や減速等により車両前後方向に荷重が発生した場合や、車両のコーナリング等により車両左右方向に荷重が発生した場合、段差等を有する悪路を走行することにより車両上下方向に荷重が発生した場合等であっても、ペットキャリーバッグの移動を規制するとともに、ペットキャリーバッグの転倒を防止できる。
また、ペットキャリーバッグの上方への移動を規制するための第二規制部として、ベース部から延出されてペットキャリーバッグを拘束する帯部材を備えているので、車両上下方向に荷重が発生した場合であっても、ペットキャリーバッグの移動を規制するとともに、ペットキャリーバッグの転倒を防止できる。
【0013】
また、請求項
2に記載の発明は、
前記第一規制部は、前記ベース部から上方に立設されて前方および後方から前記ペットキャリーバッグに当接可能な規制壁(例えば、後述の実施形態における規制壁21,22)であることを特徴としている。
【0014】
本発明によれば、ペットキャリーバッグの車両前後方向への移動を規制するための第一規制部として、ベース部から上方に立設されて前方および後方からペットキャリーバッグに当接可能な規制壁を備えているので、車両前後方向に荷重が発生した場合であっても、ペットキャリーバッグの移動を規制するとともに、ペットキャリーバッグの転倒を防止できる。
【0019】
また、請求項
3に記載の発明は、前記帯部材の先端部には、前記ペットキャリーバッグに対して係脱可能なフック部材(例えば、後述の実施形態におけるフック部材32)が設けられていることを特徴としている。
【0020】
本発明によれば、帯部材の先端部には、ペットキャリーバッグに対して係脱可能なフック部材が設けられているので、ペットキャリーバッグを簡単に拘束して車載用ペットキャリーバッグ保持具のベース部に装着できる。
【0021】
また、請求項
4に記載の発明は、前記帯部材が、前記帯部材の全長を調節可能な調節部を備えたことを特徴としている。
【0022】
本発明によれば、帯部材の全長を調節可能な調節部を備えているので、帯部材の全長を調節することにより、種々のサイズのペットキャリーバッグを車載用ペットキャリーバッグ保持具のベース部に装着できる。したがって、汎用性に優れた車載用ペットキャリーバッグ保持具とすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、車載用ペットキャリーバッグ保持具は、ベース部が、運転席シートと助手席シートとの間の領域に取り付けられるので、従来技術のように、助手席シート等を取り外すことなく、車載用ペットキャリーバッグ保持具を車室内に設置できる。したがって、ペットキャリーバッグを車室内に簡単に固定できる。
また、車載用ペットキャリーバッグ保持具にペットキャリーバッグを装着したとき、ペットが収納されたペットキャリーバッグは、運転席シートと助手席シートとの間の領域に配置される。これにより、ペットは、運転席シートおよび助手席シートに着座した飼い主に対して接近した状態で収納されるので、飼い主およびペットが互いに安心感を得ることができる。
さらに、運転席シートと助手席シートとの間の領域にペットキャリーバッグを配置することで、走行時のコーナリング等により車両の横方向に荷重が発生した場合であっても、ペットキャリーバッグの転倒や移動を防止できる。とりわけ、ペットキャリーバッグの幅が、運転席シートと助手席シートとの離間距離と同等の場合には、運転席シートと助手席シートとによりペットキャリーバッグが挟持されて強固に保持される。したがって、ペットキャリーバッグの転倒や移動を確実に防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、車載用ペットキャリーバッグ保持具10を車両1の車室内2における斜め前方から見たときの説明図である。なお、以下の説明における前後左右方向は、特に記載が無ければ、
図1に示す車両1の前後左右方向と同一とする。また、各図中の矢印Tは車両1の前方を、矢印LBは車両1の左方を、矢印Hは車両1の上方をそれぞれ示している。また、以下では、運転者が右側の運転席シート4に着座して運転する、いわゆる右ハンドルの車両1を例に説明する。また、分かりやすくするために、
図1においては、インストルメントパネル3および助手席シート5を二点鎖線で図示している。
図1に示すように、本実施形態に係る車載用ペットキャリーバッグ保持具10は、例えば犬や猫等のペットを収容して運搬するためのペットキャリーバッグ60を、車両1の車室内2に保持させるためのものである。
【0026】
車両1は、インストルメントパネル3と、運転席シート4と、助手席シート5と、を備えている。
インストルメントパネル3は、車室内2の前方に設けられている。インストルメントパネル3の右方には、ステアリングコラムを介してステアリングホイール6が設けられている。また、インストルメントパネル3には、運転者に向けて車速等の情報の表示を行う不図示のメータや、ナビゲーションシステム等が設けられている。
【0027】
インストルメントパネル3の後方には、運転席シート4と助手席シート5とが設けられている。運転席シート4および助手席シート5は、それぞれアームレスト4a,5aを有している。
アームレスト4a,5aは、運転席シート4に着座した運転者および助手席シート5に着座した乗員が腕を載置するための長尺部材である。アームレスト4a,5aは、それぞれ運転席シート4および助手席シート5の車両内方における側面に設けられており、水平方向および鉛直方向に沿って配置できるように回動可能となっている。
【0028】
フロアパネル8は、概ね平坦に形成されており、表面がフロアカーペット7により覆われている。フロアパネル8には、不図示のブラケット等を介して運転席シート4や助手席シート5、不図示の後部シート等の各シートがボルト等により締結固定されている。
運転席シート4と助手席シート5との領域は、平坦に形成されて乗員が前席側のスペースと後席側のスペースとを容易に移動できる、いわゆるウォークスルー領域8aとなっている。ウォークスルー領域8aは、車両1の左右方向の中央部において、前席側のスペースと後席側のスペースとを接続するように設けられている。
【0029】
図2は、ペットキャリーバッグ60および車載用ペットキャリーバッグ保持具10の斜視図である。
図2に示すように、ペットキャリーバッグ60は、ペットPを収納して運搬するためのバッグであって、一般に市販されているものである。なお、以下で説明するペットキャリーバッグ60はあくまで一例であって、形状や構成等は限定されない。
ペットキャリーバッグ60は、キャリーバッグ本体部61と、取手部66と、を備えている。
【0030】
キャリーバッグ本体部61は、例えば全体が強固な布や樹脂材料等により形成されたものであって、内部に犬や猫等のペットPを収納可能となっている。キャリーバッグ本体部61の側部62は、例えばメッシュ状の布により形成されており、内部のペットPを外部から視認可能なように形成されている。
キャリーバッグ本体部61の上部には、開閉可能な不図示の扉部が設けられており、キャリーバッグ本体部61に対してペットPの出し入れが可能となっている。
【0031】
取手部66は、例えば帯状の布により形成されたものであって、一対設けられている。取手部66の両端部は、例えば金属材料により形成されたリング部材64を介して、キャリーバッグ本体部61の側部に連結されている。取手部66は、全体としてアーチ状となっている。ペットPの飼い主は、取手部66を把持することにより、ペットキャリーバッグ60を運搬することができる。
【0032】
図3は、車載用ペットキャリーバッグ保持具10を車室内2の斜め後方から見たときの説明図である。なお、
図3においては、分かり易くするために、ペットキャリーバッグ60およびペットPを二点鎖線で図示している。また、運転席シート4のみを図示し、助手席シート5(
図1参照)については、図示を省略している。
図3に示すように、車載用ペットキャリーバッグ保持具10は、ベース部11と、規制部としての第一規制部20および第二規制部30と、を備えている。以下に、車載用ペットキャリーバッグ保持具10の詳細について説明する。
【0033】
ベース部11は、所定の厚みを有する矩形板状の部材であって、例えば樹脂材料等により形成されている。ベース部11の左右方向に沿う幅は、例えば運転席シート4と助手席シート5(
図1参照)との離間距離と同等以下となるように設定されている。また、ベース部11の前後方向に沿う長さは、例えば運転席シート4および助手席シート5(
図1参照)のシートクッションの前後方向に沿う長さと略同一となるように設定されている。
【0034】
ベース部11の上面12は、平坦に形成されており、上述したペットキャリーバッグ60が載置可能となっている。
ベース部11の下面13は、平坦に形成されている。ベース部11の下面13には、ブラケット14が設けられている。ブラケット14は、不図示のボルト等によりフロアパネル8に対して締結される。これにより、車載用ペットキャリーバッグ保持具10は、車両1のフロアパネル8に対して、ブラケット14を介して強固に固定される。
【0035】
第一規制部20および第二規制部30は、それぞれベース部11の上面に載置されたペットキャリーバッグ60のベース部11に対する移動を規制するために設けられている。
第一規制部20は、主にベース部11に対するペットキャリーバッグ60の前後方向への移動を規制するために設けられている。本実施形態の第一規制部20は、ベース部11の前端部および後端部からそれぞれ上方に立設された規制壁21,22である。
【0036】
前方の規制壁21および後方の規制壁22は、互いに対向するように内面21a,22aを有している。前方の規制壁21および後方の規制壁22の内面21a,22aは、それぞれ平坦かつベース部11の上面12に対して交差するように形成されている。規制壁21,22の内面21a,22aとベース部11の上面12との隅部は、ペットキャリーバッグ60の角部のR形状に対応して、例えば滑らかな曲面状となるように形成されている。
【0037】
前方の規制壁21の内面21aと後方の規制壁22の内面22aとの離間距離は、例えば、ベース部11の前後方向に沿う長さと略同一となっている。これにより、ベース部11の上面にペットキャリーバッグ60を載置したとき、前方の規制壁21の内面21aは、前方からペットキャリーバッグ60の前面に当接し、後方の規制壁22の内面22aは、後方からペットキャリーバッグ60の後面に当接する。すなわち、ペットキャリーバッグ60は、前方の規制壁21と後方の規制壁22とにより挟持された状態で、ベース部11に対する移動(主に前後方向の移動)が規制される。
【0038】
第二規制部30は、主にベース部11に対するペットキャリーバッグ60の上方および左右方向への移動を規制するために設けられている。本実施形態の第二規制部30は、ベース部11の左側面15および右側面16から延出され、ペットキャリーバッグ60を拘束可能なベルト部材30a〜30d(請求項の「帯部材」に相当。)である。
【0039】
ベース部11の左側面15から延出されたベルト部材30a,30bは、前後方向に所定間隔を空けて配置されている。また、ベース部11の右側面16から延出されたベルト部材30c,30dは、ベース部11の左側面15から延出されたベルト部材30a,30bと対向する位置において、前後方向に所定間隔を空けて配置されている。各ベルト部材30a〜30dは同一の部材である。したがって、以下では、ベース部11の左側面15から延出されたベルト部材30aについてのみ説明をし、他のベルト部材30b〜30dについては、説明を省略する。
【0040】
ベルト部材30aは、例えば、化学繊維等からなる布等、長手方向に伸縮不能な部材により帯状に形成されている。ベルト部材30aには、実効長(全長)を調節可能な不図示の調節部が設けられている。調節部は、例えばベルト部材30aの一部を重ねた状態で保持可能なクリップであり、ベルト部材30aの重なり部分の割合を変化させることによりベルト部材30aの実効長が調節可能とされる。なお、本実施形態における調節部の態様は一例であり、種々の態様が採用できる。
【0041】
ベルト部材30aの先端には、フック部材32が設けられている。フック部材32は、例えば樹脂材料や金属材料等により形成されており、ペットキャリーバッグ60のキャリーバッグ本体部61と取手部66との間に設けられたリング部材64に対して、係脱可能となっている。
【0042】
ベルト部材30a〜30dの長さを調節しつつ、フック部材32をペットキャリーバッグ60のリング部材64に対して係合することにより、ペットキャリーバッグ60は、ベース部11上に載置された状態でベルト部材30a〜30dにより拘束される。これにより、ペットキャリーバッグ60は、車載用ペットキャリーバッグ保持具10によって保持される。
また、フック部材32をペットキャリーバッグ60のリング部材64から離脱することにより、ベルト部材30a〜30dによる拘束が解除される。これにより、飼い主は、ペットキャリーバッグ60を車載用ペットキャリーバッグ保持具10から取り外してペットPごと持ち運ぶことができる。
【0043】
図4は、車載用ペットキャリーバッグ保持具10を車室内2の上方から見たときの説明図である。
図4に示すように、上述のように構成された車載用ペットキャリーバッグ保持具10は、運転席シート4と助手席シート5との間に設けられたウォークスルー領域8aにおいて、ブラケット14(
図1参照)を介してフロアパネル8に対して取り付けられている。これにより、ペットキャリーバッグ60は、車載用ペットキャリーバッグ保持具10に装着されたとき、運転席シート4と助手席シート5とにより挟持された状態で、運転席シート4と助手席シート5との間に配置される。しかも、ペットキャリーバッグ60の内部に収納されたペットP(
図2参照)は、運転席シート4と助手席シート5との間に位置することができるので、運転席シート4と助手席シート5とにそれぞれ着座した飼い主に対して接近した位置に存在することができる。また、
図1に示すように、飼い主は、運転席シート4と助手席シート5とにそれぞれ着座した状態で、ペットキャリーバッグ60のメッシュ状の側部62を通じてペットPの様子を容易に視認することができる。
【0044】
本実施形態によれば、車載用ペットキャリーバッグ保持具10は、ベース部11が、運転席シート4と助手席シート5との間のウォークスルー領域8aに取り付けられるので、従来技術のように、助手席シート5等を取り外すことなく、車載用ペットキャリーバッグ保持具10を車室内2に設置できる。したがって、ペットキャリーバッグ60を車室内2に簡単に固定できる。
また、車載用ペットキャリーバッグ保持具10にペットキャリーバッグ60を装着したとき、ペットPが収納されたペットキャリーバッグ60は、運転席シート4と助手席シート5との間のウォークスルー領域8aに配置される。これにより、ペットPは、運転席シート4および助手席シート5に着座した飼い主に対して接近した状態で収納されるので、飼い主およびペットPが互いに安心感を得ることができる。
さらに、運転席シート4と助手席シート5との間のウォークスルー領域8aにペットキャリーバッグ60を配置することで、走行時のコーナリング等により車両1の横方向に荷重が発生した場合であっても、ペットキャリーバッグ60の転倒や移動を防止できる。とりわけ、ペットキャリーバッグ60の幅が、運転席シート4と助手席シート5との離間距離と同等の場合には、運転席シート4と助手席シート5とによりペットキャリーバッグ60が挟持されて強固に保持される。したがって、ペットキャリーバッグ60の転倒や移動を確実に防止できる。
【0045】
また、車載用ペットキャリーバッグ保持具10のベース部11は、運転席シート4と助手席シート5との間において、車両1のフロアパネル8に対して取り付けられるので、運転席シート4と助手席シート5との間が平坦に形成されて歩行ができる、いわゆるウォークスルーが可能な車両1に好適であるとともに、車載用ペットキャリーバッグ保持具10を取り外すことによりウォークスルーが可能となる。
また、車載用ペットキャリーバッグ保持具10のベース部11は、車両1のフロアパネル8に対してブラケット14等を介してボルトにより締結固定されているので、例えば車両1の衝突等により過度の荷重が加わった場合であっても、車載用ペットキャリーバッグ保持具10およびペットキャリーバッグ60を保持できる。したがって、車両1の衝突時の安全性に寄与できる。
【0046】
また、ベース部11に対するペットキャリーバッグ60の移動を規制する規制部として、第一規制部20および第二規制部30を備えているので、車両1の加速や減速等により前後方向に荷重が発生した場合や、車両1のコーナリング等により左右方向に荷重が発生した場合、段差等を有する悪路を走行することにより上下方向に荷重が発生した場合等であっても、ペットキャリーバッグ60の移動を規制するとともに、ペットキャリーバッグ60の転倒を防止できる。
【0047】
また、ペットキャリーバッグ60の前後方向への移動を規制するための第一規制部20として、ベース部11から上方に立設されて前方および後方からペットキャリーバッグ60に当接可能な規制壁21,22を備えているので、前後方向に荷重が発生した場合であっても、ペットキャリーバッグ60の移動を規制するとともに、ペットキャリーバッグ60の転倒を防止できる。
【0048】
また、ペットキャリーバッグ60の上方への移動を規制するための第二規制部30として、ベース部11から延出されてペットキャリーバッグ60を拘束するベルト部材30a〜30dを備えているので、上下方向に荷重が発生した場合であっても、ペットキャリーバッグ60の移動を規制するとともに、ペットキャリーバッグ60の転倒を防止できる。
【0049】
また、ベルト部材30a〜30dが、ベース部11の左側面15および右側面16から延出されているので、ペットキャリーバッグ60を左右方向からも拘束することができる。したがって、上下方向に荷重が発生した場合に加えて、左右方向に荷重が発生した場合であっても、ペットキャリーバッグ60の移動を規制するとともに、ペットキャリーバッグ60の転倒を防止できる。
【0050】
また、ベルト部材30a〜30dの先端部には、ペットキャリーバッグ60のリング部材64に対して係脱可能なフック部材32が設けられているので、ペットキャリーバッグ60を簡単に拘束して車載用ペットキャリーバッグ保持具10のベース部11に装着できる。
【0051】
また、ベルト部材30a〜30dの実効長を調節可能な調節部を備えているので、ベルト部材30a〜30dの実効長を調節することにより、種々のサイズのペットキャリーバッグ60を車載用ペットキャリーバッグ保持具10のベース部11に装着できる。したがって、汎用性に優れた車載用ペットキャリーバッグ保持具10とすることができる。
【0052】
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
【0053】
ペットキャリーバッグ60の形状は、上述の実施形態に限定されることはなく、種々変更が可能である。したがって、実施形態のように布製のバッグに限定されることはなく、例えば、樹脂材料や金属材料等により形成された檻が持ち運び可能な、いわゆるケージタイプのペットキャリーバッグ等であってもよい。
【0054】
また、車載用ペットキャリーバッグ保持具10の形状や、使用される材料等は、実施形態に限定されない。また、第一規制部20や第二規制部30の形状等も実施形態に限定されない。したがって、例えば、第二規制部30であるベルト部材30a〜30dは、伸縮可能なゴム等の材料により形成されていてもよい。
【0055】
実施形態では、運転席シート4と助手席シート5との間のウォークスルー領域8aにおいて、車両1のフロアパネル8に対して車載用ペットキャリーバッグ保持具10が固定されていた。これに対して、例えば、ウォークスルー領域8aを有さない車両であっても、運転席シート4と助手席シート5との間のコンソールボックス上に車載用ペットキャリーバッグ保持具10を固定してもよい。
【0056】
また、実施形態では、車両1のフロアパネル8に対して、ブラケット14を介してボルト等により車載用ペットキャリーバッグ保持具10が固定されていたが、車載用ペットキャリーバッグ保持具10の固定方法は、実施形態に限定されない。したがって、例えば、車載用ペットキャリーバッグ保持具10の下面13に係合爪を設けるとともに、フロアパネル8に係合孔を設け、いわゆるスナップフィットにより、車両1のフロアパネル8に対して車載用ペットキャリーバッグ保持具10が固定されていてもよい。これにより、車載用ペットキャリーバッグ保持具10は、車両1のフロアパネル8に対して容易に着脱できる。
【0057】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。