【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、体組織、体液、体腔または体管の中に配置されるように適合されているインプラント本体中で使用するための、薬物挿入体、および治療薬剤を含有する薬物コアの種々の実施形態を対象とする。このインプラント本体は、患者の眼内にまたは患者の眼に隣接して配置されるように適合させることができる。このインプラントは、薬剤を身体、例えば、眼内もしくは周囲組織内または両方に、一定期間にわたり放出して、治療薬剤の使用が医学的に必要とされる患者の不全状態を治療する。本発明はまた、薬物挿入体および薬物コアを製造する方法の種々の実施形態、ならびに1つまたは複数の薬物挿入体を含有するインプラントを使用して患者を治療する方法も対象とする。
【0011】
種々の実施形態では、本発明は、インプラント内部に配置されるように適合されている薬物挿入体を提供し、インプラントは、患者の眼内にまたは患者の眼に隣接して配置されるように適合されており、薬物挿入体は、薬物コアを含み、薬物コアを部分的に覆うシース本体を含むことができ、薬物コアは、治療薬剤およびマトリックスを含み、マトリックスはポリマーを含み、シース本体は、薬物コアの一部を覆って配置されて、インプラントが患者体内に挿入された場合に、前記一部からの薬剤の放出を制御し、したがって、薬剤またはその任意の組合せを放出するように適合されている、薬物コアの少なくとも1つの暴露表面を画定し、薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部中の治療薬剤の量に類似する。例えば、治療薬剤は、マトリックス全体にわたり一様かつ均一に分散してもよく、またはマトリックス内部に少なくとも部分的に固体もしくは液体の内包物を形成してもよい。例えば、薬物コアの容積部内部の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部内部の治療薬剤の量と約30%以下だけ異なっていてもよい。例えば、薬物コアの容積部内部の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部内部の治療薬剤の量と約20%以下だけ異なる。例えば、薬物コアの容積部内部の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部内部の治療薬剤の量と約10%以下だけ異なる。例えば、薬物コアの容積部内部の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部内部の治療薬剤の量と約5%以下だけ異なる。例えば、薬物コアの容積部内部の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部内部の治療薬剤の量と同一である。種々の実施形態では、薬剤を眼、周囲組織、全身またはそれらの任意の組合せに放出する、かつ/または治療薬剤を眼もしくは周囲組織または全身あるいはそれらの任意の組合せに持続的に放出するように、薬物挿入体を適合させることができる。
【0012】
種々の実施形態では、本発明は、複数の上記の薬物挿入体を提供し、複数の挿入体がそれぞれ、その内部に個々に分散した類似量の薬剤を含む。例えば、その中に個々に分散した類似量の薬剤は、それらの間で約30%以下異なっていてもよい。例えば、その中に個々に分散した類似量の薬剤は、それらの間で約20%以下異なっていてもよい。例えば、その中に個々に分散した類似量の薬剤は、それらの間で約10%以下異なっていてもよい。例えば、その中に個々に分散した類似量の薬剤は、それらの間で約5%以下異なっていてもよい。
【0013】
種々の実施形態では、本発明は、薬物挿入体またはインプラントの中に配置される、治療薬剤およびマトリックスを含む薬物コアを提供し、マトリックスはポリマーを含み、薬物挿入体またはインプラントは、患者の眼内にまたは患者の眼に隣接して配置されるように適合されており、治療薬剤は、マトリックス全体にわたり一様、均一に分散するか、またはマトリックス内部に少なくとも部分的に固体もしくは液体の内包物を形成し;薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部中の治療薬剤の量に類似する。例えば、薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部中の治療薬剤の量と約30%以下だけ異なっていてもよい。例えば、薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部中の治療薬剤の量と約20%以下だけ異なっていてもよい。例えば、薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部中の治療薬剤の量と約10%以下だけ異なっていてもよい。例えば、薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部中の治療薬剤の量と約5%以下だけ異なっていてもよい。例えば、薬物コアの容積部内部の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部内部の治療薬剤の量と同一である。種々の実施形態では、薬剤を眼、周囲組織、全身またはそれらの任意の組合せに放出する、かつ/または治療薬剤を眼もしくは周囲組織または全身あるいはそれらの任意の組合せに持続的に放出するように、薬物挿入体を適合させることができる。
【0014】
種々の実施形態では、本発明は、治療薬剤の患者への持続送達のためのインプラントを提供し、インプラント全体が、治療薬剤およびマトリックスを含む薬物コアを含み、マトリックスはポリマーを含む。あるいは、多孔性または吸収性の材料を使用して、活性薬剤を
浸み込ませることができるインプラントまたはプラグの全体を構成することもできる。
【0015】
種々の実施形態では、本発明は、複数の薬物挿入体が充填済み前駆体シースからその分割によって製造されるように適合されている充填済み前駆体シースを提供し、各薬物挿入体は、個々のインプラント内部に配置されるように適合されており、インプラントは、患者の眼内にまたは患者の眼に隣接して配置されるように適合されており、充填済み前駆体シースは、前駆体シース本体およびその内部に含有する前駆体薬物コアを含み、前駆体薬物コアは、治療薬剤およびマトリックスを含み、マトリックスはポリマーを含み、治療薬剤は、マトリックス全体にわたり一様かつ均一に分散するか、またはマトリックス内部に少なくとも部分的に固体もしくは液体の内包物を形成し、前駆体薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、前駆体薬物コアの任意の他の等しい容積部中の治療薬剤の量に類似し、前駆体シース本体は、薬剤に対して実質的に不浸透性であり、そこから分割した複数の挿入体のそれぞれは、薬剤を放出するように適合されており、充填済み前駆体シースから分割した複数の挿入体のそれぞれの個々のシース本体は、複数の挿入体のそれぞれの個々の薬物コアの一部を覆って配置されて、挿入体がインプラント中に配置されインプラントが患者体内に挿入された場合に、前記一部からの薬剤の放出を阻害し、したがって、薬剤を放出するように適合されている、薬物コアの少なくとも1つの暴露表面を画定する。例えば、前駆体薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、前駆体薬物コアの任意の他の等しい容積部中の治療薬剤の量と約30%以下だけ異なっていてもよい。例えば、前駆体薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、前駆体薬物コアの任意の他の等しい容積部中の治療薬剤の量と約20%以下だけ異なっていてもよい。例えば、前駆体薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、前駆体薬物コアの任意の他の等しい容積部中の治療薬剤の量と約10%以下だけ異なっていてもよい。例えば、前駆体薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、前駆体薬物コアの任意の他の等しい容積部中の治療薬剤の量と約5%以下だけ異なっていてもよい。例えば、薬物コアの容積部内部の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部内部の治療薬剤の量と同一である。種々の実施形態では、薬剤を眼、周囲組織、全身またはそれらの任意の組合せに放出する、かつ/または治療薬剤を眼もしくは周囲組織または全身あるいはそれらの任意の組合せに持続的に放出するように、薬物挿入体を適合させることができる。
【0016】
種々の実施形態では、本発明は、患者の眼内にまたは患者の眼に隣接して配置されるインプラント本体を提供し、インプラント本体は、薬物挿入体がインプラント内部に配置されており、インプラントが眼内にまたは眼に隣接して配置された場合に、薬物挿入体の暴露表面が涙液に曝されるように薬物挿入体を受容するように適合されている経路をその中に備え、薬物挿入体は、薬剤に対して実質的に不浸透性であるシース本体を備え、その内部に、治療薬剤、およびポリマーを含むマトリックスを含む薬物コアを含有し、治療薬剤は、マトリックス全体にわたり一様かつ均一に分散するか、またはマトリックス内部に少なくとも部分的に固体もしくは液体の内包物を形成し、薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部中の治療薬剤の量に類似し、本体は、生体適合性材料を含み、眼内でまたは眼に隣接して一定期間にわたり保持されるように適合されている。例えば、薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部中の治療薬剤の量と約30%以下だけ異なっていてもよい。例えば、薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部中の治療薬剤の量と約20%以下だけ異なっていてもよい。例えば、薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部中の治療薬剤の量と約10%以下だけ異なっていてもよい。例えば、薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部中の治療薬剤の量と約5%以下だけ異なっていてもよい。例えば、薬物コアの容積部内部の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部内部の治療薬剤の量と同一である。種々の実施形態では、薬剤を眼、周囲組織、全身またはそれらの任意の組合せに放出する、かつ/または治療薬剤を眼もしくは周囲組織または全身あるいはそれらの任意の組合せに持続的に放出するように、薬物挿入体を適合させることができる。
【0017】
種々の実施形態では、本発明は、患者の眼内にまたは患者の眼に隣接して配置されるインプラント本体を提供し、インプラント本体は、薬物コアがインプラント内部に配置されており、インプラントが眼内にまたは眼に隣接して配置された場合に、薬物コアの暴露表面が涙液に曝されるように薬物コアを受容するように適合されている経路をその中に備え、薬物コアは、治療薬剤、およびポリマーを含むマトリックスを含み、薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の等しい容積部中の治療薬剤の量に類似しており、インプラント本体が眼内にまたは眼に隣接して配置された場合に、薬剤の治療分量が、薬物コアの暴露表面から、暴露表面と接触している涙液に放出するように、治療薬剤はマトリックス中で十分に溶解性であり、本体は、生体適合性材料を含み、眼内でまたは眼に隣接して一定期間にわたり保持されるように適合されている。例えば、薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の等しい容積部中の治療薬剤の量と約30%以下だけ異なっていてもよい。例えば、薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の等しい容積部中の治療薬剤の量と約20%以下だけ異なっていてもよい。例えば、薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の等しい容積部中の治療薬剤の量と約10%以下だけ異なっていてもよい。例えば、薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の等しい容積部中の治療薬剤の量と約5%以下だけ異なっていてもよい。種々の実施形態では治療薬剤を眼、周囲組織、全身またはそれらの任意の組合せに放出する、かつ/または治療薬剤を眼もしくは周囲組織または全身あるいはそれらの任意の組合せに持続的に放出するように、薬物コアを適合させることができる。
【0018】
種々の実施形態では、本発明は、患者の眼内にまたは患者の眼に隣接して配置されるように適合されているインプラント本体のための薬物挿入体を製造する方法を提供し、挿入体は、治療薬剤およびマトリックスを含む薬物コアを含み、マトリックスはポリマーを含み、治療薬剤は、マトリックス全体にわたり一様かつ均一に分散するか、またはマトリックス内部に少なくとも部分的に固体もしくは液体の内包物を形成し、薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部中の治療薬剤の量に類似し、シース本体は、薬物コアの一部を覆って配置されて、インプラントが患者体内に挿入された場合に、前記一部からの薬剤の放出を阻害し、したがって、薬剤を放出するように適合されている、薬物コアの少なくとも1つの暴露表面を画定し;この方法は、約20℃未満の周囲温度より低い温度において、マトリックス前駆体および薬剤を含む混合物をシース本体内に注入し、その結果、シース本体を、混合物を用いて実質的に充填するステップと;次いで、マトリックス前駆体を含む混合物をシース本体内部で硬化させて、薬物挿入体を形成し、その結果、暴露表面を有する薬物コアをその中に形成するステップとを含む。種々の実施形態では、薬剤を眼、周囲組織、全身またはそれらの任意の組合せに放出する、かつ/または治療薬剤を眼もしくは周囲組織または全身あるいはそれらの任意の組合せに持続的に放出するように、薬物挿入体を適合させることができる。
【0019】
種々の実施形態では、本発明は、患者の眼内にまたは患者の眼に隣接して配置されるように適合されているインプラント本体のための薬物挿入体を製造する方法を提供し、この方法は、約20℃未満の室温より低い温度において、治療薬剤およびマトリックス前駆体を含む混合物を前駆体シース本体内に注入するステップであって、治療薬剤は、マトリックス全体にわたり一様かつ均一に分散するか、またはマトリックス内部に少なくとも部分的に固体もしくは液体の内包物を形成し、薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部中の治療薬剤の量に類似し、前駆体シース本体は、薬剤に対して実質的に不浸透性であり、その結果、前駆体シースを、混合物を用いて実質的に充填して、充填済み前駆体シースを得るステップと;次いで、混合物を硬化させ、その結果、前駆体薬物コアを前駆体シース本体内部に形成するステップと、次いで、充填済み前駆体シースを分割して、そこから複数の薬物挿入体を形成するステップとを含み、各薬物挿入体が、薬物コアおよびシース本体を備え、シース本体は、薬物コアの一部を覆って配置されて、挿入体がインプラントの内部に配置されインプラントが患者体内に挿入された場合に、前記一部からの薬剤の放出を阻害し、したがって、薬物コアの少なくとも1つの暴露表面を画定し;各挿入体は、個々のインプラント本体内部にはまり、薬剤の治療分量を挿入体の暴露表面を通して涙液に放出するように適合されており;複数の薬物挿入体のそれぞれは、実質的に同一の長さであり、充填済み前駆体シースから分割した複数の挿入体のそれぞれの中の薬剤の量は類似する。
【0020】
例えば、薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部中の治療薬剤の量と約30%以下だけ異なっていてもよい。例えば、薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部中の治療薬剤の量と約20%以下だけ異なっていてもよい。例えば、薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部中の治療薬剤の量と約10%以下だけ異なっていてもよい。例えば、薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部中の治療薬剤の量と約5%以下だけ異なっていてもよい。例えば、複数の挿入体のそれぞれの中の薬剤の量は、それらの間で約30%以下だけ異なっていてもよい。例えば、複数の挿入体のそれぞれの中の薬剤の量は、それらの間で約20%以下だけ異なっていてもよい。例えば、複数の挿入体のそれぞれの中の薬剤の量は、それらの間で約10%以下だけ異なっていてもよい。例えば、複数の挿入体のそれぞれの中の薬剤の量は、それらの間で約5%以下だけ異なっていてもよい。
【0021】
さらなる実施形態では、薬物挿入体を製造する方法は、本明細書に記載する硬化ステップの後に、充填済みシース本体を複数の薬物挿入体に分割する前または後に、シース本体から薬物コアを押し出すステップをさらに含み、それによって、シース本体材料を含有しない薬物コアを形成する。
【0022】
種々の実施形態では、上記の方法を利用して、治療薬剤を患者に持続的に送達するためのインプラントを製造し、インプラント全体が、治療薬剤およびマトリックスを含む薬物コアを含み、マトリックスはポリマーを含む。あるいは、多孔性または吸収性の材料を使用して、活性薬剤を用いて飽和させることができるインプラントまたはプラグの全体を構成することもできる。他の実施形態では、本明細書に記載する治療薬剤およびマトリックスを型に添加して、薬物コアを形成し;次いで、薬物コアを硬化させ、次いで、治療薬剤を患者に持続的に送達するためのインプラントとして使用する。
【0023】
種々の実施形態では、本発明は、本発明の方法によって作製する薬物挿入体を提供する。
【0024】
種々の実施形態では、本発明は、治療を必要とする患者の不全状態を治療する方法を提供し、この方法は、本発明の薬物挿入体または本発明の薬物コアまたは本発明の充填済み前駆体シースの分割によって得る薬物コアまたは本発明の薬物インプラントまたは本発明の方法によって調製する薬物挿入体を含むインプラントを配置するステップを含み、治療薬剤は、患者の眼内にまたは患者の眼に隣接して不全状態を治療するように適合されており、その結果、薬物が身体組織中または体液中に放出される。
【0025】
種々の実施形態では、本発明は、治療を必要とする患者の不全状態を治療するように適合されているインプラントの製造における、本発明の薬物挿入体または本発明の薬物コアまたは本発明の充填済み前駆体シースの分割によって得る薬物コアまたは本発明の薬物インプラントまたは本発明の方法によって調製する薬物挿入体の使用を提供する。
【0026】
種々の実施形態では、本発明は、緑内障の治療のためにラタノプロストを眼に持続的に放出させるための涙点プラグ内部に配置されるように適合されている薬物挿入体を提供し、挿入体は、コア、およびコアを部分的に覆うシース本体を含み、コアは、ラタノプロストおよびマトリックスを含み、マトリックスは、シリコーンポリマーを含み、ラタノプロストは、シリコーン内部にその液滴として含有され、薬物コアの容積部中のラタノプロストの量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部中のラタノプロストの量に類似し、シース本体は、コアの一部を覆って配置されて、前記一部からのラタノプロストの放出を阻害し、シース本体によって覆われていないコアの暴露表面は、ラタノプロストを眼に放出するように適合されている。
【0027】
種々の実施形態では、本発明は、乾燥眼または炎症の治療のためにシクロスポリンを眼に持続的に放出させるための涙点プラグ内部に配置されるように適合されている薬物挿入体を提供し、挿入体は、コア、およびコアを部分的に覆うシース本体を含み、コアは、シクロスポリンおよびマトリックスを含み、マトリックスは、ポリウレタンポリマーを含み、シクロスポリンは、ポリウレタン内部に含有され、薬物コアの容積部中のシクロスポリンの量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部中のシクロスポリンの量に類似し、シース本体は、コアの一部を覆って配置されて、前記一部からのシクロスポリンの放出を阻害し、シース本体によって覆われていないコアの暴露表面は、シクロスポリンを眼に放出するように適合されている。
【0028】
種々の実施形態では、本発明は、インプラント内部に配置されるように適合されている薬物挿入体を提供し、インプラントは、体腔、体組織、体管もしくは体液の内部にまたはそれらに隣接して配置されるように適合されていて、治療薬剤を、体腔、体管、体組織もしくは周囲組織またはそれらの任意の組合せに持続的に放出し、挿入体は、薬物コア、および薬物コアを部分的に覆うシース本体を含み、薬物コアは、治療薬剤およびマトリックスを含み、マトリックスはポリマーを含み、治療薬剤は、マトリックス全体にわたり一様かつ均一に分散するか、またはマトリックス内部に少なくとも部分的に固体もしくは液体の内包物を形成し、薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部中の治療薬剤の量に類似し、シース本体は、薬物コアの一部を覆って配置されて、インプラントが患者体内に挿入された場合に、前記一部からの薬剤の放出を阻害し、したがって、薬剤を、体腔、体管、体組織もしくは周囲組織またはそれらの任意の組合せに放出するように適合されている、薬物コアの少なくとも1つの暴露表面を画定する。
【0029】
種々の実施形態では、本発明は、インプラント内部に配置されるように適合されている薬物挿入体を提供し、インプラントは、患者の眼内にまたは患者の眼に隣接して配置されるように適合されていて、治療薬剤を全身に持続的に放出し、挿入体は、薬物コア、および薬物コアを部分的に覆うシース本体を含み、薬物コアは、治療薬剤およびマトリックスを含み、マトリックスはポリマーを含み、治療薬剤は、マトリックス全体にわたり一様かつ均一に分散するか、またはマトリックス内部に少なくとも部分的に固体もしくは液体の内包物を形成し、薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部中の治療薬剤の量に類似し、シース本体は、薬物コアの一部を覆って配置されて、インプラントが患者体内に挿入された場合に、前記一部からの薬剤の放出を阻害し、したがって、薬剤を全身に放出するように適合されている、薬物コアの少なくとも1つの暴露表面を画定する。
【0030】
種々の実施形態では、本発明は、薬物挿入体もしくはインプラントとしてまたは薬物挿入体もしくはインプラントの中に配置される、治療薬剤およびマトリックスを含む薬物コアを提供し、マトリックスはポリマーを含み、薬物挿入体またはインプラントは、体腔、体組織、体管もしくは体液の内部にまたはそれらに隣接して配置されるように適合されていて、治療薬剤を、体腔、体管、体組織もしくは周囲組織またはそれらの任意の組合せに持続的に放出し、治療薬剤は、マトリックス全体にわたり一様、均一に分散するか、またはマトリックス内部に少なくとも部分的に固体もしくは液体の内包物を形成し;薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部中の治療薬剤の量に類似する。
【0031】
種々の実施形態では、本発明は、薬物挿入体もしくはインプラントとしてまたは薬物挿入体もしくはインプラントの中に配置される、治療薬剤およびマトリックスを含む薬物コアを提供し、マトリックスはポリマーを含み、薬物挿入体またはインプラントは、患者の眼内にまたは患者の眼に隣接して配置されるように適合されていて、治療薬剤を全身に持続的に放出し、治療薬剤は、マトリックス全体にわたり一様、均一に分散するか、またはマトリックス内部に少なくとも部分的に固体もしくは液体の内包物を形成し;薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部中の治療薬剤の量に類似する。薬物コアは、マトリックスを治療薬剤と共に適切な形状に成型することによって、インプラントまたは薬物挿入体に形成することができる。この形態のインプラントには、シースも、外側のインプラント本体も、ハウジングもない。
【0032】
本発明を制限する意図はないが、治療薬剤は、マトリックスからその表面に輸送され、そこで、薬剤は、分散するか、溶解するかまたはそれ以外では体液と共に取り込まれて、標的組織まで送達されると考えられている。輸送は、拡散、分子の相互作用、ドメインの形成および輸送、体液のマトリックス内への流れ込みもしくは他の機構の結果である場合もあり、かつ/またはそれらに影響される場合もある。眼への送達については、薬剤の治療分量が、マトリックスの暴露表面に輸送され、そこで薬剤は、涙液によって洗い取られて、1つまたは複数の標的組織まで送達される。
【0033】
本明細書に記載する発明をより良好に説明するために、本発明の例示的な態様および実施形態を、以下に非限定的に列挙する。
【0034】
態様A1は、インプラント内部に配置されるように適合されている薬物挿入体に関し、前記インプラントは、体腔、体組織、体管もしくは体液の内部にまたはそれらに隣接して配置されるように適合されており、前記挿入体は、薬物コアと、前記薬物コアを部分的に覆うシース本体とを備え、前記薬物コアは、治療薬剤およびマトリックスを含み、前記マトリックスはポリマーを含み、前記シース本体は、前記薬物コアの一部を覆って配置されて、前記インプラントが患者体内に挿入された場合に、前記一部からの前記薬剤の放出を阻害し、したがって、前記薬剤を前記体腔、体組織、体管もしくは体液またはそれらの任意の組合せに放出するように適合されている、前記薬物コアの少なくとも1つの暴露表面を画定し、前記薬物コアの容積部中の前記治療薬剤の量は、前記薬物コアの任意の他の等しい容積部中の前記治療薬剤の量に類似する。
【0035】
実施形態A2は、態様A1の薬物挿入体に関し、前記薬物コアの前記容積部内部の前記治療薬剤の量が、前記薬物コアの任意の他の等しい容積部内部の前記治療薬剤の量と約30%以下だけ異なる。
【0036】
実施形態A3は、態様A1の薬物挿入体に関し、前記薬物コアの前記容積部内部の前記治療薬剤の量が、前記薬物コアの任意の他の等しい容積部内部の前記治療薬剤の量と約20%以下だけ異なる。
【0037】
実施形態A4は、態様A1の薬物挿入体に関し、前記薬物コアの前記容積部内部の前記治療薬剤の量が、前記薬物コアの任意の他の等しい容積部内部の前記治療薬剤の量と約10%以下だけ異なる。
【0038】
実施形態A5は、態様A1の薬物挿入体に関し、前記薬物コアの前記容積部内部の前記治療薬剤の量が、前記薬物コアの任意の他の等しい容積部内部の前記治療薬剤の量と約5%以下だけ異なる。
【0039】
実施形態A6は、態様A1の薬物挿入体に関し、前記インプラントが涙点プラグである。
【0040】
実施形態A7は、態様A1の複数の薬物挿入体に関し、それぞれが、その他の挿入体と比べて、前記薬剤の類似濃度を含む。
【0041】
実施形態A8は、実施形態A7の複数の薬物挿入体に関し、前記薬剤の類似濃度が、それらの間で約30%以下異なる。
【0042】
実施形態A9は、実施形態A7の複数の薬物挿入体に関し、前記薬剤の類似濃度が、それらの間で約20%以下異なる。
【0043】
実施形態A10は、実施形態A7の複数の薬物挿入体に関し、前記薬剤の類似濃度が、それらの間で約10%以下異なる。
【0044】
実施形態A11は、実施形態A7の複数の薬物挿入体に関し、前記薬剤の類似濃度が、それらの間で約5%以下異なる。
【0045】
実施形態A12は、態様A1の薬物挿入体に関し、前記インプラントが前記患者体内に挿入された場合に、前記暴露表面が、前記薬剤の治療分量を涙液中に少なくとも数日の期間にわたり放出するように適合されている。
【0046】
実施形態A13は、実施形態A7の複数の薬物挿入体に関し、前記インプラントが前記患者体内に挿入された場合に、前記複数の薬物挿入体のそれぞれの前記暴露表面が、前記薬剤の治療分量を涙液中に少なくとも数日の期間にわたり放出するように適合されており、前記複数の薬物挿入体のそれぞれによって放出される前記薬剤の前記治療分量が類似する。
【0047】
実施形態A14は、実施形態A13の複数に関し、前記複数の薬物挿入体のそれぞれによって放出される前記薬剤の前記治療分量が、それらの間で約30%以下だけ異なる。
【0048】
実施形態A15は、実施形態A13の複数に関し、前記複数の薬物挿入体のそれぞれによって放出される前記薬剤の前記治療分量が、それらの間で約20%以下だけ異なる。
【0049】
実施形態A16は、実施形態A13の複数に関し、前記複数の薬物挿入体のそれぞれによって放出される前記薬剤の前記治療分量が、それらの間で約10%以下だけ異なる。
【0050】
実施形態A17は、実施形態A13の複数に関し、前記複数の薬物挿入体のそれぞれによって放出される前記薬剤の前記治療分量が、それらの間で約5%以下だけ異なる。
【0051】
実施形態A18は、態様A1の薬物挿入体に関し、前記薬物コアが、約0.1wt%から約50wt%の薬剤を含む。
【0052】
実施形態A19は、態様A1の薬物挿入体に関し、前記マトリックスが、非生分解性シリコーンもしくはポリウレタンまたはそれらの組合せを含む。
【0053】
実施形態A20は、態様A1の薬物挿入体に関し、前記シース本体が、ポリイミド、PMMAもしくはPETのうちの少なくとも1つを含むポリマー、またはステンレス鋼もしくはチタンを含む金属を含み、前記ポリマーは、押し出されるかまたは成型される。
【0054】
実施形態A21は、態様A1の薬物挿入体に関し、前記薬剤が、緑内障医薬品、ムスカリン性薬剤、β遮断薬、α作動薬、炭酸脱水酵素阻害剤またはプロスタグランジンもしくはプロスタグランジン類似体;抗炎症剤;抗感染剤;乾燥眼医薬品;あるいはそれらの任意の組合せを含む。
【0055】
実施形態A22は、実施形態A21の薬物挿入体に関し、前記抗炎症剤が、ステロイド、軟ステロイドまたはNSAID、および鎮痛特性を示す他の化合物を含む。
【0056】
実施形態A23は、実施形態A21の薬物挿入体に関し、前記抗感染剤が、抗生物質、抗ウイルス剤または抗真菌剤を含む。
【0057】
実施形態A24は、実施形態A21の薬物挿入体に関し、前記乾燥眼医薬品が、シクロスポリン、抗ヒスタミン剤、オロパタジン等の肥満細胞安定化剤、粘滑薬またはヒアルロン酸ナトリウムを含む。
【0058】
実施形態A25は、態様A1の薬物挿入体に関し、前記薬剤がラタノプロストを含み、前記薬物挿入体中の前記薬剤の量が約10〜50μgである。
【0059】
実施形態A26は、態様A1の薬物挿入体に関し、不活性充填剤材料、塩、界面活性剤、分散剤、第2のポリマー、オリゴマーまたはそれらの組合せを含む放出速度改変材料を含む。
【0060】
実施形態A27は、態様A1の薬物挿入体に関し、前記薬物コアが、軸を有する実質的に円筒形の形態であり、前記薬物コアの前記露表面が、前記円筒形の形態の一端部上に配置され、前記シース本体によって覆われている前記薬物コアの表面が、前記円筒形の形態の前記表面の残部を構成する。
【0061】
実施形態A28は、態様A1の薬物挿入体に関し、前記薬剤が、前記薬物コア内部の前記マトリックス中に溶解している。
【0062】
実施形態A29は、実施形態A28の薬物挿入体に関し、前記薬剤がシクロスポリンを含み、前記マトリックスがポリウレタンを含む。
【0063】
実施形態A30は、態様A1の薬物挿入体に関し、前記薬剤が、前記マトリックス全体にわたり少なくとも部分的に複数の固体または液体の内包物として存在し、前記内包物が、前記薬剤が約25℃未満で液体である場合に、約100μm以下の直径の前記薬剤の液滴を、または前記薬剤が約25℃未満で固体である場合に、約100μm以下の直径の前記薬剤の粒子を約25℃未満の温度において含む。
【0064】
実施形態A31は、実施形態A30の薬物挿入体に関し、内包物集団内における平均内包物直径および複数の内包物の直径のサイズ分布が、前記薬物コアから前記患者への前記薬剤の放出速度に影響を及ぼす。
【0065】
実施形態A32は、実施形態A30の薬物挿入体に関し、前記内包物が、約20μm未満の平均直径を有する。
【0066】
実施形態A33は、実施形態A32の薬物挿入体に関し、前記内包物の直径の標準偏差が、約8μm未満である。
【0067】
実施形態A34は、実施形態A30の薬物挿入体に関し、前記内包物が、約15μm未満の平均直径を有する。
【0068】
実施形態A35は、実施形態A34の薬物挿入体に関し、前記内包物の直径の標準偏差が、約6μm未満である。
【0069】
実施形態A36は、実施形態A30の薬物挿入体に関し、前記内包物が、約10μm未満の平均直径を有する。
【0070】
実施形態A37は、実施形態A36の薬物挿入体に関し、前記内包物の直径の標準偏差が、約4μm未満である。
【0071】
実施形態A38は、実施形態A30の薬物挿入体に関し、前記内包物の直径の分布が、単分散分布である。
【0072】
実施形態A39は、実施形態A30の薬物挿入体に関し、前記内包物が、約0.1μmから約50μmの範囲内の横断面のサイズを主に含む。
【0073】
実施形態A40は、実施形態A30の薬物挿入体に関し、前記薬剤が、前記マトリックス中に、約25℃未満で液体の物理的状態である内包物を形成する。
【0074】
実施形態A41は、実施形態A40の薬物挿入体に関し、前記内包物が実質的にすべて、前記マトリックス内部において、約30μm未満の直径の前記薬剤の液滴である。
【0075】
実施形態A42は、実施形態A40の薬物挿入体に関し、前記液滴が、約10μm未満の平均直径を有する。
【0076】
実施形態A43は、実施形態A42の薬物挿入体に関し、前記内包物の直径の標準偏差が、約4μm未満である。
【0077】
実施形態A44は、実施形態A40の薬物挿入体に関し、前記薬剤が、ラタノプロストである。
【0078】
実施形態A45は、実施形態A30の薬物挿入体に関し、前記薬剤が、前記マトリックス中に、約25℃未満で固体の物理的状態である内包物を形成する。
【0079】
実施形態A46は、実施形態A45の薬物挿入体に関し、前記内包物が実質的にすべて、前記マトリックス内部において、約30μm未満の直径の前記薬剤の粒子である。
【0080】
実施形態A47は、実施形態A45の薬物挿入体に関し、前記マトリックス内部の平均粒子直径が約5〜50μmである。
【0081】
実施形態A48は、実施形態A45の薬物挿入体に関し、前記薬剤が、ビマトプロスト、オロパタジンまたはシクロスポリンである。
【0082】
実施形態A49は、態様A1の薬物挿入体に関し、前記コアが、2つ以上の治療薬剤を含む。
【0083】
実施形態A50は、態様A1の薬物挿入体に関し、前記薬物コアが、第1および第2の薬物コアを含む。
【0084】
実施形態A51は、実施形態A50の薬物挿入体に関し、前記薬物挿入体が、前記シース本体内部に配置された2つの薬物コアを含み、第1の薬物コアが第1の薬剤および第1のマトリックスを含み、第2の薬物コアが第2の薬剤および第2のマトリックスを含み、前記第1の薬剤と前記第2の薬剤とが異なり、前記第1のマトリックスと前記第2のマトリックスとが、同一であるまたは相互に異なるのいずれかであり、前記インプラント本体は、前記シース本体内部に配置される前記第1および前記第2のコアを受容するように適合されている開口部を含み、前記薬物コアは、前記シース内部に前記インプラント本体の前記開口部内部において配置されるように適合されている。
【0085】
実施形態A52は、実施形態A50の薬物挿入体に関し、前記第1のマトリックスと前記第2のマトリックスとが、組成、暴露表面面積、界面活性剤、架橋剤、添加剤、マトリックス材料、処方、放出速度改変試薬または安定性のうちの少なくとも1つに関して相互に異なる。
【0086】
実施形態A53は、実施形態A50の薬物挿入体に関し、前記薬物挿入体が前記インプラント本体内部に配置されており、前記インプラント本体が前記患者の眼内にまたは前記患者の眼に隣接して配置された場合に、前記第1の薬物コアが涙液に直接曝される表面を有し、前記第2の薬物コアが涙液に直接曝される表面を有さないように、前記第1の薬物コアおよび前記第2の薬物コアが、前記シース本体内部に配置される。
【0087】
実施形態A54は、実施形態A50の薬物挿入体に関し、前記第1の薬物コアおよび前記第2の薬物コアが、前記シース本体内部で並んで配置される。
【0088】
実施形態A55は、実施形態A50の薬物挿入体に関し、前記第1の薬物コアおよび前記第2の薬物コアがそれぞれ、円筒形の形状であり、前記シース本体の内部に配置され、前記薬物挿入体が前記インプラント本体内部に配置された場合に、前記第1の薬物コアは、前記インプラント本体中の開口部の近位端部付近に位置し、前記第2の薬物コアは、前記開口部の遠位端部付近に位置する。
【0089】
実施形態A56は、実施形態A50の薬物挿入体に関し、前記第1の薬物コアおよび前記第2の薬物コアがそれぞれ、円筒形の形状であり、ただし、前記第1の薬物コアが第1の中心穴を有し、前記薬物コアは、前記シース本体内部に、前記薬物挿入体を受容するように適合されている前記インプラント本体の開口部内部において同心円状に位置し、前記第2の薬物コアは、前記第1の薬物コアの前記第1の中心穴内部にはまるように構成されている。
【0090】
実施形態A57は、実施形態A56の薬物挿入体に関し、前記第1および第2の薬物コアが、前記インプラント本体の前記開口部内部において同心円状に位置し、前記第1の薬物コアは、第1の内部表面を暴露する第1の中心穴を有し、前記第2の薬物コアは、第2の内部表面を暴露する第2の中心穴を有し、前記第2の薬物コアは、前記第1の薬物コアの前記第1の中心穴内部にはまるように構成されており、前記開口部は、前記インプラント本体の近位端部から遠位端部まで伸びており、それによって、前記インプラント本体が患者内に挿入された場合に、涙液が前記開口部を通過し、前記第1および第2の中心穴の前記第1および第2の内部表面に接触し、前記第1および第2の治療薬剤を前記患者の小管内に放出することが可能となるように適合されている。
【0091】
実施形態A58は、実施形態A50の薬物挿入体に関し、前記第1の治療薬剤が、前記第1の薬剤が第1の期間を通して治療レベルで放出される放出プロファイルを有し、前記第2の治療薬剤が、前記第2の薬剤が第2の期間を通して治療レベルで放出される第2の放出プロファイルを有する。
【0092】
実施形態A59は、実施形態A58の薬物挿入体に関し、前記第1の期間および前記第2の期間が、1週間から5年の間である。
【0093】
実施形態A60は、実施形態A58の薬物挿入体に関し、前記第1の放出プロファイルと前記第2の放出プロファイルとが実質的に同一である。
【0094】
実施形態A61は、実施形態A58の薬物挿入体に関し、前記第1の放出プロファイルと前記第2の放出プロファイルとが異なる。
【0095】
実施形態A62は、実施形態A50の薬物挿入体に関し、前記第1の薬物コア中および前記第2の薬物コア中の任意の内包物が個々に、約20μm未満の平均直径を有する。
【0096】
実施形態A63は、実施形態A50の薬物挿入体に関し、前記第1の薬物コア中および前記第2の薬物コア中の任意の内包物が個々に、約8μm未満の直径の標準偏差を有する。
【0097】
実施形態A64は、実施形態A50の薬物挿入体に関し、前記インプラント本体が、前記インプラント本体の近位端部から遠位端部まで伸びる中心孔を含み、したがって、涙液が前記インプラント本体を通過することが可能となるように適合されており、前記インプラント本体が前記患者の眼内にまたは前記患者の眼に隣接して配置された場合に、前記第1および第2の治療薬剤が小管内の涙液中に放出される。
【0098】
実施形態A65は、実施形態A50の薬物挿入体に関し、前記第1の薬剤が、第1の効果および副作用を患者にもたらし、前記第2の薬剤が、前記第1の薬剤の前記副作用を緩和しまたは打ち消す第2の効果をもたらす。
【0099】
実施形態A66は、実施形態A50の薬物挿入体に関し、医薬品含浸多孔性材料を前記第1のマトリックス、前記第2のマトリックスまたは両方の内部に配置することをさらに含み、薬物コア含有インプラントが涙点内に配置された場合に、前記医薬品含浸多孔性材料は、涙液に、前記医薬品含浸多孔性材料から前記第1の薬剤、前記第2の薬剤または両方を治療レベルで持続した期間にわたり放出させるように適合されており、前記医薬品含浸多孔性材料は、涙液と接触すると、第1の直径から第2の直径に膨潤することができるゲル材料である。
【0100】
実施形態A67は、実施形態A66の薬物挿入体に関し、前記第2の直径が、前記第1の直径より約50%大きい。
【0101】
実施形態A68は、実施形態A66の薬物挿入体に関し、前記医薬品含浸多孔性材料が、HEMA親水性ポリマーである。
【0102】
実施形態A69は、態様A1の薬物挿入体に関し、前記マトリックスが、ポリウレタンのポリマーまたはコポリマーを含む。
【0103】
実施形態A70は、実施形態A69の薬物挿入体に関し、前記ポリウレタンのポリマーまたはコポリマーが、脂肪族ポリウレタン、芳香族ポリウレタン、ポリウレタンヒドロゲル形成材料、親水性ポリウレタン、またはそれらの組合せを含む。
【0104】
実施形態A71は、実施形態A69の薬物挿入体に関し、前記ポリウレタンのポリマーまたはコポリマーが、水性媒体と接触すると膨潤するように適合されているヒドロゲルを含み、前記シース本体が、それに応答して膨張するために十分な弾性を示すように適合されている。
【0105】
実施形態A72は、実施形態A71の薬物挿入体に関し、前記膨潤が、前記インプラント本体を前記患者の涙点の管内部に保持するように適合されている。
【0106】
実施形態A73は、実施形態A69の薬物挿入体に関し、前記治療薬剤が、シクロスポリンもしくはオロパタジン、シクロスポリンもしくはオロパタジンのプロドラッグもしくは誘導体、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0107】
実施形態A74は、実施形態A73の薬物挿入体に関し、前記シクロスポリンもしくは前記オロパタジン、または前記シクロスポリンのプロドラッグもしくは誘導体、または前記オロパタジンのプロドラッグもしくは誘導体、あるいは前記それらの組合せの、前記ポリウレタンのポリマーまたはコポリマーに対する重量比が、約1wt%から約70wt%である。
【0108】
実施形態A75は、態様A1の薬物挿入体に関し、前記コア中の前記薬剤の濃度が、前記暴露表面の近位の前記薬物コアの部分、前記暴露表面の遠位の部分、および前記近位の部分と前記遠位の部分との間に配置された部分において類似する。
【0109】
実施形態A76は、実施形態A75の薬物挿入体に関し、前記近位の部分が、前記薬物コアの長さの少なくとも約10分の1の長さである。
【0110】
実施形態A77は、態様A1の薬物挿入体に関し、前記薬物挿入体または前記インプラントが、患者の眼内にまたは患者の眼に隣接して配置されるように適合されている。
【0111】
実施形態A78は、態様A1の薬物挿入体に関し、a)前記治療薬剤が、前記マトリックス全体にわたり一様かつ均一に分散するか;またはb)前記治療薬剤が、前記マトリックス内部に少なくとも部分的に固体もしくは液体の内包物を形成する。
【0112】
薬物挿入体の態様、ならびに態様A1の実施形態および実施形態A2〜A76は、組合せに内部的矛盾が生じない限り、任意の様式で組み合わせることができる。例えば、実施形態A6を、実施形態A2〜A5のうちのいずれかと組み合わせることができる。これらの組合せは、複数従属請求項が有するものと同一の概念および意味を、かつまた、他の複数従属請求項に関する複数従属請求項が有する概念および意味も示すことを意図し、したがって、前後の主題のあらゆる組合せが、この態様と実施形態とのセットについて含まれる。
【0113】
態様Blは、薬物挿入体もしくはインプラントの中にまたは薬物挿入体もしくはインプラントとして配置される、治療薬剤およびマトリックスを含む薬物コアに関し、薬物挿入体またはインプラントは、患者の体腔、体組織、体管もしくは体液の内部にまたはそれらに隣接して配置されるように適合されており、マトリックスはポリマーを含み、薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、薬物コアの任意の他の等しい容積部中の治療薬剤の量に類似する。
【0114】
実施形態B2は、態様B1の薬物コアに関し、薬物挿入体またはインプラントは、患者の眼内にまたは患者の眼に隣接して配置されるように適合されている。
【0115】
実施形態B3は、態様B1のコアに関し、a)治療薬剤が、マトリックス全体にわたり一様かつ均一に分散するか;またはb)治療薬剤が、マトリックス内部に少なくとも部分的に固体もしくは液体の内包物を形成する。
【0116】
実施形態B4は、態様B1の薬物コアに関し、前記薬物コアの容積部中の前記治療薬剤の量が、前記薬物コアの任意の他の等しい容積部中の前記治療薬剤の量と約30%以下だけ異なる。
【0117】
実施形態B5は、態様B1の薬物コアに関し、前記薬物コアの容積部中の前記治療薬剤の量が、前記薬物コアの任意の他の等しい容積部中の前記治療薬剤の量と約20%以下だけ異なる。
【0118】
実施形態B6は、態様B1の薬物コアに関し、前記薬物コアの容積部中の前記治療薬剤の量が、前記薬物コアの任意の他の等しい容積部中の前記治療薬剤の量と約10%以下だけ異なる。
【0119】
実施形態B7は、態様B1の薬物コアに関し、前記薬物コアの容積部中の前記治療薬剤の量が、前記薬物コアの任意の他の等しい容積部中の前記治療薬剤の量と約5%以下だけ異なる。
【0120】
実施形態B8は、態様B1の薬物コアに関し、前記治療薬剤が、前記マトリックス全体にわたり一様、均一に分散する。
【0121】
実施形態B9は、態様B1の薬物コアに関し、前記治療薬剤が、前記マトリックス内部に少なくとも部分的に固体もしくは液体の内包物を形成する。
【0122】
実施形態B10は、態様B1の薬物コアに関し、前記治療薬剤が、前記マトリックス内部に少なくとも部分的に固体もしくは液体の内包物を形成し、前記内包物が、約20μm未満の平均直径を有する。
【0123】
実施形態B11は、実施形態B10の薬物コアに関し、前記内包物の直径の標準偏差が、約8μm未満である。
【0124】
実施形態B12は、態様B1の薬物コアに関し、前記治療薬剤が、前記マトリックス内部に少なくとも部分的に固体もしくは液体の内包物を形成し、前記内包物が、約10μm未満の平均直径を有する。
【0125】
実施形態B13は、実施形態B12の薬物コアに関し、前記内包物の直径の標準偏差が、約4μm未満である。
【0126】
実施形態B14は、態様B1の薬物コアに関し、前記薬物コアの近位部分の周り、中位部分の周り、および遠位部分の周りにおける等しい容積部中の前記治療薬剤の量が類似する。
【0127】
実施形態B15は、実施形態B14の薬物コアに関し、前記治療薬剤の量が、約30%以下だけ異なる。
【0128】
実施形態B16は、実施形態B14の薬物コアに関し、前記治療薬剤の量が、約20%以下だけ異なる。
【0129】
実施形態B17は、実施形態B14の薬物コアに関し、前記治療薬剤の量が、約10%以下だけ異なる。
【0130】
実施形態B18は、実施形態B16の薬物コアに関し、前記量が、約5%以下だけ異なる。
【0131】
実施形態B19は、態様B1の薬物コアに関し、前記ポリマーが、非生分解性のシリコーンもしくはポリウレタンまたはそれらの組合せを含む。
【0132】
実施形態B20は、態様B1の薬物コアに関し、前記薬剤が、緑内障医薬品、ムスカリン性薬剤、β遮断薬、α作動薬、炭酸脱水酵素阻害剤またはプロスタグランジンもしくはプロスタグランジン類似体;抗炎症剤;抗感染剤;乾燥眼医薬品;あるいはそれらの任意の組合せを含む。
【0133】
実施形態B21は、実施形態B20の薬物コアに関し、前記抗炎症剤が、ステロイド、軟ステロイドもしくはNSAID、および/または鎮痛特性を示す他の化合物を含む。
【0134】
実施形態B22は、実施形態B20の薬物コアに関し、前記抗感染剤が、抗生物質、抗ウイルス剤または抗真菌剤を含む。
【0135】
実施形態B23は、実施形態B20の薬物コアに関し、前記乾燥眼医薬品が、シクロスポリン、抗ヒスタミン剤および肥満細胞安定化剤、オロパタジン、粘滑薬、またはヒアルロン酸ナトリウムを含む。
【0136】
実施形態B24は、態様B1の薬物コアに関し、前記ポリマーがシリコーンを含む。
【0137】
実施形態B25は、態様B1の薬物コアに関し、前記治療薬剤がシクロスポリンを含み、前記ポリマーがポリウレタンを含む。
【0138】
実施形態B26は、態様B1の薬物コアに関し、不活性充填剤材料、塩、界面活性剤、分散剤、第2のポリマー、オリゴマーまたはそれらの組合せを含む放出速度改変材料を含む。
【0139】
実施形態B27は、態様B1の薬物コアに関し、シース本体内部に配置される。
【0140】
実施形態B28は、態様B1の薬物コアに関し、患者の体腔、体組織、体管もしくは体液の中にまたはそれらに隣接して配置されるインプラント本体の形状に形成されている。
【0141】
薬物挿入体の態様、ならびに態様B1の実施形態および実施形態B2〜B28は、組合せに内部的矛盾が生じない限り、任意の様式で組み合わせることができる。例えば、実施形態B6を、実施形態B2〜B5のうちのいずれかと組み合わせることができる。これらの組合せは、複数従属請求項が有するものと同一の概念および意味を、かつまた、他の複数従属請求項に関する複数従属請求項が有する概念および意味も示すことを意図し、したがって、前後の主題のあらゆる組合せが、この態様と実施形態とのセットについて含まれる。
【0142】
実施形態C1は、前駆体薬物コアを含有する前駆体シース本体を含む充填済み前駆体シースに関し、前記薬物コアは、治療薬剤およびマトリックスを含み、前記マトリックスはポリマーを含み、前記前駆体シース本体は、前記薬剤に対して実質的に不浸透性であり、前記前駆体薬物コアの容積部中の前記治療薬剤の量は、前記前駆体薬物コアの任意の他の等しい容積部中の前記治療薬剤の量に類似する。
【0143】
実施形態C2は、態様C1の充填済み前駆体シースに関し、複数の薬物挿入体が前記充填済み前駆体シースの分割によって製造されるように適合されており、各薬物挿入体は、個々のインプラント内部に配置されるように適合されており、前記インプラントは、体腔、体組織、体管もしくは体液の内部にまたはそれらに隣接して配置されるように適合されている。
【0144】
実施形態C3は、態様C1の充填済み前駆体シースに関し、前記インプラントが、患者の眼内にまたは患者の眼に隣接して配置されるように適合されている。
【0145】
実施形態C4は、態様C1の前駆体シースに関し、前記前駆体薬物コアの容積部中の前記治療薬剤の量が、前記前駆体薬物コアの任意の他の等しい容積部中の前記治療薬剤の量と約30%以下だけ異なる。
【0146】
実施形態C5は、態様C1の前駆体シースに関し、前記前駆体薬物コアの容積部中の前記治療薬剤の量が、前記前駆体薬物コアの任意の他の等しい容積部中の前記治療薬剤の量と約20%以下だけ異なる。
【0147】
実施形態C6は、態様C1の前駆体シースに関し、前記前駆体薬物コアの容積部中の前記治療薬剤の量が、前記前駆体薬物コアの任意の他の等しい容積部中の前記治療薬剤の量と約10%以下だけ異なる。
【0148】
実施形態C7は、態様C1の前駆体シースに関し、前記前駆体薬物コアの容積部中の前記治療薬剤の量が、前記前駆体薬物コアの任意の他の等しい容積部中の前記治療薬剤の量と約5%以下だけ異なる。
【0149】
実施形態C8は、態様C1の前駆体シースに関し、前記複数の挿入体の第1の挿入体中の前記薬剤の量が、前記複数の挿入体の任意の他の挿入体中の薬剤の量に類似する。
【0150】
実施形態C9は、実施形態C8の前駆体シースに関し、前記第1の挿入体中の前記薬剤の量が、任意の他の挿入体中の薬剤の量と比較して約30%以下だけ異なる。
【0151】
実施形態C10は、実施形態C8の前駆体シースに関し、前記第1の挿入体中の前記薬剤の量が、任意の他の挿入体中の薬剤の量と比較して約20%以下だけ異なる。
【0152】
実施形態C11は、実施形態C8の前駆体シースに関し、前記第1の挿入体中の前記薬剤の量が、任意の他の挿入体中の薬剤の量と比較して約10%以下だけ異なる。
【0153】
実施形態C12は、実施形態C8の前駆体シースに関し、前記第1の挿入体中の前記薬剤の量が、任意の他の挿入体中の薬剤の量と比較して約5%以下だけ異なる。
【0154】
実施形態C13は、態様C1の前駆体シースに関し、前記インプラントが涙点プラグを含み、前記複数の挿入体のそれぞれが、その複数の個々の内部に配置されるように適合されている。
【0155】
実施形態C14は、実施形態C13の前駆体シースに関し、前記挿入体が涙点プラグ内部に配置されており、前記涙点プラグが患者の涙点内に配置した場合に、そこから分割された各薬物挿入体の各暴露表面が、前記薬剤の治療分量を涙液中に少なくとも数日の期間にわたり放出するように適合されている。
【0156】
実施形態C15は、態様C1の前駆体シースに関し、前記薬物コアが、約0.1wt%から約50wt%の前記薬剤を含む。
【0157】
実施形態C16は、態様C1の前駆体シースに関し、前記マトリックスが、非生分解性シリコーンもしくはポリウレタンまたはそれらの組合せを含む。
【0158】
実施形態C17は、態様C1の前駆体シースに関し、前記シース本体が、ポリイミド、PMMA、PETのうちの少なくとも1つを含むポリマー、またはステンレス鋼もしくはチタンを含み、前記ポリマーは、押し出されるかまたは成型される。
【0159】
実施形態C18は、態様C1の前駆体シースに関し、前記薬剤が、緑内障医薬品、ムスカリン性薬剤、β遮断薬、α作動薬、炭酸脱水酵素阻害剤またはプロスタグランジンもしくはプロスタグランジン類似体;抗炎症剤;抗感染剤;乾燥眼医薬品;あるいはそれらの任意の組合せを含む。
【0160】
実施形態C19は、実施形態C18の前駆体シースに関し、前記抗炎症剤が、ステロイド、軟ステロイドもしくはNSAID、および/または鎮痛特性を示す他の化合物を含む。
【0161】
実施形態C20は、実施形態C18の前駆体シースに関し、前記抗感染剤が、抗生物質、抗ウイルス剤または抗真菌剤を含む。
【0162】
実施形態C21は、実施形態C18の前駆体シースに関し、前記乾燥眼医薬品が、シクロスポリン、抗ヒスタミン剤および肥満細胞安定化剤、オロパタジン、粘滑薬、またはヒアルロン酸ナトリウムを含む。
【0163】
実施形態C22は、態様C1の前駆体シースに関し、前記薬剤がラタノプロストを含み、前記複数の薬物挿入体のそれぞれの中の前記薬剤の量が、約10〜50μgである。
【0164】
実施形態C23は、態様C1の前駆体シースに関し、前記薬物挿入体が、不活性充填剤材料、塩、界面活性剤、分散剤、第2のポリマー、オリゴマーまたはそれらの組合せを含む放出速度改変材料を含む。
【0165】
実施形態C24は、態様C1の前駆体シースに関し、刃物またはレーザーを用いて切断することによって分割されるように適合されている。
【0166】
実施形態C25は、態様C1の前駆体シースに関し、前記薬剤が、前記マトリックス中に溶解している。
【0167】
実施形態C26は、態様C1の前駆体シースに関し、前記薬剤が、前記マトリックス全体にわたり複数の固体または液体の内包物として分散し、前記内包物が、前記薬剤が約25℃未満で液体である場合に、約100μm以下の直径の前記薬剤の液滴を、または前記薬剤が約25℃未満で固体である場合に、約100μm以下の直径の前記薬剤の粒子を約25℃未満の温度において含む。
【0168】
実施形態C27は、実施形態C26の前駆体シースに関し、前記内包物が、約20μm未満の平均直径を有する。
【0169】
実施形態C28は、実施形態C27の前駆体シースに関し、前記内包物の直径の標準偏差が、約8μm未満である。
【0170】
実施形態C29は、実施形態C26の前駆体シースに関し、前記内包物が、約10μm未満の平均直径を有する。
【0171】
実施形態C30は、実施形態C29の前駆体シースに関し、前記内包物の直径の標準偏差が、約4μm未満である。
【0172】
実施形態C31は、実施形態C26の前駆体シースに関し、前記複数の内包物の直径のサイズ分布が単分散である。
【0173】
実施形態C32は、態様C1の前駆体シースに関し、a)前記治療薬剤が、前記マトリックス全体にわたり一様かつ均一に分散するか;またはb)前記治療薬剤が、前記マトリックス内部に少なくとも部分的に固体もしくは液体の内包物を形成する。
【0174】
充填済み前駆体シースの態様、ならびに態様C1の実施形態および実施形態C2〜C32は、組合せに内部的矛盾が生じない限り、任意の様式で組み合わせることができる。例えば、実施形態C6を、実施形態C2〜C5のうちのいずれかと組み合わせることができる。これらの組合せは、複数従属請求項が有するものと同一の概念および意味を、かつまた、他の複数従属請求項に関する複数従属請求項が有する概念および意味も示すことを意図し、したがって、前後の主題のあらゆる組合せが、この態様と実施形態とのセットについて含まれる。
【0175】
態様D1は、患者の体腔、体組織、体管もしくは体液の中にまたはそれらに隣接して配置されるインプラント本体に関し、前記挿入体が前記インプラント内部に配置されており、前記インプラントが前記体腔、体組織、体管もしくは体液の中にまたはそれらに隣接して配置された場合に、前記挿入体の暴露表面が前記体腔、体組織、体管または体液に曝されるように薬物挿入体を受容するように適合されている経路をその中に備え、前記薬物挿入体は、薬剤に対して実質的に不浸透性であるシース本体を含み、前記シース本体は、治療薬剤、およびポリマーを含むマトリックスを含む薬物コアを含有し、前駆体薬物コアの容積部中の前記治療薬剤の量は、前記前駆体薬物コアの任意の他の等しい容積部中の前記治療薬剤の量に類似する。
【0176】
実施形態D2は、態様D1のインプラント本体に関し、前記インプラントが、患者の眼内にまたは患者の眼に隣接して配置されるように適合されている。
【0177】
実施形態D3は、態様D1のインプラント本体に関し、前記薬物コアの容積部中の前記治療薬剤の量が、前記薬物コアの任意の他の等しい容積部中の前記治療薬剤の量と約30%以下だけ異なる。
【0178】
実施形態D4は、態様D1のインプラント本体に関し、前記薬物コアの容積部中の前記治療薬剤の量が、前記薬物コアの任意の他の等しい容積部中の前記治療薬剤の量と約20%以下だけ異なる。
【0179】
実施形態D5は、態様D1のインプラント本体に関し、前記薬物コアの容積部中の前記治療薬剤の量が、前記薬物コアの任意の他の等しい容積部中の前記治療薬剤の量と約10%以下だけ異なる。
【0180】
実施形態D6は、態様D1のインプラント本体に関し、前記薬物コアの容積部中の前記治療薬剤の量が、前記薬物コアの任意の他の等しい容積部中の前記治療薬剤の量と約5%以下だけ異なる。
【0181】
実施形態D7は、態様D1のインプラントに関し、前記暴露表面が、前記患者の眼内にまたは前記患者の眼に隣接して配置された場合に、前記治療分量を、強膜、角膜または硝子体のうちの少なくとも1つの中に放出することができる。
【0182】
実施形態D8は、態様D1のインプラントに関し、前記薬剤を涙液中に放出するための、患者の涙点内に配置されるように適合されている涙点プラグを含む。
【0183】
実施形態D9は、態様D1のインプラントに関し、前記治療薬剤が、前記マトリックス中で溶解性である。
【0184】
実施形態D10は、態様D1のインプラントに関し、前記治療薬剤が、前記マトリックス内部で内包物を形成するが、前記インプラントが眼内にまたは眼に隣接して配置された場合に
、前記暴露表面が前記薬剤の治療分量を涙液に一定期間にわたり放出することができるように十分に前記マトリックス中で溶解性であるかまたは前記マトリックスを通して輸送可能である。
【0185】
実施形態D11は、態様D1のインプラントに関し、前記薬剤の放出速度が、前記マトリックス中に溶解する前記薬剤の濃度によって部分的には決定される。
【0186】
実施形態D12は、態様D1のインプラントに関し、前記マトリックスが、前記内包物を含有する、架橋結合した水不溶性の固体材料を含む。
【0187】
実施形態D13は、実施形態D12のインプラントに関し、前記架橋結合した水不溶性の固体材料が、シリコーンまたはポリウレタンを含む。
【0188】
実施形態D14は、態様D1のインプラントに関し、前記マトリックスが、有効量の放出速度変更材料をさらに含み、前記放出速度変更材料は、架橋剤、不活性充填剤材料、界面活性剤、分散剤、第2のポリマーもしくはオリゴマーまたはそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つを含む。
【0189】
実施形態D15は、態様D1のインプラントに関し、前記薬物コアが、約5%から約50%の前記治療薬剤を含む。
【0190】
実施形態D16は、実施形態D10のインプラントに関し、薬剤の前記内包物が、液体または固体の物理形態である。
【0191】
実施形態D17は、態様D1のインプラントに関し、前記シース本体が、ポリイミド、PMMA、PETのうちの少なくとも1つを含むポリマー、またはステンレス鋼もしくはチタンを含み、前記ポリマーは、押し出されるかまたは成型される。
【0192】
実施形態D18は、態様D1のインプラントに関し、前記インプラント本体が、シリコーンまたはヒドロゲルうちの少なくとも1つを含む。
【0193】
実施形態D19は、態様D1のインプラントに関し、前記薬剤が、前記マトリックス全体にわたり複数の固体または液体の内包物として含有され、前記内包物が、前記薬剤が約25℃未満で液体である場合に、約200μm以下の直径の前記薬剤の液滴を、または前記薬剤が約25℃未満で固体である場合に、約200μm以下の直径の前記薬剤の粒子を約25℃未満の温度において含む。
【0194】
実施形態D20は、実施形態D19のインプラントに関し、前記内包物が、約20μm未満の平均直径を有する。
【0195】
実施形態D21は、実施形態D20のインプラントに関し、前記内包物の直径の標準偏差が、約8μm未満である。
【0196】
実施形態D22は、実施形態D19のインプラントに関し、前記内包物が、約15μm未満の平均直径を有する。
【0197】
実施形態D23は、実施形態D22のインプラントに関し、前記内包物の直径の標準偏差が、約6μm未満である。
【0198】
実施形態D24は、実施形態D19のインプラントに関し、前記内包物が、約10μm未満の平均直径を有する。
【0199】
実施形態D25は、実施形態D24のインプラントに関し、前記内包物の直径の標準偏差が、約4μm未満である。
【0200】
実施形態D26は、実施形態D19のインプラントに関し、前記複数の内包物の直径のサイズ分布が単分散である。
【0201】
実施形態D27は、実施形態D19のインプラントに関し、前記内包物が、約0.1μmから約50μmの範囲内の横断面サイズを含む。
【0202】
実施形態D28は、実施形態D19のインプラントに関し、前記薬剤が、前記マトリックス中に、約25℃未満で液体の物理的状態である内包物を形成する。
【0203】
実施形態D29は、実施形態D19のインプラントに関し、前記薬剤が、前記マトリックス中に、約25℃未満で固体の物理的状態である内包物を形成する。
【0204】
実施形態D30は、態様D1のインプラントに関し、a)治療薬剤が、マトリックス全体にわたり一様かつ均一に分散するか;またはb)治療薬剤が、マトリックス内部に少なくとも部分的に固体もしくは液体の内包物を形成する。
【0205】
インプラント本体の態様、ならびに態様D1の実施形態および実施形態D2〜D30は、組合せに内部的矛盾が生じない限り、任意の様式で組み合わせることができる。例えば、実施形態D6を、実施形態D2〜D5のうちのいずれかと組み合わせることができる。これらの組合せは、複数従属請求項が有するものと同一の概念および意味を、かつまた、他の複数従属請求項に関する複数従属請求項が有する概念および意味も示すことを意図し、したがって、前後の主題のあらゆる組合せが、この態様と実施形態とのセットについて含まれる。
【0206】
態様E1は、患者の体腔、体組織、体管もしくは体液の内部にまたはそれらに隣接して配置されるように適合されているインプラント本体のための薬物挿入体を製造する方法に関し、前記挿入体は、薬物コアと、前記薬物コアを部分的に覆うシース本体とを備え、前記薬物コアは、治療薬剤およびマトリックスを含み、前記マトリックスはポリマーを含み、前記シース本体は、前記薬物コアの一部を覆って配置されて、前記インプラントが患者体内に挿入された場合に、前記一部からの前記薬剤の放出を阻害し、したがって、前記薬剤を放出するように適合されている、前記薬物コアの少なくとも1つの暴露表面を画定し、前記方法は、前記シース本体内に、約25℃未満の温度において、マトリックス前駆体および前記治療薬剤を含む混合物を注入し、その結果、前記シース本体を、それを用いて実質的に充填するステップと;次いで、前記混合物を前記シース本体内部で硬化させて、前記シース本体内部に前記薬物コアを形成するステップとを含み、前記薬物コアの容積部中の治療薬剤の量は、前記薬物コアの任意の他の等しい容積部中の治療薬剤の量に類似する。
【0207】
態様E2は、患者の体腔、体組織、体管もしくは体液の内部にまたはそれらに隣接して配置されるように適合されているインプラント本体のための薬物挿入体を製造する方法に関し、前駆体シース本体内に、約25℃未満の温度において、治療薬剤および前駆体マトリックスを含む混合物を注入し、その結果、前記前駆体シースを、それを用いて実質的に充填するステップであって、前記前駆体シース本体は、前記薬剤に対して実質的に不浸透性であるステップと、前記混合物を前記前駆体シース本体中で硬化させて、前駆体薬物コアを含有する硬化した充填済み前駆体シース本体をもたらすステップと、前記硬化した充填済み前駆体シースを分割して、複数の薬物挿入体を形成するステップとを含み、各薬物挿入体は、個々のインプラント本体内部にはまるように適合されており、各薬物挿入体は、薬物コアおよびシース本体を含み、前記シース本体は、前記薬物コアの一部を覆って配置されて、前記挿入体がインプラントの内部に配置されており、前記インプラントが患者体内に挿入された場合に、前記一部からの前記薬剤の放出を阻害し、したがって、前記薬剤を放出するように適合されている、前記薬物コアの少なくとも1つの暴露表面を画定し、前記薬物コアの容積部中の前記治療薬剤の量は、前記薬物コアの任意の他の等しい容積部中の前記治療薬剤の量に類似する。
【0208】
実施形態E3は、態様E2の薬物挿入法を製造する方法に関し、前記複数の薬物挿入体のそれぞれが、実質的に同一の長さであり、前記複数の第1の挿入体中の前記薬剤の量が、前記複数の任意の他の挿入体中の薬剤の量に類似する。
【0209】
実施形態E4は、態様E1、態様E2または実施形態E3による薬物挿入法を製造する方法に関し、前記インプラントが、患者の眼内または患者の眼に隣接して配置されるように適合されている。
【0210】
実施形態E5は、態様E1またはE2の方法に関し、前記薬物コアの容積部中の前記治療薬剤の量が、前記薬物コアの任意の他の等しい容積部中の前記治療薬剤の量と約30%以下だけ異なる。
【0211】
実施形態E6は、態様E1またはE2の方法に関し、前記薬物コアの容積部中の前記治療薬剤の量が、前記薬物コアの任意の他の等しい容積部中の前記治療薬剤の量と約20%以下だけ異なる。
【0212】
実施形態E7は、態様E1またはE2の方法に関し、前記薬物コアの容積部中の前記治療薬剤の量が、前記薬物コアの任意の他の等しい容積部中の前記治療薬剤の量と約10%以下だけ異なる。
【0213】
実施形態E8は、態様E1またはE2の方法に関し、前記薬物コアの容積部中の前記治療薬剤の量が、前記薬物コアの任意の他の等しい容積部中の前記治療薬剤の量と約5%以下だけ異なる。
【0214】
実施形態E9は、態様E2の方法に関し、前記複数の挿入体のそれぞれの中の前記薬剤の量が、それらの間で約30%以下だけ異なる。
【0215】
実施形態E10は、態様E2の方法に関し、前記複数の挿入体のそれぞれの中の前記薬剤の量が、それらの間で約20%以下だけ異なる。
【0216】
実施形態E11は、態様E2の方法に関し、前記複数の挿入体のそれぞれの中の前記薬剤の量が、それらの間で約10%以下だけ異なる。
【0217】
実施形態E12は、態様E2の方法に関し、前記複数の挿入体のそれぞれの中の前記薬剤の量が、それらの間で約5%以下だけ異なる。
【0218】
実施形態E13は、態様E2の方法に関し、前記前駆体挿入体を分割するステップが、前記前駆体挿入体を刃物またはレーザーを用いて切断することを含む。
【0219】
実施形態E14は、態様E1またはE2の方法に関し、前記インプラントが、前記患者の涙点内に配置されるように適合されている涙点プラグを含む。
【0220】
実施形態E15は、実施形態E14の方法に関し、前記挿入体が、前記涙点プラグ中に配置されており、前記涙点プラグが患者の涙点内に配置した場合に、前記暴露表面が、前記薬剤の治療分量を涙液中に少なくとも数日の期間にわたり放出するように適合されている。
【0221】
実施形態E16は、態様E1またはE2の方法に関し、前記混合物が、前記マトリックス前駆体および前記薬剤が溶解性を示す溶媒をさらに含み、硬化ステップが、前記シース本体または前駆体シース本体のそれぞれの中への注入ステップの後に、前記溶媒の少なくとも部分的な除去を含む。
【0222】
実施形態E17は、実施形態E16の方法に関し、硬化ステップが、加熱、真空処理または両方を含む。
【0223】
実施形態E18は、実施形態E16の方法に関し、前記溶媒が、炭化水素、エステル、ハロカーボン、アルコール、アミドまたはそれらの組合せを含む。
【0224】
実施形態E19は、実施形態E16の方法に関し、前記溶媒がハロカーボンを含み、前記薬剤がシクロスポリンを含む。
【0225】
実施形態E20は、態様E1またはE2の方法に関し、前記混合物を硬化するステップが、前記混合物を、ある相対湿度において一定期間である温度までに加熱することを含む。
【0226】
実施形態E21は、実施形態E20の方法に関し、前記温度が約20℃から約100℃の範囲を含み、前記相対湿度が約40%から約100%の範囲を含み、前記期間が約1分から約48時間の範囲を含む。
【0227】
実施形態E22は、実施形態E21の方法に関し、前記温度が少なくとも約40℃であり、前記相対湿度が少なくとも約80%であり、または両方である。
【0228】
実施形態E23は、態様E1またはE2の方法に関し、硬化ステップが、前記マトリックス前駆体の重合もしくは架橋結合または両方のステップを含む。
【0229】
実施形態E24は、実施形態E23の方法に関し、触媒の存在下における重合もしくは架橋結合または両方を含む。
【0230】
実施形態E25は、実施形態E24の方法に関し、前記触媒が、スズ化合物または白金化合物を含む。
【0231】
実施形態E26は、実施形態E24の方法に関し、前記触媒が、ビニル水素化物系を有する白金またはアルコキシ系を有するスズのうちの少なくとも1つを含む。
【0232】
実施形態E27は、態様E1またはE2の方法に関し、前記混合物が、超音波処理を含む方法によって調製される。
【0233】
実施形態E28は、態様E1またはE2の方法に関し、注入ステップが、少なくとも約40psiの圧力下における注入を含む。
【0234】
実施形態E29は、態様E1またはE2の方法に関し、前記温度が、約−50℃から約25℃の温度を含む。
【0235】
実施形態E30は、態様E1またはE2の方法に関し、前記温度が、約−20℃から約0℃の温度を含む。
【0236】
実施形態E31は、態様E1またはE2の方法に関し、前記シース本体または前駆体シース本体がそれぞれ、約0.5cm/秒以下の速度で充填されるように、前記混合物が注入される。
【0237】
実施形態E32は、態様E1またはE2の方法に関し、各薬物挿入体が、その一端部において密封され、第2の端部が暴露表面をもたらす。
【0238】
実施形態E33は、実施形態E32の方法に関し、各薬物挿入体が、UV硬化性接着剤、シアノアクリレート、エポキシを用いて、つまむことによって、加熱溶接を用いて、または蓋を用いて、その一端部において密封される。
【0239】
実施形態E34は、実施形態E33の方法に関し、前記薬物挿入体に、UV硬化性接着剤を加えてUV光を照射するステップをさらに含む。
【0240】
実施形態E35は、実施形態E33の方法に関し、各薬物挿入体を、その一端部を密封した後に、前記挿入体をその中に受容するように適合されているインプラント本体の経路中に挿入するステップをさらに含む。
【0241】
実施形態E36は、態様E1またはE2の方法に関し、前記挿入体が、約0.1wt%から約50wt%の前記薬剤を含む。
【0242】
実施形態E37は、態様E1またはE2の方法に関し、前記マトリックスが、非生分解性シリコーンまたはポリウレタンを含む。
【0243】
実施形態E38は、態様E1またはE2の方法に関し、前記シースまたは前駆体シースが、ポリイミド、PMMA、PET、ステンレス鋼またはチタンのうちの少なくとも1つを含む。
【0244】
実施形態E39は、態様E1またはE2の方法に関し、前記薬剤が、緑内障医薬品、ムスカリン性薬剤、β遮断薬、α作動薬、炭酸脱水酵素阻害剤またはプロスタグランジンもしくはプロスタグランジン類似体;抗炎症剤;抗感染剤;乾燥眼医薬品;あるいはそれらの任意の組合せを含む。
【0245】
実施形態E40は、実施形態E39の方法に関し、前記抗炎症剤が、ステロイド、軟ステロイドもしくはNSAID、および/または鎮痛特性を示す他の化合物を含む。
【0246】
実施形態E41は、実施形態E39の方法に関し、前記抗感染剤が、抗生物質、抗ウイルス剤または抗真菌剤を含む。
【0247】
実施形態E42は、実施形態E39の方法に関し、前記乾燥眼医薬品が、シクロスポリン、オロパタジン、粘滑薬またはヒアルロン酸ナトリウムを含む。
【0248】
実施形態E43は、態様E1またはE2の方法に関し、前記薬剤がラタノプロストを含み、前記マトリックスがシリコーンまたはポリウレタンを含み、前記複数の薬物挿入体のそれぞれの中の前記薬剤の量が約10〜50μgである。
【0249】
実施形態E44は、態様E1またはE2の方法に関し、前記薬剤がシクロスポリンを含み、前記マトリックスがシリコーンまたはポリウレタンを含み、前記複数の薬物挿入体のそれぞれの中の前記薬剤の相対的な量が、前記コアの約1%から約50%の範囲である。
【0250】
実施形態E45は、態様E1またはE2の方法に関し、前記薬物挿入体が、不活性充填剤材料、塩、界面活性剤、分散剤、第2のポリマー、オリゴマーまたはそれらの組合せを含む放出速度改変材料を含む。
【0251】
実施形態E46は、態様E1またはE2の方法に関し、前記薬物コアが、軸を有する実質的に円筒形の形態であり、前記シースによって覆われていない前記薬物コアの表面が、前記円筒形の形態の一端部上に配置され、前記シースによって覆われている前記薬物コアが、前記円筒形の形態の前記表面の残部上に配置される。
【0252】
実施形態E47は、態様E1またはE2の方法に関し、前記薬剤が、前記マトリックス中に溶解している。
【0253】
実施形態E48は、実施形態E47の方法に関し、前記薬剤がシクロスポリンを含み、前記マトリックスがポリウレタンを含む。
【0254】
実施形態E49は、態様E1またはE2の方法に関し、前記薬剤が、前記マトリックス内部で複数の固体または液体の内包物として分散し、前記内包物が、前記薬剤が約25℃未満で液体である場合に、約200μm以下の直径の前記薬剤の液滴を、または前記薬剤が約25℃未満で固体である場合に、約200μm以下の直径の前記薬剤の粒子を約25℃未満の温度において含む。
【0255】
実施形態E50は、実施形態E49の方法に関し、前記内包物が、約20μm未満の平均直径を有する。
【0256】
実施形態E51は、実施形態E50の方法に関し、前記内包物の直径の標準偏差が、約8μm未満である。
【0257】
実施形態E52は、実施形態E49の方法に関し、前記内包物が、約15μm未満の平均直径を有する。
【0258】
実施形態E53は、実施形態E52の方法に関し、前記内包物の直径の標準偏差が、約6μm未満である。
【0259】
実施形態E54は、実施形態E49の方法に関し、前記内包物が、約10μm未満の平均直径を有する。
【0260】
実施形態E55は、実施形態E54の方法に関し、前記内包物の直径の標準偏差が、約4μm未満である。
【0261】
実施形態E56は、実施形態E49の方法に関し、前記内包物の直径の分布が、単分散分布である。
【0262】
実施形態E57は、実施形態E49の方法に関し、前記混合物が、超音波処理を含む工程によって調製される。
【0263】
実施形態E58は、実施形態E49の方法に関し、前記内包物が、約0.1μmから約50μmの範囲内の横断面サイズを含む。
【0264】
実施形態E59は、実施形態E49の方法に関し、前記薬剤が、前記マトリックス内部に、約25℃未満で液体の物理的状態である内包物を形成する。
【0265】
実施形態E60は、実施形態E59の方法に関し、前記内包物が実質的にすべて、前記マトリックス内部において、約50μm未満の直径の前記薬剤の液滴である。
【0266】
実施形態E61は、実施形態E59の方法に関し、前記マトリックス内部の平均液滴直径が、約5〜50μmである。
【0267】
実施形態E62は、実施形態E59の方法に関し、前記薬剤がラタノプロストである。
【0268】
実施形態E63は、実施形態E49の方法に関し、前記薬剤の物理的状態が、約25℃未満で固体である。
【0269】
実施形態E64は、実施形態E63の方法に関し、前記薬剤が、前記マトリックス中に内包物を形成し、前記内包物の物理的状態が、約25℃未満で固体である。
【0270】
実施形態E65は、実施形態E63の方法に関し、前記内包物が実質的にすべて、前記マトリックス内部において、約50μm未満の直径の前記薬剤の粒子である。
【0271】
実施形態E66は、実施形態E63の方法に関し、前記マトリックス内部の平均粒子直径が、約5〜50μmである。
【0272】
実施形態E67は、実施形態E63の方法に関し、前記薬剤が、ビマトプロスト、オロパタジンまたはシクロスポリンである。
【0273】
実施形態E68は、態様E1またはE2の方法に関し、各薬物挿入体が、2つ以上の治療薬剤を含む。
【0274】
実施形態E69は、態様E1またはE2の方法に関し、各薬物コアが、第1および第2の薬物コアを含む。
【0275】
実施形態E70は、実施形態E69の方法に関し、前記第1および第2の薬物コアが並んで位置し、一緒になって、前記シース本体内部において前記薬物コアである円柱を形成する。
【0276】
実施形態E71は、実施形態E69の方法に関し、前記薬物コアが、2つの薬物コアを含み、第1の薬物コアが、第1の薬剤および第1のマトリックスを含み、第2の薬物コアが、第2の薬剤および第2のマトリックスを含み、前記第1の薬剤と前記第2の薬剤とが異なり、前記第1のマトリックスと前記第2のマトリックスとが、同一であるまたは相互に異なるのいずれかであり、前記インプラント本体は、前記第1および前記第2の薬物コアを含む前記薬物挿入体を受容するように適合されている開口部を含み、前記薬物コアを前記挿入体内部に配置してから、前記挿入体を前記インプラント本体の前記開口部内部に配置するステップをさらに含む。
【0277】
実施形態E72は、実施形態E71の方法に関し、前記第1のマトリックスと前記第2のマトリックスとが、組成、暴露表面面積、界面活性剤、架橋剤、添加剤、マトリックス材料、処方または安定性のうちの少なくとも1つに関して相互に異なる。
【0278】
実施形態E73は、実施形態E71の方法に関し、前記第1の薬物コアが涙液に直接曝される表面を有し、前記第2の薬物コアが前記第1の薬物コアに曝される表面を有するように、前記第1の薬物コアおよび前記第2の薬物コアが、前記シース内部に配置される。
【0279】
実施形態E74は、実施形態E71の方法に関し、前記第1の薬物コアおよび前記第2の薬物コアが、前記シース内部で並んで配置される。
【0280】
実施形態E75は、実施形態E71の方法に関し、前記第1の薬物コアおよび前記第2の薬物コアがそれぞれ、円筒形の形状であり、前記薬物コアの内部に配置され、前記第1の薬物コアは、前記薬物コアを受容するように適合されている前記インプラント本体中の開口部の近位端部付近に位置し、前記第2の薬物コアは、前記開口部の遠位端部付近に位置する。
【0281】
実施形態E76は、実施形態E71の方法に関し、前記第1の薬物コアおよび前記第2の薬物コアがそれぞれ、円筒形の形状であり、前記薬物コアを受容するように適合されている前記インプラント本体の開口部内部において同心円状に位置し、前記第1の薬物コアは、第1の中心穴を有し、前記第2の薬物コアは、前記第1の薬物コアの前記第1の中心穴内部にはまるように構成されている。
【0282】
実施形態E77は、実施形態E71の方法に関し、前記第1および第2の薬物コアが、前記開口部内部において同心円状に位置し、前記第1の薬物コアは、第1の内部表面を暴露する第1の中心穴を有し、前記第2の薬物コアは、第2の内部表面を暴露する第2の中心穴を有し、前記第2の薬物コアは、前記第1の薬物コアの前記第1の中心穴内部にはまるように構成されており、前記開口部は、涙液または涙膜液が前記開口部を通過し、前記第1および第2の中心穴の前記第1および第2の内部表面に接触し、前記第1および第2の治療薬剤を小管内に放出することが可能となるように適合されている埋込み型本体の近位端部から遠位端部まで伸びている。
【0283】
実施形態E78は、実施形態E71の方法に関し、前記挿入体が、埋め込まれた場合に、前記第1の治療薬剤が第1の期間を通して治療レベルで放出し、前記第2の治療薬剤が第2の期間を通して治療レベルで放出するように適合されている。
【0284】
実施形態E79は、実施形態E71の方法に関し、前記第1の治療薬剤が第1の期間を通して治療レベルで放出し、前記第2の治療薬剤が第2の期間を通して治療レベルで放出する。
【0285】
実施形態E80は、実施形態E79の方法に関し、前記第1の期間および前記第2の期間が、1週から5年の間である。
【0286】
実施形態E81は、実施形態E79の方法に関し、前記第1の期間と前記第2の期間とが実質的に同一である。
【0287】
実施形態E82は、実施形態E79の方法に関し、前記第1の期間と前記第2の期間とが異なる。
【0288】
実施形態E83は、実施形態E71の方法に関し、前記開口部を覆う、前記インプラント本体に連結している頭部を配置するステップをさらに含み、前記頭部は、前記第1および第2の治療薬剤に対して浸透性である。
【0289】
実施形態E84は、実施形態E71の方法に関し、前記治療レベルが、滴下投与分量以下である。
【0290】
実施形態E85は、実施形態E71の方法に関し、前記治療レベルが、滴下投与分量の10%未満である。
【0291】
実施形態E86は、実施形態E71の方法に関し、医薬品含浸多孔性材料を前記第1のマトリックス、前記第2のマトリックスまたは両方の内部に配置するステップをさらに含み、前記医薬品含浸多孔性材料は、薬物コア含有インプラントが涙点内に配置した場合に、涙液がそこから前記第1の薬剤、前記第2の薬剤または両方を治療レベルで持続した期間にわたり放出するように適合されており、第1の直径から第2の直径に膨潤することができるゲル材料である。
【0292】
実施形態E87は、実施形態E86の方法に関し、前記第2の直径が、前記第1の直径より約50%大きい。
【0293】
実施形態E88は、実施形態E86の方法に関し、前記医薬品含浸多孔性材料が、HEMA親水性ポリマーである。
【0294】
実施形態E89は、実施形態E71の方法に関し、涙液が前記インプラント本体を通過し、前記第1および第2の治療薬剤を小管内に放出することが可能となるように適合されている前記インプラント本体の近位端部から遠位端部に伸びる中心孔を、前記インプラント本体が含む。
【0295】
実施形態E90は、実施形態E71の方法に関し、前記第1の薬剤が、第1の効果および副作用を患者にもたらし、前記第2の薬剤が、前記第1の薬剤の前記副作用を和らげるまたは無効にする第2の効果をもたらす。
【0296】
実施形態E91は、態様E1またはE2の方法に関し、前記マトリックスが、ポリウレタンのポリマーまたはコポリマーを含む。
【0297】
実施形態E92は、実施形態E91の方法に関し、前記ポリウレタンのポリマーまたはコポリマーが、脂肪族ポリウレタン、芳香族ポリウレタン、ポリウレタンヒドロゲル形成材料、親水性ポリウレタン、またはそれらの組合せを含む。
【0298】
実施形態E93は、実施形態E91の方法に関し、前記ポリウレタンのポリマーまたはコポリマーが、水性媒体と接触すると膨潤するように適合されているヒドロゲルを含み、前記シースが、それに応答して膨張するために十分な弾性を示すように適合されている。
【0299】
実施形態E94は、実施形態E93の方法に関し、前記膨潤が、前記プラグを涙点の管内部に保持するように適合されている。
【0300】
実施形態E95は、実施形態E91の方法に関し、前記治療薬剤が、シクロスポリンもしくはオロパタジン、シクロスポリンもしくはオロパタジンのプロドラッグもしくは誘導体、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0301】
実施形態E96は、実施形態E95の方法に関し、前記シクロスポリンもしくは前記オロパタジン、または前記シクロスポリンのプロドラッグもしくは誘導体、または前記オロパタジンのプロドラッグもしくは誘導体、あるいは前記それらの組合せの、前記ポリウレタンのポリマーまたはコポリマーに対する重量比が、約1wt%から約70wt%である。
【0302】
実施形態E97は、実施形態E95の方法に関し、前記ポリウレタンのポリマーまたはコポリマー、および前記シクロスポリンもしくはオロパタジンまたはシクロスポリンもしくはオロパタジンの前記プロドラッグもしくは誘導体あるいはそれらの組合せの分量または濃度を選択して、前記薬剤の、前記患者の涙液中への放出プロファイルを得る。
【0303】
実施形態E98は、実施形態E91の方法に関し、前記薬物コアが、第2の治療薬剤をさらに含む。
【0304】
実施形態E99は、実施形態E91の方法に関し、前記ポリウレタンのポリマーまたはコポリマーと前記治療薬剤とを融解および混合することによって前記混合物を形成するステップを含む。
【0305】
実施形態E100は、実施形態E99の方法に関し、前記治療薬剤が、前記混合物中の溶融した形態である。
【0306】
実施形態E101は、実施形態E99の方法に関し、前記治療薬剤が、前記混合物中の固体の形態である。
【0307】
実施形態E102は、態様E1またはE2の方法によって作製される薬物挿入体に関する。
【0308】
実施形態E103は、態様E1またはE2の方法に関し、温度は、約25℃未満の温度を含む。
【0309】
実施形態E104は、態様E1またはE2の方法に関し、温度は、約15℃未満の温度を含む。
【0310】
実施形態E105は、態様E1またはE2の方法に関し、温度は、約10℃未満の温度を含む。
【0311】
実施形態E106は、態様E1またはE2の方法に関し、温度は、約5℃未満の温度を含む。
【0312】
実施形態E107は、態様E1またはE2の方法に関し、a)治療薬剤が、マトリックス全体にわたり一様かつ均一に分散するか;またはb)治療薬剤が、マトリックス内部に少なくとも部分的に固体もしくは液体の内包物を形成する。
【0313】
製造方法の態様、さらに態様E1およびE2の実施形態ならびに実施形態E3〜E107は、組合せに内部的矛盾が生じない限り、任意の様式で組み合わせることができる。例えば、実施形態E6を、実施形態E3〜E5のうちのいずれかと組み合わせることができる。これらの組合せは、複数従属請求項が有するものと同一の概念および意味を、かつまた、他の複数従属請求項に関する複数従属請求項が有する概念および意味も示すことを意図し、したがって、前後の主題のあらゆる組合せが、この態様と実施形態とのセットについて含まれる。
【0314】
態様F1は、治療を必要とする患者の不全状態を治療する方法に関し、この方法は、態様A1および実施形態A2〜A78のうちのいずれか1つの薬物挿入体、または態様B1および実施形態B2〜B28のうちのいずれか1つの薬物コア、または態様C1および実施形態C2〜C32のうちのいずれか1つの充填済み前駆体シースの分割によって得る薬物コア、または態様D1および実施形態D2〜D30のうちのいずれか1つの薬物インプラント、または実施形態E102の薬物挿入体を含むインプラントを、患者内に配置するステップを含み、治療薬剤は、患者の眼内にまたは患者の眼に隣接して不全状態を治療するように適合されており、その結果、薬物が身体組織中または体液中に放出される。
【0315】
実施形態F2は、態様F1の方法に関し、前記不全状態が緑内障を含み、前記薬剤がプロスタグランジン類似体である。
【0316】
実施形態F3は、実施形態F2の方法に関し、前記マトリックスが、非生分解性のシリコーンまたはポリウレタンのポリマーを含む。
【0317】
実施形態F4は、実施形態F2の方法に関し、前記プロスタグランジン類似体がラタノプロストである。
【0318】
実施形態F5は、態様F1の方法に関し、前記不全状態が、乾燥眼または眼の炎症を含み、前記薬剤が、シクロスポリンもしくはオロパタジン、またはシクロスポリンもしくはオロパタジンのプロドラッグもしくは誘導体である。
【0319】
実施形態F6は、実施形態F5の方法に関し、前記マトリックスがポリウレタンを含む。
【0320】
態様G1は、ラタノプロストを緑内障の治療を必要とする患者の眼に持続的に放出させるための涙腺インプラント内部に配置されるように適合されている薬物挿入体に関し、薬物コアと、前記薬物コアを部分的に覆うシース本体とを備え、前記薬物コアは、ラタノプロストおよびマトリックスを含み、前記マトリックスはシリコーンポリマーを含み、前記シース本体は、前記薬物コアの一部を覆って配置されて、その一部からの前記ラタノプロストの放出を阻害し、したがって、前記シース本体によって覆われていない、前記薬物コアの少なくとも1つの暴露表面を画定し、それによって、前記ラタノプロストを前記眼に放出するように適合されており、前記薬物コアの容積部中の前記ラタノプロストの量は、前記薬物コアの任意の他の等しい容積部中の前記ラタノプロストの量に類似する。
【0321】
実施形態G2は、態様G1の薬物挿入体に関し、前記薬物コアの容積部中の前記ラタノプロストの量が、前記薬物コアの任意の他の等しい容積部中の前記ラタノプロストの量と約30%以下だけ異なる。
【0322】
実施形態G3は、態様G1の薬物挿入体に関し、前記薬物コアの容積部中の前記ラタノプロストの量が、前記薬物コアの任意の他の等しい容積部中の前記ラタノプロストの量と約20%以下だけ異なる。
【0323】
実施形態G4は、態様G1の薬物挿入体に関し、前記薬物コアの容積部中の前記ラタノプロストの量が、前記薬物コアの任意の他の等しい容積部中の前記ラタノプロストの量と約10%以下だけ異なる。
【0324】
実施形態G5は、態様G1の薬物挿入体に関し、前記薬物コアの容積部中の前記ラタノプロストの量が、前記薬物コアの任意の他の等しい容積部中の前記ラタノプロストの量と約5%以下だけ異なる。
【0325】
実施形態G6は、態様G1の薬物挿入体に関し、ラタノプロストが、シリコーン内部にその液滴として分散している。
【0326】
薬物挿入体の態様、ならびに態様G1の実施形態および実施形態G2〜G6は、組合せに内部的矛盾が生じない限り、任意の様式で組み合わせることができる。例えば、実施形態G6を、実施形態G2〜G5のうちのいずれかと組み合わせることができる。これらの組合せは、複数従属請求項が有するものと同一の概念および意味を、かつまた、他の複数従属請求項に関する複数従属請求項が有する概念および意味も示すことを意図し、したがって、前後の主題のあらゆる組合せが、この態様と実施形態とのセットについて含まれる。
【0327】
態様H1は、シクロスポリンを乾燥眼または眼の炎症の治療のために眼に持続的に放出させるための涙点プラグ内部に配置されるように適合されている薬物挿入体に関し、薬物コアと、前記薬物コアを部分的に覆うシース本体とを備え、前記薬物コアは、シクロスポリンおよびマトリックスを含み、前記マトリックスはポリウレタンポリマーを含み、前記シース本体は、前記薬物コアの一部を覆って配置されて、前記一部からの前記シクロスポリンの放出を阻害し、したがって、前記シース本体によって覆われていない、前記薬物コアの少なくとも1つの暴露表面を画定し、前記シクロスポリンを前記眼に放出するように適合されており、前記薬物コアの容積部中の前記シクロスポリンの量は、前記薬物コアの任意の他の等しい容積部中の前記シクロスポリンの量に類似する。
【0328】
実施形態H2は、態様H1の薬物挿入体に関し、前記薬物コアの容積部中の前記シクロスポリンの量が、前記薬物コアの任意の他の等しい容積部中の前記シクロスポリンの量と約30%以下だけ異なる。
【0329】
実施形態H3は、態様H1の薬物挿入体に関し、前記薬物コアの容積部中の前記シクロスポリンの量が、前記薬物コアの任意の他の等しい容積部中の前記シクロスポリンの量と約20%以下だけ異なる。
【0330】
実施形態H4は、態様H1の薬物挿入体に関し、前記薬物コアの容積部中の前記シクロスポリンの量が、前記薬物コアの任意の他の等しい容積部中の前記シクロスポリンの量と約10%以下だけ異なる。
【0331】
実施形態H5は、態様H1の薬物挿入体に関し、前記薬物コアの容積部中の前記シクロスポリンの量が、前記薬物コアの任意の他の等しい容積部中の前記シクロスポリンの量と約5%以下だけ異なる。
【0332】
実施形態H6は、態様H1の薬物挿入体に関し、シクロスポリンが、ポリウレタン内部に溶解している。
【0333】
薬物挿入体の態様、ならびに態様H1の実施形態および実施形態H2〜H6は、組合せに内部的矛盾が生じない限り、任意の様式で組み合わせることができる。例えば、実施形態H6を、実施形態H2〜H5のうちのいずれかと組み合わせることができる。これらの組合せは、複数従属請求項が有するものと同一の概念および意味を、かつまた、他の複数従属請求項に関する複数従属請求項が有する概念および意味も示すことを意図し、したがって、前後の主題のあらゆる組合せが、この態様と実施形態とのセットについて含まれる。
【0334】
さらなる態様および実施形態として、以下を含む。
【0335】
眼もしくは周囲組織または全身あるいはそれらの任意の組合せに持続的に放出するように適合されている態様A1および実施形態A1〜A78のうちのいずれか1つの薬物挿入体、または態様B1および実施形態B2〜B28のうちのいずれか1つの薬物コア、または態様C1および実施形態C2〜C32のうちのいずれか1つの充填済み前駆体シースの分割によって得る薬物コア、または態様D1および実施形態D2〜D30のうちのいずれか1つの薬物インプラント、または実施形態E102の薬物挿入体。
【0336】
患者の体腔、体組織、体管もしくは体液の中にまたはそれらに隣接して配置されるインプラント本体の形状に形成されている、態様A1および実施形態A2〜A78のいずれか一項に記載の薬物コア。
【0337】
本発明の別の態様は、治療を必要とする患者の不全状態を治療するように適合されているインプラントの製造における、態様A1および実施形態A2〜A78のうちのいずれか1つの薬物挿入体、または態様B1もしくは実施形態B2〜B28のうちのいずれか1つの薬物コア、または態様C1もしくは実施形態C2〜C32のうちのいずれか1つの充填済み前駆体シースの分割によって得る薬物コア、または態様D1もしくは実施形態D2〜D30のうちのいずれか1つの薬物インプラント、または実施形態E102の薬物挿入体の使用に関する。
【0338】
本発明の別の態様は、ポリマーおよびその中に配置されている治療薬剤を含むインプラントに関し、前記インプラントの容積部中の前記治療薬剤の量が、前記インプラントの任意の他の等しい容積部中の前記治療薬剤の量に類似する。
【0339】
本発明のさらなる態様は、ポリマーおよびその中に配置されている治療薬剤を含むインプラントを製造する方法に関し、前記インプラントの容積部中の前記治療薬剤の量が、前記インプラントの任意の他の等しい容積部中の前記治療薬剤の量に類似し、ポリマーおよび治療薬剤を含む混合物を型内に注入するステップを含む方法において、前記方法が、前記混合物を約25℃未満の温度において注入するステップを含む。