特許第5933737号(P5933737)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲーの特許一覧

特許5933737研究室試料配送システムおよび対応する動作方法
<>
  • 特許5933737-研究室試料配送システムおよび対応する動作方法 図000002
  • 特許5933737-研究室試料配送システムおよび対応する動作方法 図000003
  • 特許5933737-研究室試料配送システムおよび対応する動作方法 図000004
  • 特許5933737-研究室試料配送システムおよび対応する動作方法 図000005
  • 特許5933737-研究室試料配送システムおよび対応する動作方法 図000006
  • 特許5933737-研究室試料配送システムおよび対応する動作方法 図000007
  • 特許5933737-研究室試料配送システムおよび対応する動作方法 図000008
  • 特許5933737-研究室試料配送システムおよび対応する動作方法 図000009
  • 特許5933737-研究室試料配送システムおよび対応する動作方法 図000010
  • 特許5933737-研究室試料配送システムおよび対応する動作方法 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5933737
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月15日
(54)【発明の名称】研究室試料配送システムおよび対応する動作方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/04 20060101AFI20160602BHJP
   B65G 54/02 20060101ALI20160602BHJP
   G01N 35/00 20060101ALI20160602BHJP
   G01N 35/02 20060101ALI20160602BHJP
【FI】
   G01N35/04 B
   B65G54/02
   G01N35/00 F
   G01N35/02 G
   G01N35/02 C
【請求項の数】15
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-539349(P2014-539349)
(86)(22)【出願日】2012年11月2日
(65)【公表番号】特表2015-502525(P2015-502525A)
(43)【公表日】2015年1月22日
(86)【国際出願番号】EP2012071751
(87)【国際公開番号】WO2013064656
(87)【国際公開日】20130510
【審査請求日】2014年10月24日
(31)【優先権主張番号】11187972.2
(32)【優先日】2011年11月4日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【弁理士】
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(72)【発明者】
【氏名】ハイゼ,ミハエル
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー,ハンス
(72)【発明者】
【氏名】デニンガー,オリヴァー
【審査官】 長谷 潮
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−264828(JP,A)
【文献】 特開2005−300220(JP,A)
【文献】 特開平06−156730(JP,A)
【文献】 特開平07−228345(JP,A)
【文献】 特開平01−148966(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/138448(WO,A1)
【文献】 特開平03−192013(JP,A)
【文献】 特開平06−026808(JP,A)
【文献】 特表2010−528956(JP,A)
【文献】 特開平03−112393(JP,A)
【文献】 特開昭61−081323(JP,A)
【文献】 特開昭61−094925(JP,A)
【文献】 特開平09−033540(JP,A)
【文献】 特表2005−509172(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00−35/10
B65G 54/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が少なくとも1つの磁気的活性デバイスを備え、試料を含む試料容器(3)を運ぶように適合されたいくつかの容器キャリア(1)と、
搬送デバイスとを備え、前記搬送デバイスが、
前記複数の容器キャリアを運ぶように適合された搬送平面(4)と、
前記搬送平面の下方に行と列の形で静止して配置されたいくつかの電磁アクチュエータ(5、5’)であって、前記容器キャリアに磁力を印加することによって前記搬送平面の上に配設された容器キャリアを移動させるように適合された電磁アクチュエータと、
前記電磁アクチュエータを駆動することによって前記搬送平面の上の前記容器キャリアの前記移動を制御するように適合された制御デバイス(38)であって、2つ以上の容器キャリアが同時にかつ互いから独立して移動可能であるように前記移動を制御するように適合された制御デバイスとを備え、前記制御デバイスはさらに、少なくとも1つの搬送セクション(40)が前記搬送平面上で論理的に定義され、容器キャリアが、前記搬送セクション内で所与の1つの搬送方向(r)に移動されるように前記移動を制御するように適合される、研究室試料配送システム(100)。
【請求項2】
前記制御デバイスが、容器キャリア同士の衝突が回避されるように前記移動を制御するように適合されることを特徴とする、請求項1に記載の研究室試料配送システム。
【請求項3】
前記制御デバイスが、容器キャリアのルート上の次の位置が別の容器キャリアによってブロックされているかどうかチェックし、前記次の位置がブロックされている場合、前記次の位置に容器キャリアがなくなるまで前記容器キャリアを実際の位置に留めることによって、衝突を回避するように適合されることを特徴とする、請求項2に記載の研究室試料配送システム。
【請求項4】
前記制御デバイスが、開始場所および宛先場所によって定義されるルートが所与の基準によって最適化されるように、前記移動を制御するように適合されることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の研究室試料配送システム。
【請求項5】
前記所与の基準が、
前記開始場所と前記宛先場所との間の最短距離、
前記開始場所と前記宛先場所との間の搬送時間、
他のルートとの交差点の数、
容器キャリアに割り当てられた優先順位、および
不良な電磁アクチュエータ
からなるグループのうちの少なくとも1つであることを特徴とする、請求項に記載の研究室試料配送システム。
【請求項6】
前記搬送平面上に位置する容器キャリアの存在および/または位置を検知するように適合され容器キャリア検知デバイス(17)を特徴とし、前記制御デバイスが、前記制御デバイスによってスケジュールされた容器キャリアのスケジュールされた位置と容器キャリアの検知された位置を比較し、前記スケジュールされた位置と前記検知された位置が一致しない場合にエラーメッセージを生成するように適合される、請求項1からのいずれか一項に記載の研究室試料配送システム。
【請求項7】
前記搬送平面が、研究室ステーションおよび/または自動移送デバイスに隣接して位置し、かつ前記研究室ステーションまたは前記自動移送デバイスによって順次処理するために、いくつかの容器キャリアを収容するように適合された少なくとも1つの移送領域(27)を備える
ことを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の研究室試料配送システム。
【請求項8】
前記移送領域が引き渡し位置(41)を備え、容器キャリアが、前記引き渡し位置を通過することによって前記移送領域に排他的に入ることを特徴とする、請求項に記載の研究室試料配送システム。
【請求項9】
前記搬送平面上に位置する容器キャリアの存在および位置、
対応する試料に関する情報を含む、搬送平面上に位置する試料容器の存在および位置、ならびに/または
前記試料配送システムのエラー状態
を視覚化するように適合された視覚化デバイス(39)を特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の研究室試料配送システム。
【請求項10】
前記搬送平面が、前記搬送平面上に容器キャリアを手動でおよび/または自動的に挿入するための少なくとも1つの挿入領域を備える
ことを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の研究室試料配送システム
【請求項11】
前記少なくとも1つの挿入領域が、優先試料を含む試料容器を運ぶ容器キャリアを前記搬送平面上に手動でおよび/または自動的に挿入するための少なくとも1つの優先挿入領域を備える
ことを特徴とする、請求項10に記載の研究室試料配送システム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの挿入領域上に挿入された容器キャリアを検知するように適合されたセンサデバイス
を特徴とする、請求項10または11に記載の研究室試料配送システム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの挿入領域上に挿入された容器キャリア内に備えられた試料容器を識別するバーコード情報および/またはRFIDタグ情報を読み取るように適合されたバーコードリーダおよび/またはRFIDリーダ
を特徴とする、請求項10から12のいずれか一項に記載の研究室試料配送システム。
【請求項14】
前記搬送平面が、前記搬送平面から容器キャリアおよび/または試料容器を手動でおよび/または自動的に除去するための少なくとも1つの除去領域を備える
ことを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の研究室試料配送システム。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の研究室試料配送システム(100)を動作する方法であって、
3つ以上の容器キャリアが同時にかつ互いから独立して移動可能であり、且つ、少なくとも1つの搬送セクション(40)が前記搬送平面上で論理的に定義され、容器キャリアが、前記搬送セクション内で所与の1つの搬送方向(r)に移動されるように前記電磁アクチュエータを駆動することによって、前記搬送平面の上の前記容器キャリアの前記移動を制御するステップ
を特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研究室試料配送システムおよび対応する動作方法を指す。
【背景技術】
【0002】
研究室試料配送システムは、分析前ステーション、分析ステーション、および分析後ステーションなどの種々の異なる研究室ステーションまたは検体処理機器の間で、試料または検体たとえば血液試料または検体を配送するために使用される。
【0003】
US2005/0196320A1は、表面の下方にX/Y可動磁界を生成することによって、その表面上で検体容器のラックを前進させる働きをする駆動機構を開示する。この可動磁界は、X/Y可動磁気トラックアセンブリによって支持された永久磁石によって発生される。各々の磁石によって発生される磁界は、各々の検体−搬送ラックの基部部分内に支持されている磁気吸引部材と磁気的に結合する。磁石と磁気吸引部材との間のこの磁気結合は、X/Y平面内を磁気トラックアセンブリが移動するときに磁気結合ラックが追従するほど、十分に強い。X/Y可動磁気トラックアセンブリによって引き起こされる機械的制約により、複数の検体−搬送ラックが独立して同時に移動することは、実施が困難である。さらに、検体容器は、検体−搬送ラック量内で一緒に移動されることのみが可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、非常に柔軟であり高い搬送性能を与える、研究室試料配送システムおよび対応する動作方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、請求項1の特徴を有する研究室試料配送システムおよび請求項15の特徴を有する方法を提供することによって、この問題を解決する。実施形態は、従属請求項の主題である。
【0006】
研究室試料または検体配送システムは、いくつかの容器キャリア、たとえば50〜500の容器キャリアを備える。容器キャリアは自蔵動力式ではない。容器キャリアは、少なくとも1つの磁気的に活性な、すなわち磁気吸引性の、デバイスを備え、単一の試料容器を運ぶように適合される。
【0007】
さらに、システムは、二次元の搬送平面または支持表面を含む搬送デバイスを備え、この搬送平面または支持表面は、完全に平面であってよく、容器キャリアの少なくとも一部を運ぶように適合される。この搬送デバイスは、搬送平面の下方に静止してまたは固定して配置された、いくつかの電磁アクチュエータ、たとえば50〜5000の電磁アクチュエータをさらに備える。電磁アクチュエータは、容器キャリアに、すなわち容器キャリアの磁気的活性デバイスに、磁力を印加または引き起こすことによって、搬送平面の上で少なくとも2つの異なる方向に容器キャリアを移動させるように適合される。搬送デバイスは、たとえば対応する駆動電流で、前記電磁アクチュエータを駆動することによって前記搬送平面の上での前記容器キャリアの移動を制御するように適合された制御デバイスをさらに含む。この制御デバイスは、3つ以上の容器キャリアが同時にかつ互いから独立して移動可能であるように移動を制御するように適合される。同時に、とは、特定の時間間隔中に少なくとも2つの容器キャリアが移動することを示す。独立して、とは、複数の容器キャリアがたとえば異なる方向に異なる速度で異なる経路に沿って移動され、異なる時点で移動を開始することができることを示す。制御デバイスは、制御ソフトウェアを実行するパーソナルコンピュータとして組み込まれることができる。このパーソナルコンピュータは、電磁アクチュエータを物理的に駆動する専用駆動ハードウェアと相互作用することができる。
【0008】
搬送平面は、磁力によってガイドされる方向に沿った移動を可能にする方法で容器キャリアを支持する。したがって、搬送平面は、容器キャリアのスムーズな運動を可能にするように、少なくともこれらの移動方向で連続的である。多数の横方向に沿ったキャリアの柔軟な移送を可能にするために、平坦な搬送平面が有利である。顕微鏡的レベルでは、搬送平面と容器キャリアの底部表面との間の摩擦を軽減するために、多数の小さな突起を持つ表面を用いることが有利な場合がある。
【0009】
搬送平面はさらに、電磁アクチュエータの磁界を透過する必要がある。したがって、搬送平面は、たとえばガラスまたはプラスチックのような磁気透過性材料から作製される。さらに、搬送平面の厚さは、機械的安定性と磁気遮蔽の最適な折り合いによる。2〜10mmの厚さを有する搬送平面が好適であることが示されている。
【0010】
磁気的活性デバイスは、磁力を対応する磁界と相互作用させるように適合されたデバイスであり、磁気的活性デバイスは、少なくとも1つの永久磁石を備えることができる。複数の電磁アクチュエータが対応する容器キャリアと個々に相互作用することによって、高い搬送柔軟性を提供する搬送平面上で所与の格子に沿って複数の個々の試料容器を独立してかつ同時に移動させることが可能であり、これは、単一の容器が互いから独立して搬送平面上の所望の場所に搬送できることを意味する。
【0011】
移動は、異なる経路に沿って同時にかつ互いから独立して移動する容器キャリア同士の衝突が回避されるように制御されることができる。複数の容器キャリアが同じ位置または場所に移動しようとする場合に、衝突が生じることがある。衝突は、容器キャリアのあるルートまたは経路上の次の位置が、異なるルートに沿って移動する別の容器キャリアによってブロックまたは占有されているかどうか、チェックすることによって回避されることができる。次の位置がブロックされている場合、容器キャリアは実際の位置に留められる。次の位置に容器キャリアがないとき、留められていた容器キャリアは移動を継続する。さらに、衝突は、たとえば衝突を回避するルートを演繹的に最適化することによって、論理的に回避されることができる。
【0012】
移動は、少なくとも1つの搬送セクションが前記搬送平面上で論理的に定義または形成されように制御されることができ、所与の搬送セクション内で移動する容器キャリアは同じ搬送方向を有する。搬送セクションは、論理セクション内で搬送平面を覆う。各々の搬送セクションの中では、容器キャリアは一方向に移動される。したがって、各々の搬送セクションは、1つまたは複数のトラックを有する道を論理的に定義する。容器キャリアは、所与のトラックに沿って移動する。異なる論理セクション内で搬送平面を覆うことによって、異なる容器キャリアルート同士の交差の数が減少するまたはなくなる。したがって、複数の容器キャリアが搬送平面の上で同時に移動されるルートを見つける際の複雑さが軽減される。
【0013】
搬送セクションの外側で、容器キャリアは、技術的に可能なあらゆる方向に移動することができる。搬送セクションは、搬送平面上で目視によりマークされることができる。
移動は、開始場所および宛先場所によって定義されたルートが所与の基準によって最適化されるように制御されることができる。この所与の基準は、開始場所と宛先場所の間の最短距離、開始場所と宛先場所の間の搬送時間、他のルートとの交差点の数、容器キャリアに割り当てられた優先順位、および不良な電磁アクチュエータからなるグループのうちの少なくとも1つである。基準が他のルートとの交差点の数である場合、交差点をできるだけ回避するルートが計画されることができる。これによって、搬送平面にわたる異なるルートに沿って移動する容器キャリア間の依存性が減少する。基準が容器キャリアに割り当てられた優先順位である場合、2つ以上の異なる優先順位が割り当てられることができ、より高い優先順位を有する容器キャリアの搬送を高速化することが可能である。したがって、緊急試料は最も高い優先順位を有する容器キャリアによって移動され、それによって、そのような緊急試料の全体的な処理時間を最小にすることができる。基準が、不良な電磁アクチュエータを反映する場合、電磁アクチュエータのいくつかが不良である場合でも、搬送板を動作させることが可能である。ルートは、それらの不良な電磁アクチュエータが迂回されるように計画されることができる。不良な電磁アクチュエータの位置は、自動的に検出されるおよび/またはオペレータによって入力されることができる。
【0014】
搬送平面は、搬送平面上に容器キャリアおよび/または試料容器を手動および/または自動的に配設する/挿入するための挿入領域を備えることができる。
バーコードリーダおよび/またはRFIDリーダが、挿入領域に隣接してまたはその中に配設されることができ、したがって、挿入領域上に実際に配設された試料/試料容器を識別するバーコード情報および/またはRFIDタグ情報が読み取られ、制御デバイスによってさらに処理されることができる。
【0015】
したがって、搬送平面は、搬送平面から容器キャリアおよび/または試料容器を手動でおよび/または自動的に除去するための除去領域を備えることができる。
搬送平面は、望ましくない操作を防止するために挿入領域および除去領域のみが使用者によってアクセス可能であるように覆われることができる。
【0016】
短時間で分析されることが必要な、試料容器内に含まれる試料(STAT試料または優先試料)のために、専用の優先挿入領域および除去領域が搬送平面上に設けられてよい。
そのような優先試料を運ぶ容器キャリアは、手動で、またはデバイスを用いて、優先挿入領域上に配設される。
【0017】
容器キャリアは、優先挿入領域上に配設された後、制御デバイスの制御下で高優先順位で搬送平面上で移動される。
試料容器への、および対応する容器キャリアへの優先順位の割り当ては、優先挿入領域上に優先試料を運ぶ容器キャリアを配設するだけで実行されることができる。センサデバイス、たとえばバーコードリーダおよび/またはRFIDリーダは、容器キャリアの存在を検出することができ、さらに処理するためのあらゆる必要な情報を決定し、この情報を制御デバイスに伝達することができる。
【0018】
それに加えて、または代替として、優先順位の割り当ては、優先順位を持つ処理/移動されるべき試料容器を知っている制御デバイスによって実行されることができる。優先順位を有する試料容器が容器キャリア内に配設される場合、制御デバイスは、搬送平面上での容器キャリアの優先順位の付けられた移動を制御することができる。
【0019】
システムは、搬送平面上に位置する容器キャリアの存在および/または位置を検知するように適合された容器キャリア検知デバイスをさらに備えることができる。容器キャリアのスケジュール位置、すなわちシステムが制御デバイスによるスケジュールに従って故障なく機能する場合に容器が有するはずの位置と、容器キャリアの検知された位置が比較される。スケジュール位置が検知された位置と一致しない場合、エラーメッセージが生成されることができる。
【0020】
あるいは、搬送デバイスは、すべての容器キャリアが移動を停止するように、停止されることができる。これによって、故障状態が安全に検出および扱われることができるので、システムの安全な動作が可能になる。
【0021】
スケジュール位置と検知された位置を比較することによって、たとえば摩擦の増加をもたらす搬送平面の汚れによって引き起こされる、たとえば搬送速度の緩やかな低下を検出することがさらに可能になる。搬送速度のそのような緩やかな低下が判断される場合、したがって、制御デバイスは、電磁アクチュエータによって生成される磁力を増加させるおよび/または搬送速度が所与の閾値を下回る場合エラーメッセージを表示することができる。
【0022】
電圧低下のとき、たとえば停電の場合、実際に検知された位置/ステータスは、制御デバイスによって記憶されることができる。この記憶された位置/ステータスは、電源再投入時に制御デバイスによって使用されることができる。制御デバイスは、記憶された位置を実際に検知された位置と比較することができる。不一致の場合、制御デバイスは、エラーメッセージを生成するおよび/またはエラー処理手続きを実行することができる。
【0023】
中断のない電力供給は、停電の場合に安全に電圧を降下させるために十分な電力を提供するために使用されることができることは、自明である。
搬送平面は、搬送平面のステータスを示す1つまたは複数の表示部たとえばLEDを備えることができる。LEDは、たとえば、搬送平面の半透明領域の下方に配置されることができ、LEDは、たとえば点滅により対応する電磁アクチュエータのステータス、特定の容器キャリアの位置、清掃されるべき領域、挿入/除去領域、不良領域などを示す。
【0024】
搬送平面は、研究室ステーション(研究室デバイスとも呼ばれる)および/または自動移送デバイスに隣接して位置する少なくとも1つの移送領域を備えることができる。移送領域は、研究室ステーションまたは自動移送デバイスによって順次処理するために、いくつかの容器キャリアを収容するように適合させることができる。移送領域は引き渡し位置を備えることができ、容器キャリアは、前記引き渡し位置を通過することによって前記移送領域に排他的に入る。移送領域は、対応する研究室ステーションのための動的な処理待ち行列を提供し、それによって、柔軟な負荷の平衡を可能にする。この動的な処理待ち行列は、限られた処理能力を有する対応する研究室ステーションによって多数の試料が処理されなければならない場合、より長くなることがある。未処理の試料キャリアまたは試料は、移送領域の中の場所で待ち行列に入れられ、この場所の数は固定であってもよいし、可変であってもよい。数が可変の場合、移送領域の大きさは、処理を待つ容器キャリアの数に応じて、動的に増加されてもよい。固定の引き渡し位置は、あらゆる場合において宛先すなわち引き渡し位置が知られているので、研究室ステーションへのルーティングを簡略化する。
【0025】
システムは、搬送平面上に位置する容器キャリアの存在および位置、ならびに/または好ましくは対応する試料に関する情報を含む、搬送平面上に位置する試料容器の存在および位置、ならびに/または試料配送システムのエラー状態を視覚化するように適合された視覚化デバイスを備えることができる。エラー状態は、たとえば、不良な電磁アクチュエータであってよい。視覚化デバイスは、たとえば、LCDモニタであってよい。視覚化デバイスを使用すると、システムの動作を視覚的に監視すること、および視覚的に誘導される手動の相互作用によって複雑なエラー状態を扱うことが可能である。
【0026】
試料容器の用途の広い(versatile)搬送のための方法は、上記で説明したいくつかの容器キャリアを備える研究室試料配送システムを用いて達成されることができる。このシステムは、容器キャリアを移動させるための搬送デバイスを備える。この搬送デバイスは、前記複数の容器キャリアを運ぶように適合された搬送平面と、この搬送平面の下方に配置されたいくつかの電磁アクチュエータであって、容器キャリアに磁力を印加することによって搬送平面の上に配設された容器キャリアを移動させるように適合された電磁アクチュエータと、前記搬送平面の上の前記容器キャリアの移動を制御するように適合された制御デバイスとを備える。前記搬送平面の上の容器キャリアの移動は、2つ以上の容器キャリアが同時にかつ互いから独立して移動可能であるように前記電磁アクチュエータを駆動することによって制御される。「同時に」という用語は、本明細書において、少なくとも特定の時間間隔で2つの容器キャリアが両方とも動いていることを意味する。
【0027】
少なくとも1つの永久磁石は球形であってよく、球形の永久磁石のN極またはS極は搬送平面に向けられる。言い換えれば、球形の永久磁石の両極を通って延在する軸は、搬送平面に垂直である。球形の永久磁石の直径は、約12mmとすることができる。球形の永久磁石によって、たとえば棒磁石と比較して最適化された磁界が電磁アクチュエータと相互作用し、その結果、側方移動方向における磁気成分がより大きくなる。
【0028】
永久磁石は、現在隣接する起動されていない電磁アクチュエータの強磁性コアと共に、望ましくない磁気保持力を起こす。この保持力によって、現在隣接する起動されていない電磁アクチュエータから起動されている電磁アクチュエータの方へ離れる容器キャリアの所望の移動が妨害される。永久磁石と搬送平面の間の距離を増加させる、すなわち永久磁石と電磁アクチュエータの間の距離も増加させることによって、この磁気保持力が減少する。好ましくないことに、距離を増加させると、側方移動方向への所望の磁気搬送力も低下する。したがって、少なくとも1つの永久磁石の中心と容器キャリアの底部表面の間の距離は、5mm〜50mmの範囲内にあるように選択されることができ、この底部表面は、搬送平面と接触するように適合される。所与の距離範囲は、移動方向における所望の磁気搬送力と望ましくない磁気保持力との間の最適な折り合いを提供する。
【0029】
容器キャリアは、容器キャリアの台(stand)の中央に配置された第1の永久磁石と、この第1の永久磁石を囲む台の中に配置された環状形状を有する第2の永久磁石とを備えることができる。この配置は、特に複数の電磁アクチュエータが所与の時刻に起動される場合に、押す磁力および引っ張る磁力を引き起こす際の高い柔軟性を提供する。第1の永久磁石と第2の永久磁石は逆の極性を有することができ、すなわち第1の永久磁石のS極と第2の永久のN極は搬送平面を指すことができ、または第1の永久磁石のN極と第2の永久のS極は搬送平面を指すことができる。環状形状の第2の永久磁石は、搬送平面の電磁アクチュエータの軸間の距離よりも小さい直径を有する円形領域を配置することができる。
【0030】
容器キャリアは、一意のIDを格納するRFIDタグを備えることができる。これによって、試料容器IDたとえばバーコードと、対応する容器キャリアの間の合致が可能になる。一意のキャリアIDは、任意選択のRFIDリーダによって読み取られることができる、RFIDリーダはシステムの一部であり、システム内の1つまたは複数の特定の場所に配設される。
【0031】
RFIDタグは、容器キャリアの台の中に配置された環状形状のアンテナを備えることができる。このアンテナ配置によって、搬送平面の下方にあるRFIDリーダアンテナによってRFIDタグを読み取ることが可能になる。したがって、邪魔になるRFIDリーダアンテナのない搬送平面そのものおよび/または搬送平面より上方の領域が設計されることができる。
【0032】
容器キャリアの台は、約3.5cm〜4.5cmの直径を有する円形断面を有する。台の断面が円形であることによって、異なる方向に隣接して移動する容器キャリアの台が衝突する可能性が低下する。これによって、たとえば方形の台と比較して、位置に隣接する必要な安全距離および位置決め精度に関する要件が減少する。さらに、円形の台は、容器キャリアの自立性を改善し、たとえば容器キャリアが通常の動作条件下で傾くことを防止する。
【0033】
電磁アクチュエータは、磁界を誘導および増幅する強磁性コアを備えることができる。電磁アクチュエータは、中央の指部と4つの側方指部とを有することができ、指部の各々は、搬送平面に垂直に延在する。中央の指部のみは、動作電流によって駆動されるコイルによって囲まれることができる。この配置は、電磁アクチュエータを起動するために必要なコイルの数を減少させ、中央の指部と側方の指部は、有利には、特に容器キャリアが、台の中央に配置された第1の永久磁石と、第1の永久磁石を囲む台の中に配置された環状形状を有する第2の永久磁石を備える場合、それぞれ押す力および引っ張る力を提供することによって相互作用する。
【0034】
電磁アクチュエータは、アクティブな搬送フィールドの格子またはマトリックスを形成する行と列の形で配置されることができる。この行および列は、第1の格子寸法g1または第2の格子寸法g2のどちらかを有し、g2=2×g1である。隣接する行と隣接する列は、異なる格子寸法を有する。格子寸法は、所与の行または列における隣接するまたは連続的な電磁アクチュエータ距離を指定する。言い換えれば、電磁アクチュエータは、格子またはマトリックスの形で配置され、この格子またはマトリックスは、電磁アクチュエータの省略を表すブランク位置を有する。この配置では、特定の宛先は前記行および列に沿った移動に基づいて到達できるので、搬送平面上の特定の宛先に到達するためには、容器キャリアの対角移動は必要ではないと考える。電磁アクチュエータの前述の配置によって、必要とされる電磁アクチュエータの数が、一定の格子寸法を有する解決策と比較して、著しく(たとえば33%)減少する。それにもかかわらず、対角移動が必要とされる場合、たとえば等しい寸法を持つアクティブな搬送フィールドに分割される搬送平面を形成する一定の格子寸法を有する行および列が設けることができることは自明である。
【0035】
搬送平面は、複数の下位平面(sub plane)に分割されることができ、各々の下位平面は、第1の外面と、第2の外面と、第3の外面と、第4の外面とを有し、搬送平面を形成するように、さらなる平面が敷き詰められた形で配置されることができる。したがって、この手法は、所望の形状の搬送平面を提供する能力を提供する。これは、現在の研究室ステーションにより、または空間的な制約により、個々の研究室が持ちうるニーズに対応する大きな利点である。
【0036】
下位平面から搬送平面を構築する手法は、異なる格子寸法を有する行という概念と組み合わせて、必要な電磁アクチュエータの数を減少させることができる。下位平面は、第1の外面および第2の外面に沿って電磁アクチュエータが第1の格子寸法g1に配置され、第3の外面および第4の外面に沿って電磁アクチュエータが第2の格子寸法g2に配置される場合に、用いられることができ、g2=2×g1である。複数の下位平面は、敷き詰められた形で隣接して配置されることができ、異なる下位平面の隣接する外面は異なる格子寸法を有する。
【0037】
システムは、隣接する電磁アクチュエータ間の磁気結合を提供するように適合された磁化可能な結合要素を備えることができる。この結合要素により、起動された電磁アクチュエータは、逆の極性を有する隣接するアクチュエータ内で磁界を自動的に発生させる。これは、単一の電磁アクチュエータのみがたとえば対応する励磁電流によって起動される場合ですら、それぞれの引っ張る力および押す力を自動的に提供する。
【0038】
容器キャリアの表面および搬送平面の表面は、たとえば容器キャリアおよび/または搬送平面をコーティングすることによって、表面間の摩擦を減少させるように構成することができる。
【0039】
システムは、搬送平面を覆う、特に搬送平面を形成する複数の下位平面を覆うカバープロファイルを備えることができ、このカバー平面は液密である。カバー平面は搬送平面の清掃を簡略化し、複数の隣接する下位平面搬送平面から形成されるとき、隣接する下位平面間の間隙の邪魔となることを回避する。さらに、カバープロファイルは、隣接する下位平面間の高低差を軽減する。カバープロファイルは、搬送平面の上に重なるだけでもよいし、配置を安定させ、磁力を減少させる離間を防止するように、下位平面の上部表面に接着されてもよい。
【0040】
試料容器の用途の広い(versatile)搬送のための方法は、上記で説明したいくつかの容器キャリアを備える研究室試料配送システムを用いて達成することができる。この容器キャリアは、少なくとも1つの磁気的活性デバイスを備え、試料容器を運ぶように適合される。研究室試料配送システムは、前記容器キャリアを運ぶように適合された搬送平面と、前記搬送平面の下方に静止して配置されたいくつかの電磁アクチュエータとをさらに備える。この電磁アクチュエータは、前記容器キャリアに磁力を印加することによって前記搬送平面の上で容器キャリアを移動させるように適合される。この方法は、前記電磁アクチュエータのうち少なくとも1つを起動して、前記少なくとも1つの起動された電磁アクチュエータの動作距離内の容器キャリアに磁力を印加するステップを含む。電磁アクチュエータを起動することは、磁界が電磁アクチュエータによって生成されることを意味する。起動は、強磁性コアを囲むコイルに印加される駆動電流を生成するによって行われることができる。
【0041】
搬送平面上で移動する容器キャリアの速度は、隣接する電磁アクチュエータの連続した起動の間の時間を設定することによって設定されることができる。この持続時間が、より短く設定される場合、速度は増加し、この持続時間が、より長く設定される場合、速度は減少する。持続時間を動的に変更することによって、容器キャリアは加速または減速されることができる。
【0042】
電磁アクチュエータは、前記磁力を用いて印加されるべき前記容器キャリアの検知された位置に応じて起動されることができる。電磁アクチュエータは、生成された磁界の極性が電磁アクチュエータに対する容器キャリアの位置によって決まるように起動されることができる。これによって、位置に依存した引っ張る力と押す力が生じる。第1の位置範囲では、容器キャリアが、起動された電磁アクチュエータの方へ移動しているとき、引っ張る力が、起動された電磁アクチュエータの方へ容器キャリアを引きつけることができる。第2の位置範囲では、容器キャリアが電磁アクチュエータを横断すると、今度は押す力が、反対の極性を有する磁界を生成する起動された電磁アクチュエータから離れるように容器キャリアを押す。さらに、磁界強度は、容器キャリアの安定した移動を提供するように、検知された位置に応じて変更されてよい。電磁アクチュエータは、単一の極性のみを有する磁界を生成してシステムを簡略化するように適合させることができる。この場合、容器キャリアが、起動された電磁アクチュエータの方へ移動しているとき、起動された電磁アクチュエータは、第1の位置範囲で引っ張る力を生成することができる。第2の位置範囲では、容器キャリアが電磁アクチュエータを横断したとき、電磁アクチュエータは停止されることができる。
【0043】
第1の搬送経路に沿って第1の容器キャリアを移動させるため、電磁アクチュエータの第1のグループが、第1の搬送経路に沿って起動されることができる。第2の搬送経路に沿って第2の容器キャリアを独立して、かつ少なくとも部分的に同時に移動させるため、複数の電磁アクチュエータからなる第2のグループが、第2の搬送経路に沿って起動されることができる。「同時に」は、特定の時間間隔中に第1の容器キャリアと第2の容器キャリアの両方が移動することを示す。第1のグループまたは第2のグループの電磁アクチュエータは、それぞれの搬送経路に沿って次々と起動されてよい。あるいは、それぞれの搬送経路に沿った2つ以上の隣接する電磁アクチュエータが、少なくとも部分的に時間的に重複して起動されてもよい。
【0044】
第1の電磁アクチュエータの上のフィールド上に配設された容器キャリアの、第2の電磁アクチュエータの上の隣接するフィールドへの移動は、第1のアクチュエータと、第2の電磁アクチュエータと、ならびに第1の電磁アクチュエータに隣接し、第2の電磁アクチュエータの反対側にあり、第1の電磁アクチュエータおよび第2の電磁アクチュエータと同じ行または列の一部である第3の電磁アクチュエータを所定の順序で起動することを含むことができる。
【0045】
容器キャリアが、容器キャリアの台の中央に配置された第1の永久磁石と、この第1の永久磁石を囲む台内に配置された環状形状を有する第2の永久磁石とを備える場合、方法は、結果として生成される、環状形状を有する前記第2の永久磁石に関する引っ張る力が生成されるように前記第2の電磁アクチュエータを起動し、結果として生成される、前記第2の永久磁石に関する押す力が生成されるように前記第3の電磁アクチュエータを起動するステップと、所定の時間間隔の後で、または容器キャリアの所定の位置で、結果として生成される、前記第2の永久磁石に関する引っ張る力が生成され、結果として生成される、前記第1の永久磁石に関する押す力が生成されるように、前記第1の電磁アクチュエータを起動するステップと、第2の所定の時間間隔の後で、または容器キャリアの第2の所定の位置で、結果として生成される、前記第2の永久磁石に関する引っ張る力が生成されるように前記第2の電磁アクチュエータを起動するステップとをさらに含むことができる。隣接する電磁アクチュエータ間の移動は、3つの隣接する電磁アクチュエータに関する一連の3つの起動パターンで行われる。これにより、高い位置決め精度を持つ連続した一様な移動が行われる。第1の時間間隔および第2の時間間隔または第1の位置および第2の位置は、容器キャリア検知デバイスによって提供される容器キャリアの検知された位置に基づいて決定されることができる。
【0046】
本発明の実施形態は略図に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】複数の下位平面から形成された搬送平面を有する研究室試料配送システムを備える研究室システムを示す図である。
図2図1に示される例示的な下位平面に関する上面図である。
図3図2に示される下位平面のより詳細な側面斜視図である。
図4】第1の実施形態による容器キャリアを示す図である。
図5】第2の実施形態による容器キャリアおよび対応する電磁アクチュエータを示す図である。
図6】起動されていない電磁アクチュエータおよび起動されている隣接する電磁アクチュエータの上に容器キャリアが設置された場合のシミュレートされた磁束密度を示す図である。
図7】隣接する電磁アクチュエータ間の磁気結合を提供する磁化可能な結合要素を備える下位平面の一実施形態の側面図である。
図8】第1の実施形態による、容器キャリアの移動および対応する電磁アクチュエータの起動順序を示す図である。
図9】第2の実施形態による、容器キャリアの移動および対応する電磁アクチュエータの起動順序を示す図である。
図10図1に示されるシステムのハードウェアアーキテクチャのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1は、研究室試料配送システム100を示す。研究室試料配送システム100は、一般的に研究室システムで使用される分析前ステーション、分析ステーション、および分析後ステーションなどの異なる研究室ステーションまたは検体処理機器22の間で、試料容器または試料管3内に含まれる試料または検体たとえば血液試料を配送するために使用される。
【0049】
研究室試料配送システム100は、各々が搬送平面4にわたって対応する試料容器3を支持するように適合されたいくつかの容器キャリアまたは単一管キャリア1を備える。
容器キャリア1を移動させるために、搬送デバイスが設けられる。この搬送デバイスは、搬送平面4と、電磁アクチュエータ5(図2および3を参照されたい)と、前記搬送平面の上の前記容器キャリアの移動を制御するように適合された制御デバイス38とを備える。
【0050】
制御デバイスは、対応する制御ソフトウェアを実行するパーソナルコンピュータとして組み込まれることができる。このパーソナルコンピュータは、電磁アクチュエータを物理的に駆動する専用駆動ハードウェア(図示せず)と相互作用することができる。物理的な駆動は、駆動電流を電磁アクチュエータ5のコイルに印加することによって、行われることができる。
【0051】
搬送平面4の下方には、電磁アクチュエータ5が静止して配置される。電磁アクチュエータ5の各々は、容器キャリア1に磁力を印加することによって、対応する電磁アクチュエータ5の動作距離内で容器キャリア1を移動させるように適合される。
【0052】
図示の搬送平面4は4つの方形の下位平面23に分割され、この下位平面23は互いに隣接して配置される。搬送平面は任意選択のカバープロファイル24によって覆われ、このカバープロファイル24は液密であり、間隙を覆い、隣接する下位平面23間の高低差を軽減する。カバープロファイル24の材料は、低い摩擦係数を提供する。カバープロファイル24は、たとえば、ガラス板であってもよいし、ポリエチレンまたはPTFE(ポリ−テトラ−フルオロ−エチレン)のホイルであってもよい。
【0053】
磁界を同時にかつ互いから独立して生成することができる電磁アクチュエータ5によって、異なる搬送経路またはルートに沿って複数の容器キャリア1を同時にかつ互いから独立して移動させることが可能である。
【0054】
容器キャリア1の同時移動は、衝突が回避されるように制御される。複数の容器キャリア1が同じ位置または場所に移動しようとする場合に、衝突が生じることがある。位置は、対応する電磁アクチュエータ5であるように定義されることができ、容器キャリア1によって覆われる搬送平面上のある区域に相当する大きさを有することができる。
【0055】
衝突は、容器キャリア1のあるルートまたは経路上の次の位置が、異なるルートに沿って移動する別の容器キャリア1によってブロックまたは占有されているかどうか、チェックすることによって回避されることができる。次の位置がブロックされている場合、容器キャリア1は実際の位置に留められる。次の位置に容器キャリアがないとき、留められていた容器キャリアは移動を継続する。
【0056】
移動は、少なくとも1つの搬送セクション40が搬送平面4上で定義されるように制御されることができる。所与の搬送セクションの中で移動している容器キャリア1は、同じ搬送方向rを有する。搬送セクション40は、論理セクション内で搬送平面4を覆う。各々の搬送セクションの中では、容器キャリアは一方向に移動される。したがって、各々の搬送セクションは、1つまたは複数のトラックを有する道を論理的に定義または確保する。容器キャリアは、所与のトラックに沿って移動する。単一の搬送セクション40のみが図示されているが、複数の搬送セクションが設けられることが可能であり、各々の搬送セクションは特定の搬送方向を有することは自明である。方形を形成するように結合された4つの搬送セクションを使用することによって、コンベヤをシミュレートすることが可能であり、このコンベヤは、従来のコンベヤと比較して増加した柔軟性を有する。
【0057】
移動は、開始場所および宛先場所によって定義されたルートが所与の基準によって最適化されるように制御されることができる。一組の分析を実行するために、ある容器キャリアが異なる研究室ステーション22間を移動されなければならない場合、開始場所は、容器キャリア1が搬送平面4上に最初に配設された場所であってよい。宛先場所は、第1の処理ステップを実行する研究室ステーション22に隣接する場所であってよい。第1の処理ステップが終了した後、次のルートが、前のルートの宛先場所に相当する新しい開始場所および次の処理ステップを実行する研究室ステーション22に相当する宛先場所によって定義されることができる。
【0058】
所与の基準は、開始場所と宛先場所の間の最短距離、開始場所と宛先場所の間の搬送時間、他のルートとの交差点の数、容器キャリアに割り当てられた優先順位、および不良な電磁アクチュエータからなるグループのうちの少なくとも1つである。
【0059】
搬送平面4は、研究室ステーション22および/または自動移送デバイス33に隣接して位置する少なくとも1つの論理移送領域27を備えることができる。自動移送デバイス33は、搬送平面4と研究室ステーション22との間で試料品を自動的に移送するように配置され、前記試料品は、容器キャリア、試料容器、試料の一部、および/または前記試料一式である。
【0060】
移送領域27は、研究室ステーション22または自動移送デバイス33によって順次処理するために、いくつかの容器キャリア1を収容するように適合させることができる。移送領域27は引き渡し位置41を備えることができ、容器キャリア1は、前記引き渡し位置41を通過することによって前記移送領域27に排他的に入る。移送領域は、対応する研究室ステーションのための動的な処理待ち行列を提供し、それによって、柔軟な負荷の平衡を可能にする。
【0061】
システムは、搬送平面4上に位置する容器キャリア1の存在および位置、ならびに/または好ましくは対応する試料に関する情報を含む、搬送平面上に位置する試料容器3の存在および位置、ならびに/または試料配送システムのエラー状態を視覚化するように適合された視覚化デバイス39をさらに備えることができる。
【0062】
図3を参照すると、格子の形で上に配置された複数のIRベース反射光バリア17を有するプリント回路基板25を備える容器キャリア検知デバイスが設けられる。容器キャリア検知デバイスは、搬送平面4上に位置する容器キャリア1の存在および/または位置を検知するように適合される。容器キャリア1は、IRベースの反射光バリア17によって放出されたIR放射を反射するように配置されるので、光バリア17は、対応する光バリア17の上に配設された容器キャリア1を検出する。容器キャリアが存在しない場合、反射されたIR光は、対応する光バリア17のIRセンサに入らない。
【0063】
あるいは、またはIRベースの反射光バリア17に加えて、すべての種類の適切なセンサ、たとえば磁石/ホールセンサが、搬送平面4上に位置する容器キャリア1の存在および/または位置を検知するために使用されることができる。
【0064】
システムの適切な機能を監視するために、容器キャリア1のスケジュールされた位置、すなわちシステムが故障なく機能する場合に容器が有するはずの位置と、容器キャリアの検知された位置が比較されることができる。スケジュールされた位置が検知された位置と一致しない場合、エラーメッセージが生成されることができる。
【0065】
図2は、図1の例示的な下位平面23に関する概略上面図である。下位平面は、第1の外面20と、第2の外面21と、第3の外面18と、第4の外面19とを有する。第1の外面20および第2の外面21に沿って、電磁アクチュエータ5が第1の格子寸法g1で配置される。電磁アクチュエータ5は、第3の外面18および第4の外面19に沿って第2の格子寸法g2で配置され、ここでg2=2×g1である。格子寸法g1は、たとえば20mmとすることができる。
【0066】
電磁アクチュエータ5は、行と列、たとえば16行と16列の形で配置され、この行および列は第1の格子寸法g1または第2の格子寸法g2のどちらかを有し、ここでg2=2×g1である。隣接する行は異なる格子寸法を有し、隣接する列は異なる格子寸法を有する。搬送平面上のある位置またはフィールドが、目的の宛先としてアクセス可能でなければならない場合、その目的の宛先の下に、対応する電磁アクチュエータが設けられる。特定のフィールドまたは領域がアクセス可能である必要がない場合、その位置における電磁アクチュエータは省略されてもよい。
【0067】
図3は、図2に示される下位平面23のより詳細な側面斜視図である。
図示のように、各々の電磁アクチュエータ5はキャリア板26上に固定され、搬送平面4に基本的に垂直に延在する強磁性円筒形コア5aを備える。強磁性円筒形コア5aを、コイル5bが囲む。コイル5bは、電気接点5cを介して制御デバイス38によって供給される動作電流により印加されることができる。動作電流によって駆動される場合、各々の電磁アクチュエータ5は磁界を生成する。この磁界が、容器キャリア1内に配置された永久磁石2(図4を参照されたい)と相互作用すると、この磁界は、搬送平面4に沿って容器キャリア1を移動させる駆動力を提供する。強磁性円筒形コア5aは、コイル5bによって生成された磁界を束ね、増幅する。
【0068】
最も単純な形態では、各々の容器キャリア1は、対応する容器キャリア1に近接した単一の起動された電磁アクチュエータ5によって生成される駆動力にさらされ、それによって、起動された電磁アクチュエータ5の方へ容器キャリア1を引っ張ることができる。さらに、対応する容器キャリア1に近接した複数の電磁アクチュエータ5の押す駆動力と引く駆動力を重ね合わせることが可能である。
【0069】
さらに、複数の電磁アクチュエータ5を同時に起動して、搬送平面4にわたって所定の経路に沿って、複数の異なる容器キャリア1を互いとは無関係に移動させることが可能である。
【0070】
図4は、第1の実施形態による容器キャリア1を示す図である。容器キャリア1は、球形の永久磁石2を備える。前記少なくとも1つの永久磁石2の中心と前記容器キャリアの底部表面8aとの間の距離Iは5mm〜50mmの範囲内にあり、約12mmであってよく、前記底部表面8aは、前記搬送平面4と接触するように適合される。容器キャリア1の高さhは、約42mmとすることができる。
【0071】
永久磁石2は、硬い強磁性材料から作製されてよい。これらには、たとえば、鉄鉱石(磁鉄鉱または天然磁石)、コバルトおよびニッケル、ならびに希土類金属がある。永久磁石2のN極Nは、搬送平面に向けられる。
【0072】
図示の容器キャリアの台8は、5つの電磁アクチュエータ5によって形成された十字の中心に設置される場合、5つの電磁アクチュエータ5をほぼ覆う約3.5cm〜4.5cmの直径を有する円形断面を有する。十字の中心にある電磁アクチュエータは完全に覆われ、4つの側方の電磁アクチュエータは半分だけほぼ覆われる。このため、隣接するトラックを進む2つのキャリアは、衝突することなく互いに通過することができる。一方、占有面積は、あまり傾斜しないスムーズな搬送を提供するのに十分な大きさである。
【0073】
容器キャリアは、たとえば可撓性の板ばね28の形態で組み込むことができる試料容器固定手段を備えることができる。可撓性の板ばね28は、容器キャリア3の円筒形開口の側壁に配置される。可撓性の板ばね28は、試料容器3が対応する開口よりも小さな直径を有する場合でも、容器キャリア1の内部で試料容器3を安全に固定する。
【0074】
異なる種類の、たとえば異なるフォームファクタを有する、試料容器が使用される場合、それぞれの種類の試料容器に対応する異なる内径を持つ特定の容器キャリアを提供することすら可能である。
【0075】
図5は、異なる磁石配置を有する、第2の実施形態による容器キャリア1’、および対応する電磁アクチュエータ5’を示す図である。
容器キャリア1’は、前記容器キャリア1’の台8の中央に配置された第1の永久磁石6と、前記第1の永久磁石6を囲む前記台8内に配置された環状形状を有する第2の永久磁石7とを備える。永久磁石6と7は、逆の極性を有する。中央の永久磁石6のN極および環状形状の永久磁石7のS極は、搬送平面4に向けられる。
【0076】
さらに、容器キャリア1’は、特定の容器キャリアに対応する一意のIDを格納するRFIDタグ9を備える。RFIDタグ9は、容器キャリア1’の台8の中で第1の永久磁石6と第2の永久磁石7の間に配置された環状形状のアンテナ10を備える。
【0077】
対応する電磁アクチュエータ5’は、中央の指部11と4つの側方指部12、13、14、および15とを有する強磁性コアを備え、指部の各々は搬送平面4に垂直に延在し、中央の指部11のみが、動作電流Iaによって駆動されるコイル16によって囲まれる。この配置は、図3に示される実施形態と比較して、電磁アクチュエータ5’を起動するために必要なコイルの数を減少させ、特に容器キャリア1’が図示のように配置される場合、中央の指部11と側方の指部12〜15は、有利には、それぞれ押す力および引っ張る力を提供することによって相互作用する。
【0078】
図6は、起動されていない電磁アクチュエータ5_2および起動されている隣接する電磁アクチュエータ5_3の上に、図4に示されている容器キャリアが設置された場合のシミュレートされた磁束密度を示す図である。異なる磁束密度Bは、対応するケバによって表される。
【0079】
図示のように、球形の永久磁石2は、起動されていない電磁アクチュエータ5_2の強磁性コアと共に、起動されていない電磁アクチュエータ5_2の強磁性コアの方へ永久磁石2を引っ張る望ましくない磁気保持力F2を引き起こし、それによって、所望の移動の反対方向の望ましくない力成分を引き起こし、加えて、搬送平面の対応する表面と台との間の摩擦を増加させる。起動された電磁アクチュエータ5_3は、力F1を生成する。
【0080】
これらの望ましくない効果を軽減するために、容器キャリアを押す電磁アクチュエータ5_2を逆に起動することによって対向する磁界を生成し、それによって摩擦を減少させることが可能である。
【0081】
あるいは、またはこれに加えて、永久磁石2と搬送平面の間の最適化された距離を選ぶことが可能であり、図4に関する説明も参照されたい。
それにもかかわらず、永久磁石2の磁気的に活性な球面と活性な電磁アクチュエータ5_3の間の結果として生成される距離が小さくなるので、球形の永久磁石2を使用する所望の移動方向の磁力は、棒磁石に比べて高い。
【0082】
図7は、隣接する電磁アクチュエータ5間の磁気結合を提供する磁化可能な結合要素27を備える下位平面の一実施形態の側面図である。
図示のように、対応するコイルを駆動電流により駆動することによって電磁アクチュエータ5_3のみが起動され、電磁流を引き起こす。この電磁流は、結合要素27によって誘導され、起動されていない電磁アクチュエータ5_2および5_3の強磁性コアの中を延在する。その結果、磁気的な押す力が、永久磁石2と相互作用する電磁アクチュエータ5_2によって生成され、摩擦を減少させ、起動された電磁アクチュエータ5_3によって生成された引っ張る力と所望の方向に重なり合う。
【0083】
図8は、第1の実施形態による、容器キャリア1の移動および対応する電磁アクチュエータ5_1〜5_5の起動順序を示す図である。
図示のように、時刻t=0では、電磁アクチュエータ5_2のみが起動され、したがって、電磁アクチュエータ5_2は、容器キャリア1を図示の方向に移動させる引っ張る力を生成する。
【0084】
時刻t=1では、容器キャリア1は、たとえば容器キャリア検知デバイスによって検知できる電磁アクチュエータ5_2の上に存在するように移動した。移動を継続するために、電磁アクチュエータ5_2が停止され、電磁アクチュエータ5_3が起動され、それによって、容器キャリア1を前方に引っ張る。
【0085】
時刻t=2では、容器キャリア1は、電磁アクチュエータ5_3の上に存在するように移動した。移動を継続するために、電磁アクチュエータ5_3が停止され、電磁アクチュエータ5_4が起動され、それによって、容器キャリア1を前方に引っ張る。
【0086】
上記のステップは、移動が所望される限り、繰り返される。完了すると、搬送経路に沿った複数の電磁アクチュエータ5_1〜5_5からなるグループが順次起動され、前記第1の搬送経路に沿って容器キャリア1を移動させる。
【0087】
電磁アクチュエータ5は独立して起動されることができるので、異なる経路に沿って複数の異なる容器キャリア1を独立してかつ同時に移動させることが可能であり、自明のことながら、衝突は回避されなければならない。
【0088】
図9は、第2の実施形態による、容器キャリア1’の移動および対応する電磁アクチュエータ5_1〜5_3の起動順序を示す図である。図5は、容器キャリア1’をより詳細に示す。
【0089】
図示の実施形態では、第1の電磁アクチュエータ5_2上に配設された容器キャリア1’の、隣接する第2の電磁アクチュエータ5_3への移動は、第1の電磁アクチュエータ5_2および第2の電磁アクチュエータ5_3、ならびに、第1の電磁アクチュエータ5_2に隣接する第3の電磁アクチュエータ5_1を特定の順序および極性で起動することを含む。電磁アクチュエータ5_1〜5_3は同じ行または列の一部であり、容器キャリア1’の方を指すS極(S)またはN極(N)を生成して起動されることができる。
【0090】
t=0における第1のステップでは、第2の電磁アクチュエータ5_3は、結果として生成される、環状形状を有する第2の永久磁石7に関する引っ張る力が生成されるように起動され、第3の電磁アクチュエータ5_1は、結果として生成される、前記第2の永久磁石7に関する押す力が生成されるように起動される。
【0091】
時刻t=1で容器キャリア1’が、たとえば容器キャリア検知デバイスによって検知されることができる、第1の所定の位置に到達した後、結果として生成される、第2の永久磁石7に関する引っ張る力が生成され、結果として生成される、前記第1の永久磁石6に関する押す力が生成されるように、第2の電磁アクチュエータ5_3および第3の電磁アクチュエータ5_1は停止され、第1の電磁アクチュエータ5_2は起動される。
【0092】
容器キャリア1’が時刻t=2において第2の所定の位置に到達した後、結果として生成される、第2の永久磁石7に関する引っ張る力が生成されるように、第1の電磁アクチュエータ5_2および第3の電磁アクチュエータ5_1が停止され、第2の電磁アクチュエータ5_3が起動される。
【0093】
図示の実施形態では、隣接する電磁アクチュエータ5_2と5_3の間の移動は、3つの隣接する電磁アクチュエータ5_1〜5_3に関する一連の3つの起動パターンで実行される。これにより、高い位置決め精度を持つ連続した一様でスムーズな移動が行われる。
【0094】
図10は、図1に示されるシステムのハードウェアアーキテクチャのブロック図である。
図示のように、制御デバイス38は、移動ユニット60と、ルーティングユニット62と、ドライバユニット64とを備える。
【0095】
移動ユニット60は、モジュール50、バーコードスキャナ52、およびRFIDリーダ54と機能的に結合されることができる。移動ユニットは、研究室試料配送システムの機能の最高レベルを制御するように適合される。移動ユニット60は、システムによって処理される試料の必要な分析に関する知識を有する。基本的に、移動ユニット60は、それぞれの容器キャリア1に対する開始場所および宛先場所を生成する。さらに、移動ユニット60は、空の容器キャリアの充填、完全に処理された試料の除去、キャッピング、キャップ除去などを構成する。
【0096】
ルーティングユニット62は、所与の基準に従って、所与の開始点および宛先点に基づいてルートを計算する。さらに、ルーティングユニット62は、ドライバユニット64に対して計算されたルートに基づいて駆動コマンドを生成する。
【0097】
移動ユニット60およびルーティングユニット62は、視覚化デバイス39と機能的に結合されることができる。
ドライバユニット64は、カメラ58、および電磁アクチュエータ5を直接駆動するドライバハードウェア56と機能的に結合されることができる。このドライバユニットは、ルーティングユニット62から受け取ったコマンドに応じて、ドライバハードウェア56を制御する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10