特許第5933745号(P5933745)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ ジレット カンパニーの特許一覧

<>
  • 特許5933745-パーソナルケア器具及び組立方法 図000002
  • 特許5933745-パーソナルケア器具及び組立方法 図000003
  • 特許5933745-パーソナルケア器具及び組立方法 図000004
  • 特許5933745-パーソナルケア器具及び組立方法 図000005
  • 特許5933745-パーソナルケア器具及び組立方法 図000006
  • 特許5933745-パーソナルケア器具及び組立方法 図000007
  • 特許5933745-パーソナルケア器具及び組立方法 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5933745
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月15日
(54)【発明の名称】パーソナルケア器具及び組立方法
(51)【国際特許分類】
   B26B 21/44 20060101AFI20160602BHJP
【FI】
   B26B21/44 A
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-545004(P2014-545004)
(86)(22)【出願日】2012年12月7日
(65)【公表番号】特表2015-500065(P2015-500065A)
(43)【公表日】2015年1月5日
(86)【国際出願番号】US2012068335
(87)【国際公開番号】WO2013086252
(87)【国際公開日】20130613
【審査請求日】2014年6月3日
(31)【優先権主張番号】61/568,895
(32)【優先日】2011年12月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593093249
【氏名又は名称】ザ ジレット カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(72)【発明者】
【氏名】リー、バロウズ
(72)【発明者】
【氏名】ポール、マイケル、ジェシーミー
(72)【発明者】
【氏名】ケビン、ジェームズ、ウェイン
【審査官】 大山 健
(56)【参考文献】
【文献】 特表平11−514562(JP,A)
【文献】 特表2003−502128(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0014909(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 19/00−21/60
A46B 11/00−11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナルケア器具(10)であって、
キャビティ(24)を画定するハンドル(20)と、
前記キャビティ内に位置する流体コネクタ(100)と、
前記キャビティ内に位置し、前記流体コネクタから離間した脆弱なシール(30)を有する流体リザーバ(26)と、
前記ハンドルに装着されて前記キャビティを覆うカバー(22)と、
前記脆弱なシールと前記流体コネクタとの間にある取り外し可能な障壁(200)と、を備え、
前記取り外し可能な障壁(200)の少なくとも一部が前記キャビティの外側に位置している、パーソナルケア器具。
【請求項2】
前記流体リザーバが、開口を画定する内壁(28)を有する、請求項1に記載のパーソナルケア器具。
【請求項3】
前記流体コネクタが、前記流体リザーバの内壁と係合する少なくとも1つの突出部(110)を有する外壁(102)を有する、請求項2に記載のパーソナルケア器具。
【請求項4】
前記流体リザーバの前記内壁が、前記流体コネクタと係合する少なくとも1つの突出部(36)を有する、請求項2に記載のパーソナルケア器具。
【請求項5】
前記流体リザーバに固定されたラベル(220)を更に備え、前記ラベルの少なくとも一部が前記ハンドルの外壁(25)と前記カバーとの間の前記キャビティの外側に位置する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のパーソナルケア器具。
【請求項6】
前記ラベルが熱収縮フィルムを含む、請求項5に記載のパーソナルケア器具。
【請求項7】
前記流体リザーバが、前記流体コネクタが前記脆弱なシールから離間した未実装位置と、前記流体コネクタが前記脆弱なシールを貫通して前記流体コネクタと前記流体リザーバとの間に流体連通を確立する実装位置と、を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のパーソナルケア器具。
【請求項8】
ーソナル器具(10)の製造方法であって、
ハンドル(20)によって画定されるキャビティ(24)内に位置する流体コネクタ(100)を備えるハンドル(20)を提供する工程と、
脆弱なシール(30)を有する流体リザーバ(26)を、少なくとも一部が前記ハンドルの前記キャビティの内側となるように配置する工程であって、前記流体リザーバの前記脆弱なシールが前記流体コネクタから離間している工程と、
前記ハンドルにカバー(22)を装着する工程と、
前記カバーを前記ハンドルに固定して前記キャビティを隠蔽する工程と、
前記脆弱なシールと前記流体コネクタとの間に取り外し可能な障壁を配置する工程と、を含み、
前記取り外し可能な障壁(200)の少なくとも一部が前記キャビティの外側に位置している、方法。
【請求項9】
前記ハンドルに流体分注カートリッジ(50)を装着する工程を更に含み、前記流体分注カートリッジはシェービングかみそりカートリッジ(54)を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記取り外し可能な障壁の少なくとも一部が、前記ハンドルの外壁(25)と、前記カバーが前記ハンドルに固定された後の前記カバーと、の間に配置される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記流体リザーバにラベル(220)を取り外し可能に固定する工程を更に含み、前記ラベルの少なくとも一部が、前記ハンドルの外壁と、前記カバーが前記ハンドルに固定された後の前記カバーと、の間に配置される、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
固定する工程が、前記ラベルの少なくとも一部を前記流体リザーバへ熱収縮させることを含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して液体分注パーソナルケア器具に関し、より具体的には液体分注シェービングかみそりに関する。
【背景技術】
【0002】
男性及び女性の容姿を改善又は高めるにあたり、スキンケアは特に重要となることがある。皮膚のケアのために、様々な製品及び方法を使うことができる。健康的な皮膚を保つために、例えば剥離スクラブ、洗浄剤、及びローションが使用されることがある。剥離スクラブは、皮膚の表面から角質細胞を取り除くために使うことができ、これによって皮膚の色合いを改善できる。石鹸及びその他の洗浄剤は、皮膚から汚れや余分の油分を除去するために使うことができ、これは毛穴の閉塞の防止を助けることができる。したがって、場合によっては、にきびやその他のタイプの吹出物を防ぐことができる。皮膚の見映え及び/又は健康を改善するための試みにおいて、皮膚に栄養物及び/又は保湿剤を送達するために、ローション及び様々なその他の局所軟膏類も使用することができる。皺やその他の老化の兆候を除去するための試みにおいて、その他のタイプの化粧品(例えばクリーム及びローション)又は活性薬剤が使われることがある。
【0003】
シェービングプロセスは一般に、表面へのシェービング助剤(例えばシェービングクリーム)の塗布、及びかみそりアセンブリを用いた別工程でのひげそりを含む。シェービング助剤は多くの場合、シェービングプロセスを改善する少なくとも1つの適切な作用剤(例えば潤滑剤、抵抗減少剤、剃毛剤等)を含む。ほとんどの消費者は、この種の準備を、複数のシェービング製品、例えば、湿式シェービングかみそり及び皮膚前処理製品が必要であり、加えて、湿式シェービングプロセス中に望ましくない複数の塗布工程が必要なので、むしろ不便であると感じている。更に、このプロセスは汚くなり得、消費者はシェービングジェルを塗布した後に手を洗わなければならない。この複数工程のプロセスは更に、典型的な朝の衛生ルーチンとして行われるシェービングの経験を全体的に長時間にし、ほとんどの消費者はこれを好まない。しかしながら、シェービングの前に、最中に、又は後に、皮膚に別種の液体を塗布することが望まれる場合もある。特に、顔ひげを剃る男性の場合は、硬い顔ひげを適切に湿潤させて、より容易かつ緻密にシェービングできるようにするために、シェービング前に何らかのシェービング前処理を供給することが重要であることが分かっている。文献には、流体容器から流体(例えばシェービング助剤)を放出する組込み式分注ユニットを持つシェービングかみそりの提供が提案されている。しかしながら、これらのかみそりでは、消費者による容易で直観的に理解できる流体容器の交換及び/又は実装(例えば作動)が提供されない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの態様では、本発明は概してキャビティを画定するハンドルを有するパーソナルケア器具を特徴とする。流体コネクタは、キャビティ内に位置する。流体リザーバは、キャビティ内に位置する。流体リザーバは、流体コネクタから離間した脆弱なシールを有する。カバーは、ハンドルに装着されてキャビティを覆っている。パーソナルケア器具は、開口部を画定する内壁を有する流体リザーバを任意に含んでよい。パーソナルケア器具はまた、流体リザーバの内壁と係合する少なくとも1つの突出部を有する外壁を有する流体コネクタを任意に含んでよい。パーソナルケア器具は、脆弱なシールと流体コネクタとの間に取り外し可能な障壁を任意に含んでよい。
【0005】
別の態様では、本発明は、ハンドルによって画定されるキャビティ内に位置する流体コネクタを有するハンドルを提供することによる、概して液体分注パーソナルケア器具の製造方法を特徴とする。脆弱なシールを有する流体リザーバは、少なくとも一部がハンドルのキャビティ内に配置される。流体リザーバの脆弱なシールは、流体コネクタから離間されている。カバーはハンドルに装着され、カバーはハンドルに固定されてキャビティを隠している。本方法は、脆弱なシールと流体コネクタとの間への取り外し可能な障壁の配置を任意に含んでもよい。
【0006】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細を、添付図面及び以下の説明に示す。本発明の他の特徴及び利点は、説明及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】未実装位置におけるパーソナルケア器具の1つの可能な実施形態の正面図である。
図1B図1Aのパーソナルケア器具の部分組立図である。
図2図1Bの線2−2に略沿ったパーソナルケア器具の断面図である。
図3図1Aのパーソナルケア器具に組み込むことができる流体リザーバの1つの可能な実施形態の斜視図である。
図4図1Aのパーソナルケア器具に組み込むことができるポンプアセンブリの1つの可能な実施形態の正面図である。
図5図1Aのパーソナルケア器具の実装位置にある部分組立図である。
図6図5の線6−6に略沿ったパーソナルケア器具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は湿式シェービングかみそりに限定されるものではなく、更にはかみそり一般に限定されるものでもない。本開示のある態様は、1つ以上の回転又は往復運動する刃を有する乾式の電動シェービングかみそりにも、あるいはその他のパーソナルケア器具(例えば歯ブラシ、剃毛アプリケータ、脱毛器、又は他の美容アプリケータ)にも使用できることが理解される。更に、本開示のある態様は、独立して液体塗布に使えることが理解される。
【0009】
図1Aを参照すると、本開示の1つの可能な実施形態であるパーソナルケア器具10の正面図が示されている。例えば、パーソナルケア器具は、図示するような液体分注かみそり、歯ブラシ、マスカラブラシ、又は流体を分配するその他のいかなるパーソナルケア器具でもあり得る。以下に詳細を説明するように、パーソナルケア器具10は、ポンプアセンブリ(図示せず)及び流体リザーバ(図示せず)を受容するように構成されたハンドル20を含み得る。ハンドル20は、ポンプ及び/又は流体リザーバをハンドル20内に保護及び/又は隠すカバー22を有してもよい。カバー22は、ハンドル20に装着され、取り外し可能に適所に固定されてもよい(例えばハンドル20へのスナップ嵌め)。以下に詳細を説明するように、取り外し可能な障壁200及び/又はラベル220が、ハンドル20とカバー22との間に配置されてもよい。ある実施形態では、取り外し可能な障壁200及び/又はラベル220は、使用前に取り外されるフィルム(例えば薄いプラスチック片)を含んでもよい。液体分注カートリッジ50を、ハンドル20に取り外し可能に又は固定して装着してもよい。シェービングかみそりカートリッジ54を液体分注カートリッジ50の一端に枢動可能に装着してもよい。シェービングかみそりカートリッジ54は、キャップ56、キャップ56の前のガード58、及びキャップ56とガード58との間の1つ以上の刃60を有してもよい。液体分注カートリッジ50は、処理される表面(例えばひげ剃りされる表面)に1つ以上の流体を送達するための流体アプリケータ62を含んでもよい。例えば、流体アプリケータ62を、皮膚に対するパーソナルケア器具10のストロークの最中に、処理される表面(例えば皮膚又は毛髪)に流体を塗布して広げるために、流体アプリケータ62をシェービングかみそりカートリッジ54に(例えばガード58に)装着してもよい。
【0010】
図1Bを参照すると、ハンドル20からカバー22を取り外した図1Aのパーソナルケア器具の部分組立図が示されている。図1Bのパーソナルケア器具10は、キャビティ24内で未実装位置にある流体リザーバ26とともに示されている。流体(例えばローション又はジェル)を、流体リザーバ26内に保持することができる。流体リザーバが実装された(例えば流体リザーバと流体分注アプリケータ62との間の流体連通が確立された)後に、流体リザーバ26をハンドル20内に永久的に保持してもよい。流体を使い切ったら、消費者は、パーソナルケア器具10を処分してもよい。あるいは、流体を使い切った後に、流体リザーバ26を取り外し交換してもよい。ハンドル20は、流体リザーバ26を受容するように構成されたキャビティ24を画定することができる。ある実施形態では、流体リザーバ26は、積層剥離ボトル又は小袋としてもよい。その他の実施形態では、流体リザーバ26は、ブロー成形又は射出成形されたプラスチックボトルであってもよい。流体コネクタ100が流体リザーバ26に取り外し可能に係合して、流体リザーバ26と流体アプリケータ62との間に流体接続を確立させてもよい。流体コネクタ100の外壁102は、流体リザーバ26の内壁28に対して封止して、ハンドル20内への流体の漏出を防ぐことができる。流体コネクタ100は、流体アプリケータ62と流体リザーバ26との間の流体接続を確立するために、流体リザーバ26のシール(図示せず)に穴を開けるように構成された先端104を含んでもよい。ある実施形態では、先端104は、シールの貫通を容易にするために、傾斜している及び/又は角度がついていてもよい(例えばピラミッド形、円錐形)。
【0011】
流体リザーバ26は、未実装位置では流体コネクタ100から離間していてもよい。ある実施形態では、流体コネクタ100と流体リザーバ26との早まった係合を防ぐために、取り外し可能な障壁200の少なくとも一部が流体リザーバ26と流体コネクタ100との間に配置されてもよい。例えば、取り外し可能な障壁200の一端は、流体リザーバ26と流体コネクタ100との間に配置されたキャップ202を含んでもよい。取り外し可能な障壁200(例えばキャップ202)は、流体リザーバ26及び流体コネクタ100の両方又はその一方と直接又は間接に接触してもよい。取り外し可能な障壁200の少なくとも一部は、ハンドル20にカバー22が装着される前に、キャビティ24の外部に位置してよい。例えば、取り外し可能な障壁200は、キャップ204から延びキャビティ24の外部に位置するタブ204を含んでよい。カバー22は、タブ202がカバーとハンドル20の外壁25との間に位置した状態で、ハンドル20に装着及び/又は固定されてもよい。タブ204は、カバー22を取り外し、流体リザーバ26を実装して、流体リザーバ26を作動させるように消費者に指示又は示してもよい。ある実施形態では、ラベル220の少なくとも一部を、流体リザーバ26に取り外し可能に固定してよい。ラベル220も、カバー22を取り外し、流体リザーバ26を実装して、流体リザーバ26を作動させるように消費者に指示又は示してもよい。ラベル220は、カバー22を装着する前に、ハンドル20の外壁25とカバー22との間に位置してもよい。次いで、カバー22は、ラベル220がハンドル20の外壁25とカバー22との間に位置した状態で、ハンドル20に装着及び/又は固定されてもよい。ラベル220によって、流体リザーバ26をキャビティ24内の後部位置に保持することが容易となり、不注意によって流体コネクタ100が流体連通を確立してしまうことを防ぐことができる。
【0012】
図2を参照すると、理解しやすくするために取り外し可能な障壁200及びラベル220をキャビティから取り除いたパーソナルケア器具10の、図1Bにおける線2−2に略沿った断面が示されている。流体(例えばローション又はジェル)を、キャビティ24内に位置する流体リザーバ26に保持することができる。流体リザーバ26は、流体リザーバ26内に保持された流体の汚染(例えば細菌による)及び流体リザーバからの流体の漏出を防ぐために、脆弱なシール30を有してもよい。流体リザーバ26は、キャビティ24の後部に向かって位置してもよい。未実装位置において、流体コネクタ100は、脆弱なシール30から離間していてもよい。例えば、ある実施形態では、流体コネクタ100は、流体リザーバ26の開口部32内に位置してもよいが、脆弱なシール30には接触していない。流体コネクタ100及び/又は流体リザーバ26は、流体コネクタ100の先端104が不注意にも脆弱なシール30に接触すること及び/又は脆弱なシール30を貫通することを防ぐために、1つ以上の突出部を有してもよい。消費者は、カバー22(図示せず)を取り外し流体リザーバを前方位置に滑らせて、流体コネクタ100の先端104で脆弱なシール30を貫通させ得る。流体コネクタ100の外壁102と流体リザーバ26の内壁28との間の干渉に打ち勝つのに必要とされる力は、通常の輸送及び取扱い条件下で加わる力よりも大きくすることができる。
【0013】
図3を参照すると、流体リザーバ26の斜視図が示されている。流体リザーバの内壁28は、流体連接コネクタ100に係合する1つ以上の突出部36(例えば環状リブ)を有してもよい。突出部36は、流体リザーバ26の不注意による実装を防ぐことができる。突出部36は、いったん流体リザーバが実装されると(例えば脆弱なシール30が破られると)、流体コネクタ100をリザーバ26内で保持するのを助けることもできる。ラベル220は、流体リザーバ26に取り外し可能に固定されて示されている。ラベル220は、フィルム(例えば熱収縮フィルム)であり得る。例えば、ラベル220は、流体リザーバ26の周囲に位置及び/又は固定されてよい。ラベル220は、接着剤によって又は熱収縮によって流体リザーバに固定されてよい。ある実施形態では、流体リザーバは、ラベル220を所定に保持するための溝38を有してよい。その場合、熱を加えて、ラベル220を収縮させて流体リザーバ26に固定することができる。加熱中に、ラベル220の一部を一対のプレート300と310との間でクランプしてもよい。プレート300及び310はヒートシンクとして作用して、ラベル220の少なくとも一部(例えばラベル220のハンドル20の外に延在する部分)の収縮を防ぐことができる。
【0014】
図4を参照すると、パーソナルケア器具10に組み込まれ得るポンプアセンブリ70の斜視図が示されている。流体コネクタ100(例えば先端104)は、流体リザーバ26(図示せず)の脆弱なシール30に穴を開けて、流体アプリケータ62(図示せず)と流体リザーバ26との間の流体接続を確立することができる。したがって、流体は流体コネクタ100の開口部106内に向けられ、これはポンプアセンブリ70と流体連通している。ポンプアセンブリ70は、流体をリザーバ26から一対のバルブ(図示せず)を通して流体アプリケータ62(図示せず)に送液する細長い弾性チューブ72を含んでもよい。連接コネクタ部材100の外壁102は、1つ以上の突出部110(例えば環状リブ)を有するバレル108を含んでもよい。突出部110は、流体リザーバ26の不注意による実装(即ち、脆弱なシール30に穴を開けてしまうこと)を防ぐことができる。突出部110は、いったん流体リザーバが実装されると、流体リザーバ26内に流体コネクタ100を保持するのを助けることもできる。ある実施形態では、連接コネクタ部材の突出部110及び流体リザーバ26の突出部36は、消費者に対して流体リザーバ26が適切に実装されたことを知らせるフィードバックを提供することができる(例えば、連接コネクタ部材の突出部110及び流体リザーバ26の突出部36がスライドして互いを乗り越えるときに聞こえるクリック音によって)。
【0015】
図5及び6を参照すると、流体リザーバ26が実装位置にあるパーソナルケア器具10が示されている。図5はパーソナルケア器具10の部分組立正面図であり、流体リザーバ26を示すためにカバー22はハンドル20から取り外されている。図6は、図5の線6−6に概沿ったハンドル20の断面図である(カバー22はハンドル20に装着されている)。消費者は、取り外し可能な障壁200及び/又はラベル220(図1A及び1B参照)を取り除き、流体リザーバ26を実装位置にスライドさせて前進させることができる。流体コネクタ100は、流体リザーバ26と係合して流体接続を確立することができる(例えば、流体コネクタ100は、脆弱なシール30を破ることができる)。したがって、流体は流体コネクタ100の開口部106内に向かい、これはポンプアッセブリ70及び流体アプリケータ62と流体連通している。ポンプアセンブリ70は、流体を、流体リザーバ26から一対のバルブ74及び76を通して流体アプリケータ62に送液する細長い弾性チューブ72を含むことができる。流体コネクタ100の外壁102は、流体リザーバ26の内壁28に対して封止して、ハンドル20内への流体の漏出を防ぐことができる。
【0016】
アクチュエータ12(例えばボタン)によって、流体リザーバ26から流体アプリケータ62への流体の送液を容易にすることができる。例えば、アクチュエータ12が弾性エラストマーチューブ72を圧縮すると、バルブ74が開き、あらかじめ定められた量の流体をアプリケータ62に放出することができる。アクチュエータ12を解放することで、弾性エラストマーチューブ72をその非圧縮状態に戻すことができる。第1のバルブ74が閉じて汚染を防ぎ、第2のバルブ76が開いて弾性エラストマーチューブ72をアクチュエータ12による次の放出のための流体で満たすことができる。アクチュエータ12は、流体コネクタ100の枢動も容易にして、流体リザーバ26の実装及び取り外しを改善することができる。
【0017】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らないかぎり、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば「40mm」と開示された寸法は「約40mm」を意味することを意図している。更に、寸法は、典型的な製造の許容誤差による食い違いを考慮しない形而上の同一性の不可能に高い水準に固執されるべきではない。したがって、用語「約」は、典型的な製造の許容誤差の範囲内であることと解釈されるべきである。
【0018】
任意の相互参照又は関連特許若しくは関連出願を含む本明細書に引用されるいかなる文献も、明確に除外ないしは別の方法で限定されない限り、その全てが本明細書中に参照により組み込まれる。いずれの文献の引用も、こうした文献が本願で開示又は特許請求される全ての発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、あるいは、こうした文献が、単独で、又は他の任意の参照文献との組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更に、本文書において、用語の任意の意味又は定義の範囲が、参照により組み込まれた文書中の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中でその用語に割り当てられる意味又は定義に準拠するものとする。
【0019】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6