特許第5933795号(P5933795)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ウィルベス株式会社の特許一覧

特許5933795税差額払い戻しシステム及び税差額払い戻し方法
<>
  • 特許5933795-税差額払い戻しシステム及び税差額払い戻し方法 図000002
  • 特許5933795-税差額払い戻しシステム及び税差額払い戻し方法 図000003
  • 特許5933795-税差額払い戻しシステム及び税差額払い戻し方法 図000004
  • 特許5933795-税差額払い戻しシステム及び税差額払い戻し方法 図000005
  • 特許5933795-税差額払い戻しシステム及び税差額払い戻し方法 図000006
  • 特許5933795-税差額払い戻しシステム及び税差額払い戻し方法 図000007
  • 特許5933795-税差額払い戻しシステム及び税差額払い戻し方法 図000008
  • 特許5933795-税差額払い戻しシステム及び税差額払い戻し方法 図000009
  • 特許5933795-税差額払い戻しシステム及び税差額払い戻し方法 図000010
  • 特許5933795-税差額払い戻しシステム及び税差額払い戻し方法 図000011
  • 特許5933795-税差額払い戻しシステム及び税差額払い戻し方法 図000012
  • 特許5933795-税差額払い戻しシステム及び税差額払い戻し方法 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5933795
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月15日
(54)【発明の名称】税差額払い戻しシステム及び税差額払い戻し方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20160602BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20160602BHJP
   G07D 9/00 20060101ALI20160602BHJP
   G06Q 50/26 20120101ALI20160602BHJP
【FI】
   G06Q30/06 210
   G07G1/12 321P
   G07G1/12 361D
   G07D9/00 436Z
   G06Q50/26
【請求項の数】6
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-167655(P2015-167655)
(22)【出願日】2015年8月27日
(62)【分割の表示】特願2014-265293(P2014-265293)の分割
【原出願日】2014年12月26日
【審査請求日】2015年9月25日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】314016960
【氏名又は名称】ウィルベス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】特許業務法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青山 卓也
【審査官】 木方 庸輔
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−522925(JP,A)
【文献】 特表2002−535755(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 50/34 ,
G07G 1/00 − 5/00 ,
G07D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
免税対象者である買い物客が買い物を行う店舗に設置され、当該買い物客による商品の購入代金の決済に用いられるカードから当該決済のため当該カードの識別情報を読み取る決済処理端末とは別体の媒体読み取り機と
ウンター端末
有し、
前記媒体読み取り機は、
買い物客に対して発行され、前記カードと異なる第1記録媒体から、当該買い物客の識別情報を読み取る第1読み取り手段と、
前記買い物客が購入した商品の価格および税額並びに前記識別情報を含む購入情報をサーバに送信する第1送信手段
を有し
記カウンター端末は、
前記第1記録媒体から、前記買い物客の識別情報を読み取る第2読み取り手段と、
前記識別情報を含み、当該識別情報に対応する購入情報の送信を要求する第1送信要求を前記サーバに送信する第2送信手段と、
前記サーバから前記第1送信要求に含まれる識別情報に対応する購入情報を、前記第1送信要求に対する回答として受信する第1受信手段と
を有する税差額払い戻しシステム。
【請求項2】
前記媒体読み取り機は、
前記購入情報の入力を受け付ける入力手段
をさらに有し、
前記第1送信手段は、前記入力手段を介して受け付けられた前記購入情報を前記サーバに送信する
請求項1に記載の税差額払い戻しシステム。
【請求項3】
前記入力手段は、
前記決済処理端末により発行されたレシートを光学的に読み取って画像データ化する第読み取り手段
を有し、
前記第1送信手段は、前記第読み取り手段により生成された画像データを含む前記購入情報を前記サーバに送信する
請求項2に記載の税差額払い戻しシステム。
【請求項4】
前記カウンター端末は、
前記サーバから受信した、前記買い物客の識別情報を前記第1記録媒体と異なる第2記録媒体に電磁的に書き込む書き込み手段をさらに有する
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の税差額払い戻しシステム。
【請求項5】
前記カウンター端末は、
前記サーバから受信した購入情報を用いて、輸出免税物品購入記録票を作成する作成手段
を有する
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の税差額払い戻しシステム。
【請求項6】
免税対象者である買い物客が買い物を行う店舗に設置され、当該買い物客による商品の購入代金の決済に用いられるカードから当該決済のため当該カードの識別情報を読み取る決済処理端末とは別体の媒体読み取り機が、当該買い物客に対して発行され、前記カードと異なる第1記録媒体から、当該買い物客の識別情報を読み取るステップと、
前記買い物客が購入した商品の価格および税額並びに前記識別情報を含む購入情報を、媒体読み取り機がサーバに送信するステップと
カウンター端末が、前記第1記録媒体から、前記買い物客の識別情報を読み取るステップと、
前記識別情報を含み、当該識別情報に対応する購入情報の送信を要求する送信要求を、前記カウンター端末が前記サーバに送信するステップと、
前記サーバから前記送信要求に含まれる識別情報に対応する購入情報を、前記送信要求に対する回答として受信するステップと
を有する税差額払い戻し方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、買い物をした免税対象者に税額に相当する差額を払い戻すシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
外国人旅行者である買い物客に対する免税手続の一部を自動化するためのシステムが知られている。特許文献1は、免税品を購入した際の消費税の差額の払い戻しを確実に行うため、専用カードを発行するシステムを開示している。このシステムにおいて、店舗でクレジットカードとともに専用カードを読み取ると、銀行口座からクレジットカードの利用代金を引き落とす際に、消費税相当分の差額を差し引いた金額を引き落とすことを開示している。特許文献2は、顧客に発行された2次元コードおよび免税品を購入したときに店舗で発行された2次元コードを用いて、空港の免税カウンターで免税手続を行うことを開示している。特許文献3は、2次元コードを用いて輸出免税物品購入記録票を作成するシステムを開示している。特許文献4は、ICタグを使って空港で免税手続を行うシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−62496号公報
【特許文献2】特開2012−234322号公報
【特許文献3】特開2014−32441号公報
【特許文献4】特許第5386654号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、クレジットカード会社に差額返還処理を依頼する必要があった。特許文献2の技術では、商品を購入する毎に添付で2次元コードが発行されるので、複数の店舗で商品を購入した場合に2次元コードが多量になってしまう問題があった。特許文献3の技術では、差額の返還を行うことができなかった。特許文献4では、商品にICタグを貼り付ける必要があり煩雑であった。
【0005】
これに対し本発明は、外国人旅行者等の免税対象者に、消費税等の差額の払い戻しをより簡単に行うことができるシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、媒体読み取り機と、サーバと、カウンター端末と、現金支払機とを有し、前記媒体読み取り機は、買い物客に対して発行された第1記録媒体から、当該第1記録媒体の識別情報を読み取る第1読み取り手段と、前記買い物客が購入した商品の価格および税額並びに前記識別情報を含む購入情報を前記サーバに送信する第1送信手段とを有し、前記サーバは、前記媒体読み取り機から送信された購入情報を前記第1記録媒体の識別情報と対応付けて記録したデータベースを記憶する記憶手段を有し、前記カウンター端末は、前記第1記録媒体から、当該第1記録媒体の識別情報を読み取る第2読み取り手段と、前記識別情報を含み、当該識別情報に対応する購入情報の送信を要求する送信要求を前記サーバに送信する第2送信手段とを有し、前記サーバはさらに、前記カウンター端末から前記送信要求を受信すると、前記記憶手段に記憶されているデータベースに記録されている購入情報の中から、当該送信要求に含まれる識別情報に対応する購入情報を抽出する抽出
手段と、前記抽出手段により抽出された購入情報を、前記カウンター端末に送信する第1送信手段と、前記送信要求に含まれる識別情報に対応する購入情報から得られる、免税対象者に対して払い戻すべき金額を示す差額情報を前記現金支払機に送信する第2送信手段とを有し、前記現金支払機は、現金を収容する収容手段と、前記買い物客に対して発行された第2記録媒体から、前記購入情報を特定する情報を読み取る第3読み取り手段と、前記第3読み取り手段により読み取られた情報により特定される差額情報により示される金額の現金を前記収容手段から取り出し、当該取り出された現金を前記買い物客に供給する供給手段とを有する税差額払い戻しシステムを提供する。
【0007】
前記第2記録媒体は前記第1記録媒体と同一の媒体であってもよい。
【0008】
前記第2記録媒体は前記第1記録媒体と異なる媒体であり、前記カウンター端末は、前記サーバから受信した、前記第1記録媒体に対応する購入情報を特定する情報を前記第2記録媒体に書き込む書き込み手段を有してもよい。
【0009】
前記カウンター端末は、前記サーバから受信した購入情報を用いて、輸出免税物品購入記録票を作成する作成手段を有してもよい。
【0010】
また、本発明は、媒体読み取り機が、買い物客に対して発行された第1記録媒体から、当該第1記録媒体の識別情報を読み取るステップと、前記買い物客が購入した商品の価格および税額並びに前記識別情報を含む購入情報を、媒体読み取り機がサーバに送信するステップと、前記サーバが、データベースに、前記媒体読み取り機から送信された購入情報を前記第1記録媒体の識別情報と対応付けて記録するステップと、カウンター端末が、前記第1記録媒体から、当該第1記録媒体の識別情報を読み取るステップと、前記識別情報を含み、当該識別情報に対応する購入情報の送信を要求する送信要求を、前記カウンター端末が前記サーバに送信するステップと、前記サーバが、前記カウンター端末から前記送信要求を受信すると、前記データベースに記録されている購入情報の中から、当該送信要求に含まれる識別情報に対応する購入情報を抽出するステップと、前記抽出された購入情報を、前記サーバが前記カウンター端末に送信するステップと、前記送信要求に含まれる識別情報に対応する購入情報から得られる、免税対象者に対して払い戻すべき金額を示す差額情報を現金支払機に送信するステップと、前記現金支払機が、前記買い物客に対して発行された第2記録媒体から、前記購入情報を特定する情報を読み取るステップと、前記読み取られた情報により特定される差額情報により示される金額の現金を、現金を収容する収容手段から取り出し、当該取り出された現金を前記買い物客に供給するステップとを有する税差額払い戻し方法を提供する。
【0011】
さらに、本発明は、媒体読み取り機から送信された購入情報を前記第1記録媒体の識別情報と対応付けて記録したデータベースを記憶する記憶手段と、カウンター端末から前記送信要求を受信すると、前記記憶手段に記憶されているデータベースに記録されている購入情報の中から、当該送信要求に含まれる識別情報に対応する購入情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された購入情報を、前記カウンター端末に送信する第1送信手段と、前記送信要求に含まれる識別情報に対応する購入情報から得られる、免税対象者に対して払い戻すべき金額を示す差額情報を現金支払機に送信する第2送信手段とを有するサーバを提供する。
【0012】
さらに、本発明は、現金を収容する収容手段と、買い物客に対して発行された記録媒体から、当該買い物客が購入した商品に係る購入情報を特定する情報を読み取る読み取り手段と、前記読み取り手段により読み取られた情報により特定される、前記買い物客に払い戻されるべき税相当の差額を示す差額情報により示される金額の現金を前記収容手段から取り出し、当該取り出された現金を前記買い物客に供給する供給手段とを有する現金支払
機を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、外国人旅行者等の免税対象者に、消費税等の差額の払い戻しをより簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態に係る税差額払い戻しシステム1の概要を示す図
図2】税差額払い戻しシステム1の機能構成を示す図
図3】店舗端末10のハードウェア構成を示す図
図4】サーバ20のハードウェア構成を示す図
図5】カウンター端末30のハードウェア構成を示す図
図6】ATM40のハードウェア構成を示す図
図7】税差額払い戻しシステム1の第1実施形態に係る動作を示す図
図8】税差額払い戻しシステム1の第1実施形態に係る動作を示す図
図9】データベース211に記録されているデータを例示する図
図10】第2実施形態に係る税差額払い戻しシステム1の機能構成を示す図
図11】税差額払い戻しシステム1の第2実施形態に係る動作を示す図
図12】税差額払い戻しシステム1の第2実施形態に係る動作を示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
1.概要
1−1.構成
図1は、一実施形態に係る税差額払い戻しシステム1の概要を示す図である。税差額払い戻しシステム1は、店舗端末10(媒体読み取り機の一例)、サーバ20、カウンター端末30、ATM(Automated Teller Machine、現金支払機の一例)40、およびカード発行機60を有する。税差額払い戻しシステム1は、外国人旅行者等の免税対象者に対し、消費税相当の差額を払い戻すためのシステムである。
【0016】
ここでは、税差額払い戻しシステム1がショッピングモールにおいて用いられる例を説明する。店舗端末10は、ショッピングモール内の各店舗に設置される。この例では、店舗Aに店舗端末10Aが、店舗Bに店舗端末10Bが、それぞれ設置されている。サーバ20は、ショッピングモール外のデータセンターに設置される。カウンター端末30は、ショッピングモール内の免税カウンターに設置される。ATM40は、ショッピングモール内のATMコーナーに設置される。
【0017】
店舗端末10、カウンター端末30、ATM40、およびカード発行機60は、ネットワークN(例えばインターネットまたは専用回線)を介してサーバ20に接続されている。
【0018】
税差額払い戻しシステム1においては、免税対象者である買い物客に対して発行される第1記録媒体および第2記録媒体が用いられる。第1記録媒体は、店舗で買い物をする際に用いられるものである。第2記録媒体は、買い物が終了した後で、消費税相当額の払い戻しに用いられるものである。単一の記録媒体が第1記録媒体および第2記録媒体を兼用してもよいし、第1記録媒体および第2記録媒体はそれぞれ異なる媒体であってもよい。
【0019】
図1では、第1記録媒体および第2記録媒体としてカード50が用いられる例を示している。カード50は、買い物客に対して発行される磁気ストライプカードである。磁気ストライプには、そのカードを一意に特定する識別情報が記録されている。カード50は、その買い物客が免税対象者であることを示すものであり、買い物客は、店舗での精算時に
カード50を提示する。カード50は、ショッピングモール内の免税カウンターにおいて発行される。
【0020】
図2は、税差額払い戻しシステム1の機能構成を示す図である。店舗端末10は、読み取り手段11および送信手段12を有する。サーバ20は、記憶手段21、抽出手段22、送信手段23、および送信手段24を有する。カウンター端末30は、読み取り手段31、送信手段32、および作成手段33を有する。ATM40は、収容手段41、読み取り手段42、および供給手段43を有する。
【0021】
読み取り手段11は、カード50から、記録されている識別情報を読み取る。送信手段12は、購入情報をサーバ20に送信する。購入情報は、買い物客が店舗で購入した商品の本体価格および税額、カード50の識別情報、並びにその他の情報を含んでいる。
【0022】
記憶手段21は、データベース211を記憶している。データベース211は、ショッピングモール内の各店舗の店舗端末10から送信された購入情報を蓄積すなわち記録したデータベースである。サーバ20は、店舗端末10から新たな購入情報を受信すると、受信した購入情報をデータベース211に追加する。
【0023】
読み取り手段31は、カード50から識別情報を読み取る。送信手段32は、読み取り手段31により読み取られた識別情報に対応する購入情報の送信を要求する送信要求をサーバ20に送信する。
【0024】
カウンター端末30から送信要求を受信すると、抽出手段22は、データベース211に記録されている購入情報の中から、その送信要求に含まれる識別情報に対応する購入情報を抽出する。送信手段23は、抽出手段22により抽出された購入情報を、送信要求の送信元であるカウンター端末30に送信する。送信手段24は、その送信要求に含まれる識別情報に対応する購入情報から得られる、免税対象者に対して払い戻すべき金額を示す差額情報をATM40に送信する。
【0025】
サーバ20から購入情報を受信すると、作成手段33は、その購入情報の少なくとも一部が記載された書類(例えば輸出免税物品購入記録票)を作成する。
【0026】
収容手段41は、現金、例えば硬貨および紙幣を収容する。読み取り手段42は、カード50から識別情報を読み取る。供給手段43は、読み取り手段42により読み取られた識別情報に対応する差額情報(この例ではサーバ20から得られる)により示される金額の現金を収容手段から取り出し、取り出された現金を買い物客に供給する。
【0027】
図3は、店舗端末10のハードウェア構成を示す図である。この例で、店舗端末10は、いわゆるクレジットカード端末(信用照会端末またはCredit Authorization Terminal
という場合もある)の機能を兼ね備えている。別の例で、店舗端末10は、クレジットカード端末とは別の装置であってもよい。
【0028】
店舗端末10は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、記憶部104、カード読み取り
部105、通信部106、入力部107、および表示部108を有する。CPU101は、店舗端末10の各部を制御する制御装置である。ROM102は、店舗端末10の動作に用いられるプログラムやデータを記憶している不揮発性の記憶装置である。RAM103は、CPU101がプログラムを実行する際のワークエリアとして機能する揮発性の記憶装置である。記憶部104は、各種のプログラムやデータを記憶する不揮発性の記憶装置、例えばフラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)である。カード読み取り部1
05は、カード50の磁気ストライプから情報を読み取る装置、すなわち磁気カードリーダーである。通信部106は、ネットワークNを介した通信を行う装置であり、例えばネットワークインターフェースを含む。入力部107は、店舗端末10のユーザ(すなわち店舗の店員)が情報を入力するための装置であり、例えば、タッチスクリーンやキーパッド、ボタンを含む。表示部108は、情報を表示する装置であり、例えばLCD(Liquid
Crystal Display)を含む。
【0029】
カード読み取り部105は、読み取り手段11の一例である。通信部106は、送信手段12の一例である。
【0030】
図4は、サーバ20のハードウェア構成を示す図である。サーバ20は、CPU201、ROM202、RAM203、記憶部204、および通信部205を有するコンピュータ装置である。CPU201は、サーバ20の各部を制御する制御装置である。ROM202は、サーバ20の動作に用いられるプログラムやデータを記憶している不揮発性の記憶装置である。RAM203は、CPU201がプログラムを実行する際のワークエリアとして機能する揮発性の記憶装置である。記憶部204は、各種のプログラムやデータを記憶する不揮発性の記憶装置である。記憶部204は、コンピュータ装置を税差額払い戻しシステム1におけるサーバとして機能させるためのプログラムを記憶している。通信部205は、ネットワークNを介した通信を行う装置である。
【0031】
記憶部204は、記憶手段21の一例である。サーバのプログラムを実行しているCPU201は、抽出手段22の一例である。通信部106は、送信手段23および送信手段24の一例である。
【0032】
図5は、カウンター端末30のハードウェア構成を示す図である。カウンター端末30は、CPU301、ROM302、RAM303、記憶部304、カード読み取り部305、通信部306、入力部307、表示部308、および画像形成部309を有するコンピュータ装置である。CPU301は、カウンター端末30の各部を制御する制御装置である。ROM302は、カウンター端末30の動作に用いられるプログラムやデータを記憶している不揮発性の記憶装置である。RAM303は、CPU301がプログラムを実行する際のワークエリアとして機能する揮発性の記憶装置である。記憶部304は、各種のプログラムやデータを記憶する不揮発性の記憶装置である。記憶部304は、コンピュータ装置を税差額払い戻しシステム1におけるカウンター端末として機能させるためのプログラムを記憶している。カード読み取り部305は、カード50の磁気ストライプから情報を読み取る装置である。通信部306は、ネットワークNを介した通信を行う装置である。入力部307は、カウンター端末30のユーザ(すなわちショッピングモールのスタッフ)が情報を入力するための装置である。表示部308は、情報を表示する装置である。画像形成部309は、記録媒体(例えば紙)の上に画像を形成する装置、すなわちプリンターである。
【0033】
カード読み取り部305は、読み取り手段31の一例である。通信部306は、送信手段32の一例である。CPU301および画像形成部309は、作成手段33の一例である。
【0034】
図6は、ATM40のハードウェア構成を示す図である。ATM40は、CPU401、ROM402、RAM403、記憶部404、読み取り部405、通信部406、入力部407、表示部408、現金収容部409、および現金供給部410を有する。CPU401は、ATM40の各部を制御する制御装置である。ROM402は、ATM40の動作に用いられるプログラムやデータを記憶している不揮発性の記憶装置である。RAM403は、CPU401がプログラムを実行する際のワークエリアとして機能する揮発性
の記憶装置である。記憶部404は、各種のプログラムやデータを記憶する不揮発性の記憶装置である。カード読み取り部405は、カード50の磁気ストライプから情報を読み取る装置である。この例で、カード読み取り部405は、カード挿入口(図示略)を有しており、装置内にカード50を取り込んでから情報を読み取る。現金収容部409は、硬貨および紙幣を種類毎に収容する。現金供給部410は、CPU401の制御下で、現金収容部409から、指定された金額に相当する硬貨および紙幣を取り出し、取り出した硬貨および紙幣をユーザに供給する。現金供給部410は、例えば、現金収容部409から硬貨または紙幣を取り出すモーターおよびローラー、紙幣および硬貨をそれぞれ入金または出金する紙幣入出口および硬貨入出口を有する。
【0035】
現金収容部409は、収容手段41の一例である。読み取り部405は、読み取り手段42の一例である。現金供給部410は、供給手段43の一例である。
【0036】
1−2.第1実施形態
図7および図8は、税差額払い戻しシステム1の第1実施形態に係る動作を示す図である。ショッピングモールへの入館時等、買い物客は免税カウンターに立ち寄る。免税カウンターは、カード50を発行するためのカウンターである。免税カウンターには、カード発行機60が設置されており、カード発行機60を操作するためのスタッフ(ショッピングモールのスタッフ)が駐在している。
【0037】
ステップS100において、免税対象者である買い物客に対してカード50が発行される。詳細には以下のとおりである。買い物客は、スタッフにパスポートを提示し、カード50の発行を依頼する。スタッフはパスポートの記載事項を参照し、その買い物客が免税対象者の要件を満たしているか判断する。その買い物客が免税対象者の要件を満たしていると判断した場合、スタッフは、買い物客の個人情報をカード発行機60に入力する。ここで入力される個人情報は、例えば、旅券番号、氏名、国籍、生年月日、および入国日を含む。カード発行機60は、入力された個人情報をカード50に書き込む。なお、カード50にはカード50自体の識別番号が記録されている。
【0038】
CPU501は、個人情報およびカードの識別番号の組を、サーバ20に送信する。サーバ20は、個人情報およびカードの識別番号の組をデータベース211に記録する。サーバ20が個人情報およびカードの識別番号の組を管理することにより、例えばカード50の紛失時にもカードを再発行することができる。
【0039】
ステップS101において、買い物客は、店舗Aで買い物をする。店舗Aには、店舗端末10Aが設置されている。商品を購入する際、買い物客は、消費税込みの代金を現金またはクレジットカード等で支払う。支払いの際、買い物客は、カード50を店舗Aの店員に提示する。店員は、カード50の提示を受けることにより、この買い物客が免税対象者であると認識することができる。
【0040】
ステップS102において、店舗Aの店員は、現金またはクレジットカード等での決済処理に加え、店舗端末10Aを操作し、カード読み取り部105を介してカード50から識別情報を読み取らせる。具体的には以下のとおりである。店舗端末10の表示部108は、メニュー画面を表示している。メニュー画面には、免税対象者に対する手続を開始するボタンが含まれている。店員がこのボタンを押すと、表示部108は、免税対象者に発行されるカード(カード50)の読み取りを促す画面を表示する。店員はこの画面の指示に従って、カード読み取り部105にカードを通し、識別情報を読み取らせる。カード50から識別情報を読み取ると、表示部108は、商品の購入に係る情報(例えば、商品を購入した店舗の識別情報、購入日時、購入した商品名、数量、単価、販売価格、および税額)の入力を促す画面を表示する。商品の購入に係る情報は、例えばレジのPOS(Poin
t of Sale)端末(図示略)から入力される。この場合、POS端末と店舗端末10Aと
が有線または無線で接続されており、この接続を介して商品の購入に係る情報が店舗端末10に入力される。あるいは、商品の購入に係る情報は、店員が入力部107を操作することにより入力されてもよい。
【0041】
商品の購入に係る情報の入力が完了すると、CPU101は、商品の購入に係る情報に、カード50から読み取った識別情報を加え、購入情報を生成する(ステップS103)。CPU101は、生成した購入情報をサーバ20に送信する(ステップS104)。購入情報の送信先となるサーバ20はあらかじめ決められている。
【0042】
店舗端末10から購入情報を受信すると、サーバ20のCPU201は、受信した購入情報をデータベース211に登録(追加)する(ステップS105)。
【0043】
図9は、データベース211に記録されているデータを例示する図である。この例で、データベース211には、カード50の識別情報、商品を購入した店舗の識別情報、購入日時、購入した商品名、数量、単価、販売価格、および税額が記録されている。これらの情報は、店舗端末10から送信される購入情報に含まれている。このデータはさらに、記録票フラグおよび出金フラグを含んでいる。記録票フラグは、各購入情報について、輸出免税物品購入記録票に記入済み、輸出免税物品購入記録票を作成中、および輸出免税物品購入記録票に未記入のいずれの状態であるかを示すフラグである。記録票フラグの初期値は「未記入」である。出金フラグは、各購入情報について、差額の払い戻しが済んだか否かを示すフラグである。出金フラグの初期値は払い戻しが済んでいないことを示す「未」である。
【0044】
この買い物客が別の店舗、例えば店舗Bで買い物すると、同様に購入情報がデータベース211に登録される。
【0045】
再び図7を参照する。データベース211への購入情報の登録が完了すると、CPU201は、店舗端末10に完了通知を送信する(ステップS106)。購入情報の登録完了の通知を受けると、表示部108は、購入情報の登録が行われたことを示す画像を表示する。この画像を見ると、店員は、カード50を買い物客に返却する。
【0046】
買い物が終了すると、買い物客は、免税カウンターに立ち寄る。免税カウンターは、免税手続をするため、より具体的には、輸出免税物品購入記録票を作成するためのカウンターである。免税カウンターには、カウンター端末30が設置されており、カウンター端末を操作するため、ショッピングモールのスタッフが駐在している。
【0047】
買い物客は、カード50を提示して輸出免税物品購入記録票の作成を依頼する(ステップS107)。免税カウンターのスタッフは、カウンター端末30を操作し、カード読み取り部305を介してカード50から識別情報を読み取らせる(ステップS108)。カード50の識別番号を読み取ると、CPU301は、購入情報の送信要求をサーバ20に送信する(ステップS109)。この送信要求は、ステップS105で読み取ったカード50の識別情報を含んでいる。
【0048】
購入情報の送信要求を受信すると、サーバ20のCPU201は、受信した送信要求から、カード50の識別情報を抽出する。さらに、CPU201は、データベース211に記録されているデータの中から、抽出した識別情報と同じ識別情報を含み、かつ輸出免税物品購入記録票に未記入であることが記録票フラグにより示される購入情報、およびこの識別情報に対応する個人情報を抽出する(ステップS110)。CPU201は、データベース211において、ここで抽出した購入情報の記録票フラグを「作成中」に書き替え
る。CPU201は、抽出した購入情報および個人情報を、送信要求の送信元であるカウンター端末30に送信する(ステップS111)。
【0049】
サーバ20から購入情報および個人情報を受信すると、カウンター端末30は、輸出免税物品購入記録票を作成する(ステップS112)。すなわち、CPU301は、受信した購入情報および個人情報から輸出免税物品購入記録票の作成に用いられる情報を抽出し、書式に従って輸出免税物品購入記録票のデータを作成する。カウンター端末30は、作成したデータに従って、紙に輸出免税物品購入記録票を印刷する。なおカウンター端末30は、輸出免税物品購入記録票と併せて、購入者誓約書(最終的に輸出となる物品の消費税免税購入についての購入者誓約書)を作成してもよい。
【0050】
輸出免税物品購入記録票の作成が完了すると、CPU301は、完了通知をサーバ20に送信する(ステップS113)。完了通知は、この買い物客に発行されたカード50の識別情報を含んでいる。
【0051】
完了通知を受信すると、サーバ20のCPU201は、データベース211において、完了通知に含まれる識別情報に対応する購入情報のうち、記録票フラグが「作成中」である購入情報の記録票フラグを「記入済」に書き替える(ステップS114)。
【0052】
輸出免税物品購入記録票の作成が完了すると、スタッフは、買い物客のパスポートに記録票を貼り付け、割印を押す。スタッフは、輸出免税物品購入記録票を貼り付けたパスポートを返却する(ステップS115)。スタッフはさらに、カード50を買い物客に返却する。
【0053】
輸出免税物品購入記録票を受け取ると、買い物客は、ATMコーナーに向かう。ATM40の表示部408は、税差額の払い戻しを項目として含むメニューを表示している。買い物客が税差額の払い戻し処理の開始を入力部407を介して指示すると、表示部408は、カード50をカード挿入口に挿入するように促す画像を表示する。ユーザは、画像の案内に従ってカード50をカード挿入口に挿入する。
【0054】
読み取り部405は、カード挿入口から挿入されたカード50の識別情報を読み取る(ステップS116)。CPU401は、読み取り部405により読み取られた識別情報を含む、払戻金情報の送信要求を、サーバ20に送信する(ステップS117)。なお、払戻金情報とは、払い戻すべき差額を含む情報をいう。
【0055】
払戻金情報の送信要求を受信すると、サーバ20のCPU201は、払い戻すべき差額を計算する(ステップS118)。具体的には、CPU201は、データベース211に記録されている購入情報のうち、送信要求に含まれる識別情報と同じ識別情報を含み、かつ、出金フラグが「未払い」である購入情報に含まれる税額を合算し、払い戻すべき差額を計算する。CPU201は、送信要求の応答として、計算した払い戻すべき差額をATM40に通知する(ステップS119)。
【0056】
払い戻すべき差額を受信すると、ATM40のCPU401は、払い戻すべき差額に相当する紙幣および硬貨を供給するように、現金供給部410を制御する。現金供給部410は、指定された金額を現金収容部409から取り出し、買い物客に供給すなわち払い戻しする(ステップS120)。また、ATM40は、カード挿入口から挿入されたカード50をカード収容部411に収容、すなわち、カード50を回収する(ステップS121)。
【0057】
払戻金の供給が完了すると、CPU401は、完了通知をサーバ20に送信する(ステ
ップS122)。完了通知は、対応する購入情報を特定するための情報、例えばカード50の識別情報を含んでいる。
【0058】
完了通知を受信すると、サーバ20のCPU201は、完了通知に含まれる識別情報と同じ識別情報を含む購入情報の出金フラグを「払戻済」に書き替える(ステップS123)。
【0059】
以上で説明したように本実施形態によれば、消費税等に相当する差額の払い戻しをより簡単に行うことができる。従来、ショッピングモールや百貨店では、各店舗や集中レジカウンターで発行されたレシートや伝票を見ながら、免税カウンターのスタッフが手作業で輸出免税物品購入記録票を作成していた。この作業は煩雑であり、時間と人手を要していた。しかし、本実施形態によれば、より少ない工数で輸出免税物品購入記録票を作成できる。
【0060】
1−3.第2実施形態
第1実施形態においては、カード50が、購入情報の記録に用いられる記録媒体(第1記録媒体)と差額の払い戻しに用いられる記録媒体(第2記録媒体)とを兼ねている例を説明した。これに対し第2実施形態においては、カード50とは別の記録媒体が、第2記録媒体として用いられる。
【0061】
図10は、第2実施形態に係る税差額払い戻しシステム1の機能構成を示す図である。第2実施形態に係る税差額払い戻しシステム1は、カウンター端末30が書き込み手段34を有する点において図2の構成と相違している。
【0062】
書き込み手段34は、サーバ20から受信した、カード50(第1記録媒体の一例)に対応する購入情報を特定する情報を、カード50とは別の第2記録媒体に書き込む。この例で、第2記録媒体は紙であり、購入情報を特定する情報は、カード50の識別情報である。カード50の識別情報は、2次元バーコードの形態で紙に記録、すなわち印刷される。
【0063】
また、この例で、ATM40の読み取り部405は、2次元バーコードを光学的に読み取るためのスキャナを有する。
【0064】
図11および図12は、税差額払い戻しシステム1の第2実施形態に係る動作を示すシーケンスチャートである。ステップS200〜S207の処理はステップS100〜S107と同様であるので説明を省略する。
【0065】
ステップS208において、免税カウンターのスタッフは、カウンター端末30を操作し、カード読み取り部305を介してカード50から識別情報を読み取らせる。また、免税カウンターのスタッフは、買い物客にカード50を返却せず、カード50を回収する。なお、カード50の回収は、カウンター端末30により行われてもよい。ステップS209〜S214の処理は、ステップS109〜S114の処理と同様である。
【0066】
ステップS215において、カウンター端末30は、出金コードを作成する。出金コードとは、カード50の識別情報が2次元バーコードの形態で印刷された紙をいう。具体的には、カウンター端末30のCPU301は、まず、カード50の識別情報を2次元バーコードに変換する。CPU301は、得られた2次元バーコードの画像を紙に形成するよう、プリンターを制御する。
【0067】
ステップS216において、免税カウンターのスタッフは、出力された輸出免税物品購
入記録票および出金コードを買い物客に渡す。輸出免税物品購入記録票および出金コードを受け取ると、買い物客は、ATMコーナーに向かう。ATM40の表示部408は、税差額の払い戻しを項目として含むメニューを表示している。買い物客が税差額の払い戻し処理の開始を入力部407を介して指示すると、表示部408は、出金コードを読み取り部405に読み取らせるように促す画像を表示する。ユーザは、画像の案内に従って出金コードを読み取り部405に読み取らせる。
【0068】
ステップS217において、読み取り部405は、出金コードから識別情報を読み取る。CPU401は、読み取り部405により読み取られた識別情報を含む、払戻金情報の送信要求を、サーバ20に送信する(ステップS218)。ステップS219〜S223の処理は、ステップS118〜S120およびS122〜S123の処理と同様である(ステップS121のカード回収に相当する処理は、ここでは行われない)。
【0069】
1−4.第3実施形態
本実施形態において、カード50は、カード発行機60により無人で自動的に発行される。すなわち、カード発行機60は免税カード発行コーナーに設置されており、ここにはスタッフが常駐していない。カード発行機60は、パスポートの記載を光学的に読み取る読み取り部を有するコンピュータ装置である。カード発行機60のCPUは、読み取り部が読み取ったパスポートの画像から、文字認識等の技術を用いて個人情報を抽出する。カード発行機60は、抽出した個人情報およびカード50の識別情報を、サーバ20に送信する。以下の動作は、第1実施形態または第2実施形態と同様である。
【0070】
1−4.第4実施形態
本実施形態において、カウンター端末30は、輸出免税物品購入記録票をパスポートに貼り付ける機能、パスポートおよび輸出免税物品購入記録票に割印を押す機能を有する。すなわち、カウンター端末30は、輸出免税物品購入記録票を無人で自動的に発行し、パスポートに貼り付ける機能を有する。
【0071】
2.変形例
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下の変形例のうち、2つ以上のものが組み合わせて用いられてもよい。また、上述の第1〜第4実施形態が互いに、または以下の変形例と組み合わせて用いられてもよい。
【0072】
2−1.変形例1
購入情報の記録に用いられる記録媒体(第1記録媒体)および消費税相当の差額の払い戻しに用いられる記録媒体(第2記録媒体)は、実施形態で説明したものに限定されない。第1記録媒体および第2記録媒体としては、磁気記録媒体(磁気ストライプカード等)、無線ICカード(カード形状のものに限定されず、携帯電話またはスマートフォンに搭載されたものや、コイン形状等カード以外の形状を有するものであってもよい)、コード画像(いわゆる1次元バーコードまたは2次元バーコード)が形成されたシート状の記録媒体(紙やプラスチック)、またはパスポートが用いられてもよい。あるいは、買い物客を特定する情報として、買い物客の生体情報(指紋や虹彩等)が用いられてもよい。第1記録媒体と第2記録媒体の組み合わせも自由である。
【0073】
2−2.変形例2
購入情報に含まれる情報は、実施形態で説明したものに限定されない。購入情報は、少なくとも買い物客が店舗で購入した商品の税額、および買い物客に割り当てられた識別情報を含んでいればよい。これら以外の他の情報はどのようなものが用いられてもよく、あるいは他の情報は用いられなくてもよい。また、買い物客に割り当てられる識別情報とし
ては、パスポートに記載された旅券番号等、税差額払い戻しシステム1以外のシステムによって割り当てられた情報が用いられてもよいし、カード50の識別情報のように、税差額払い戻しシステム1によって割り当てられた情報が用いられてもよい。また、カード50には、買い物客の個人情報が記録されていなくてもよい。
【0074】
2−3.変形例3
輸出免税物品購入記録票には、「品名」、「数量」、「単価」といった項目(以下「商品明細」という)があるが、商品明細を店舗端末10からサーバ20に提供する方法は、実施形態で説明したものに限定されない。商品明細の提供には、例えば、以下の方法が用いられてもよい。
【0075】
(1)レシートの画像データ化
この例で、店舗端末10はスキャナ(画像読み取り手段)を有する。店舗端末10は、商品明細が記載されたレシートをスキャナで光学的に読み取って、画像データ化する。店舗端末10は、この画像データを購入情報に含め、サーバ20に送信する。サーバ20は、カウンター端末30に、レシートの画像データを含む購入情報を送信する。カウンター端末は、レシートの画像を輸出免税物品購入記録票に印刷する。
【0076】
(2)レシートを画像データ化しOCR処理
この例で、店舗端末10は、商品明細が記載されたレシートをスキャナで光学的に読み取って、画像データ化する。さらに、店舗端末10は、この画像データをOCR(Optical Character Recognition)処理し、商品明細を文字情報として抽出する。店舗端末10
は、抽出された文字情報を含む購入情報をサーバ20に送信する。
【0077】
(3)商品明細を大分類で集計
この例で、店舗端末10は、商品明細の大分類(例えば、紳士服、婦人服、電気製品といった大まかな分類項目)の項目が記録されたデータベースを記憶している。店舗の店員は、店舗端末10に記憶されているデータベースの中から、購入された商品に該当する項目を選択する。また、店員は、選択された項目毎に、合計金額および消費税額を入力する。店舗端末10は、選択された項目を示す情報および入力された情報を含む購入情報をサーバ20に送信する。
【0078】
(4)商品明細を端末に記憶
この例で、店舗端末10は、商品明細(品名および単価)が記録されたデータベースを記憶している。このデータベースは、例えばPOSを介して定期的に更新される。店舗の店員は、店舗端末10に記憶されているデータベースの中から、購入された商品に該当する明細を選択する。また、店員は、選択された明細毎に、数量を入力する。店舗端末10は、選択された明細を示す情報および入力された情報を含む購入情報をサーバ20に送信する。
【0079】
(5)商品明細をサーバ20に提供しない
この例で、店舗端末10は、商品明細をサーバ20には提供しない。その代わり、レシートを2枚印刷し、1枚を輸出免税物品購入記録票への貼り付け用として買い物客に渡す。店舗端末10は、合計金額および消費税額をサーバ20に送信する。買い物客は、免税カウンターで貼り付け用のレシートをスタッフに渡す。スタッフは、輸出免税物品購入記録票にレシートを貼り付け、割印をする。
【0080】
2−4.変形例4
購入情報を店舗からサーバ20に送信する方法は実施形態で説明したものに限定されない。例えば、店舗で発行したレシートをスキャナで読み取ってデータ化し、レシートの画
像データをサーバ20に送信してもよい。サーバ20は、レシートの画像データをOCR(Optical Character Recognition)処理し、レシートの記載事項を文字情報として抽出
する。
【0081】
2−5.変形例5
サーバ20が払い戻すべき差額を計算するタイミングは、実施形態で説明したものに限定されない。サーバ20は、例えば、カウンター端末30から購入情報の送信要求を受信したことを契機として払い戻すべき差額を計算し、これを記憶しておいてもよい。
【0082】
2−6.変形例6
第2記録媒体に記録される情報は、実施形態で説明した例(カード50すなわち第1記録媒体の識別情報)に限定されない。買い物客または払い戻し処理を特定できるものであれば、どのような情報が用いられてもよい。
【0083】
2−7.他の変形例
税差額払い戻しシステム1の装置構成は、図1で例示したものに限定されない。図1に示した装置の一部が省略されてもよいし、物理的に単一の装置が、図1の複数の装置の機能を兼ね備えていてもよい。例えば、カード発行機60が省略されてもよい。別の例で、単一の装置が、カウンター端末30およびATM40の機能を兼ね備えていてもよい。また、カード発行機60、カウンター端末30、およびATM40等の複数の装置が、共通の場所(免税カウンター等)に設置されていてもよい。さらに、税差額払い戻しシステム1が用いられる場所はショッピングモールに限定されない。百貨店や電気店などで税差額払い戻しシステム1が用いられてもよい。
【0084】
税差額払い戻しシステム1を構成する個々の装置のハードウェア構成は、図3〜6で例示したものに限定されない。これらの図で例示した構成要素に加えて、または代えて、他の構成要素(例えば、スキャナ、プリンター、生体認証装置等)を有していてもよい。
【0085】
3.具体的適用例
以下、税差額払い戻しシステム1の具体的適用例をいくつか説明する。
【0086】
3−1.例1
この例では、第1記録媒体として買い物客のパスポートが、第2記録媒体として磁気ストライプカードが、それぞれ用いられる。この例では、カード発行機60は免税カウンターに設置されており、第2記録媒体となるカードの発行に用いられる。
【0087】
店舗で買い物をする際、買い物客は店員にパスポートを提示する。店員はパスポートを目視し、免税対象者の要件を満たしているか確認する。店員は、税込金額で清算をする。店員は、商品を梱包し、包装の上からレシートを貼り付け割印を押す。店員は、店舗端末10にパスポートをスキャンさせ、さらに、商品明細を入力する。店舗端末10は、パスポートの画像データから、旅券番号を抽出する。店舗端末10は、抽出した旅券番号をこの買い物客の識別情報として含み、かつ商品明細を含む購入情報を、サーバ20に送信する。店員は、免税カウンターで消費税相当額が払い戻されることを説明する書面および商品を買い物客に渡す。
【0088】
買い物が終わると、買い物客は免税カウンターに立ち寄る。買い物客は、購入した商品およびパスポートをスタッフに提示する。スタッフは、カウンター端末30にパスポートをスキャンさせる。カウンター端末30は、パスポートから旅券番号を読み取る。カウンター端末30は、この旅券番号を買い物客の識別情報として含む、購入情報の送信要求をサーバ20に送信する。カウンター端末30は、この送信要求の応答として送信された購
入情報を用いて、輸出免税物品購入記録票を作成する。スタッフは、購入者誓約書へのサインを買い物客に求める。サインは、サインパッドを用いて電子的に行われる。カウンター端末30は、サインを含む購入者誓約書を印刷する。スタッフは、輸出免税物品購入記録票(誓約書)をパスポートに貼り付け、割印を押す。スタッフは、カード発行機60を操作し、カードを発行する。スタッフは、発行されたカードを買い物客に渡し、ATMで払い戻しされることを説明する。
【0089】
買い物客は、ATMコーナーに行き、ATM40にカードを挿入する。ATM40は、カードに記録されている識別情報をサーバ20に送信し、計算された消費税相当の差額を取得する。このとき、ATM40は、手続に漏れがないか(輸出免税物品購入記録票への記載が済んでいない購入情報がないか)、サーバ20に確認する。輸出免税物品購入記録票への記載が済んでいない購入情報があった場合、ATM40は、その旨を買い物客に通知する。輸出免税物品購入記録票への記載が済んでいない購入情報がない場合、ATM40は、差額を払い戻す。カードは回収される。
【0090】
3−2.例2
この例では、単一の磁気ストライプカード(第1実施形態で例示したカード50に相当)が第1記録媒体および第2記録媒体として用いられる。このカードは、カード発行機60により発行される。
【0091】
買い物に先立ち、買い物客はカード発行コーナーに立ち寄る。カード発行コーナーにはカード発行機60が設置されている。この例で、カード発行機60はタッチスクリーンを有している。買い物客がカード発行機60にカード発行の指示を入力すると、カード発行機60は、買い物客が免税対象者の要件を見たしているか否かの判断に用いられる情報の入力(例えば、入国日等)を求める。カード発行機60は、入力された情報に基づいて、カードを発行する。
【0092】
店舗で買い物をする際、買い物客は店員にパスポートを提示する。店員はパスポートを目視し、免税対象者の要件を満たしているか確認する。店員は、税込金額で清算をする。店員は、商品を梱包し、包装の上からレシートを貼り付け割印を押す。店員は、店舗端末10にカードを読み取らせ、さらに、商品明細を入力する。店舗端末10は、カードから読み取った識別情報および商品明細を含む購入情報を、サーバ20に送信する。店員は、免税カウンターで消費税相当額が払い戻されることを説明する書面および商品を買い物客に渡す。
【0093】
買い物が終わると、買い物客は免税カウンターに立ち寄る。買い物客は、購入した商品、カード、およびパスポートをスタッフに提示する。スタッフは、パスポートを目視で確認し、カウンター端末30にカードを読み取らせる。カウンター端末30は、カードから読み取った識別情報を含む、購入情報の送信要求をサーバ20に送信する。カウンター端末30は、この送信要求の応答として送信された購入情報を用いて、輸出免税物品購入記録票を作成する。スタッフは、購入者誓約書へのサインを買い物客に求める。サインは、サインパッドを用いて電子的に行われる。カウンター端末30は、サインを含む購入者誓約書を印刷する。スタッフは、輸出免税物品購入記録票(誓約書)をパスポートに貼り付け、割印を押す。スタッフは、カード発行機60を操作し、カードを発行する。スタッフは、カードを買い物客に返却し、ATMで払い戻しされることを説明する。
【0094】
買い物客は、ATMコーナーに行き、ATM40にカードを挿入する。ATM40は、カードに記録されている識別情報をサーバ20に送信し、計算された消費税相当の差額を取得する。このとき、ATM40は、手続に漏れがないか(輸出免税物品購入記録票への記載が済んでいない購入情報がないか)、サーバ20に確認する。輸出免税物品購入記録
票への記載が済んでいない購入情報があった場合、ATM40は、その旨を買い物客に通知する。輸出免税物品購入記録票への記載が済んでいない購入情報がない場合、ATM40は、差額を払い戻す。カードは回収される。
【0095】
3−3.例3
この例では、第1記録媒体は用いられず、第2記録媒体だけが用いられる。この例では、カード発行機60は免税カウンターに設置されており、第2記録媒体となるカードの発行に用いられる。
【0096】
店舗で買い物をする際、買い物客は店員にパスポートを提示する。店員はパスポートを目視し、免税対象者の要件を満たしているか確認する。店員は、税込金額で清算をする。店員は、商品を梱包し、包装の上からレシートを貼り付け割印を押す。店員は、輸出免税物品購入記録票への貼り付け用のレシートをさらに印刷する。店員は、免税カウンターで消費税相当額が払い戻されることを説明する書面、貼り付け用レシート、および商品を買い物客に渡す。
【0097】
買い物が終わると、買い物客は免税カウンターに立ち寄る。買い物客は、購入した商品、レシート、およびパスポートをスタッフに提示する。スタッフは、カウンター端末30にパスポートおよびレシートをスキャンさせる。カウンター端末30は、パスポートから旅券番号等、輸出免税物品購入記録票の作成に用いられる情報を読み取る。また、カウンター端末30は、レシートの画像データを生成する。カウンター端末30は、パスポートから読み取った情報を用いて、輸出免税物品購入記録票を作成する。輸出免税物品購入記録票には、スキャンしたレシートの画像も印刷される。スタッフは、購入者誓約書へのサインを買い物客に求める。サインは、サインパッドを用いて電子的に行われる。カウンター端末30は、サインを含む購入者誓約書を印刷する。スタッフは、輸出免税物品購入記録票(誓約書)をパスポートに貼り付け、割印を押す。スタッフは、カード発行機60を操作し、カードを発行する。スタッフは、発行されたカードを買い物客に渡し、ATMで払い戻しされることを説明する。
【0098】
買い物客は、ATMコーナーに行き、ATM40にカードを挿入する。ATM40は、カードに記録されている識別情報をサーバ20に送信し、計算された消費税相当の差額を取得する。このとき、ATM40は、手続に漏れがないか(輸出免税物品購入記録票への記載が済んでいない購入情報がないか)、サーバ20に確認する。輸出免税物品購入記録票への記載が済んでいない購入情報があった場合、ATM40は、その旨を買い物客に通知する。輸出免税物品購入記録票への記載が済んでいない購入情報がない場合、ATM40は、差額を払い戻す。カードは回収される。
【0099】
4.税差額払い戻しシステム1の効果
従来、免税対応は以下のいずれかの方法で行われていた。
(1)買い物客は商品購入時にパスポートを提示し、店舗は消費税を課税しない免税価格で販売する方法。
(2)買い物客は店舗のレジで税込みの金額を支払った後、同日中に店内の免税カウンターで一旦返品し、そこで再度、免税価格で販売しなおす方法。
【0100】
上記の方法には、例えば、店舗や免税カウンターのスタッフが免税価格や差額を計算するため、計算ミスが生じる可能性がある、スタッフが払い戻しの現金を扱うため、現金の紛失や渡し間違いが生じる可能性がある、手続に時間がかかるため混雑時に行列ができ、買い物客に不便を与える、スタッフが対応に不慣れなため、買い物客に不快感を与える、といった問題がある。税差額払い戻しシステム1は、これらの問題を解決することができる。
【0101】
なお、上記の例において、観光客に代わり、ショッピングモールのスタッフがATM40を操作して現金を取り出し、環境客に渡してもよい。この場合、ATM40は、免税カウンターの中に設置されていてもよい。
【符号の説明】
【0102】
1…税差額払い戻しシステム、10…店舗端末、20…サーバ、30…カウンター端末、40…ATM、50…カード、60…カード発行機、N…ネットワーク、11…読み取り手段、12…送信手段、21…記憶手段、211…データベース、22…抽出手段、23…送信手段、24…送信手段、31…読み取り手段、32…送信手段、33…作成手段、41…収容手段、42…読み取り手段、43…供給手段、101…CPU、102…ROM、103…RAM、104…記憶部、105…カード読み取り部、106…通信部、107…入力部、108…表示部、201…CPU、202…ROM、203…RAM、204…記憶部、205…カード読み取り部、206…通信部、301…CPU、302…ROM、303…RAM、304…記憶部、305…カード読み取り部、306…通信部、307…入力部、308…表示部、309…画像形成部、401…CPU、402…ROM、403…RAM、404…記憶部、405…読み取り部、406…通信部、407…入力部、408…表示部、409…現金収容部、410…現金供給部
【要約】
【課題】免税対象者に、消費税等の差額の払い戻しをより簡単に行う。
【解決手段】カウンター端末30から送信要求を受信すると、抽出手段22は、データベース211に記録されている購入情報の中から、その送信要求に含まれる識別情報に対応する購入情報を抽出する。作成手段33は、輸出免税物品購入記録票を作成する。収容手段41は、現金、例えば硬貨および紙幣を収容する。読み取り手段42は、カード50から識別情報を読み取る。供給手段43は、読み取り手段42により読み取られた識別情報に対応する差額情報により示される金額の現金を収容手段から取り出し、取り出された現金を買い物客に供給する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12