特許第5933838号(P5933838)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5933838IMSネットワークに少なくとも1つの公開アドレスを登録する方法およびアプリケーション
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5933838
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月15日
(54)【発明の名称】IMSネットワークに少なくとも1つの公開アドレスを登録する方法およびアプリケーション
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20160602BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20160602BHJP
   H04W 12/06 20090101ALI20160602BHJP
【FI】
   H04M11/00 302
   H04M1/00 R
   H04W12/06
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-521002(P2015-521002)
(86)(22)【出願日】2013年7月11日
(65)【公表番号】特表2015-527802(P2015-527802A)
(43)【公表日】2015年9月17日
(86)【国際出願番号】EP2013064743
(87)【国際公開番号】WO2014009502
(87)【国際公開日】20140116
【審査請求日】2015年2月23日
(31)【優先権主張番号】12305841.4
(32)【優先日】2012年7月12日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】309014746
【氏名又は名称】ジェムアルト エスアー
(74)【代理人】
【識別番号】100086368
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 誠
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン ボードワン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−イブ フィン
【審査官】 松平 英
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−523105(JP,A)
【文献】 特表2011−530921(JP,A)
【文献】 特表2006−515698(JP,A)
【文献】 特表2013−519282(JP,A)
【文献】 特表2013−524567(JP,A)
【文献】 特表2014−500678(JP,A)
【文献】 特表2014−501063(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/095522(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/118670(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/057978(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/076424(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0092253(US,A1)
【文献】 LS on IMS identifiers,[online],2011年11月21日,[2015年12月25日検索],インターネット<http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/wg3_security/TSGS3_21_Sophia/Docs/PDF/><http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/wg3_security/TSGS3_21_Sophia/Docs/PDF/S3-010585.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F12/14
13/00
21/00−21/10
21/30−21/46
21/60−21/88
G09C 1/00−5/00
H04B 7/24−7/26
H04K 1/00−3/00
H04L 9/00−9/38
H04M 1/00
1/24−3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
99/00
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セキュリティエレメント(100)と情報のやりとりを行う端末(101)を含むIMSネットワークに少なくとも1つの公開アドレスを登録する方法において、前記セキュリティエレメント(100)は、イベント発生時に、前記端末(101)のマンマシンインタフェースを介してユーザ(104)が選択した公開アドレスの入力を前記端末(101)の前記ユーザ(104)に要求するアプリケーションを備え、前記アプリケーションは、前記端末(101)を介して前記セキュリティエレメント(100)の少なくとも1つの識別子を伴う前記公開アドレスを、前記公開アドレスと前記識別子とが関連付けられるようにリモートネットワーク(102、103)に送信し、
前記公開アドレスが前記識別子に関連付けられると、関連付け確認メッセージ(110)を前記リモートネットワーク(102、103)から前記セキュリティエレメント(100)に送信し、
前記セキュリティエレメント(100)が前記関連付け確認メッセージ(110)を受信した後、前記端末(101)を前記公開アドレスで更新することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記リモートネットワークは、IMSネットワークのHSS(103)へのエントリポイントとして使用されるOTA(On−The−Air)プラットフォーム(102)を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記セキュリティエレメント(100)の前記識別子は、以下の識別子のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法:
−IMSI;
−ICCID;
−IMPI。
【請求項4】
前記イベントは、前記端末(101)への最初の電源投入であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
セキュリティエレメント(100)と情報のやりとりを行う端末(101)を含むIMSネットワークに少なくとも1つの公開アドレスを登録する、前記セキュリティエレメント(100)に備えられたアプリケーションにおいて、イベント発生時に、前記端末(101)のマンマシンインタフェースを介してユーザ(104)が選択した公開アドレスの入力を前記端末(101)のユーザに指示し、前記端末(101)を介して前記セキュリティエレメント(100)の少なくとも1つの識別子を伴う前記公開アドレスを、前記公開アドレスと前記識別子とが関連付けられるようにリモートネットワーク(102、103)に送信し、
前記公開アドレスが前記識別子に関連付けられると、関連付け確認メッセージ(110)を前記リモートネットワーク(102、103)から前記セキュリティエレメント(100)に送信し、
前記セキュリティエレメント(100)が前記関連付け確認メッセージ(110)を受信した後、前記端末(101)を前記公開アドレスで更新することを特徴とするアプリケーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ伝送ネットワークにおける電気通信の分野に属する。具体的には、本発明は、IMS(IPマルチメディアサブシステム)ネットワークに少なくとも1つの公開アドレスを登録することに関する。
【背景技術】
【0002】
IMSネットワークとは、アクセスネットワークに接続されたIPネットワークである。IMSネットワークでは、同じセッションの間に、音声、動画、メッセージ、データなどの転送を同時に組み合わせることができる。IMSは、(端末ポイントと呼ばれる)ユーザ端末間、または端末ポイントとアプリケーションサーバとの間における通信またはセッションを確立および制御するために、SIP(セッション開始プロトコル)というプロトコルを用いる。SIPプロトコルにより、発呼者は(端末ポイントにインストールされたSIPユーザエージェント、UASを用いて)、発呼開始前に着呼者の現在のIPアドレスを知らなくても、着呼者との間でパケット交換によるセッションを確立することができる。
【0003】
現在の3GPP IMS仕様書では、IMSネットワークへのユーザ認証手続きを利用することが求められている。この手続きは、3GPP TS 24.229および33.203に記載されている。この方法を利用して、オペレータはユーザに非公開ユーザ識別子(IMPI)と、1つ以上の公開ユーザ識別子(IMPU)とを割り当てる。マルチメディアセッションに参加するためには、ユーザはネットワークに少なくとも1つのIMPUを登録しなくてはならない。するとネットワークは、登録及び認証手続きの際に、この識別子を用いてユーザを特定する(IMPIは、ユーザの認証情報などの加入者に関する情報を特定するために使用され、他方、割り当てモデルは、ユーザが交信に使用したいとするユーザ識別子を明示する。当該ユーザ識別子は特定のサービスに関連付けられていなくてはならない)。IMPI及びIMPUは、ユーザ端末内の集積回路カード(UICC)に格納されたIMS加入者識別モジュール(ISIM)というアプリケーションに記憶されている。
【0004】
各IMPUは、1つのいわゆるサービスプロファイルに関連付けられる。サービスプロファイルとは、サービスとこれに関連するデータのセットであり、ユーザにとって分かりやすいサービスロジックの提供を可能とする初期フィルタ条件を含む(例えばサービスプロファイルは、公開識別子IMPUが使用できるIMSサービスを定義する)。
IMSネットワークへのアクセスネットワークは、例えばUMTS、LTE、WLAN及び/又はインターネットなどのネットワークである。
【0005】
図1は各種のアクセスネットワークに接続されたIMSネットワークを示している。
3GPP TS 23.228に定義されるようなIMSネットワーク10は、SIP接続13、14によりアプリケーションサーバ11、12に接続される。サーバ11及び12は、インスタントメッセージ、在席管理(例、ユーザ在席中、離席中、会議中・・・)、呼スクリーニング、ボイスオーバーIP(VoIP)のような実時間セッション、テレビ会議、ビデオ・オンデマンド、動画の共有、IPネットワークゲーム又はIPテレビゲームなどのサービスを実現するIMSアプリケーションを提供する。
【0006】
端末ポイント15乃至20のユーザは、UMTSネットワーク21、LTE(Long Term Evolution、ロング・ターム・エボリューション)ネットワーク22、3GPP2ネットワーク23、WLANネットワーク24、又はインターネットネットワーク25などのアクセスネットワークを介して、上記のようなIMSネットワークのサービスにアクセスする。端末17は、無線接続26によりLTEネットワーク22と、そしてEV−DO接続27により3GPP2ネットワーク23と通信する。
【0007】
IMSネットワークは、SIP接続29乃至31により相互接続ゲートウェイに接続されたプロキシ28を含む。相互接続ゲートウェイは例えば、GPRS端末からなる端末ポイント15がIMSネットワークに接続している間、これにIPアドレスを付与する役割を担うGGSNゲートウェイ(Gateway GPRS Support Node)32、LTE端末16及び17に同様のサービスを提供するPDN GWゲートウェイ(Packet Data Network Gateway)33、及びCDMA 2000型の端末18の3GPP2ネットワーク23を介した接続を提供するPDSN(Packet Data Serving Node)ゲートウェイ34、などである。
端末ポイント15乃至20のユーザは、それぞれのアクセスネットワークに接続してIMSネットワーク10へのIP接続を要求した後に、IMSネットワーク10のサービスにアクセスできるようになる。同様にエンドポイント同士でも、IMSネットワークを介し、例えばVoIPにより通信することができる。
【0008】
IMSネットワーク10による端末ポイントの認証は、非公開識別子IMPIによって可能となる。この非公開識別子IMPIは一般的に、端末ポイント15乃至20に搭載されたUSIM又はISIMアプリケーション内に備わっている。各端末ポイントはそれぞれ固有の非公開識別子IMPIを有する。IMSネットワーク10へのアクセスを要求する際に、端末ポイントは保有するIMPIをネットワーク10に送信する。そしてこれが(HSS(Home Subscriber Subsystem)という登録サーバ内で)認証されると、そのIMPIのプロファイル及びサブスクリプションに応じてアクセス権が付与される。IMSネットワークは特にユーザへの課金やセッション制御を行なう。
【0009】
また端末ポイント15乃至20はそれぞれ、ユーザが他のユーザとの通信を要求及び受信したり、サービスにアクセスしたりできるようにする、少なくとも1つのIMPU公開(つまり機密ではない)アドレスを含む。IMPUは、IETF RFC 3261及びIETF RFC 2396勧告で定義されるようなSIP URI(Unified Resource Identifier、統一資源識別子)の形式で表される。
【0010】
IMPUアドレスは例えば以下の形式:
sip:jean−yves@gemalto.com
又は電話番号の形式:
sip:0123456789@gemalto.ims.com
で表される。
【0011】
一方、IMPI非公開アドレスは、以下のような形式:
<xyz>@gemalto.com
で表される。<xyz>は任意の文字列である。このIMPI形式は、IETF RFC 2486勧告に記載のネットワークアクセス識別子と呼ばれるものである。
【0012】
IMPU及びIMPIは、通常、端末ポイントのISIMアプリケーション内に記憶される。端末ポイントにIMPUを登録できるソフトウェアを具備することもできるが、そうでない場合、IMPUを登録する権限、すなわちアクティブなIMPUを選択する権限は常にユーザにある。例えばユーザは、就業時間内は仕事上のアドレスをアクティブに維持し、就業時間外は非公開のIMPUをアクティブにしなければならないことを決定することができる。
【0013】
端末ポイントがISIM及びUSIMアプリケーションのいずれも含まない場合、IMPU及びIMPIは端末ポイントのメモリに記憶される。従来の実施形態では、ISIMは例えば端末ポイントから着脱可能なUICCスマートカード上のセキュアエレメント内に記憶される。UICCカードに1つ以上のISIM又はUSIMアプリケーションを備えることも可能である。同様に、セキュアエレメントを端末ポイントの一部とすることもできる。
IMPIを識別し、それに含まれる機密を検証することで端末ポイントを認証した後、又は認証する間に、端末ポイントは保有するIMPUアドレスのうち1つをIMSネットワーク10のHSSに送信する。これは、当該IMPUアドレスをIMSネットワーク10のHSSに登録し、IMSサービスを利用できるようにするためである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明が解決しようとする課題は、UICC又は端末をカスタマイズする際に、エンドユーザが分からないことである。そのため、エンドユーザに販売されたUICC又は端末内にはIMPUがない。せいぜい、UICCに(カスタマイズされていない)IMPU(例えば、martin1234@gemalto.com)が記憶されているだけである。その場合ユーザは、通常、オペレータの販売支店において端末の購入時点でIMPUを登録する。ユーザが加入するオペレータの代理人は、エンドユーザが選択した1以上のIMPUをオペレータ端末により登録する。この/これらのIMPUは、適切な接続(有線接続、OTA、・・・)によりUICC又は端末に取り込まれ、同時にオペレータのHSSに知らされる。
【0015】
実際、例えばオペレータの代理人は、「Verify Pin」コマンドを使用して管理コードADMを入力し、カードリーダに挿入されたUICCのEF_IMPUファイルを「Update」コマンドを使用して更新する。
この解決策の欠点は、エンドユーザが端末/UICCをカスタマイズして選択した1以上のIMPUを登録するためにオペレータの販売支店に出向かなければならないことである。また、ユーザが端末を使用する際にIMPUを追加、削除または変更したい場合も同様である。
【0016】
また、3GPP TS31.103標準においては、ユーザは端末内のISIMを更新することができず、EF_IMPUファイルへのアクセスには、オペレータだけが知っている管理タイプのコマンド(「ADMコマンド」)が必要とされる。したがって、エンドユーザは、1以上のIMPUを含むファイルの内容を自ら変更または更新することができない。2011年4月に発行された標準のバージョン10を参照することが有益である。この中のEF_IMPU(IMS公開ユーザ識別子)と題するパラグラフ4.2.4には、IMPUの「更新」コマンド、「非アクティブ化」コマンドおよび「アクティブ化」コマンドは、管理コードにより保護されていることが示されている。
【0017】
本発明の目的は、特にこの欠点を克服することである。
具体的には、本発明の課題の1つは、セキュリティエレメントを備えた端末のユーザが、電話オペレータの販売支店のうちの1つに行かなくても自身の端末から直接、公開アドレスIMPUの作成、編集、アクティブ化あるいは非アクティブ化を行うことができる方法およびアプリケーションを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この課題は、以下で明らかとなる他の課題と同様に、セキュリティエレメントと情報のやりとりを行う端末を含むIMSネットワークに少なくとも1つの公開アドレスを登録する方法により達成される。セキュリティエレメントは、イベント発生時に、端末のマンマシンインタフェースを介してユーザが選択した公開アドレスの入力を端末のユーザに要求するアプリケーションを備え、このアプリケーションは、端末を介してセキュリティエレメントの少なくとも1つの識別子を伴う公開アドレスを、公開アドレスと識別子とが関連付けられるようにリモートネットワークに送信する。
好ましくは、リモートネットワークは、IMSネットワークのHSSへのエントリポイントとして使用されるOTAプラットフォームを備える。
【0019】
有利には、本発明による方法は、公開アドレスが識別子に関連付けられると、関連付け確認メッセージをリモートネットワークからセキュリティエレメントに送信することを含む。
有利な実施形態では、本発明は、セキュリティエレメントが関連付け確認メッセージを受信した後、端末を公開アドレスで更新することを含む。
【0020】
好ましくは、セキュリティエレメントの識別子は、以下の識別子のうちの少なくとも1つを含む:
IMSI;
ICCID;
IMPI。
イベントとは、例えば端末への最初の電源投入である。
【0021】
本発明はまた、セキュリティエレメントと情報のやりとりを行う端末を含むIMSネットワークに少なくとも1つの公開アドレスを登録するアプリケーションであって、セキュリティエレメントに備えられたアプリケーションに関し、アプリケーションは、イベント発生時に、端末のマンマシンインタフェースを介してユーザが選択した公開アドレスの入力を端末のユーザに指示し、端末を介してセキュリティエレメントの少なくとも1つの識別子を伴う公開アドレスを、公開アドレスと識別子とが関連付けられるようにリモートネットワークに送信することを特徴とする。
本発明のその他の特徴や利点は、以下の好適な実施形態の説明を読めば明らかとなる。これらの実施形態は例示的なもので限定するためのものではなく、添付の図面に関連している。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】従来技術に関する、種々のアクセスネットワークに接続されたIMSネットワークを示す図。
図2】本発明による方法の例示的な実施形態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、UICC100内のISIMにインストールされたアプリケーション(アプレット)を稼働させることを提案する。UICC100は、ここでは携帯電話として示されている端末101に備えられている。アプリケーションを端末101と一体のチップ(eUICC)にインストールすることもできるが、その場合、UICC100は、端末101からSIMカードのようには取り外すことができない。
【0024】
UICC100又はeUICCは、端末101と無線(例えばブルートゥースやWiFi)で通信することができる。すなわち、端末101に備えられる必要がない。重要な点は、端末101と通信することであって、例えば腕時計などのリモートエレメントに取り付けられてもよい。
ここでは、端末101はOTAプラットフォーム102やオペレータのネットワークのHSSエレメント103を含むリモートネットワークと通信可能である。端末101は、OTAプラットフォーム102を通してHSS103と通信することができる。
【0025】
具体的には、HSS103は、各ネットワークユーザのUICC100に関する情報を格納するために使用される。したがって、IMSI/ICCID、IMPI、1以上のIMPU、IMSドメイン(IMSドメインにより加入者はIMSサービスを介して互いに通信したり、サービスプラットフォームで提供されるIMSサービスにアクセスすることができる)およびサービスプロファイルが、各UICCに関連付けられる。本発明によるアプリケーションの実行前に、HSS103は、ユーザ104をIMSI、ICCID及び/又はIMPI、所属するドメインおよびサービスプロファイルにより知っている。HSSは、IMPUがこれらの識別子(IMPU NOK)に関連付けられていないことも知っている。同様に、UICC100は、EF_IMPI、EF_ドメインおよびEF_PCSCFファイル(オペレータにアクセスできるプロキシのIPアドレス)を含む。UICC100はまた、EF_IMPU(EF_IMPU NOK)空ファイルを含む。
【0026】
イベントの発生時、例えば端末101の初回の電源投入時、本発明によるアプリケーションをダウンロードした後の端末101の電源投入時、又はメニュー内の機能の起動時、あるいはより一般的には要求により、挨拶メッセージ105が、端末101のユーザ104にIMPUアドレスに対応する1以上のIMSプロファイルを入力するように指示する。
【0027】
次に、ユーザ104は、選択した1以上のIMPUをキーボードなどの端末101のマンマシンインタフェースにより入力する。図に示す例では、ユーザは、ステップ106において以下のアドレスを選択する:
Sip:James.bond@mno.com
Sip:Bob.thebest@mno.com
Sip:little.Louise@mno.com。
【0028】
アプリケーションは、ステップ107においてSTKコマンドを使用してこれらの公開アドレスをISIMに送る。ISIMは、これらのIMPUを適切なディレクトリに一時的に格納する。
ステップ108において、アプリケーションは、ユーザ104が選択したIMPUをUICCの少なくとも1つの識別子とともにOTAプラットフォーム102に送る。図に示す例では、UICCの3つの識別子、すなわちIMSI、ICCID及びIMPIが、IMPUとともにOTAプラットフォーム102に送信される。OTAプラットフォームは、ステップ109においてこれらの識別子(IMSI/ICCID/IMPI/IMPU)をHSSに転送する。そして、HSS103は、ユーザ104が選択したIMPUを検査する。具体的には、この検査は、受信したIMPUが、同じオペレータのネットワーク又は別のオペレータのネットワークの加入者である別のユーザに既に割り当てられていないかどうかを確認することからなる。HSS103はまた、受信したIMPUをUICCの識別子と関連付ける。
【0029】
HSS103は、受信したIMPUが利用可能であると認めた場合には、公開アドレスを受信した識別子と関連付けた後に、その旨を関連付け確認メッセージACKによりUICCに通知しなければならない(ステップ110)。このメッセージは、OTAプラットフォーム102からUICC100に転送される。
ISIMは、ユーザ104のIMPUを含むEF_IMPU 6F04ファイルを更新する。この更新は、前述の適切なディレクトリにすでに一時的に格納されているIMPUを登録することからなる。
IMPUのうちの1つが利用できない場合、その利用できないIMPUを考慮に入れないようにその旨をUICCに通知する。そのIMPUが利用できないことをユーザに通知するメッセージが、必要であれば、別のIMPUの選択案内とともにユーザに表示される。
【0030】
次に、アプリケーションは、新しいIMPUを考慮に入れられるように「リフレッシュISIM」コマンドを端末101に送る(ステップ111)。端末は、ステップ112においてこれらのIMPUを受け取ったことを確認する。IMPUの登録は、(ステップ110が実行された後に)有効化される。
オプションで、ユーザ104は、少なくとも1つのIMPUアドレスをすでに有しているという理由で、サービスへの加入を勧められる(ステップ113)。ユーザが同意すると、サービスの一覧がユーザに提示され得る(ステップ114)。ここでは、以下の4つのサービスがユーザに提示される:
−ビデオオンデマンド
−メッセージ送受信
−オンラインゲーム
−音楽ダウンロード。
【0031】
ユーザが例えば「オンラインゲーム」を選択すると、HSS103は、OTAプラットフォーム102を通してUICCのうち少なくとも1つの識別子(ここでは、IMSI、ICCID及びIMPI)とともにオンラインゲームサービスの注文を受信する(ステップ115)。そして、HSS103は、受信した識別子を用いて、受信した識別子と関連付けられたIMPUの1つを用いてUICC100と通信可能になる。
上記の発明は、IMPUの作成の範囲で規定されているが、既存のIMPUの変更、IMPUのアクティブ化又は非アクティブ化、あるいはIMPUの削除にも適用し得る。
【0032】
本発明の実施を可能にするISIMのアプリケーションは、例えばOTAプラットフォーム102を介してオペレータの制御下でISIMにセーブすることができる。ISIMへのインストールは、オペレータの制御下で実行され、アプリケーションは、PIN及び管理(ADM)権限を有する。オペレータは、アプリケーションをユーザのUICC(eUICC)のISIMにインストールする権限を有する。したがって、アプリケーションは、HSSにアクセス可能で、1つ以上のIMPUをセーブするための管理コード(ADM)を知っている。
【0033】
したがって、本発明は、UICCにインストールされたアプレットである信頼されたアプリケーションを前提としている。このアプレットは、OTAプラットフォーム102とHSS103との間の対話を開始してユーザ104が選択したIMPUを送信する。HSS103の同意に引き続き、このアプレットは、(管理権限ADMでインストールされたOSの内部インタフェースを介して)選択されたIMPUをEF_IMPUファイルに書き込む。
【0034】
したがって、ユーザは、本発明によりIMSネットワークにおいて1つ以上のIMPUを作成、変更、アクティブ化又は非アクティブ化を行うことができる。
IMSネットワークのHSSへのエントリポイントの役割を果たす前述のOTAプラットフォーム102は、オペレータのHSSに接続されたアプリケーションサーバに置き換えられてもよい。
【0035】
図2に示される通信は、httpタイプ(LTEなどのフルIPネットワーク)が好ましいが、端末101及びOTAプラットフォーム102間、さらにはプラットフォーム102及びHSS103間では、SMS又はSIPタイプの通信を用いてもよい。これらの通信は、不正を防ぎ、ユーザ104及びネットワークオペレータの安全を確保するための周知の手段により暗号化される。
【0036】
本発明は、端末のユーザがオペレータの販売支店のうちの1つに行かなくても自分が選択したIMPUアドレスを設定できることにより、現在の基準に沿った方法を見出すことを可能にする。
本発明はまた、セキュリティエレメントと情報のやりとりを行う端末を含むIMSネットワークに少なくとも1つの公開アドレスを登録するアプリケーションであって、このアプリケーションを含むセキュリティエレメントは、イベント発生時に、端末のマンマシンインタフェースを介してユーザが選択した公開アドレスの入力を端末のユーザに指示し、端末を介してセキュリティエレメントの少なくとも1つの識別子を伴う公開アドレスを、公開アドレスと受信した識別子とが関連付けられるようにリモートネットワークに送信するアプリケーションに関する。
【0037】
本発明は、端末のユーザが、電話オペレータの販売支店のうちの1つに行かざるを得ない状況を回避し、IMPUを設定するために端末の購入後にUICC(eUICC)によりインターネットサービスに接続することを可能にする。
オペレータのHSSは、エンドユーザにより動的に更新されるため、本発明は、IMS規格、ISIM及びOTA交換(「OTAメッセージング」)の3GPP規格、及びオペレータのHSSの供給規格に適合する。
図1
図2