特許第5933850号(P5933850)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5933850
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月15日
(54)【発明の名称】燃料タンク
(51)【国際特許分類】
   B60K 15/03 20060101AFI20160602BHJP
【FI】
   B60K15/03 B
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-546066(P2015-546066)
(86)(22)【出願日】2014年2月20日
(65)【公表番号】特表2016-506331(P2016-506331A)
(43)【公表日】2016年3月3日
(86)【国際出願番号】EP2014053331
(87)【国際公開番号】WO2014131685
(87)【国際公開日】20140904
【審査請求日】2015年6月5日
(31)【優先権主張番号】102013003247.4
(32)【優先日】2013年2月27日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】598001467
【氏名又は名称】カウテックス テクストロン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】フランク クヴァント
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ヴァーグナー
(72)【発明者】
【氏名】ハラルト ローレンツ
【審査官】 川村 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−093408(JP,A)
【文献】 特開2012−245974(JP,A)
【文献】 特開2007−106317(JP,A)
【文献】 特表2002−536586(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/139962(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0138606(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 15/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのコラム状の支持エレメント(4)を介して互いに支持された上部(2)および底部(3)を有する、熱可塑性材料から形成された燃料タンク(1)であって、
記支持エレメント(4)は、タンク内の圧力によって生じる引張力を吸収することができるように、一方では前記上部(2)の壁部(6)に、他方では前記底部(3)の壁部(6)に、凹凸によりおよび/または材料により結合されている、燃料タンク(1)において
記支持エレメント(4)は、少なくとも横断面においてリブ状の輪郭を有する一体型の中実の成形体として設計されており、前記支持エレメント(4)は、少なくとも2つのリブ(7)を有しており、該リブ(7)は、横断面において互いに実質的に平行に配置されている、ことを特徴とする、燃料タンク。
【請求項2】
前記支持エレメント(4)は、両端部において一体に形成された溶接面(9)を有する、請求項1記載の燃料タンク。
【請求項3】
前記溶接面(9)は、溶接中に生じ得るあらゆる余分な材料のための少なくとも1つの押しのけ流路(17)を形成するトポグラフィを有するまたは形成している、請求項2記載の燃料タンク。
【請求項4】
前記溶接面(9)は、分割されているかまたはリブが設けられている、請求項3記載の燃料タンク。
【請求項5】
前記支持エレメント(4)は、各端部において端面を貫通した少なくとも1つの通気開口(18)を有する、請求項2から4までのいずれか1項記載の燃料タンク。
【請求項6】
前記支持エレメント(4)は、少なくとも1つの一体に形成されたバッフルエレメント(14)を有する、請求項から5までのいずれか1項記載の燃料タンク。
【請求項7】
前記支持エレメント(4)は、少なくとも1つの長手方向に延びる溝輪郭または少なくとも1つの固定開口を有することができ、前記溝輪郭または前記固定開口に、少なくとも1つのバッフルエレメント(14)が掛合される、請求項から5までのいずれか1項記載の燃料タンク。
【請求項8】
前記少なくとも1つのバッフルエレメントは、前記燃料タンクの内部の付属品および/または配線を固定するための手段を有する、請求項7記載の燃料タンク。
【請求項9】
前記支持エレメントの溶接面(9)の間の前記支持エレメントの最大横断面に対する少なくとも1つの溶接面(9)の表面積の比は、≦1.5である、請求項2から8までのいずれか1項記載の燃料タンク。
【請求項10】
前記支持エレメント(4)は、異なるプラスチックから形成された2成分部材として設計されており、前記溶接面(9)は、前記底部(3)および/または前記上部(2)の壁部との溶接性のために適した熱可塑性材料から形成されており、前記支持エレメント(4)の本体(8)は、プラスチックから成っている、請求項から9までのいずれか1項記載の燃料タンク。
【請求項11】
前記支持エレメント(4)は、前記上部(2)および前記底部(3)の壁部(6)における少なくとも1つのドーム凹部(5)の間、または前記底部(3)および前記上部(2)の壁部(6)において、または前記上部(2)の壁部(6)と前記底部(3)の壁部(6)とにおけるドーム凹部(5)の間に、延びている、請求項1から10までのいずれか1項記載の燃料タンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの柱状の支持エレメントを介して互いに支持された上部および底部を有する、熱可塑性材料から形成された燃料タンクにおいて、支持エレメントは、タンク内の圧力によって生じる引張力を吸収することができるように、一方では上部の壁部に、他方では底部の壁部に、凹凸によりおよび/または材料により結合されている、燃料タンクに関する。
【0002】
この種類の燃料タンクは、例えば独国特許出願公開第102009036911号明細書より公知である。独国特許出願公開第102009036911号明細書に記載された燃料タンクは、内部の柱によって補強されている。このために、柱は、第1の部分と、第2の部分とから成り、各部分は、それぞれのシェルに結合されており、一方の部分は切欠を、他方の部分は掛合フックを有し、これらは、互いに接続されたときに張力抵抗スナップジョイントを形成する。このために、両部分は、掛合面と、たわみ面とを有しており、掛合フックは、フレキシブルな運動を行うことができる。
【0003】
柱の一方の部分は、長手方向に延びる4つのリブと、軸線に対して垂直な複数のダイヤフラムとから成る。リブは、柱の軸線まで延びておらず、中央空間を残している。全体として、ジョイントの確立の間の掛合フックの運動を許容するように、構造体はねじりにおいてフレキシブルである。
【0004】
柱のスケルトン構造は特に、燃料によって満たされることができ、これにより、燃料タンクの体積の比較的良好な利用を達成する。
【0005】
基本的に、独国特許出願公開第102009036911号明細書に記載された種類の支持エレメントは剛性すぎることは望ましくない。なぜならば、さもなければ、支持エレメントは、衝突の結果として燃料タンクに加えられる変形力、特にせん断力によりタンク壁を損傷、例えば穿孔または裂断し、これにより燃料を流出させるからである。
国際公開第2012/139962号は、2つの対向した壁部と、これらの2つの壁部を接続する少なくとも1つの補強エレメントとを有する燃料タンクを開示している。補強エレメントは、2つの端部セクションと接続されたピラーを有しており、端部セクションを介して補強エレメントは燃料タンクの対向した壁部に接続されている。ピラーは、同じ引張りラインにある一連のリブから成ることができる。ピラーは、リブが端部セクションを介して互いに接続されるように、一片の中実な輪郭として設計されていない。
【0006】
他方で、燃料タンクの体積の最適な利用を考慮して、この種類の支持エレメントに別の機能を割り当てることはさらに望ましい。例えば、この種類の支持エレメントを、燃料タンクにおいて他の内部の付属品を固定するために提供することができる。しかしながら、特に支持エレメントが、タンクの半シェルが互いに接続された時にのみ支持エレメントの部材が互いに作用接続させられるように設計されている場合、これは困難である。加えて、これは、支持エレメントの最小限の安定性をも要求するが、これは、独国特許出願公開第102009036911号明細書に記載された支持エレメントによって容易に達成することはできない。
【0007】
したがって、本発明の基礎となる課題は、特に燃料タンクにおける体積の利用を考慮して改良された少なくとも1つの支持エレメントを備え、かつ同時に、燃料タンクの他の内部の付属品が前記支持エレメントに固定されることをも可能にするための十分な安定性を有する、冒頭に述べた形式の燃料タンクを利用可能にすることである。
【0008】
さらに、本発明の基礎となる課題は、燃料タンクのタンク壁が、少なくとも1つの支持エレメント、好適には複数の支持エレメントによって安定化されており、かつ全体的に、タンクが、外部から作用する力に関して過剰な剛性を有さないように設計されている、冒頭に述べた形式の燃料タンクを利用可能にすることである。
【0009】
前記課題は、請求項1および12の特徴によって達成される。
【0010】
本発明の有利な実施の形態は、従属請求項に示される。
【0011】
本発明の1つの態様によれば、少なくとも1つの柱状の支持エレメントを介して互いに支持された上部および底部を有する、熱可塑性材料から形成された燃料タンクであって、支持エレメントは、タンク内の圧力によって生じる引張力を吸収することができるように、一方では上部の壁部に、他方では底部の壁部に、凹凸によりおよび/または材料により結合されており、支持エレメントは、少なくとも横断面においてリブ状の輪郭を有する一体型の中実の輪郭として設計されている、燃料タンクが提供される。この中実の輪郭は、実質的に、ねじり方向で剛性の設計であることができる。
【0012】
本願の文脈における“ねじり方向で剛性”という用語は、例えば、支持エレメントがタンクに取り付けられるとき、または実際には取付け位置において衝突によって生じた力が加えられたときに、それ自体ではねじられることができないことを意味すると捉えるべきである。
【0013】
支持エレメントは、両端部において燃料タンクの壁部に溶接またはリベット留めされており、支持エレメントが、内部圧力による燃料タンクの変形を打ち消し、かつ変形により生じる引張力を吸収することを保証する。
【0014】
本発明による支持エレメントは、好適には、一体型設計であり、実質的な程度まで、例えば硬く、脆い熱可塑性プラスチックまたは熱硬化性プラスチックから構成することができる。
【0015】
前記リブ付きの輪郭は、支持エレメントの長手方向で連続的に形成することができ、支持エレメントが射出成形または押出し成形されることを可能にする。択一的に、支持エレメントを焼結することもできる。
【0016】
本発明による燃料タンクの好適かつ有利な実施の形態では、支持エレメントは、両端部に一体に形成された溶接面を有することが考えられる。
【0017】
“2成分部材”として、支持エレメントは、例えば2つの異なるプラスチックから構成することができ、溶接面の材料は、タンクの壁部との溶接適性のために適したプラスチックから成る。燃料タンクの壁部は、好適には、HDPEをベースとする押出し成形された熱プラスチックから成る。支持エレメントの溶接面は、同様にHDPEまたはLDPEから成ることができる。支持エレメントの長さの大部分にわたって延びる支持エレメントの本体は、例えば、炭化水素に対して耐性で、かつ比較的高い剛性を有する、比較的硬いプラスチックから成ることができる。例えば、支持エレメントの本体は、ポリアミドまたはPOMから成ることができる。
【0018】
溶接面は、好適には、溶接中に生じ得る余分な材料のための少なくとも1つの押しのけ流路を形成するトポグラフィを有する。その結果、支持エレメントの両端部において押しのけられた軟化した材料を、支持エレメントの溶接中に側方へ押しのけることができ、これは、溶接面の品質の改良に寄与する。
【0019】
横断面に対する溶接表面積のこの比が、支持エレメントの中央において≦1.5であると、有利である。この意味では、溶接表面積とは、支持エレメントの一方の端部における、溶接中に有効な全表面積を意味すると捉えるべきである。
【0020】
衝突時に、燃料タンクの壁部を損傷することなく、支持エレメントが規定された形式で破壊することができることを保証するために、支持エレメントには、切欠または同様の形式の1つまたは複数の所定の破断箇所を設けることができ、これは、支持エレメントの長手方向に対して横方向または対角線での支持エレメントの破壊を可能にする。
【0021】
本発明による燃料タンクの別の有利な実施の形態では、支持エレメントは、各端部において、支持エレメントの端面を貫通する少なくとも1つの開口を有することができる。通気開口は、支持エレメントの接続中または燃料タンクの上部または底部の壁部への支持エレメントの溶接中に、溶接の領域に捕捉された気体を逃がすために機能し、これにより、結局、溶接プロセスの信頼性を高める。
【0022】
支持エレメントが、少なくとも1つの一体に形成されたバッフルを有すると、特に有利である。択一例として、支持エレメントは、バッフルエレメントを固定するための、半径方向に延びる固定突起を具備することができる。
【0023】
さらに、支持エレメントは、少なくとも1つの長手方向に延びる溝輪郭または少なくとも1つの固定開口を有することができ、この溝輪郭または固定開口に、少なくとも1つのバッフルエレメントが掛合される。溝輪郭は、バッフルエレメントの対応する輪郭を受容することもでき、前記対応する輪郭は、支持エレメントの端部に挿入される。
【0024】
さらに、支持エレメントは、燃料タンクのその他の内部の付属品を固定するための固定手段を有することができる。さらに、このような固定手段は、支持エレメントに設けられた溝輪郭、固定開口または保持クリップであることができ、これらは、例えば燃料タンクに配置された配線を受容することもできる。
【0025】
冒頭で既に言及したように、支持エレメントが、異なるプラスチックから形成された2成分部材として設計されており、溶接面が、底部および/または上部の壁部との溶接性のために適した熱可塑性材料から形成されており、支持エレメントの本体が、比較的硬いプラスチックから成っていると、有利である。
【0026】
さらに、支持エレメントが、上部および底部におけるドーム形凹部の間、または底部および上部におけるドーム形凹部の間、または上部におけるドーム形凹部と、底部における対向して配置された凹部との間に延びていると、特に有利である。これは、燃料タンクの関連する壁部にアーチ形構造を提供し、これは、関連する壁部への支持エレメントの溶接中に、タンク壁部から支持エレメントへの力の最適な流れを許容する。これは、上部および/または底部の同じ耐荷力を維持しつつ、燃料タンクの壁部を互いに対して複数の支持エレメントによって支持する必要がある場合において支持エレメントの数を減じる可能性に寄与する。
【0027】
本発明の別の態様によれば、少なくとも1つの柱状支持エレメント、好適には複数の柱状支持エレメントを介して互いに支持された上部および底部を有する、熱可塑性材料から形成された燃料タンクが提供され、支持エレメントは、それぞれの端部において上部の壁部および底部の壁部に溶接され、支持エレメントは、上部および底部の壁部または底部および上部の壁部における少なくとも1つのドーム形凹部の間、または上部の壁部および底部の壁部におけるドーム形凹部の間に延びている。
【0028】
上部および/または底部の壁部は、好適には、凹部の領域においてアーチ形であり、凹部の深さにほぼ相当する半径を備える。このようなアーチの程度は、上部と支持エレメントとの間または底部と支持エレメントとの間の力の流れに関して特に有利であることが分かった。
【0029】
以下に図面に示された例示的な実施の形態によって本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】支持エレメントの配置の領域における本発明による燃料タンクの部分的な断面図である。
図2図3における線II−IIに沿った、本発明による支持エレメントの断面図である。
図3】本発明による支持エレメントの透視図である。
図4】一体に形成されたバッフルエレメントを備える、本発明による支持エレメントの透視図である。
図5】支持エレメントの1つの形態を有する、本発明による燃料タンクの断面図である。
図6】クリップ留めされたバッフルエレメントを備える支持エレメントの別の形態を示す図である。
【0031】
図示した燃料タンク1は、実質的に熱可塑性材料から成り、上部2と、底部3とを有し、上部2と底部3との間には少なくとも1つの支持エレメント4が延びている。支持エレメント4は、一体型の設計であり、両端部において、上部2および底部3の壁部にそれぞれ溶接されている。
【0032】
図1に示された燃料タンク1の形態では、支持エレメントは、前記壁部の凹部5の領域において上部2の壁部6に溶接されており、かつ底部3の壁部6への溶接の領域において、前記壁部は、実質的に滑らかな設計となっている。
【0033】
支持エレメント4は、支持エレメント4の長手方向に延びるリブ7を備える、一体型の中実の輪郭として設計されている。この輪郭は、比較的硬い、脆い、ねじり方向で剛性のプラスチックから成る本体8を有する。
【0034】
各端部において、支持エレメントは溶接面9を有する。溶接面9は、一体に形成されており、一方の端部においては溶接パッド10の形式で、他方の端部においては溶接フランジ11の形式で設けることができる。図3に示された支持エレメント4の例示的な実施の形態では、溶接パッド10は、上部2に面した端部において支持エレメントに設けられており、溶接フランジ11は、底部3に面した端部に設けられている。本発明は、支持エレメント4が、両端部において溶接パッドを有することができるか、または両端部において溶接フランジを有することができるか、または上部2に面した端部において溶接フランジを、底部3に面した端部において溶接パッドを有することができると解釈すべきである。
【0035】
択一例として、図4に示したように、支持エレメントの一方または両方の端部には溶接リブ12を設けることができる。
【0036】
図3に示したように、支持エレメント4は、バッフルエレメントを取り付けるための固定突起13を有することができる。
【0037】
図4に示された支持エレメントの態様では、支持エレメントは、2つの一体に形成されたバッフルエレメント14を有する。
【0038】
例えば、支持エレメント4は、ポリアミドまたはABSから成ることができるのに対し、溶接パッド10または溶接フランジ11または溶接リブ12は、例えば、HDPEをベースとする燃料タンク1の壁部6に溶接することができる、HDPEまたはLDPEから成ることができる。
【0039】
この場合、支持エレメント4は、例えば、2成分射出成形品として設計することができる。
【0040】
図5に示された本発明による燃料タンク1の態様では、支持エレメント4は、燃料タンク1の壁部6の上部2および底部3に対向して配置された2つのドーム形凹部5の間に配置されている。この実施の形態は、特に、支持エレメント4の間の選択された間隔が比較的大きくなるように燃料タンク1を複数の支持エレメントによって取り付けることができるという利点を有する。なぜならば、上部2と底部3とは、アーチ形構造を形成し、これにより、支持エレメント4と、壁部6または上部2および底部3との間の力の最適な流れが提供されるからである。この配列は、同じ数の支持エレメントの場合に、耐荷能力を高める。
【0041】
図5および図6に示された例示的な実施の形態では、支持エレメント4は、本体8と、本体8と一体に形成された溶接フランジ15とを有する。これらの図には、本体8のリブ付き構造は示されていない。
【0042】
さらに、支持エレメント4の本体8には、少なくとも1つのアンダカット固定溝16が設けられており、このアンダカット固定溝16には、1つまたは複数のバッフルエレメント14をクリップ留めまたは掛合させることができる。バッフルエレメントは、溝16に対して相補的設計の対応する輪郭を有する。
【0043】
再び図3を参照すると、図3は、支持エレメント4を上方から見た透視図を示しており、支持エレメント4には、本体8の端面における部分的なリングセグメントとして配置された溶接パッド10が設けられている。各溶接パッド10は、半径方向に延びる押しのけ流路17を形成している。この押しのけ流路17から、融点の材料を、上部2または底部3の壁部6への溶接パッド10の溶接中に、押しのけることができる。
【0044】
同様の効果は、溶接リブ12の間に延びた、図4の例示的な実施の形態による流路によっても達成される。
【0045】
再び図3を参照すると、本体8の端部に通気開口18が設けられており、この通気開口は、本体8のリブ7の間の空間と連通しており、これにより、接合プロセスまたは溶接の間に、捕捉された気体が逃げ出すことを保証し、接合プロセスの信頼性を改良する。
【0046】
符号19は、バッフルエレメント14(図4参照)における溝を示しており、この溝に、例えば、燃料タンク1に配置された燃料ラインまたは通気ラインまたは同様のものを、クリップ留めすることができる。
【符号の説明】
【0047】
1 燃料タンク
2 上部
3 底部
4 支持エレメント
5 凹部
6 壁部
7 リブ
8 本体
9 溶接面
10 溶接パッド
11 溶接フランジ
12 溶接リブ
13 固定突起
14 バッフルエレメント
15 溶接フランジ
16 溝
17 押しのけ流路
18 通気開口
19 溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6