特許第5933991号(P5933991)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5933991薄膜トランジスタアレイ及び薄膜トランジスタアレイの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5933991
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月15日
(54)【発明の名称】薄膜トランジスタアレイ及び薄膜トランジスタアレイの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20160602BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20160602BHJP
   H01L 21/288 20060101ALI20160602BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20160602BHJP
   H01L 29/423 20060101ALI20160602BHJP
   H01L 29/49 20060101ALI20160602BHJP
【FI】
   H01L29/78 612D
   H01L29/78 617K
   H01L29/78 616Z
   H01L29/78 627C
   H01L21/288 Z
   G02F1/1368
   H01L29/58 G
【請求項の数】20
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-47304(P2012-47304)
(22)【出願日】2012年3月2日
(65)【公開番号】特開2012-186475(P2012-186475A)
(43)【公開日】2012年9月27日
【審査請求日】2015年2月27日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0019091
(32)【優先日】2011年3月3日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】洪 英 基
(72)【発明者】
【氏名】鄭 在 祐
(72)【発明者】
【氏名】李 丞 鎬
(72)【発明者】
【氏名】金 重 赫
【審査官】 市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−267752(JP,A)
【文献】 特開2007−129007(JP,A)
【文献】 特開2009−239024(JP,A)
【文献】 特開2010−283190(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/107027(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
G02F 1/1368
H01L 21/288
H01L 29/423
H01L 29/49
H01L 29/786
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に形成された少なくとも1本のゲートラインを含むゲートと、
前記ゲート上に形成されたゲート絶縁層と、
前記ゲート絶縁層上に多数形成されたソース及びドレインと、を含み、
前記ソース及びドレインは、前記第1方向と交差する第2方向に形成された共通部分を含み、
前記ソース及びドレインのうち少なくともいずれか一つは、延長部分を含み、
前記多数形成されたソース及びドレインは、それぞれ前記少なくとも1本のゲートラインを共有し、
前記多数形成されたソース及びドレインのそれぞれの前記延長部分は、共有する前記少なくとも1本のゲートラインと平行するように、第1方向に形成される薄膜トランジスタアレイ
【請求項2】
前記ゲートは、前記第1方向に直交する方向に沿って曲面形状の断面を含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタアレイ
【請求項3】
前記ソース及びドレインは、それぞれソース延長部分及びドレイン延長部分を含み、前記ソース延長部分及びドレイン延長部分は、前記ゲートの両側端部に対応するように形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の薄膜トランジスタアレイ
【請求項4】
前記ゲートの幅は、60μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の薄膜トランジスタアレイ
【請求項5】
前記ゲートの幅は、35ないし55μmであることを特徴とする請求項4に記載の薄膜トランジスタアレイ
【請求項6】
前記ゲートは、少なくとも2本以上のゲートラインを含み、前記少なくとも2本以上のゲートラインは、第1方向に平行に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタアレイ
【請求項7】
前記ソース及びドレインのうち少なくとも一方は、多数の延長部分を含むことを特徴とする請求項6に記載の薄膜トランジスタアレイ
【請求項8】
前記少なくとも2本以上のゲートラインのうち少なくとも1本の幅は、60μm以下であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の薄膜トランジスタアレイ
【請求項9】
前記ソース及びドレインそれぞれは、多数のソース延長部分及び多数のドレイン延長部分を含むことを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の薄膜トランジスタアレイ
【請求項10】
前記多数のソース延長部分及び多数のドレイン延長部分それぞれの一部領域が、前記ゲートラインと重なる領域の前記ゲート絶縁層上に形成され、前記多数のソース延長部分及び多数のドレイン延長部分は、相互交差するように形成されたことを特徴とする請求項9に記載の薄膜トランジスタアレイ
【請求項11】
薄膜トランジスタアレイの製造方法において、
基板上にインクジェット・プリンティング工程によって、第1方向に少なくとも1本のゲートラインを含むゲートを形成する段階と、
前記ゲート上にゲート絶縁層を形成する段階と、
前記ゲート絶縁層上にソース及びドレインを多数形成する段階と、を含み、
前記ソース及びドレインは、前記第1方向と交差する第2方向に形成された共通部分を含み、
前記ソース及びドレインのうち少なくともいずれか一つは、延長部分を含み、
前記多数形成されたソース及びドレインは、それぞれ前記少なくとも1本のゲートラインを共有し、前記多数形成されたソース及びドレインのそれぞれの前記延長部分は、前記少なくとも1本のゲートラインと平行するように、第1方向に形成する薄膜トランジスタアレイの製造方法。
【請求項12】
前記ゲートは、前記第1方向に直交する方向に沿って曲面形状の断面を含むように形成することを特徴とする請求項11に記載の薄膜トランジスタアレイの製造方法。
【請求項13】
前記ソース及びドレインは、それぞれソース延長部分及びドレイン延長部分を含み、前記ソース延長部分及びドレイン延長部分は、前記ゲートの両側端部に対応するように形成することを特徴とする請求項11または請求項12に記載の薄膜トランジスタアレイの製造方法。
【請求項14】
前記ゲートの幅は、60μm以下に形成することを特徴とする請求項1113のいずれか一項に記載の薄膜トランジスタアレイの製造方法。
【請求項15】
前記ゲートの幅は、35ないし55μmに形成することを特徴とする請求項14に記載の薄膜トランジスタアレイの製造方法。
【請求項16】
前記ゲートは、少なくとも2本以上のゲートラインを含み、前記少なくとも2本以上のゲートラインは、第1方向に平行するように形成することを特徴とする請求項11に記載の薄膜トランジスタアレイの製造方法。
【請求項17】
前記ソース及びドレインのうち少なくともいずれか一つは、多数の延長部分を含むように形成することを特徴とする請求項16に記載の薄膜トランジスタアレイの製造方法。
【請求項18】
前記少なくとも2本以上のゲートラインのうち少なくとも1本の幅は、60μm以下に形成することを特徴とする請求項16または請求項17に記載の薄膜トランジスタアレイの製造方法。
【請求項19】
前記ソース及びドレインそれぞれは、多数のソース延長部分及び多数のドレイン延長部分を含むように形成することを特徴とする請求項1618のいずれか一項に記載の薄膜トランジスタアレイの製造方法。
【請求項20】
前記多数のソース延長部分及び多数のドレイン延長部分それぞれの一部領域は、前記ゲートのゲートラインと重なる領域の前記ゲート絶縁層上に形成し、前記多数のソース延長部分及び多数のドレイン延長部分は、相互交差するように形成することを特徴とする請求項19に記載の薄膜トランジスタアレイの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜トランジスタに係り、さらに詳細には、インクジェット・プリンティング法による電極印刷時、電極の表面平坦度を向上させた薄膜トランジスタに関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜トランジスタ(TFT:thin film transistor)は、多様な応用分野に利用されており、特に、ディスプレイ分野で、LCD(liquid crystal display)、OLED(organic light emitting diode)などのスイッチング素子及び駆動素子として利用されており、クロスポイント型メモリ素子の選択スイッチとして使われている。現在、TV(television)用パネルとして、液晶ディスプレイ(LCD)が主軸をなしている中で、有機発光ディスプレイも、TVへの応用のために、多くの研究が進められている。TV用ディスプレイ技術開発は、市場の要求を充足させる方向に発展している。市場の要求としては、大型化されたTVまたはDID(digital information display)、低価格、高画質(動画表現力、高解像度、明度、明暗比、色再現力)などがある。かような要求事項に対応するためには、ガラスなどの基板の大型化と共に、優秀な性能を有するディスプレイのスイッチング素子及び駆動素子として適用される薄膜トランジスタ(TFT)が要求される。
【0003】
TFTは、従来の一般的なフォトリソグラフィ工程技術を利用して形成されている。ところで、フォトリソグラフィ工程技術は、比較的複雑な工程段階を経るものであり、たとえば、フォトレジスト(PR)を使用して基板を除去し、伝導性材料または半導体性材料を蒸着した後、一部除去工程を経るので、材料消耗量が多く、環境的ではないという面がある。
【0004】
フォトリソグラフィの代替技術として、プリンティング工程を利用したTFTの製造がだんだんと拡大してきており、そのうち、インクジェット・プリンティング技術が広く適用されている。しかし、伝導性あるいは半導体性の材料をインクジェット・プリンティングする場合、インクに含まれた溶媒が蒸発しつつ、溶質成分がプリンティング領域の外郭側に堆積する、いわゆるコーヒーステイン現象が発生し、プリンティングされた領域の平坦度が悪化する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一側面は、ゲートラインを一方向に形成させることによって、平坦度が向上したTFTを提供するところにある。
【0006】
本発明の他の側面では、インクジェット・プリンティング方法によってゲートを一方向に形成し、平坦度を向上させたTFTの製造方法を提供ところにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示された実施形態では、第1方向に形成された少なくとも1本のゲートラインを含むゲートと、前記ゲート上に形成されたゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上に多数形成されたソース及びドレインと、を含み、前記ソース及びドレインは、前記第1方向と交差する第2方向に形成された共通部分を含み、前記ソース及びドレインのうち少なくともいずれか一つは、延長部分を含み、前記多数形成されたソース及びドレインは、それぞれ前記少なくとも1本のゲートラインを共有し、前記多数形成されたソース及びドレインのそれぞれの前記延長部分は、共有する前記少なくとも1本のゲートラインと平行するように、第1方向に形成されるTFTを提供する。
【0008】
前記ゲートは、曲面形状の断面を含むことができる。
【0009】
前記ソース及びドレインは、それぞれソース延長部分及びドレイン延長部分を含み、前記ソース延長部分及びドレイン延長部分は、前記ゲートの両側端部に対応するように形成されたものであってもよい。
【0010】
前記ゲートの幅は、60μm以下であって、前記ゲートの幅は、35ないし55μmであってもよい。
【0011】
前記ゲートは、少なくとも2本以上のゲートラインを含み、前記少なくとも2本以上のゲートラインは、第1方向に平行するように形成されたものであってもよい。
【0012】
前記ソース及びドレインのうち少なくともいずれか一つは、多数の延長部分を含むことができる。
【0013】
前記少なくとも2本以上のゲートラインのうち少なくとも1本の幅は、60μm以下であってもよい。
【0014】
前記ソース及びドレインそれぞれは、多数のソース延長部分及び多数のドレイン延長部分を含むことができる。
【0015】
前記多数のソース延長部分及び多数のドレイン延長部分それぞれの一部領域が、前記ゲートラインと重なる領域の前記ゲート絶縁層上に形成され、前記多数のソース延長部分及び多数のドレイン延長部分は、相互交差するように形成されたものであってもよい。
【0016】
また、前記ゲートを共有して形成された多数のTFTを含むTFTアレイを提供することができる。
【0017】
また、TFTの製造方法において、基板上にインクジェット・プリンティング工程によって、第1方向に少なくとも1本のゲートラインを含むゲートを形成する段階と、前記ゲート上にゲート絶縁層を形成する段階と、前記ゲート絶縁層上にソース及びドレインを多数形成する段階と、を含み、前記ソース及びドレインは、前記第1方向と交差する第2方向に形成された共通部分を含み、前記ソース及びドレインのうち少なくともいずれか一つは、延長部分を含み、前記多数形成されたソース及びドレインは、それぞれ前記少なくとも1本のゲートラインを共有し、前記多数形成されたソース及びドレインのそれぞれの前記延長部分は、前記少なくとも1本のゲートラインと平行するように、第1方向に形成するTFTの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の実施形態によればライン状に形成された均一厚のゲートを含んだTFTを提供し、TFTの性能を向上させることができ、ゲートを多数個に形成でき、TFTの駆動効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A】本発明の実施形態によるTFTを示した平面図である。
図1B図1Aの1B−1B'ラインに沿って切り取った断面図である。
図1C図1Aの1C−1C'ラインに沿って切り取った断面図である。
図2図1Aに示した本発明の実施形態によるTFTのアレイ構造を示した図面である。
図3A】本発明の実施形態によるTFTの製造方法を示した図面である。
図3B】本発明の実施形態によるTFTの製造方法を示した図面である。
図3C】本発明の実施形態によるTFTの製造方法を示した図面である。
図3D】本発明の実施形態によるTFTの製造方法を示した図面である。
図4図3Aないし図3Dのフローチャートチャートである。
図5A】本発明の他の実施形態によるTFTを示した図面である。
図5B図5AのVB−VB'に沿って切り取った断面図である。
図5C図5AのVC−VC'に沿って切り取った断面図である。
図6A】本発明の他の実施形態によるTFTを示した平面図である。
図6B図6AのVIB−VIB'に沿って切り取った断面図である。
図7】本発明の実施形態による電子システムのブロックダイアグラムを示した図面である。
図8A】従来技術によるTFTを示した平面図である。
図8B】コーヒーステイン現象による結果を示したものであり、図8AのVIIB−VIIB'に沿って切り取った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付された図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。ここで、図面で同じ参照符号は、同じ構成要素を指し、各構成要素の大きさや厚みは、説明の明瞭性のために誇張されていることがある。
【0021】
図1Aは、本発明の一実施形態による薄膜トランジスタ(TFT:thin film transistor)を示した平面図である。図1Aを参照しつつ、実施形態によるTFT 1について説明すれば、基板10(図示せず)上に、第1方向に形成されたゲート11が形成されており、ゲート11上に、ゲート絶縁層12が形成されている。ゲート絶縁層12上には、ソース13及びドレイン14が形成されている。ソース13及びドレイン14は、それぞれ共通部分13a、14aと延長部分13b、14bとを含み、ソース13及びドレイン14の延長部分13b、14bは、それぞれゲート11の両側上に、第1方向に平行に形成されてもよい。ソース13及びドレイン14上には、半導体物質を含むチャネル15が形成され、ソース13及びドレイン14の位置は、変わりうる。
【0022】
図1Bは、図1Aの1B−1B'ラインに沿って切り取った断面図である。図1Bを参照すれば、基板10上にゲート11が形成されており、ゲート11上には、ゲート絶縁層12が形成されている。ゲート11の両側部に対応するゲート絶縁層12上には、ソース13及びドレイン14が形成されている。ソース13及びドレイン14間のゲート絶縁層12上には、半導体物質を含むチャネル15が形成されている。
【0023】
図1Cは、図1Aの1C−1C'ラインに沿って切り取った断面図である。例えば、ゲート11が形成された第1方向に沿って切り取った断面を示したものである。図1Cを参照すれば、基板10上に、ゲート11が形成されており、ゲート11上には、ゲート絶縁層12が形成されている。ゲート絶縁層12上には、ドレイン14が形成されており、ドレイン14の延長部分14b上には、半導体物質を含むチャネル15が形成されている。インクジェット・プリンティング工程によって、ゲート11を1本のライン状に形成する場合、ライン状のゲート11は、第1方向に全体的に均一厚を示し、ソース13またはドレイン14の延長部分13b、14bは、ゲート11と平行するように、第1方向に形成され、端部が突出した形態を示すこともある。
【0024】
本発明の一実施形態では、一方向に形成されたゲート11を含むTFTを提供することができる。ゲート11ラインは、ゲート11端部がTFT1内部に形成されないように、TFT1を全体的に貫通して形成され、TFTは、全体的に均一な平坦度を維持することができる。
【0025】
一般的なインクジェット・プリンティング工程によってTFTを形成する場合、ゲート・バスラインに連結されたゲート延長部分101でゲート電極が突出した形状に形成されており(図8A)、この場合、ゲートの端部が上方に突出した構造になりうる(図8B)。これについて、図8A図8Bを参照しつつ詳細に説明する。
【0026】
図8Aは、従来技術によるTFTを示した平面図である。図8Bは、コーヒーステイン現象(coffee stain effect)による結果を示したものであり、図8AのVIIIB−VIIIB'に沿って切り取った断面図である。図8Bは、ゲート形成時に、コーヒーステイン現象によって、端部が突出した構造を示した図面である。図8A及び図8Bを参照して従来のTFT8について説明すれば、基板100上に、ゲート延長部分101が形成されており、ゲート延長部分101上には、ゲート絶縁層102が形成されている。そして、ゲート絶縁層102上のゲート延長部分101に対応する領域上には、ソースまたはドレイン103が形成される。インクジェット・プリンティング工程時、ゲート・バスラインと連結された多数のゲート延長部分101を形成する。ゲート延長部分101を形成する工程で、特に、ゲート延長部分101の端部領域で、他の領域に比べて、溶媒(solvent)の蒸発量が多くなってしまう。インクジェット工程(inkjet process)のインク内部の溶質(solute)がゲート延長部分101の端部に集まってしまい、ゲート延長部分101の厚みが一定でなく、端部が突出した構造に形成される。かような現象がコーヒーステイン現象であり、具体的には、長く延びた部分の端部(図8A及び図8BのC領域のような部分)で発生しうる。このように、コーヒーステイン現象によって、ゲート延長部分101の端部が厚くなって突出した形状になると、ゲート101と、その上方に形成されるソースまたはドレイン103とが非常に近接した状態に形成されることになり、電流漏れ(current leakage)が発生しうる。
【0027】
本発明の少なくとも1つの実施形態によるTFT1では、インクジェット・プリンティング工程によりゲート・バスラインを形成し、ゲート・バスラインをゲート11として利用し、その上部に、ソース13及びドレイン14の延長部分13b、14bを形成し、ゲート11の厚みを一定に維持することができる。インクジェット・プリンティング工程によって、従来のTFT8を形成するとき、コーヒーステイン現象が発生する場合、特に、ゲートの上面と側面との間が突出しうる。一方、本発明の一実施形態に示されているように、インクジェット・プリンティング工程によって、ゲート11をライン状に形成する場合、図1Bに示されているように、ゲート11の断面形状で、上面及び側面が曲面形状を含んだ形態になりうる。ただし、ゲート11の幅が広い場合、例えば、約60μmを超える場合、コーヒーステイン現象によるゲート11の両側上部が多少突出した形状になりうるので、ゲート11の幅は、60μm以下、一例として、数nmないし60μmまで形成することができ、さらに詳細には、35ないし55μmの幅を有するように形成することができる。
【0028】
図2は、図1Aに示した本発明の一実施形態によるTFTのアレイ構造を示した図面である。図2を参照すれば、第1方向に形成されたゲート11、ゲート11上に形成されたゲート絶縁層12、ゲート絶縁層12上に多数形成されたソース13、ドレイン14、及び半導体物質を含むチャネル15が形成された構造を示している。それぞれのソース13及びドレイン14は、延長部分13b、14bを含むことができる。図2に示されているように、1つのライン状のゲート11を互いに共有し、ゲート11上に多数のソース13及びドレイン14を形成してアレイ構造を形成することができ、全体的に均一なゲート11の厚みを維持することができる。ゲート31が均一厚を有するので、図8Bに示すようにゲートとソースまたはドレインとが非常に近接した状態に形成されることはなく、電流漏れが発生しない。
【0029】
本発明の一実施形態によるTFTの製造方法について説明すれば、次の通りである。図3Aないし図3Dは、本発明の実施形態によるTFTの製造方法を示した図面である。図4は、図3Aないし図3Dのフローチャートである。
【0030】
図3A及び図4を参照すれば、まず、基板10を設ける(S410)。基板10の材料には制限がなく、一般的な半導体工程に使われる基板であるならばいずれも使用することができ、例えば、ガラス、ポリエチレンナフタレート(PEN)・ポリイミド(PI)・ポリエチレンテレフタレート(PET)のようなプラスチック材を利用することができる。
【0031】
基板10上に、ゲート11を形成する(S410)。ゲート11が形成される領域のプレパターン(prepattern)を施すために、基板10上にフォトレジスト(PR)でコーティングを行った後、伝導性インクを印刷し、ゲート11形成領域のフォトレジストを除外した残りの領域のPRを除去する。そして、基板10上に、疎水性コーティングを行う。例えば、オクタデシルトリクロロシラン(OTS)またはn−オクタデシルトリクロロシランなどのSAM(self assembly monolayer)物質や、フッ素を含んで表面エネルギーの低い有機物質をコーティングすることができる。そして、基板10上に、ゲート11形成領域に残留したPRをリフトオフ(lift−off)で除去する。結果として、PRが覆っていた領域は、表面エネルギーが高くなり、残りの領域は、表面エネルギーが相対的に低い状態となる。次に、表面エネルギーが相対的に低くなった部分に、インクジェット・プリンタを利用して伝導性インクを印刷し、ゲート11を形成する。一例として、ゲート11は、60μm以下の厚み、例えば、35ないし55μm厚に形成されてもよい。そして、ゲート11は、2本以上のゲートラインを含む形態に形成されてもよい。ここで、伝導性インクは、シルバー・ナノインク、Cuインク、Auインク、ポリエチレンジヒドロキシチオフェン(PEDOT)−PSS(ポリ(スチレンスルホン酸))インクなどを使用することができる。伝導性インクの印刷後、熱処理を実施することができる。次に、疎水性コーティングを除去し、コーティング除去のために、O2プラズマ工程、Arプラズマ工程、CF4プラズマ工程またはUV(ultraviolet)オゾンクリーニング工程を利用することができる。
【0032】
図3B及び図4を参照すれば、ゲート11を形成した後、ゲート11上に、ゲート絶縁層12を形成する(S420)。ゲート絶縁層12としては、一般的に使われる絶縁物質を利用し、無機絶縁物質または有機絶縁物質を使用することができ、また無機絶縁物質及び有機絶縁物質を含んで多層構造にも形成することができる。
【0033】
図3C及び図4を参照すれば、ゲート絶縁層12を形成した後、その上部に、ソース13及びドレイン14を形成する(S430)。ソース13及びドレイン14は、ゲート11と共に伝導性物質によって形成され、前述のゲート11形成工程をそのまま適用することができる。
【0034】
図3D及び図4を参照すれば、ソース13及びドレイン14の形成後、チャネル15を形成するために、半導体物質を、ソース13及びドレイン14の上に印刷することができる(S440)。半導体物質は、無機半導体物質及び有機半導体物質など制限なしに使用可能である。例えば、無機半導体物質は、Zn酸化物、Zn−In酸化物、Zn−In−Ga酸化物などZn酸化物系物質を使用することができる。有機半導体物質は、半導体特性を示す有機低分子物質及び有機高分子物質を制限なしに使用することができ、例えば、ペンタセン(pentacene)、ヘテロアセン(heteroacene)、オリゴチオフェン(oligothiophene)、ポリチオフェン(polythiophene)、ポリフェニレンビニレン(polyphenylenevinylene)及びアリーレンカルボジイミド(arylenecarbodiimde)などを使用することができる。チャネル15の形成後、アニーリングを施し、さらに劣化防止のためのパッシベーション(passivation)をさらに施すことができる。
【0035】
本発明の一実施形態によるTFTは、1つのTFT内に多数のゲートラインが含まれた構造になり、ゲートラインの数には制限がない。これについて図面を参照して説明する。
【0036】
図5Aは、他の実施形態によるTFT5の平面図である。図5Bは、図5AのVB−VB'に沿って切り取った断面図である。図5Cは、図5AのVC−VC'に沿って切り取った断面図である。
【0037】
図5Aは、TFT5を、ゲート31を2本のゲートライン31a、31bを含む構造で形成したところを示したものであり、図5Aを参照すれば、基板30(図5B)上に、第1方向に形成された第1ゲート31a及び第2ゲート31bを含むゲート31が形成されており、ゲート31上には、ゲート絶縁層32が形成されている。ゲート絶縁層32上には、ソース33及びドレイン34が形成されている。ソース33及びドレイン34は、それぞれ共通部分33a、34aと延長部分33b、34bとを含み、ソース延長部分33b及びドレイン延長部分34bは、ゲート31の一部領域と重なる形態に形成され、ソース延長部分33bは、第1ゲート31a及び第2ゲート31b間に延びて形成され、ドレイン延長部分34bは、ゲート31の両側端部、すなわち、ソース33が形成されていない第1ゲート31a及び第2ゲート31bの両側端部に形成されてもよい。ソース33及びドレイン34の位置は、互いに入れ替わってもよい。そして、ゲート31上部のゲート絶縁層32、ソース33及びドレイン34上には、半導体物質を含むチャネル35が形成される。
【0038】
図5Bを参照すれば、基板30上に、ゲート31が形成されており、ゲート31上には、ゲート絶縁層32が形成されている。ゲート31の両側部に対応するゲート絶縁層32上には、ソース33及びドレイン34が形成されている。ソース33及びドレイン34間のゲート絶縁層32上には、半導体物質を含むチャネル35が形成されている。インクジェット・プリンティング工程によって、ゲート31をライン状に形成する場合、ゲート31断面形状で、上面及び側面が曲面形状を含んだ形態になり、ゲート31の幅が約60μmを超える場合、コーヒーステイン現象によって、ゲート31の両側上部が多少突出した形状になりうる。従って、ゲート31の幅は、数nmないし60μmに形成され、一例として35ないし55μmの幅を有する形成されてもよい。第1ゲート31a及び第2ゲート31b間の間隔は、選択的に調節される。
【0039】
図5Cを参照すれば、基板30上に、ゲート31が形成されており、ゲート31上には、ゲート絶縁層32が形成されている。ゲート絶縁層32上には、ドレイン34が形成されており、ドレイン34上には、半導体物質を含むチャネル15が形成されている。インクジェット・プリンティング工程によって、ゲート31を形成する場合、ライン状のゲート31は、全体的に均一厚を示し、ソース33またはドレイン34の延長部分33b、34bは、端部が突出した形態を示しうる。ゲート31が均一厚を有するので、図8Bに示すようにゲートとソースまたはドレインとが非常に近接した状態に形成されることはなく、電流漏れが発生しない。
【0040】
図6Aは、他の実施形態によるTFT6を示した平面図である。図6Bは、図6AのVIB−VIB'に沿って切り取った断面図である。ここでは、ゲート41を5本のゲートライン41a〜41eで形成した構造を示したものである。このように、ゲート41を多数本のラインで形成した場合、各ソース及びドレインの延長部分は、ゲートラインと平行するように、第1方向に形成され、延長部分の一部領域がゲート41と重なる形態に、ゲート絶縁層42上に形成され、ソース及びドレインの延長部分が交差する形態に形成される。
【0041】
図6A及び図6Bを参照すれば、基板40(図6B)上に、第1方向に形成された第1ゲート41a、第2ゲート41b、第3ゲート41c、第4ゲート41d及び第5ゲート41eを含むゲート41が形成されており、ゲート41上には、ゲート絶縁層42が形成されており、ゲート絶縁層42上には、ソース43及びドレイン44が形成されている。ソース延長部分43b及びドレイン延長部分44bは、下方のゲート41の一部領域と重なる形態に形成され、位置は互いに入れ替わることが可能である。ゲート41上部のゲート絶縁層42、ソース43及びドレイン44上には、半導体物質を含むチャネル45が形成されている。
【0042】
図6Bを参照すれば、基板40上に、第1ゲート41a、第2ゲート41b、第3ゲート41c、第4ゲート41d及び第5ゲート41eを含むゲート41が形成されており、ゲート41上に、ゲート絶縁層42が形成されている。そして、各ゲート41a、41b、41c、41d、41eの両側部に対応するゲート絶縁層42上には、ソース延長部分43b及びドレイン延長部分44bが形成されている。ソース延長部分43b及びドレイン延長部分44b及びゲート絶縁層42上には、半導体物質を含むチャネル45が形成されている。前述のように、インクジェット・プリンティング工程によって、ゲート41をライン状に形成する場合、ゲート41断面形状で、上面及び側面が曲面形状を含んだ形態になり、ゲート41の幅は、数nm(例えば1nm)ないし60μm、例えば、35ないし55μmの幅を有するように形成されてもよい。
【0043】
図7は、本発明の実施形態による電子システムのブロックダイアグラムを示した図面である。電子システム7000は、例えば、携帯電話(mobile phone)、スマートフォン(smart phone)、PDA(personal digital assistant)、カムコーダ(camcorder)、自動車ナビゲーション・システム(CNS:car navigation system)及び/またはPMP(portable multimedia player)であるが、それらに限定されるものではない。図7を参照すれば、電子システム7000は、ディスプレイ素子7100に電気的に連結されたシステムバス7300、電源7200、CPU(central processing unit)7400、メモリ7500及びユーザ・インターフェース7600を含んでもよい。ディスプレイ素子7100は、図1Aないし図3D及び図5Aないし図6Bに示された実施形態によるTFTを含んでもよい。CPU7400は、電子システム7000の全体的な動作を制御することができる。メモリ7500は、電子システム7000の動作に必要な情報を保存することができる。ユーザ・インターフェース7600は、電子システム7000とユーザとのインターフェースを提供することができる。電源7200は、他の要素、例えば、CPU7400、メモリ7500、ユーザ・インターフェース7600及びディスプレイ素子7100に電力を供給することができる。
【0044】
上記説明で多くの事項が具体的に記載されているが、それらは発明の範囲をそのまま限定するものではなく、実施形態の例示として解釈されるものである。従って、本発明の範囲は、説明された実施形態によって定めてられるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想によって定められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明のTFT及びTFTの製造方法は、例えば、ディスプレイ関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0046】
1,5,6,8 TFT
10,30,40,100 基板
11,31,41 ゲート
12,32,42,102 ゲート絶縁層
13,33,43 ソース
13a,33a,43a ソース共通部分
13b,33b,43b ソース延長部分
14,34,44 ドレイン
14a,34a,44a ドレイン共通部分
14b,34b,44b ドレイン延長部分
15,35,45 チャネル
31a,41a 第1ゲート
31a,41b 第2ゲート
41c 第3ゲート
41d 第4ゲート
41e 第5ゲート
101 ゲート延長部分
103 ソースまたはドレイン
7000 電子システム
7100 ディスプレイ素子
7200 電源
7300 システムバス
7400 CPU
7500 メモリ
7600 ユーザ・インターフェース
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7
図8A
図8B