(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る内燃機関の吸気装置の第1実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、車両に搭載されたエンジンシステム1の構成図を示している。エンジンシステム1は、内燃機関としてのディーゼルエンジン10(以下、単にエンジンという)と、そのエンジン10の運転に必要な各種構成とを備える形で構成されている。なお、本実施形態では、エンジン10は、4つの気筒11(シリンダ)を有した4気筒エンジンである。各気筒11には、筒内に吸入される吸入空気(ガス)の導入口となる吸気ポートとして、スワール生成ポート12とタンブル生成ポート13の2つの吸気ポートが接続されている。それら吸気ポート12、13は、気筒11の上部に設けられたエンジンヘッド内に形成されている。スワール生成ポート12は、筒内に吸入されるガスにスワール流(横渦)を生じさせる吸気ポートである。タンブル生成ポート13は、筒内に吸入されるガスにタンブル流(縦渦)を生じさせる吸気ポートである。これら2つの吸気ポート12、13により、インジェクタ(図示外)から噴射された燃料と吸気ポート12、13から吸入されたガスとの混じりを良くできる。
【0010】
なお、各吸気ポート12、13と筒内とを繋ぐ開口16(
図3参照)にはその開口16の開閉を行う吸気弁14が設けられている。また、各気筒11には、筒内での燃焼後のガスを筒内から排気する排気ポートが接続されている。その排気ポートと筒内とを繋ぐ開口にはその開口の開閉を行う排気弁15が設けられている。
【0011】
エンジンシステム1には、エンジン10の筒内に吸入される新気が流れる吸気通路21が設けられている。その吸気通路21には、上流側から、新気を圧縮する過給器31、過給器31で圧縮された新気を冷却するインタークーラ32が設けられている。また、インタークーラ32より下流の吸気通路21には、新気量を調整するスロットル33が設けられている。そのスロットル33より下流の吸気通路21から、各気筒11(厳密にはエンジンヘッド)に繋がる通路22(インテークマニホールドの通路。以下、EGRリーンガス通路という)が分岐している。各EGRリーンガス通路22は各気筒11のスワール生成ポート12とタンブル生成ポート13の両方に接続されている。EGRリーンガス通路22及び吸気通路21には、新気のみ又は新気にEGRバルブ41の開度に応じたEGRガスが混ざったガス(以下、EGRリーンガスという)が流れる。
【0012】
また、各気筒11には、各気筒11から排出される排気ガスをまとめて排気通路27に渡すためのエキゾーストマニホールド23が接続されている。なお、排気通路27には、上流側から、排気ガスからエネルギーを回収する過給器のタービン37(可変ノズルターボ(VNT))、排気ガスに対して所定の処理を行う後処理装置38、排気ガスの流量を調整する排気絞り弁39がこの順で配置されている。後処理装置38は、排気ガス中のCO、HC等を酸化して除去する酸化触媒や排気ガス中のPMを除去するDPFなどである。
【0013】
後処理装置38より下流の排気通路27に一端が接続され、他端が過給器37よりも上流にて吸気通路21に接続された低圧EGR通路28が設けられている。その低圧EGR通路28は排気ガスの一部をEGRガスとして吸気通路21に還流するための通路である。低圧EGR通路28には、その低圧EGR通路28を流れるEGRガスを冷却する低圧EGRクーラ40や、そのEGRガスの流量を調整する低圧EGRバルブ41が設けられている。
【0014】
エキゾーストマニホールド23には、排気ガスの一部をEGRガスとして吸気系に還流させるための高圧EGR通路24が接続されている。その高圧EGR通路24には、高圧EGR通路24を流れるEGRガスを冷却する高圧EGRクーラ34や、そのEGRガスの流量を調整する高圧EGRバルブ35が設けられている。その高圧EGRバルブ35より下流の高圧EGR通路24からは、各気筒11(厳密にはエンジンヘッド)に繋がる通路25(以下、EGRリッチガス通路という)が分岐している。各EGRリッチガス通路25は、各気筒11のタンブル生成ポート13に接続されている。詳細には、タンブル生成ポート13の上流にて、タンブル生成ポート13に接続されるEGRリーンガス通路222とEGRリッチガス通路25とが合流し、合流後の通路26(以下、合流後通路という)がタンブル生成ポート13に接続されている。EGRリッチガス通路25には、EGRリーンガス通路22を流れるガス、すなわちEGRリーンガスよりもEGRガスの濃度が濃いガス(以下、EGRリッチガスという)が流れる。
【0015】
EGRリーンガス通路222とEGRリッチガス通路25の合流地点にはバルブ36が設けられている。バルブ36は、例えば3方弁として構成されており、タンブル生成ポート13(厳密には、バルブ36から吸気弁14までの通路)に開通する通路を、EGRリーンガス通路222とEGRリッチガス通路25との間で切り替えるバルブである。以下、バルブ36を切替バルブという。
【0016】
また、エンジンシステム1には、吸気通路21と高圧EGR通路24とを接続する接続通路29が設けられている。その接続通路29は、EGRリーンガス通路22に分岐する前の吸気通路21と、EGRリッチガス通路25に分岐する前の高圧EGR通路24とを接続している。その接続通路29により、吸気通路21及びその下流のEGRリーンガス通路22を流れるガスの圧力と、高圧EGR通路24及びその下流のEGRリッチガス通路25を流れるガスの圧力とを同等にできる。
【0017】
さらに、低圧EGR通路28から還流されるEGRガスやEGRリッチガス通路25を流れるEGRリッチガスだけでは目標EGR率(高EGR率)を達成できない場合には、接続通路29を介して高圧EGR通路24から吸気通路21にEGRガスを流し、吸気通路21を流れるEGRリーンガスのEGR濃度を高くすることで目標EGR率を達成できる。
【0018】
一方、EGRリーンガスとEGRリッチガスの圧力を同等にするために、吸気通路21と高圧EGR通路24を単純に接続しただけでは、その接続した部分を介して、吸気通路21から高圧EGR通路24に、又は高圧EGR通路24から吸気通路21にガスが混入し、筒内での成層化の程度が低下してしまう。そこで、本発明の接続通路29は、通路21、24の一方から他方へのガス混入を抑制できるように一定以上の容積を有している。接続通路29の容積の詳細は後述する。
【0019】
エンジンシステム1には、切替バルブ36を含む各バルブ(スロットル33、EGRバルブ35、41、吸気弁14、排気弁15など)の開閉(開閉時期や開度など)やインジェクタなどを制御することでエンジン10の運転を制御するECU50が設けられている。そのECU50は、CPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータを主として構成されている。ECU50には、エンジン10のクランク角信号ωcや上死点信号Rsを検出するクランク角センサ(図示外)や、気筒判別信号(クランクが2回廻る間に1回出力される信号)Dsを検出するカム角センサ(図示外)が接続されている。そして、ECU50は、それらセンサから入力されたクランク角信号ωc、上死点信号Rs、気筒判別信号Ds等に基づき、燃料噴射時期や噴射量を決定したり、切替バルブ36等のバルブの開閉を制御したりする。
【0020】
次に、ECU50による切替バルブ36の開閉制御の詳細を説明する。ECU50は、筒内での成層化を行う場合には、吸気行程の前半に予め定めた量(容積)のEGRリーンガスを筒内に吸入し、吸気行程の後半に予め定めた量(容積)のEGRリッチガスを筒内に吸入するように、切替バルブ36を制御している。ここで、
図2は、エンジン10の燃焼、排気、吸気、圧縮の各行程における切替バルブ36の開閉時期を説明する図である。詳細には、
図2(A)は、各行程での切替バルブ36の開閉の推移を示している。なお、
図2(A)では、切替バルブ36の開閉を、EGRリッチガス通路25(
図1参照)の開閉に対応させている。つまり、タンブル生成ポート13に対してEGRリッチガス通路25が閉鎖する状態を切替バルブ36の閉状態(閉弁)とし、EGRリッチガス通路25が開通する状態を切替バルブ36の開状態(開弁)としている。
図2(B)は、タンブル生成ポート13側の吸気弁14のリフト量(開度)を示しており、
図2(C)は、タンブル生成ポート13側の吸気弁14から筒内に吸入されるガス量(吸気弁通過流量(g/s))を示している。なお、スワール生成ポート12(
図1参照)側の吸気弁14のリフト量及びその吸気弁14を通過するガス量は、
図2(B)、
図2(C)と同じである。
【0021】
図2(A)に示すように、排気行程の途中の時点71までは、切替バルブ36を閉状態(閉弁)にしている。よって、この時点71では、EGRリーンガス通路222(
図1参照)がタンブル生成ポート13に開通し、タンブル生成ポート13(厳密には、タンブル生成ポート13及び合流後通路26(
図1参照))にはEGRリーンガスで満たされる。ECU50は、
図2(A)の時点71から切替バルブ36の開弁を開始し、吸気行程に入る前の時点72には切替バルブ36を全開にさせる。
図3は、切替バルブ36及びタンブル生成ポート13周辺の構造の断面図であり、時点72での各通路25、222、タンブル生成ポート13に配置されるガスの様子を示している。なお、
図3は吸気行程開始時のガスの様子でもある。
図2(B)、(C)に示すように、時点72では未だ吸気弁14は閉じており、吸気弁通過流量はゼロとなっているので、時点72で切替バルブ36を開弁したとしてもEGRリーンガスとEGRリッチガスとが混在して筒内に吸入されることはない。つまり、
図3に示すように、時点72では、タンブル生成ポート13がEGRリーンガスgleanで満たされるとともに、そのEGRリーンガスgleanの上流端に続く形でEGRリッチガスgrichが配置される。なお、スワール生成ポート12(
図1参照)には常時EGRリーンガスgleanが配置される。
【0022】
その後、吸気行程に入ると(吸気弁14が開弁されると)、タンブル生成ポート13に満たされたEGRリーンガスgleanが筒内に吸入され、そのEGRリーンガスgleanの吸入が完了すると、続いてEGRリッチガスgrichが筒内に吸入される。なお、切替バルブ36にバルブ漏れがある場合などには、実際は、タンブル生成ポート13から、吸気行程の前半にEGRリッチガスgrichが少しは吸入されることがあり、後半にEGRリーンガスgleanが少しは吸入されることがある。この場合には、タンブル生成ポート13からは、吸気行程の前半にEGRリーンガスgleanがEGRリッチガスgrichよりも多めに吸入され、後半にEGRリッチガスgrichがEGRリーンガスgleanよりも多めに吸入されることになる。なお、スワール生成ポート12からは吸気行程の間中、EGRリーンガスが吸入され続ける。
【0023】
図2(A)に示すように、ECU50は、吸気行程中に切替バルブ36を閉弁させる。
図4は、
図3と同様の図であり、吸気行程中における切替バルブ36が全閉した時点73(
図2(A)参照)での様子を示している。
図4の例では、EGRリーンガスgleanの吸入が未だ完了しておらず、タンブル生成ポート13には、EGRリーンガスgleanの一部とEGRリッチガスgrichとが流れている。また、切替バルブ36が全閉されたことで、EGRリーンガス通路222が開通し、EGRリッチガスgrichの上流端に続く形でEGRリーンガスgleanが切替バルブ36後の通路を流れ始める。
【0024】
その後、
図2(B)、(C)に示すように、吸気行程が終了して吸気弁14が全閉されると、吸気弁通過流量がゼロになる。
図5は、
図3と同様の図であり、吸気行程終了時(圧縮行程開始時)での様子を示している。また、
図6は、スワール生成ポート12から筒内(シリンダ11内)に吸入されるガスの流れ(スワール流)と、タンブル生成ポート13から吸入されるガスの流れ(タンブル流)とを模式的に示している。
図6に示すように、スワール流(EGRリーンガス)は筒内の周縁寄りに吸入されるのに対し、タンブル流(EGRリーンガス(吸気行程の前半)、EGRリッチガス(吸気行程の後半))は筒内の中央寄りに吸入される。その結果、
図5に示すように、吸気行程終了時(圧縮行程開始時)では、筒内110の下部111(ピストン17側)にEGRリーンガスgleanが配置され、上部112(吸気弁14側)にEGRリッチガスgrichが配置される。詳細には、上部112の中央付近にEGRリッチガスgrichが配置され、そのEGRリッチガスgrichの周りにEGRリーンガスgleanが配置される。このように、圧縮行程開始時に、EGRリーンガスgleanとEGRリッチガスgrichとを筒内110で層状に分布させることができる。その結果、
図7に示すように、圧縮行程終了時では、インジェクタ44の直下にEGRリッチガスgrichを、そのEGRリッチガスgrichより外側にEGRリーンガスgleanを配置できる。このEGRリッチガスgrichの層はNOxの低減に寄与し、EGRリーンガスgleanの層はスモークの低減に寄与する。つまり、
図7のように層状に配置することで、エミッション(NOx、スモーク)を低減できる。
【0025】
また、
図5に示すように、吸気行程終了時では、タンブル生成ポート13にはEGRリーンガスgleanが配置される。このEGRリーンガスgleanは、次回の吸気行程の前半に筒内に吸入されるガスである。
【0026】
ECU50は、1回の吸気行程で吸入するEGRリッチガスの量(容積)が、1回の吸気行程で吸入される総吸入量の10%〜30%に相当する容積となるように、切替バルブ36の開閉を制御している。つまり、
図5において、EGRリッチガスgrichが占める容積は、筒内110の全容積(総吸入量)の10%〜30%となっている。なお、EGRリーンガスの側から言えば、1回の吸気行程で両方の吸気ポート12、13から吸入するEGRリーンガスの量(容積)が総吸入量の70%〜90%となっている。ここで、
図8は、1回の吸気行程で吸入されるガスの総吸入量(シリンダ吸入量)に対するEGRリッチガスの割合を変えたときのEGR成層化の程度のシミュレーション結果を示している。
図8のシミュレーション結果は、
図1のエンジンシステム1を模擬したときの結果である。なお、EGR成層化の程度とは、吸気行程の後、圧縮行程が完了した段階で最も排気濃度が高い部分と最も排気濃度が低い部分との差を意味する。言い換えると、成層化の程度とは、圧縮行程が完了した段階で最も酸素濃度が低い部分と最も酸素濃度が高い部分との差を意味する。この排気の濃度差又は酸素の濃度差が大きくなるほど、成層化の程度は大きくなる。
【0027】
図8に示すように、EGRリッチガスの割合が15%付近で最もEGR成層化の程度が高くなっている。また、EGRリッチガスの割合が10%〜30%の範囲ではEGR成層化の程度が比較的高くなっている。反対に、
図8の傾向からすると、10%〜30%の範囲外ではEGR成層化の程度が低下すると予想される。よって、EGRリッチガスの割合を総吸入量の10%〜30%とすることでEGR成層化の程度を高くでき、その結果、エミッションを効果的に低減できる。
【0028】
また、EGRリーンガス通路222(吸気通路21)とEGRリッチガス通路25(高圧EGR通路24)とが接続通路29で接続されているので、EGRリーンガスの圧力とEGRリッチガスの圧力とを同等にできる。よって、筒内に層状に吸入されたEGRリーンガスとEGRリッチガスとの成層分布の乱れを抑制できる。この接続通路29が設けられていないとすると、新気に比べて圧力が高い排気ガス(EGRガス)を多く含んだEGRリッチガスの層がEGRリーンガスの層にまで広がってしまい、成層分布が乱れてしまう。
【0029】
さらに、上述したように接続通路29は通路21、24の一方から他方へのガス混入を抑制できる程度の容積を有しており、具体的には、吸気行程の後半に筒内に吸入されるEGRリッチガスの容積(1つの気筒11当たりに吸入されるEGRリッチガスの容積)と同等、又は同等以上の容積を有している。ここで、
図9、
図10は、
図1から要部を抜き出した図であり、接続通路29の容積を確保した場合の吸気行程時の接続通路29を含む各通路内のガスの流れの様子を示している。なお、
図9、
図10では、各通路内のガスの流れを矢印で示している。また、
図9、
図10では、EGRリーンガスgleanを薄いハッチングで図示し、EGRリッチガスgrichを濃いハッチングで図示している。
図9、
図10では、一番右側の気筒11のみ吸気行程が行われている様子を示している。なお、エンジンシステム1においては、4つの気筒11間で時間差をつけて吸気行程が行われる。具体的には例えば左から順に各気筒11に1〜4の番号を付けると、1番の気筒11、3番の気筒11、2番の気筒11、4番の気筒11の順に吸気行程が行われる。
【0030】
図9は、吸気行程の前半の様子、つまり切替バルブ36によりEGRリッチガス通路25が閉鎖、EGRリーンガス通路222が開通して、両吸気ポート12、13からEGRリーンガスgleanの吸入が行われている様子を示している。
図9に示すように、吸気行程の前半では、4番の気筒11の両吸気ポート12、13からはEGRリーンガスgleanが吸入されるので、その吸入量に応じた分だけ、EGRリッチガスgrichが接続通路29から吸気通路21側に流れようとする。
【0031】
このとき、接続通路29は一定以上の容積、具体的には後半に吸入するEGRリッチガスの容積と同等以上の容積を有しているので、接続通路29を流れるEGRリッチガスgrichの大部分は接続通路29内に留まり、吸気通路21に流れ込む量は少ない。ただし、ECU50は、目標EGR率が高い場合に、高圧EGRバルブ35等を調整して、接続通路29を介して高圧EGR通路24から吸気通路21にEGRガスが流れることを許容する。これによって、筒内に吸入されるEGRリーンガスとEGRリッチガスの割合を所定割合に維持しつつ、目標EGR率を達成できる。接続通路29の容積を大きくしすぎてしまうと、高EGR率の際に接続通路29を介した高圧EGR通路24から吸気通路21へのEGRガスの調整ができなくなってしまう。そのため、接続通路29の容積は、接続通路29から吸気通路21にEGRガスが流れ込むのをある程度許容できる容積とするのが好ましく、具体的には例えば1回の吸気行程で吸入される総吸入量以下とするのが好ましい。
【0032】
図10は、吸気行程の後半の様子、つまり切替バルブ36によりEGRリッチガス通路25が開通、EGRリーンガス通路222が閉鎖して、スワール生成ポート12からはEGRリーンガスglean、タンブル生成ポート13からはEGRリッチガスgrichの吸入が行われている様子を示している。吸気行程の後半では、タンブル生成ポート13からはEGRリッチガスgrichが吸入され、EGRリーンガスgleanの吸入は行われないので、EGRリッチガスの吸入量に応じた分だけEGRリーンガスgleanが接続通路29から高圧EGR通路24側に流れようとする。接続通路29から高圧EGR通路24側に流れようとするEGRリーンガスgleanの容積は、EGRリッチガスgrichの容積(吸入量)に相当する。
【0033】
このとき、接続通路29は後半に吸入するEGRリッチガスの容積と同等以上の容積を有しているので、接続通路29を流れるEGRリーンガスgleanの大部分は接続通路29内に留まり、高圧EGR通路24に流れ込む量は少ない。なお、本システム1では、低圧EGR通路28から還流させるEGRガスの量や高圧EGRバルブ35の開度を調整することで、目標EGR率を低くする方向には調整しやすいシステムとなっている。そのため、
図9の場面と異なり、接続通路29を介して吸気通路21側から高圧EGR通路24側へのEGRリーンガスの流れ込みはできるだけ抑制する必要がある。そのために、接続通路29の容積を、前半に吸入するEGRリーンガスの容積を基準にして設定せず、そのEGRリーンガスの容積よりも小さい、後半に吸入するEGRリッチガスの容積を基準にして設定している。
【0034】
ここで、
図11は、1回の吸気行程で吸入されるEGRリッチガスの吸入量に対する接続通路29の容積割合を変化させたときの、EGRリーンガスとEGRリッチガスの混合の程度のシミュレーション結果の図である。
図11の縦軸の混合の程度とは、各EGRリッチガス通路25に分岐する前の高圧EGR通路241(
図1参照)に流入するEGRリーンガスの量を示した指標である。なお、
図11では、接続通路29の容積がゼロのときの混合の程度を100として、その混合の程度(100)を基準として他の容積割合における混合の程度を求めている。
【0035】
図11に示すように、接続通路29の容積割合がゼロから大きくなるにしたがって混合の程度が低下していく。そして、容積割合が100%付近、つまり接続通路29の容積がEGRリッチガスの吸入量と同等のときに、混合の程度はほぼゼロとなる。容積割合が100%以上では(
図11のライン100より右側の領域)、容積割合は、100%のときからほとんど変化していない。このように、接続通路29の容積をEGRリッチガスの吸入量(容積)と同等以上とすることで、接続通路29を介してEGRリーンガスが高圧EGR通路24側に流れ込むのを効果的に抑制できる。その結果、EGRリッチガス通路25を流れるEGRリッチガスのEGR濃度を高濃度に維持でき、筒内における成層化の程度の低下を抑制できる。なお、接続通路29の容積がEGRリッチガスの容積と「同等」の下限は、具体的には例えばEGRリッチガスの容積の80%とすることができる。
図11に示すように、容積割合が80%でも混合の程度は低い値(10以下)となっている。
【0036】
以上説明したように、本実施形態のエンジンシステムによれば、吸気通路(EGRリーンガス通路)とEGR通路(EGRリッチガス通路)とを接続する接続通路が設けられているので、EGRリーンガスとEGRリッチガスとを同等の圧力にでき、EGR成層化の程度が低下するのを抑制できる。また、接続通路の容積がEGRリッチガスの容積と同等以上となっているので、接続通路を介してEGRリーンガスがEGRリッチガス通路に流れ込むのを抑制でき、成層化の程度が低下するのを抑制できる。
【0037】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を第1実施形態と異なる部分を中心にして説明する。
図12は、本実施形態のエンジンシステム2の構成図を示している。なお、
図12において、
図1と同一の構成には同一符号を付している。
図12に示すように、エンジンシステム2では、タンブル生成ポート13にはEGRリッチガス通路25のみが接続されている(EGRリーンガス通路22は接続されていない)。EGRリーンガス通路22はスワール生成ポート12のみに接続されている。EGRリッチガス通路25には、そのEGRリッチガス通路25の開閉を行うバルブ42(以下、吸気時間制御バルブという)が設けられている。吸気時間制御バルブ42は、例えばシャッター弁であったり、バタフライ弁であったりする。また、吸気時間制御バルブ42を駆動するアクチュエータ43が設けられている。その他の構成は
図1と同じである。
【0038】
ECU50は、吸気行程の前半にEGRリーンガスを吸入し、後半にEGRリッチガスを吸入するように、アクチュエータ43を制御する。ここで、
図13は、エンジン10の各行程における吸気時間制御バルブ42の開閉時期を説明する図である。詳細には、
図13(A)は、各行程での吸気時間制御バルブ42の開閉の推移を示している。
図13(B)は、タンブル生成ポート13側の吸気弁14のリフト量を示しており、
図13(C)は、タンブル生成ポート13側の吸気弁14を通過するガス量を示している。なお、スワール生成ポート12側の吸気弁14のリフト量及びその吸気弁14を通過するガス量は、
図2(B)、
図2(C)と同じである。
【0039】
図13(A)に示すように、ECU50は、吸気行程に入る前に、アクチュエータ43を制御して吸気時間制御バルブ42を閉じておく。その後、吸気行程に入ると、ECU50は、吸気行程の途中までは吸気時間制御バルブ42を閉じたままにしておく。これにより、
図13(C)に示すように、吸気行程の途中まではタンブル生成ポート13からはEGRリッチガスの吸入が行われずに、スワール生成ポート12からEGRリーンガスの吸入が行われる。ECU50は、吸気行程の途中で吸気時間制御バルブ42を開ける(
図13(A)参照)。これにより、吸気行程の途中から、すなわち吸気行程の後半から、タンブル生成ポート13からのEGRリッチガスの吸入が開始される。なお、吸気時間制御バルブ42にバルブ漏れがある場合などには、実際は、吸気行程の前半にはタンブル生成ポート13からもEGRリッチガスの吸入が少しは行われる。この場合には、タンブル生成ポート13からは、吸気行程の前半よりも後半にEGRリッチガスが多めに吸入されることになる。なお、吸気行程の後半も、スワール生成ポート12からはEGRリーンガスの吸入が行われる。その後、吸気弁14が閉じて吸気行程が終了すると、両吸気ポート12、13からの吸入が終了する。これによって、吸気行程の終了時(圧縮行程の開始時)に、第1実施形態と同様の成層分布(
図5参照)にすることができる。
【0040】
また、ECU50は、第1実施形態と同様に、後半に吸入するEGRリッチガスの吸入量が総吸入量の10%〜30%となるように、吸気行程中における吸気時間制御バルブ42の開時期を設定している。ここで、
図14は、1回の吸気行程で吸入されるガスの総吸入量(シリンダ吸入量)に対するEGRリッチガスの割合を変えたときのEGR成層化の程度のシミュレーション結果を示している。
図14のシミュレーション結果は
図12のエンジンシステム2を模擬したときの結果である。
図14に示すように、EGRリッチガスの割合が15%付近で最もEGR成層化の程度が高くなっている。また、
図14では、EGRリッチガスの割合が約25%以上の範囲ではデータが得られていないものの、約25%までのEGR成層化の程度の変化の傾向からすると、EGRリッチガスの割合が30%の場合でもEGR成層化の程度は比較的高いと予想される。よって、第1実施形態と同様に、EGRリッチガスの割合を総吸入量の10%〜30%とすることでEGR成層化の程度を高くでき、その結果、エミッションを効果的に低減できる。
【0041】
さらに、接続通路29は、第1実施形態と同様に、吸気行程の後半に吸入するEGRリッチガスの容積と同等以上の容積を有している。そのため、接続通路29を介して吸気通路21からのEGRリーンガスがEGRリッチガス通路25(EGR通路24)に流れ込むのを抑制でき、EGR成層化の程度が低下するのを抑制できる。
【0042】
このように、本実施形態では第1実施形態と同様の効果が得られる。加えて、タンブル生成ポートの上流にてEGRリーンガス通路とEGRリッチガス通路とを合流させる必要がないので、吸気ポート上流の通路を簡素化できる。
【0043】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を上記実施形態と異なる部分を中心にして説明する。
図15は、本実施形態のエンジンシステム3の構成図を示している。なお、
図15において、
図1と同一の構成には同一符号を付している。
図15に示すように、エンジンシステム3では、第2実施形態のエンジンシステム2と同様に、スワール生成ポート12にはEGRリーンガス通路22のみが接続され、タンブル生成ポート13にはEGRリッチガス通路25のみが接続されている。なお、第2実施形態と異なる点として、EGRリッチガス通路25にはそのEGRリッチガス通路25の開閉を行うバルブが設けられていない。その他の構成は
図1と同じである。
【0044】
ECU50は、吸気行程の前半にEGRリーンガスを吸入し、後半にEGRリッチガスを吸入するように吸気弁14の開閉時期やリフト量を制御する。ここで、
図16は、筒内で成層化を行うときの吸気弁のリフト量(同図(A))と、吸気弁14を通過するガス量(同図(B))とを示している。
図16(A)において、ライン101はスワール生成ポート12側の吸気弁14のリフト量、ライン102はタンブル生成ポート13側の吸気弁14のリフト量を示している。
図16(B)において、ライン103はスワール生成ポート12側の吸気弁14を通過するガス量、ライン104はタンブル生成ポート13側の吸気弁14を通過するガス量を示している。
図16との対比のために、成層化を行わないとき(通常モードのとき)、つまりスワール生成ポート12からは吸気行程の間中、EGRリーンガスを吸入し続け、タンブル生成ポート13からはEGRリッチガスを吸入し続けるときの吸気弁14のリフト量及び吸気弁14を通過するガス量を
図17に示す。
【0045】
図16(A)のライン101に示すように、ECU50は、成層化を行うときには、
図17の通常モードのときと同様のリフトとなるように、スワール生成ポート12側の吸気弁14を制御する。これにより、
図16(B)のライン103に示すように、スワール生成ポート12からは吸気行程の間中、EGRリーンガスが吸入し続ける。また、
図16(A)のライン102に示すように、ECU50は、吸気行程の途中まではタンブル生成ポート13側の吸気弁14を閉じたままにしておく。これにより、
図16(B)のライン104に示すように、吸気行程の途中まではタンブル生成ポート13からはEGRリッチガスの吸入が行われない。ECU50は、吸気行程の途中でタンブル生成ポート13側の吸気弁14のリフトを開始する(ライン102参照)。これにより、吸気行程の途中から、すなわち吸気行程の後半から、タンブル生成ポート13からのEGRリッチガスの吸入が開始される(ライン104参照)。なお、吸気弁14に漏れがある場合などには、実際は、吸気行程の前半にはタンブル生成ポート13からもEGRリッチガスの吸入が少しは行われる。この場合には、タンブル生成ポート13からは、吸気行程の前半よりも後半にEGRリッチガスが多めに吸入されることになる。両吸気弁14が閉じて吸気行程が終了すると、両吸気ポート12、13からの吸入が終了する。これによって、吸気行程の終了時(圧縮行程の開始時)に、第1実施形態と同様の成層分布(
図5参照)にすることができる。
【0046】
また、ECU50は、上記実施形態と同様に、後半に吸入するEGRリッチガスの吸入量が総吸入量の10%〜30%となるように、スワール生成ポート12側の吸気弁14のリフト量や、タンブル生成ポート13側の吸気弁14のリフト開始時期及びリフト量を制御している。なお、
図16(A)に示すように、本実施形態では、タンブル生成ポート13側の吸気弁14のリフト量を、スワール生成ポート12側の吸気弁のリフト量よりも小さくしている。先に説明した
図14のシミュレーション結果は、本実施形態のエンジンシステム3にも適用される。このように、本実施形態においてもEGRリッチガスの割合を総吸入量の10%〜30%とすることでEGR成層化の程度を高くでき、その結果、エミッションを効果的に低減できる。
【0047】
さらに、接続通路29は、上記実施形態と同様に、吸気行程の後半に吸入するEGRリッチガスの容積と同等以上の容積を有している。そのため、接続通路29を介して吸気通路21からのEGRリーンガスがEGRリッチガス通路25(EGR通路24)に流れ込むのを抑制でき、EGR成層化の程度が低下するのを抑制できる。
【0048】
このように、本実施形態では上記実施形態と同様の効果が得られる。加えて、第1実施形態の切替バルブや第2実施形態の吸気時間制御バルブを設ける必要がないので、吸気ポート上流の構成を簡素化できる。
【0049】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を上記実施形態と異なる部分を中心にして説明する。本実施形態は第1実施形態の変形例である。
図18は、本実施形態のエンジンシステム4の構成図を示している。なお、
図18において、
図1と同一の構成には同一符号を付している。
図18に示すように、エンジンシステム4では、EGRリッチガス通路25が吸気ポート12、13の上流にて2つの通路251、252に分岐し、一方の通路251はスワール生成ポート12に接続され、他方の通路252はタンブル生成ポート13に接続されている。また、EGRリーンガス通路22はタンブル生成ポート13のみに接続されている。詳細には、タンブル生成ポート13の上流にてEGRリッチガス通路252とEGRリーンガス通路22とが合流し、合流後の通路がタンブル生成ポート13に接続されている。そして、それら通路252、22の合流地点には、第1実施形態と同様の機能を有する切替バルブ36が設けられている。その他の構成は
図1と同じである。
【0050】
ECU50は、吸気行程の前半にEGRリッチガスを吸入し、後半にEGRリーンガスを吸入するように、切替バルブ36を制御する。ここで、
図19は、切替バルブ36の開閉の推移を示した図である。
図19では、切替バルブ36の開閉を、EGRリーンガス通路22(
図18参照)の開閉に対応させている。つまり、タンブル生成ポート13に対してEGRリーンガス通路22が閉鎖する状態を切替バルブ36の閉状態とし、EGRリーンガス通路22が開通する状態を切替バルブ36の開状態としている。それ以外は、
図2(A)と同じである。
図19に示すように切替バルブ36の開閉が制御されることで、タンブル生成ポート13からは、吸気行程の前半にEGRリッチガスが吸入され、後半にEGRリーンガスが吸入される。なお、切替バルブ36にバルブ漏れがある場合などには、実際は、タンブル生成ポート13から、吸気行程の前半にEGRリーンガスが少しは吸入されることがあり、後半にEGRリッチガスが少しは吸入されることがある。この場合には、タンブル生成ポート13からは、吸気行程の前半にEGRリッチガスがEGRリーンガスよりも多めに吸入され、後半にEGRリーンガスがEGRリッチガスよりも多めに吸入されることになる。なお、スワール生成ポート12からは吸気行程の間中、EGRリッチガスが吸入され続ける。これにより、吸気行程の終了時(圧縮行程の開始時)に、筒内の下部にEGRリッチガスを、上部にEGRリーンガスを配置できる。つまり、
図5の筒内110におけるEGRリーンガスgleanとEGRリッチガスgrichの配置を逆転した成層分布にできる。
【0051】
また、接続通路29は吸気行程の後半に吸入するEGRリーンガスの容積と同等以上の容積を有している。そのため、EGRリーンガスとEGRリッチガスの圧力を同等にできるとともに、接続通路29を介したEGRリーンガスとEGRリッチガスの混合を抑制でき、EGR成層化の程度が低下するのを抑制できる。このように、本実施形態では上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0052】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態を上記実施形態と異なる部分を中心にして説明する。本実施形態は第2実施形態の変形例である。
図20は、本実施形態のエンジンシステム5の構成図を示している。なお、
図20において、
図12と同一の構成には同一符号を付している。
図20に示すように、エンジンシステム5では、EGRリーンガス通路22はタンブル生成ポート13のみに接続され、EGRリッチガス通路25はスワール生成ポート12のみに接続されている。そして、EGRリーンガス通路22には、そのEGRリーンガス通路22の開閉を行う吸気時間制御バルブ42が設けられている。それ以外の構成は
図12と同じである。
【0053】
ECU50は、
図13(A)のように吸気時間制御バルブ42の開閉を制御する(アクチュエータ43を制御する)。これによって、吸気行程の前半にEGRリッチガスが吸入され、後半にEGRリーンガスが吸入される。なお、吸気時間制御バルブ42にバルブ漏れがある場合などには、実際は、吸気行程の前半にもEGRリーンガスの吸入が少しは行われる。この場合には、タンブル生成ポート13からは、吸気行程の前半よりも後半にEGRリーンガスが多めに吸入されることになる。
【0054】
また、接続通路29は吸気行程の後半に吸入するEGRリーンガスの容積と同等以上の容積を有している。そのため、EGRリーンガスとEGRリッチガスの圧力を同等にできるとともに、接続通路29を介したEGRリーンガスとEGRリッチガスの混合を抑制でき、EGR成層化の程度が低下するのを抑制できる。このように、本実施形態では上記第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0055】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態を上記実施形態と異なる部分を中心にして説明する。本実施形態は第3実施形態の変形例である。
図21は、本実施形態のエンジンシステム6の構成図を示している。なお、
図21において、
図15と同一の構成には同一符号を付している。
図21に示すように、エンジンシステム6では、EGRリーンガス通路22はタンブル生成ポート13のみに接続され、EGRリッチガス通路25はスワール生成ポート12のみに接続されている。それ以外の構成は
図15と同じである。
【0056】
ECU50は、
図16のように吸気弁14のリフトを制御する。これによって、吸気行程の前半にEGRリッチガスが吸入され、後半にEGRリーンガスが吸入される。なお、吸気弁14に漏れがある場合などには、実際は、吸気行程の前半にはEGRリーンガスの吸入が少しは行われる。この場合には、タンブル生成ポート13からは、吸気行程の前半よりも後半にEGRリーンガスが多めに吸入されることになる。
【0057】
また、接続通路29は吸気行程の後半に吸入するEGRリーンガスの容積と同等以上の容積を有している。そのため、EGRリーンガスとEGRリッチガスの圧力を同等にできるとともに、接続通路29を介したEGRリーンガスとEGRリッチガスの混合を抑制でき、EGR成層化の程度が低下するのを抑制できる。このように、本実施形態では上記第3実施形態と同様の効果が得られる。
【0058】
なお、本発明に係る内燃機関の吸気装置は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載を逸脱しない限度で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、接続通路は、各EGRリーンガス通路、EGRリッチガス通路に分岐する前の吸気通路とEGR通路とを接続していたが、分岐後のEGRリーンガス通路とEGRリッチガス通路とを接続する接続通路を設けたとしてもよい。また、例えば、上記第2実施形態では、
図22に示すように、各EGRリッチガス通路25に分岐する前のEGR通路241に、吸気時間制御バルブ42及びその吸気時間制御バルブ42を駆動するアクチュエータ43を設けても良い。
図22において、吸気時間制御バルブ42、アクチュエータ43以外は
図12の構成を同じである。これによって、吸気時間制御バルブ42、アクチュエータ43をそれぞれ1つにすることができる。同様に、第5実施形態においても、各EGRリーンガス通路22に分岐する前の通路211(
図20参照)に、1つの吸気時間制御バルブ42、アクチュエータ43を設けても良い。また、上記実施形態では内燃機関としてディーゼルエンジンのシステムに本発明を適用した例を説明したが、ガソリンエンジンのシステムに本発明を適用しても良い。