特許第5934152号(P5934152)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5934152
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月15日
(54)【発明の名称】脛骨切除システム、方法、及び装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/56 20060101AFI20160602BHJP
   A61B 17/14 20060101ALI20160602BHJP
【FI】
   A61B17/56
   A61B17/14
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-155606(P2013-155606)
(22)【出願日】2013年7月26日
(62)【分割の表示】特願2009-515615(P2009-515615)の分割
【原出願日】2007年6月12日
(65)【公開番号】特開2013-240695(P2013-240695A)
(43)【公開日】2013年12月5日
【審査請求日】2013年8月23日
(31)【優先権主張番号】60/812,849
(32)【優先日】2006年6月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397071355
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】マーク・イー・ナザディ
(72)【発明者】
【氏名】クリス・エフ・サイファート
(72)【発明者】
【氏名】ステファン・ダブリュ・クラウザー
【審査官】 森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−041510(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0249385(US,A1)
【文献】 米国特許第05628749(US,A)
【文献】 特表平07−506745(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 13/00 − 18/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脛骨の一部を覆い、平面内に切断機器を導くように構成されている第一切断ガイドと、
略脛側から略腓側に延在する長さを有する前記第一切断ガイドと、
前記長さに略垂直に後方に延在する深さを有する前記第一切断ガイドと、
溝が略横方向の面に沿って延びるように前記第一切断ガイドの長さ及び深さに沿って延在する前記溝を有する前記第一切断ガイドと、
前記第一切断ガイドに対して所定の角度で方向付けられている第二切断ガイドであって、横断面内において前記切断機器が骨組織を切断することを制限するように、前記第一切断ガイドから略後方へ延在するように構成されている前記第二切断ガイドと、
を備える脛骨切除ガイドにおいて、
前記第二切断ガイドが、前後方向に延在している切除部分であって、前記切断機器を受容するように構成されている前記切除部分を具備するピンであることを特徴とする脛骨切除ガイド。
【請求項2】
前記第一切断ガイドの横断面に略直角に延伸するように構成され、前記第二切断ガイドの後方へ位置付けられる第三切断ガイドを備えることを特徴とする請求項1に記載の脛骨切除ガイド。
【請求項3】
前記脛骨切除ガイドを前記骨組織に固定する骨組織固定器具と、
前記第一切断ガイドの内/外反角度を方向付けるように構成された切断ガイドサポートとを有する支持構造体を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の脛骨切除ガイド。
【請求項4】
前記支持構造体が腓側切除ガイドを受けるように構成されるポートを備えることを特徴とする請求項3に記載の脛骨切除ガイド。
【請求項5】
前記腓側切除ガイドが連結器で前記支持構造体に固定されることを特徴とする請求項4に記載の脛骨切除ガイド。
【請求項6】
前記骨組織固定器具は、髄外ロッドガイドであることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の脛骨切除ガイド。
【請求項7】
前記骨組織固定器具が手術野の外にくるように、前記切断ガイドサポートから離れて前記骨組織固定器具を配置させるように構成されたオフセットを備えることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の脛骨切除ガイド。
【請求項8】
前記第二切断ガイドが前記脛骨内に延在することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の脛骨切除ガイド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨組織切除のシステム、方法、及び装置に関する。より詳細には、本発明は、脛骨切除と軟組織切除とのシステム、方法、及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の切断機器は全て骨組織外で案内され、一度その機器が骨組織内に進入すると、もはや案内されることはない。例えば先端フレやスカイビングなどの問題は、骨組織切断、移植片位置合わせ及び固定に影響を及ぼし得る。また上述の器具は、硬/軟部組織の下では適合せず、これら組織の切除又は移動を必要としていた。
【0003】
本出願は、2006/6/12に出願された特許文献1で強みを請求している。先行出願は、参考の為にその全体を開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国仮出願第60/812849号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
脛骨切除ガイドは、第一切除ガイドと第二切除ガイドとを備える。第一切断ガイドは、脛骨の一部を覆い、平面内に切断機器を方向付けるように構成されている。第一切断ガイドは、略脛側から略腓側に延在するような長さを有する。第一切断ガイドは、前記長さに対して略垂直な後方に延びる深さと、第一切断ガイドの長さ及び深さに沿って延びる溝とを備え、この溝は、略横方向面に沿って延在する。第二切断ガイドは、第一切断ガイドに対して所定の角度に方向付けられ、第一切断ガイドから略後方へ延びるように構成される。第二切断ガイドは、切断する骨組織から横方向の平面中に、切断機器を制限する。
【0006】
さらに、切除ガイドは、第一切断ガイドの横方向平面に対して略直角に延びるように構成され、第二切断ガイドの後方に位置付けられた第三切断ガイドを備えても良い。
【0007】
別の実施形態では切除ガイドを備えても良く、第一及び第二切断ガイドは脛側を切断するように構成されている。
【0008】
さらに、切除ガイドは、支持構造体をさらに備えても良い。支持構造体は、切除ガイドを骨組織に固定するように構成された骨組織固定器具を備える。支持構造体は、第一切断ガイドの内/外反角度を方向付けるように構成された切断ガイドサポートを、付加的に備えても良い。
【0009】
別の実施形態では、支持構造体が腓側切除ガイドを受けるように構成されたポートを有する切除ガイドを備えても良い。
【0010】
1つの実施形態では切除ガイドを備えることができ、ここで腓側切除ガイドは連結器で支持構造体に固定されている。
【0011】
別の実施形態では切除ガイドを備えることができ、ここで骨組織固定器具は髄外ロッドガイドである。
【0012】
さらに、支持構造体は、骨組織固定器具が手術野の外に配置されるように、切断ガイドサポートから離れて骨組織固定器具を配置させるように構成されたオフセットを備えても良い。
【0013】
さらに、支持構造体は、脛骨と膝蓋腱との間に切断ガイドサポートを配置させ、そして骨組織固定器具を膝蓋腱上に配置させるように構成されたオフセットを備えても良い。
【0014】
1つの実施形態において、第二切断ガイドはピンである。
【0015】
さらに、ピンは切断機器を保持するように構成された切除部分を備えても良い。
【0016】
第二切断ガイドの別の実施形態は、切断機器を保持するための切除部分を有するスリーブを備えても良い。
【0017】
別の実施形態において、第二切断ガイドは、脛骨内に延在しても良い。
【0018】
脛骨の一部を切除する方法は、第一切断ガイドの第一切断面を脛側/腓側の横断面に方向付ける段階を有する。第一切断面は、切断面の内/外反角度を定める。
【0019】
別の段階は、第二切断ガイドを第一切断面に挿入することである。第二切断面は第一切断面において末梢へ伸びるとともに、脛側/腓側切除の方向に切断機器の可動範囲を限定する。
【0020】
別の段階は、第一切断ガイドにおける第一切断面に沿って、骨組織外面から、第二切断ガイドへ向けて、脛骨を切断する。
【0021】
別の実施形態は、第三切断ガイドを第一切断面に対して、略垂直に位置付ける段階をさらに備えている。第三切断ガイドは、矢状面において延在している。別の段階は、第三切断ガイドの矢状面末梢に沿って、近位部から切断機器が第二切断ガイドに接するまで、切断機器で脛骨を切断する。
【0022】
別の実施形態においては、挿入段階は、穴が第一切断面に沿って位置合わせされるように、骨組織にドリルで穴を開ける段階をさらに有することができる。
【0023】
さらに、挿入段階は、ピンを骨組織に挿入する段階をさらに有しても良い。
【0024】
さらに、第二切断ガイドはピン上にスリーブを備えても良い。挿入段階は、スリーブが骨組織に配置されるとき、スリーブからピンを抜き去る段階をさらに備えても良い。
【0025】
1つの実施形態においては、この方法は、切断段階後に腓側切断ガイドを第一切断ガイドに取り付ける段階をさらに有しても良い。
【0026】
別の実施形態において、この方法は、切断ガイドを骨組織に固定する段階をさらに有する。
【0027】
本発明のさらなる応用領域は、以下に提供される詳細な説明によって明白となるだろう。以下には本発明の好適な実施形態を表しているが、詳細な説明と具体例とは図解を行う目的にのみ適用され、本発明の適用範囲を限定するものではない。
【0028】
明細書に組み込まれ、その一部を形成する添付図面は本発明に係る実施形態を図解しており、記載されている説明と共に、本発明の原理原則、特徴、概観を明らかにする。
[付記項1]
脛骨の一部を覆い、平面内に切断機器を導くように構成されている第一切断ガイドと、
略脛側から略腓側に延在する長さを有する前記第一切断ガイドと、
前記長さに略垂直に後方に延在する深さを有する前記第一切断ガイドと、
溝が略横方向の面に沿って延びるように前記第一切断ガイドの長さ及び深さに沿って延在する前記溝を有する前記第一切断ガイドと、
前記第一切断ガイドに対して所定の角度で方向付けられ、前記第一切断ガイドから略後方へ延在するように構成された、切断する骨組織から離れた横断面において、切断機器に限界を設ける第二切断ガイドとを備えることを特徴とする脛骨切除ガイド。
[付記項2]
前記第一切断ガイドの横断面に略直角に延伸するように構成され、前記第二切断ガイドの後方へ位置付けられる第三切断ガイドを備えることを特徴とする付記項1に記載の切除ガイド。
[付記項3]
前記第一及び第二切断ガイドが、脛側を切断する為に構成されることを特徴とする付記項1〜2のいずれかに記載の切除ガイド。
[付記項4]
前記切除ガイドを前記骨組織に固定する骨組織固定器具と、
前記第一切断ガイドの内/外反角度を方向付けるように構成された切断ガイドサポートとを有する支持構造体を備えることを特徴とする付記項1〜3のいずれかに記載の切除ガイド。
[付記項5]
前記支持構造体が腓側切除ガイドを受けるように構成されるポートを備えることを特徴とする付記項4に記載の切除ガイド。
[付記項6]
前記腓側切除ガイドが連結器で前記支持構造体に固定されることを特徴とする付記項5に記載の切除ガイド。
[付記項7]
前記骨組織固定器具は、髄外ロッドガイドであることを特徴とする付記項4〜6のいずれかに記載の切除ガイド。
[付記項8]
前記骨組織固定器具が手術野の外にくるように、前記切断ガイドサポートから離れて前記骨組織固定器具を配置させるように構成されたオフセットを備えることを特徴とする付記項4〜7のいずれかに記載の切除ガイド。
[付記項9]
前記脛骨と前記膝蓋腱との間に前記切断ガイドサポートを配置させるとともに、前記骨組織固定器具を前記膝蓋腱上に配置させるように構成されたオフセットを備えることを特徴とする付記項4〜7のいずれかに記載の切除ガイド。
[付記項10]
前記第二切断ガイドはピンであることを特徴とする付記項1〜9のいずれかに記載の切除ガイド。
[付記項11]
前記ピンが前記切断機器を保持するように構成された切除部分を備えることを特徴とする付記項10に記載の切除ガイド。
[付記項12]
前記第二切断ガイドは前記切断機器を保持する切除部分を有するスリーブであることを特徴とする付記項1〜9のいずれかに記載の切除ガイド。
[付記項13]
前記第二切断ガイドが前記脛骨内に延在することを特徴とする付記項1〜12のいずれかに記載の切除ガイド。
[付記項14]
脛側/腓側の横断面において、第一切断ガイドの、前記切断面の内/外反角度を定める第一切断面を方向付ける段階と、
第二切断ガイドを前記第一切断面に挿入する段階であって、前記第二切断面は前記第一切断面において末梢へ伸びるとともに、脛側/腓側切除の方向において切断機器の移動範囲を限定する段階と、
前記第一切断ガイドにおける前記第一切断面に沿った前記骨組織外面から、前記第二切断ガイドへ向けて、前記脛骨を切断する段階とを有することを特徴とする脛骨部切除方法。
[付記項15]
第三切断ガイドを前記第一切断面に対して略垂直に方向付ける段階であって、前記第三切断ガイドは矢状面に延在する段階と、
前記第三切断ガイドの矢状面末梢に沿って、近位部から前記切断機器が前記第二切断ガイドに接するまで、前記切断機器で前記脛骨を切断する段階とを備えることを特徴とする付記項14に記載の脛骨部切除方法。
[付記項16]
穴が前記第一切断面に沿って位置合わせされるように、前記挿入段階が前記骨組織にドリルで穴を開ける段階を備えることを特徴とする付記項14〜15のいずれかに記載の脛骨部分切除方法。
[付記項17]
前記挿入段階がピンを前記骨組織に挿入する段階を備えることを特徴とする付記項14〜16のいずれかに記載の脛骨部切除方法。
[付記項18]
前記第二切断ガイドとピン上におけるスリーブであり、前記スリーブが前記骨組織に配置されるとき、前記挿入段階が前記ピンを前記スリーブから抜き去る段階を備えることを特徴とする付記項14〜17のいずれかに記載の脛骨部切除方法。
[付記項19]
前記切断段階の後、腓側切断ガイドを前記第一切断ガイドに取り付ける段階を備えることを特徴とする付記項14〜18のいずれかに記載の脛骨部切除方法。
[付記項20]
前記切断ガイドを前記骨組織に固定する段階を備えることを特徴とする付記項14〜19のいずれかに記載の脛骨部切除方法。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】脛骨切除ガイドの実施形態図である。
図2】脛骨を置き、切断ガイドを受けている、図1に記載される脛骨切除ガイドの部分図である。
図3】切断ガイドが挿入された状態における、図2に記載される脛骨切除ガイドの部分図である。
図4】脛側切除に関する脛骨切除ガイドの実施形態図である。
図5】脛側切除に対して位置付けられる、腓側切除ガイドの実施形態図である。
図6図5に記載される腓側切除ガイドの、別の実施形態図である。
図7】脛側切除に関する脛骨切除ガイドの部分実施形態図である。
図8図7に記載される脛骨切除ガイドの、別の実施形態図である。
図9図7に記載される脛骨切除ガイドの、別の部分図である。
図10】脛骨切除ガイドの実施形態図である。
図11】切除部分を有するピンの、実施形態端面図である。
図12】切除部分を有するピンの、別の実施形態端面図である。
図13】切除部分を有するピンの、別の実施形態端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
好適な実施形態の下記説明は単に典型的事例に過ぎず、決して本発明、その適用、又は利用を限定するものではない。
【0031】
図面を参照すると、図1には、脛骨切除ガイド10の実施形態図が描かれている。ガイド10は、脛側切断ガイド12と、腓側切断ガイド14と、骨組織固定器具18とを備える。この実施形態において、骨組織固定器具18は、髄外ロッドガイド20と堅締ノブ22とを有する、髄外ロッド連結器である。脛側/腓側切断ガイド12、14は、位置決めねじ24、26を備え、この位置決めねじは、脛側及び腓側切断ガイド12、14を、可変脛側/腓側スロット(スロット28は腓側用)に沿った位置に固定する。切断ガイド12、14におけるピンスロット30、32は、切断ガイドを受けるように構成されている。垂直切断ガイド34、36は、ピンスロット30、32の上部に方向付けされる。
【0032】
骨組織固定器具18は、切断ガイドを骨組織に固定するように構成される。髄外ロッドガイドは、膝に対する内反/外反角度を持たせるために方向付けされても良い。さらに固定ピンは、切除ガイド10を骨組織に固定する為に、切除ガイド10における開口部を貫通して利用されても良い。切除ガイド10が、髄外ロッド上に適切に位置付けられ、方向付けされるとき、ノブ22は切除ガイド10を所定の位置に固定するように堅締されても良い。
【0033】
切断ガイド12、14は骨組織固定器具18に対して、切断面を脛側/腓側に向けて位置合わせされるように方向付けされる。位置決めねじ24、26は、脛側/腓側切断ガイド12、14を、脛側/腓側における所定の位置に据え付ける。位置決めねじ24、26が緩められるとき、脛側/腓側切断ガイドは腓側方向及び脛側方向に可変配置されても良い。さらに、切断ガイド12、14を個別に取り外す為に、位置決めねじ24、26が除去されても良い。切断ガイド12、14は、切除ガイド10のサイズを最小化するために、独立して利用されても良い。より小さな切除ガイド10は、切り込みサイズを最小化させるとともに、軟部組織の除去若しくは置換を最低限化させる。
【0034】
切断ガイド12及び14は、水平切断面と垂直切断面とを備える。水平及び垂直切断面は、脛骨に対する水平及び垂直切断面を決定する。これらガイド12及び14が利用されるとき、脛骨は、軟部組織が保持される切除部間の内側顆に対する棚部維持用骨を有する脛側及び腓側切除部を備える。例えば、前後十字靱帯は内側顆に沿って脛骨に付着しており、内外区画が個別に切断されるときには保護され得る。
【0035】
動作中には、ガイド10は髄外ロッド上に配置され、ロッドに固定されている。ロッドの角度は、切除ガイド10の内反/外反回転を決める。通常は、脛側区画が最初に切除される。脛側切断ガイド12は、脛骨上に配置される。(例えば図2に記載される)ピンは、脛骨内に挿入される。水平切断は、脛骨への横断面でなされる。ピンは、横断面に沿って据え付けられる。垂直切断ガイド34は、横断面に対して所定の角度で配置され、ピンにまで及ぶ。したがってピンは、水平切断ガイドと垂直切断ガイドの矢状面によって形成される横断面に存在する。横断面における切断はピンまでなされ、矢状面は脛骨上部からピンまで切り落とされる。
【0036】
ピン状切断ガイドは、横断面及び矢上面の両方で切断を限定する。このことは、切除部の下を切り落とす可能性を最小化する。またこのことは、軟部組織を傷つける場合のある過大切断を防ぐ。切断の経路に物理的な停止装置を設けることによって、切断は抑制装置を超えて延在することはない。またピンは、骨組織における応力集中部を減らすため、角に面取りを備えても良い。さらに下記に記載の通り、ピンは先端がそれるのを制限し、切断中の切断器具をより良好に位置合わせさせるか、又はより安定させ得る。
【0037】
図2を参照すると、図2は、図1に記載されている脛骨切除ガイド10の部分図であり、脛骨切除ガイド10は、脛骨40上に配置され、前後切断ガイド42を受けている。腓側切断ガイド14は、脛骨40の腓側に対して配置される。前後切断ガイド42は、脛骨内へ前後に延在して良く、外装44とピン46とを備える。前後切断ガイド42は、腓側切除ガイド14の横断方向ガイドにおける、スロット受け48内に挿入される。前後切断ガイド42は、骨組織内に挿入されても良い。あるいは、骨組織にドリルで穴を開け、前後切断ガイド42がスロット受け48に挿入されても良い。一旦、前後切断ガイドがスロット受け48内に配置されれば、ピン46は、図3に記載されているように、切断スロットを残しつつ外装44から取り去られて良い。
【0038】
図3を参照すると、図3は、切断ガイドが挿入された状態における、図2に記載される脛骨切除ガイドの部分図である。前後切断ガイド42のピンは、スロット受け48に外装44を残しつつ取り去られる。前後外装スロット50は、脛骨40の前部から後部へ延在する。外装スロット50は切断装置を外装スロット50に沿って挿入させることを可能にし、切断を開始し、切断装置の先端を制御する。切断は、水平スロット52内で、腓側へ向かって続く。また外装スロット50は横切断を安定させ、適切に位置合わせさせる。横切断が形成されるとき、切断は外装スロット50よりも脛側に延伸しなくても良い。
【0039】
垂直スロット54は、脛骨40の近位部から外装44に延在する。本実施形態において、外装は停止装置として位置付けられ、垂直切断に対して下方に起点を形成しない。しかし、スロット受け48と外装スロット50とは、垂直スロット54が外装スロット50と位置合わせされるように配置されても良い。
【0040】
図4を参照すると、図4は、脛側切除に関する脛骨切除ガイド60の実施形態図である。脛骨切除ガイド60は、スパイクロッド62と共に骨に連結される。スパイクロッド62は、脛骨切除ガイド60の髄外ガイド66に付随している。ピン64は、骨組織に対する脛側切断ガイドに付随している。付加的な骨組織固定器具は、ピンホール68を通ってピンに達しても良い。可変脛側/腓側スロット67は、脛骨に対して脛側ガイド60を脛側及び腓側へ動かし、したがって図1のスロット28と同じ働きをする。位置決めねじ72は、切断ガイド60の脛側及び腓側位置を固定する。
【0041】
ピン64は、お互いに異なる高さを有しても良く、第一ピンが脛骨に打ち込まれ、次いでスパイクロッド(及びよって髄外ロッドガイド66と切断ガイド60)が回転させられ、短小ピン64が骨組織に打ち込まれても良い。一度、二番目の短小ピンが配置されると、ガイド60は骨組織に固定される。
【0042】
脛側切除部分76は、脛骨の横切断面78と垂直切断面80とを示す。★前後ピンが、横切断面78と垂直切断面80との交差位置に配置され、よって、横及び垂直切断面が形成される際には、前後ピンが横切断面の横外縁部と垂直切断面の下外縁部とを制限するように、前後ピンスロット82が位置付けられる。
【0043】
図5を参照すると、図5は、脛側切除に対して配置される、腓側切除ガイド90の実施形態図である。例えば腓側切除ガイド90は、図4に記載される脛側切除ガイドと一緒に利用されても良い。腓側ガイド90は脛側パッド92を備え、このパッドは脛骨に対して腓側切断ガイド93を方向付ける。位置決めねじ94は、スライド96に腓側切除ガイド90の脛側及び腓側位置を定める。固定は、膝を伸ばし、脛側パッド92上に押し付けられる大腿骨内側顆を備えることで実現される。さらに、ピンホール100は、腓側切除ガイド90を骨組織に固定するのに利用されても良い。また、腓側切断の邪魔にならないように、膝蓋骨を動かしながら大腿骨を伸ばすことで、膝蓋骨は緊張を解かれる。腓側切除に対する水平及び垂直切断ガイドは、上述の切断と同じように機能する。
【0044】
切断は、矢状のこぎり若しくは往復のこぎりを使ってなされても良い。往復のこぎりを使うとき、前後ガイドにおいて好適な切断が始まり、前後ガイドスロット内において脛骨の後方へ向かって進む。脛骨の前から後ろへの完璧な切断の後に、鋸刃は腓側ガイド94の横軸スロット内において押し出される。
【0045】
図6を参照すると、図6は、図5に記載される腓側切除ガイドの、別の実施形態図である。脛側パッド92は、脛側切除部分76の上に据え置かれている。脛側切除部分76における任意の変形は、脛側パッド92を通って腓側に動かされる。したがって脛側/腓側切除間のズレは、腓側区画より最初の脛側区画の続発性切断を経て最小化される。
【0046】
図7、8を参照すると、図7は脛側切除に対する脛骨切除ガイド110の部分実施形態図である。髄外ロッド112は、切除ガイド110をステップダウンブロック114に固定する。さらに、ピン116はガイド110を骨組織に固定する。脛側切断ガイド120はノブ122と一緒に脛側/腓側に動かされても良く、位置決めねじ124によって所定の位置に据え付けられる。脛側切断ガイド120を通る前後切断ガイド126は、脛側切除部分の切断を制限する。図8は、図7に記載される脛骨切除ガイド110の、別の実施形態図である。脛側切除部分140は、横切断面144と垂直切断面146との交差部における、溝底切断面142を示す。
【0047】
図9を参照すると、図9は、図7に記載される脛骨切除ガイド110の、別の部分図である。図7、8に記載される脛側ガイドと同じスロットが、腓側切断ガイド160を受ける。ノブ122が、腓側切断ガイド160を脛側/腓側方向に位置付けても良い。なぜなら切除ガイド110が、脛側切除が形成されるときと同じ方向に固定されるからであり、腓側切断に対する脛側切除の方向は相反しない。
【0048】
ステップダウンブロック114は、骨組織固定器具の一部及び、切断面同士から離れるようにガイド110を方向付ける部品を動かすオフセット量を有している。このことにより、切断面により接近でき、切断面に対する追加の視野を可能にする。
【0049】
図10を参照すると、図10は、脛骨切除ガイド180の実施形態図である。切断ガイドサポートが、脛側切断ガイド182と腓側切断ガイド184とを受ける。この実施形態において、切断ガイドサポートはガイドポスト186である。骨組織固定器具188は、オフセット190によってガイドポスト186に連結されている。位置決めねじ192は、切断ガイド182及び184をガイドポスト186に固定する。ガイドポスト186は、軌道196及び198それぞれに沿って、個別に切断ガイド182及び184を脛側/腓側に動かすことができる。
【0050】
脛骨切除ガイド180は、従来の切除ガイドよりもやや小規模である。骨組織固定器具188が切り口外に在りながら、ガイドポスト186を切り口内に挿入させる為に、オフセット190が形成されている。オフセット190の曲線は、脛骨と膝蓋腱との間にガイドポスト186を位置付け、そして膝蓋腱上に骨組織固定器具188を位置付ける。切除ガイド180の規模を最小化する為に、切断ガイド182と184とは個別に利用されても良い。
【0051】
図11〜13を参照すると、図11は、切除部分202を有するピン200の、実施形態端面図である。図12は、切除部212分を有するピン210の、別の実施形態端面図である。図13は、切除部分222を有するピン220の、別の実施形態端面図である。これらのピン200、210及び220のそれぞれは、前述の切除ガイドの実施形態におけるピンとして利用されても良い。切除部分202とは、ピン200の前後方向における単一スロットに限定される部分である。切除部分212及び222は、前後方向における直交面で切断機器を捉えるように構成される。切除部分212がピン210の断面と接するように延在する一方で、切除部分222はピン220の断面部の割線に沿うように延在する。切除部分212及び222が直角に配置される一方で、切除部分212及び222は互いに任意の角度で配置されても良い。さらに、もし、ピンが予め空けられた穴内部に配置されるのではなく骨に打ち込まれる場合には、外装は切除部分を充填するようにピンと一緒に利用されても良い。
【0052】
本発明の適用範囲から逸脱しない添付図に従った上述の説明のように、典型的な実施形態に対して様々な修正が施されうる。つまり、前述の説明に含まれ、そして添付図面に示される全ての事象は、制限的というよりむしろ実例的であると解釈されるべきである。したがって本発明の適用範囲は、上述されている任意の典型的な実施例に限定されるべきではなく、下記に付加される請求項及びそれと等価な物でのみ決定されるべきである。
【符号の説明】
【0053】
10 脛骨切除ガイド
12 腓側切断ガイド
14 腓側切断ガイド
18 骨組織固定器具
20 髄外ロッドガイド
22 堅締ノブ
24 位置決めねじ
26 位置決めねじ
28 可変腓側スロット
30 ピンスロット
32 ピンスロット
34 垂直切断ガイド
36 垂直切断ガイド
40 脛骨
42 前後切断ガイド
44 外装
46 ピン
48 スロット受け
50 外装スロット
52 水平スロット
54 垂直スロット
60 脛骨切除ガイド
62 スパイクロッド
64 ピン
66 髄外ガイド
67 可変脛側/腓側スロット
68 ピンホール
72 位置決めねじ
76 脛側切除部分
78 横切断面
80 垂直切断面
82 前後ピンスロット
90 腓側切除ガイド
92 脛側パッド
93 腓側切断ガイド
94 位置決めねじ
96 スライド
100 ピンホール
110 脛骨切除ガイド
126 前後切断ガイド
180 脛骨切除ガイド
112 髄外ロッド
114 ステップダウンブロック
116 ピン
120 腓側切断ガイド
122 ノブ
124 位置決めねじ
140 脛側切除部分
142 溝底切断面
144 横切断面
146 垂直切断面
160 腓側切断ガイド
182 腓側切断ガイド
184 腓側切断ガイド
188 骨組織固定器具
186 ガイドポスト
190 オフセット
196 軌道
198 軌道
200 ピン
202 切除部分
210 ピン
212 切除部分
220 ピン
222 切除部分
図11
図12
図13
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10