(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
a)インフルエンザBが試料中に存在しているときに、少なくとも2つのオリゴヌクレオチドプライマーを用いることで、インフルエンザBのマトリックス遺伝子標的核酸を増幅するステップであって、
前記2つのオリゴヌクレオチドプライマーは、
i)前記インフルエンザBのマトリックス遺伝子標的核酸にハイブリダイズすることができる、配列番号69のオリゴヌクレオチドであり、および、
ii)増幅した標的核酸産物を産生するための前記インフルエンザBのマトリックス遺伝子標的核酸にハイブリダイズすることができる、配列番号74〜77のいずれかひとつのオリゴヌクレオチドである、
ステップ、
および
b)インフルエンザBのマトリックス遺伝子標的核酸の検出が試料中インフルエンザBの存在を示す、前記インフルエンザBのマトリックス遺伝子標的核酸を検出するステップ、
を含むことを特徴とする試料中インフルエンザBの存在を検出するための方法。
前記インフルエンザBのマトリックス遺伝子標的核酸の検出が、オリゴヌクレオチドプローブにハイブリダイゼーションすることによって実施されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
前記オリゴヌクレオチドプローブがオリゴヌクレオチド配列部分を含み、前記オリゴヌクレオチド配列が配列70〜73のひとつを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
前記インフルエンザBのマトリックス遺伝子標的核酸がPCR(Polymerase Chain Reaction)によって増幅されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
前記オリゴヌクレオチドプローブがさらに制限酵素切断部位を含み、前記制限酵素切断部位は、BsoBI、HincII、AvaI、NciIおよびFnu4HIからなる部位の群から選択されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
前記キットが、さらにオリゴヌクレオチドレポータープローブを含み、前記オリゴヌクレオチドレポータープローブが配列番号70−73のオリゴヌクレオチド配列を含むことを特徴とする請求項9に記載のキット。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5547861号明細書
【特許文献2】米国特許第6656680号明細書
【特許文献3】米国特許第6743582号明細書
【特許文献4】米国特許第6316200号明細書
【特許文献5】米国特許第5928869号明細書
【特許文献6】米国特許第5648211号明細書
【特許文献7】米国特許第5744311号明細書
【特許文献8】米国特許第5455166号明細書
【特許文献9】米国特許第5270184号明細書
【特許文献10】欧州特許第0684315号明細書
【特許文献11】米国特許第5691145号明細書
【特許文献12】米国特許第5846726号明細書
【特許文献13】米国特許第5919630号明細書
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Spargo, C. A. et al., Molecular and Cellular Probes, 10:247-256, 1996
【非特許文献2】Nadeau, J. G. et al., Analytical Biochemistry, 276:177-187, 1999
【非特許文献3】Nycz, C.M. et al., Analytical Biochemistry, 259:226-234, 1998
【非特許文献4】Hellyer, T.J. et al., Journal of Clinical Microbiology, 37: 518-523, 1999
【非特許文献5】Walker, G. T. et al., Nucleic Acids Research, 20:1691-1696, 1992
【非特許文献6】Mehrpouyan, M. et al., Molecular and Cellular Probes, 11:337-347, 1997
【非特許文献7】Little, M. C. et al., Clinical Chemistry, 45:777-784, 1999
【非特許文献8】Wang, Sha-Sha et al., Clinical Chemistry, 49:1599-1607, 2003
【非特許文献9】Cha, R.S. and Thilly, W.G., 1995, "Specificity, Efficiency, and Fidelity of PCR," PCR Primer: A Laboratory Manual., at pp. 37-62, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Plainview, NY
【非特許文献10】Roux, K., Id. at pp. 37-62
【非特許文献11】Bustin, S.A. and Nolan, T., 2004, "Basic RT-PCR Considerations," A-Z of Quantitative PCR, at pp. 359-395, International University Line, La Jolla, CA
【非特許文献12】Altshuler, M. L., 2006, PCR Troubleshooting: The Essential Guide, Caister Academic Press, Norfolk, UK
【非特許文献13】Tyagi and Kramer, Nature Biotech., 14:303-308, 1996
【非特許文献14】Walker et al. Nucleic Acids Research, 20:1691-1696, 1998
【非特許文献15】Higgins et al., CABIOS, 5(2):151-153, 1989
【非特許文献16】Hellyer TJ. & Gillespie SH (ed), "Antibiotic Resistance methods and Protocols," Humana, Totowa, NJ, pp. 141-155, 2000
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、以下の例示的実施形態によって説明することができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。本発明の任意の一実施形態は、本発明によって提供される利点をすべて示さない場合があるが、異なる実施形態は異なる利点を提供できる。本発明は、本明細書において特定の実施形態で記載されているが、本発明は本開示の精神および範囲内でさらに変更できる。したがって、本発明は、本発明の一般的原理を使用する本発明の任意の変更、使用または適応を含むことを意図する。さらに本発明は、本発明が関連する技術分野において周知または慣行の範囲であり、かつ添付の請求項の限定の範囲内であるような、本開示に対する変更を含む。
【0010】
本発明は、プライマーおよびプローブとして有用な新規オリゴヌクレオチドならびに一方もしくは両方のインフルエンザ株および/または他の無関係なウイルス/顕微鏡レベルの生物を含有する試料中のインフルエンザAおよびBを特異的に検出する方法を開示する。本発明は、本発明の方法の実施において有用な本発明の新規オリゴヌクレオチドを含むキットをさらに開示する。本発明のプライマーおよびプローブのヌクレオチド配列は、各株のゲノムに特有であるが、各株中の多数のウイルスにわたって保存もされているインフルエンザAおよびインフルエンザBのゲノムの領域に特異的にハイブリダイズするように設計される。したがって本発明の一実施形態は、インフルエンザAおよびインフルエンザBのゲノムのこれらの分類学的に特有な領域に特異的にハイブリダイズし、したがって試料中のインフルエンザAおよび/またはインフルエンザBの存在の検出において有用であるオリゴヌクレオチドプローブおよびプライマーである。したがって本発明のオリゴヌクレオチドは、本明細書において記載するアッセイ条件下で他のインフルエンザウイルス型由来の核酸にクロスハイブリダイズしない。さらに本発明のオリゴヌクレオチドは、本明細書において記載するアッセイ条件下でインフルエンザに関係しないウイルス由来の核酸にクロスハイブリダイズしない。
【0011】
本発明のオリゴヌクレオチドは、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、核酸配列ベース増幅(NASBA)、転写介在増幅(TMA)、ローリングサークル型増幅(RCA)、鎖置換増幅(SDA)、好熱性SDA(tSDA)または連結介在増幅(LMA)などの当技術分野において周知の種々の核酸増幅技術において使用できる。本発明のオリゴヌクレオチドは、増幅することなくウイルス核酸との直接ハイブリダイゼーションを介するインフルエンザAおよびBの直接検出のための、あるいはウイルス核酸のDNAもしくはRNA複製物またはその相補体を検出するための当業者に周知のさまざまな方法においても使用できる。
【0012】
さらに本発明のキットの実施形態は、インフルエンザAもしくはインフルエンザBの一方または両方の株の特異的検出を可能にする本発明の1つまたは複数のオリゴヌクレオチドを含む。キットは、他のインフルエンザ型または他のウイルスもしくはインフルエンザとは無関係の生物の核酸とのクロスハイブリダイゼーションによって生じる検出アッセイにおける偽陽性結果が最少となり、好ましくは無くなるようなインフルエンザAおよび/またはインフルエンザBの特異的検出を可能にする。
【0013】
さらなる実施形態において本発明のオリゴヌクレオチドは、試料中にインフルエンザAだけが存在するのかどうかを決定するための種々の増幅および/またはハイブリダイゼーション検出反応のいずれにおいても利用できる。増幅および/またはハイブリダイゼーション技術を介してインフルエンザAだけの特異的検出を提供するキットも開示される。
【0014】
さらなる実施形態において本発明のオリゴヌクレオチドは、試料中にインフルエンザBだけが存在するのかどうかを決定するために述べられた種々の増幅および/または検出反応のいずれにおいても利用できる。増幅および/またはハイブリダイゼーション技術を介してインフルエンザBだけの特異的検出を提供するキットも開示される。
【0015】
核酸材料が検査される検体は、それだけに限らないが、鼻咽頭、鼻および喉の拭き取り検体ならびに鼻咽頭吸引物および洗浄物などの任意の生物学的検体であってもよい。検体は、より効率的なウイルス核酸の検出を可能にするために検査に先だって予備処理(いくつかの予備処理手順は周知である)を受けてもよい。例えば試料は、ウイルスを安定化するために輸送培地に回収および添加することができる。鼻咽頭、鼻および喉の拭き取り検体は、好ましくは輸送培地に入れられる。鼻咽頭吸引物および洗浄物は、輸送培地の添加によって安定化されても、されなくてもよい。検査室で受領されるとウイルスは不活性化され、ウイルスRNAを遊離するために溶解されてもよい。次いで核酸は、潜在的な阻害物質または後のアッセイ段階に干渉する他の物質を除くために任意選択で抽出されてもよい。本発明の方法を実施するためにウイルス核酸は、インフルエンザAおよび/またはインフルエンザBの特異的検出に必須の成分と混合されてもよい。
【0016】
本発明のオリゴヌクレオチドは、検出可能部分を含むオリゴヌクレオチドも含む。例えば、本発明において有用な検出可能部分として、それだけに限らないが、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)/テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)、FITC/Texas Red(商標)(Molecular Probes)、FITC/N−ヒドロキシサクシニミジル1−ピレン酪酸(PYB)、FITC/エオシンイソチオシアネート(EITC)、FITC/ローダミンX、FITC/テトラメチルローダミン(TAMRA)などの供与体−消光剤色素対を挙げることができる。P−(ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(DABCYL)は、フルオレセイン、5−(2’−アミノエチル)アミノナフタレンまたはローダミンなどの隣接するフルオロフォア由来の蛍光を効果的に消光する非蛍光消光色素である。他の好ましいオリゴヌクレオチド標識として、それだけに限らないが、フルオレセインおよびローダミンなどの単一フルオロフォア、
32Pおよび
35Sなどの放射性標識、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、グルコースオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ダイズペルオキシダーゼまたはルシフェラーゼなどの酵素ならびにジゴキシゲニン、ビオチンおよび2,4−ジニトロフェニルなどのハプテンが挙げられる。
【0017】
本発明のオリゴヌクレオチドは、配列番号3〜24および27〜77ならびに、アッセイ条件下で配列番号3〜24および27〜77の相補体である配列を有する核酸に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを含む。アッセイ条件には、例えば、52.5℃で実施されるtSDA反応に使用されるもの:143mMビシン、82mM KOH、24.5mM KPO
4、12.5%DMSO、1.67%グリセロール、100ng/μl BSA、2ng/μl酵母RNA、100nMの各dATP、dGTP、dTTP、500nM dCsTPおよび6.7mM酢酸マグネシウムが含まれる。
【0018】
本発明のオリゴヌクレオチドは、配列番号19〜24および27〜77などの標的結合配列を含む。これらの配列は、A型またはB型インフルエンザのいずれかにおいて高度に保存されているインフルエンザAおよびBマトリックス遺伝子配列に対応する。例えば配列番号19、20、23および24はインフルエンザA型において高度に保存されている。配列番号19のヌクレオチド配列は、
図3で示されるとおり、配列番号25として提供されるインフルエンザAマトリックス遺伝子のヌクレオチド119〜133に対応する。さらに配列番号20の標的結合配列は、ヌクレオチド1個が変更されていること以外は配列番号19と同じである。したがって本質的にこれらの配列からなるプライマーは、配列番号25の同じ領域に相補的な配列にハイブリダイズする。さらに配列番号23は、配列番号25のヌクレオチド位置117〜131に対応し、配列番号24は、配列番号25のヌクレオチド位置159〜173に対応する。インフルエンザAマトリックス遺伝子内のこれらの標的結合領域は、配列番号25中あるいは任意のインフルエンザAマトリックス遺伝子内のこの配列に対応する領域の5’もしくは3’方向の一方または両方向での12個ものヌクレオチドによって調整できることならびに本発明と同じ結果が達成できることが予想される。配列番号26のヌクレオチド位置22〜37および92〜106に対応するインフルエンザB標的結合配列、配列番号21および22に関して、これらの領域に特異的にハイブリダイズするように設計された本発明のオリゴヌクレオチドは、長さ12個までのヌクレオチドまたは配列番号26中あるいは任意の対応するインフルエンザBマトリックス遺伝子内のこの配列に対応する領域の5’もしくは3’方向の一方または両方向のいずれかの位置によって調整できること、ならびにインフルエンザB型にハイブリダイズするのに同じ特異性が達成できることが予想される。
【0019】
さらに下記の表1に列挙する、標的結合配列CTTTCCCACCGAACC(配列番号21)に対応する下線付き部分を有する、3’増幅プライマーに対応する例えば配列番号9などのこれらの標的結合配列を含む本発明のオリゴヌクレオチドは、同様に、この下線付き部分の5’もしくは3’方向の一方またはその両方への伸長または移動によって、いずれかの方向に12個までの追加のヌクレオチドを含むように変更されるこの標的結合配列に対応する配列を有することができる。これは、配列番号7〜10に対応するオリゴヌクレオチドなどの本発明の標的結合配列を含む任意のオリゴヌクレオチドに応用される。
【0020】
本発明のオリゴヌクレオチドは、本発明による方法において使用できるバンパープライマーも含む。配列番号3による配列から本質的になるバンパープライマーは、5’バンパープライマーの例であり、インフルエンザAの存在を特異的に検出する検出方法において使用でき、インフルエンザAマトリックス遺伝子(配列番号25)のヌクレオチド49〜65に対応する。本明細書において例として開示する他のバンパープライマーは、インフルエンザAマトリックス遺伝子(配列番号25)のヌクレオチド190〜206に対応する配列番号4、インフルエンザBマトリックス遺伝子(配列番号26)のヌクレオチド2〜18に対応する配列番号5およびインフルエンザBマトリックス遺伝子(配列番号26)のヌクレオチド170〜187に対応する配列番号6を含む。上で考察した標的結合配列および増幅プライマーと同様に、これらのバンパープライマーのそれぞれが、約12個またはそれ以上のヌクレオチドによって5’もしくは3’方向の一方またはその両方で調整でき、所望の方法の結果を達成するために、すなわちインフルエンザAもしくはインフルエンザBの一方またはその両方の存在を特異的に検出するために依然として機能することが予想される。
【0021】
すなわち、例えばインフルエンザA型についての配列番号19、20、23および24ならびにインフルエンザB型についての21および22による、インフルエンザAまたはインフルエンザBのマトリックス遺伝子配列のいずれかに特異的にハイブリダイズするように設計された本発明のオリゴヌクレオチドは、位置および長さについて調整されてもよく、かつインフルエンザAまたはインフルエンザBのマトリックス遺伝子への特異的ハイブリダイゼーションを依然として達成することが予想される。本発明のオリゴヌクレオチドは、そのような変更されたオリゴヌクレオチドを使用しても特異性が獲得できることを当業者が周知であるこれらの変異体を包含する。
【0022】
本発明のオリゴヌクレオチドを使用するハイブリダイゼーションおよび/または増幅は、好熱性SDA、中温性SDAおよびPCR条件を使用して広範囲の化学的および熱的条件にわたって達成できる。好熱性SDAがDNAまたはRNA標的配列にハイブリダイズおよび増幅するために使用されているいくつかの例が報告されている。(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3および非特許文献4を参照)。
【0023】
中温性SDAを使用するハイブリダイゼーションおよび/または増幅のための反応条件を記載する例も報告されている。中温性SDAは、増幅プライマーおよびレポータープローブ内の5’(非ハイブリダイゼーション領域)配列の改変、および好熱性SDAと比較して低い温度で最適に機能する例えばAvaIなどの別の制限酵素の使用、ならびに所望の範囲内に至適温度を有するポリメラーゼ酵素(例えばおよそ35〜42℃の間の温度に対するエキソクレノウポリメラーゼ)の使用を必要とする。別の制限酵素の使用はまた、例えばHincII制限酵素での中温性SDAは、好熱性BsoBIに基づくアッセイ系で使用されるdCsTPの代わりにチオエート−dATPの使用を必要とするなどの別の修飾ヌクレオチドの取り込みを必要とする。(非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7および非特許文献8を参照)。
【0024】
本発明のオリゴヌクレオチドは、標的配列にハイブリダイズし、かつ/またはそれを増幅するための広範囲のPCR条件においても使用できる。そのような条件は、PCR条件の設計および標的配列のハイブリダイゼーションおよび/または増幅を最適化するために使用できるトラブルシューティング技術に関して既に報告されている。(非特許文献9、非特許文献10、非特許文献11および非特許文献12を参照)。
【0025】
当業者は、核酸がハイブリダイズするために完全な相補性を必要としないことを既知である。したがって本明細書において開示するプローブおよびプライマー配列は、インフルエンザマトリックス遺伝子特異的プローブおよびプライマーとしての有用性を失うことなく改変できる。当業者は、100%相補的ではない相補体および核酸配列のハイブリダイゼーションは、ストリンジェンシーを高めるまたは低めるハイブリダイゼーション条件の調整によって得られることも既知である。それに反する記載が無ければ、開示される配列のそのような小さな変更およびインフルエンザウイルスの特異性を維持するために必要な任意のハイブリダイゼーション条件の調整は、本発明の範囲内の変更であると考えられる。
【0026】
例えばSDA反応において使用できる本発明の一実施形態のオリゴヌクレオチドは、表1に示されるとおりである。インフルエンザRNA配列に相補的な領域に下線を付け、制限酵素認識部位(例えばBsoBI)をイタリック体にする。インフルエンザシグナルプライマーと対比して内部標準シグナルプライマーに作製した意図的変異を太字にし、それは、標的配列の増幅を模倣し、かつ同じ増幅プライマーおよびバンパープライマーを使用するようにアッセイに任意選択で添加される内部核酸にハイブリダイズするように設計される。
【0028】
一実施形態において本発明のオリゴヌクレオチドは、配列番号19〜24の中から選択される配列からなってもよく、さらに特に制限酵素認識部位(RERS)などの追加のヌクレオチドを含むことができる。本発明の一実施形態においてRERSは、BsoBI部位である。本発明において有用である他の制限酵素部位として、それだけに限らないが例えばHincII、AvaI(BsoBIのイソ制限酵素)、NciIおよびFnu4HIが挙げられる。
【0029】
他の実施形態において本発明のオリゴヌクレオチドは、配列番号3〜24および27〜77のヌクレオチド配列を有する1つまたは複数のポリヌクレオチドからなるか、または本質的にそれからなることができる。さらに他の実施形態において配列番号3〜24による核酸配列を有するオリゴヌクレオチドは、試料中にインフルエンザAおよび/またはインフルエンザBが存在するかどうかを決定するためのSDA反応において使用できる。(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3および特許文献4において開示のNadeauらの方法を参照。)SDAは、
図1Aおよび1Bに模式的に表されている。例えば開示のプライマーおよびプローブは、特許文献1に記載されているシグナルプライマー反応と同様のやり方でSDAにおいて使用できる。
【0030】
本質的に、3’標的結合配列および非相補性5’尾部を有するシグナルプライマー(S1)は、増幅プライマー(A1)より下流から標的配列にハイブリダイズする(
図1C、ステップ(1))。
図1Cに表すとおり、シグナルプライマーのハイブリダイゼーション部位全体は、増幅プライマーのハイブリダイゼーション部位より下流である。しかし標的上のシグナルプライマーおよび増幅プライマーのハイブリダイゼーション部位は、本発明の方法に顕著に影響することなく部分的に(典型的にはいくつかのヌクレオチドだけで、好ましくは約1から約12ヌクレオチド)重なってもよい。本明細書において使用する用語「より下流」は、標的上のシグナルプライマーおよび増幅プライマーのハイブリダイゼーション部位に関して、一般的には標的中の重なっていないおよび部分的に重なっている配列を包含する。
【0031】
図1Cのステップ(2)において増幅プライマーおよびシグナルプライマーは、ポリメラーゼ反応によって同時に伸長される。増幅プライマーの伸長は、一本鎖シグナルプライマー伸長産物を置換する(
図1C、ステップ(2))。第3のステップにおいて、第2の増幅プライマー(A2)は、シグナルプライマー伸長産物にハイブリダイズする(
図1C、ステップ(3))。ステップ(4)は、一方の端に半修飾RERSを有する二本鎖の第2の増幅産物を産生するための増幅プライマーおよびシグナルプライマー伸長産物の伸長をもたらす(
図1C、ステップ(4))。RERSの未修飾S2鎖のニック形成、ニックからの伸長および下流鎖の置換は、シグナルプライマーの相補体を含む一本鎖オリゴヌクレオチドを産生し(
図1C、ステップ(5))、それは次にレポータープローブの3’尾部にハイブリダイズする(
図1C、ステップ(6))。レポータープローブおよびシグナルプライマー相補体の3’末端からの伸長は、二本鎖制限部位の形成を生じる(
図1C、ステップ(7))。蛍光シグナルは、制限部位の二本鎖の切断およびフルオロフォアと消光剤部分との分離を介して生じる(
図1C、ステップ(8))。シグナルプライマーの相補体および二本鎖の第2の増幅産物は、標的が存在し、かつ増幅される場合にだけ産生される。したがってこれらのオリゴヌクレオチドは、標的増幅の指標として検出できる。
【0032】
図1Cに示す検出方法により、二本鎖の第2の増幅産物は検出できる。しかしこれは、検出方法のこの一形式のいくつかの可能な実施形態のうち1つの例示を意味するに過ぎない。本発明のオリゴヌクレオチドが有用であってもよい多数のさまざまな可能な検出方法がある。
【0033】
例えば
図1Bにより示される方法の他の実施形態において、ステップ(3)の一本鎖オリゴヌクレオチドは、レポーター分子へのハイブリダイゼーションによって直接検出できる(
図1D)。
【0034】
図1によって示される方法のさらなる実施形態において、典型的には色素である供与体/消光剤の対で標識されたヘアピンレポーター検出可能部分は、供与体蛍光がSDA反応において消光されるように利用できる(例えば特許文献5を参照)。検出可能部分が検出されるために完全に二本鎖となるようにする必要がなくてもよいことは、当業者に理解される。例えばヘアピン構造の部分的な相補体は、ヘアピンの基部の腕を相互にハイブリダイズさせないために十分であることができる。
【0035】
本明細書において使用する「二本鎖レポーター部分」は、それらがレポーター部分を検出可能にするために十分に二本鎖であるとの条件で、完全におよび部分的にの両方での二本鎖のレポーター部分を包含することを意味する。レポーター部分がプライマー伸長反応において二本鎖にされる場合、ヘアピンは、アンフォールドされる。アンフォールディングにおいて、供与体および消光剤は、消光剤による供与体蛍光の消光が低減または除去されるように空間的に十分に分離される。結果として得られる供与体蛍光での増大または蛍光の消光における変化に伴う他の蛍光パラメーターにおける変化(例えば蛍光寿命、蛍光偏光または消光剤/受容体の発光における変化など)は、標的配列の増幅の指標として検出できる。
【0036】
加えて、複数の検出可能なレポーター部分は、単一のレポータープローブ内に組み合わせることができる。例えば標識されたヘアピンは、一本鎖「ループ」中に一本鎖RERSを含むことができる。この実施形態においてレポーター部分の相補体の合成は、蛍光の増大をもたらすためにヘアピンをアンフォールドするだけでなく、同時にRERSを切断可能またはニック形成可能にし、追加の蛍光の増大をもたらすことができる。
【0037】
他の実施形態においてレポータープローブの折りたたまれた検出可能なレポーター部分(例えばヘアピン)は、アダプター配列の相補体にハイブリダイズしない。しかし選択的実施形態においてアダプター配列は、その相補配列がレポータープローブの折りたたまれたレポーター部分の全体または一部にハイブリダイズするように選択できる。この実施形態においてハイブリダイゼーションは単独で、ハイブリダイゼーション後のポリメラーゼ触媒伸長の必要なくシグナルを産生するためにレポーター部分をアンフォールドするかまたは部分的にアンフォールドする。この実施形態における折りたたまれた検出可能なレポーター部分は、レポータープローブの配列の全体または一部を含むことができる。そのような実施形態の一例においてレポータープローブは、分子ビーコン、ビーコンヘアピンのループがアダプター配列の全体または一部を含むヘアピンオリゴヌクレオチドであってもよい。(例えば非特許文献13を参照)。アダプター配列の相補体が標的の増幅中に合成される際に、それは分子ビーコンに結合し、構造をアンフォールドし、蛍光の増大を生じる。
【0038】
特許文献6および特許文献7に記載の好熱性鎖置換アッセイは、本発明の核酸を使用して実施することもできる。使用される酵素が熱不安定性(すなわち温度感受性)であることから、Walkerら(非特許文献14)によって記載のとおり従来の中温性SDAは、約37℃から42℃の間の一定の温度で実施される。増幅反応を進める酵素は、反応温度が上昇すると不活性化される。しかし、制限酵素BsoBIおよびBstDNAポリメラーゼなどの熱安定性酵素を使用して高温で等温性SDAを実施する能力は、いくつかの有利点を有する。例えば高い温度での増幅は、増幅プライマーと鋳型DNAとの間のよりストリンジェントなアニーリングを可能にし、したがって増幅工程の特異性を改善し、バックグラウンド反応を低下させる可能性がある。バックグラウンド反応の重要な原因は、増幅プライマーが互いに相互作用する際に生成される短い「プライマー二量体」であり、律速薬剤の消費を介して標的配列の所望の増幅の効率を損なう。そのようなプライマー二量体の形成は、反応のストリンジェンシーの低下が、限定的な相同性を有する配列間の一過的ハイブリダイゼーションの可能性を増大させることから低温でより生じやすい。高温でSDAを実施する能力は、プライマー二量体相互作用の可能性を低下させ、バックグラウンド増幅を抑制し、かつ特異的標的の増幅効率を改善する。加えて、50℃から70℃の範囲の高温での増幅は、ポリメラーゼによる鎖置換を促進する可能性があり、次いで標的増幅の効率を増大させ、増幅産物の収率の増加をもたらす。
【0039】
したがって本発明のいくつかの実施形態において、本発明のオリゴヌクレオチドは、熱安定性酵素の使用に適切な条件下でその目的の標的にアニールする。少なくとも特異的標的結合配列に関して、アニーリングは、温度約50℃から約70℃で約50から約500mMアルカリ金属イオン(通常カリウムイオン)、好ましくは約100から200mMアルカリ金属イオンの溶液中、または同等の溶液条件においてインフルエンザA特異的オリゴヌクレオチドが、インフルエンザA核酸にアニールするがインフルエンザB核酸、インフルエンザC核酸またはインフルエンザではない核酸にはアニールしない程度には特異的であると考えられる。
【0040】
本発明の方法の他の実施形態においてレポータープローブは、一本鎖配列と折りたたまれたレポーター部分の全体または一部との両方が増幅中に産生されると共にアダプター配列に相補的な配列にハイブリダイズするように、一本鎖配列の3’から折りたたまれたレポーター部分を含んで設計できる。
【0041】
他の代替の実施形態において他のレポーター部分は、
図1に示す反応スキームにおいて置換できる。例えば、G−カルテットなどの他の折りたたまれた核酸構造は、蛍光の消光を低下させるために同様の標的依存的方法で置換およびアンフォールドできる。別法として、特殊化した直鎖配列を例えばRERSであるレポーター部分として
図1Cに示すとおり使用できる。RERSをレポーター部分として使用する場合、供与体および消光剤は、RERSが二重鎖になり、かつ標的依存的方法において切断される際に供与体および消光剤が別々の核酸断片に分離されるように、切断部位に隣接して連結される。これらの代替構造は、GカルテットにおけるRERSなどの特殊化した配列と組み合わせることもできる。RERSは、二重鎖形態において切断可能であるよりも代替としてニック形成可能にできる。修飾ヌクレオチドの取り込みおよびニック形成可能なRERSの産生がSDA法での増幅反応に不可欠な部分であることから、これは、SDAにおける使用のために特に適切な実施形態である。
【0042】
これらの実施形態は、本発明のオリゴヌクレオチドを利用する無数の異なる検出方法の変更法に過ぎず、インフルエンザゲノムの特異的検出および/または増幅のために当業者に利用可能である。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、核酸配列ベース増幅(NASBA)、転写介在増幅(TMA)、ローリングサークル型増幅(RCA)または連結介在増幅(LMA)の標準的方法のさらなる変更法も、増幅または直接ハイブリダイゼーションによる他の検出方法と同様に利用できる。
【0043】
例えば、配列番号27〜77のヌクレオチド配列の1つまたは複数からなるか、または本質的になるオリゴヌクレオチドは、インフルエンザA DNAもしくはインフルエンザB DNAの一方またはその両方を、2種のウイルスもしくは1種だけのウイルスまたはウイルスを含まない(対照として)混合物を含有する試料中において特異的に増幅するために設計されたPCR反応におけるプライマーとして使用できる。これらのオリゴヌクレオチドに加えて、縮重部位にキサンチンおよび/またはイノシンなどの類似物を含むオリゴヌクレオチドも使用できる。そのような実施形態は、標準的PCR技術を使用して試料中のこれらのウイルスの高感度かつ特異的な検出を可能にする。
【0044】
他の実施形態においてインフルエンザAおよびインフルエンザBは、単一の多重反応において検出される。例えばインフルエンザAおよびBは、各生物に特異的な増幅およびシグナルプライマーを使用して同じSDA反応において検出できる。例えばさまざまな色素で標識したレポータープローブは、次いで同じ反応容器中の2つの異なる種由来の増幅産物の検出および識別を可能にする。
【0045】
さらに他の実施形態において内部増幅対照が同じ反応物中に、すなわち三重反応物で、内部増幅対照の検出がアッセイの性能を確認するために使用できるように含まれる。特異的分析物(すなわちインフルエンザAおよびB)のいずれかが無い場合に増幅対照の検出は、条件が反応の成功のために適切であったことを確認するために役立つ。
【0046】
他の実施形態においてインフルエンザAおよびBの検出は、例えば、コロナウイルス類(coronavirus)(例えば重症急性呼吸器症候群関連コロナウイルスを含む)、パラインフルエンザウイルス(parainfluenza virus)1、2、3および4、呼吸器多核体ウイルス(respiratory syncytial virus)、アデノウイルス類(adenovirus)、ライノウイルス類(rhinovirus)、パルボウイルス類(parvovirus)、ロタウイルス類(rotavirus)、ノロウイルス類(norovirus)、ヘルペスウイルス類(herpes virus)およびエンテロウイルス類(enterovirus)などの他のウイルス性の呼吸器および/または非呼吸器分析物の検出のためのプライマーおよびプローブも含有する反応混合物中で実施できる。
【0047】
さらなる実施形態においてインフルエンザAおよびBの検出は、それだけに限らないが、レジオネラ菌種(Legionella spp.)、連鎖球菌菌種(Streptococcus spp.)、マイコプラズマ菌種(Mycoplasma spp.)、クラミジア菌種(Chlamydia spp.)、ボルデテラ菌種(Bordetella spp.)、肺炎連鎖球菌(Pneumococcus spp.)、クリプトコッカス菌種(Cryptococcus spp.)、カンジダ菌種(Candida spp.)およびニューモシスチス菌種(Pneumocystis spp.)などの呼吸器および/または非呼吸器細菌もしくは真菌分析物の検出のためのプライマーおよびプローブも含有する反応混合物において実施される。
【0048】
本発明の他の実施形態においてインフルエンザAおよびBの検出は、特異的捕捉プローブをコートしたマイクロアレイを使用して実施できる。さまざまなウイルス、細菌または真菌分析物のためのさまざまな捕捉プローブがアレイ表面の異なる位置に沈着される。目的の分析物から単離された核酸はマイクロアレイの表面に直接ハイブリダイズさせるか、または本明細書において既に開示のとおりPCR、SDA、TMA、NASBAまたはローリングサークル型増幅などの当技術分野において周知の方法によって増幅することができる。核酸の特異的捕捉プローブへのハイブリダイゼーションは、それだけに限らないが、蛍光標識されたレポータープローブ、化学発光および電気化学の使用が挙げられる種々の異なる方法によって検出できる。これらの実施形態において本発明の1つまたは複数のオリゴヌクレオチドは、捕捉プローブとしてまたは検出薬剤として使用できる。
【0049】
定義
インフルエンザAおよびBは、セグメント化したマイナス鎖RNAからなるエンベロープを有するウイルスであり、流行性の高い急性呼吸器疾患を引き起こす病原体である。インフルエンザAおよびBウイルスは、形態学的に識別不能である。これらのウイルスは、核タンパク質(NP)およびマトリックス(M)タンパク質における抗原性の差異に基づいて分類される。インフルエンザAウイルスは、ウイルス表面に発現される2つの主な糖タンパク質、ヘマグルチニンおよびノイラミニダーゼの特性によってサブタイプにさらに分類される。
【0050】
「増幅プライマー」は、標的配列へのハイブリダイゼーション後のプライマーの伸長による標的配列の増幅のためのプライマーである。SDAについては、増幅プライマー(標的結合配列)の3’末端は、標的結合配列の3’末端で目的の標的にハイブリダイズする。増幅プライマーは、その5’末端付近に制限エンドヌクレアーゼの認識部位を含むことができる。認識部位は、例えば特許文献8、特許文献9および特許文献10に記載されているとおり、認識部位が半修飾(「ニック形成」)されている場合にDNA二重鎖の1本の鎖を切断する制限エンドヌクレアーゼのものである。増幅反応を進めるために特殊な配列または構造は必要とされないことから、PCR用の増幅プライマーは、標的結合配列だけからなることができる。反対に3SRおよびNASBAのための増幅プライマーは、5’末端付近にRNAポリメラーゼプロモーターをさらに含んでもよい。プロモーターは、標的結合配列に追加され、標的の複数のRNA複製物を転写させることによって増幅反応を進めるために役立つ。増幅プライマーは長さおよそ10〜75ヌクレオチド、好ましくは長さ約15〜50ヌクレオチドである。典型的には長さ約10〜25ヌクレオチドの近接するヌクレオチド範囲が標的にハイブリダイズし、増幅プライマーにハイブリダイゼーションの特異性を与える。
【0051】
本発明による「シグナルプライマー」は、標的中の相補的配列にハイブリダイズする3’標的結合配列を含み、さらに標的に相補的でない5’尾部配列(アダプター配列)を含む。アダプター配列は、その相補性配列が下記のレポータープローブの3’末端にハイブリダイズするように選択される。本発明のいくつかの実施形態においてシグナルプライマーは、検出可能な標識を含まない。シグナルプライマーは、典型的には長さおよそ10〜75ヌクレオチド、好ましくは長さ約15〜50ヌクレオチドである。シグナルプライマーの典型的な長さは、それが使用される方法に依存する。例えばSDAのためのシグナルプライマーの長さは、典型的には約25〜50ヌクレオチドである。シグナルプライマーの3’末端は、標的結合配列であり、標的配列にハイブリダイズする。典型的には長さ約10〜25ヌクレオチドの近接するヌクレオチド範囲が標的にハイブリダイズし、シグナルプライマーにハイブリダイゼーションの特異性を与える。シグナルプライマーの特異性は、同じアッセイで使用される増幅プライマーの特異性とは異なっていてもよい。例えば増幅プライマー標的結合配列がインフルエンザAまたはBに特異的であってもよい一方で、シグナルプライマー標的結合配列は、インフルエンザAおよびBに特異的であってもよい。
【0052】
SDA型の方法において本発明によるシグナルプライマーは、標的に相補的でない5’尾部配列、いわゆる「アダプター配列」を含んでもよい。アダプター配列は、その相補的配列がレポータープローブの3’末端にハイブリダイズし、検出可能な標識を構成できるように選択される。本発明の種々の実施形態においてアダプター配列は、その相補的配列がレポータープローブの3’末端およびレポータープローブのレポーター部分中の配列の両方に結合するように選択される。本発明のいくつかの実施形態においてシグナルプライマーは、検出可能な標識を含まない。
【0053】
プライマーの「標的結合配列」は、プライマーの標的特性を決定する部分である。すなわち標的特異的配列の必須の機能は、標的核酸に特異的に結合するまたはハイブリダイズすることである。標的結合配列の末端に特殊化した配列を必要としない増幅方法用には、増幅プライマーは一般に本質的には標的結合配列だけからなる。例えば本発明によりPCRを使用する標的配列の増幅は、本質的に標的結合配列からなる増幅プライマーを使用できる。そのような場合、増幅プライマーは、フルオロフォアまたは放射性同位元素などの直接検出可能な標識、酵素、またはハプテンもしくはペプチドエピトープなどの免疫性タグで標識できる。いくつかの増幅方法は、ニック形成可能な制限エンドヌクレアーゼ認識部位およびSDAにおける使用のための適切なプライマーの尾部、または例えば3SR、NASBAもしくはTASのためのRNAポリメラーゼプロモーターなどの標的結合配列に付加される特殊化した配列を必要とし、必要とされる特殊化した配列は、プライマーのハイブリダイゼーション特異性を変えることなく通常のオリゴヌクレオチド調製法を使用して標的結合配列に連結できる。
【0054】
本明細書において使用する用語「プライマー」および「プローブ」は、オリゴヌクレオチドの機能を意味する。プライマーは典型的にはポリメラーゼ酵素によってまたは標的配列へのハイブリダイゼーション後の連結によって伸長される。プローブは、伸長されてもされなくてもよい。ハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドは、標的配列を捕捉または検出するために使用される場合にはプローブとして機能し、同じオリゴヌクレオチドが増幅プライマーの標識結合配列として使用される場合はプライマーとして機能できる。したがって、インフルエンザの増幅、検出または定量のために本明細書において開示される任意の標的結合配列が、検出または増幅のためにプライマー中でハイブリダイゼーションプローブとしてまたは標的結合配列としてのいずれでも使用でき、選択した増幅反応に必要とされるかまたは検出を促進するために特殊化した配列に任意選択で連結できることが理解される。
【0055】
「バンパープライマー」は、SDAなどの等温性増幅反応においてプライマー伸長産物を置換するために使用されるプライマーである。特許文献7に記載されているとおり、バンパープライマーは、バンパープライマーの伸長が下流増幅プライマーおよびその伸長産物を置換するように増幅プライマーの上流の標的配列にアニールする。本発明の他の実施形態においてバンパープライマーの伸長は、特許文献4に記載されているとおりシグナルプライマーの下流伸長産物を置換するためにも使用できる。バンパープライマーは、任意選択で標的特異的であってもよい。
【0056】
用語「標的」または「標的配列」は、増幅または検出される核酸配列を意味する。これらは、増幅される元の核酸配列、その相補体および元の配列の複製物のいずれかの鎖を含み、複製または増幅によって産生される。これらの複製物は、増幅プライマーがハイブリダイズする配列の複製物を含有していることからさらに増幅可能な標的として作用する。増幅反応中に生成された標的配列の複製物は、「増幅産物」、「アンプライマー」または「単位複製配列」と称される。本発明の内容において用語、標的または標的配列は、プライマーまたはプローブがハイブリダイズし、かつインフルエンザAもしくはインフルエンザBのいずれかのゲノムの一部分またはこれらのウイルスの1つ(もしくは場合により両方)の転写物またはクローンに相同性または相補性を示す特異的核酸配列を意味する。加えて標的配列は、陽性対照としてまたは定量的アッセイにおける正規化の対照として作用するためにいくつかの他の供給源にも由来できる。さらに多重形式のアッセイにおいては、インフルエンザAでなく、インフルエンザBでもない分析物を含んでもよい複数の分析物が試料中に存在してもよく、プライマーおよびプローブ配列はそのような追加の標的のために適切に導かれることができる。
【0057】
用語「伸長産物」は、標的配列および鋳型としてそれに隣接する配列を使用するプライマーのハイブリダイゼーションおよびポリメラーゼ酵素によるプライマーの伸長によって産生される標的配列の複製物を意味する。
【0058】
用語「アッセイプローブ」は、核酸配列の検出または同定を促進するために使用される任意のオリゴヌクレオチドを意味する。上に記載のシグナルプライマーならびに下に記載の検出プローブ、検出プライマー、捕捉プローブおよびレポータープローブは、アッセイプローブの例である。
【0059】
用語「単位複製配列」、「増幅産物」および「アンプライマー」は、増幅プライマーの対の一方または両方の伸長を介して生成される増幅反応の産物を意味する。単位複製配列は、標的配列にハイブリダイズする2つ以上のプライマーによって生成された指数関数的に増幅された核酸を含有できる。別法として単位複製配列は、標的配列への単一プライマーのハイブリダイゼーションによる直鎖増幅によって生成できる。したがって用語単位複製配列は、本明細書において総称的に使用され、指数関数的に増幅された核酸の存在を示唆しない。
【0060】
本発明による「レポータープローブ」は、好ましくは少なくとも1つの供与体/消光剤色素の対、すなわち蛍光供与体色素および供与体フルオロフォアに対する消光剤である標識を含む。標識は、標的配列に直接ハイブリダイズしないレポータープローブ中の構造(レポーター部分)に連結される。この構造は、ヌクレオチド配列であってもよい。
【0061】
本発明の一実施形態において、レポータープローブの3’からレポーター部分の配列は、シグナルプライマーアダプター配列の相補体にハイブリダイズするように選択される。一般にこの実施形態において、レポータープローブの3’末端は、標的配列に顕著な相補性を有する配列を含まない。しかし場合によっては、レポータープローブは、アダプター相補体にハイブリダイズする配列および標的相補体の短いセグメントにハイブリダイズする他の短い配列を3’末端に含むことができる。この場合標的相補性の領域は、レポータープローブのアダプター特異的領域の同時ハイブリダイゼーション以外の顕著なハイブリダイゼーションを許容する十分な大きさではない。レポータープローブの標識は、それを二重鎖にするレポーター部分の相補体の存在の指標として検出され、したがって標的の存在または増幅を示す。
【0062】
本発明の方法により生成される相補体の存在が標的配列の存在を示すように標識できる任意の核酸配列または構造は、レポータープローブのレポーター部分として作用することができる。好ましくはレポーター部分は、供与体/消光剤色素の対で、供与体蛍光は標的の検出前は消光され、かつ供与体蛍光の消光が標的の存在の指標として低下するように標識される。レポーター部分は、例えば特許文献5に記載のステムループ(またはヘアピン)または例えば特許文献11に記載のG4重鎖などのレポータープローブの5’末端の2次構造であってもよい。2次構造は、2次構造が折りたたまれる場合に供与体と消光剤とが近接近であり、供与体蛍光の消光を生じるように標識できる。標的の存在下で2次構造は、次いで標的依存的プライマー伸長反応でアンフォールドされることができ、その結果供与体と消光剤との間の距離が増大する。これが消光を減少させ、かつ標的配列の存在の指標として検出できる供与体蛍光の増大を生じる。
【0063】
別法としてレポーター部分は、消光を生じるために十分に近接近である供与体および消光剤で標識され、特許文献12および特許文献13に記載のとおり一本鎖RERSを含有するレポータープローブの5’末端の一本鎖配列であることができる。一本鎖レポータープローブにおいてRERSは切断できない。しかし標的の存在下で一本鎖RERSは標的依存性プライマー伸長反応で二本鎖形態に変換され、したがって切断可能になる。適切な制限エンドヌクレアーゼでの処理は、RERSを2つの色素の間で切断し、それらを別々の核酸断片に分離する。色素間の距離の関連する増大は、標的配列の存在の指標として検出できる供与体蛍光の消光の減少を生じる。さらなる実施形態において、特許文献12および特許文献13に教示されるとおりRERSレポーター部分は、標的依存的プライマー伸長反応でニック形成可能にできる。この実施形態においてRERSが二本鎖にされる場合制限エンドヌクレアーゼは、供与体と消光剤とが連結する鎖にニックを入れる。ポリメラーゼはニックから伸長し、色素の内の1つに連結する一本鎖断片をレポータープローブから置換する。これも、供与体と消光剤との間の距離を増大させ、消光の減少による供与体蛍光における増大を生じる。
【0064】
レポータープローブ(例えばTAQMAN(登録商標)検出、F.Hoffman−La Roche、Ltd.独占的実施権者Applied Biosystems、Foster City、CAを介して)のリアルタイムハイブリダイゼーションによるPCRを使用する検出などのいくつかの実施形態において、レポータープローブは、単位複製配列のいずれかの鎖に存在する配列と同一である配列を含有できる。そのような実施形態においてレポータープローブは、標的配列に特異的な配列を有することができるか、またはインフルエンザウイルスのゲノムに共通の配列などの増幅された核酸のクラスに共通の配列を有することができる。後者の実施形態において特定の株などの検出の特異性は、特異的プライマー配列の使用によって得ることができる。レポータープローブの標識は、レポータープローブの相補体の存在の指標として検出され、したがって標的の存在または増幅を示す。
【0065】
本発明のSDA実施形態において、レポータープローブの3’末端は、キャップを形成してポリメラーゼによる伸長を阻止することもでき、または3’末端ヒドロキシル基の組み込みを介して伸長可能にもできる。キャップ形成は、バックグラウンドシグナルおよび、プライマー二量体の形成および他の誤刺激事象から生じる偽副反応における非生産的な薬剤の消費を低下させることによってSDA実施形態における性能を増強することができる。ポリメラーゼ酵素によるレポータープローブの3’伸長を抑制するキャップの例は、3’−ヒドロキシルのリン酸基での置換、3’−ビオチン化またはプローブの3’末端での伸長不可能に転化したヌクレオチド塩基(3’−5’連結)の組み込みを含む。
【0066】
本発明の方法によって生成される相補体の存在が標的配列の存在を示すように標識できる任意の核酸配列または構造は、レポータープローブの基礎として作用できる。
【0067】
さらなる実施形態においてRERSレポーター部分は、例えば特許文献12および特許文献13において教示されるように、標的依存的プライマー伸長反応においてニック形成可能にできる。この実施形態において、RERSが二重鎖にされる場合制限エンドヌクレアーゼは、供与体および消光剤が連結する鎖にニックを入れる。ポリメラーゼはニックから伸長し、フルオロフォアまたは消光剤に連結する一本鎖断片をレポータープローブから置換する。これも、供与体と消光剤との間の距離を増大させ、消光の減少による蛍光シグナルの増大を生じる。
【0068】
単位複製配列の直接検出を使用する実施形態において、レポーター部分は、例えば蛍光または化学発光分子などの直接発光部分であることができる。レポーター部分は、代替として標的配列とは異なる短いヌクレオチド配列であることができ、またはレポーターが複合体形成の測定によって検出または定量されるような複合体の一員である分子であることもできる。そのような実施形態の例は、ハプテン−抗体複合体およびペプチド−アプタマー複合体を含む。
【0069】
典型的には本発明のプライマーは、好ましくは、実施例4および5に記載の反応条件下でアニーリング領域について44℃、SDA用の至適温度での使用のためには52.5℃の最低融解温度(T
m)で設計される。
【実施例】
【0070】
本発明は、以下の実施例によって例示される。本明細書において説明する実施例は、単なる例示であり本発明の範囲を限定することを全く意図しない。
【実施例1】
【0071】
プライマー設計
表1に列挙されるものによって例示される本発明のプライマーおよびプローブは、Lasergene MegAlign(商標)ソフトウェアV5.06(DNAStar(登録商標)、Madison WI)を使用して公表されたマトリックス遺伝子配列の配列比較によって設計する。3031個のインフルエンザAおよび71個のインフルエンザBのマトリックス遺伝子配列をそれぞれの種の中での相同性の保存領域を同定するためにClustalW法によって配列比較した。(非特許文献15を参照)。インフルエンザAについては、供給源となる3種:ヒト(7サブタイプにわたる1392配列)、ブタ(9サブタイプにわたる162配列)およびトリ(95サブタイプにわたる1477配列)のそれぞれについて別々の配列比較を実施し、インフルエンザBについては単一の配列比較事象(71配列)を実施した。これらの株は、インフルエンザAおよびBのRT−SDA設計それぞれにおいてすべての関連するインフルエンザ株についての増幅効率を最大化するためにインフルエンザAおよびBの配列比較に含めるために選択した。
【0072】
逆転写酵素−SDA(RT−SDA)のためのプライマーおよびプローブの配列は、インフルエンザAおよびBのすべての株の検出を可能にし、インフルエンザAとインフルエンザBとの識別を可能にするように設計される。配列比較した配列を、BsoBI制限酵素を使用するSDAに基づく増幅系におけるそれらの使用を妨げるBsoBI制限認識部位について選別する。(+)鎖および(−)鎖ウイルスRNAの両方が臨床検体中に存在してもよいことから、相補的増幅プライマーは、RNAの両方の鎖について設計され、cDNA合成を促進する。RT−SDAにおいて、逆転写酵素による増幅プライマーのハイブリダイゼーションおよび伸長は、シグナルプライマーの下流伸長産物の溶液中への移動を導き、したがって続く増幅を促進する。(非特許文献16を参照)。
【0073】
インフルエンザAおよびインフルエンザBの両方について増幅プライマーは、プライマーと標的配列との間の不適正塩基対の数が最小であるようなマトリックス遺伝子の保存領域を増幅するために設計する。インフルエンザAおよびBの両方についてオリゴヌクレオチドプライマーは、標的配列のどの不適正塩基対もハイブリダイゼーション領域の3’末端から離れた場所であるような位置にする。したがってこれらの可能な不適正塩基対はプライマー伸長効率にわずかな影響しか有さない。加えてSDA単位複製配列の長さは、最適な増幅効率を提供するために最小化する。プライマーは、OLIGO(登録商標)V6.67ソフトウェア(Molecular Biology Insights、Inc.、Cascade CO)を使用して潜在的二量体形成について選別する。配列番号3〜14、17および18として列挙して例示するプライマーは、実施例4および5に記載の反応条件下でアニーリング領域について44℃、SDA用の至適温度での使用のためには52.5℃の最低融解温度(T
m)で設計される。
【実施例2】
【0074】
インフルエンザA標的配列のクローニング
核酸は、American Type Cluture Collection(ATCC)(培養番号VR−547)から得たインフルエンザAウイルスストックから、QIAamp(登録商標)ウイルスRNAミニキット(QIAGEN(登録商標)、Valencia、CA、USA)を使用して単離する。オリゴヌクレオチドFAM−BLおよびFAM−RB(それぞれ配列番号3および4)を逆転写PCRにより158塩基対断片を増幅するために使用する。
【0075】
増幅したDNAは、pCR(登録商標)II−TOPO(登録商標)ベクター(INVITROGEN(商標)、Carlsbad、California、USA)を使用して大腸菌(Escherichia coli)にクローン化する。クローン化したプラスミドDNAを精製し、EcoRV制限酵素での消化により直線化する。制限酵素を除くためのQIAquick(登録商標)スピンカラム(QIAGEN(登録商標))を使用する再精製に続いて、DNAは次いでMEGASCRIPT(登録商標)SP6キット(AMBION(登録商標)、Austin、Texas、USA)を使用するin vitro転写物の生成のために鋳型として使用する。簡潔にはRNAポリメラーゼを、クローン化したインフルエンザ標的配列の上流のSP6プロモーター部位で始まり、直線化したプラスミドの3’末端まで伸びているDNA鋳型の複数のRNA複製物を生成するために使用する。次いでRNA転写物を紫外線分光法によって定量し、担体として酵母RNA 10ng/μlを含有する水中に実際に使用する濃度まで希釈する。
【実施例3】
【0076】
インフルエンザB標的配列のクローニング
核酸は、ATCC(培養番号B/HIC/5/72)から得たインフルエンザBウイルスストックから、QIAAMP(登録商標)ウイルスRNAミニキット(QIAGEN(登録商標))を使用して単離する。オリゴヌクレオチドFBM−LBおよびFBM−RB(それぞれ配列番号5および6)を次いで逆転写PCRにより187塩基対断片を増幅するために使用する。
【0077】
増幅したDNAを、pCR II−TOPOベクターに挿入する。プラスミドDNAを精製し、BamHI制限酵素での消化により直線化する。次いでDNAをQIAQUICK(登録商標)スピンカラム(QIAGEN(登録商標))を使用して再精製し、紫外線分光法によって定量する。
【0078】
in vitro転写物を次いでMEGASCRIPT T7キット(AMBION(登録商標))を使用して、BamHI消化インフルエンザBプラスミドから生成する。RNAを紫外線分光法によって定量し、担体として酵母RNA 10ng/μlを含有する水中に実際に使用する濃度まで希釈する。
【実施例4】
【0079】
クローン化したインフルエンザAおよびインフルエンザBのRNAの増幅
インフルエンザA
トリ骨髄芽球症ウイルス−RT(AMV−RT)、リボヌクレアーゼ阻害タンパク質およびインフルエンザA RNAのRT−SDAに必要なすべてのオリゴヌクレオチドを含むマイクロタイタープレートウェルの予熱ステップに続いて、in vitro転写物RNAの75コピーを最初にcDNAにAMV−RTを使用して複製し、次いで従来のSDA反応で増幅する2ステップRT−SDAアッセイを実施する。120mMビシン、25mM KOH、43.5mM KPO
4、5%グリセロール、5%DMSO、150ng/μl BSA、6ng/μl酵母RNA、5mM酢酸マグネシウム、300nMの以下の各ヌクレオチドdATP、dGTPおよびdTTP、1500nM dCsTP、300nM増幅プライマーFAM−BL(配列番号2)、300nM増幅プライマーFAM−RB(配列番号3)、1500nMシグナルプライマーFAM−LP(配列番号7)、300nMシグナルプライマーFAM−RP(配列番号8)、750nMアダプタープライマーFAM−AD(配列番号11)、750nMアダプタープライマーFAMICA.2(配列番号13)、900nM標的検出mpc.DR(配列番号15)ならびに900nM内部標準検出mpc2.FD(配列番号16)を含む緩衝液中のAMV−RT 10単位で、逆転写をマイクロタイターウェル中で実施する。
【0080】
in vitroでクローン化した内部標準転写物をインフルエンザA逆転写反応に1μLあたり7.5コピーで組み込む。in vitroでクローン化した内部標準転写物をインフルエンザB逆転写反応に1μLあたり2.0コピーで組み込む。
【0081】
インフルエンザA内部標準分子は、実施例2に記載のインフルエンザA標的領域のクローンの逆PCR部位特異的変異誘発によって構築する。外向きPCRプライマーの設計は、インフルエンザAシグナルプライマーハイブリダイゼーション領域の3’末端に7塩基の変異を組み込む。逆PCRをPfu DNAポリメラーゼ(STRATAGENE(登録商標))で実施し、産物の末端を環状プラスミド分子を生成するために連結する。次いで環状プラスミド分子を大腸菌(E.coli)に電気穿孔する。次いで形質転換した大腸菌(E.coli)をコンフルエンスまで増殖させ、プラスミドを単離し、精製する。EcoR V制限酵素を使用してクローン化したプラスミドを直線化し、Ambion MEGAscript(商標)SP6キットを製造者の手順書に従って使用してin vitro転写反応を実施し、in vitro転写物を生成する。得られた内部増殖対照転写物は、増幅し、かつ天然のインフルエンザA標的RNAと同様の効率で検出できるが、2者は異なる色素で標識した特異的シグナルプライマーおよびレポータープローブを使用する同じRT−SDA反応において同時増幅すると区別できる。インフルエンザA内部増殖対照の検出のためにシグナルプライマーFAMICA.2(配列番号13)およびレポータープローブmpc2.FD(配列番号16)は、上に記載のとおり反応混合物に含まれる。
【0082】
逆転写反応物を52℃、5分間でインキュベートし、次いで条件をSDAに適するもの(143mMビシン、82mM KOH、24.5mM KPO
4、12.5%DMSO、1.67%グリセロール)に変更するために緩衝液100μlを加える。AMV−RT酵素を変性させ、プライマーの非特異的ハイブリダイゼーションを減らすためにマイクロタイタープレートウェルを速やかに72℃に10分間移す。反応物(100μl)を次いで、最終条件を143mMビシン、82mM KOH、24.5mM KPO
4、12.5%DMSO、1.67%グリセロール、100ng/μl BSA、2ng/μl酵母RNA、100nMの各dATP、dGTP、dTTP、500nM dCsTP、6.7mM酢酸マグネシウム、100nM増幅プライマーFAM−BL(配列番号3)、100nM増幅プライマーFAM−RB(配列番号4)、500nMシグナルプライマーFAM−LP(配列番号7)、100nMシグナルプライマーFAM−RP(配列番号8)、250nMアダプタープライマーFAM−AD(配列番号11)、250nMアダプタープライマーFAMICA.2(配列番号13)、300nM標的レポーターmpc.DR(配列番号15)、300nM内部標準レポーターmpc2.FD(配列番号16)、Bstおよそ800単位およびBsoBIおよそ265単位にするためにBstポリメラーゼおよびBsoBI制限酵素を含む52℃に予熱したウェルに移す。
【0083】
反応物を密封し、52℃で60分間BD PROBETEC(商標)ET蛍光リーダー(BECTON−DICKINSON(登録商標)、Franklin Lakes、New Jersey、US)中でインキュベートする。蛍光を装置での60を超える通過(pass)でモニターし、結果をPATスコア(60−(相対蛍光シグナルが予め定めた閾値を超えるために必要な通過の数)として定義する)を単位として表す。PAT値0を陰性と考え、0より大きいPATスコアを陽性と考える。結果を表2および4に示す。
【0084】
インフルエンザB
2ステップRT−SDAアッセイを、インフルエンザAについて上に記載のとおり、RNAをAMV−RTを使用して最初にcDNAに複製して実施する。反応は、バンパープライマーFBM−LB(配列番号5)およびFBM−RB(配列番号6)、増幅プライマーFBM−LP(配列番号10)およびFBM−RP(配列番号11)ならびにシグナルプライマーFBM−AD(配列番号12)およびFBMICA.2(配列番号14)を対応するインフルエンザA特異的プライマーから替えることを除いて、本質的にインフルエンザAについて上に開示のとおり実施する。
【0085】
インフルエンザB内部対照を設計およびクローニングする手法は、インフルエンザA RT−SDAアッセイのために採用する手法と同様である。インフルエンザB内部増幅対照分子は、インフルエンザB特異的シグナルプライマーハイブリダイゼーション領域の3’末端に対応する6塩基配列の逆PCR変異誘発によって構築する。in vitro転写物は、AMBION MEGASCRIPT(登録商標)T7キットを製造者による記載のとおり使用して生成する。インフルエンザB内部増幅対照の検出のために、シグナルプライマーFBMICA.2(配列番号14)およびレポータープローブmpc2.FD(配列番号16)を、反応混合物に含める。結果を表3および5に示す。
【実施例5】
【0086】
インフルエンザAおよびBのRT−SDAアッセイの特異性
RNAは、インフルエンザAおよびBの培養ストックから、緩衝液AW1での最初の洗浄ステップ後にRNA分解酵素フリーDNA分解酵素I(QIAGEN(登録商標)、Valencia、CA、US)27.3クニッツ単位を使用するカラム上でのDNA分解酵素処理を含むように改変したQIAGEN(登録商標)QIAAMP(登録商標)ウイルスRNAミニキットの手順を使用して抽出する。最初の緩衝液AW1洗浄ステップの後に15分間の外気温でのDNA分解酵素インキュベーションを実施する。DNA分解酵素でのインキュベーションに続いて、2回目の緩衝液AW1洗浄ステップを実施し、精製された核酸が緩衝液AVE 80μLに溶出されることを除いて標準的QIAAMP(登録商標)ウイルスRNAミニキットの手順を続ける。
【0087】
核酸を一般に呼吸器感染症を生じる他のウイルスおよび細菌のストックから、細菌性の種についてはDNA分解酵素処理を行わないこと(したがって2回目の緩衝液AW1洗浄ステップは無い)以外は、同様に単離する。精製した核酸は、RT−SDAインフルエンザAおよびインフルエンザBアッセイのそれぞれについて、逆転写の前にマイクロウェルのプレインキュベーションを実施しないこと以外は実施例4に記載したものと同様のやり方で検査する。
【0088】
インフルエンザAおよびBの精製RNAをそのそれぞれのアッセイにおいて、インフルエンザAについては検査1回あたりおよそ500ゲノム等価物で、およびインフルエンザBについては検査1回あたり250ゲノム等価物で検査する。すべての他の精製核酸ストックを1反応あたりおよそ10
6ゲノム等価物で検査する。インフルエンザAおよびBのアッセイを実施例4に記載したのと同様のやり方で実施する。
【0089】
一般的結論
インフルエンザAアッセイにおいて検査したインフルエンザAの全ストックは、1検査あたり500粒子で、インフルエンザBを含むインフルエンザAではない生物からの偽陽性シグナルを伴わずに陽性結果をもたらした。(表2〜9を参照)。同様にインフルエンザBアッセイにおいて検査したインフルエンザBの全ストックは、1検査あたり250粒子で、インフルエンザAを含むインフルエンザBではない生物によって引き起こされる偽陽性結果を伴わずに陽性結果をもたらした。(表2〜9を参照)。
【実施例6】
【0090】
クローン化されたインフルエンザAおよびインフルエンザBのRNAのRT−PCRによる特異的増幅
インフルエンザA:in vitro転写RNAの10、100、500および1000コピーを複製して関連するcDNAを形成し、Brilliant(商標)QRT−PCRマスターミックス(Stratagene)を使用して単一ステップ、均一反応で増幅するRT−PCRを実施する。インフルエンザAゲノムのマトリックス遺伝子内の標的配列を含有するRNA転写物を実施例2に記載のとおりプラスミドDNAクローンから調製する。標的転写RNAの希釈物をヌクレアーゼを含まない水(Ambion、Inc.)中で調製する。PCRプライマーおよびTAQMAN(商標)プローブ(配列番号27〜77)、逆転写酵素ミックスならびにPCRマスターミックスを標的RNA転写物と単一のPCRチューブ内で合計反応物容量50μLで混合する。プライマーFluATMLP1(例えば、配列番号27〜30のいずれか1つ)、プライマーFluATMRP2(例えば、配列番号65〜68のいずれか1つ)およびTAQMAN(商標)プローブFluATMProbe3(例えば、配列番号47〜62のいずれか1つ)の最終濃度は、それぞれ200nM、200nMおよび100nMである。逆転写酵素を含まない反応混合物を標的転写物の親プラスミドクローン由来の混入DNAの存在について管理するために含める。RT−PCRをStratagene Mx3005PリアルタイムPCR装置で実施する。逆転写を48℃、30分間で実施し、その後PCR増幅を以下の周期パラメーターで実施する:95℃で10分間、次いで95℃で15秒間および59℃で1分間を40サイクル。
【0091】
結果を周期閾値(Ct);バックグラウンド補正蛍光シグナルが予め定めた閾値に交差する点で表す。Ct値を算出するために使用するアルゴリズムは、実施部分のデータ曲線のすべてが蛍光での指数関数的増加を示す増幅プロットの一部を最初に同定し、次いで所与の反復セット内でCt値についての標準偏差を最小化する閾値を算出する。≧100RNA転写物を含有するすべて(100%)の反応は、平均Ct値34.3で陽性結果をもたらした。「逆転写酵素を含まない」対照の反復物で陽性結果を示したものは無かった。
【0092】
これらのデータは、開示のプライマーおよび検出プローブを使用してインフルエンザAマトリックス遺伝子の標的配列を検出する能力を経験的に示す。
【0093】
インフルエンザB:in vitro転写RNAの10、100、500および1000コピーを複製してcDNAにし、BRILLIANT(商標)QRT−PCRマスターミックス(Stratagene)を使用して単一ステップ、均一反応で増幅したRT−PCRを実施する。インフルエンザBゲノムのマトリックス遺伝子内の標的配列を含有するRNA転写物を実施例2に記載のとおりプラスミドDNAから調製する。標的転写RNAの希釈物をヌクレアーゼを含まない水(Ambion、Inc.)中で調製する。PCRプライマー、TAQMAN(商標)プローブ、逆転写酵素ミックスおよびPCRマスターミックスを標的RNA転写物と単一のPCRチューブ内で合計反応物容量50μLで混合する。プライマーFluBTMLP1(配列番号69)、プライマーFluBTMRP1(例えば、配列番号74〜77のいずれか1つ)およびTAQMAN(商標)プローブFluBTMProbe3(例えば、配列番号70〜73のいずれか1つまたは複数)の最終濃度は、それぞれ200nM、200nMおよび100nMである。逆転写酵素を含まない反応混合物を標的転写物の親プラスミドクローン由来の混入DNAの存在について管理するために含める。RT−PCRをStratagene Mx3005PリアルタイムPCR装置で実施する。逆転写を48℃、30分間で実施し、その後PCR増幅を以下の周期パラメーターで実施する:95℃で10分間、次いで95℃で15秒間および59℃で1分間を40サイクル。
【0094】
結果を周期閾値(Ct)、バックグラウンド補正蛍光シグナルが予め定めた閾値に交差する点、で表す。Ct値を算出するために使用するアルゴリズムは、実施部分のデータ曲線のすべてが蛍光で指数関数的増加を示す増幅プロットの一部を最初に同定し、次いで所与の反復セット内でCt値についての標準偏差を最小化する閾値を算出する。≧100RNA転写物を含有するすべて(100%)の反応は、平均Ct値31.4で陽性結果をもたらした。「逆転写酵素を含まない」対照の4つの反復物の内の2つは、Ctスコア>37で陽性閾値を交差し、低レベルの混入DNAの存在を示した。増幅効率を2と仮定するとこれらの結果は、これらの試料と転写RNA複製物100個を含有する試料との間の投入標的レベルにおけるおよそ64倍の差異を示唆する。
【0095】
これらのデータは、開示のプライマーおよび検出プローブを使用してインフルエンザBマトリックス遺伝子の標的配列を検出する能力を示す。
【0096】
本明細書において引用する刊行物、特許および特許出願を含むすべての参考文献は、各文献の開示が、参考により組み込まれたことが個々にかつ具体的に示され、かつその全体が本明細書において説明されたのと同程度に参考により本明細書に組み込まれる。
【0097】
【表2】
【0098】
【表3】
【0099】
【表4】
【0100】
【表5】
【0101】
【表6】
【0102】
【表7】
【0103】
【表8】
【0104】
【表9】