特許第5934213号(P5934213)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5934213無線電源システム及び多層シムアセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5934213
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月15日
(54)【発明の名称】無線電源システム及び多層シムアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01F 38/14 20060101AFI20160602BHJP
   H01F 5/00 20060101ALI20160602BHJP
   H01R 12/72 20110101ALI20160602BHJP
   H02J 50/00 20160101ALI20160602BHJP
   H01F 27/28 20060101ALI20160602BHJP
   H01F 27/32 20060101ALI20160602BHJP
   H01F 41/04 20060101ALI20160602BHJP
【FI】
   H01F38/14
   H01F5/00 M
   H01R12/72
   H02J17/00 B
   H01F27/28 K
   H01F27/32 C
   H01F27/32 A
   H01F41/04 A
   H01F5/00 V
【請求項の数】18
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2013-526142(P2013-526142)
(86)(22)【出願日】2011年8月25日
(65)【公表番号】特表2013-541832(P2013-541832A)
(43)【公表日】2013年11月14日
(86)【国際出願番号】US2011049065
(87)【国際公開番号】WO2012027531
(87)【国際公開日】20120301
【審査請求日】2014年8月25日
(31)【優先権主張番号】61/376,909
(32)【優先日】2010年8月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】302070822
【氏名又は名称】アクセス ビジネス グループ インターナショナル リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ダブリュ.バールマン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ティー.ストーナー,ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン シー.メス
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ シー.バン デン ブリンク
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア ケー.シュワネック
(72)【発明者】
【氏名】ニール ダブリュ.クイベンホーベン
【審査官】 堀 拓也
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0189910(US,A1)
【文献】 特開2008−205214(JP,A)
【文献】 国際公開第2003/105308(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0205214(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 38/14
H01F 5/00
H01F 27/28
H01F 27/32
H01F 41/04
H01R 12/72
H02J 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部複数の無線電力コイル及び下部複数の無線電力コイルを多層コイル配列に配置する際に用いる多層シムアセンブリであって,
前記上部複数の無線電力コイルを前記多層コイル配列内に整列させる第1ガイド部と,前記上部複数の無線電力コイルそれぞれからの電気結線を導く第1経路設定部とを含む第1シム層であって,該第1シム層は主面を含み,前記第1ガイド部は,前記主面から延長して第1陥凹部を規定し,前記上部複数の無線電力コイルを同時に囲む第1壁部を含み,前記第1壁部は少なくとも二つの無線電力コイルを含む前記上部複数の無線電力コイルを囲む,第1シム層と,
前記第1シム層と結合され,前記多層コイル配列内の前記下部複数の無線電力コイルを整列させる第2ガイド部と,前記下部複数の無線電力コイルそれぞれからの電気結線を導く第2経路設定部とを含む,第2シム層であって,該第2シム層は主面を含み,前記第2ガイド部は,前記主面から延長して第2陥凹部を規定し,前記下部複数の無線電力コイルを同時に囲む第2壁部を含み,前記第2壁部は少なくとも二つの無線電力コイルを含む前記下部複数の無線電力コイルを囲む,第2シム層と,を有し,
前記第1ガイド部及び前記第2ガイド部は協同して前記の複数の電力コイルを所定の重複するコイル配列に整列させ,前記下部複数の無線電力コイル及び前記上部複数の無線電力コイルがそれぞれ前記第1陥凹部及び前記第2陥凹部に受け入れられたとき,前記上部複数の無線電力コイルが前記下部複数の無線電力コイルに対して実質的に軸方向にずれるように,前記第1陥凹部は前記第2陥凹部に対してずれており,
前記第1経路設定部及び前記第2経路設定部は,前記上部複数の無線電力コイル及び前記下部複数の無線電力コイルと前記第1シム層及び前記第2シム層の端部との間それぞれに電線を導くためのチャネルシステムを含む,多層シムアセンブリ。
【請求項2】
前記第1シム層は不導電性材料で組立てられる,請求項1に記載の多層シムアセンブリ。
【請求項3】
上部複数の無線電力コイル及び下部複数の無線電力コイルを多層コイル配列に配置する際に用いる多層シムアセンブリであって,
前記上部複数の無線電力コイルを前記多層コイル配列内に整列させる第1ガイド部と,前記上部複数の無線電力コイルそれぞれからの電気結線を導く第1経路設定部とを含む第1シム層であって,該第1シム層は主面を含み,前記第1ガイド部は,前記主面から延長して第1陥凹部を規定し,前記上部複数の無線電力コイルを同時に囲む第1壁部を含み,前記第1壁部は少なくとも二つの無線電力コイルを含む前記上部複数の無線電力コイルを囲む,第1シム層と,
前記第1シム層と結合され,前記多層コイル配列内の前記下部複数の無線電力コイルを整列させる第2ガイド部と,前記下部複数の無線電力コイルそれぞれからの電気結線を導く第2経路設定部とを含む,第2シム層であって,該第2シム層は主面を含み,前記第2ガイド部は,前記主面から延長して第2陥凹部を規定し,前記下部複数の無線電力コイルを同時に囲む第2壁部を含み,前記第2壁部は少なくとも二つの無線電力コイルを含む前記下部複数の無線電力コイルを囲む,第2シム層と,を有し,
前記第1ガイド部及び前記第2ガイド部は協同して前記の複数の電力コイルを所定の重複するコイル配列に整列させ,前記下部複数の無線電力コイル及び前記上部複数の無線電力コイルがそれぞれ前記第1陥凹部及び前記第2陥凹部に受け入れられたとき,前記上部複数の無線電力コイルが前記下部複数の無線電力コイルに対して実質的に軸方向にずれるように,前記第1陥凹部は前記第2陥凹部に対してずれており,
前記第1シム層は少なくとも部分的に磁束収束材料で組み立てられ,該磁束収束材料は,前記上部複数の無線電力コイルのインダクタンスを増加させ,前記多層シムアセンブリ内の磁束経路を強化する,多層シムアセンブリ。
【請求項4】
上部複数の無線電力コイル及び下部複数の無線電力コイルを多層コイル配列に配置する際に用いる多層シムアセンブリであって,
前記上部複数の無線電力コイルを前記多層コイル配列内に整列させる第1ガイド部と,前記上部複数の無線電力コイルそれぞれからの電気結線を導く第1経路設定部とを含む第1シム層であって,該第1シム層は主面を含み,前記第1ガイド部は,前記主面から延長して第1陥凹部を規定し,前記上部複数の無線電力コイルを同時に囲む第1壁部を含み,前記第1壁部は少なくとも二つの無線電力コイルを含む前記上部複数の無線電力コイルを囲む,第1シム層と,
前記第1シム層と結合され,前記多層コイル配列内の前記下部複数の無線電力コイルを整列させる第2ガイド部と,前記下部複数の無線電力コイルそれぞれからの電気結線を導く第2経路設定部とを含む,第2シム層であって,該第2シム層は主面を含み,前記第2ガイド部は,前記主面から延長して第2陥凹部を規定し,前記下部複数の無線電力コイルを同時に囲む第2壁部を含み,前記第2壁部は少なくとも二つの無線電力コイルを含む前記下部複数の無線電力コイルを囲む,第2シム層と,を有し,
前記第1ガイド部及び前記第2ガイド部は協同して前記の複数の電力コイルを所定の重複するコイル配列に整列させ,前記下部複数の無線電力コイル及び前記上部複数の無線電力コイルがそれぞれ前記第1陥凹部及び前記第2陥凹部に受け入れられたとき,前記上部複数の無線電力コイルが前記下部複数の無線電力コイルに対して実質的に軸方向にずれるように,前記第1陥凹部は前記第2陥凹部に対してずれており,
前記第1シム層は少なくとも部分的にシールド材料で組み立てられ,前記第1ガイド部は,磁束収束材料で組み立てられた,隆起,柱,ペグ及び突出部のうち少なくとも一つを含む,多層シムアセンブリ。
【請求項5】
前記第1シム層は印刷回路基板である,請求項1に記載の多層シムアセンブリ。
【請求項6】
上部複数の無線電力コイル及び下部複数の無線電力コイルを多層コイル配列に配置する際に用いる多層シムアセンブリであって,
前記上部複数の無線電力コイルを前記多層コイル配列内に整列させる第1ガイド部と,前記上部複数の無線電力コイルそれぞれからの電気結線を導く第1経路設定部とを含む第1シム層であって,該第1シム層は主面を含み,前記第1ガイド部は,前記主面から延長して第1陥凹部を規定し,前記上部複数の無線電力コイルを同時に囲む第1壁部を含み,前記第1壁部は少なくとも二つの無線電力コイルを含む前記上部複数の無線電力コイルを囲む,第1シム層と,
前記第1シム層と結合され,前記多層コイル配列内の前記下部複数の無線電力コイルを整列させる第2ガイド部と,前記下部複数の無線電力コイルそれぞれからの電気結線を導く第2経路設定部とを含む,第2シム層であって,該第2シム層は主面を含み,前記第2ガイド部は,前記主面から延長して第2陥凹部を規定し,前記下部複数の無線電力コイルを同時に囲む第2壁部を含み,前記第2壁部は少なくとも二つの無線電力コイルを含む前記下部複数の無線電力コイルを囲む,第2シム層と,を有し,
前記第1ガイド部及び前記第2ガイド部は協同して前記の複数の電力コイルを所定の重複するコイル配列に整列させ,前記下部複数の無線電力コイル及び前記上部複数の無線電力コイルがそれぞれ前記第1陥凹部及び前記第2陥凹部に受け入れられたとき,前記上部複数の無線電力コイルが前記下部複数の無線電力コイルに対して実質的に軸方向にずれるように,前記第1陥凹部は前記第2陥凹部に対してずれており,
前記第1経路設定部及び前記第2経路設定部のうち少なくとも一つは,前記多層シムアセンブリの端部と,前記上部複数の無線電力コイル及び前記下部複数の無線電力コイルの複数の接続点との間に電力を導くためのスタンプ加工されたトレースを含む,多層シムアセンブリ。
【請求項7】
前記スタンプ加工されたトレースは,前記第1シム層及び前記第2シム層のうち少なくとも一つにオーバモールドされる,請求項6に記載の多層シムアセンブリ。
【請求項8】
前記上部複数の無線電力コイルそれぞれからの導線は,無線電力回路への接続のために前記第1シム層の表面に沿って導かれる,請求項1に記載の多層シムアセンブリ。
【請求項9】
上部複数の無線電力コイル及び下部複数の無線電力コイルを多層コイル配列に配置する際に用いる多層シムアセンブリであって,
前記上部複数の無線電力コイルを前記多層コイル配列内に整列させる第1ガイド部と,前記上部複数の無線電力コイルそれぞれからの電気結線を導く第1経路設定部とを含む第1シム層であって,該第1シム層は主面を含み,前記第1ガイド部は,前記主面から延長して第1陥凹部を規定し,前記上部複数の無線電力コイルを同時に囲む第1壁部を含み,前記第1壁部は少なくとも二つの無線電力コイルを含む前記上部複数の無線電力コイルを囲む,第1シム層と,
前記第1シム層と結合され,前記多層コイル配列内の前記下部複数の無線電力コイルを整列させる第2ガイド部と,前記下部複数の無線電力コイルそれぞれからの電気結線を導く第2経路設定部とを含む,第2シム層であって,該第2シム層は主面を含み,前記第2ガイド部は,前記主面から延長して第2陥凹部を規定し,前記下部複数の無線電力コイルを同時に囲む第2壁部を含み,前記第2壁部は少なくとも二つの無線電力コイルを含む前記下部複数の無線電力コイルを囲む,第2シム層と,を有し,
前記第1ガイド部及び前記第2ガイド部は協同して前記の複数の電力コイルを所定の重複するコイル配列に整列させ,前記下部複数の無線電力コイル及び前記上部複数の無線電力コイルがそれぞれ前記第1陥凹部及び前記第2陥凹部に受け入れられたとき,前記上部複数の無線電力コイルが前記下部複数の無線電力コイルに対して実質的に軸方向にずれるように,前記第1陥凹部は前記第2陥凹部に対してずれており,
前記上部複数の無線電力コイルそれぞれからの導線は,印刷回路基板への接続のためにシールドを迂回する,多層シムアセンブリ。
【請求項10】
前記上部複数の無線電力コイル及び前記下部複数の無線電力コイルそれぞれからの導線はコネクタに導かれ,該コネクタは前記上部複数の無線電力コイル及び前記下部複数の無線電力コイルを無線電力回路へ電気的に接続することができる,請求項8に記載の多層シムアセンブリ。
【請求項11】
第1の複数の無線電力コイル及び第2の複数の無線電力コイルを多層コイル配列内に配置する際に用いる多層シムアセンブリであって,
主面と,前記第1の複数の無線電力コイルを前記多層コイル配列内に整列させる第1ガイド部と,前記第1の複数の無線電力コイルそれぞれからの電気結線を導く第1経路設定部とを含む第1シム層であって,前記第1ガイド部及び前記第1経路設定部はそれぞれ,前記主面から延長して前記第1シム層に陥凹部を規定し,前記第1の複数の無線電力コイル及び前記電気結線を同時に囲む壁面を含む,第1シム層と,
第2シム層を形成する印刷回路基板であって,該第2シム層は,前記多層コイル配列内の前記第2の複数の無線電力コイルと,印刷回路基板トレース網を含む第2経路設定部と,を含む,印刷回路基板と,を有し,
前記第1ガイド部は,前記第1の複数の無線電力コイルが前記第2の複数の無線電力コイルに対して実質的に軸方向にずれるように,前記第1の複数の無線電力コイルを前記第2の複数の無線電力コイルに対して,所定の重複する配列に整列させ
前記第1シム層の少なくとも一部は磁束収束材料で組立てられる,多層シムアセンブリ。
【請求項12】
第1の複数の無線電力コイル及び第2の複数の無線電力コイルを多層コイル配列内に配置する際に用いる多層シムアセンブリであって,
主面と,前記第1の複数の無線電力コイルを前記多層コイル配列内に整列させる第1ガイド部と,前記第1の複数の無線電力コイルそれぞれからの電気結線を導く第1経路設定部とを含む第1シム層であって,前記第1ガイド部及び前記第1経路設定部はそれぞれ,前記主面から延長して前記第1シム層に陥凹部を規定し,前記第1の複数の無線電力コイル及び前記電気結線を同時に囲む壁面を含む,第1シム層と,
第2シム層を形成する印刷回路基板であって,該第2シム層は,前記多層コイル配列内の前記第2の複数の無線電力コイルと,印刷回路基板トレース網を含む第2経路設定部と,を含む,印刷回路基板と,を有し,
前記第1ガイド部は,前記第1の複数の無線電力コイルが前記第2の複数の無線電力コイルに対して実質的に軸方向にずれるように,前記第1の複数の無線電力コイルを前記第2の複数の無線電力コイルに対して,所定の重複する配列に整列させ,
前記第1経路設定部は,前記第1の複数の無線電力コイルと,前記印刷回路基板との間に電線を導くためのチャネルシステムを含む,多層シムアセンブリ。
【請求項13】
第1の複数の無線電力コイル及び第2の複数の無線電力コイルを多層コイル配列内に配置する際に用いる多層シムアセンブリであって,
主面と,前記第1の複数の無線電力コイルを前記多層コイル配列内に整列させる第1ガイド部と,前記第1の複数の無線電力コイルそれぞれからの電気結線を導く第1経路設定部とを含む第1シム層であって,前記第1ガイド部及び前記第1経路設定部はそれぞれ,前記主面から延長して前記第1シム層に陥凹部を規定し,前記第1の複数の無線電力コイル及び前記電気結線を同時に囲む壁面を含む,第1シム層と,
第2シム層を形成する印刷回路基板であって,該第2シム層は,前記多層コイル配列内の前記第2の複数の無線電力コイルと,印刷回路基板トレース網を含む第2経路設定部と,を含む,印刷回路基板と,を有し,
前記第1ガイド部は,前記第1の複数の無線電力コイルが前記第2の複数の無線電力コイルに対して実質的に軸方向にずれるように,前記第1の複数の無線電力コイルを前記第2の複数の無線電力コイルに対して,所定の重複する配列に整列させ,
前記第1経路設定部は,前記第1の複数の無線電力コイルと,前記印刷回路基板との間に電力を導くためのスタンプ加工されたトレースを含む,多層シムアセンブリ。
【請求項14】
前記スタンプ加工されたトレースは,前記第1シム層にオーバモールドされる,請求項13に記載の多層シムアセンブリ。
【請求項15】
第1の複数の無線電力コイル及び第2の複数の無線電力コイルを多層コイル配列内に配置する際に用いる多層シムアセンブリであって,
主面と,前記第1の複数の無線電力コイルを前記多層コイル配列内に整列させる第1ガイド部と,前記第1の複数の無線電力コイルそれぞれからの電気結線を導く第1経路設定部とを含む第1シム層であって,前記第1ガイド部及び前記第1経路設定部はそれぞれ,前記主面から延長して前記第1シム層に陥凹部を規定し,前記第1の複数の無線電力コイル及び前記電気結線を同時に囲む壁面を含む,第1シム層と,
第2シム層を形成する印刷回路基板であって,該第2シム層は,前記多層コイル配列内の前記第2の複数の無線電力コイルと,印刷回路基板トレース網を含む第2経路設定部と,を含む,印刷回路基板と,を有し,
前記第1ガイド部は,前記第1の複数の無線電力コイルが前記第2の複数の無線電力コイルに対して実質的に軸方向にずれるように,前記第1の複数の無線電力コイルを前記第2の複数の無線電力コイルに対して,所定の重複する配列に整列させ,
前記印刷回路基板トレース網は,前記第2の複数の無線電力コイルと,無線電力回路の複数の接続点との間の電気結線を提供し,前記印刷回路基板トレース網は,前記第1経路設定部と無線電力回路の前記複数の接続点との間の電気結線を提供する,多層シムアセンブリ。
【請求項16】
第1の複数の無線電力コイルそれぞれを同時に受け入れる形状をした第1陥凹部を含む上部シム層であって,前記第1の複数の無線電力コイルそれぞれから延長する第1の複数のトレースを含む,上部シム層と,
第2の複数の無線電力コイルそれぞれを同時に受け入れる形状をした第2陥凹部を含む中間シム層であって,前記第2の複数の無線電力コイルそれぞれから延長する第2の複数のトレースを含む,中間シム層と,
第3の複数の無線電力コイルそれぞれを同時に受け入れる形状をした第3陥凹部を含む下部シム層であって,前記第3の複数の無線電力コイルそれぞれから延長する第3の複数のトレースを含む,下部シム層と,を有し,
前記第1陥凹部,前記第2陥凹部及び前記第3陥凹部は,前記第1の複数の無線電力コイル,前記第2の複数の無線電力コイル及び前記第3の複数の無線電力コイルが各々対応する陥凹部に受け入れられたとき,前記第1の複数の無線電力コイル,前記第2の複数の無線電力コイル及び前記第3の複数の無線電力コイルが,所定の部分的に重複する3次元コイル配列に整列するように,互いに軸方向にずれており,
前記上部シム層,前記中間シム層及び前記下部シム層のうち一つは,前記上部シム層,前記中間シム層及び前記下部シム層のうち残りのものを越えて突出した横方向延長部を含む,多層シムアセンブリ。
【請求項17】
前記上部シム層,前記中間シム層及び前記下部シム層の外周の一部は互いに実質的に垂直方向に整列している,請求項16に記載の多層シムアセンブリ。
【請求項18】
前記上部シム層,前記中間シム層及び前記下部シム層のうち少なくとも一つに隣接したシールドを更に含む,請求項16に記載の多層シムアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,無線電源及び無線電源を組み立てる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線電力ソリューションがますます普及しつつある。単純な無線電力ソリューションは,無線電源と,携帯電話機のような遠隔装置とを含むことができる。無線電源は,電源プラグ(wall plug)と,無線電力回路と,1次コイルとを備えてもよい。電力はコンセント(wall outlet)から供給され,回路はこの電力を用いて電磁界を生成する1次コイルを励磁する。遠隔装置は,2次コイルと,無線電力回路と,負荷とを含む。遠隔装置が1次コイルによって生成された電磁界の近傍に置かれたとき,2次コイルはエネルギを受け取る。遠隔装置内の回路は2次コイルからの電力を用いて負荷にエネルギを与え,それによって,無線電源と遠隔装置との間の電気接点を用いずに,無線電源からの電力を遠隔装置に転送する。
【0003】
いくつかのより複雑な無線電力ソリューションもまた開発されている。例えば,いくつかの無線電源は配列を成す複数の1次コイルを含み,遠隔装置はその配列上に置かれると無線電力を受電することができる。いくつかの配列は,互いに隣り合うすべての1次コイルを単一層内に提供する。ほかの配列は多層であって,重複する1次コイルを有する。1次コイルの配列を用いることによって,電力転送面を単一コイル無線電源より大きくすることができる。いくつかの環境においては,単一の1次コイルが供給するより大きな電力を転送するために配列が用いられる。別の環境においては,遠隔装置に位置の自由を与えるために配列を用いてもよい。さらに別の環境においては,配列は複数の遠隔装置に充電する能力を有してもよい。
【0004】
1次コイル配列を組み立てる際に様々な問題が生じることがある。第一に,1次コイルは無線電源回路に接続するために少なくとも二つの導線を有するため,導くべき結線の数のために,結線の管理が困難なことがある。各コイルと無線電力回路との間を個別に接続することは時間が掛かることがある。第二に,一次コイルがそれぞれ所定の場所にあること確かめることは退屈であり時間が掛かることがある。1次コイル同士の配置は,生成される電磁界,したがって電力転送効率に影響することがある。製造の際の位置合わせが不十分であると,無線電源の寿命全体を通して効率が失われることになる。第三に,配列において導くべき結線数が与えられていると,いくつかの結線は,無線電力回路に届くために,配列内のほかのいくつかのコイルの上を通る。コイル上をあまりに多くの電線が交差すると,スタックの厚みと,配列によって生成される電磁界に影響することがある。
【0005】
1次配列を組み立てる際の困難性のいくつかを処理するために試みられた一つのソリューションは,印刷回路基板を用いて配列を組み立てることである。1次コイルは,導体トレースパターンを用いて印刷回路基板内に組み立てることができる。多層印刷回路基板を用いて多層配列を製造することができる。印刷回路基板配列は,1次配列を組み立てることに関係する問題のいくつかを克服することができるが,それらは特に高電力出力レベルにおいて,非効率である。熱もまた問題になることがあり,印刷回路基板配列においては処理することが困難である。
【0006】
印刷回路基板1次配列よりも電線1次配列の方が,電線1次コイルを整列させ,接続することはより困難である。しかし,効率及び熱の問題は,印刷回路基板1次配列よりも電線1次配列の方が,問題が少ない。1次電線コイル配列に対するいくつかの初歩的なソリューションが試みられたが,それらは大量生産の場合には十分ではなく,小さな配列に限定される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題は,無線電源が多層シム(shim)アセンブリを含む本願発明の実施例によって克服される。アセンブリ内の各シムは,多層コイル配列内のコイルの整列及び導体の経路設定(routing)を支援する。各シムの一部は整列及び経路設定に適したパターンを提供することができる。筐体と,シールドと,無線電力回路とが,多層シムアセンブリ及び多層コイル配列を備えた無線電源内に含まれてもよい。
【0008】
一つの実施例においては,各シム層は不導電性材料でできており,配列にコイルを配列させるガイドと,電線をシムアセンブリの端部に導く(route)チャネルとを含む。多層コイル配列を組み立てるために,シムを互いの上に一つずつ搭載してもよく,各層内のコイルはガイドを用いて所定の位置に整列させ,固定してもよく,各層内の電線は,次のシムを積み重ねる前に電線経路設定チャネルを用いて導いてもよい。無線電力回路は,印刷回路基板上のシールドの反対側に搭載してもよいし,無線電源内のどこに配置してもよい。多層シムアセンブリの端部から突き出ている電線は,シールドの外側に巻き付け,印刷回路基板に接続してもよいし,別様に無線電力回路に接続してもよい。一つの実施例においては,電線はすべて,シムアセンブリの同一の端部に接続してもよい。代替実施例においては,電線はシムアセンブリの複数の端部に接続してもよい。
【0009】
代替実施例においては,シールドと電力転送面の反対側のシムとを置き換えてもよく,一つの例は多層シムアセンブリ内の底部シムである。すなわち,シールドはコイルを整列させるガイドと,電線を導くチャネルとを含んでもよい。シールドを多層シムアセンブリの一部として利用することによって,無線電源の厚みを減少させることができる。
【0010】
一つの実施例においては,電線をシムアセンブリの端部までチャネルを介して導く代わりに,電線は多層シムアセンブリの一部を通って突出し,無線電力回路に接続する。無線電力回路が,シールドに固定されている印刷回路基板上にある実施例においては,シムアセンブリからの電線は印刷回路基板の穴を通って突出し,ハンダ付け又は別の方法で印刷回路基板に接続される。
【0011】
一つの実施例においては,シムのうち1又は複数が印刷回路基板であり,電流を導くためのトレースを有する。コイルはトレースに接続され,無線電力回路に導かれる。シム回路基板は,積層されたシムが一緒にハンダ付けされて,その間に電流が通るようにするビア(via)接続を有してもよい。シム回路基板は,多層シムアセンブリを無線電力回路に接続するピンコネクタを含んでもよい。無線電力回路が多層シムアセンブリに含まれる実施例においては,トレースは無線電力回路に直接接続してもよい。
【0012】
一つの実施例においては,スタンプ加工された電気トレースがオーバモールドされてプラスチックシムを形成する。プラスチックシムはコイルを整列させるためのガイドと,シムを通じて電流を導くための埋め込み電気トレースとを含む。無線電力回路と多層コイル配列内のコイルとに接続するためのスタンプ加工された金属トレースの終端点は,波型接続(crimp connection),ハンダパッド又はほかの適切な終端構造であってよい。
【0013】
一つの実施例においては,プラスチックシムがプラスチックでコイルの層をオーバモールドすることによって形成される。電気コネクタ導線は,無線電力回路との接続のためにプラスチックカバーから突き出てもよい。多層プラスチックシムを次々に上に置いて,多層コイル配列シムアセンブリを形成することができる。プラスチックシムのうちいくつかは,ほかのプラスチックシムからの電気コネクタが貫通できるように開口部を含んでもよい。コイル導線は各コイルの外径及び内径から突出して,電気コネクタ導線に接続する。この構成の一つの利点は,コイルの内径上のコイル導線がコイルをまたがないことである。この実施例の変形においては,シム内の各コイルを個別にオーバモールドしてもよい。個別にオーバモールドされたコイルの各層がシムを成す。
【0014】
無線電力ソリューションの性能が,配列の中心と中心との間隔の幾何学的パターンに依存する配列内のコイルを整列させる,組立て支援を提供することが望ましい。多層シム配列アセンブリは,コイルの整列を支援し,電線の経路設定を支援し,コイル配列を無線電力回路に接続することによって,製造を容易にする。
【0015】
本願発明のこれらの目的,利点及び特徴は,現在の実施例の説明及び図面を参照することによって,より十分に理解し,評価されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】二つの端部に導かれた導線を有する組み立てられた多層シムアセンブリの透視図である。
図2図1の多層シムアセンブリの一部の詳細な図である。
図3図1の多層シムアセンブリの展開図である。
図4】一つの端部に導かれた導線を有する組み立てられた多層シムアセンブリの透視図である。
図5図4の多層シムアセンブリの一部の展開図である。
図6】シールドシムを有する組み立てられた多層シムアセンブリの透視図である。
図7図6の多層シムアセンブリの一部の詳細な図である。
図8図6の多層シムアセンブリの展開図である。
図9】アセンブリを通して突き出る電線を有する組み立てられた多層シムアセンブリの上面透視図である。
図10図9の多層シムアセンブリの底面透視図である。
図11図9の多層シムアセンブリの展開図である。
図12】印刷回路基板シムを有する組み立てられた多層シムアセンブリの透視図である。
図13図12の多層シムアセンブリの展開された底面図である。
図14図12の多層シムアセンブリの展開された上面図である。
図15図12の多層シムアセンブリの一部の詳細な図である。
図16】ピンコネクタを有する図12の多層シムアセンブリの透視図である。
図17】埋め込まれたトレースを有するプラスチックオーバモールドされたシムを有する組み立てられた多層シムアセンブリの透視図である。
図18図17の多層シムアセンブリの展開図である。
図19】トレースの一部が打ち抜かれた後の,図17の多層シムアセンブリの一部の詳細な図である。
図20】トレースの一部が打ち抜かれる前の,図17の多層シムアセンブリの一部の詳細な図である。
図21】オーバモールドされたコイル配列シムを有する組み立てられた多層シムアセンブリの上面透視図である。
図22図21の多層シムアセンブリの底面透視図である。
図23図21の多層シムアセンブリの展開図である。
図24】個別にオーバモールドされたコイルを有する多層シムアセンブリの展開図である。
図25】本発明の実施例による無線電源システムの透視図である。
図26】多層シムアセンブリを製造する一実施例のステップのうちいくつかの代表的なフロー図である。
図27】多層シムアセンブリを製造する一実施例のステップのうちいくつかの代表的なフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施例を詳細に説明する前に,本発明は以降の説明に記載されたか,図に示された動作の詳細又は組立て及び構成要素の配置の詳細に限定されるものではないことを理解されたい。本発明は別の実施例で実現し,ここで明確に開示されていない種々の代替方法で実践し又は実行してもよい。また,ここで用いている表現及び用語は説明用であって,限定として理解することは望ましくないことも理解されたい。「含む」,「有する」及びその変形の使用は,その後に掲げる項目及びその均等物,並びに追加項目及びその均等物を含むものとする。さらに,種々の実施例の説明において列挙を用いることがある。別途明確に言及しない限り,列挙の使用は本発明を如何なる構成要素の特定の順序又は数に限定するものと捉えることは望ましくない。また,列挙の使用は,本発明の範囲から,列挙されたステップ又は構成要素と組合せ又は組み込むことができる如何なる追加のステップ又は構成要素を除外すると捉えることは望ましくない。
【0018】
本発明の一つの実施例によって組み立てられた多層シムアセンブリが図1〜3に示されており,全体として100と記されている。一般に,多層シムアセンブリは複数のシム及び複数のコイルを含む。各シムはコイルのいくつかをコイル配列に整列させることを支援し,シムは集合的にコイルを多層コイル配列に配置する。シムはまた,無線電源回路とコイルとの間に電気を導くことを支援する。
【0019】
図1〜3を参照すると,多層シムアセンブリ100の図示された実施例は3枚のシム102,104,106と,多層コイル配列110を形成する18個のコイル108と,シールド112とを含む。各シムは6個のコイルを単層コイル配列に整列させ,3枚のシムが集合的に18個のコイルを3層コイル配列に整列させる。
【0020】
各コイル108は巻線部114及び伝送部116を有する。巻線部114は1又は複数の旋回を含み,交番電流で励磁されたとき電磁界が生成される。伝送部116は交番電流源への接続を提供する,コイルの一部を指し,コイルを接続するための1又は複数の導線117を含む。伝送部116はコイル電線と呼ばれることもある。現実施例に示されるコイルは平坦でありらせん状に巻かれているが,別の種類及び形状のコイルを実現してもよい。例えば,らせん状に巻かれたコイルの代わりに,平坦で長方形に巻かれたコイルを使用してもよい。
【0021】
現実施例においては,各シム層は不導電性材料でできており,コイルを配列に整列させるためのガイド120と,コイルから電気結線を導くための経路設定部118とを含む。
【0022】
ガイド120は,コイルを指定された1の配列に整列させるのに適した各シムの一部である。図示したとおり,ガイド120は,シムが除去されて各コイルの位置を規定する壁を有する開口部を提供するシムの一部であってよい。シムが表面に固定されたとき,コイルは開口部に置かれ,開口部の壁は,コイルが確実に正しく配置されるようにするために用いることができる。図3に示すように,シムは次々に上に置かれ,コイルは下のシムの上面,又は下のコイルの上面に置かれる。図示したとおり,各層のコイルは一般に,それらが置かれている対応するシムの上面及び底面と概略同一面にある。このようにして,シム表面の上に置かれたコイルは一般に,コイル表面の上に置かれたコイルと垂直に整列する。別の実施例においては,ガイド120は整列を補助するエンボスパターンであってよい。すなわち,シム内の開口部の代わりに,各シムがコイルをシム内に整列させるためのパターンを有してもよい。この種の実施例においては,各層のコイルは下のシムの上には置かれない。コイルのサイズ及び形状は実施例によって異なってもよい。例えば,シムがエンボスパターン上に置かれたとき,コイルがシムの上面と同一面又は下にあるように製造してもよい。ガイド120は,製造の際にモールドしてもよいし,モールドの後にミル加工してもよい。また別の実施例においては,ガイド120はコイルが電気的に接続される接続点であってもよい。
【0023】
経路設定部118は,コイル108の巻線部114から無線電力回路へ,コイル108の伝送部116を導くことを支援する。例えば,各シムは,当該シムと関係するコイル配列内のコイル108それぞれの伝送部116を導くのに十分大きな経路設定チャネル108を含んでもよい。図1〜3に示す実施例のようなほかの実施例においては,二つのシムが互いに隣り合って配置されたとき,協同してより大きな経路設定チャネル118を形成してもよい。いくつかの実施例においては,経路設定チャネル118のいくつか又はすべてが複数のコイルの伝送部116を同時に導くのに十分大きくてもよい。
【0024】
一般に多層シムアセンブリを組み立てるために,シムは互いに搭載してもよいし,シールドを有する実施例においては,互いの上に一つずつシールドに搭載してもよい。第1のシムを置いた後,当該層のコイルそれぞれの巻線部がガイド120を用いて所定の位置に整列させられ,所定の場所に固定される。各コイルの伝送部116は,次のシムを積み重ねる前に電線経路設定チャネル118を用いて導かれる。無線電力回路は印刷回路基板上のシールドの反対側に搭載してもよいし,任意の場所に配置してもよい。多層シムアセンブリの端部から突き出ている電線は,シールドの外側に巻き付けて印刷回路基板に接続してもよいし,別の方法,例えば端子ブロックのハンダ接続によって,無線電力回路に接続してもよい。一つの実施例においては,図1〜3に示すように,電線はシムアセンブリの複数の端部に導かれる。別の実施形態においては,図4〜5に示すように,電線はすべてシムアセンブリの同じ端部に導かれる。
【0025】
図1〜3の多層シムアセンブリの組立てに関する一つの特定の方法は,1)第1シムを,糊又は両面テープのような粘着剤又は本質的に任意のほかの適切な留め具でシールドに取り付けるステップと,2)コイル電線が各コイルのそばの電線経路設定チャネルを通して突き出るように整列するように,第1シムの切欠きに6個のコイルを整列させ,貼り付けるステップと,3)第1シム及び第1の6個のコイルの上に第2シムを貼り付けるステップと,4)第2シムに第2層の6個のコイルを整列させ,貼り付けるステップと,5)第2シム内のチャネルを通して第2層のコイルの電線を導くステップと,6)第3層の6個のコイルを置くステップと,7)第2シム内のチャネルを通して第3層のコイルの電線を導くステップと,8)第2シム及び第2層のコイルの上に第3シムを整列させ,貼り付けるステップと,9)第3シムに第3層の6個のコイルを整列させ,貼り付けるステップと,を含む。
【0026】
図26は,図1〜3の多層シムアセンブリを組み立てる方法に関係して上述したステップ6〜9を置き換える代替ステップの概略フロー図を示す。この実施例において,上部シムアセンブリ2601,2602,2603は,底部シムアセンブリ2604と組み合わされ,結合される。底部シムアセンブリ2604は,上述のステップ1〜5に関係して説明したとおり組み立ててもよいし,ほかの適切な組立て方法を用いて組み立ててもよい。一つの実施例においては,上部シムアセンブリは,次のとおり底部シムアセンブリと組み合わされ,結合されて,多層シムアセンブリを形成する。最初に,片面粘着フィルム2601が,粘着面を上にして置かれる。上部シム2602が粘着フィルム2601上に逆さまに置かれる。コイル2603が上部シム2602に置かれる。電線が上部シム2602内のチャネルを通して導かれる。次に,任意選択のステップは,粘着剤を上部シムアセンブリ2601,2602,2603又は底部シムアセンブリ2604に塗布することである。次に,上部シムアセンブリ2601,2602,2603は折り曲げられ,底部シムアセンブリ2604と整列させられて,多層シムアセンブリが形成される。
【0027】
図27は,図1〜3の多層シムアセンブリを組み立てる方法に関係して上述したステップ6〜9を置き換える別の代替ステップ集合の概略フロー図を示す。この実施例において,上部シムアセンブリ2702,2703は,底部シムアセンブリ2704と組み合わされ,結合される。底部シムアセンブリ2704は,上述のステップ1〜5に関係して説明したとおり組み立ててもよいし,ほかの適切な組立て方法を用いて組み立ててもよい。一つの実施例においては,上部シムアセンブリは,次のとおり底部シムアセンブリと組み合わされ,結合されて,多層シムアセンブリを形成する。最初に,上部シム2702が平坦面上に逆さまに置かれる。コイル2703が上部シム2702に置かれる。電線が上部シム2702内のチャネルを通して導かれる。次に,任意選択のステップは,粘着剤を上部シムアセンブリ2702,2703又は底部シムアセンブリ2704に塗布することである。次に,部分シムアセンブリ2704は折り曲げられ,上部シムアセンブリ2702,2703と整列させられて,多層シムアセンブリが形成される。
【0028】
組み立てられると,多層シムアセンブリは無線電源の筐体に搭載される。筐体は,当該筐体に多層シムアセンブリを整列させ,貼り付けるための特定の機能を有してもよい。アセンブリは全体が筐体の内部,背後又は下に隠してもよい。図示した実施例は,コイルの各層が,対応するシムの上面及び底面と同一面になっているため,無線電源の総厚みを最小にする。さらに,この組み立ては1次コイル配列と遠隔装置との間のギャップを最小にする。
【0029】
多層シムアセンブリの図示した実施例は,第1層のコイルがシールド112と物理的に接触しているため,高レベルのシールド効果を提供する。シールドは,フェライト磁束シールド112のような,本質的に任意の適切なシールドであってよい。いくつかの実施例において,シールドは,ここで参照する2010年8月25日出願の"Flux Concentrator and Method of Making a Magnetic Flux Concentrator"と題する米国特許出願第12/868,052号に記載の磁束収束器のような磁束収束器であってよい。
【0030】
図4〜5を参照すると,図1〜3に示した多層シムアセンブリに類似の多層シムアセンブリ200の実施例が示されている。多層シムアセンブリ200は3枚のシム202,204,206と,多層コイル配列210を形成する18個のコイル208と,シールド212とを含む。主な違いは,コイルそれぞれのコイル導線217がすべてシムアセンブリの同一の端部に導かれていることである。図5は,多層シムアセンブリの一つの端部への経路設定を達成するために,シム内に電線経路設定チャネルを形成することができる一つの方法を示している。シールド212と,コイル208と,シム202,204,206とは,概略,図1〜3の実施例に関係して説明した通りに組み立てることができる。組み立てられた多層シムアセンブリ200は,無線電源の筐体内又は筐体上に搭載される。無線電力回路はシールドの下に搭載された印刷回路基板上に含めてもよく,コイル導体217は巻き付けられて回路に接続される。代替実施例においては,無線電力回路は無線電源の任意の場所に含めてもよい。
【0031】
図6〜8を参照すると,図1〜3に示した多層シムアセンブリに幾分類似の多層シムアセンブリ300の実施例が示されている。多層シムアセンブリ300は2枚のシム304,306と,多層コイル配列310を形成する18個のコイル308と,シールド312とを含む。この実施例と図1〜3に示された実施例との主な違いは,シールドシム312が,コイルを整列させ,電線を導くためのシムの一つを置き換えることである。
【0032】
シールドシム312は,配列内のコイルを整列させるガイド320と,電線をシムアセンブリの端部に導くためのチャネル318とを含む。シールド内のガイド320は,コイルを指定された位置で配列に整列させるのに適したシールドの一部である。図示したとおり,ガイド320は整列を補助するエンボスパターンを有してもよい。すなわち,シールドシム312は,シールド上のコイルを整列させるためのエンボスパターンを有してもよい。エンボスパターンのサイズ及び形状は,コイルのサイズ及び形状に非常に依存する。シールドシム312内のガイド320は,製造の際にモールドしてもよいし,モールド後にミル加工してもよい。図8に示すとおり,コイルはガイド320を用いて配列内に配置され,シム304は,コイルがシム304内に配置されたとき,コイルがシールドシム312の上面に置かれるか,シールドシム312内に配置されたコイル308の上面に置かれるかのいずれかであるように,シールドシム312の上に固定される。各層のコイルは,概略,コイルが置かれている対応するシムの上面及び底面と同一面にある。このようにして,シム表面の上に置かれたコイルは一般に,コイル表面の上に置かれたコイルと垂直に整列する。ほかの実施例においては,ガイド320は,シールドが除去されて各コイルの位置を規定する壁を有する開口部を提供するシールドの一部であってよい。シムが,シールドのほかの層のような表面に固定されたとき,コイルは開口部に置かれ,開口部の壁は,コイルが確実に正しく配置されるようにするために用いることができる。
【0033】
代替実施例において,シム304,306はシールドされた部分及びシールドされていない部分を含んでもよい。例えば,シールドされていない部分は多層コイル配列内のコイルと重複するように配置され,多層コイル配列を囲む範囲及びシム304,306それぞれのシールドされた部分は,多層コイル配列内のコイルと重複しないシムの任意の部分を含んでもよい。このようにして,シールドによって阻止されないが,無線転送経路以外のすべてのほかの経路はシールドによって実質的にシールドによって禁止される無線転送経路を含む多層シムアセンブリが提供される。
【0034】
図9〜11を参照すると,図6〜8に示した多層シムアセンブリに幾分類似の多層シムアセンブリ400の実施例が示されている。多層シムアセンブリ400は2枚のシム404,406と,多層コイル配列410を形成する18個のコイル408と,シールド412と,印刷回路基板421と,を含む。この実施例と図6〜8に示された実施例との主な違いは,電線経路設定チャネル418が水平ではなく垂直なことである。
【0035】
シム404,406及びシールドシム412は図6〜8に関係して説明したとおり積み重ねられている。しかし,コイル電線がチャネルを通してアセンブリの端部に導かれる代わりに,電線は多層シムアセンブリの一部を通して突き出し,無線電力回路423に接続されている。無線電源回路423が,シールド412に固定された印刷回路基板421上に配置されている実施例においては,コイル電線は印刷回路基板内の穴を通して突き出て,ハンダ付け又はほかの方法で,印刷回路基板421上の導電性トレース422に接続される。印刷回路基板421上の導電性トレース422は,印刷回路基板421上に配置された無線電力回路423又はボードエッジコネクタ,ハンダパッド,ネジ端子又はほかの適切な終端のような端子エリアに電気結線を導くことができる。
【0036】
図12〜16を参照すると,図4〜5に示した多層シムアセンブリに幾分類似の多層シムアセンブリ500の実施例が示されている。多層シムアセンブリ500は3枚のシム502,504,506と,多層コイル配列510を形成する18個のコイル508と,シールド512とを含む。この実施例と図4〜5に示された実施例との主な違いは,シムが印刷回路基板でできていることである。
【0037】
印刷回路基板シム502,504,506は2層印刷回路基板で組み立てられており,電線経路設定チャネルの代わりにトレース518を有する。現実施例においては,印刷回路基板シム502,504,506はそれぞれ,配列内のコイルを整列させるためのガイド520と,電気をシムアセンブリの端部に導くためのトレース518を含む。各コイルのコイル電線517は,各コイルの外径に近い接続エリア519にハンダ付けすることによって,シム502,504,506それぞれのトレース518に接続される。このようにして,コイル電線の長さが扱い易い,短い長さに保つことができる。両面回路基板は,積層シムが互いにハンダ付けされ,各シム間に電流を通すことができるようにするビア接続を有してもよい。
【0038】
おそらくは図13に最もよく示されているが,印刷回路基板シム502の一つはほかのシム504,506及びシールド512よりも更に延長して,電気結線を行うことができる。延長された印刷回路基板シム502の端部は,ハンダパッド,ピンコネクタ,端子ブロック又は本質的に任意のほかの終端構造を有してよい。例えば図16に示すように,多層シムアセンブリ500はピンコネクタ524を含んでもよい。ピンコネクタは,無線電力回路を多層シムアセンブリ500に電気的に接続するインタフェースを提供する。印刷回路基板シムへの接続は,個別電線,リボンケーブル又は本質的に任意のほかの適切なコネクタで成される。
【0039】
図17〜20を参照すると,図12〜16に示した多層シムアセンブリに幾分類似の多層シムアセンブリ600の実施例が示されている。多層シムアセンブリ600は3枚のシム602,604,606と,多層コイル配列610を形成する18個のコイル608と,シールド612と,を含む。この実施例と図12〜16に示された実施例との主な違いは,この実施例のシムはトレースを有する印刷回路基板シムではなく,回路経路を形成するためにスタンプ加工された電気トレースの周囲に共通モールド(co−mold)されているプラスチックシムであることである。
【0040】
プラスチックオーバモールドに先立って,スタンプ加工されたトレース618が共に打ち抜かれ,タブ630によって接続される。これによって,オーバモールドに先立つスタンプ加工されたトレース618の処理及び配置を容易にすることができる。モールド処理の際,又はその後で,コネクタタブ630が打ち抜かれて,プラスチックシム内に個別のトレース618が埋め込まれたままにする。タブ630が打ち抜かれると,開口部630がシム内に残される。トレースが終端点を有するとき,スタンプ加工された金属トレース618上の終端点619は波型接続,ピンコネクタ,ハンダパッド又は本質的に任意のほかの種類の端子であってよい。図18に示すように,ピンコネクタ624は無線電力回路を多層シムアセンブリ600に電気的に接続するインタフェースを提供することができる。
【0041】
図21〜23を参照すると,各シムがオーバモールドされている多層シムアセンブリ700の実施例が示されている。図示されている実施例において,多層シムアセンブリ700は3枚のオーバモールドされたシム702,704,706と,多層コイル配列710を形成する18個のコイル708と,シールド712と,印刷配線基板721と,を含む。多層オーバモールドシムアセンブリ700は,多層無線電力コイル配列のうち,無線電力コイルの第1サブセットと,無線電力コイルの第2サブセットと,を整列させるための整列システムを含むことができる。整列システムは,オーバモールドされたシム層それぞれと,シールド層とに整列機能(alignment feature)を含むことができる。整列機能は,隆起,柱,ペグ,突出部(extrusion),端部,空洞,穴,又は本質的に任意のほかの種類の整列機能を含むことができる。多層オーバモールドシムアセンブリ700はまた,無線電力コイルの第1及び第2サブセットからの電気結線を導くための経路設定システムを含んでもよい。経路設定システムは,第1オーバモールドシム層と,第2オーバモールドシム層と,存在すればシールド層とに経路設定機能を含んでもよい。経路設定機能は,チャネル,スタンプ加工されたトレース,端部,穴,又は本質的に任意のほかの種類の経路設定機能を含んでもよい。
【0042】
現実施例においては,オーバモールドシムはそれぞれ6個のコイル708と共にオーバモールドされて,コイル電線がシムから突き出ている,コイルの周囲のプラスチックケーシングを形成する。オーバモールドシム702,704,706はコイル708を完全に,又は部分的に囲むことができる。一つの実施例においては,コイル電線はシムの端部から突き出ている。別の実施例においては,コイル電線はシムの底面の,各コイルの外径及び内径から突き出ている。コイル電線がシムの底面から突き出ている実施例においては,シム704,706と,シールド712と,印刷回路基板721とはすべて,コイル電線718が多層シムアセンブリ700を通って導かれて印刷回路基板721へ届くように開口部734を含んでもよい。印刷回路基板において,コイル電線718のコイル導線717は印刷回路基板721上のトレース722にハンダ付けされるか,他の方法で接続される。印刷回路基板上の導電性トレース722は無線電力回路又は,ボードエッジコネクタ,ハンダパッド,ネジ端子,又はほかの適切な終端のような終端エリアに電気結線を導くことができる。
【0043】
電線巻線コイルについての変形においては,電線の導線は,プラスチックでオーバモールドする前に,ハンダ付け,溶接又は別の方法で金属タブに取り付けられる。そして,オーバモールド処理の後,金属タブはディスクから突き出る。
【0044】
いくつかの実施例においては,コイル708は電線の代わりにスタンプ加工された金属薄板で組み立てることができる。スタンプ加工されたコイルの実施例においては,コイルは,コイル電線の代わりにコイルの外径及び内径から突き出た金属タブを有してもよい。突き出た金属タブは,各シムが上述のコイル電線について説明した通り,互いの上に順に積み重ねることができる。この構成の一つの利点は,コイルの内径上のコイル導線がコイルをまたがず,Z次元厚みを増さないことである。
【0045】
図24を参照すると,図21〜23の実施例の変形が図示されている。図示された実施例において,多層シムアセンブリ800は3枚のオーバモールドされたシム802,804,806と,多層コイル配列810を形成する18個のコイル808と,シールド812と,印刷配線基板821と,を含む。この実施例と,図21〜23の実施例との主な差は,シム全体を一度にオーバモールドする代わりに,各シム内のコイルをそれぞれ個別にオーバモールドできることである。ちょうど図21〜23の実施例のように,多層オーバモールドシムアセンブリ800は,整列システム及び経路設定システムを含んでもよい。
【0046】
現実施例において,各コイルはプラスチックディスク内に個別にオーバモールドされる。各コイルからの電線導線は,上述したものとほぼ同一の方法でプラスチックディスクから突き出る。個別にオーバモールドされたコイルは電線コイルとして説明されたが,代替実施例においてはスタンプ加工されたコイルを個別にオーバモールドしてもよい。シールド812と,印刷回路基板821と,シム802,804,806内の開口部834は,各コイルからの電線導線が多層シムアセンブリを通って導かれるようにする。いくつかの実施例において,各シム802,804,806内の個別にオーバモールドされたコイル808間の空気ギャップ835は,各コイルからの電線導線を導くのに十分であり,シム内の開口部は必要ない。
【0047】
いくつかの実施例において,オーバモールド内の突出部は整列を助ける。例えば,隆起,柱,ペグ,突出部,又はほかの種類の突出部は整列を助けることができる。現実施例において,コイル導線は,該コイル導線が剛になり,したがって個別にオーバモールドされたコイルと印刷回路基板821との間の電気結線(基になるコイル導線を介する)と,また同時に,コイル整列のためのガイドとして作用することができるようにオーバモールドされる。例えば,現実施例において,コイルの間隔及び配置は,コイルの位置とシールド821内の穴の位置とによって決定される。代替実施例においては,二つの別個の構造を用いて,電気結線及び整列を提供することができる。例えば,非剛体コイルはシールド812内の全体を通って印刷回路基板821へ導かれ,各個別オーバモールドディスク上の個別の突出部を用いて,コイルを所望の配置に整列させることができる。別の実施例においては,個別オーバモールドコイルを整列させるために,個別の突出部をシールドに含めてもよい。
【0048】
本発明の一実施例によって組み立てられた無線電源システムが図25に示され,全体として2500と記されている。一般に,無線電源システム2500は無線電源2502及び遠隔装置2504を含む。無線電源システムは,無線電源,1又は複数の遠隔装置,又は無線電源と1又は複数の遠隔装置との組合せを指してもよい。無線電源2502は電磁界を生成することができ,遠隔装置は電磁界内のエネルギを受け取り,利用することができる。
【0049】
無線電源2502は,筐体2506と,コード2508と,無線電源回路2510と,多層シムアセンブリ2512とを含む。筐体2506は,無線電源2502の構成要素を保護し,遠隔装置が受電するために配置される無線転送面を提供する。一般に,無線転送面と,筐体の周辺エリアは不導電性かつ非磁性である。筐体のほかの部分は,所望であれば導電性かつ磁性であってもよい。
【0050】
コード2508は,無線電源をAC又はDC電源のような電源に接続するために提供される。代替実施例においては,例えば電池駆動構成においては,コードは不必要である。
【0051】
無線電源回路2510は,AC信号を,多層シムアセンブリ2512の多層コイル配列内の1又は複数のコイルに供給することができる,本質的に任意の回路を含んでもよい。現実施例においては,無線電力回路2510は筐体2506内に配置される。いくつかの実施例においては,無線電力回路2510は多層シムアセンブリ2512と一体化してもよい。2004年11月30日発行のKuennenほかの"Inductively Coupled Ballast Circuit"と題する米国特許第6,825,620号に開示されている誘導電源システムの共振探査回路,2007年5月1日発行のBaarmanの"Adaptive Inductive Power Supply"と題する米国特許大7,212,41号の適応型誘導電源,2003年10月20日出願のBaarmanの"Adaptive Inductive Power Supply with Communication"と題する米国特許出願第10/689,148号の通信を含む誘導電源,Baarmanによって2007年9月14日に出願された"System and Method for Charging a Battery"と題する米国特許出願第11/855,710 号のリチウムイオン電池を無線で充電するための誘導電源,Baarmanほかによって2007年12月27日に出願された"Inductive Power Supply with Device Identification"と題する米国特許出願第11/965,085号の装置識別を有する誘導電源,又はBaarmanによって2008年1月7日に出願された"Inductive Power Supply with Duty Cycle Control"と題する米国特許仮出願第61/019,411号のデューティサイクル制御を有する誘導電源,を含む誘導電源回路を用いることが望ましいことがある。上記特許文献のすべてをここで参照する。
【0052】
多層シムアセンブリの種々の異なる実施例を上で述べた。コイルの多層コイル配列への整列を支援し,無線電源回路2510から多層コイル配列への導体の経路設定を支援する,本質的に任意の多層シムアセンブリ2512を利用することができる。
【0053】
無線電源2502は,設計及び構成が異なる広範な遠隔装置2504と共に用いることを意図したものである。一般に,各遠隔装置は,1又は複数の2次コイルと,無線受電回路と,負荷と,を含む。DC負荷に関しては,無線受電回路は,AC電力をDC電力に変換する整流回路を含んでもよい。いくつかの実施例においては,無線受電回路は調整された出力を負荷に供給するための調整回路を含んでもよい。負荷は,電池又は無線受電回路によって供給される電力を利用できる,あるほかの構成要素であってよい。
【0054】
「垂直」,「水平」,「上」,「底」,「上方」,「下方」,「内側」,「内側に」,「外側」,「外側に」のような方向に関する用語は,それらが用いられる限り,図に示した実施例の方向に基づいて本発明の説明を支援するために用いられる。方向に関する用語の使用は,本発明を如何なる特定の方向の実装に限定すると解釈することは望ましくない。
【0055】
上記の説明は,本発明の現実施例についてのものである。本願請求項に規定された本発明の精神及び広範な態様から逸脱することなく,種々の代替及び変更を行ってもよい。本願請求項は,均等論を含む特許法の原理に従って解釈すべきである。本明細書は説明のために呈示されたものであり,本願発明のすべての実施例の徹底的な説明として,又はこれらの実施例に関係して図示若しくは説明した特定の要素に請求項の範囲を限定するものとして解釈することは望ましくない。例えば,制限なしに,説明した本発明の個別要素は,実質的に類似の機能を提供するか,又は別様に適切な動作を提供する代替要素によって置き換えてもよい。例えばこのことは,現在当業者が知っているかも知れない現在既知の代替要素と,開発の際に当業者が代替物として認識するかも知れない,将来開発されるかも知れない代替要素と,を含む。さらに,開示した実施例は,共に説明した,協同して一群の利点を提供するかも知れない複数の特徴を含む。本発明は,請求項において明確に言及した場合を除き,これらの特徴のすべてを含むか,言及した利点のすべてを提供する実施例だけに限定されるものではない。例えば,「一つの(a/an)」,「この(the)」又は「前記(said)」の用語を使用した単数の請求項の要素のいかなる参照も,当該要素を単数に限定するものととらえてはならない。
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