【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、特許請求の範囲の請求項1に述べられている特徴によって実現される。従属請求項は、好都合な更なる展開を示している。
本発明によれば、天井要素のための金属天井基礎構造において、天井から間隔を空けて配置されていて格子を形成している交差金属梁を備える金属天井基礎構造が提案されている。本発明による天井基礎構造では、金属梁は主梁及び横梁として構成されており、この点において、そのフランジが居室内装方向に整列している逆T型断面を備えている。格子の交点は、横梁の端面端部に配設されていて金属梁のウェブ領域の開口部を介して互いへ係止される接続具によって形成されている。
【0008】
本発明による天井基礎構造では、金属梁が矩形の基本形状を有する開口部を有しており、突起が、開口部の内側の方向へ、矩形の短辺の中央と矩形の長手方向の辺の同じ高さとに個々に形成されていることが重要である。これらの特別に構成された開口部は、そこで、本発明により提案されている様な接続具と、即ち各々の長手方向の辺にそれぞれ張り出しを有する接続具と、協働する。
【0009】
この様な構造によって、今や、金属梁の互いへの確実で簡単な係止を確保することが実現される。更に、梁の互いからの容易で問題のない分離も開口部及び接続具の特定の構成によって可能となることが判明している。更に、金属梁を互いへ係止させたときにオメガ形状を形成する張り出しを有する接続具の特定の構成によって、はるかに改善された安定性と強度が実現されることが判明している。その様な「オメガ型接続具」を用いればねじれ剛性が著しく改善されることも判明している。
【0010】
本発明による解では、突起、即ち矩形の短辺の突起と長辺に配設されている突起の両方が金属梁そのものの材料から加工されていることが更に好都合である。その結果、金属梁の製造での単純な生産工程で同時に突起を形成することができる。
【0011】
この点において、長辺の突起は、長辺のフランジ面から遠い上側領域に形成されれば好適である。
この点において、突起は、とりわけ好適には長辺の上側3分の1に、とりわけ極めて好適には上側4分の1に、特に好適には上側5分の1に配設される。突起と開口部そのものは、この点において、開口部を通って導かれる接続具を案内するのに適する寸法である。本発明によれば、矩形の大きさ比は従って接続具と直接に調整がとられている。
【0012】
接続具そのものは、この点において、それ自体は知られている様に、横梁の端面端部に、少なくとも1つの接続装置を介し、好適には圧入接続及び/又はリベットを介して締結されている。横梁の端面端部に締結されている接続具は、よって当然ながら横梁の端面端部を超えて突き出ている。この点において、接続具は、金属梁のウェブ領域の開口部と合同で協働するように、それらの寸法設定及びそれらの設計に関し互いと調整がとられている。この点において、各接続具が長辺の両側に突起と協働する張り出しをそれぞれ有していることが重要である。
【0013】
原則的に、本発明の意味での接続具の特定の形態は限定されない。本発明によれば、この点において、接続具は、上述のオメガ形状の張り出しを有していれば、フック型接続具及びクリック型接続具のどちらとして構成されていてもよい。
【0014】
本発明により使用することのできるフック型接続具は、この点において、接続具そのものが、共にウェブ領域の端面端部を超えて部分的に突き出ている構成の2つの開口部を有するように設計されている。2つの開口部は、この点において、平面状として設計されているか、又は好適なものとして、第1開口部であって実際にはウェブ領域の端面端部に面している開口部が略矩形形状を有し外向きにアーチ状を成すように設計されているか、の何れかとすることができる。第2開口部は、この点において、横部材の他方の接続具の各アーチ状開口部が当該第2開口部の中へ係合できるように構成されている。それによって係止接続の更なる安定化がもたらされる。
【0015】
上述のフック型接続具は、更に、実際にはフランジ面から遠い辺の張り出し領域に、弓状陥凹と追加の鼻部とを有していることを特徴としている。鼻部を有する弓状陥凹のこの特定の設計によって、確実に、係止状態時の係止接続の容易解除が可能となる。そこで、即ち一方のレール、好適には主梁が、脇へ押されれば、鼻部はその接触点から解放され、すると横梁をその開口部を介して引き抜くことができる。本発明に従って提案されている、自由端にフックを有するフック型接続具は、こうして、同様にオメガ形状を有していて張り出し領域の鼻部の傍らに弓状陥凹を有していることを特徴としている。
【0016】
しかしながら既に解説されている様に、本発明は、この点において、他の設計、即ち接続具の1つの開口部を用いた設計、又は同様に各々が平面状である2つの開口部を用いた設計、も備えている。本発明は、接続具に一切開口部の無い構成の実施形態も備えている。
【0017】
しかしながら、本発明に従えば、横梁を主梁へ係止する又は横梁同士を互いへ係止するのに上述のフック型接続具が使用できるだけでなく、係止は更にいわゆるクリック型接続具によって行うこともできる。その様なクリック型接続具は原理上は先行技術で知られている。しかしながら、本発明によれば、以上にフック型接続具に関して既に説明されているオメガ形状をここでもまた同様に有するクリック型接続具を使用することがこの度提案されている。本発明によるクリック型接続具も、従って、クリック型接続具のオメガ形状が形成されるように上述の張り出しを有し、なお且つ2つの張り出しの間に広がる領域にばねが配設されていることを特徴としている。ばねの設計それ自体は先行技術で知られている。しかしながら、以上に説明されている様に、先行技術と異なっているのはクリック型接続具が更に張り出しに因るオメガ形状を有していることである。
【0018】
本発明により提案されているオメガ形状の接続具と開口部の突起との併用による特定の設計により、クリック型接続具同士又はフック型接続具同士といった互いに同一の型式の接続具が係止に使用されるのみならず、クリック型接続具が横梁の端面端部に配設され例えばフック型接続具が第2の横梁の他方の端面端部に配置されている様な様式でも係止を可能にすることを、この度実現することができる。これら2つの異なった接続具型式同士の係止もまたオメガ形状によって確保される。
【0019】
本発明による金属天井基礎構造では、以上に説明されている様に、係止は、この点において、2つの横梁と主梁の間で上述の接続具を用いて行われる。本発明による金属天井基礎構造では、この点において、先行技術で既に知られている様に横梁同士もまた相互に係止させることができるという対策が講じられている。この場合、横梁はやはり先に説明されているウェブ領域の開口部を有している。そうして係止は先に説明されている接続具を使用して2つの更なる横梁相手に行われる。先行技術で知られているものとして既に先に確立されている様に、その様なシステムによって、その結果、格子が構築されることになる。その様な格子に係り、産業界により製造されている標準的な大きさを有する天井板を対応する格子へ張れることが重要である。これを目的に、本発明によれば、主梁は、長さ3m乃至4m、好適には3.6m又は3.75mであり、横梁は、0.5m乃至2.0mの長さ、好適には0.6m乃至0.625mの長さ、及び1.2m又は1.25mの長さを有している。
【0020】
本発明による金属天井基礎構造は、また更に、横梁の主梁への接続又は2つの横梁の別の横梁への接続を、ウェブ領域に配設されている開口部によって、金属梁が交差点で当接接続するように形成できることを特徴としている。この場合、横梁のフランジの端面端部はフランジの長縁に当接する。それにより、居室の方向に移行の面一性が実現される。
【0021】
とはいえ、本発明による天井基礎構造は、更に、横梁の端面端部がクランクを有するように設計し、そうしてこのクランクを主梁のフランジに又は同様に横梁のフランジの上へ係合させ、確実な保持が確保されるようにしてもよい。
【0022】
また、或る別の特に好適な実施形態は、横梁の主梁への又は横梁同士の互いへの確実な接続のために、横梁の材料から加工されている各突起を存在させることを提案している。この突起は、そこで、係止状態では主梁又は横梁のフランジの上へ係合し、追加の安定を提供する。
【0023】
この解の利点には、また、この突起が横梁の製造と同時に1回の加工工程で横梁の材料から加工できるという事実が含まれる。横梁のウェブから突き出ている突起は従って横梁の一体構成要素である。横梁の突起の長さ及び寸法設定は、突起を主梁の又は更には横梁のフランジの上面の上へ係合させる際に確実な係合が実現されるように調整がとられている。特に、この変型は、一方では製造が安価であること、また更には確実で安定した係止を可能にすることから、好適であると判明している。突起に係るこの解は、更に、係止接続を解除するときに閊えが起こらず、係止接続を簡単なやり方で再び解除できるという利点を有している。
【0024】
本発明による構造では、T型梁は二重板から形成されているのが好適である。その様なT型梁の製造は、従って平面状の金属板を特定の成形プロセスにより、好適には20mmから80mmの範囲のウェブ長さと10mmから70mmのフランジ幅を有するT型が作成されるように成形することによって行われる。これまでに先行技術で既に知られている様に、更に本発明による天井基礎構造では、T型梁のウェブ面端部が、中空部分、好適には矩形形態の中空部分を有していることが好適である。本発明による天井基礎構造では、更に、二重板が追加の金属製終端金属板を介してT型梁のフランジ面端部へ接続されるという対策が講じられていてもよい。また、この終端金属板は、居室側の視覚上の効果を有するものであって、所望の設計に従って構成されればよい。この終端金属板は、視覚的効果に加え、T型断面のフランジ面端部の追加の安定を提供するという利点も有している。
【0025】
主梁及び横梁用に本発明により使用されるT型梁は、この点において、その上更に、少なくとも1つの線状補強部分が好適にはウェブ領域の全長さに亘って存在するといった具合に形成されていてもよい。この補強部分は、例えば矩形形態の金属へとプレスされていてもよい。本発明は、この点において、1つより多くの補強部分、例えば2つ又は3つの補強部分が、ウェブ領域に平行な形態で加工されている実施形態も含んでいる。
【0026】
梁システムの剛性の更なる改善のために、主梁及び横梁のウェブ領域のフランジ側端部の領域に追加的に補強リブがプレスされていてもよい。これらの補強リブは、ウェブ領域のフランジ側端部の領域に点状形態に又は短線形態に加工されていてもよい。これらの補強リブは、大抵は同様に線形状に形成されていて、フランジに平行に延びている。補強リブは、この点において、二段階プロセスによってウェブへ導入されているのが好適である。第1のプロセス工程では、このプロセスで材料からラグが切り離される。次いで、第2のプロセス工程では、ラグの材料の流れが生じるように、スタンプによってプレスが行われる。そうしてこのプレスによって、確実に、ラグが切り取り部の中へ二度と押し戻されることのないようにされる。本発明によれば、本発明による補強リブのその様な設計は、補強リブのその様な設計を用いれば特にねじれ剛性の大きな改善を実現することができるので、好適である。
【0027】
こうしてウェブ領域の側面の一方の側から他方の方向へのプレスが、補強リブをプレスするための上述の方法を使用して引き起こされる。これらの補強リブが側面の一方の面から他方の面の方向にプレスされるのみならず、むしろ補強リブの幾つかが反対側に配置されている面からプレスされたなら、なおのこと好適であることが今や判明している。この点において、線状形態に配設されているのが好適とされる補強リブが各々交互に一方の面から他方の方向にプレスされているのが好適である。2mの長さまで達し得る金属梁のねじれに対する補剛と固定の更なる改善は特にこの実施形態によって実現されることが判明している。この実施形態は、そこで当然ながら、上述されている様な線状補強部を追加的に存在させるという更なる可能性と結び付けられよう。更に、補強リブがそれぞれ交互にフランジ側端部の一方の方向から他方へプレスされ、次いでそれに平行してウェブ側端部に中空部分の方向に、更なる補強リブでそれらもまた交互に一方向から他方向へ加工されている補強リブが追加的にプレスされている実施形態が好適である。ウェブ側端部に配設されている補強リブは、この点において、互いからの距離が広くとられていてもよい。
【0028】
本発明は、当然ながら、例えば2つの補強リブがフランジと平行して線状形態に配設され、そして上述の補強部分が追加的に上述の様にやはり線状形態に存在している実施形態も含んでいる。
【0029】
本発明では、先行技術でも知られている様に、主梁同士の互いへの接続については、これがいわゆるバイオネット継手を介して行われるという対策を講じている。よって、主梁同士の互いへの接続は、先に挙げられている交点での接続、即ち主梁と2つの横梁とによって又は1つの横梁と2つの主梁から格子が形成されている点での接続とは異なったふうに行われる。これらの交点は、以上に説明されている様に、特別な接続具によってのみ実現される。
【0030】
金属梁の材料は、冷間圧延帯からの鋼板である。鋼の型式には、炭素を1%までの重量割合で有する一体化炭素鋼が含まれ、好適な鋼板はDX51Z100である。
接続具のための材料は、クロム‐ニッケル合金の様なステンレス鋼、例えばX10CrNi18−8(AISI301)など、である。
【0031】
本発明では、ステンレス鋼の材料選択とオメガ形状の併用により、並はずれた機械的安定性が実現されることを特に強調しておかなければならない。
以下では、
図1から
図9を参照しながら本発明をより詳細に説明してゆくが、保護の範囲はこれらの特定の実施形態に限定されない。