(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5934249
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月15日
(54)【発明の名称】トレイテーブルアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B60N 3/00 20060101AFI20160602BHJP
【FI】
B60N3/00 A
【請求項の数】20
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-546821(P2013-546821)
(86)(22)【出願日】2012年1月3日
(65)【公表番号】特表2014-506214(P2014-506214A)
(43)【公表日】2014年3月13日
(86)【国際出願番号】IB2012000167
(87)【国際公開番号】WO2012093336
(87)【国際公開日】20120712
【審査請求日】2014年12月22日
(31)【優先権主張番号】61/429,243
(32)【優先日】2011年1月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513096624
【氏名又は名称】ゾディアック シーツ フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100099793
【弁理士】
【氏名又は名称】川北 喜十郎
(72)【発明者】
【氏名】ルジェ, アレクシ
【審査官】
永安 真
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2010/0319588(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレイテーブルアセンブリであって、
(a)テーブル本体と、
(b)前記テーブル本体と回転可能に連結された第1端を備える支持アームと、
(c)前記テーブル本体と回転可能に連結された第1端を備えるリンケージと、
(d)レセプタクルと、を備え、
前記支持アームの第2端と、前記リンケージの第2端とが前記レセプタクルと回転可能に連結されており、
前記テーブル本体は、収納位置において前記レセプタクル内に位置付けられるとともに、引っ張り力を受けると乗客用座席の前方の展開位置に向けて、前記レセプタクルから離れて移動され且つ実質的に水平な面内で回転するように構成されており、
前記テーブル本体が前記収納位置と前記展開位置との間を移動する全行路にわたり、前記支持アームは、指が挟まれる危険性を最小限にするために、前記リンケージの少なくとも一部分と重複するように形成されるトレイテーブルアセンブリ。
【請求項2】
前記支持アームと前記リンケージは、前記テーブル本体が展開位置にあるときに、前記テーブル本体の裏面の少なくとも一部分に隣接して位置付けられるように構成される請求項1に記載のトレイテーブルアセンブリ。
【請求項3】
前記テーブル本体は少なくとも二つのセグメントを備える請求項1に記載のトレイテーブルアセンブリ。
【請求項4】
前記少なくとも二つのセグメントの第1セグメントは、前記少なくとも二つのセグメントの第2セグメントに対し旋回可能に連結される請求項3に記載のトレイテーブルアセンブリ。
【請求項5】
前記支持アームと前記リンケージは、前記テーブル本体が展開位置にあるときに、第1セグメントの少なくとも一部分に隣接して位置付けられるように構成される請求項4に記載のトレイテーブルアセンブリ。
【請求項6】
第1セグメントの縁部から延在するように構成されるハンドルをさらに備える請求項4に記載のトレイテーブルアセンブリ。
【請求項7】
前記支持アームは、前記リンケージの少なくとも一部分と重複するように形成される請求項1に記載のトレイテーブルアセンブリ。
【請求項8】
前記支持アームは、前記テーブル本体の少なくとも一部分と重複するように形成される請求項1に記載のトレイテーブルアセンブリ。
【請求項9】
前記支持アームは、前記リンケージの第1端と前記テーブル本体との間の連結を受け入れるように構成された溝を備える請求項1に記載のトレイテーブルアセンブリ。
【請求項10】
前記レセプタクルは、前記テーブル本体、前記支持アーム及び前記リンケージを収容するように形成される請求項1に記載のトレイテーブルアセンブリ。
【請求項11】
トレイテーブルアセンブリであって、
(a)第1セグメントと第2セグメントとを備えるテーブル本体と、
(b)前記テーブル本体の第2セグメントと回転可能に連結された第1端を備える支持アームと、
(c)前記テーブル本体の第2セグメントと回転可能に連結された第1端を備えるリンケージと、
(d)レセプタクルと、を備え、
前記支持アームの第2端と、前記リンケージの第2端とが前記レセプタクルと回転可能に連結されており、
前記テーブル本体の第2セグメントは、収納位置において前記レセプタクル内に位置付けられるとともに、引っ張り力を受けると乗客用座席の前方の展開位置に向けて、前記レセプタクルから離れて移動され且つ実質的に水平な面内で回転するように構成されており、
前記テーブル本体が前記収納位置と前記展開位置との間を移動する全行路にわたり、前記支持アームは、指が挟まれる危険性を最小限にするために、前記リンケージの少なくとも一部分と重複するように形成されるトレイテーブルアセンブリ。
【請求項12】
前記支持アームと前記リンケージは、前記テーブル本体が展開位置にあるときに、第2セグメントの裏面の少なくとも一部分に隣接して位置付けられるように構成される請求項11に記載のトレイテーブルアセンブリ。
【請求項13】
第1セグメントは、第2セグメントに対して旋回可能に連結される請求項11に記載のトレイテーブルアセンブリ。
【請求項14】
前記支持アームと前記リンケージは、前記テーブル本体が展開位置にあるときに、第1セグメントの少なくとも一部分に隣接するように位置付けられるように構成され、第1セグメントは、前記テーブル本体の作業面を露出させるように、第2セグメントから離れて回転される請求項13に記載のトレイテーブルアセンブリ。
【請求項15】
第1セグメントの縁部から延在するように構成されるハンドルをさらに備える請求項11に記載のトレイテーブルアセンブリ。
【請求項16】
前記支持アームは、前記リンケージの少なくとも一部分と重複するように形成される請求項11に記載のトレイテーブルアセンブリ。
【請求項17】
トレイテーブルアセンブリを展開する方法であって、該トレイテーブルアセンブリは、第1セグメントと第2セグメントとを備えるテーブル本体と、前記テーブル本体の第2セグメントと回転可能に連結された第1端を備える支持アームと、前記テーブル本体の第2セグメントと回転可能に連結された第1端を備えるリンケージと、前記支持アームの第2端及び前記リンケージの第2端と回転可能に連結されたレセプタクルと、を備えており、該方法は、
(a)前記テーブル本体を、乗客用座席の前方の展開位置に向けて、前記レセプタクル内の収納位置から離して動かすとともに、実質的に水平な面内で回転させることと、
(b)第1セグメントを、前記テーブル本体の作業面を露出させるように、第2セグメントから離して旋回的に回転させることとを含み、
前記テーブル本体が前記収納位置と前記展開位置との間を移動する全行路にわたり、前記支持アームは、指が挟まれる危険性を最小限にするために、前記リンケージの少なくとも一部分と重複するように形成されるトレイテーブルアセンブリを展開する方法。
【請求項18】
前記支持アーム及び前記リンケージは、前記テーブル本体の前記作業面が露出している時に、第1セグメントの少なくとも一部分に隣接して位置付けられるように構成される請求項17に記載の方法。
【請求項19】
第1セグメントの縁部から延在するように構成されるハンドルをさらに含む請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記レセプタクルは、前記テーブル本体、前記支持アーム及び前記リンケージを前記収納位置において収容するように形成される請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2011年1月3日に出願され「食事用トレイの運動学的な動作」と題された米国仮特許出願第61/429,243号の優先権を主張し、その開示全てをここに援用して本文の記載の一部とする。
【0002】
本発明は、乗客用座席などのためのトレイテーブルに関する。
【背景技術】
【0003】
旅客機、バス、列車等における乗客用座席の多くは、折りたたみ(折重ね)可能なトレイテーブルが備えられている。トレイテーブルは、移動中の食事、仕事、又は小物を支持するために用いられ得る。トレイテーブルは移動中に用いられるように構成されるとともに、離陸、着陸及びその他の危険な飛行条件が存在する間には収納されるように構成されている。
【0004】
多くの場合、トレイテーブルは乗客用座席の肘掛け(アームレスト)内に収納されている。そのような収納位置からトレイテーブルを展開するには、トレイテーブルをアームレスト内から外に持ち上げ、次いでトレイテーブルを乗客の前の水平位置へと回転する必要が有る。これらの種類の展開は、典型的に、相当な大きさの空間を必要とし、他の乗客の快適さと干渉するか又は客室内の他の部分と干渉することがある。そのような展開はまた、乗客には理解しづらいこともあり、又は定位置に動かすことが難しいこともある。
【0005】
状況によっては、誤用のリスク、又は、他の乗客、周囲の座席もしくは客室と干渉するリスクを最小限にしつつ、トレイテーブルを展開するのに必要な空間の大きさを縮小することが所望されることがある。
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施例は、トレイテーブルアセンブリであって、
テーブル本体と、
前記テーブル本体と回転可能に連結された第1端を備える支持アームと、
前記テーブル本体と回転可能に連結された第1端を備えるリンケージ(接合部材)と、
レセプタクル(受け入れ部材)と、を備え、
前記支持アームの第2端と、前記リンケージの第2端とが前記レセプタクルと回転可能に連結されており、
前記テーブル本体は、実質的に水平な面内で、前記支持アームに対して相対的に回転するように構成され、前記支持アーム及び前記リンケージは、実質的に水平な面内で、前記レセプタクルに対して相対的に回転するように構成される、トレイテーブルアセンブリを含む。
いくつかの実施例において、前記支持アームと前記リンケージは、前記テーブル本体が展開位置にあるときに、前記テーブル本体の裏面の少なくとも一部分に隣接して位置付けられるように構成される。
【0007】
特定の実施例において、前記トレイテーブルは少なくとも二つのセグメント(部位)を備え、第1セグメントは第2セグメントに対し旋回可能に連結されている。これらの実施例において、前記支持アームと前記リンケージは、前記テーブル本体が展開位置にあるときに、第1セグメントの少なくとも一部分に隣接して位置付けられるように構成され得る。これらの実施例において、第1セグメントは、前記テーブル本体の作業面を露出させるように、第2セグメントから離れて回転され得る。ハンドル(取っ手)が前記第1セグメントの縁部から延在するように構成され得る。
【0008】
これらの実施例において、前記支持アームは、前記リンケージの少なくとも一部分及び/又は前記テーブル本体の少なくとも一部分と重複するように形成され得る。前記支持アームはまた、前記リンケージの第1端と前記テーブル本体との間の連結を受け入れるように構成された溝を備え得る。いくつかの実施例において、前記レセプタクルは、前記テーブル本体、前記支持アーム及び前記リンケージを収納位置において収容するように形成される。
【0009】
前記トレイテーブルアセンブリは、前記テーブル本体の第2セグメントを実質的に水平面内で回転させて、前記テーブル本体を前記レセプタクル内の収納位置から展開位置へと回転させることと、第1セグメントを、前記テーブル本体の作業面を露出させるように、第2セグメントから離して旋回的に回転させることとによって展開され得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】乗客用座席に隣接した収納位置にある、本発明のある実施形態に従うトレイテーブルアセンブリの斜視図である。
【
図2】乗客用座席に隣接した展開位置にある、
図1に示されたトレイテーブルアセンブリの斜視図である。
【
図3】収納位置にある、
図1に示されたトレイテーブルアセンブリの上面図である。
【
図4】乗客用座席に隣接した収納位置にある、
図1に示されたトレイテーブルアセンブリの上面図である。
【
図5】乗客用座席に隣接した、部分的に展開した位置にある、
図1に示されたトレイテーブルアセンブリの上面図である。
【
図6】テーブル本体の第1セグメントが第2セグメントの上に折り重なった状態で乗客用座席に隣接した展開位置にある、
図1に示されたトレイテーブルアセンブリの上面図である。
【
図7】乗客用座席に隣接した展開位置にある、
図1に示されたトレイテーブルアセンブリの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本文に記載された本発明の実施例によって、乗客用座席と共に用いられるトレイテーブルアセンブリが提供される。これらのトレイテーブルアセンブリは、飛行機の座席用として記載されているが、決してそのような用途によって限定されるものではない。むしろ、トレイテーブルアセンブリの実施例は、乗客用の座席、その他のいかなる種類の座席、又は所望によってその他の用途にも用いられ得る。
【0012】
図1〜7にトレイテーブルアセンブリ10の実施例が示されている。これらの実施例において、トレイテーブルアセンブリ10は、テーブル本体12と、支持アーム14と、リンケージ16とを備える。
【0013】
テーブル本体12は、アルミニウム、ステンレススチール、アラミド繊維、ポリカーボネート、ポリプロピレン、その他のプラスチック材料、その他の金属材料、複合材料、又は他の同様な材料を含む材料で形成されてよいが、これらには限定されない。トレイテーブルアセンブリ10に加えられ得る力に耐えられる十分な強度を有する軽量なテーブル本体12をもたらすであろういかなる好適な材料を用いてテーブル本体12を形成し得ることが、本技術分野の当業者によって理解されるであろう。
【0014】
いくつかの実施例において、
図1〜7に示されるように、テーブル本体12は直線的形状を有し得る。しかしながら、テーブル本体12が直線的形状、台形状、放物形状、又は他の好適な形状を含むがそれらに限定されないいかなる好適な形状を有し得ることが、関連技術の当業者によって理解されるであろう。
【0015】
テーブル本体12は単一の部品として一体的に形成されてもよいし、又は互いに連結されてテーブル本体12を形成する複数の部位(セグメント)を含んでもよい。いくつかの実施例においては、
図1〜7に示されるように、テーブル本体12を収納位置に位置付けるための準備においてセグメント12Aがセグメント12B上に折り重なり得るようにセグメント12A、12Bが互いに旋回可能に連結され得る。テーブル本体12を小型化された折りたたみ(折り重ね)設計とすることで、テーブル本体12を収納するために必要な奥行きの量が低減される(
図3及び4に最も良く示されているように)。
図1〜7に示された実施例は二つのセグメント12A及び12Bを含んでいるが、テーブル本体12はいかなる適切な数のセグメントを含み得ること、そして追加のセグメントがテーブル本体12を収納するために必要とされる奥行きの量をさらに最小化するために用いられ得ることが、関連技術の当業者によって理解されるであろう。
【0016】
セグメント12Aはまた、ハンドル18を備えてよく、このハンドル18は、セグメント12Aの縁部から延在する突起部を備えてよい。セグメント12Aがセグメント12Bから展開位置へと広げられるとき(
図2及び
図7に最も良く示されているように)、ハンドル18は乗客用座席20に着席している乗客から離れた、テーブル本体12の前方側に位置付けられる。セグメント12Aがセグメント12B上に折り重ねられるとき(
図6に最も良く示されているように)、ハンドル18は乗客用座席20に着席している乗客に隣接した、テーブル本体12の後部側に位置付けられる。特定の実施例においては、ハンドル18はテーブル本体12を収納位置と展開位置との間で動かすために必要な力を最小限にする位置に配置されているとともに、乗客が使用する際の自然な位置をもたらすものである。しかしながら、ハンドル18のためのいかなる好適な位置を用い得ることが、関連技術の当業者によって理解されるであろう。
【0017】
いくつかの実施例において、
図2〜7に示されているように、支持アーム14はテーブル本体12の裏面22の少なくとも一部分に隣接して位置付けられて、テーブル本体12を収納位置(
図1、3及び4に示されているような)と展開位置(
図2及び7に示されているような)との間で回転させるため、及び展開位置にあるときのテーブル本体12に対して構造的な支持をもたらすための展開機構として機能し得る。支持アーム14は、アルミニウム、ステンレススチール、その他の金属材料、複合材料、又は他の同様な材料を含むがこれらには限定されない、トレイテーブルアセンブリ10に加えられ得る力に耐えられる十分な強度をもたらすいかなる好適な材料で形成又は構成されてよい。
【0018】
テーブル本体12が、セグメント12A及び12Bのような複数のセグメントを有する実施例において、
図7に最も良く示されているように、支持アーム14は、展開位置にあるセグメント12A及び12Bのどちらか一方又は両方の裏面22の少なくとも一部分と隣接して位置付けられるように構成されてよい。これらの実施例において、支持アーム14はまた、セグメント12Aがセグメント12Bから広げられるときに、セグメント12Aを支持する止め具として機能してよい。他の実施例においては、展開位置にあるときのセグメント12Aが支持アーム14からの支持を必要としないように、テーブル本体12は別個の止め具を備えて構成されてよい。
【0019】
特定の実施例において、
図7に最も良く示されているように、セグメント12Bは支持アーム14に回転可能に連結されてよい。しかしながら、テーブル本体12のいかなる好適な領域又はセグメントが支持アーム14に連結され得ることが、関連技術の当業者によって理解されるであろう。これらの実施例において、支持アーム14の第1端24がセグメント12Bの裏面22に回転可能に連結され得るとともに、支持アーム14の第2端26が、収納位置にあるときのテーブル本体12を収容するように構成されているレセプタクル30の下面28に回転可能に連結され得る。他の実施例において、支持アーム14の第2端26はレセプタクル30に隣接する表面又はレセプタクル30内の他の場所に連結され得る。これらの構成部品を回転可能に連結するための好適なメカニカルファスナーは、ネジ、リベット、ボルト、蝶番、ビーム継ぎ手、回転式の部品ファスナー、ピン、又はいかなる他の好適なファスナー装置を含むが、これらに限定されない。
【0020】
いくつかの実施例において、
図3〜7に示されているように、リンケージ16はまた、テーブル本体12の裏面22の少なくとも一部分に隣接して位置付けられてよい。支持アーム14と同様に、リンケージ16は、テーブル本体12を収納位置(
図1、3及び4に示されているような)と展開位置(
図2及び7に示されているような)との間で回転させるため、及び、展開位置にあるときのテーブル本体12に対して付加的な構造的支持をもたらすための展開機構として機能する。リンケージ16はまた、収納位置と展開位置との間でテーブル本体12の支持アーム14に対する相対的な水平方位を維持するための案内機構として機能する。リンケージ16は、アルミニウム、ステンレススチール、その他の金属材料、複合材料、又は他の同様な材料を含むがこれらには限定されない、トレイテーブルアセンブリ10に加えられ得る力に耐えられる十分な強度をもたらすいかなる好適な材料で形成又は構成されてよい。
【0021】
テーブル本体12が、セグメント12A及び12Bのような複数のセグメントを有する実施例において、リンケージ16もまた、
図7に最も良く示されているように、展開位置にあるセグメント12A及び12Bのどちらか一方又は両方の裏面22の少なくとも一部分と隣接して位置付けられるように構成されてよい。これらの実施例において、リンケージ16はまた、セグメント12Aがセグメント12Bから広げられるときに、セグメント12Aを支持する止め具として機能してよい。他の実施例においては、展開位置にあるときのセグメント12Aがリンケージ16からの支持を必要としないように、テーブル本体12が別個の止め具を備え得るか、又は、支持アーム14が充分な支持をもたらし得る。いくつかの実施例においては、リンケージ16はセグメント12Bのみに隣接して位置付けられるように形成されてよい。しかしながら、展開位置において安定したテーブル本体12をもたらすために、及び、展開位置と収納位置との間でテーブル本体12を動かすための機構をもたらすために、支持アーム14とリンケージ16のいかなる好適な配置を必要に応じて用い得ることが、関連技術の当業者によって理解されるであろう。
【0022】
いくつかの実施例において、
図7に最も良く示されているように、セグメント12Bはリンケージ16に回転可能に連結されてよい。しかしながら、テーブル本体12のいかなる好適な領域又はセグメントがリンケージ16に連結され得ることが、関連技術の当業者によって理解されるであろう。これらの実施例において、リンケージ16の第1端32がセグメント12Bの裏面22に回転可能に連結され得るとともに、リンケージ16の第2端34が、レセプタクル30の下面28に回転可能に連結され得る。他の実施例において、リンケージ16の第2端34はレセプタクル30に隣接する表面又はレセプタクル30内の他の場所に連結され得る。これらの構成部品を回転可能に連結するための好適なメカニカルファスナーは、ネジ、リベット、ボルト、蝶番、ビーム継ぎ手、回転式の部品ファスナー、ピン、又はいかなる他の好適なファスナー装置を含むが、これらに限定されない。
【0023】
特定の実施例において、レセプタクル30は構造体36内に位置付けられ得る。構造体36は、乗客用座席20に隣接して位置付けられ得るか、又は、隣接壁もしくは乗客用座席20側からアクセス可能な表面を有する他の構造体に位置付けられ得る。レセプタクル30は収納位置にあるテーブル本体12の表面積及び高さの実質的全てを収納可能な容積を有するように構成される。例えば、いくつかの実施例において、レセプタクル30は折りたたまれていない構成のテーブル本体12、例えばテーブル本体12が一体的な部品として形成されている例におけるテーブル本体12を収めるように構成され得る。テーブル本体12が、収納のために互いに重ねられて折りたたまれる複数のセグメントを備える実施例において、レセプタクル30は折りたたまれたテーブル本体12のより大きい厚みを収容するためのより大きい高さと、折りたたまれたテーブル本体12のよりスリムな表面積を収容するためのより浅い奥行きを含み得る。関連技術の当業者は、構造体36内、隣接する壁、又は他の隣接して位置付けられた表面におさまるとともに、収納時のテーブル本体12の形状並びに支持アーム14及び/又はリンケージ16をも収納するような、レセプタクル30のいかなる好適な高さと深さの構成を使用し得ること、そしてテーブル本体12は単一の一体的な部品を含み得るか、又は、互いに折り重ねられた、折りたたまれた、又は他の小型化された複数のセグメントを含み得ることを理解するであろう。
【0024】
テーブル本体12を展開位置(
図7)から収納位置(
図4)に回転させるためには、ハンドル18がテーブル本体12の後部側に位置付けられるようにセグメント12Aはセグメント12Bの上に折り重ねられる(
図6)。次いで、ハンドル18又はテーブル本体12自体に力を加えて、テーブル本体12を乗客用座席20から離して移動させる。押圧力をテーブル本体12に加えることにより、テーブル本体12は支持アーム14及び/又はリンケージ16と並ぶように回転し、且つ、支持アーム14及び/又はリンケージ16もまたレセプタクル30と並ぶように回転する(
図5)。テーブル本体12、支持アーム14、及び/又はリンケージ16がそれぞれ各自の連結点の回りを回転することによって、テーブル本体12、支持アーム14及び/又はリンケージ16がレセプタクル30内の収納位置へと待避させられる(
図4)。
【0025】
テーブル本体12を収納位置(
図4)から展開位置(
図7)に回転させるためには、ハンドル18又はテーブル本体12自体に力を加えて、テーブル本体12をレセプタクル30から離して移動させる。引っ張り力をテーブル本体12に加えることにより、テーブル本体12は支持アーム14及び/又はリンケージ16から離れて回転してテーブル本体12と支持アーム14及び/又はリンケージ16との間に角度を形成し、且つ、支持アーム14及び/又はリンケージ16もまたレセプタクル30から離れて回転してレセプタクル30と支持アーム14及び/又はリンケージ16との間に角度を形成する(
図5)。テーブル本体12、支持アーム14、及び/又はリンケージ16がそれぞれ各自の連結点の回りを回転することによって、テーブル本体12、支持アーム14及び/又はリンケージ16が乗客用座席20に隣接した展開位置へと延在する(
図6)。ハンドル18及び/又はセグメント12A自体は次いで持ち上げられるとともに、乗客用座席20に着席する乗客によって使用されるためにテーブル本体12の作業面38が露出されるように、セグメント12Bから離れて回転される(
図7)。
【0026】
収納位置と展開位置との間で回転する間中、少なくともテーブル本体12のセグメント12B、支持アーム14及びリンケージ16は実質的に水平な面内で回転する。隣接して位置付けられたレセプタクル30を利用することにより、テーブル本体12を収納位置から展開位置へ、及び逆に展開位置から収納位置へと展開するために必要なスペースは最小限となり、上述の実質的に水平な動きは周囲の座席又は客室のいかなる部分とも干渉しない。
【0027】
前述のように、支持アーム14はテーブル本体の回動部分(すなわち、上述のセグメント12A)に対する支持をもたらすために形成し得る。支持アーム14はまた、テーブル本体12が収納位置と展開位置との間で回転する間のいかなる位置における、支持アーム14、リンケージ16及びテーブル本体12間に発生し得るピンチポイント(指や他の身体の一部を挟む可能性のある箇所)を最小化するか又は防止するように形成され得る。例えば、ピンチポイントはしばしば、二つの物体が互いに離れて回転してその間に隙間が形成され、次いで二つの物体が互いに接近して回転する時に隙間が閉じられる際に形成される。この隙間に挿入されるアイテムは、二つの物体が互いに近接して回転して隙間を閉じる際にピンチされる(挟まれる)可能性がある。二つの物体の少なくとも一つを、回転パスに沿って形成され得る、いかなるアクセス可能な隙間を取り囲むように形成することによって、この種のピンチポイントは最小限にし得るか又は除去し得る。乗客が不用意に指又は他の身体の一部を支持アーム14とテーブル本体12との間でピンチしない(挟まない)ようにするために、例えば
図4〜7に示されるように、支持アーム14は、テーブル本体12が収納位置と展開位置との間で回転する間に、支持アーム14がテーブル本体12の少なくとも一部分に重複するように形成される。
【0028】
同様に、支持アーム14は、乗客が不用意に指又は他の身体の一部を支持アーム14とリンケージ16との間でピンチしない(挟まない)ようにするために、支持アーム14は、収納位置と展開位置との間で回転する間に、支持アーム14がリンケージ16の少なくとも一部分に重複するように形成される。これらの場合において、リンケージ16の第1端32とテーブル本体12との間の連結を受け入れるように構成された溝40を、支持アーム14の第1端24に隣接して位置付けてよい。溝40は、支持アーム14及び/又はリンケージ16がテーブル本体12の回転を規制することなしに、及び逆にテーブル本体12が支持アーム14及び/又はリンケージ16の回転を規制することなしに、テーブル本体12が支持アーム14及びリンケージ16の両者に対して相対的に回転することを許容する。他の実施例において、溝40はリンケージ16の第1端32又は第2端34、支持アーム14の第2端26に隣接して位置付けられ得るか、又は、必要に応じて構成部品が収納位置と展開位置との間で回転することを許容するいかなる他の好適な箇所に位置付けられ得る。
【0029】
溝40の長さも、テーブル本体12を展開位置へと位置付けるために、次のように構成し得る。すなわち、テーブル本体12が展開位置に達したときに第1端32とセグメント12B間の連結が溝40の端部に接触するように溝40の長さを構成し得る。
【0030】
上述の記載は本発明の実施例を示し、説明し、及び記載する目的でなされたものである。これらの実施例に対するさらなる変更及び適合は、本技術分野の当業者にとって明らかであろうし、そのようなさらなる変更及び適合は、本発明の範囲又は精神から逸脱しない範囲でなされ得る。