(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
粉体移送システムが、粉体を単一の列の粉体ディスペンサモジュールのそれぞれの粉体ディスペンサモジュールへと個々に送達するように設計されている、請求項2に記載の粉体分注検知装置。
少なくとも1列のカートリッジを、粉体ディスペンサモジュールの配列に対して相対的に動かすためのアクチュエータを備えることをさらに含む、請求項11〜15のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
粉体分注検知装置10が、
図1〜7に示されている。この装置の目的は、粉体を複数のカートリッジ20に分注するとともに、それぞれのカートリッジの充填状態を検知して制御し、それぞれのカートリッジが、正確に制御された量の粉体を受け入れるようにすることである。本明細書において使用する場合には、「カートリッジ」という用語は、粉体、典型的には薬剤物質を含有する粉体を保持することのできる、任意の容器またはカプセルを意味する。本明細書において使用する場合には、各カートリッジは、通常、最大容量までは充填されず、実際にはその最大容量のわずかな割合だけ充填されることがあるので、「充填(fill)」の用語は、充填状態、および部分的な充填状態を含む。後述のように、この装置は、吸入器カートリッジまたは小型吸入器を充填するのに使用することができるが、充填しようとする容器の種類について必ずしも限定されるものではない。
【0019】
カートリッジ20は、トレイ支持フレーム24内に処理のために配置されたカートリッジトレイ22内に、保持することができる。カートリッジは、行と列の配列に保持することができる。一例において、カートリッジトレイ22は、48個のカートリッジ20を6×8の配列で保持する。カートリッジトレイ22の構成および対応する装置10の構成は、本発明の範囲について限定的ではなく、例示としてのみ示す。カートリッジトレイ22は、異なる数のカートリッジを保持するように構成できること、およびカートリッジトレイ22は、本発明の範囲内において、異なる配列構成を有することができることが理解されるであろう。以下に説明する別の態様において、カートリッジトレイは、192個のカートリッジを保持することができる。カートリッジトレイ22は、ロボットによって支持フレーム24内に配置するとともに、支持フレーム24から取り外すことができる。
【0020】
粉体分注検知装置10の構成要素としては、トレイ支持フレーム24に加えて、粉体をカートリッジ20に分注する粉体ディスペンサアセンブリ30、粉体を粉体ディスペンサアセンブリ30に配送する粉体移送システム32、およびそれぞれのカートリッジ20の充填状態を検知するセンサモジュール34があげられる。粉体分注検知装置10は、トレイ支持フレーム24、粉体ディスペンサアセンブリ30、粉体移送システム32およびセンサモジュール34の装着のためのフレーム40、ならびに粉体ディスペンサアセンブリ30および粉体移送システム32をカートリッジ20に対して移動させるアクチュエータ42をさらに含む。
【0021】
粉体ディスペンサアセンブリ30は、垂直ポート52の配列を有する配列ブロック50と、配列ブロック50のそれぞれの垂直ポートに装着された粉体ディスペンサモジュール54を含む。配列ブロック50は、カートリッジトレイ22内のカートリッジ20、またはカートリッジトレイ内のカートリッジのサブセットの配列に一致するように構成することができる。48個のカートリッジを保持する上記のカートリッジトレイの例においては、配列ブロック50は、垂直ポート52の6×8配列を有して、48個の粉体ディスペンサモジュール54の装着を行う。この態様においては、粉体ディスペンサモジュール54は、1インチセンター上に装着される。ここで、本発明の範囲内で異なる間隔配設を使用することができることが理解されるであろう。
図8に示されるように、配列ブロック50は、粉体貯蔵・移送チャネル60a、60b、60c、60d、60e、60f、60g、60hをさらに含み、この態様においては、6個の粉体ディスペンサモジュール54の各行に対して1つのチャネルが含まれる。粉体は、以下に説明するように、粉体移送システム32によって、配列ブロック50内の各チャネルを通過して粉体ディスペンサモジュール54に配送される。各チャネルは、好ましくは、数回の粉体分注サイクルのための粉体を貯蔵するのに十分な容積を有する。
【0022】
図1〜7の態様において、粉体移送システム32は、配列ブロック50内の第1の群の4つのチャネル60a、60b、60c、60dに粉体を配送する第1の粉体移送システム32aと、配列ブロック50内の第2の群の4つのチャネル60e、60f、60g、60hに粉体を配送する第2の粉体移送システム32bとを含む。それぞれの粉体移送システム32a、32bは、粉体移送システムを通過して移送ガスを移動させるブロワーアセンブリ70と、粉体ディスペンサアセンブリ30に粉体を配送する粉体エアレーター72と、粉体エアレーター72に粉体を配送するホッパーアセンブリ74とを含む。別の態様においては、単一の粉体移送システムまたは3つ以上の粉体移送システムを使用することができる。
【0023】
ブロワーアセンブリ70は、チューブ76を介して、粉体エアレーター72のガス取入口78に結合され、ガス取入口78を通過する移送ガスの流れを生成する。粉体エアレーター72は、ホッパーアセンブリ74からの粉体を受け入れる、粉体取入口80を含む。粉体は、粉体エアレーター72によって、4つの粉体出力ポート82を通過して配列ブロック50内の各々のチャネルの入口端へ配送される。粉体は、各々のチャネルを通過して、粉体ディスペンサアセンブリ30の各行内の粉体ディスペンサモジュール54へと移送される。粉体は、以下に説明するように、粉体ディスペンサモジュール54によってカートリッジ20へと個々に分注される。
【0024】
チャネル60a〜60hは、配列ブロック50を貫通し、同調吸引マニホルド(tuned suction manifold)84がチャネルの取出口端に結合されている。第1の粉体移送システム32aの吸引マニホルド84は、チャネル60a〜60dの取出口端に接続され、第2の粉体移送システム32bの吸引マニホルド84は、チャネル60e〜60hの取出口端に接続されている。吸引マニホルド84は、移送ガスをブロワーアセンブリ70に戻し、これによって閉ループ再循環ガス移送システムを形成する。別の態様においては、粉体移送システムは、開ループガス移送システムを使用することができる。粉体ディスペンサモジュール54に配送されないか、またはチャネルに貯蔵される粉体はすべて、吸引マニホルド84を介してブロワーアセンブリ70に戻る。以下に考察するように、いくつかの態様においては、ブロワーアセンブリ70にガス‐粒子分離装置を含めて、大きい粉体凝集物は保留するが、小さい粉体凝集物は、粉体ディスペンサアセンブリ30へ配送するために、粉体エアレーター72へと再循環させることができる。以下に詳細に考察するように、各粉体移送システムには、再循環移送ガスの相対湿度および/または温度を制御するガス調整ユニット(gas conditioning unit)を含めることができる。
【0025】
粉体移送システム32には、粉体移送システムの異なる構成要素内の粉体レベルを測定するセンサを含めることができる。ホッパーアセンブリ74には、ホッパーアセンブリ74の貯蔵器内の粉体レベルを検知する、ホッパーレベルセンサを含めることができる。粉体エアレーター72には、粉体エアレーター72のダンプバルブ内の粉体レベルを特定する、ダンプバルブレベルセンサを含めることができる。ブロワーアセンブリ70には、大型凝集物レベルセンサを含めることができる。ディスペンサ充填レベルセンサは、ブロワーアセンブリ70の吸引マニホルド84に配置することができる。粉体レベルセンサは、例えば、光学技術を使用して粉体レベルを検知することができる。粉体レベルセンサを使用して、粉体配送システム32の動作および粉体ディスペンサモジュール54への粉体の装填を制御することができる。
【0026】
センサモジュール34には、センサハウジングおよびセンサハウジング内に装着されたセンサアセンブリ110の配列を含めることができる。図示された態様において、それぞれのセンサアセンブリ110は、2つのセンサセル114(
図3)と関連する回路とを含む。すなわち、1つのセンサアセンブリ110は、2つの粉体ディスペンサモジュール54と共に使用される。他の態様においては、各センサアセンブリには、単一のセンサセルまたは3つ以上のセンサセルを含めることができる。センサアセンブリ110の数と、配列内のセンサアセンブリ110の配設は、センサセル114が、カートリッジトレイ22内のカートリッジ20、またはカートリッジトレイ内のカートリッジのサブセットの構成に一致するようにすることができる。1インチセンタ上の6×8配列に48個のカートリッジ20を保持するカートリッジトレイ22の例に対して、センサモジュール34には、1インチセンタ上の6×8配列の48個のセンサセル114をもたらす、24個のセンサアセンブリ110を含めることができる。
図1〜7の態様において、それぞれのセンサセル114は、各々のカートリッジ20に配送される粉体の重量を検知する重量センサである。重量センサプローブ112は、それぞれのセンサセル114に取り付けられて、カートリッジトレイ22内の開口を介して、カートリッジ20の下端部と接触する。
【0027】
センサセル114は、粉体の分注中にそれぞれのカートリッジ20の充填状態を個々に検知し、その結果として、各カートリッジ20中に所望量の粉体が分注されたときに、粉体の分注を終了することができる。センサセル114は、この態様においては、好ましくは、粉体分注工程中にカートリッジ20の重量を監視する、5〜10マイクログラム以内の精度を有する、重量センサである。微小重量での高精度、高速性、繰り返し精度を要求する応用においては、通常、電気てんびん梁(electrobalance beam)が、重量センサとして使用される。
【0028】
重量センサアセンブリ110の物理的構成は、粉体ディスペンサモジュール54が、1インチセンタ上のように緊密に間隔配置されたシステムにおいて、考慮すべき事項である。好ましくは、重量センサアセンブリ110は、カートリッジトレイ22粉体とディスペンサモジュール54の構成に一致する配列に配置することができる。好ましい態様において、センサアセンブリ110は垂直構成であり、2つのセンサセル114が、互いにパッケージされてセンサアセンブリを形成する。重量検知機械構成要素がアセンブリの頂部に位置し、電気回路が機械構成要素の下方に位置し、電気コネクタが底部に位置する。センサアセンブリは、1インチセンタ上に重量検知用の配列に装着することができる。
【0029】
別の態様においては、市販の重量センサモジュールが水平構成にされて、行当り6つのカートリッジを有する配列に対して、3つの異なるレベルの階層配置で使用することができる。この階層配設においては、カートリッジに接触させるために、異なる長さのプローブが使用される。
【0030】
粉体分注検知装置10を、粉体ディスペンサモジュール54と1インチセンタ上に装着されたセンサセル114とを有するものとして説明した。ここで、本発明の範囲において、構成要素間により大きい、またはより小さい間隔を使用することができることが理解されるであろう。さらに、装置10の構成要素は、必ずしも均一な配列で装着する必要はない。例えば、構成要素間のx方向間隔を、構成要素間のy方向間隔と違えるか、または配列の行を隣接する行に対してオフセットさせることができる。
【0031】
動作に際して、カートリッジ20を保持するカートリッジトレイ22は、好ましくはロボットまたはその他の自動化機構によってトレイ支持フレーム24内に位置決めされる。カートリッジトレイ22が下げられて、その結果、各々のセンサアセンブリ110上の重量センサプローブ112によって、カートリッジトレイ22からカートリッジ20が持ち上げられて、プローブ112によって支持される。カートリッジトレイ22には、各カートリッジ位置に開口を設けて、プローブ112がカートリッジトレイ22を貫通してカートリッジ20を持ち上げるようにすることができる。すなわち、各カートリッジ20の秤量を、センサセル114の1つによって、カートリッジトレイ22からの干渉なしに行うことができる。いくつかの態様においては、プローブ112は、カートリッジ20に対する3点支持を含む。他の態様においては、プローブ112は、カートリッジ20に対する円筒状支持を含む。粉体ディスペンサアセンブリ30が、分注位置まで下げられる。分注位置において、各粉体ディスペンサモジュール54は、カートリッジ20の1つのわずかに上方に、それと位置合せして配置される。
【0032】
図2に示されるように、フレーム40には、下方フレーム40a、中間フレーム40b、および上方フレーム40cを含めることができる。下方フレーム40aおよび中間フレーム40bは、ベースプレート41に固定されている。上方フレーム40cは、トレイ支持フレーム24、粉体ディスペンサアセンブリ30および粉体移送システム32の装着を行う。配列ブロック50はアクチュエータ42に接続されて、アクチュエータ42に通電されると、上方または下方に動く。センサモジュール34は、下方フレーム40aおよび中間フレーム40b内の固定点に装着される。
【0033】
粉体移送システム32は連続的に、または間歇的に動作させることができる。粉体ディスペンサモジュール54が起動されて、カートリッジ20に粉体を分注する。カートリッジ20への粉体の分注は同時に実行されて、その結果として、カートリッジトレイ22内のすべてのカートリッジまたはカートリッジトレイ内のカートリッジのサブセットが同時に粉体を受け入れる。粉体の分注が進行するときに、カートリッジ20の重量が各々のセンサセル114によって検知される。各センサセル114の出力はコントローラに結合されている。以下で考察するように、各コントローラは、検知された重量を、所望量の粉体に対応する目標重量と比較する。検知された重量が目標重量より低い限り、粉体の分注は継続する。検知された重量が目標重量以上であるときに、コントローラは、対応する粉体ディスペンサモジュール54に粉体分注動作を終了するように指令する。検知された重量が、充填サイクル後の最大許容重量を超えると、対応するカートリッジを欠陥として印をつけることができる。すなわち、粉体分注および重量検知は、カートリッジトレイ22内の1バッチのカートリッジに対して同時に進行する。このバッチには、カートリッジトレイ22内のすべてのカートリッジまたはカートリッジトレイ内のカートリッジのサブセットを含めることができる。粉体分注サイクルには、1バッチのカートリッジへの粉体分注とその重量検知を含めることができ、粉体分注の100%の検査と制御を達成する。
【0034】
一態様において、カートリッジトレイ22内のカートリッジの数と間隔は、装置10の粉体ディスペンサモジュール54の数と間隔に一致する。他の態様においては、カートリッジトレイは、異なる数のカートリッジを有するとともに、粉体ディスペンサモジュール54の構成と異なるカートリッジ間の間隔を有することができる。例えば、カートリッジトレイは、粉体ディスペンサモジュール54の数の倍数を保持するとともに、粉体ディスペンサモジュール54間の間隔よりも小さい間隔を有して構成することができる。例示だけのために、カートリッジトレイは、1/2インチセンタ上に間隔配置された192個のカートリッジ20を保持するように構成することができる。この配設によって、1/2インチセンタ上のカートリッジの12×16配列は、1インチセンタ上のカートリッジの6×8配列と同じ面積を占める。
【0035】
図7に示されるように、カートリッジトレイ22は、トレイ位置決め機構120によって水平方向に変位させて、異なるバッチのカートリッジを粉体ディスペンサモジュール54と位置合せすることができる。カートリッジトレイ22は、処理のためにトレイ支持フレーム24内に位置決めされる。トレイ位置決め機構120は、トレイ支持フレーム24に結合されたX方向アクチュエータ230およびトレイ支持フレーム24に結合されたY方向アクチュエータ232を含む。すなわち、トレイ支持フレーム24およびカートリッジトレイ22は、複数バッチのカートリッジを粉体ディスペンサモジュール54およびセンサセル114に対して位置決めするために、水平X‐Y面内で動かすことができる。
【0036】
192個のカートリッジを備えるカートリッジトレイは、次のように処理することができる。カートリッジトレイが、第1のバッチの48個のカートリッジが48個の粉体ディスペンサモジュール54の配列と垂直に位置合せされるように、中立位置から第1のX‐Y位置(0,0)に移動される。粉体が、第1のバッチのカートリッジ中に分注され、次いでカートリッジトレイは、第2のX‐Y位置(0,0.5)に移動されて、第2のバッチの48個のカートリッジを48個の粉体ディスペンサモジュール54の配列と位置合せする。粉体が、第2のバッチのカートリッジに分注され、次いでカートリッジトレイが、第3のX‐Y位置(0.5,0)に移動されて、第3のバッチの48個のカートリッジを48個の粉体ディスペンサモジュール54の配列と位置合せする。次いで、カートリッジトレイは、第4のX‐Y位置(0.5,0.5)移動されて、第4のバッチの48個のカートリッジを48個の粉体ディスペンサモジュール54の配列と位置合せする。粉体が第4バッチのカートリッジ中に分注されて、192個のカートリッジの処理を完了する。上記の例において、トレイ位置の順序およびカートリッジのバッチの順序は変更することができる。
【0037】
ここで、この工程が、異なるカートリッジ間隔、異なるカートリッジ数、その他を含む異なるトレイ配設に、応用が可能であることが理解されるであろう。これらの態様において、カートリッジトレイは、水平面内で変位されて、カートリッジのバッチと、粉体ディスペンサモジュールの配列との間の位置合せが達成される。カートリッジのバッチは、通常、粉体ディスペンサモジュール54の配列と一致する。しかしながら、応用によっては、このバッチは、粉体ディスペンサモジュールの数よりも少ないカートリッジを有することができる。
【0038】
粉体分注および検出装置10に関するさらなる詳細は、2007年5月31日公開の国際公開番号WO2007/061987に示され、参照によりここに組み入れられる。
粉体ディスペンサモジュール54の態様は、
図8−17に示され、以下のように説明される。
【0039】
粉体ディスペンサモジュール54は、下部ハウジングセクション150a、中間ハウジングセクション150b、上部ハウジングセクション150cおよびカバー150dを有する、粉体ディスペンサハウジング150を含む。粉体ディスペンサハウジング150は、配列ブロック50内での緊密な間隔を可能にするために、小さな横断面の細長い形状とすることができる。上記のように、粉体ディスペンサモジュール54は、1インチセンタ上に装着することができる。中間ハウジングセクション150bは、粉体取入口130および、粉体取入口130から下方に下部ハウジングセクション150aへと延びる、円筒状導管を含む。下部ハウジングセクション150aは、下方に、カートリッジ20と整合するように寸法決めされた、ディスペンサノズル158へと延びるテーパー付き導管を含む。円筒状導管およびテーパー付き導管は、粉体ディスペンサモジュール54の粉体チャンバを形成すると理解されてもよい。ディスペンサノズル158は、粉体をカートリッジに分注するように構成される。カバー150dは、ディスペンサエレクトロニクス(electronics)からの熱の伝達を促進するための内側に黒くペイントされるアルミニウムカバーであってもよく、粉体ディスペンサモジュールは防水であってもよい。
【0040】
粉体ディスペンサモジュール54は、粉体をディスペンサを介して下方に統制してノズル158へ動かすためのフィードウォンドアセンブリ160、および、下部ハウジングセクション150a内のテーパー付き導管の下端にあるディスペンサ充填バルブ180をさらに含む。粉体ディスペンサモジュール54は、フィードウォンドアセンブリ160および充填バルブ180を制御するため、ならびに粉体ディスペンサモジュール54の動作を制御する制御回路との通信のための回路を有する回路基板184をさらに含む。
【0041】
フィードウォンドアセンブリ160の詳細が、
図10−13に示される。
図13を参照して、フィードウォンドアセンブリ160は、フィードウォンド200、第1アクチュエータ210、第2アクチュエータ212およびアクチュエータカプリング214を含む。
図10−12を参照して、フィードウォンド200は、外部シャフト222に取り付けられた上方フィードエレメント220および内部シャフト232に取り付けられた下方フィードエレメント230を含む。外部シャフト222は、その長さを通じて伸びる中心ボアを有してもよく、内部シャフト232は、外部シャフト222を介してボア内に同軸に装着されてもよい。さらに、内部シャフト232は、外部シャフト222の内側で自由に回転してもよい。
【0042】
ボールベアリングおよび駆動シャフトシール(図示せず)が、円筒状外部シャフト222のフランジ端222aおよび222bの両方に押される。ボールベアリングは、同軸内部シャフト232の長寿命および容易な回転を保証し、シールは粉体の侵入を防ぎ、したがって、ベアリングの長寿命およびドライブシャフトの妨害を防止し、同時にシステムをGMP準拠にする。これは、シールが粉体のドライブシャフト間に蓄積することを防ぎ、バクテリアの成長を推進しないためである。シールされたシステムは、掃除のためにディスペンサモジュール全体を超音波浴に沈めることができるため、掃除をするのが簡単である。
【0043】
いくつかの態様では、上方フィードエレメント220は、らせん部分220aおよびらせん部分220aの上に位置する直線部分220bを含むワイヤフレーム構造であってもよい。下方フィードエレメント230はオーガー(auger)であってもよい。
図10−12のフィードウォンド200において、上方フィードエレメント220および下方フィードエレメント230は、同一方向または対向する方向に回転してもよく、また、同一速度または異なる速度で回転してもよい。したがって、上方フィードエレメント220および下方フィードエレメント230は、所望の粉体フィード動作を達成するために独立して制御されてもよい。
【0044】
図13に示されるように、第1アクチュエータ210は、下方フィードエレメント230の回転のために内部シャフト232に連結される。第2アクチュエータ212は、上方フィードエレメント220の回転のためにアクチュエータカプリング214を介して外部シャフト222に連結される。アクチュエータカプリング214は、第2アクチュエータ212に装着される上方ギアセット240、連結ロッド242、および外部シャフト222に装着される下方ギアセット244を含んでもよい。第1アクチュエータ210および第2アクチュエータ212は、下方フィードエレメント230および上方フィードエレメント220それぞれを独立して回転させるための制御可能な小型モータであってもよい。
【0045】
充填バルブ180の詳細は、
図14A、14Bおよび15に示される。充填バルブ180は、ラックおよびピニオン配設により開放および閉鎖位置の間で作動するバタフライバルブとして構成される。5つの充填バルブ180は、ディスペンサノズル158を規定する円筒状通路302を有するバルブハウジング300を含んでもよい。バルブ部材310は、円筒状通路302の内側に位置して、軸314の周りで回転するバルブシャフト312に連結されるため、バルブ部材310は開放および閉鎖位置の間で回転できる。ピニオンギア320は、シャフト312に取り付けられ、ラック322(
図14B)はピニオンギア320にかみ合う。
【0046】
図9に示されるように、ドライブシャフト330は、ラック322およびバルブアクチュエータ332の間に連結される。バルブアクチュエータ332は、粉体ディスペンサモジュール54の上部付近に取り付けられ、ドライブシャフト330の直線運動を生成し、それは、ラック322およびピニオンギア320により変換され、バルブ部材310を開放および閉鎖位置に回転移動させる。バルブアクチュエータ332は線形ソレノイドであってもよい。
図15に示されるように、充填バルブ180は、ベアリング340、シール342およびベアリングカバー344をさらに含む。
【0047】
ガスケットが、粉体ディスペンサモジュールのバルブハウジング300および下部ハウジングセクション150aの間に取り付けられてもよい。ガスケットは、粉体がバルブ駆動機構へ移行することを防止する。バルブ部材310は、開放および閉鎖位置の間で90°回転するディスクとして構成される。ディスクの端は比較的鋭く、そのため粉体が不定期にカートリッジの中へ注がれたり落ちたりするための端がなくなる。そのように不定期に落ちる粉体は、好ましくない充填のばらつきを引き起こす。バルブシャフトは、容易な回転を可能にし、粉体の進入を防止するための、両端にベアリングおよびシールを有する。バルブ駆動は、単純な垂直運動を利用するため、バルブは100−200ミリ秒以内に閉鎖することができ、したがって、充填命令が終了した後の粉体分注の問題を克服する。
【0048】
粉体ディスペンサモジュール54は、
図16Aおよび16Bに示される造粒機(granulator)400をさらに含む。造粒機400は、充填バルブ180の上の下部ハウジングセクション150aに取り付けられ、上部の大きな直径から下部の小さな直径へテーパー状にされた内壁410を有する。オリフィス要素412は、逆円錐形を有し、この態様においては、リング416を支持する3つの放射状スポークと共に構成される。スポークは、ノズル158を介して粉体を排出するための3つのオリフィス420を規定する。下方フィードエレメント230の下端は、一般的にはオーガーの形状で、逆円錐形オリフィス要素412と一致するように傾斜させられる。ベアリング430(
図12)は、リング416にかみ合う内部シャフト232の下端に取り付けられ、下方フィードエレメント230およびオリフィス要素412の間に所望の空間を確立する。動作において、下方フィードエレメント230は、オリフィス要素412に関連して回転し、粉体のオリフィス要素412内のオリフィス420を介した排出を引き起こす。
【0049】
造粒機400は、充填バルブ180の上に取り付けられ、下方フィードエレメント230のための回転支持を提供する。下方フィードエレメント230は、造粒機400の中央にあるリング416内に取り付けられるサファイアベアリングの上に置かれる。造粒機400は、粉体の流れの制限を最小化するように構成される。他の態様において、造粒機は、分注される粉体に基づいて選択される造粒機のパラメータと共に、任意の数のスポークを有するか、または、穴のパターンと共に提供されてもよい。
【0050】
図17は、説明のためにいくつかの要素が省略され、いくつかの要素が透明である、
図8および9の粉体ディスペンサモジュールの下端の拡大透視図である。
図17は、粉体ディスペンサモジュール内の下方フィードエレメント230、造粒機400および充填バルブ180の相互関係を示す。いくつかの態様では、粉体ディスペンサモジュールは、粉体ディスペンサモジュールのすべての部品を防水にすることにより、GMPに準拠させることができる。
【0051】
上述のように、粉体ディスペンサモジュール54は、ディスペンサノズル内で終わるテーパー状の下部セクションを備える円筒状導管を有する。テーパー状の表面は、ノズルを通る粉体に適用される下方への力に抵抗する全体として上向きの力を粉体の粒子に与える。
図8−17に示され、上述のように説明された粉体ディスペンサモジュールは、粉体の送達を促進し、粉体の送達時間を減らし、粉体の送達の正確性を増すように構成される。
【0052】
上述のように、フィードウォンドアセンブリ160は、上方フィードエレメント220および下方フィードエレメント230のための分離ドライブシャフトおよびアクチュエータと共に構成される。上方フィードエレメントおよび下方フィードエレメントを分離して、独立して駆動させることで、上方フィードエレメント220は、充填バルブを閉鎖して連続的に回転させることができる。これにより粉体の流動化状態を保ち、よって分注の準備ができる。同時に、下方フィードエレメント230は回転されず、そのため、下方フィードエレメント230および充填バルブの間の粉体は圧縮されない。粉体ディスペンサモジュールが粉体を分注するように命令を受けると、充填バルブが開放され、下方フィードエレメント230は、第1アクチュエータ210によって数回回転される。
【0053】
上方および下方フィードエレメントのための分離ドライブシャフトおよびアクチュエータを備えるフィードウォンドアセンブリ160は、同一または対向する方向に上方および下方フィードエレメントを回転することができ、同一または異なる速度で上方および下方フィードエレメントを回転することができる。さらに、フィードエレメントの1つは、他のエレメントが動かないように保持されている間に回転することができる。したがって、上方および下方フィードエレメントは独立して動作する。
【0054】
粉体ディスペンサモジュール54において、回路基板184は、埋め込みプロセッサおよびモータ制御エレクトロニクスを含むことができる。プロセッサは、その対応するセンサセル114および粉体ディスペンサモジュールを制御する粉体ディスペンサモジュールの構成要素と通信するリアルタイムプリエンプティブオペレーティングシステム(real time preemptive operating system)を実行する。
【0055】
上述のように、上方フィードエレメント220は、粉体ディスペンサモジュール内の粉体の流動性を保持するために連続的に動くことができる。要求された重さの粉体を分注するために、充填バルブは開放され、事前設定された時間の下方フィードエレメント230の回転が開始される。粉体ディスペンサモジュールは、固定された時間間隔、およそ200ミリ秒毎に、センサセルに問い合わせを行い、現在の粉体分注状態における充填の割合を決定する。充填の割合に基づいて、プロセッサは事前設定された分注の時間を変更する。それぞれの粉体ディスペンサモジュールは、自己のセンサセルと直接通信を行うため、通信待機時間は固定され、確定的な充填の割合が得られる。粉体ディスペンサモジュールは、適応的な所定の充填時間の終わりに分注を終了させ、充填バルブを速やかに閉鎖し、分注された粉体の重さにおける超過を防止する。
【0056】
図1−7に示され、上述のように説明された粉体分注および検出装置10の態様においては、配列ブロック50に装着され2次元配列された粉体ディスペンサモジュールを利用する。1つの態様において、配列ブロック50は、48個の粉体ディスペンサモジュールを装着するための6×8配列のポートを有する。いくつかの態様では、
図18−22に示され、下記に説明されるような、粉体ディスペンサモジュールの1列または粉体ディスペンサモジュールのいくつかの列を有する粉体ディスペンサモジュールの配列を利用することが望ましい。
【0057】
粉体ディスペンサモジュール510の配列500が
図18に示される。配列500は、1列の粉体ディスペンサモジュール510を含む。配列500において、粉体ディスペンサモジュール510のそれぞれは同じ側の粉体フィード520を受け入れる。配列500は、任意の所望の数の粉体ディスペンサモジュール510を有することができる。粉体ディスペンサモジュール510のそれぞれに粉体フィードを直接提供することで、粉体フィード機構は単純化することができる。充填されるカートリッジの列は、充填のために粉体ディスペンサモジュール510の配列500を備える配置にインデックスが付けられる。
【0058】
粉体ディスペンサモジュール510の配列530が
図19に示される。配列530もまた1列の粉体ディスペンサモジュールを含む。配列530は
図18の配列500と異なり
、粉体ディスペンサモジュール510は、対向する側から
交互に粉体フィード520を受け入れる。この構成は、配列530の両側における粉体フィード機構のために、さらなる空間が利用できるという利点を有する。
【0059】
粉体ディスペンサモジュール510の第1列552および第2列554を含む配列550が、
図20に示される。第1列552は一の側から粉体フィード520を受け入れ、第2列554は対向する側から粉体520を受け入れる。配列550は、粉体ディスペンサモジュール510のそれぞれへの直接的な粉体フィードを可能にしながら、粉体の充填容量を増やす利点を有する。列552および554のそれぞれは任意の数の粉体ディスペンサモジュール510を含むことができる。
【0060】
粉体ディスペンサモジュール510の第1列562および第2列564を含む配列560が、
図21に示される。配列560において、粉体フィード520は配列560の1の側から第2列
564に配送され、粉体フィード522は、第2列564の粉体ディスペンサモジュール510から、粉体ディスペンサモジュール510の第1列562へとフィードスルー(feedthrough)の方法で配送される。
すなわち、2列の粉体ディスペンサモジュールが隣接してなる対の粉体ディスペンサモジュールへとフィードスルーの方式で粉体が送達される。配列560の利点は、2列の粉体ディスペンサモジュール510が同時にカートリッジの充填に利用されながら、粉体が1の側から配列に配送されることである。
【0061】
粉体ディスペンサモジュール510の配列580が、
図22に示される。配列580は、上方の配列560が1の側から粉体フィード520を受け入れ、下方の配列560が対向する側から粉体フィード520を受け入れることを除いては、基本的に
図21に示され上述された配列560の繰り返しである。
図21の配列580は、多数のカートリッジが同時に充填という利点を有するが、粉体フィード520が単一の配列よりさらに複雑になるという欠点を有する。
【0062】
本発明のさらなる態様に従った、粉体ディスペンサモジュール700が、
図23−25に示される。粉体ディスペンサモジュール700は、粉体チャンバ712を規定する粉体ディスペンサハウジング710を含む。粉体チャンバ712は、粉体取入口720から粉体取出口722へ伸びる。粉体チャンバ712の下部は、粉体取出口722方向の内側にテーパー状である。
図23−25の態様において、粉体ディスペンサハウジング710は、多数の粉体ディスペンサモジュールのための複数の粉体チャンバ712を有するブロックとして示される。他の態様において、粉体ディスペンサモジュールのそれぞれのために、分離ハウジングを提供することができる。
【0063】
粉体取入口720は、粉体配送導管724に連結され、粉体はそれを介して粉体ディスペンサモジュール700のそれぞれに配送される。粉体取出口722は、粉体をカートリッジ730に分注するためのディスペンサノズルを形成する。カートリッジ730のそれぞれは、粉体の分注の間にカートリッジ730の重さを検知するためのウェイトセンサセル740の上に置かれる。
【0064】
粉体ディスペンサモジュール700は、アクチュエータ752に連結されるフィードウォンド750をさらに含む。フィードウォンド750は、アクチュエータ752、バルブエレメント756および流動化エレメント758に連結されるシャフト754を含んでもよい。バルブエレメント756は、バルブエレメント756が粉体取出口722に関連して閉鎖位置に移動する場合に、粉体取出口722をブロックするように構成されるシャフト754の拡大された部分であってもよい。特に、バルブエレメント756は、粉体取出口722の周辺に接触するための円錐形状を有してもよい。流動化エレメント758は、フィードウォンド750の振動運動の間に、粉体を流動化させる外側に伸びるディスクであってもよい。
【0065】
アクチュエータ752は、
図24の右側に示されるようなバルブの開放位置および
図24の左側に示されるような閉鎖位置の間でのシャフト754の直線運動を生み出す。アクチュエータ752はまた、バルブが開放位置にある場合に、
図24の矢印760に示される方向において、フィードウォンド750の振動運動を生み出す。流動化エレメント758の振動運動は、粉体の流動化および粉体取出口722を介した分注を引き起こす。ウェイトセンサセル740により検知されるとおり、所望の量の粉体がカートリッジ730の中に分注されると、フィードウォンド750はバルブの閉鎖位置へ動かされる。
【0066】
図25に示されるように、粉体移送システム770は、粉体を粉体ディスペンサモジュール700の配列に配送してもよい。粉体移送システム770は、粉体ディスペンサモジュール700のそれぞれに粉体を送達するための粉体移送システムを介して移送ガスを動かすブロワーを含んでもよい。いくつかの態様において、粉体移送システム770は、粉体がカートリッジ730の中へ分注される1つ以上の粉体分注サイクルに続いて、粉体ディスペンサモジュールのそれぞれに充填するために断続的に動作してもよい。異なる粉体移送システムおよび異なる粉体ディスペンサモジュールの配列が、本発明の範囲内で利用されてもよい。
図23−25の態様において、粉体ディスペンサモジュール700は、粉体チャンバ712を介して粉体を垂直に分注し、粉体は水平粉体配送導管724を介して粉体ディスペンサモジュールに配送される。
【0067】
本発明の少なくとも1つの態様のいくつかの側面の説明から、当然のことながら、当業者によって様々な変更、改良および改善が容易に行われるであろうことが理解されるべきである。そのような変更、改良および改善は、この開示の一部とし、本発明の精神と範囲の中とする。したがって、先述の説明および図面は例示に過ぎない。