【実施例】
【0050】
例1
5種の調合物を、性能研究のために調製した。特に、3種のビニル含有シルセスキオキサンを、2種の業務用LSR調合物に加えた。ビニル含有シルセスキオキサンは、Gelestから市販されている。ビニル含有シルセスキオキサン技術上のデータを表1に具体的に説明する。ケイ素LSRは、Wackerの製品3003/50およびRhodiaの製品4340である。調合物のデータを表2に具体的に説明する。低粘度ビニル含有シルセスキオキサンは、ドウミキサーを使用した2部分の混合ステップの間に、LSRに容易に取り込まれる。添加物の配合レベルは、LSRの0.5〜2重量%(phr、部/100部のゴム)であった。
【0051】
[表1.シルセスキオキサンインサイチュー接着促進剤の特性]
【0052】
【表1】
【0053】
[表2.例示調合物]
【0054】
【表2】
【0055】
5種の調合物の機械的特性を評価した。試験平板を、177℃で5分間、圧縮成形し、そして177℃で4時間、後硬化した。引っ張り強度および破断点伸び等の張力特性をASTM D−412を使用して、Instronで評価した。引裂試験をASTM D−624によりInstronで行い、そして硬度測定をASTM D−2240の手順に従って、ショアAデュロメーターで行った。圧縮永久歪み測定をASTM D−395に従って行った。結果を表3にまとめる。
【0056】
[表3.シリコーン調合物の特性]
【0057】
【表3】
【0058】
例2
熱可塑性基材上での調合物1〜5の接着特性を評価した。熱可塑性基材は、2種の業務用ポリカーボネート基材、GE LexanおよびBayer Shefield、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)基材、ポリエステル基材、およびポリエーテルイミド基材(GE Ultem)を含む。約0.5mm〜約1.5mmの厚さを有する自己接着性フィルムを基材上に圧縮成形し、そして成形条件は、例1に記載された物理的試験の平板と同じである。マイラーフィルムをまた、剥離試験の間に伸長を防ぐために、同じステップでシリコーンゴムの裏上に成形した。剥離試験ではInstron4465試験機を使用した。シリコーン層および基材の両方をInstronのグリップにクランプした。このグリップを次に、2インチ/分の速度で垂直方向に移動させ、基材から180°の角度でシリコーンを引張った。180°剥離試験の結果を表4および5にまとめる。表4は、処理前の剥離強度を具体的に示し、そして表5は、177℃で4時間、後硬化後の剥離強度を含む。選択された基材上のベースゴムWacker3003/50の比較データ
をまた含む。
【0059】
[表4.処理前の剥離強度]
【0060】
【表4】
【0061】
[表5.後硬化処理後の剥離強度]
【0062】
【表5】
【0063】
後硬化処理の前および後で、調合物1〜5は、すべての5種の基材上で、Wacker3003/50より大きい剥離強度で接着した。特に、調合物2、3、および4では凝集破壊が観察された。それ故に、接着力は、シリコーンゴムの強度より強い。典型的には、凝集破壊が起こる場合、剥離強度は20ppiより大きい。
【0064】
例3
熱硬化性ポリマー上で、調合物1および5の接着特性を評価した。熱硬化性ポリマー基材は、押し出しグレードのHCRゴム(Wacker4105/40)、アクリル(Plexi glass)およびフェノール樹脂(Garolite)を含む。約0.5mm〜約1.5mmの厚さを有する自己接着性LSRフィルムを基材上に圧縮成形し、そして成形条件は、例1に記載された物理的試験の平板と同じである。剥離試験の結果を、表6および7にまとめる。表6は、処理前の剥離強度を具体的に示し、そして表7は、177℃で4時間、後硬化後の剥離強度を含む。
【0065】
[表6.処理前の剥離強度]
【0066】
【表6】
【0067】
[表7.後硬化処理後の剥離強度]
【0068】
【表7】
【0069】
調合物1は、すべての3つの基材上で、後硬化処理前に凝集破壊を示す。調合物5は、HCRゴムおよびフェノール樹脂の両方の上で、後硬化処理前に凝集破壊を示す。接着力がシリコーンゴムの強度より強い場合、凝集破壊が起こる。典型的には、凝集破壊が起こる場合、剥離強度は20ppiより大きい。
【0070】
後硬化、調合物1および5の両者は、HCRゴムおよびフェノール樹脂上で凝集破壊を示す。
【0071】
例4
ガラス上で調合物1および5の接着特性を評価した。ガラス基材は、ホウケイ酸である。約0.5mm〜約1.5mmの厚さを有する自己接着性LSRフィルムを基材上に圧縮成形し、そして成形条件は、例1に記載された物理的試験の平板と同じである。剥離試験の結果を、表8および9にまとめる。表8は、処理前の剥離強度を具体的に示し、そして表9は、177℃で4時間、後硬化後の剥離強度を含む。
【0072】
[表8.処理前の剥離強度]
【0073】
【表8】
【0074】
[表9.後硬化処理後の剥離強度]
【0075】
【表9】
ホウケイ酸ガラス上で、調合物1および5の両者は、後硬化処理の前および後硬化処理後で凝集破壊を伴う優れた剥離強度を示した。接着力がシリコーンゴムの強度より強い場合、凝集破壊が起こる。典型的には、凝集破壊が起こる場合、剥離強度は20ppiより大きい。
【0076】
例5
金属上で、調合物1および5の接着特性を評価した。金属基材は、スチール、ステンレススチール、アルミニウム、銅、およびチタンを含む。約1.0mm〜約1.5mmの厚さを有する自己接着性LSRフィルムを、基材上に圧縮成形し、そして成形条件は、例1に記載された物理的試験の平板と同じである。剥離試験の結果を、表10および11にまとめる。表10は、処理前の剥離強度を具体的に示し、そして表11は、177℃で4時間、後硬化後の剥離強度を含む。選択された基材上のWacker3003/50の比較データをまた含む。
【0077】
[表10.処理前の剥離強度]
【0078】
【表10】
[表11.後硬化処理後の剥離強度]
【0079】
【表11】
【0080】
金属基材上で、調合物1および5の両者は、後硬化処理の前、および後硬化処理の後で、従来のWacker3003/50より大きい剥離強度を有する優れた剥離強度を示した。凝集破壊が観察された。それ故に、接着力はシリコーンゴムの強度より強い。凝集破壊が起こる場合、剥離強度は典型的には20ppiより大きい。
【0081】
例6
ナトリウムナフタレンでエッチされたPTFE上で、調合物1および5の接着特性を評価した。約1.8mmの厚さを有する自己接着性LSRフィルムを、基材上に圧縮成形し、そして成形条件は、例1に記載された物理的試験の平板と同じである。剥離試験の結果を、表12および13にまとめる。表12は、処理前の剥離強度を具体的に示し、そして表13は、177℃で4時間、後硬化後の剥離強度を含む。ベースゴムWacker3003/50基材の比較データを同じ表の中にまた含む。
【0082】
[表12.処理前の剥離強度]
【0083】
【表12】
【0084】
[表13.後硬化処理後の剥離強度]
【0085】
【表13】
【0086】
ナトリウムナフタレンでエッチされたPTFE上で、調合物1および5の両者は、後硬化処理の前、および後硬化処理の後で、従来のWacker3003/50に比較してより大きい剥離強度および凝集破壊を有する優れた剥離強度を示した。接着力がシリコーンゴムの強度より強い場合、凝集破壊が起こる。典型的には、凝集破壊が起こる場合、剥離強度は20ppiより大きい。
【0087】
例7
この例は、基材材料の範囲上への被膜としての自己接着性LSRの使用を具体的に示す。金属基材は、グラスファイバーマット、コロイドシリカ(Ludox(商標))で処理したPTFEおよびステンレススチールを含む。平板鋳型を使用して基材上に0.2mm薄膜の調合物1を被覆した。177℃、0.5分間で、平板鋳型内で加硫が起こり、そして試料をさらに177℃で4時間、後硬化させた。これらの基材上でシリコーンフィルムの接着特性を、上記の様な180°剥離試験によって測定し、そして結果を表14にまとめる。
【0088】
[表14.後硬化処理後の剥離強度]
【0089】
【表14】
【0090】
すべての3つの基材上で、調合物1は、優れた剥離強度を有する。
【0091】
例8
自己接着性LSRはまた、所与の基材に充分に硬化させたシリコーンゴムの平板を接着させるために、接着剤として使用できる。0.2mmの自己接着性LSRの結合層を、シリコーンゴム平板と基材との間で成形した。基材は、ステンレススチールおよびGE Lexanポリカーボネートである。177℃、0.5分間で、平板鋳型内で加硫が起こった。調合物1の接着特性を評価し、そして結果を表15にまとめる。試験中で使用されるシリコーンゴム平板は、Wacker4105/40(HCR)でできていた。
【0092】
[表15.後硬化処理後の剥離強度]
【0093】
【表15】
【0094】
結合層として調合物1は、両方の基材上で良好な剥離強度を示した。
【0095】
例9
3種の調合物を、性能研究のために調製した。特異的に、2種のビニル含有シルセスキオキサンを、2種の業務用HCR調合物に加えた。ビニル含有シルセスキオキサンは、Gelestから市販されている。ビニル含有シルセスキオキサン技術上のデータを表16に具体的に説明する。ケイ素HCRは、成形用途のためのWacker製品R4000/50、および押し出し用途のためのR4105/40である。調合物のデータを表17に具体的に説明する。低粘度ビニル含有シルセスキオキサンは、2部分の混合ステップの間に、ロール粉砕機を使用してHCRに取り込まれた。添加物の配合レベルは、HCRの0.5〜2重量%(phr、部/100部のゴム)であった。
【0096】
[表16.シルセスキオキサンインサイチュー接着促進剤の特性]
【0097】
【表16】
【0098】
[表17.例示調合物]
【0099】
【表17】
【0100】
3種の調合物の機械的特性を評価した。試験平板を177℃で5分間圧縮成形し、そして177℃で4時間、後硬化した。引っ張り強度および破断点伸び等の張力特性を、ASTM D−412を使用して、Instronで評価した。引裂試験を、ASTM D−624によりInstronで行い、そして硬度測定をショアAデュロメーターで行った。ASTM D−2240の手順に従って圧縮永久歪み測定をASTM D−395.に従って行った結果を表18にまとめる。
【0101】
[表18.シリコーン調合物の特性]
【0102】
【表18】
【0103】
例10
熱可塑性基材上での調合物6および7の接着特性を評価した。熱可塑性基材は、ポリカーボネート基材(GE Lexan)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)基材、ポリエステル基材、およびポリエーテルイミド基材(Ultem)を含む。約0.5mm〜約1.5mmの厚さを有する自己接着性HCRフィルムを基材上に圧縮成形し、そして成形条件は、例9に記載された物理的試験の平板と同じである。マイラーフィルムをまた、剥離試験の間に伸長を防ぐために、同じステップでシリコーンゴムの裏上に成形した。上記の様に180°剥離試験行い、そして結果を表19および20にまとめる。表19は、処理前の剥離強度を具体的に示し、そして表20は177℃で4時間、後硬化後の剥離強度を含む。塩基ゴムWacker R400/50の比較データをまた含む。
【0104】
[表19.処理前の剥離強度]
【0105】
【表19】
【0106】
[表20.後硬化処理後の剥離強度]
【0107】
【表20】
【0108】
後硬化処理の前および後で、調合物6〜8は、すべての4種の基材上で、Wacker R4000/50より大きい剥離強度を有して接着した。特に、調合物6、7、および8では、ポリエステル上での後硬化後に、凝集破壊が観察された。さらに、調合物6および7は、後硬化後に、Lexan上で凝集破壊を示した。それ故に、接着力は、シリコーンゴムの強度より強い。典型的には、凝集破壊が起こる場合、剥離強度は20ppiより大きい。
【0109】
例11
熱硬化物上での、調合物6および7の接着特性を評価した。熱硬化性基材は、押し出しグレードのHCRゴム(Wacker4105/40)およびフェノール樹脂(Garolite)を含む。剥離試験の結果を表21および22にまとめる。表21は、処理前の剥離強度を具体的に示し、そして表22は、177℃で4時間、後硬化後の剥離強度を含む。
【0110】
[表21.処理前の剥離強度]
【0111】
【表21】
【0112】
[表22.後硬化処理後の剥離強度]
【0113】
【表22】
【0114】
HCRゴムおよびフェノール樹脂上で、調合物6および7の両者は、後硬化処理の前および後硬化処理後で、凝集破壊を伴う優れた剥離強度を示した。接着力がシリコーンゴムの強度より強い場合、凝集破壊が起こる。典型的には、凝集破壊が起こる場合、剥離強度は20ppiより大きい。
【0115】
例12
ガラス上で、調合物6の接着特性を評価した。ガラス基材は、ホウケイ酸である。剥離試験の結果を表23および24にまとめる。表23は、処理前の剥離強度を具体的に示し、そして表24は、177℃で4時間、後硬化後の剥離強度を含む。
【0116】
[表23.処理前の剥離強度]
【0117】
【表23】
【0118】
[表24.後硬化処理後の剥離強度]
【0119】
【表24】
【0120】
ホウケイ酸ガラス上で、調合物6は、後硬化処理の前および後硬化処理後で凝集破壊を伴う優れた剥離強度を示した。接着力がシリコーンゴムの強度より強い場合、凝集破壊が起こる。典型的には、凝集破壊が起こる場合、剥離強度は20ppiより大きい。
【0121】
例13
金属上での、調合物6および7の接着特性を評価した。金属基材は、スチール、ステンレススチール、およびアルミニウムを含む。1.0mm〜約1.5mmの厚さを有する自己接着性HCRフィルムを基材上に圧縮成形し、そして成形条件は、例9に記載された物理的試験の平板と同じである。剥離試験の結果を、表25および26にまとめる。表25は、処理前の剥離強度を具体的に示し、そして表26は、177℃で4時間、後硬化後の剥離強度を含む。選択された基材上のWacker R4000/50の比較データをまた含む。
【0122】
[表25.処理前の剥離強度]
【0123】
【表25】
【0124】
[表26.後硬化処理後の剥離強度]
【0125】
【表26】
【0126】
金属基材上で、調合物6および7の両者は、後硬化処理の前および後硬化処理後で、Wacker R4000/50と比較して、より大きい剥離強度を有する優れた剥離強度を示した。スチールおよびアルミニウム上で、調合物6および7では、後硬化処理の前および後で、凝集破壊が起こる。接着力がシリコーンゴムの強度より強い場合、凝集破壊が起こる。典型的には、凝集破壊が起こる場合、剥離強度は20ppiより大きい。
【0127】
例14
ナトリウムナフタレンでエッチされたPTFE上で、調合物6および7の接着特性を評価した。約1.8mmの厚さを有する自己接着性HCRフィルムをPTFE基材上に圧縮成形し、そして成形条件は、例9に記載された物理的試験の平板と同じである。剥離試験の結果を、表27および28にまとめる。表27は、処理前の剥離強度を具体的に示し、そして表28は、177℃で4時間、後硬化後の剥離強度を含む。ベースゴムWacker3003/50基材の比較データをまた、同じ表の中に含む。
【0128】
[表27.処理前の剥離強度]
【0129】
【表27】
【0130】
[表28.後硬化処理後の剥離強度]
【0131】
【表28】
【0132】
ナトリウムナフタレンでエッチされたPTFE上で、調合物6および7の両者は、後硬化処理の前および後硬化処理後で、Wacker R4000/50と比較して、より大きい剥離強度および凝集破壊を有する優れた剥離強度を示した。接着力がシリコーンゴムの強度より強い場合、凝集破壊が起こる。典型的には、凝集破壊が起こる場合、剥離強度は20ppiより大きい。
【0133】
例15
この例は、グラスファイバーマット上への、ラミネートとしての自己接着性HCRの使用を具体的に示す。グラスファイバーマット上での調合物7の接着特性を評価した。1.0mm厚さを有するラミネートを、平板鋳型を使用してグラスファイバーマット上に成形させた。177℃、0.5分間で、平板鋳型内で加硫が起こった。後硬化した試料(177℃、4時間)で、20.6ppiの剥離強度を測定した。
【0134】
例16
自己接着性HCRは、異なる基材材料を共に接着させる結合層として使用できる。典型的な例は、PTFE/SB HCR/ステンレススチールおよびPTFE/SB HCR/アルミニウムを含む。自己接着性HCR(SB HCR)は、調合物7である。結合層の典型的な厚さは、約0.2mmである。ラミネートを177℃、5分間で圧縮成形により形成させた。PTFEと金属との間の剥離強度を表29および30にまとめる。表29は、処理前の剥離強度である。表30は、177℃で4時間、後硬化後の剥離強度である。
【0135】
[表29.処理前の剥離強度]
【0136】
【表29】
【0137】
[表30.後硬化処理後の剥離強度]
【0138】
【表30】
【0139】
凝集破壊が、観察された。それ故に、接着力は、シリコーンゴムの強度より強い。凝集破壊が起こる場合、剥離強度は、典型的には20ppiより大きい。
【0140】
例17
6種の多層管を、性能研究のために使用した。特に、種々のシリコーン調合物を、ナトリウムナフタレンでエッチされた熱収縮性PTFE裏地(2:1 H/S比;Teleflexから得られた)上のカバーとして試験した。シリコーンゴムカバーは、Wacker(製品3003/50)、GE(製品LIMS8040)およびShin Etsu (製品2090〜40)から得られた。上記の調合物1(Wacker3003/50+GelestVEE−005)および調合物5(Wacker3003/50+GelestVPE−005)をまたカバーとして使用した。さらに、第1のシリコーン管は、裏地のないWackerの製品3003/50でできた管である。
【0141】
シリコーンゴム管の寿命を、ヘッド600回転/分および0背圧の、標準ポンプヘッドまたはEasy−Load IIのいずれかで試験した。
【0142】
図3は、シリコーンゴム管の寿命への3種の異なる裏地の影響を具体的に示す。シルセスキオキサンを含有する調合物の両方は、市販されているGE自己接着性LSR、および従来のLSRより優れていた。GelestVPE−005を使用した多層管は、約275時間超の寿命を有した。GelestVEE−005を使用した多層管は、約350時間超の寿命を有し、そして市販されているShin−Etsu自己接着性LSRより優れていた。
【0143】
例18
この例は、自己接着性シリコーン発泡体の調製を具体的に示す。300gのMomentive Sanitech50baseを、3gのMomentive CA6、3gのAzo Nobel Expancelおよび2.25gのVEE−005と2ロールミルによって混合した。この混合物を、2.0mmの平板に、350
0F、2分間で成形した。この混合物をまた、ステンレススチール基材、ポリエステル基材、およびアルミニウム基材上に、同じ条件下で成形した。平板を350
0Fで2時間、後硬化し、そして剥離試験の結果を表31にまとめる。
【0144】
[表31.自己接着性シリコーン発泡体での剥離強度]
【0145】
【表31】
【0146】
シリコーン発泡体の密度は、0.52g/cm
3であり、そしてシリコーン発泡体の熱伝導度は、0.16W/mKである。すべての3種の基材上で、自己接着性シリコーン発泡体は、優れた剥離強度を有した。
【0147】
例19
5種の調合物を性能研究のために調製した。特に、3種のインサイチュー接着促進剤を、業務用LSR調合物に加えた。接着促進剤は、マレイン酸ジメチル(DMM)、マレイン酸ジエチル(DEM)およびフマル酸ジメチル(DMF)であり、それらはすべてSigma Aldrichから市販されている。ケイ素LSR塩基ゴムは、Wacker Elastosil LR3003/50である。調合物のデータを表31に具体的に説明する。インサイチュー接着促進剤は、ドウミキサー、または業務用LIMS混合システム中のスタティックミキサーを使用して、2部分の混合ステップの間に、LSRの中に容易に取り込まれた。添加物の配合レベルは、LSRの0.3〜1重量%(phr、部/100部のゴム)である。オルガノシルセスキオキサン(Degussaから入手可能であるDynasylan6498およびDynasylan6598)をまた、接着促進剤のLSRマトリックスへの分散を促進するために例の2つで使用した。
【0148】
[表31.例示調合物]
【0149】
【表32】
【0150】
2種の調合物(調合物12および13)の機械的特性を評価した。試験平板を177℃で5分間圧縮成形し、そして177℃で4時間、後硬化した。引っ張り強度および破断点伸び等の張力特性をASTM D−412を使用して、Instronで評価した。引裂試験をASTM D−624によりInstronで行い、そして硬度測定をASTM D−2240の手順に従って、ショアAデュロメーターで行った。結果を表32にまとめる。
【0151】
[表32.シリコーン調合物の特性]
【0152】
【表33】
【0153】
例20
熱可塑性基材上での調合物9〜13の接着特性を評価した。熱可塑性基材は、ポリカーボネート基材(GE Lexan)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)基材、ポリエステル基材、ポリエーテルイミド(Ultem)、およびポリフェニルスルホン(Radel)を含む。約0.5mm〜約1.5mmの厚さを有する自己接着性フィルムを、基材上に圧縮成形し、そして成形条件は、例18に記載された物理的試験の平板と同じである。マイラーフィルムをまた、剥離試験の間に伸長を防ぐために、同じステップでシリコーンゴムの裏上に成形した。剥離試験ではInstron4465試験機を使用する。シリコーン層および基材の両方を、Instronのグリップにクランプした。このグリップを次に、2インチ/分の速度で垂直方向に、移動させた、基材から180°の角度でシリコーンを引張った。180°剥離試験の結果を、表33および34にまとめる。表33は、処理前の剥離強度を具体的に示し、そして表34は、177℃で4時間、後硬化後の剥離強度を含む。選択された基材でのベースゴムWacker3003/50の比較データをまた含む。
【0154】
[表33.処理前の剥離強度]
【0155】
【表34】
【0156】
[表34.後硬化処理後の剥離強度]
【0157】
【表35】
【0158】
後硬化処理の前および後で、調合物9〜13は、ポリカーボネート上で、Wacker3003/50より大きい剥離強度で接着した。特に、ポリカーボネート、PEEK、Ultem、Radel、およびポリエステルの表面上の調合物12および13では、後硬化処理後に、凝集破壊が観察された。
【0159】
それ故に、接着力はシリコーンゴムの強度より強い。典型的には、凝集破壊が起こる場合、剥離強度は20ppiより大きい。
【0160】
ガラス充填ナイロン基材上で、調合物12および13の接着特性を評価した。調合物12および13を、ツーショットプレスを使用して新たに製造した基材の上に射出成形した。シリコーンゴムフィルムの厚さは4.0mmであり、そして接着試験試料の形状は、ASTM429によって規定されている。接着試験を、ASTM429により90°剥離で行い、そして結果を表35にまとめる。後硬化条件は、177℃で、4時間である。
【0161】
[表35.ツーショット成形されたシリコーン/ナイロン部品の剥離強度]
【0162】
【表36】
【0163】
例21
金属上での調合物12および13の接着特性を評価した。金属基材は、銅、ステンレススチール、およびアルミニウムを含む。約1.5mm〜約1.8mmの厚さを有する自己接着性LSRフィルムを基材上に圧縮成形し、そして成形条件は、例18に記載された物理的試験の平板と同じである。剥離試験の結果を、表36および37にまとめる。表36は、処理前の剥離強度を具体的に示し、そして表37は、177℃で4時間、後硬化後の剥離強度を含む。選択された基材上のWacker3003/50の比較データをまた含む。
【0164】
[表36.処理前の剥離強度]
【0165】
【表37】
【0166】
[表37.後硬化処理後の剥離強度]
【0167】
【表38】
【0168】
金属基材上で、調合物12および13両者は、後硬化処理の前および後硬化処理の後で、従来のWacker3003/50より大きい剥離強度を有する優れた剥離強度を示した。凝集破壊が観察された。それ故に、接着力はシリコーンゴムの強度より強い。凝集破壊が起こる場合、剥離強度は典型的には20.0ppiより大きい。
【0169】
例22
ナトリウムナフタレンでエッチされたPTFE上で、調合物12および13の接着特性を評価した。約1.8mmの厚さを有する自己接着性LSRフィルムを、基材上に圧縮成形し、そして成形条件は、例18に記載された物理的試験の平板と同じである。剥離試験の結果を表38および39にまとめる。表38は、処理前の剥離強度を具体的に示し、そして表39は、177℃で4時間、後硬化後の剥離強度を含む。ベースゴムWacker3003/50基材の比較データをまた、同じ表の中に含む。
【0170】
[表38.処理前の剥離強度]
【0171】
【表39】
【0172】
[表39.後硬化処理後の剥離強度]
【0173】
【表40】
【0174】
ナトリウムナフタレンでエッチされたPTFE上で、調合物12および13の両者は、後硬化処理の前、および後硬化処理の後で、従来のWacker3003/50と比較して、より大きい剥離強度および凝集破壊を有する優れた剥離強度を示した。接着力がPTFEフィルムの強度より大きい場合に、凝集破壊が起こる。典型的には、凝集破壊が起こる場合、剥離強度は20.0ppiより大きい。
【0175】
例23
3種の調合物を、性能研究のために調製した。特に、マレイン酸ジエチルを、1種の業務用白金で硬化されたHCR調合物および2種の過酸化物で硬化されたHCR調合物に加えた。マレイン酸ジエチルは、Sigma Aldrichから市販されている。白金で硬化されたケイ素HCRは、Momentive製品、Santitech65である。過酸化物で硬化したシリコーンHCRsは、Bayer HV3622およびMomentive SE6350である。調合物のデータを表40に具体的に説明する。低粘度のマレイン酸ジエチルは、2ロールミルを使用して、2部分のステップの間に、HCRに取り込まれた。添加物の配合レベルは、HCRの0.5〜1重量%(phr、部/100部のゴム)であった。
【0176】
[表40.例示調合物]
【0177】
【表41】
【0178】
3種の調合物の機械的特性を、評価し、そして結果を表41にまとめる。試験平板を210℃で2分間圧縮成形し、そいて177℃で4時間、後硬化した。引っ張り強度および破断点伸び等の張力特性を、ASTM D−412を使用して、Instronで評価した。引裂試験をASTM D−624によりInstronで行い、そして硬度測定をASTM D−2240の手順に従って、ショアAデュロメーターで行った。
【0179】
[表41.シリコーン調合物の特性]
【0180】
【表42】
【0181】
例24
熱可塑性基材上での調合物14の接着特性を評価した。熱可塑性基材は、ポリカーボネート基材(GE Lexan)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)基材、ポリエーテルイミド(Ultem)基材、ポリフェニルスルホン(Radel)基材、およびポリエステル基材を含む。約0.5mm〜約1.5mmの厚さを有する自己接着性HCRフィルムを基材上に圧縮成形し、そして成形条件は、例22に記載された物理的試験の平板と同じである。マイラーフィルムをまた、剥離試験の間に伸長を防ぐために、同じステップでシリコーンゴムの裏上に成形した。上記の様に180°剥離試験を行い、そして結果を表42および43にまとめる。表42は処理前の剥離強度を具体的に示し、そして表43は177℃で4時間、後硬化後の剥離強度を含む。従来のHCR Wacker R4000/50の比較データをまた含む。
【0182】
[表42.処理前の剥離強度]
【0183】
【表43】
【0184】
[表43.後硬化処理後の剥離強度]
【0185】
【表44】
【0186】
調合物14は、すべての5種の基材上で、後硬化処理後に、Wacker R4000/50より強い剥離強度で接着した。特に、凝集破壊が5種の基材すべてで観察された。それ故に、接着力はシリコーンゴムの強度より強い。典型的には、凝集破壊が起こる場合、剥離強度は20.0ppiより大きい。
【0187】
例25
金属上での、調合物14および15の接着特性を評価した。金属基材は、ステンレススチールおよびアルミニウムを含む。1.0mm〜約1.8mmの厚さを有する自己接着性HCRフィルムを基材上に圧縮成形し、そして成形条件は、例22に記載された物理的試験の平板と同じである。剥離試験の結果を表44および45にまとめる。表44は処理前の剥離強度を具体的に示し、そして表45は177℃で4時間、後硬化後の剥離強度を含む。選択された基材上のWacker R4000/50の比較データをまた含む。
【0188】
[表44.処理前の剥離強度]
【0189】
【表45】
【0190】
[表45.後硬化処理後の剥離強度]
【0191】
【表46】
【0192】
金属基材上で、調合物14および15の両者は、後硬化処理の前および後硬化処理の後で、Wacker R4000/50より大きい剥離強度を有する優れた剥離強度を示した。スチールおよびアルミニウム上の調合物14および15では、後硬化処理の前および後において凝集破壊が起こった。接着力がシリコーンゴムの強度より強い場合、凝集破壊が起こる。典型的には、凝集破壊が起こる場合、剥離強度は20.0ppiより大きい。
【0193】
例26
ナトリウムナフタレンでエッチされたPTFE、ナトリウムアンモニウムでエッチされたPTFE、およびコロイドシリカ(Ludox(商標))で処理されたPTFE上で、調合物14〜16の接着特性を評価した。約1.8mmの厚さを有する自己接着性HCRフィルムをエッチされたPTFE基材の上に圧縮成形し、そして成形条件は、例22に記載された物理的試験の平板と同じである。剥離試験の結果を、表46および47にまとめる。表46は処理前の剥離強度を具体的に示し、そして表47は177℃で4時間、後硬化後の剥離強度を含む。従来のHCRゴムWacker3003/50基材の比較データをまた、同じ表の中に含む。
【0194】
[表46.処理前の剥離強度]
【0195】
【表47】
【0196】
[表47.後硬化処理後の剥離強度]
【0197】
【表48】
【0198】
ナトリウムナフタレンでエッチされたPTFE上で、調合物14および15の両者は、後硬化処理前および後硬化処理後に、Wacker4105/40に比較して、より大きい剥離強度および凝集破壊を有する優れた剥離強度を示した。調合物14および15の両者は、ナトリウムアンモニウムエッチされたPTFE上で良好な剥離強度およびLudox(商標)で処理したPTFE上で妥当な剥離強度を有した。接着力がPTFEフィルムの強度より大きい場合に、凝集破壊が起こる。凝集破壊が起こる場合、典型的には剥離強度は、20.0ppiより大きい。
【0199】
上記に開示された主題は、具体的に説明するものであり、および制限するものではないと解され、そして付属の請求項は、本発明の真の範囲内にあるすべてのそうした改変、増強、および他の態様を網羅することを目的とする。従って、法により最大限許される程度に、本発明は、以下の請求項およびそれらの均等の最も広く許される解釈により決定されるべきであり、そして先の詳細な記載により制限または限定されるべきではない。