特許第5934319号(P5934319)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5934319基板の互いに反対側に位置した側面上に存在するトラックを相互接続する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5934319
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月15日
(54)【発明の名称】基板の互いに反対側に位置した側面上に存在するトラックを相互接続する方法
(51)【国際特許分類】
   C25D 7/00 20060101AFI20160602BHJP
【FI】
   C25D7/00 G
【請求項の数】35
【外国語出願】
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-191617(P2014-191617)
(22)【出願日】2014年9月19日
(62)【分割の表示】特願2008-545515(P2008-545515)の分割
【原出願日】2006年12月5日
(65)【公開番号】特開2014-240527(P2014-240527A)
(43)【公開日】2014年12月25日
【審査請求日】2014年9月30日
(31)【優先権主張番号】1030664
(32)【優先日】2005年12月13日
(33)【優先権主張国】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】591204540
【氏名又は名称】メコ イクウィップメント エンジニアズ ベスローテン フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(72)【発明者】
【氏名】ファン デ フェン,アウグスティヌス コルネリス マリア
(72)【発明者】
【氏名】ロゼボーム,リック フランシスクス ヨーゼフ ペテル
【審査官】 瀧口 博史
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭56−048198(JP,A)
【文献】 特開2006−111896(JP,A)
【文献】 特開2005−113173(JP,A)
【文献】 特表2004−529499(JP,A)
【文献】 特開2006−303489(JP,A)
【文献】 特開2005−136233(JP,A)
【文献】 特開2003−166068(JP,A)
【文献】 特開2002−335059(JP,A)
【文献】 特開平09−263079(JP,A)
【文献】 特開平04−083393(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25D 7/00
H05K 3/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電性基板の2つの互いに反対側の側面上に存在する2つの導電性トラックの間に導電性接続部を形成する方法であって、
a 前記誘電性基板の一方の側面上に存在する少なくとも1つの導電性の第1のトラックと、前記一方の側面とは前記誘電性基板に対して反対側に位置した前記誘電性基板の他方の側面上に存在する少なくとも1つの導電性の第2のトラックとを有する、前記誘電性基板を用意する段階と、
b 前記誘電性基板を貫通し、かつ、前記第1および第2のトラックの2つの互いに反対側の部分をそれぞれに貫通する、貫通穴を形成する段階と、
c 前記貫通穴の内壁面に前記導電性接続部を形成することにより、前記第1のトラックと前記第2のトラックとの間を電気的に接続する段階と、
前記段階aを行うために前記誘電性基板をロールから繰り出す段階と、段階cを行うために電解浴中を通して前記誘電性基板の前記繰り出された部分を搬送する段階と、段階bを行うために、前記ロールと前記電解浴との間の特定の位置において前記誘電性基板内に前記貫通穴を形成する段階と、
を含む方法であって、
前記段階cを完遂するために、導電性材料が電解浴中で第1のトラックから前記貫通穴を経由して第2のトラックへと電解成長することを生じさせる段階を含む方法。
【請求項2】
前記貫通穴は穿孔工具を使用して穿孔によって形成されている請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記導電性接続部は前記穿孔工具を使用して前記貫通穴を形成することによって得られる請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のトラックから遠方にある前記誘電性基板の側面上にアノードが設けられ、かつ、前記第1のトラックがカソードに電気的に接触させられる請求項1に記載の方法。
【請求項5】
別のアノードが、前記第1のトラックが上に存在する前記誘電性基板の前記側面上に備えられている請求項4に記載の方法。
【請求項6】
アノードが、前記第1のトラックから遠方の前記誘電性基板の前記側面上だけに備えられる請求項4に記載の方法。
【請求項7】
段階cの後に行われる段階である段階dの間に前記第2のトラックの厚さを電解によって増大させる段階を含む請求項1および4から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
段階dの後に行われる段階である、前記第1のトラックを前記誘電性基板から少なくとも部分的に取り除く段階を含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記カソードは前記電解浴中で前記第1のトラックに接触する請求項4から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記カソードは前記第1のトラック上を転がる請求項9に記載の方法。
【請求項11】
段階c中に前記誘電性基板は前記電解浴中を通過して移動させられる請求項1および4から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記貫通穴が前記誘電性基板内に形成されている間に前記誘電性基板の前記繰り出し部分の搬送を一時的に中断する段階を含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記段階aを行うために、互いに対して電気的に絶縁されている少なくとも2つの第2の導電性トラックを有する前記誘電性基板を用意する段階と、前記段階bを行うために、一方における同じ1つの前記第1のトラックの2つの部分と、他方における2つの前記第2のトラックのそれぞれに前記誘電性基板に対して反対側に位置した部分とを貫通して前記誘電性基板内に2つの貫通穴を形成する段階と、前記段階cを行うために、一方における2つの前記貫通穴が中にすでに形成されている前記第1のトラックと、他方におけるそれぞれの2つの前記貫通穴が中にすでに形成されている前記第2のトラックとの間の、2つの前記貫通穴を経由して、2つの導電性接続部を実現することとを含む請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記第2のトラックの主寸法は35mmよりも小さく、または、さらに好ましくは、25mmよりも小さい請求項13に記載の方法。
【請求項15】
段階bを行うために、同じ1つの前記第1のトラックの2つの部分と、同じ1つの前記第2のトラックの前記誘電性基板に対して反対側に位置した部分とを貫通して前記誘電性基板内に2つの貫通穴を形成する段階と、前記段階cを行うために、前記2つの貫通穴がすでに形成されている前記第1のトラックと、前記貫通穴がすでに形成されている前記第2のトラックとの間に、前記2つの貫通穴を経由して導電性接続部を形成する段階とを含む請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記貫通穴が前記誘電性基板の平面に対して垂直に方向配置されていることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記導電性接続部は前記貫通穴の壁に沿って延びることを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記貫通穴はさらに前記第1のトラックおよび/または前記第2のトラックの周縁の内側を延びることを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記貫通穴の中央軸線に対して垂直な2つの互いに異なる方向において測定された前記貫通穴の長さの間の比率が最大で2であることを特徴とする請求項1から18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記貫通穴は円形の横断面を有することを特徴とする請求項1から19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記貫通穴はピン形要素によって形成されることを特徴とする請求項1から20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
請求項1から21のいずれか1項に記載の方法を実施するための装置であって、
誘電性基板を貫通して、かつ、前記誘電性基板の2つの互いに反対側に位置した側面上に存在する導電性トラックを貫通して貫通穴を形成する穴形成手段であって、前記貫通穴が前記誘電性基板中に形成されている間に前記誘電性基板を支持するための支持手段を備える穴形成手段と、幾つかの前記穴形成手段を備えているフレームと、前記基板が前記フレームと前記支持手段との間に存在する間に前記フレームおよび/または前記支持手段を互いに対して相対的に移動させるための移動手段とを備える、
装置。
【請求項23】
前記フレームと前記支持手段との間を前記誘電性基板を搬送する搬送手段を備える請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記移動手段の動作中に前記搬送手段が作動状態にないように前記装置を制御する制御手段を備える請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記穴形成手段は前記フレーム内に幾つかの互いに平行な列の形で備えられている請求項22、23、または、24に記載の装置。
【請求項26】
前記穴形成手段は、前記フレームに連結されている幾つかのスライド軸であって、このスライド軸に沿って幾つかの前記穴形成手段が移動させられることが可能であるスライド軸と、所望のスライド軸方向位置においてそれぞれの前記スライド軸に対して前記穴形成手段を着脱自在に固定する固定手段とを備える請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記穴形成手段は、前記互いに平行な列が互いに間隔を置いている距離を調整する調整手段を備える請求項25または26に記載の装置。
【請求項28】
センサ手段が、前記誘電性基板上のトラックを検出し、かつ、前記移動手段の動作の前に前記検出に基づいて前記誘電性基板に対する前記フレームの相対的位置を適合化するために備えられている請求項22から27のいずれか1項に記載の装置。
【請求項29】
前記穴形成手段は、前記移動手段の動作中に前記誘電性基板と前記誘電性基板の2つの互いに反対側の側面上に存在する前記トラックとを穿孔するピン形要素を備える請求項22から28のいずれか1項に記載の装置。
【請求項30】
前記ピン形要素は針であることを特徴とする請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記支持手段は、前記誘電性基板に面している前記側面上に弾性層を備えている請求項22から30のいずれか1項に記載の装置。
【請求項32】
前記移動手段は4リンク機構を備える請求項22から31のいずれか1項に記載の装置。
【請求項33】
電解浴と、一方の側面上に存在する少なくとも1つの導電性の第1のトラックと、前記一方の側面とは前記誘電性基板に対して反対側に位置した他方の側面上に存在する少なくとも1つの導電性の第2のトラックとを有し、かつ、前記誘電性基板を貫通して、かつ、前記第1および第2のトラックの2つの互いに反対側に位置した部分をそれぞれに貫通して貫通穴がすでに形成されている誘電性基板を電解浴の中を通して搬送するための搬送手段と、前記第1のトラックとの導電性接触を実現するためのカソードと、前記第1のトラックから遠方の前記基板の側面上において前記電解浴中に配置されているアノードとを備える請求項1から21に記載のいずれか1項に記載の方法と共に使用する装置。
【請求項34】
前記カソードは、前記電解浴中で前記第1のトラックと接触するために前記電解浴中に配置されている請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記誘電性基板が前記電解浴中を搬送されている間に、前記カソードは前記誘電性基板上を転がる請求項34に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘電性基板の2つの互いに反対側に位置した側面上に存在する2つの導電性トラックの間に導電性接続部を形成する方法に関する。本発明の枠組みの中で考察されるべき用途の分野が、特に、しかし非排他的に、コイルアンテナの端部をICに接続するための電気接続部を必要とするRFIDである。RFIDの分野に加えて、本発明は、さらに、フレキシブル電子回路、フレキシブルケーブルハーネス、電気蛍光表示装置、および、フレキシブル太陽電池板のような他のタイプの電子部品の生産においても実施され、および、さらに、当該トラックが比較的小さい主寸法を有し、したがって従来技術の方法を使用してトラックの電解成長を実現することが不可能であるかまたは少なくとも大きな欠点を伴っているこうした電子部品の生産においても実施されるだろう。
【背景技術】
【0002】
RFIDの場合には、コイルアンテナのコイルの上方に誘電性材料のブリッジを形成することが公知である。導電性ブリッジ接続部が、この場合にコイルから遠方の誘電ブリッジの側面上に設けられ、この導電性ブリッジ接続部がICを経由してコイルアンテナの端部を相互接続する。RFIDを製造するこのような方法の欠点が、別々に行われる加工処理段階の数と、必要である基板の操作とであり、したがって、この公知の方法は大量生産にはあまり適していない。これに加えて、部分的には導電性ブリッジ接続部が高さの違いを架橋しなければならないので、導電性ブリッジ接続部が頻繁に破損するということが実際に明らかになる。
【0003】
さらに、米国特許出願番号US 2005/0078035 A1から、そのフレキシブル基板の一方の側面上に存在するコイルアンテナの形状にパターン形成されている導電性インク層を有するフレキシブル基板を使用することが公知である(特に、図7Aから図8Dと、これらの図の関連説明とを参照されたい)。穴がそのコイルパターンの端部を通って延びる形で、穴が基板の他方の側面から基板を貫通して穿孔される。その後で、この穴は、コイルパターンから遠方の側面上の導電性箔によって封止される。この基板がその底面上に導電性箔が存在するように方向配置されている状態では、この穴は導電性インクで満たされる。したがって、パターンの端部は、穴の中のインクと基板の底面の導電性箔とを経由して導電的に相互接続されている。この方法も大量生産にはあまり適していない。この理由が、部分的には、穴を満たす導電性インクが比較的に高コストであると同時に、これに加えて、RFIDのためのアンテナパターンのような導電性トラックを基板上に形成するために使用される技術と同じ技術によっては、このインクが穴の中に容易に送り込まれることは不可能であるということである。さらに、導電性インクで穴を満たすことは、導電性インクで満たされるべき穴との位置合わせが必要なので、この作業を行うために使用される装置からの高度の精度を必要とする。
【0004】
国際特許出願WO 03/043394 A1が、基板内に45度の角度で切れ目を作る方法を開示している。切削工具がドライバフック(driver hook)を備えており、このドライバフックは、切削工具が引っ張られる時に、切れ目の一部分の位置の基板の上側の側面上に、切れ目の部分の位置の基板の当初の底面を位置させる。このようにして、基板の2つの互いに反対側の側面上の導電性トラックの一部分が互いに直接的に接触させられる。この方法の欠点は、この方法で実現される基板の2つの互いに反対側の側面上のトラックの間の接続が不確実であるということである。これに加えて、この切れ目は、基板上で比較的に多量の空間を占める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0078035明細書
【特許文献2】国際公開第03/043394号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的が、関連コストが比較的に低いことを部分的に理由として大量生産に特に適している、上記序文のパラグラフで言及した方法を提供することである。さらに明確に述べると、本発明の目的は、上述した従来技術の方法の欠点を持たないか,または、この点における改善/解決策を少なくとも提供する、(フレキシブル)基板の2つの互いに反対側の側面上に存在する2つの導電性トラックの間に接続部を非常に効率的かつ確実な形で形成することが可能な方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を実現するために、本発明による方法は、
a 基板の一方の側面上に存在する少なくとも1つの第1の導電性トラックと、この一方の側面とは反対側に位置した基板の他方の側面上に存在する少なくとも1つの第2の導電性トラックとを有する、基板を用意する段階と、
b この基板を貫通し、かつ、第1および第2のトラックの2つの互いに反対側の部分をそれぞれに貫通する、貫通穴を形成する段階と、
c 貫通穴が中を通して形成されている第1のトラックと、貫通穴が中を通して形成されている第2の穴との間に、上記貫通穴を経由して導電性接続部を形成する段階
とを含む。
【0008】
基板の2つの互いに反対側の側面上にそれぞれの導電性トラックが備えられている基板から開始することと、この2つのトラックの間にその貫通穴を経由して電気接続部が形成される貫通穴を形成することとによって、例えばRFIDの場合のように、様々な用途にとって必要であるかまたは少なくとも望ましいことがある、基板の両側面上に存在する2つの導電性トラックの間の導電性接続部が非常に効率的かつ確実に実現されることが可能である。
【0009】
本発明の枠組み内で使用される術語「導電性トラック」が、例えば銅ラミネート層のような完全なラミネート状の層を含むということが理解されるという意味で、広範囲の解釈が与えられるべきであるということに留意されたい。完璧を期するために、さらに、本発明の枠組み内において、第1のトラックおよび/または第2のトラックが必ずしも基板の自由表面上に位置している必要がないということ、および/または、これらのトラックが当初は同じ1つの基板に属していなければならなかったということに留意されたい。したがって、第1の導電性トラックと第2の導電性バックとを有する基板は、さらに、サンドイッチ状の電子部品の一部分を形成してもよく、および、このサンドイッチ状の電子部品は、その基板の間に、および、おそらくは、その基板の一方の側面上に、または、その基板の両方の側面上に存在する導電性トラックを有する、幾つかの基板を備える。本来的には、上記基板の一方の側面だけが導電性トラックを備えているだろうし、一方、こうした基板の積み重ねが、少なくとも1つの中間の基板が実際にはその2つの側面上に導電性トラックを備えている状態を生じさせる。
【0010】
貫通穴が、穿孔工具を使用して穿孔することによって形成されることが好ましい。例えば穴あけ技術または切断技術のような生産技術よりも優れている穿孔の利点が、本発明の枠組み内においてこれらの生産技術の使用を絶対的に排除することを望むことなしに、材料除去作業ではない上記穿孔の故に、導電性トラックの材料が、穿孔が開始する場所において特定の度合いで穴の中に擦り付けられる(smear out)ということである。この結果として、貫通穴の内側の少なくとも一部分が、上記穿孔作業の故にそれぞれの導電性トラックからの導電性材料によってすでに覆われている。
【0011】
この擦り付け(smearing out)は、貫通穴を経由した第1のトラックと第2のトラックとの間の導電性接続部が穿孔作業自体によってすでに実現されている程度にまでにさえ行われるだろう。
【0012】
したがって、本発明の特別な好ましい実施態様が、導電性接続部が貫通穴の穿孔によって得られるということによって特徴付けられている。これに関して大きな役割を果たす要素が、いずれの場合においても、基板の厚さと、導電性トラックの厚さである。これに加えて、穿孔工具の寸法および粗さと、材料とこの材料の表面粗さとが、大きな役割を果たす。
【0013】
別の非常に好ましい実施態様では、本発明による方法が、段階cを完遂するために、導電性材料が電解浴中で第1のトラックから貫通穴を経由して第2のトラックへと電解によって成長することを生じさせる段階を含む。この好ましい実施態様の重要な利点が、電解手段によって貫通穴を経由して第1のトラックと第2のトラックとの間に導電性接続部を実現することが可能であることと、この後で、および/または、これと同時に、このようにして電解手段によってすでに実現されている第1のトラックと第2のトラックとの間の導電性接続部を使用して、電解手段によって、同じ1つの加工処理段階の中で、少なくとも第2のトラックの厚さと必要に応じて第1のトラックの厚さとを増大させることが可能であることである。
【0014】
電解手段によって貫通穴を経由する導電性接続部を実現する時には、さらに、第1のトラックから遠方の基板の側面上にアノードが設けられており、かつ、第1のトラックがカソードに電気的に接触させられることが好ましい。このことは、アノードとカソードとの間の電界線(field line)が貫通穴を経由して延び、したがって、電解浴中の正イオンが電界線に沿って貫通穴を経由して第1のトラックに移動する傾向があり、この結果として、貫通穴内のそれぞれのイオンの付着の増大が引き起こされることが可能であり、かつ、したがってこのようにして導電性接続部が加速された速度で実現されることが可能であるということである。
【0015】
別の好ましい実施態様では、別のアノードが、第1のトラックが上に存在する基板の側面上に備えられている。このようにして、第1のトラックの厚さの電解成長が、貫通穴を経由した第1のトラックと第2のトラックとの間の導電性接続部の形成と同時に、第1のトラックの厚さの電解成長がすでに生じることが可能である。この方法の有用な実施の適切な具体例が、第1のトラックがコイルアンテナを形成するRFIDの大量生産である。第2のトラックは、この場合には、コイル端部の相互間の接続部を形成することが意図されている。
【0016】
あるいは、この代わりに、第1のトラックから遠方の誘電性基板の側面上だけにアノードが備えられていることが、他の用途のために非常に有利なことがある。これは、特に、本発明による方法によって生産される当該製品の最終的な機能性が特に第2のトラックの厚さに関係しており、かつ、第1のトラックの厚さが当該製品の機能性には関係していない場合に当てはまる。
【0017】
このような状態が、別の好ましい実施態様において、本発明による方法が、段階cの後に行われることになっている段階dの最中に第2のトラックの厚さを電解的に増大させる段階を含む場合に、いずれにせよ生じるだろう。この文脈において、第1のトラックは、いずれにせよ、第2のトラックが電解浴中の金属イオンを引き寄せることを可能にするように、カソードから第2のトラックへの導電性接続部を実現する機能を果たす。
【0018】
第1のトラックが原理的に後者の機能だけしか持たない場合には、段階dの後に行われることになっている段階である、基板から少なくとも部分的に第1のトラックを取り除く段階を含むことが好ましい。基板内の幾つかの貫通穴を経由して同じ第1のトラックに接続されている幾つかの第2のトラックが備えられている状態では、この第2のトラックは、第1のトラックを基板から取り除くことによって、こうして互いから電気的に絶縁されている。しかしながら、このようにして、第2のトラックから開始しかつ従来技術では(容易に)電解成長することが不可能である、小型RFIDのためのアンテナのような、例えば最大で25mm台の主寸法を有する比較的小さいパターンが、電解によって実現されることが可能である。
【0019】
電解浴が使用される場合には、カソードが電解浴中で第1のトラックと接触することが好ましい。このようにして、この接触は、電解浴の外側にカソードが配置されている場合に比較して、イオンの沈殿が望ましい場所の可能な限り近くで生じる。
【0020】
トラック上でカソードが引きずられてトラックを損傷させる可能性なしに、連続プロセスの形の大量生産を可能にするために、カソードが第1のトラックの上を転がることが好ましい。したがって、重要な追加の利点が、こうして1つのトラック上の固定された接触点という問題点が存在せず、したがってこのトラックの厚さの電解成長が原理的にこのトラックの全長に沿って可能であるということである。
【0021】
連続的な生産プロセスを可能にするために、電解浴を使用する時には、段階c中に電解浴の中を通して基板を移動させることが一般的に好ましい。
【0022】
上述した3つの好ましい実施態様の枠組み内では、米国特許出願US 2005/0189226 A1が参照され、この文献は、上述の実施態様に類似した形で、カソードが電解浴中で上記トラック上を転がるのと同時に、かつ、基板が電解浴中を通過させられるのと同時に、カソードを導電性トラックに接触させることを可能にする、方法と装置とを説明している。この米国特許出願は、フレキシブル基板の一方の側面上に存在する導電性トラックの厚さが電解手段によって増大させられることが可能である方法を説明するだけであり、この場合にカソードとアノードの両方は当該導電性トラックの側面上に存在する。上記米国特許出願の内容は、この特定の引用によって本明細書に組み入れられていると見なされるべきである。
【0023】
さらに、本発明による方法が、段階aを行うためにロールから基板を繰り出す段階と、段階cを行うために基板の繰り出し部分を電解浴の中を通して搬送する段階と、段階bを行うためにロールと電解浴との間の所定の位置において基板内に貫通穴を形成する段階とを含む。したがって、基板が電解浴の中を通過する形で搬送される直前に基板内に貫通穴が形成されるので、(大量)生産プロセスがより一層効率的に行われることが可能である。
【0024】
貫通穴を形成することに関して、この方法が、基板内に貫通穴が形成されている間に一時的に基板の繰り出し部分の搬送を局所的に中断する段階を含むことが好ましい。このことが、貫通穴が中に形成されることになっている基板の一部分が上記貫通穴の形成中に静止していると同時に、電解浴内に存在するその基板の下流部分が中断なしに電解浴の中を通過させられ続け、したがって電解浴が可能な限り均一に進行するだろうということを意味する。
【0025】
特に、基板の一方の側面上に存在する導電性材料の比較的に小さくかつ互いに絶縁されているパターンを生産するためには、この方法が、段階aを行うために、互いに電気的に絶縁されている少なくとも2つの第2の導電性トラックを有する基板を用意する段階と、段階bを行うために、一方における同じ1つの第1のトラックの2つの互いに反対側に位置した部分と、他方における2つの第2のトラックのそれぞれの2つの互いに反対側に位置した部分とを貫通して基板内に2つの貫通穴を形成する段階と、段階cを行うために、一方における2つの貫通穴が中を貫通してすでに形成されている第1のトラックと、他方におけるそれぞれの2つの貫通穴が中を貫通してすでに形成されている第2のトラックとの間の、2つの貫通穴を経由して、2つの導電性接続部を実現する段階とを含むことが好ましい。この場合における小さい導電性パターンの形成が、厚さが電解によって増大させられている第2のトラックから開始する。上述の好ましい実施態様においては、第1のトラックが、第2のトラックの厚さが電解プロセスによって増大させられ終わった後に、例えばエッチングまたは引っ掻きによって、基板から少なくとも部分的に取り除かれるので、当該の小さいパターンは互いに絶縁されることが可能である。
【0026】
さらに明確に述べると、上述の好ましい実施態様は、第2のトラックの主寸法が35mmより小さく、または、さらに好ましくは、25mmより小さい場合に,有利である。主寸法が25mmよりも小さい場合には、従来の電解によってトラックの層厚さを増大させることが実質的に不可能であり、一方、本発明の好ましい実施態様の利点は、最大で35mmの主寸法を使用する時にも得られる。
【0027】
さらに明確に述べると、RFIDと組み合わせて使用する場合には、本発明による方法が、段階bを行うために、それぞれに、同じ1つの第1のトラックの2つの互いに反対側に位置した部分と、同じ1つの第2のトラックの2つの互いに反対側に位置した部分との中を貫通して基板内に幾つかの貫通穴を形成する段階と、段階cを行うために、2つの貫通穴が中を通してすでに形成されている第1のトラックと、貫通穴が中を通してすでに形成されている第2のトラックとの間に、2つの貫通穴を経由して導電性接続部を形成する段階とを含むことが有利である。当該の部分がそれぞれのトラックの末端に位置していることが好ましい。
【0028】
貫通穴が基板の平面に対して垂直に方向配置されていることが好ましい。一方では、こうして貫通穴が最小の長さを有することが可能である。他方では、このことが、貫通穴の形成中に横方向の力が基板に作用せず、または、少なくとも作用する必要がないという利点を実現する。
【0029】
導電性接続部が貫通穴の壁に沿って延びることが好ましい。当該壁は、この場合に、その壁の上に保持するために、導電性接続部何かの材料のための要素として非常に適切に働くだろうし、したがって高信頼性の導電性接続部が生じさせられることが可能であり、および、原理的に、貫通穴の位置における基板の材料の変形がまったく生じることがない。
【0030】
さらに、この貫通穴は、第1のトラックおよび/または第2のトラックの周縁の内側を延びることが好ましい。このことが、一方における貫通穴と他方における第1のトラックおよび/または第2のトラックとの間の境界端縁を経由して導電性接続部を実現するために、この境界端縁を十分に使用することを可能にする。このようにして、一方における導電性接続部と他方における第1のトラックおよび/または第2のトラックとの間の接触が、一方における貫通穴および/または他方における第2のトラックの間の周縁境界線の全長に沿って生じさせられることが可能である。これに加えて、導電性接続部を実現するために基板上の第1のトラックおよび/または第2のトラックの外側の空間が使用されるということがない。
【0031】
貫通穴の中央軸線に対して垂直な2つの異なる方向で測定した貫通穴の寸法の間の比率が最大で2であることが好ましい。例えば正方形の穴がこの範囲内に含まれるだろうが、例えばWO 03/043394 A1に説明されている切れ目はこの範囲内には含まれないだろう。
【0032】
貫通穴が円形の横断面を有することが好ましい。鋭角の移行部分が存在しないので、このことは、導電性接続部の信頼性に関する有利な効果を有するだろうし、一方、これに加えて、円形の横断面を有する比較的単純な工具が貫通穴を形成するために使用されるだろう。
【0033】
特に、この枠組み内において、貫通穴が例えば針またはパンチのようなピン形の要素によって形成されることが好ましい。
【0034】
本発明は、さらに、上述の本発明による方法で使用するための装置にも関し、この装置は、誘電性基板を貫通して、かつ、この基板の2つの互いに反対側に位置した側面上に存在する導電性トラックを貫通して貫通穴を形成する穴形成手段であって、上記貫通穴がこの支持手段の中に形成されている間に基板を支持するための支持手段を備える穴形成手段と、幾つかの穴形成手段を備えているフレームと、基板がフレームと支持手段との間に存在する最中にフレームおよび/または支持手段を互いに対して相対的に移動させるための移動手段とを備える。このように構成されている装置を使用する時には、貫通穴は高い精度で誘電性基板内に形成されることが可能であり、したがって、上記貫通穴が基板の2つの互いに反対側に位置した側面上に存在する導電性トラックの中を通って延びるだろうということが確実にされる。
【0035】
生産性を高めるために、この装置が、フレームと支持手段との間で基板を搬送するための搬送手段を備えることが好ましい。
【0036】
本発明が、さらに、搬送手段が移動手段の動作中に作動しないようにその装置を制御する制御手段を備えることが好ましい。こうすることによって、貫通穴が形成されている最中に基板が静止状態のままであることが確実なものにされる。
【0037】
穴形成手段がフレーム内の幾つかの互いに平行な列として備えられていることが好ましく、したがって基板上に存在する導電性トラックの幾つかの互いに平行な列の形に貫通穴が同時に形成されることが可能である。
【0038】
その基板上に存在する異なる導電性トラックを有する基板を取り扱うことにこの装置を適合化させるためには、穴形成手段が、幾つかの穴形成手段がそのスライド軸に沿って移動させられることが可能である、フレームに連結されている幾つかのスライド軸と、所望の縦方向位置においてそれぞれのスライド軸に穴形成手段を着脱自在に固定するための固定手段とを備えることがさらに有利である。
【0039】
同じ理由から、互いに平行な列の各列の間の距離を調整するための調整手段を穴形成手段が備えることが好ましい。
【0040】
貫通穴の形成の精度をさらに向上させるように、かつ、この点に関するヒューマンファクターを減少させるように、基板上のトラックを検出するための、かつ、移動手段の作動の前にこの検出に基づいて基板に対するフレームの相対的位置を適合化させるための、センサ手段が備えられていることが好ましい。このようにして、貫通穴が基板内に形成される位置が、導電性トラックの実際位置に適合させられる。
【0041】
穴形成手段がピン形の要素(好ましくは針)を備え、および、このピン形要素が、移動手段の作動中に、基板を貫通して延び、かつ、基板の2つの互いに反対側の側面上に存在するトラックを貫通して延びることが好ましい。すでに上述したように、針が使用される時にトラック材料が貫通穴内に擦り付けられており、この結果として、第1のトラックと第2のトラックとの間の導電性接続部がより迅速に形成される。
【0042】
本発明に関して、基板と第1および第2のトラックとに形成される穴が貫通穴であることが非常に重要である。この理由から、支持手段が,基板に面している側面上に弾性層を備えていることが好ましく、したがって、穴形成手段がこの弾性層の中に延びることが可能であり、かつ、穴が実際に貫通穴であることが確実にされることが可能である。
【0043】
移動手段が4棒機構(four−rod mechanism)を備えることが好ましく、したがって、非常に精密でなければならないガイドを使用する必要がないだろう。
【0044】
本発明の別の側面によって、本発明は、上述した本発明による方法と共に使用するための装置に関し、この装置は、電解浴と、誘電性基板の一方の側面上に存在する少なくとも1つの第1の導電性トラックとこの一方の側面とは反対側に位置した基板の他方の側面上に存在する少なくとも1つの第2の導電性トラックとを有し、かつ、この基板を貫通しかつ第1および第2のトラックの2つの互いに反対側に位置した部分とをそれぞれに貫通して貫通穴がすでに形成されている誘電性基板を、電解浴の中を通して搬送するための搬送手段と、第1のトラックとの導電性接触を実現するためのカソードと、第1のトラックから遠方の基板側面上において電解浴中に配置されているアノードとを備える。
【0045】
これに関連して、カソードが上記電解浴中で第1のトラックと接触するように電解浴中に配置されていることが、さらに好ましい。
【0046】
さらに、基板が電解浴内を通して搬送されている最中にカソードが基板上を転がることが好ましい。
【0047】
本発明の後者の側面によるこのような装置の使用の利点が、本発明による方法に関する上述の内容の中ですでに説明されている。この装置は、例えば、上述の米国特許出願US 2005/0189226 A1の中で説明されている形で形状構成されるだろうが、これは、この特許出願の中で説明されている導電性箔基板4の内側の側面または外側の側面の上にだけ電解浴中において1つのアノードまたは幾つかのアノードが備えられているということを理解する。
【0048】
最後に、本発明は、基板の両方の側面上に導電性トラックを有する基板に関し、この導電性トラックは、上述した本発明にしたがった方法によって基板内の貫通穴を経由してすでに電気的に相互接続されている。
【0049】
本発明は、添付図面が参照されている本発明の好ましい実施形態の説明によってさらに詳細に説明されないだろう。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1a図1aは、従来技術によるRFIDラベルの平面図である。
図1b図1bは、従来技術によるRFIDラベルの、図1aの線1b−1bに沿った断面図である。
図2a図2aは、図1aと図1bとに示されているラベルに類似したRFIDラベルを生産するための本発明による方法の好ましい実施形態の実行中の4つの連続した状態の第1の状態の略平面図である。
図2b図2bは、図1aと図1bとに示されているラベルに類似したRFIDラベルを生産するための本発明による方法の好ましい実施形態の実行中の4つの連続した状態の第2の状態の略平面図である。
図2c図2cは、図1aと図1bとに示されているラベルに類似したRFIDラベルを生産するための本発明による方法の好ましい実施形態の実行中の4つの連続した状態の第3の状態の略平面図である。
図2d図2dは、図1aと図1bとに示されているラベルに類似したRFIDラベルを生産するための本発明による方法の好ましい実施形態の実行中の4つの連続した状態の第4の状態の略平面図である。
図3a図3aは、図2aの線IIIa−IIIaに沿った断面図である。
図3b図3bは、図2bの線IIIb−IIIbに沿った断面図である。
図3c図3cは、図2cの線IIIc−IIICに沿った断面図である。
図3d図3dは、図2dの線IIId−IIIDに沿った断面図である。
図4a図4aは、両方の側面上に存在する導電性トラックを有する基板内に穿孔されている貫通穴を取り囲む区域の断面図である。
図4b図4bは、両方の側面上に存在する導電性トラックを有する基板内に穿孔されている貫通穴を取り囲む区域の断面図である。
図4c図4cは、両方の側面上に存在する導電性トラックを有する基板内に穿孔されている貫通穴を取り囲む区域の断面図である。
図5a図5aは、図4cに示されている状態から開始する、電解手段による貫通穴を経由した導電性接続部の形成の途上での2つの連続した状態の第1の状態の断面図である。
図5b図5bは、図4cに示されている状態から開始する、電解手段による貫通穴を経由した導電性接続部の形成の途上での2つの連続した状態の第2の状態の断面図である。
図6a図6aは、本発明による方法の別の好ましい実施形態の実行中の6つの連続した状態の第1の状態の略断面図である。
図6b図6bは、本発明による方法の別の好ましい実施形態の実行中の6つの連続した状態の第2の状態の略断面図である。
図6c図6cは、本発明による方法の別の好ましい実施形態の実行中の6つの連続した状態の第3の状態の略断面図である。
図6d図6dは、本発明による方法の別の好ましい実施形態の実行中の6つの連続した状態の第4の状態の略断面図である。
図6e図6eは、本発明による方法の別の好ましい実施形態の実行中の6つの連続した状態の第5の状態の略断面図である。
図6f図6fは、本発明による方法の別の好ましい実施形態の実行中の6つの連続した状態の第6の状態の略断面図である。
図7図7は、基板材料のウェブ内に貫通穴を形成する装置の略側面図である。
図8図8は、図7に示されている装置によって(例えば)形成されている貫通穴を経由した、基板材料の両方の側面上に存在する導電性トラックの間の電気接続部を形成するための電解浴の略側面図である。
図9図9は、図7に示されている装置の一部分を形成する針ホルダの斜視図である。
図10図10は、図9の針ホルダの一部分を形成する針ユニットの斜視図である。
図11a図11aは、図10の針ユニットの動作中のこの針ユニットの垂直断面図である。
図11b図11bは、図10の針ユニットの動作中のこの針ユニットの垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1aと図1bは、従来技術の方法によって生産された従来技術のRFIDラベルを示す。このRFIDラベル1は、誘電性基板2(図1aには示されていない)を備え、例えば銀含有インクの実質的に長方形(この例において)のコイル形の導電性トラック3がこの導電性基板に最初に付着させられている。トラック3は、その端部または少なくともその端部付近に円板形の拡幅部分を備えており、この拡幅部分はパッド4、5と呼ばれる。コイル形の内側のパッド4の付近において、トラック3は、さらに、当業者に公知であるIC(図示されていない)をその上に最終的に配置するための2つの長方形のパッド6a、6bも備えている。
【0052】
非常に小さい厚さを有しかついわゆるグラビア印刷法によって基板2にすでに付着させられている導電性トラック3が、例えば電解によって、すでに肥厚化されており、この結果として、例えば銅の導電性の肥厚化層7がトラック3の全長に沿って形成されており、したがって、導電性トラック3と(この上に存在する)肥厚化層7との(接合)厚さが、トラック3のコイル形部分をアンテナとして機能させるのに十分である。しかし、このためには、電気的に閉じられた回路が形成されることが必要であり、これは、導電性トラック3のコイル形部分のコイルの上方を延びる導電性ブリッジ8を使用することによって実現される。ブリッジ8が上記コイルと導電性接触することを防止するために、シールドを形成する誘電性ブリッジ9が当該コイルの上方に備えられている。
【0053】
図2aから図3dは、図1aと図1bとに示されているラベルに相当するRFIDラベルをより簡単な仕方で生産することが可能である、本発明による方法に関する。RFIDラベル1の場合にそうであるように、開始点が、端部にパッド4、5を備えているコイル形の導電性トラック3が上に存在する誘電性基板2である。図1aと図1bとに示されている状態とは対照的に、基板2は、トラック3から遠方の基板2の面上に第2のトラック21を備えており、この第2のトラックは,平面図で見た場合に、パッド4、5の間を延びる(図2a、図3a)。図2bと図3bは、その次の段階中に、2つの貫通穴22、23がパッド4、5の(中心の)位置において基板2内にどのように穿孔されるかを示し、この貫通穴は、論理的に、同様に第2のトラック21(の末端)を通って延びる(図2b、図3b)。
【0054】
最後に、導電性トラック3の回路が、第2のトラック21を経由してパッド4、5を接続することによって閉路され、したがって、導電性トラック3のコイルの上方の図1aと図1bとのブリッジ9のような誘電性ブリッジの存在が必要とされない。このように回路を閉路するためには、一方のパッド4、5と他方の第2のトラック21との間の貫通穴22、23を経由して接続が生じさせられなければならない。
【0055】
針24、25による貫通穴22、23の上述の穿孔によって得られる重要な利点が、導電性トラック3の材料が貫通穴22、23の壁の上を覆う形で特定の度合いに擦り付けられるということである。上記擦り付けは、導電性接続部26(図4a)が上記穿孔だけによってすでに生じさせられるような度合いで生じるだろう。しかし、上記擦り付けは、さらに、正確には、トラック3とトラック21との間の導電性接続部が上記穿孔の直後にすでに得られる度合いにではなくて、導電性トラック3の材料が貫通穴22/23の中に部分的に延びるように、より小さい度合いで生じることがある(図4bの番号27)。
【0056】
これに加えて、図4cに示されているように、穿孔時の貫通穴22、23内での擦り付けが、たとえあったとしても、ほとんど生じない可能性がある。図4cは、さらに、貫通穴22、23が穿孔によっては得られず、例えば押し抜きまたは穴あけによって得られる状態にも当てはまり、および、上記作業が穿孔作業と同じ利点を与えないが、これらの使用が本発明の枠組みから排除されてはならない。図4aと図4bと図4cとに関して、さらに、基板2内の貫通穴の22、23の形成の結果として基板2の塑性変形がある一定の度合いで生じるということは言及しておく価値がある。
【0057】
次に図2cと図3cに戻ると、当業者に理解できるように、基板材料のウェブの一部分を形成することがある基板2が、電解浴の中を通して搬送され、および、この電解浴を図8を参照しながらより詳細に説明する。アノード31は、第2のトラック21も上に存在する基板2の側面上に上記電解浴中において備えられ、一方、第1のトラックは電解浴中でカソード32に接触させられている。上記カソードは、電解浴を通過する搬送の最中に第1のトラック3上を転がる。さらに、第2のアノード33が、導電性トラック3が基板2上に存在する基板2の側面上に電解浴中に備えられる。
【0058】
部分的に基板2の誘電性によって、アノード31とカソード32との間の電界線が貫通穴22、23の中を通って延びる。電解浴中に存在する例えば銅イオンのようなイオンが、1つのカソード32の方向に上記電界線に沿って電解浴の中を通って移動し、その次に、導電性トラック3の端部において貫通穴22、23の内側側面上に沈殿するだろう。したがって、第2のトラック21の方向において、貫通穴22、23の壁に沿って、電解成長がトラック3から生じるだろう。特定の箇所では、この結果として、トラック3とトラック21との間に導電性接続部34が生じさせられるだろう(図2c、図3c)。この時点から、トラック21もカソード的に接続され、および、図3dと図5bに番号35で示されているように、銅イオンの沈殿が導電性トラック21上でも生じるだろう。
【0059】
アノード33の存在の故に、導電性トラック3上における電解浴中に存在する例えば銅イオンのようなイオンの沈殿が、導電性接続部34が形成されるのと同時にすでに生じるだろう。トラック3の上記電解成長が図2c、図3c、図3d、図5a、図5bで番号36によって示されている。トラック3とトラック21との間の導電性接続部が、図4aに示されているように、穿孔時に直接的に生じさせられていない場合には、トラック21上の電解成長35が、トラック3上の電解成長36よりも後で開始し、したがって、電解成長36は電解成長35よりも厚いだろう。導電性接続部37(当初は34)が、最終的に、パッド6a、6b上のICの配置時に得られる所望の閉回路を結果的に生じさせる。
【0060】
図6aから図6fが本発明による方法の別の実施形態を示し、この実施形態は、特に、約20mmの主寸法(長さおよび幅)を有する比較的小さい導電性パターンが上に存在する誘電性基板を備える電気部品の(大量)生産に適している。厳密に述べると、上記導電性パターンの小さい寸法のせいで、こうしたパターンの具体的な使用に十分である厚さを電解手段によって実現することは、不可能ではなくても、実際的には困難である。開始点は、一方の側面(図6aから図6fの底面)上の電気絶縁されている比較的小さい導電性パターン52と、これとは反対側の側面上の接続トラック53とを有する誘電性基板51である。図6cは、各トラック52の場所において貫通穴54が針55によって基板2内にどのように穿孔されるかを示す。穴54は、上述した好ましい実施形態の穴22、23と全く同等である。
【0061】
図6dと図6eは、一方の接続トラック53と他方の相互に絶縁されている小さい導電性トラック52との間に導電性接続部56がどのように最初に生じさせられるかを示す。このために、基板51が電解浴中を搬送され、この電解浴中では、アノード57(アノード31と同等である)が、トラック52も存在する基板51の側面上に備えられており、および、接続トラック53が中でカソード58とすでに導電的に接触させられている。接続部56は、図5aと図5bとを参照してすでに説明した仕方で生じさせられるだろう。この接続部が貫通穴54を経由して生じさせられ終わった後に、アノード57からのイオンが、所望の厚さに達するまで電解沈殿物59の形態で個別のトラック52上に沈殿するだろう(図6e)。トラック52上の上記電解沈殿59の後に、基板51が電解浴から取り出され、この後にトラック53が、例えばトラック53をエッチングによって取り除くことによって、その厚さ全体にわたって基板51から取り除かれる(図6f)。このようにして、上に存在する電解成長59を伴う個別のトラック52が、再び互いに絶縁される。あるいは、この代わりに、例えば、トラック52上に存在する成長59を伴うトラック52を互いから電気的に絶縁するために、または、基板51を断片に分割する(この場合に、1つの個別のトラック52が各断片毎に備えられる)ことによって個別のトラック52を互いに分離するために、トラック53内に掻き傷を作ることも可能である。
【0062】
図2aから図3dによる好ましい実施形態との幾つかの類似点があるが、上記トラック53の電解成長が必ずしも必要であるわけでなくまたは必ずしも望ましいわけではないので、および、さらには、上記トラック53が最終的には基板51から再び取り除かれることになるので、図6aから図6f(さらに明確には図6dと図6e)による好ましい実施形態が、接続トラック53の側面上の第2のアノードを使用しないということを指摘することが重要である。したがって、トラック53が果たす唯一の機能が、一方のカソード58と他方の個別のトラック52との間の導電性接続部の実現である。
【0063】
図7は、図8との組合せにおいて、大量生産中の本発明による方法の実現可能な具体例を概略的に示す。開始点が基板材料72の可とう性ウェブであり、この可とう性ウェブはロール71から繰り出される。先行の段階中に、例えばそれ自体としては公知であるグラビア印刷法によって、上記ウェブの両方の側面に導電性トラックがすでに備えられており、この導電性トラックは規則的なパターンの形で基板材料72上に存在する。上記ロール71から、引き続いて、ウェブおよび72が、二重矢印78によって示されている方向に上下に移動することが可能であるダンサローラ73と、ガイドローラ74と、圧力ローラ76を伴う駆動ローラ75と、二重矢印79によって示されている方向に上下に移動することが可能であるダンサローラ77と、ガイドローラ80との上を通過させられる。
【0064】
ウェブ72の底面には、ガイドローラ74と駆動ローラ75との間をそのウェブ72が延びる限りにおいて、プレスオン装置(press−on device)81が備えられており、このプレスオン装置81は、ウェブ72の幅をカバーするのに十分な、ウェブ72の下方の引っ張り平面に対して垂直方向に延びる水平方向に方向配置された圧力平面82と、垂直アーム83とを備える。これに加えて、プレスオン装置81は第2の垂直アーム84を備え、この第2の垂直アーム84は、例えばプレスオン装置81のフレームのような固定された構造85にその底面において堅固に連結されている。アーム83、84は水平アーム90、91と回転軸86、87、88、89とを介して旋回自在に相互連結されており、こうしてアーム83、84、90、91と回転軸86、87、88、89とから成る4棒構造を形成する。アーム83、84は、回転軸86−89を中心として連携して旋回する時に、互いに平行に、すなわち、垂直方向に、方向付けられ続ける。この旋回は、さらに、二重矢印92によて示されているように、水平圧力表面82の上下移動を結果的に生じさせるだろう。
【0065】
ウェブ72がガイドローラ74と駆動ローラ75との間を延びる限り、針ホルダ101がウェブ72の上面に存在しており、この針ホルダ101は図9にさらに詳細に示されている。この針ホルダ101は、ウェブ72の搬送方向に対して平行に延びる縦桁103、104と、横桁105、106とを有する、実質的に長方形の枠組み102を備える。6つのスライド軸107が縦桁103、104の間を延びる。この具体例では、図10を参照してより詳細に後述する16個の針ユニット108が、各スライド軸107に沿って移動させられることが可能である。
【0066】
直角の頂角を有する縦溝109が縦方向の軸107の中に形成されている。各々の針ユニット108は、二重矢印111によって示されている方向におけるスライド軸107に沿った基部部材110としたがって針ユニット108との全体としての移動を可能にする中央穴を備えている基部部材110を備える。スライド軸107上の特定の縦方向位置の所定の場所に基部部材110を固定するために、針ユニット108は調整ねじ112を備え、この調整ねじ112の直角の先端113(図11aも参照されたい)が、上記直角の先端113が縦方向の溝109の中に延びるように、基部部材110内の中央穴の内側で所定の位置に回転させられることが可能である。このようにして、縦方向の位置が固定されるだけでなく、スライド軸107に対する針ユニット108の相対的な角位置も固定される。各々の針ユニット108は、さらに、ウェブ72に向けられておりかつウェブ72に対して直角に方向配置されている針114を備えている。針114は、放電加工によって基部部材110内に形成されている鍵穴形(keyhole−shape)の凹みの円形部分内に、その長さのより長い方の部分に沿って受け入れられている。各々の針ユニットのために幾つかの針114が備えられることが可能でなければならない場合には、さらに、当然のことながら、複数鍵穴形状(multiple keyhole shape)を使用することも可能だろう。番号133が、出入りする放電加工継目に関する。針114の上側では、針114が頭部134を備えており、この頭部の直径は鍵穴形の凹みの円形部分の直径よりも大きい。針は、圧力プレート132によって頭部134を介して上方から下方に押され、この圧力プレート132はナット131によって基部部材110上にねじ込まれている。
【0067】
スライド軸107に沿って針ユニット108を移動させることに加えて、縦桁103、104に沿ってスライド軸107とこれに関連した針ユニット108とを移動させることも可能であり、および、このために上記縦桁は縦方向ガイドを備えており、および、この縦方向ガイドの中で、縦桁104のための縦方向ガイド115だけが図9に示されている。したがって、針ホルダ101の一部分を形成する針114を枠組み102内に縦方向と横断方向との両方において互いに対する所望の間隔で配置することが可能であり、この結果としてそれぞれの針位置がウェブ72上のトラックのパターンに対して適合させられることが可能である。
【0068】
図11aと図11bは、単一の針ユニット108に関して、プレスオン装置81と針ホルダ101とによる貫通穴の穿孔が行われる仕方を示す。これらの図は、圧力表面82の上面上に載っているウェブ72を示す。上記圧力表面82は、2つの層、すなわち、硬質の基部層121と軟質の頂部層122とを備え、この軟質の頂部層122は例えばゴム、ボール紙、または、スポンジ状の材料で作られているだろう。貫通穴を形成するために、圧力表面82は、駆動手段(図示されていない)の補助によってアーム90としたがってアーム91とをそれぞれの回転軸87、89を中心として上方に旋回させることによって、針ホルダ101の方向において、図11aに示されている位置から、距離123の全体にわたって移動させられる。したがって、ウェブ72は、まるで針114の底部側が頂部層122の中に延びる形で、針114によって突き刺され、したがって、ウェブ72内に形成される穴が実際的に貫通穴であることが確実にされることが可能である(図11b)。これに続いて、圧力表面82が、逆方向にアーム90を駆動することによって初期位置(図11a)に再び下降させられる。
【0069】
ウェブ72内の正確な位置に、または、より明確に述べると、ウェブ72上の導電性トラック内の正確な位置に、穴が作られることを確実なものにするために、センサ99が針ホルダ101の直ぐ上流に配置されており、このセンサは、例えばトラックの側方端縁のようなトラックの特徴的な部分を検出することが可能である。この情報が制御システム(図示されていない)に送られ、この制御システムは、圧力表面82が上方に移動させられる前に、引っ張り平面に対して垂直な方向において、および、場合に応じて、さらには搬送方向または反対方向において、針ホルダ101がトラックに対して適正に位置合わせされることを確実なものにする。
【0070】
圧力表面82の上記の上方および下方の移動と、したがってウェブ72内の貫通穴の形成とが、ウェブ72が駆動ローラ75によって駆動されない時間期間中に行われる。他方において、ロール71が繰り出され続ける。こうしてガイドローラ74の上流に形成される追加のウェブ長さが、ダンサローラ73が下方に動くので相殺される。他方において、駆動ローラ75の下流におけるウェブ72の放出が中断されず、ダンサローラ77が一時的に上方に移動することを生じさせる。圧力表面82がその初期位置に戻され終わって、新たな貫通穴がこうして形成され終わると、ウェブ72内に形成されるべき貫通穴の個数に部分的に基づいて、2つの連続したスライド軸107の間の距離の1倍、2倍、3倍、または、6倍に相当する長さに沿って、プレスオン装置81の間でウェブ72をさらに搬送するために、駆動ローラ75が一時的に再び作動させられる。この時点では、ダンサローラ73、77はその初期位置に再び戻る。
【0071】
上述の内容の文脈の中では、さらに、各パッド毎に1つの貫通穴ではなくて複数の貫通穴(例えば2つまたは3つの貫通穴)を形成することによって、図1aのパッド4、5のようなパッドを経由して、基板72の両方の側面上に存在する2つの導電性トラックの間に導電性接続部を実現することが、本発明の枠組み内で非常に適切に可能であるということが指摘される。このために、単一の針ユニット108が、2つまたは3つの互いに近接した間隔で位置している互いに平行な針114を備えるだろう。各パッド毎に複数の貫通穴を使用することの利点が、こうして貫通穴の直径が制限されたままであることが可能であるということであり、したがって、電界線が後続の電解時に貫通穴を通って非常に集中した形で延び、この結果として、加速された電解成長がこの貫通穴の中で生じるだろう。2つの針ユニット108が、例えば図1aのパッド6b、4のような、互いに比較的接近して配置されている異なるパッドの中に穴を形成するために使用されるだろう。単一の軸107の上にこのような針ユニット108を取り付けることは不可能だろうが、しかし、単一のパターンのためにパッド6b、4内のそれぞれの穴がプレスオン機構81の2つの連続したストロークによって形成されることが可能であり、かつ、基板上に存在するパターンを有する基板がこの2つのストロークの間に1つのストローク分の長さだけ前方に移動するように、(例えば、連続している)2つの異なる軸107の上にこうした針ユニット108を配置することが必要だろう。
【0072】
結論を述べると、図8が、図7に示されている装置を通過し終わった直後に、または、中に形成されている貫通穴を有するウェブ72の一時的な巻き付けの直後に、ウェブ72が供給されることが可能な電解装置131の略図である。電解装置131は、電解塩溶液133が中に存在する容器132と、中央軸線を中心として回転可能であるドラム134と、上記電解塩溶液133中に配置されているアノード31、57とを備え、これに関しては、図3c、図3d、図6d、図6eを再び参照されたい。特に、電解装置131がRFIDの生産のためであることを意図されている場合には、この電解装置131は、本明細書に引例として組み入れられていると認識されるべきである米国特許出願US 2005/0189226 A1で図1−7を参照して説明されている装置に類似した形に形状構成されるだろう。この場合に、図8による電解装置が上記米国特許出願で説明されている装置と相違する唯一の点が、電解塩溶液133中のアノード31、157の存在である。
【0073】
しかし、電解装置131が図6aから図6fによる方法を実行するために使用される場合には、類似の設計の電解装置131、例えば、ドラムの外側周縁の内側上に(第2の)アノードを備えておらず、かつ、カソードが塩溶液133の外側に配置されており、かつ、圧力ローラ135が例えばカソードとして機能する電解装置を使用することも可能である。図6aから図6eにおける第1のトラック53は、この場合には、ウェブ72の縦方向において互いに対して平行に延び、かつ、横断方向で見た場合にトラック52と同一の距離だけ互いに間隔を置いて位置しているトラックとして形状構成されているだろう。
図1a
図1b
図2a
図2b
図2c
図2d
図3a
図3b
図3c
図3d
図4a
図4b
図4c
図5a
図5b
図6a
図6b
図6c
図6d
図6e
図6f
図7
図8
図9
図10
図11a
図11b