(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5934327
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月15日
(54)【発明の名称】通信デバイスのための位相トラッキングを可能にすること
(51)【国際特許分類】
H04J 11/00 20060101AFI20160602BHJP
H04L 7/10 20060101ALI20160602BHJP
【FI】
H04J11/00 Z
H04L7/10
【請求項の数】68
【外国語出願】
【全頁数】45
(21)【出願番号】特願2014-224721(P2014-224721)
(22)【出願日】2014年11月4日
(62)【分割の表示】特願2012-543200(P2012-543200)の分割
【原出願日】2010年12月7日
(65)【公開番号】特開2015-80217(P2015-80217A)
(43)【公開日】2015年4月23日
【審査請求日】2014年11月26日
(31)【優先権主張番号】61/267,300
(32)【優先日】2009年12月7日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/961,000
(32)【優先日】2010年12月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(72)【発明者】
【氏名】ビンセント・ノウレス・ザ・フォース・ジョーンズ
(72)【発明者】
【氏名】ヘマンス・サンパス
(72)【発明者】
【氏名】ディディエー・ヨハネス・リチャルド・バン・ネー
【審査官】
北村 智彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−260337(JP,A)
【文献】
特表2006−522553(JP,A)
【文献】
特開2006−295629(JP,A)
【文献】
Kai Shi et al.,Phase Tracking During VHT-LTF,IEEE 802.11-10/0771r0,IEEE,2010年 7月10日
【文献】
Allert van Zelst et al.,Pilot Sequence for VHT-DATA,IEEE 802.11-10/0811r1,IEEE,2010年 7月12日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 11/00
H04L 7/10
IEEE Xplore
CiNii
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
位相トラッキングを可能にするための通信デバイスであって、
プロセッサと、
前記プロセッサと電子通信するメモリと、
前記メモリ内に格納された命令と、を備え、前記命令は、
複数のパイロット・シンボルを生成し、ここにおいて前記パイロット・シンボルは、各空間ストリームのための前記パイロット・シンボルのシーケンスを備えるランク不足パイロット・マッピング・マトリクスと一致し、
前記複数のパイロット・シンボルを伝送する
ように実行可能である、通信デバイス。
【請求項2】
前記命令は、さらに、データを伝送するように実行可能である、請求項1に記載の通信デバイス。
【請求項3】
前記データは、直交周波数分割多重(OFDM)データである、請求項2に記載の通信デバイス。
【請求項4】
前記パイロット・シンボルは、直交周波数分割多重(OFDM)パイロット・シンボルである、請求項1に記載の通信デバイス。
【請求項5】
前記ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、同一のパイロット・シンボルの少なくとも1つのペアを備える、請求項1に記載の通信デバイス。
【請求項6】
4つの空間ストリーム及び4つの直交周波数分割多重(OFDM)シンボルに関する前記ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、
【数1】
である、請求項1に記載の通信デバイス。
【請求項7】
6つの空間ストリーム及び6つの直交周波数分割多重(OFDM)シンボルに関する前記ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、
【数2】
である、請求項1に記載の通信デバイス。
【請求項8】
8つの空間ストリーム及び8つの直交周波数分割多重(OFDM)シンボルに関する前記ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、
【数3】
である、請求項1に記載の通信デバイス。
【請求項9】
前記複数のパイロット・シンボルは、トレーニング期間中に伝送される、請求項1に記載の通信デバイス。
【請求項10】
前記トレーニング期間は、電気電子技術者協会(IEEE)802.11ac規格に従って伝送された超高スループット−長トレーニング・フィールド(VHT−LTF)シンボルを備える、請求項9に記載の通信デバイス。
【請求項11】
前記パイロット・シンボルは、超高スループット−長トレーニング・フィールド(VHT−LTF)においてパイロット・トーンのために予約されたトーンにおいて伝送される、請求項9に記載の通信デバイス。
【請求項12】
前記通信デバイスは無線通信デバイスである、請求項1に記載の通信デバイス。
【請求項13】
位相をトラックするための通信デバイスであって、
プロセッサと、
前記プロセッサと電子通信するメモリと、
前記メモリ内に格納された命令と、を備え、前記命令は、
送信通信デバイスから複数のパイロット・シンボルを受信し、ここにおいて前記パイロット・シンボルは、各空間ストリームのための前記パイロット・シンボルのシーケンスを備えるランク不足パイロット・マッピング・マトリクスと一致し、
前記パイロット・シンボルに基づいて位相推定を決定し、
前記位相推定及び前記パイロット・シンボルに基づいてチャネルを推定し、
前記チャネル推定を用いて前記送信通信デバイスからデータを受信する
ように実行可能である、通信デバイス。
【請求項14】
前記パイロット・シンボルは、直交周波数分割多重(OFDM)パイロット・シンボルである、請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項15】
前記ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、同一のパイロット・シンボルの少なくとも1つのペアを備える、請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項16】
前記位相推定は、全ての空間ストリームにおいて伝送された、ただし、異なる直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにわたって伝送された、同一のパイロット・シンボルに基づいて決定される、請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項17】
前記命令は、さらに、同一のパイロット・シンボルの前記少なくとも1つのペアに基づいて前記位相推定を決定するように実行可能である、請求項15に記載の通信デバイス。
【請求項18】
前記位相推定は、前記同一のパイロット・シンボルの相互相関を計算することによって決定される、請求項15に記載の通信デバイス。
【請求項19】
前記位相推定は、前記同一のパイロット・シンボルの位相デルタを計算することによって決定される、請求項15に記載の通信デバイス。
【請求項20】
前記位相推定は、全ての空間ストリームにおいて伝送された、ただし、異なる直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにわたって伝送された、同一のパイロット・シンボルの相互相関を計算することによって決定される、請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項21】
前記位相推定は、全ての空間ストリームにおいて伝送された、ただし、異なる直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにわたって伝送された、同一のパイロット・シンボルの位相デルタを計算することによって決定される、請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項22】
前記複数のパイロット・シンボルは、トレーニング期間中に受信される、請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項23】
前記トレーニング期間は、電気電子技術者協会(IEEE)802.11ac規格に従って伝送された超高スループット−長トレーニング・フィールド(VHT−LTF)シンボルを備える、請求項22に記載の通信デバイス。
【請求項24】
前記位相推定は、トレーニング期間中に決定される、請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項25】
前記トレーニング期間は、電気電子技術者協会(IEEE)802.11ac規格に従って伝送された超高スループット−長トレーニング・フィールド(VHT−LTF)シンボルを備える、請求項24に記載の通信デバイス。
【請求項26】
前記チャネルは、トレーニング期間中に推定される、請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項27】
前記トレーニング期間は、電気電子技術者協会(IEEE)802.11ac規格に従って伝送された超高スループット−長トレーニング・フィールド(VHT−LTF)シンボルを備える、請求項26に記載の通信デバイス。
【請求項28】
前記通信デバイスは基地局である、請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項29】
位相トラッキングを可能にするための方法であって、
通信デバイスにおいて複数のパイロット・シンボルを生成することと、ここにおいて前記パイロット・シンボルは、各空間ストリームのための前記パイロット・シンボルのシーケンスを備えるランク不足パイロット・マッピング・マトリクスと一致し、
前記複数のパイロット・シンボルを伝送することと
を備える、方法。
【請求項30】
データを伝送することをさらに備える、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記データは、直交周波数分割多重(OFDM)データである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記パイロット・シンボルは、直交周波数分割多重(OFDM)パイロット・シンボルである、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、同一のパイロット・シンボルの少なくとも1つのペアを備える、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
4つの空間ストリーム及び4つの直交周波数分割多重(OFDM)シンボルに関する前記ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、
【数4】
である、請求項29に記載の方法。
【請求項35】
6つの空間ストリーム及び6つの直交周波数分割多重(OFDM)シンボルに関する前記ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、
【数5】
である、請求項29に記載の方法。
【請求項36】
8つの空間ストリーム及び8つの直交周波数分割多重(OFDM)シンボルに関する前記ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、
【数6】
である、請求項29に記載の方法。
【請求項37】
前記複数のパイロット・シンボルは、トレーニング期間中に伝送される、請求項29に記載の方法。
【請求項38】
前記トレーニング期間は、電気電子技術者協会(IEEE)802.11ac規格に従って伝送された超高スループット−長トレーニング・フィールド(VHT−LTF)シンボルを備える、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記パイロット・シンボルは、超高スループット−長トレーニング・フィールド(VHT−LTF)においてパイロット・トーンのために予約されたトーンにおいて伝送される、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記通信デバイスは無線通信デバイスである、請求項29に記載の方法。
【請求項41】
位相をトラックするための方法であって、
通信デバイスによって、送信通信デバイスから複数のパイロット・シンボルを受信することと、ここにおいて前記パイロット・シンボルは、各空間ストリームのための前記パイロット・シンボルのシーケンスを備えるランク不足パイロット・マッピング・マトリクスと一致し、
前記通信デバイスによって、前記パイロット・シンボルに基づいて位相推定を決定することと、
前記位相推定及び前記パイロット・シンボルに基づいてチャネルを推定することと、
前記チャネル推定を用いて前記送信通信デバイスからデータを受信することと
を備える、方法。
【請求項42】
前記パイロット・シンボルは、直交周波数分割多重(OFDM)パイロット・シンボルである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、同一のパイロット・シンボルの少なくとも1つのペアを備える、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記位相推定は、全ての空間ストリームにおいて送信された、ただし、異なる直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにわたって伝送された、同一のパイロット・シンボルに基づいて決定される、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
同一のパイロット・シンボルの前記少なくとも1つのペアに基づいて前記位相推定を決定することをさらに備える、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記位相推定は、前記同一のパイロット・シンボルの相互相関を計算することによって決定される、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記位相推定は、前記同一のパイロット・シンボルの位相デルタを計算することによって決定される、請求項43に記載の方法。
【請求項48】
前記位相推定は、全ての空間ストリームにおいて伝送された、ただし、異なる直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにわたって伝送された、同一のパイロット・シンボルの相互相関を計算することによって決定される、請求項41に記載の方法。
【請求項49】
前記位相推定は、全ての空間ストリームにおいて伝送された、ただし、異なる直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにわたって伝送された、同一のパイロット・シンボルの位相デルタを計算することによって決定される、請求項41に記載の方法。
【請求項50】
前記複数のパイロット・シンボルは、トレーニング期間中に受信される、請求項41に記載の方法。
【請求項51】
前記トレーニング期間は、電気電子技術者協会(IEEE)802.11ac規格に従って伝送された超高スループット−長トレーニング・フィールド(VHT−LTF)シンボルを備える、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記位相推定は、トレーニング期間中に決定される、請求項41に記載の方法。
【請求項53】
前記トレーニング期間は、電気電子技術者協会(IEEE)802.11ac規格に従って伝送された超高スループット−長トレーニング・フィールド(VHT−LTF)シンボルを備える、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記チャネルは、トレーニング期間中に推定される、請求項41に記載の方法。
【請求項55】
前記トレーニング期間は、電気電子技術者協会(IEEE)802.11ac規格に従って伝送された超高スループット−長トレーニング・フィールド(VHT−LTF)シンボルを備える、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記通信デバイスは基地局である、請求項41に記載の方法。
【請求項57】
プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、前記プログラムは、
通信デバイスに複数のパイロット・シンボルを生成させるためのコードと、ここにおいて前記パイロット・シンボルは、各空間ストリームのための前記パイロット・シンボルのシーケンスを備えるランク不足パイロット・マッピング・マトリクスと一致し、
前記通信デバイスに、前記複数のパイロット・シンボルを伝送させるためのコードと
を備える、コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項58】
前記複数のパイロット・シンボルは、トレーニング期間中に伝送される、請求項57に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項59】
プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、前記プログラムは、
通信デバイスに複数のパイロット・シンボルを送信通信デバイスから受信させるためのコードと、ここにおいて前記パイロット・シンボルは、各空間ストリームのための前記パイロット・シンボルのシーケンスを備えるランク不足パイロット・マッピング・マトリクスと一致し、
前記通信デバイスに、前記パイロット・シンボルに基づいて位相推定を決定させるためのコードと、
前記通信デバイスに、前記位相推定及び前記パイロット・シンボルに基づいてチャネルを推定させるためのコードと、
前記通信デバイスに、前記チャネル推定を用いて前記送信通信デバイスからデータを受信させるためのコードと
を備える、コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項60】
前記位相推定は、トレーニング期間中に決定される、請求項59に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項61】
位相トラッキングを可能にするための装置であって、
複数のパイロット・シンボルを生成するための手段と、ここにおいて前記パイロット・シンボルは、各空間ストリームのための前記パイロット・シンボルのシーケンスを備えるランク不足パイロット・マッピング・マトリクスと一致し、
前記複数のパイロット・シンボルを伝送するための手段と
を備える、装置。
【請求項62】
前記複数のパイロット・シンボルは、トレーニング期間中に伝送される、請求項61に記載の装置。
【請求項63】
位相をトラックするための装置であって、
送信通信デバイスから複数のパイロット・シンボルを受信するための手段と、ここにおいて前記パイロット・シンボルは、各空間ストリームのための前記パイロット・シンボルのシーケンスを備えるランク不足パイロット・マッピング・マトリクスと一致し、
前記パイロット・シンボルに基づいて位相推定を決定するための手段と、
前記位相推定及び前記パイロット・シンボルに基づいてチャネルを推定するための手段と、
前記チャネル推定を用いて前記送信通信デバイスからデータを受信するための手段と
を備える、装置。
【請求項64】
前記位相推定は、トレーニング期間中に決定される、請求項63に記載の装置。
【請求項65】
前記ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスはランク不足パイロット・マッピング・マトリクスRであり、各行は、異なる空間ストリームにおいて伝送されたパイロット・シンボルに対応し、各列は、異なる直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにおいて伝送されたパイロット・シンボルに対応する、請求項1に記載の通信デバイス。
【請求項66】
前記ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスはランク不足パイロット・マッピング・マトリクスRであり、各行は、異なる空間ストリームにおいて伝送されたパイロット・シンボルに対応し、各列は、異なる直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにおいて伝送されたパイロット・シンボルに対応する、請求項13に記載の通信デバイス。
【請求項67】
前記ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスはランク不足パイロット・マッピング・マトリクスRであり、各行は、異なる空間ストリームにおいて伝送されたパイロット・シンボルに対応し、各列は、異なる直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにおいて伝送されたパイロット・シンボルに対応する、請求項29に記載の方法。
【請求項68】
前記ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスはランク不足パイロット・マッピング・マトリクスRであり、各行は、異なる空間ストリームにおいて伝送されたパイロット・シンボルに対応し、各列は、異なる直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにおいて伝送されたパイロット・シンボルに対応する、請求項41に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本願は、参照によってその全体が本願に明確に組み込まれた、2009年12月7日出願の「RFキャリア位相トラッキングを可能にするための11acパイロット・トーン設計(11ac PILOT TONE DESIGN TO ALLOW RF CARRIER PHASE TRACKING)」と題された米国特許仮出願第61/267300号に対する優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般に通信システムに関する。本開示は特に、通信デバイスのための位相トラッキングを可能にすることに関する。
【発明の概要】
【0003】
位相トラッキングを可能にするための通信デバイスが開示される。通信デバイスは、プロセッサと、メモリ内に格納された命令とを含む。通信デバイスは、複数のパイロット・シンボルを生成する。パイロット・シンボルは、ランク不足(rank-deficient)パイロット・マッピング・マトリクスと一致する。通信デバイスはまた、複数のパイロット・シンボルを伝送する。パイロット・シンボルは、直交周波数分割多重(OFDM)パイロット・シンボルであることができる。通信デバイスは、無線通信デバイスであることができる。
【0004】
通信デバイスはまた、データ又はトレーニング・シンボルを伝送することができる。データ又はトレーニング・シンボルは、直交周波数分割多重(OFDM)データ又はトレーニング・シンボルであることができる。
【0005】
ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、同一のパイロット・シンボルの少なくとも1つのペアを含むことができる。ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスRであることができる。各行は、異なる空間ストリームにおいて伝送されたパイロット・シンボルに対応することができ、各列は、異なる直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにおいて伝送されたパイロット・シンボルに対応することができる。
【0006】
4つの空間ストリーム及び4つの直交周波数分割多重(OFDM)シンボルに関するランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、
【数1】
【0007】
となりうる。6つの空間ストリーム及び6つの直交周波数分割多重(OFDM)シンボルに関するランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、
【数2】
【0008】
となりうる。8つの空間ストリーム及び8つの直交周波数分割多重(OFDM)シンボルに関するランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、
【数3】
【0010】
複数のパイロット・シンボルは、トレーニング期間中に伝送されうる。トレーニング期間は、電気電子技術者協会(IEEE)802.11ac規格に従って伝送された超高スループット−長トレーニング・フィールド(Very High Throughput-Long Training Field)(VHT−LTF)シンボルを含むことができる。パイロット・シンボルは、超高スループット−長トレーニング・フィールド(VHT−LTF)におけるパイロット・トーンのために予約されたトーンにおいて伝送されうる。
【0011】
位相をトラックするための通信デバイスもまた開示される。通信デバイスは、プロセッサと、メモリ内に格納された命令とを含む。通信デバイスは、送信通信デバイスからの複数のパイロット・シンボルを受信する。パイロット・シンボルは、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスと一致する。通信デバイスはまた、パイロット・シンボルに基づいて位相推定を決定する。通信デバイスはさらに、位相推定及びパイロット・シンボルに基づいてチャネルを推定する。通信デバイスはさらに、チャネル推定を用いて、送信通信デバイスからのデータを受信する。通信デバイスは、基地局であることができる。パイロット・シンボルは、直交周波数分割多重(OFDM)パイロット・シンボルであることができる。
【0012】
ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、同一のパイロット・シンボルの少なくとも1つのペアを含むことができる。ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスRであることができる。各行は、異なる空間ストリームにおいて伝送されたパイロット・シンボルに対応することができ、各列は、異なる直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにおいて伝送されたパイロット・シンボルに対応することができる。
【0013】
位相推定は、全ての空間ストリームにおいて伝送された、ただし、異なる直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにわたって伝送された、同一のパイロット・シンボルに基づいて決定されうる。位相推定は、全ての空間ストリームにおいて伝送された、ただし、異なる直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにわたって伝送された、同一のパイロット・シンボルの相互相関を計算することによって決定されうる。
【0014】
通信デバイスはまた、同一のパイロット・シンボルの少なくとも1つのペアに基づいて位相推定を決定することができる。位相推定は、同一のパイロット・シンボルの相互相関を計算することによって決定されうる。位相推定は、同一のパイロット・シンボルの位相デルタを計算することによって決定されうる。位相推定は、全ての空間ストリームにおいて伝送された、ただし、異なる直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにわたって伝送された、同一のパイロット・シンボルの位相デルタを計算することによって決定されうる。
【0015】
複数のパイロット・シンボルは、トレーニング期間中に受信されうる。トレーニング期間は、電気電子技術者協会(IEEE)802.11ac規格に従って伝送された超高スループット−長トレーニング・フィールド(VHT−LTF)シンボルを含むことができる。
【0016】
位相推定は、トレーニング期間中に決定されうる。トレーニング期間は、電気電子技術者協会(IEEE)802.11ac規格に従って伝送された超高スループット−長トレーニング・フィールド(VHT−LTF)シンボルを含むことができる。
【0017】
チャネルは、トレーニング期間中に推定されうる。トレーニング期間は、電気電子技術者協会(IEEE)802.11ac規格に従って伝送された超高スループット−長トレーニング・フィールド(VHT−LTF)シンボルを含むことができる。
【0018】
位相トラッキングを可能にするための方法もまた開示される。方法は、通信デバイスにおいて複数のパイロット・シンボルを生成することを含む。パイロット・シンボルは、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスと一致する。方法はまた、複数のパイロット・シンボルを伝送することも含む。
【0019】
位相をトラックするための方法もまた開示される。方法は、通信デバイスによって、送信通信デバイスからの複数のパイロット・シンボルを受信することを含む。パイロット・シンボルは、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスと一致する。方法はまた、通信デバイスによって、パイロット・シンボルに基づいて位相推定を決定することを含む。方法はさらに、位相推定及びパイロット・シンボルに基づいてチャネルを推定することを含む。方法はさらに、チャネル推定を用いて送信通信デバイスからのデータを受信することを含む。
【0020】
位相トラッキングを可能にするためのコンピュータ・プログラム製品もまた開示される。コンピュータ・プログラム製品は、命令を有する、非一時的な有形のコンピュータ読取可能媒体を含む。命令は、通信デバイスに、複数のパイロット・シンボルを生成させるためのコードを含む。パイロット・シンボルは、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスと一致する。命令はまた、通信デバイスに、複数のパイロット・シンボルを伝送させるためのコードを含む。
【0021】
位相をトラックするためのコンピュータ・プログラム製品もまた開示される。コンピュータ・プログラム製品は、命令を有する、非一時的な有形のコンピュータ読取可能媒体を含む。命令は、通信デバイスに、送信通信デバイスからの複数のパイロット・シンボルを受信させるためのコードを含む。パイロット・シンボルは、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスと一致する。命令はまた、通信デバイスに、パイロット・シンボルに基づいて位相推定を決定させるためのコードを含む。命令はさらに、通信デバイスに、位相推定及びパイロット・シンボルに基づいてチャネルを推定させるためのコードを含む。命令はさらに、通信デバイスに、チャネル推定を用いて送信通信デバイスからのデータを受信させるためのコードを含む。
【0022】
位相トラッキングを可能にするための装置もまた開示される。装置は、複数のパイロット・シンボルを生成するための手段を含む。パイロット・シンボルは、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスと一致する。装置はまた、複数のパイロット・シンボルを伝送するための手段を含む。
【0023】
位相をトラックするための装置もまた開示される。装置は、送信通信デバイスからの複数のパイロット・シンボルを受信するための手段を含む。パイロット・シンボルは、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスと一致する。装置はまた、パイロット・シンボルに基づいて位相推定を決定するための手段も含む。装置はさらに、位相推定及びパイロット・シンボルに基づいてチャネルを推定するための手段を含む。装置はさらに、チャネル推定を用いて送信通信デバイスからのデータを受信するための手段を含む。
【背景技術】
【0024】
通信システムは、データ、音声、ビデオ等のような様々なタイプの通信コンテンツを提供するために幅広く配置されている。これらのシステムは、複数の通信デバイス(例えば、無線通信デバイス、アクセス端末等)と、1つ又は複数の他の通信デバイス(例えば、基地局、アクセス・ポイント等)との同時通信をサポートすることが可能な多重接続システムであることができる。
【0025】
通信デバイスの使用は、近年著しく増加してきた。通信デバイスはしばしば、例えばローカル・エリア・ネットワーク(LAN)又はインターネットのようなネットワークへのアクセスを提供する。他の通信デバイス(例えば、アクセス端末、ラップトップ・コンピュータ、スマートホン、メディア・プレーヤ、ゲーム・デバイス等)は、これらの通信デバイスと同時に通信することができる。いくつかの通信デバイスは、例えば電気電子技術者協会(IEEE)802.11a基準、802.11b基準、802.11g基準、又は802.11n(例えば、ワイヤレス・フィデリティ、すなわちWi−Fi)基準のような、ある特定の工業基準に準拠する。例えば、無線通信デバイスのユーザはしばしば、そのような通信デバイスを用いて無線ネットワークに接続する。
【0026】
通信デバイスが複数のアンテナを用いる場合、特定の問題が生じることがある。例えば、位相オフセット(例えば、誤差)及び/又は周波数オフセット(例えば、誤差)が発生し、通信性能の低下を招くことがある。この理由により、位相をトラックすることを支援する、改善されたシステム及び方法が有益となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、通信デバイスのための位相トラッキングを可能にするためのシステム及び方法が実現され得る、通信デバイスの1つの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、トレーニング期間及び/又はチャネル推定期間の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、通信デバイスのための位相トラッキングを可能にするための方法の1つの構成を示すフロー図である。
【
図5】
図5は、通信デバイスのための位相トラッキングを可能にするための方法のより詳しい構成を示すフロー図である。
【
図6】
図6は、キャリア位相をトラックするための方法の1つの構成を示すフロー図である。
【
図7】
図7は、キャリア位相をトラックするための方法のより詳しい構成を示すフロー図である。
【
図8】
図8は、フルランク・パイロット・マッピング・マトリクスの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本明細書に開示されたシステム及び方法に従って用いられうるランク不足パイロット・マッピング・マトリクスの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本明細書に開示されたシステム及び方法に従って用いられうるランク不足パイロット・マッピング・マトリクスの別の例を示す図である。
【
図11】
図11は、本明細書に開示されたシステム及び方法に従って用いられうるランク不足パイロット・マッピング・マトリクスの別の例を示す図である。
【
図12】
図12は、通信デバイスのための位相トラッキングを可能にするためのシステム及び方法が実現されうる、受信通信デバイスの1つの構成を示すブロック図である。
【
図13】
図13は、送信通信デバイス、無線通信デバイス、又はアクセス端末内に含まれうる、特定の構成要素を示す。
【
図14】
図14は、受信通信デバイス、アクセス・ポイント、又は基地局内に含まれうる、特定の構成要素を示す。
【0028】
本明細書で用いられる場合、「基地局」という用語は、一般に、通信ネットワークへのアクセスを提供することが可能な通信デバイスを示す。通信ネットワークの例は、限定はされないが、電話ネットワーク(例えば、公衆交換電話網(PSTN)又はセルラ電話ネットワークのような「有線(ランドライン)」ネットワーク)、インターネット、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、都市規模ネットワーク(MAN)等を含む。基地局の例は、例えば、セルラ電話基地局又はノード、アクセス・ポイント、無線ゲートウェイ、及び無線ルータを含む。基地局は、例えば電気電子技術者協会(IEEE)802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、及び/又は802.11ac(例えば、ワイヤレス・フィデリティ、すなわちWi−Fi)基準のような、ある特定の工業基準に従って動作することができる。基地局が準拠することのできる基準の他の例は、IEEE802.16(例えば、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス、すなわち「WiMAX」)、第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP)、3GPPロング・ターム・エボリューション(LTE)等を含む(例えば、その場合、基地局は、ノードB、次世代ノードB(eNB)等と称されうる)。本明細書に開示されたシステム及び方法のうちのいくつかが1つ又は複数の基準の観点から説明されうるが、これは、システム及び方法が多数のシステム及び/又は基準に適用可能であるので、本開示の範囲を制限するものではない。
【0029】
本明細書で用いられる場合、「無線通信デバイス」という用語は一般に、基地局に無線で接続することができる通信デバイス(例えば、アクセス端末、クライアント・デバイス、クライアント局等)の類を示す。あるいは無線通信デバイスは、モバイル・デバイス、モバイル局、加入者局、ユーザ機器(UE)、遠隔局、アクセス端末、モバイル端末、端末、ユーザ端末、加入者ユニット等とも称されうる。無線通信デバイスの例は、ラップトップまたはデスクトップ・コンピュータ、セルラ電話、スマートホン、無線モデム、電子書籍リーダ、タブレット・デバイス、ゲーム・システム等を含む。無線通信デバイスは、基地局に関して上述したような1つ又は複数の工業基準に従って動作することができる。従って、「無線通信デバイス」という一般用語は、工業基準に従って様々な名称で記載される無線通信デバイス(例えば、アクセス端末、ユーザ機器(UE)、遠隔端末等)を含むことができる。
【0030】
IEEE802.11において、通信デバイスは、別の通信デバイスへパイロット・シンボルを送信することができる。パイロット・シンボルは、例えば複数の空間ストリームを用いて送信されうる。「パイロット・シンボル」という用語は「トレーニング・シンボル」を指しうるものであり、その逆も然りであることが留意されるべきである。パイロット・シンボルは、時空間符号(STC)マトリクス(例えば、パイロット・マッピング・マトリクス)として表すことができる時空間構成に配列されうる。例えば、時空間ストリーム(例えば、空間ストリーム)の数N
STS=4であり、20メガヘルツ(MHz)送信である場合、パイロット値又はシンボルのパイロット・マッピング・マトリクスRは、式(1)で示される。
【数4】
【0031】
IEEE802.11規格に従って用いられうる時空間ストリームi
STS(例えば、数又はインデクス)に従う時空間ストリーム(例えば、空間ストリーム)の異なる数N
STSに関する、パイロット値又はシンボルΨの別の例が表1に示される。
【表1】
【0032】
1つの構成では、パイロット・マッピング・マトリクス(例えば、マトリクスR)が定められうる場合、行は空間ストリームを表し、列はシンボル(例えば、直交周波数分割多重(OFDM)シンボル)を表す。例えば、式(1)によって示されたパイロット・マッピング・マトリクスにおいて、第1の空間ストリームは、3つの連続するOFDMシンボルについて「1」のパイロット値又はシンボルを用い、第4のOFDMシンボルにおいて「−1」のパイロット値又はシンボルが後続する。この手順が繰り返されうる。式(1)に示すパイロット・マッピング・マトリクスは、フルランクである。
【0033】
マトリクス(例えば、パイロット・マッピング・マトリクス)のランクは、マトリクスのノンゼロ特異値(例えば、固有値)の数として定められうる。言い換えれば、パイロット・マッピング・マトリクスのランクは、パイロット・マッピング・マトリクスにおける線形独立した行又は列の数であることができる。マトリクスは、そのランクが可能な限り大きい場合、「フルランク」となりうる。言い換えれば、マトリクスは、そのランクが(例えば、行又は列の数において)自身の最小次元に等しい場合、「フルランク」となりうる。例えば、式(1)に示すマトリクスは、その4というランクが、それが有しうる最も大きいランクであるので、フルランクである。すなわち、それは4のランクを有し、その(例えば、4行及び4列の)最小次元は4である。マトリクスは、そのランクが「フルランク」よりも小さい場合、「ランク不足」となりうる。例えば、マトリクスが、その大きさのマトリクスに関して可能な最大ランクよりも小さいランクを有する場合、そのマトリクスは「ランク不足」である。言い換えれば、ノンゼロ特異値の数又は線形独立である行又は列の数が、その大きさのマトリクスに関して可能な最大数よりも少ない場合、そのマトリクスは「ランク不足」である。
【0034】
式(1)におけるパイロット・マッピング・マトリクスの例はフルランクであるので、受信通信デバイス(例えば、受信機)は、これらのパイロット・トーンを用い、4つの連続するシンボル(例えば、OFDMシンボル)にわたって情報を結合することによって最大の4次のダイバーシチを獲得することができる。しかし、式(1)に示すパイロット・マッピング・マトリクスがフルランクであるので、4つのパイロット・シンボル(例えば、OFDMシンボル)のシーケンス又は期間中、ラジオ周波数(RF)キャリアにおける位相誤差をトラックするために用いることができる情報がない。これは、例えば、トレーニング期間(例えば、長トレーニング・フィールド(LTF)がある場合、プリアンブルの一部)中に問題を引き起こすことがある。1つの構成では、トレーニング期間は、電気電子技術者協会(IEEE)802.11ac規格に従って伝送された、超高スループット−長トレーニング・フィールド(VHT−LTF)シンボルを備えることができる。このトレーニング期間(例えば、プリアンブルの一部)中、チャネル推定は、計算されることができ、未知の、訂正されていない位相ドリフトに対してセンシティブとなりうる。
【0035】
本明細書に開示されたシステム及び方法は、パイロット・シンボルが、いくらかのダイバーシチで(例えば、時間をかけて)変調及び/又は送信されることを可能にするが、また、LTFによって占有されるシンボルの間(例えば、トレーニング期間中)、RFキャリア位相がトラックされることができるような構成を提供することもできる。本明細書に開示されたシステム及び方法は、ヌル空間を備えるパイロット・マッピング・マトリクスを説明する。ヌル空間は、受信通信デバイス(例えば、受信機)が、RFキャリア偏差をトラックするためにトレーニング期間中(例えば、LTFの間)に情報を用いることを可能にすることができる。本明細書に開示されたシステム及び方法は、例えば、IEEE802.11acに適用されうる。
【0036】
1つの構成では、例えば、4つの空間ストリームを用いる送信は、式(2)に示すようなパイロット・マッピング・マトリクスRを用いることができる。
【数5】
【0037】
式(2)に示すパイロット・マッピング・マトリクスは、ランク2を有する。この構成では、受信通信デバイス(例えば、受信機)は、2次のダイバーシチを獲得することしかできない。しかし、パイロット・トーンは、ここで、RFキャリア位相がトラックされることができるように構成される。パイロット・トーンは2シンボル(例えば、OFDMシンボル)毎に繰り返すので、RFキャリア位相は、第1及び第3のシンボル(例えば、OFDMシンボル)又はパイロット・トーンの相関(例えば、相互相関)又は位相差を求め、第2及び第4のシンボル(例えば、OFDMシンボル)又はパイロット・トーンの相関(例えば、相互相関)又は位相差を求めることによって計算されうる。このアプローチ又はパイロット・トーンの設計は、フルランクに満たない任意のマトリクスが、RFキャリア位相ドリフトを計算するために利用可能な構成で受信機においてダイバーシチ利得をトレードオフするために用いられうるという点で、一般に適用されることができる。
【0038】
以下で、図面を参照して、様々な構成について説明する。同様の参照番号は、機能的に類似した要素を示しうる。本明細書の図面において一般的に示され説明されるシステム及び方法は、幅広く異なる様々な構成で配置及び設計されることができる。従って、図面に表されたような、いくつかの構成の以下の詳細な説明は、特許請求の範囲に示された範囲を限定することは意図されておらず、システム及び方法の単なる例示にすぎない。
【0039】
図1は、通信デバイスのための位相トラッキングを可能にするためのシステム及び方法が実現されうる通信デバイス102、114の1つの構成を示すブロック図である。通信デバイス102、114の例は、無線通信デバイス、基地局、ユーザ機器(UE)、局(STA)、アクセス端末、アクセス・ポイント、無線ルータ、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、スマートホン、セルラ電話、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、タブレット・デバイス、電子書籍リーダ、ゲーム・システム等を含む。1つ又は複数の「送信」通信デバイス102は、「受信」通信デバイス114と通信するために用いられる1つ又は複数のアンテナ110a−bを含むことができる。受信通信デバイス114は、チャネル122を介して送信通信デバイス102と通信するために該受信通信デバイス114が使用できる1つ又は複数のアンテナ112a−bを含みうる。通信デバイス102、114は、便宜上及び説明の簡略化のために、「送信」通信デバイス102及び「受信」通信デバイス114と称されるが、「送信」及び/又は「受信」機能に限定されないことが留意されるべきである。例えば、「送信」通信デバイス102は、追加的にまたは代替的に、「受信」通信デバイス114によって送信された信号を受信することができ、逆も然りである。
【0040】
1つ又は複数の送信通信デバイス102は、1つ又は複数の空間ストリーム124を用いて受信通信デバイス114と通信することができる。例えば、空間ストリーム124a−dは、1つ又は複数の送信通信デバイス102と受信通信デバイス114との間で情報又はデータを伝送するために用いられうる。例えば、1つ又は複数の送信通信デバイス102及び/又は受信通信デバイス114は、1つ又は複数の空間ストリーム124を用いて1つ又は複数のシンボル126を送信及び/又は受信することができる。より具体的には、1つ又は複数の送信通信デバイス102及び受信通信デバイス114は、空間ストリームA124aを用いて1つ又は複数のシンボルA126aを、空間ストリームB124bを用いて1つ又は複数のシンボルB126bを、空間ストリームC124cを用いて1つ又は複数のシンボルC126cを、及び/又は空間ストリームD124dを用いて1つ又は複数のシンボルD126dを、等、送信及び/又は受信することができる。各空間ストリーム124は、1つ又は複数のアンテナ110、112に対応することができる。例えば、空間ストリームA124aは、送信通信デバイス102上のアンテナ110aから送信され、受信通信デバイス114上のアンテナ112aによって受信されうる。1つの構成では、1つ又は複数の空間ストリーム124は、複数のアンテナ110、112を用いて送信及び/又は受信されうる(例えば、1つの空間ストリーム124が、2つ以上のアンテナ110、112にマップされうる)。
【0041】
1つ又は複数の送信通信デバイス102は、(各々が)送信通信デバイス・クロック108を含むことができる。受信通信デバイス114は、受信通信デバイス・クロック120を含むことができる。送信通信デバイス・クロック108は、シンボル126の生成、送信、及び/又は受信の時間を決めるために1つ又は複数の送信通信デバイス102によって用いられうる。同様に、受信通信デバイス・クロック120は、シンボル126の生成、送信、及び/又は受信の時間を決めるために、受信通信デバイス114によって用いられうる。送信通信デバイス・クロック108及び受信通信デバイス・クロック120は、精密に同期されるわけではない。クロック108と120との間の精密な同期の欠如は、位相オフセット(例えば、位相雑音)及び/又は周波数オフセット(例えば、周波数誤差)引き起こしうる。位相オフセット及び/又は周波数オフセットは、1つ又は複数の送信通信デバイス102と受信通信デバイス114との間の通信品質の低下を招きうる。
【0042】
シンボル126は、パイロット・シンボル、データ・シンボル、及び/又は他の種類のシンボルを備えることができる。例えば、パイロット・シンボルは、受信通信デバイス114がパイロット・シンボルを使用して1つ又は複数の位相オフセットを推定できるように、受信通信デバイス114に知られているシンボルを備えることができる。いくつかの構成では、1つ又は複数のパイロット(例えば、パイロット・パターン)が、データ・シンボルとともに送信されうる。受信通信デバイス114は、1つ又は複数の位相オフセットを使用して、送信通信デバイス102から送信された信号を復調及び/又は復号するために用いられうるチャネル推定を計算することができる。例えば、受信通信デバイス114は、位相及び/又は周波数誤差低減モジュール116を含むことができる。位相及び/又は周波数誤差低減モジュール116は、シンボル位相推定モジュール118を含むことができる。シンボル位相推定モジュール118は、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスB106bを使用して、トレーニング期間中シンボル位相をトラックすることができる。位相及び/又は周波数誤差低減モジュール116は、トラックされた位相を使用して、受信シンボル126を復調及び/又は復号するために用いられうる、位相及び/又は周波数誤差が低減されたチャネル推定を計算することができる。位相及び/又は周波数誤差低減モジュール116及び/又はシンボル位相推定モジュール118は、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせにおいて実現されうる。
【0043】
1つ又は複数の送信通信デバイス102は、パイロット・シンボル生成104モジュールを含むことができる。パイロット・シンボル生成モジュール104は、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせにおいて実現されうる。パイロット・シンボル生成モジュール104は、受信通信デバイス114へ送信されるべきパイロット・シンボルを生成する。例えば、各パイロット・シンボルは、1つ又は複数の空間ストリーム124において受信通信デバイス114へ伝送又は送信されうる。1つの構成では、例えば、パイロット・シンボル生成モジュール104は、パイロット・シンボルの各シーケンスが異なる空間ストリーム124で送信または伝送される、パイロット・シンボルの1つ又は複数のシーケンスを生成することができる。
【0044】
パイロット・シンボル生成モジュール104は、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス106と一致するパイロット・シンボルを生成することができる。例えば、パイロット・シンボル生成モジュール104は、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスA106aを生成する。ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスA106aは、空間ストリーム124の数よりも少ないランクを有することができる。例えば、4つの空間ストリーム124a−dがあると仮定すると、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスA106aは、ランク2となるように、あるいはランク2を有するように生成されうる。1つ又は複数の送信通信デバイス102は、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスA106aを受信通信デバイス114へ送信または伝送することができる。受信通信デバイス114は、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスA106aをランク不足パイロット・マッピング・マトリクスB106bとして受信することができる。
【0045】
本明細書に開示されたシステムおよび方法が用いられないときには、フルランク・パイロット・マッピング・マトリクスは、受信通信デバイス114が各空間ストリーム124について位相オフセットを推定することを可能にする。しかし、フルランク・パイロット・マッピング・マトリクスは、受信通信デバイス114がトレーニング期間中(例えば、パイロット・マッピング・マトリクス又はパイロット・シンボルのシーケンスの間)、位相オフセットを推定することを可能にしないことがある。例えば、パイロット・マッピング・マトリクスは、複数の空間ストリーム124について、トレーニング期間にわたるパイロット・シンボルのシーケンスを備えることができる。1つの例において、トレーニング期間は、4つのパイロット・シンボルのシーケンスを備える。4つの空間ストリーム124が存在すると仮定すると、4つのパイロット・シンボルのシーケンスが、4つの空間ストリームの各々について送信され、その結果、合計16のパイロット・シンボルを有する4×4パイロット・マッピング・マトリクスがもたらされ、各行は空間ストリーム124に対応し、各列はパイロット・シンボル又は値に対応する。フルランク・パイロット・マッピング・マトリクスは、線形独立であるパイロット・シーケンスを含むので、パイロット・シンボル位相オフセットは、トレーニング期間中トラックされることができない。例えば、パイロット・シンボル位相オフセットは、本明細書に開示されたシステム及び方法が使用されないときには、各パイロット・マッピング・マトリクスについて一度しか計算されることができない。
【0046】
ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス106は、トレーニング期間中、位相ドリフトがトラックされることを可能にする。ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス106はヌル空間を含むので、位相オフセットがトレーニング期間中トラックされうる。しかし、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス106はランク不足であるので、空間ストリーム124(の全て)の各々について個々の位相オフセットは計算され得ない。言い換えれば、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスを使用することは、空間ストリーム124の全てについて位相オフセットを推定する能力と引き換えに、トレーニング期間中の位相オフセットを推定し、したがってトレーニング期間中の位相トラッキングを可能にする能力を提供する。例えばランク不足パイロット・マッピング・マトリクス106は、パイロット・シンボルのセット(例えば、同一のセット)がトレーニング期間中反復されることを可能にする。シンボル位相推定モジュール118は、トレーニング期間中、パイロット・シンボルの反復されたセットとパイロット・シンボルのオリジナル(または第1の)セットとの相互相関又は位相デルタを計算することができ、それによってトレーニング期間中のRFキャリア位相のトラッキングを可能にする。トラックされたRFキャリアの位相は、位相及び/又は周波数誤差を低減するために、位相及び/又は周波数誤差低減モジュール116によって用いられうる。例えば、トラックされたRFキャリア位相は、位相及び/又は周波数誤差が低減されたチャネル推定を計算するために用いられうる。受信通信デバイス114は、受信シンボル126を復調及び/又は復号するために、この(位相及び/又は周波数誤差が低減された)チャネル推定を用いることができる。
【0047】
1つの構成では、位相及び周波数オフセットは以下のように示されうる。信号x(t)が伝送されると仮定する。この場合「t」は時間である。送信機(例えば、送信通信デバイス102)及び受信機(例えば、受信通信デバイス114)における局部発振器(LO)(例えば、送信通信デバイス・クロック108及び受信通信デバイス・クロック120)は異なりうるので、受信信号は、
【数6】
【0048】
のように書き表され、ここで、
【数7】
【0049】
は周波数オフセットであり、
【数8】
【0050】
は時間変化する位相オフセットである。
【0051】
図2は、トレーニング期間及び/又はチャネル推定期間444の例を示す図である。トレーニング期間444は、いくつかのトレーニング・シンボルが受信される時間の範囲446でありうる。1つの構成では、トレーニング期間444は、電気電子技術者協会(IEEE)802.11ac規格に従って伝送された、超高スループット−長トレーニング・フィールド(VHT−LTF)シンボルを備えることができる。チャネル推定は、トレーニング及び/又はチャネル推定期間444の間、生成されうる。トレーニング期間444中に受信されたシンボルは、例えば、長トレーニング・シンボルである、あるいは長トレーニング・フィールド(LTF)を備えることができる。複数の空間ストリームに関するシンボルのセットが、各シンボル受信448において受信通信デバイス114によって受信されうる。例えば、4つの空間ストリームに対応する4つのパイロット・シンボルのセットが、シンボル受信A448a、シンボル受信B448b、シンボル受信C448c、及びシンボル受信D448dにおいて受信されうる。従って、パイロット・マッピング・マトリクスを備える合計16のパイロット・シンボルがトレーニング期間444中に受信されうる。
【0052】
本明細書に開示されたシステムおよび方法が用いられないときには、パイロット・マッピング・マトリクスはフルランクでありうる。言い換えれば、パイロット・シンボルの各シーケンスは、ゼロよりも大きい特異値(例えば、固有値)を有する、あるいは、パイロット・シンボルの各シーケンスは、線形独立である。その場合、受信通信デバイス114は、各空間ストリームについて別個の位相オフセットを推定することが可能である。しかし、その場合、受信通信デバイス114は、トレーニング及び/又はチャネル推定期間444の間中、位相オフセット(例えば、位相ドリフト)をトラック可能でないことがある。例えば、受信通信デバイス114は、チャネル推定を決定する際に用いるための位相推定を決定するために、トレーニング及び/又はチャネル推定期間444の前に得られた位相推定を用いなければならない。従って、その場合、受信通信デバイス114は、現在のトレーニング期間444中に受信されたパイロット・シンボルに基づいて位相推定を決定することができない。
【0053】
しかし、本明細書に開示されたシステムおよび方法によると、受信通信デバイス114は、チャネル推定を決定する際に用いるために、トレーニング及び/又はチャネル推定期間444中に位相推定を決定することができる。例えば、シンボル受信A448a、B448b、C448c、及びD448dにおいて受信されたパイロット・シンボルのセットから構成されるパイロット・マッピング・マトリクス106は、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス106でありうる。従って、ノンゼロ特異値(例えば、固有値)を有する又は線形独立であるパイロット・シーケンスの数は、空間ストリームの数よりも少ない。ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス106は、例えば、同じ(例えば、同一の)パイロット・シンボルの1つ又は複数の反復されたセットを含みうる。パイロット・シンボルのオリジナル・セット及び反復されたセットは、位相推定を得るために相関付けられうる。例えば、パイロット・シンボルのオリジナル・セットと反復されたセットとの間の位相デルタが計算されうる。位相推定は、パイロット・シンボルのオリジナル・セットと反復されたセットとの間の位相ドリフトを示しうる。従って、受信通信デバイス114は、トレーニング期間444中に位相推定を決定することができる。この位相推定は、チャネル推定を決定するために用いられうる。このアプローチを用いると、位相推定はトレーニング期間444中に決定されることができ、それが位相及び/又は周波数オフセットを低減しうる。従って、受信通信デバイス114は、受信シンボル(例えば、データ・シンボル)を復調及び/又は復号するために、位相及び/又は周波数オフセットが低減されたチャネル推定を用いることができる。このアプローチは、通信性能を改善することができる。しかし、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス106を用いる際には、受信通信デバイス114は、各空間ストリーム124のための個々の位相オフセットを決定可能でないことがあることが留意されるべきである。
【0054】
図3は、位相推定552を示す図である。本明細書に開示されたシステム及び方法を用いると、受信通信デバイス114は、トレーニング期間444中の位相推定552を決定するために、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス106を用いることができる。より具体的には、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス106は、パイロット・シンボルの1つ又は複数の反復されたセットがトレーニング期間444中に送信及び/又は受信されることを可能にする。例えば、2つのチャネル推定シンボル間の位相推定は、それら2つのシンボル間の位相ドリフトと同じである。
【0055】
例えば、特定のパイロット値を有するパイロット・シンボルのセットがシンボル受信A448aにおいて受信され、その後、同じパイロット値を有するパイロット・シンボルの反復されたセットがシンボル受信C448cにおいて受信されうる。シンボル受信A448aにおけるパイロット・シンボルのオリジナル・セットと、シンボル受信C448cにおけるパイロット・シンボルの反復されたセットとが同じパイロット値を有するので、受信通信デバイス114は、位相推定552を得るために、それらの間の相関又は位相デルタを決定することができる。例えば、位相オフセットA550aは、シンボル受信A448aにおいて受信されたパイロット・シンボルのオリジナル・セットに対応して決定されうる。シンボル受信C448cにおいて受信されたパイロット・シンボルの反復されたセットに対応する位相オフセットB550bもまた決定されうる。受信通信デバイス114はその後、位相推定552を得るために、オリジナル・パイロット・シンボルと反復されたパイロット・シンボルとの間の相関又は位相デルタを決定することができる。
【0056】
反復されたシンボル・セットの追加的な又は代替的なペア(pairs)もしくはマルチプル(multiples)が、位相推定552を決定するために用いられうる。例えば、シンボル受信B448bにおいて受信及び/又は送信されたパイロット・シンボルのセットは、シンボル受信D448dにおいて反復されうる。上述したものと同様の手順が、位相推定552を決定するために用いられうる。別の構成では、反復されたパイロット・シンボル・セットの異なる順序が用いられうる。例えば、シンボル受信A448aにおいて受信されたパイロット・シンボルと、シンボル受信B448bにおいて受信されたパイロット・シンボルとは、同じ(例えば、同一)でありえ、したがって、位相推定を得るために用いられうる。追加的に又は代替的に、シンボル受信C448c及びシンボル受信D448dにおいて受信されるパイロット・シンボルは、同一でありえる。他の構成では、反復されたシンボル・セットの他のペア又はマルチプルが用いられうる。例えば、シンボル受信A448a及びD448aにおいて受信されたシンボル・セットが同じであり、B448b及びC448cにおいて受信されたシンボル・セットが同じであることができる。シーケンス中のパイロット・シンボルの数及び/又は空間ストリームの数に応じて、他の構成が用いられうる。パイロット・シンボル又はパイロット・シンボル・セットを説明するために使用されるときには、「同じ(same)」及び/又は「同一(identical)」という用語は、パイロット値又はシンボルが、必ずしもパイロット・シンボルの位相とは限らないが、同じ又は同一であることを意味することが留意されるべきである。
【0057】
図4は、通信デバイスのための位相トラッキングを可能にするための方法600の1つの構成を示すフロー図である。送信通信デバイス102は、複数のパイロット・シンボルを生成することができる(602)。パイロット・シンボルは、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス106と一致しうる。例えば、送信通信デバイス102は、各空間ストリーム124のためのパイロット・シンボルのシーケンスを生成することができる。各空間ストリームのためのパイロット・シンボルのシーケンスは、パイロット・マッピング・マトリクス106を備えうる。パイロット・マッピング・マトリクス106は、ランク不足でありうる。例えば、602で生成された、ノンゼロ特異値(例えば、固有値)を有するパイロット・シンボル・シーケンスの数、あるいは、602で生成された、線形独立であるパイロット・シンボル・シーケンスの数は、空間ストリーム124の数よりも少ない。
【0058】
1つの構成では、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスはマトリクスRであることができ、各行は、異なる空間ストリームにおいて伝送されたパイロット・シンボルに対応し、各列は、異なる直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにおいて伝送されたパイロット・シンボルに対応する。一例では、4つの空間ストリーム及び4つのOFDMシンボルに関するランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、
【数9】
【0059】
である。別の例では、6つの空間ストリーム及び6つのOFDMシンボルに関するランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、
【数10】
【0060】
である。さらに別の例では、8つの空間ストリーム及び8つのOFDMシンボルに関するランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、
【数11】
【0062】
送信通信デバイス102は、複数のパイロット・シンボル(例えば、「トレーニング・シンボル」)を受信通信デバイス114へ送信または伝送することができる(604)。例えば、送信通信デバイス102は、対応する空間ストリームにおいて、シーケンスでパイロット・シンボルを伝送することができる。例えば、パイロット・シンボルの第1のシーケンスは、第1の空間ストリームにおいて1つ又は複数のアンテナ110a−bを用いて伝送されうる。パイロット・シンボルの第2のシーケンスは、また、第2の空間ストリームにおいて1つ又は複数のアンテナ110a−bを用いて伝送されることができ、以下同様である。1つの構成では、パイロット・シンボル(または「トレーニング・シンボル」)は、直交周波数分割多重(OFDM)パイロット・シンボルであることができる。追加的に又は代替的に、1つの構成では、パイロット・シンボルは、(例えば、電気電子技術者協会(IEEE)802.11ac規格に従って)超高スループット−長トレーニング・フィールド(VHT−LTF)においてパイロット・トーンに関して予約されたトーンにおいて伝送されうる。上述したように、受信通信デバイス114は、ランク不足マッピング・マトリクスに一致するパイロット・シンボルに基づいて、位相及び/又は周波数オフセットの低減されたチャネルを推定することができる。この手順は、例えばトレーニング期間中、行われることができる。
【0063】
送信通信デバイス102は、受信通信デバイス114へデータ(例えば、データ・シンボル)を送信または伝送することができる(606)。例えば、送信通信デバイス102は、受信通信デバイス114へデータ(例えば、データ・シンボル)を伝送することができる。受信通信デバイス114は、606で送られたデータ(例えば、データ・シンボル)を復調及び/又は復号するために、パイロット・シンボルに基づいたチャネル推定を用いることができる。データ・シンボルは、直交周波数分割多重(OFDM)データ・シンボルでありえる。
【0064】
図5は、通信デバイスのための位相トラッキングを可能にするための方法700のより詳しい構成を示すフロー図である。例えば、
図5は、
図4に示した方法600と同様の方法700を、より詳細に示す。送信通信デバイス102又は無線通信デバイス102は、複数の空間ストリームの各々についてOFDMパイロット・シンボルのシーケンスを生成することができる(702)。無線通信デバイスの例は、局(STA)、アクセス端末、セルラ電話、スマートホン、ラップトップ・コンピュータ、無線モデム、電子書籍リーダ、携帯情報端末(PDA)、ゲーム・システム等を含む。OFDMパイロット・シンボルは、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス106を備える及び/又はそれと一致することができる。例えば、702で生成された、ノンゼロ特異値(例えば、固有値)を有するOFDMパイロット・シンボル・シーケンスの数、又は702で生成された、線形独立であるOFDMパイロット・シンボル・シーケンスの数は、空間ストリーム124の数よりも少ない。パイロット・シンボル(例えば、OFDMパイロット・シンボル)のシーケンスは、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス106の行に対応することができる。
【0065】
パイロット・シンボルのセットは、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス106の列に対応することができる。例えば、パイロット・シンボルのセットは、同時に送信されうる異なる空間ストリーム上のパイロット・シンボルを備えることができる。本明細書で用いられる場合、「同時に」は、同じ時刻に及び/又はほぼ同じ時刻に、を意味しうるが、必ずしも正確に同じ時刻を意味するわけではない。例えば、パイロット・シンボルのセット内のパイロット・シンボルは、ほぼ同じ時刻に異なる空間ストリームにおいて送信されうる。
【0066】
ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス106は、同一のOFDMパイロット・シンボル・セットの少なくとも1つのペア(又はマルチプル)を含むことができる。例えば、OFDMパイロット・シンボル(例えば、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス106の列に対応する)又は値のオリジナル・セットが送信されうる。その後、OFDMパイロット・シンボル又は値の反復されたセットが送信されうる。「同一の」OFDMパイロット・シンボル・セットの少なくとも1つのペアは、同じOFDMパイロット・シンボル値を有することができる。同一のOFDMパイロット・シンボル・セットの追加的なペア又はマルチプルが、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスを備えることができる。
【0067】
同一のOFDMパイロット・シンボル・セットの1つ又は複数のペア又はマルチプルは、様々な方法で配置されうる。例えば、4つのユニークなセットであるセットA、セットB、セットC、及びセットDを有する、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス106内のパイロット・シンボル・セットの8つの列があると仮定する。1つの配置では、それらのペアは、列がABCDABCDという順序になるように配置される。また別の配置では、同一のペアが、AABBCCDDの順序で互いに隣り合う。例えばABABCDCDという順序等のように、他の多くの配置がなされうる。
【0068】
無線通信デバイス102は、トレーニング期間中、対応する空間ストリームにおいてOFDMパイロット・シンボルの各シーケンスを基地局114へ送信または伝送することができる(704)。基地局114は、受信通信デバイス114の一例であることができる。基地局114の例は、アクセス・ポイント、無線ルータ、セルラ電話基地局等を含む。702で生成された、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス106内のOFDMパイロット・シンボルの各シーケンスは、空間ストリームに対応することができる。OFDMパイロット・シンボルの各シーケンスは、それが対応している空間ストリームにおいて基地局へ送られることができる(704)。例えば、OFDMパイロット・シンボルの各シーケンスは、1つ又は複数のアンテナ110a−bを用いて送信されうる。パイロット・シンボル(例えば、OFDMパイロット・シンボル)のシーケンスは、トレーニング期間444中に送信される(例えば伝送される)ことができ(704)、その間、受信通信デバイス114によってチャネル推定が決定されうる。具体的には、受信通信デバイス114は、1つ又は複数の位相推定を決定するために、OFDMパイロット・シンボルを用いることができる。1つ又は複数の位相推定は、位相及び/又は周波数オフセットが低減されたチャネル推定を決定するために用いられうる。
【0069】
無線通信デバイス102は、データ(例えば、データ・シンボル)を基地局(例えば、受信通信デバイス114)へデータを送信または伝送することができる(706)。例えば、無線通信デバイス102は、1つ又は複数のアンテナ110a−bを用いて基地局へデータ・シンボルを伝送することができる。基地局(例えば、受信通信デバイス)114は、706で送信されたデータ(例えば、データ・シンボル)を復調及び/又は復号するために、OFDMパイロット・シンボルに基づいたチャネル推定を用いることができる。
【0070】
図6は、キャリア位相をトラックするための方法800の1つの構成を示すフロー図である。受信通信デバイス114は、1つ又は複数の送信通信デバイス102を発見することができる(802)。例えば、受信通信デバイス114は、受信通信デバイス114と通信しようとする試みを示している送信通信デバイス102からのメッセージ又はシンボルを受信することができる。受信通信デバイス114は、1つ又は複数の送信通信デバイス102から複数のパイロット・シンボルを受信することができる(804)。パイロット・シンボルは、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス106と一致しうる。例えば、パイロット・シンボルは、複数の空間ストリーム124を用いて受信されうる(804)。ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス106の各行は、空間ストリーム124のうちの1つ(例えば、空間ストリーム124のうちの1つにおいて受信されたパイロット・シンボルのシーケンス)に対応しうる。ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス106の各列は、パイロット・シンボル又はパイロット・シンボル(又は値)のセットに対応しうる。ノンゼロ特異値(例えば、固有値)を有する又は線形独立である行(例えば、パイロット・シンボルのシーケンス)の数は、空間ストリーム又は列の数よりも少ないものでありえ、これは、パイロット・マッピング・マトリクスがランク不足である又はフルランクに満たないことを示している。
【0071】
受信通信デバイス114は、パイロット・シンボルに基づいて1つ又は複数の位相推定を決定することができる(806)。例えば、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス106は、反復されたパイロット・シンボルを含むことができる。例えば、4×4のランク不足パイロット・マッピング・マトリクス106において、第1及び第3のパイロット・シンボル(例えば、第1及び第3のセット又は列)は同じでありうる。追加的に又は代替的に、第2及び第4のパイロット・シンボル(例えば、第2及び第4のセット又は列)は同じでありうる。受信通信デバイス114は、位相推定を決定する(806)ために、オリジナル・パイロット・シンボルと反復されたパイロット・シンボルとの相関(例えば、相互相関)又は位相差を決定することができる。4×4のランク不足パイロット・マッピング・マトリクス106の例を続けると、受信通信デバイス114は、1つ又は複数の位相推定を決定する(806)ために、第1のパイロット・シンボルと第3のパイロット・シンボルと(例えば、第1及び第3のセット又は列)の間、及び第2のパイロット・シンボルと第4のパイロット・シンボルと(例えば、第2及び第4のセット又は列)の間の相関(例えば、相互相関)又は位相差を決定することができる。別の例において、位相推定は、全ての空間ストリームにおいて伝送された、ただし、異なる直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにわたって伝送された、同一のパイロット・シンボルに基づいて決定されうる(806)。トレーニング期間444中に1つ又は複数の位相推定を決定する(806)ことは、例えば、位相及び/又は周波数オフセットを低減しうる。1つの構成では、トレーニング期間444は、電気電子技術者協会(IEEE)802.11ac規格に従って伝送された超高スループット−長トレーニング・フィールド(VHT−LTF)シンボルを備えることができる。
【0072】
受信通信デバイス114は、1つ又は複数の位相推定及び/又はパイロット・シンボル(例えば、「トレーニング・シンボル」)に基づいてチャネルを推定することができる(808)。例えば、受信通信デバイス114は、チャネル推定を得るために、1つ又は複数の位相推定及び/又はパイロット・シンボルを用いることができる。チャネル推定は、より正確な(例えば、位相及び/又は周波数オフセットが低減された)ものでありうる1つ又は複数の位相推定に基づくので、より正確な(例えば、位相及び/又は周波数オフセットが低減された)ものとなりうる。1つ又は複数の位相推定は、トレーニング期間444中に受信されたシンボルに基づいて、又はその間に決定されたので、より正確なものとなりうる。例えば、チャネルは、トレーニング期間444中に推定されうる(808)。1つの構成では、トレーニング期間444は、電気電子技術者協会(IEEE)802.11ac規格に従って伝送された、超高スループット−長トレーニング・フィールド(VHT−LTF)シンボルを備えることができる。受信通信デバイス114は、受信シンボル(例えば、データ・シンボル)を復調及び/又は復号するために、チャネル推定を用いて1つ又は複数の送信通信デバイス102からデータを受信することができる(810)。
【0073】
図7は、キャリア位相をトラックするための方法900のより詳しい構成を示すフロー図である。例えば、
図7は、
図6に示した方法800と同様の方法900を、より詳細に示す。基地局114は、1つ又は複数の無線通信デバイス102を発見することができる(902)。例えば、基地局114は、基地局114と通信しようとする試みを示す無線通信デバイス102からのメッセージ又はシンボルを受信することができる。基地局114の例は、アクセス・ポイント、セルラ基地局、無線ルータ等を含む。基地局114は、1つ又は複数の無線通信デバイス102から複数のOFDMパイロット・シンボルを受信することができる(904)。OFDMパイロット・シンボルは、同一のOFDMパイロット・シンボルの少なくとも1つのペア(又は、例えば同一のOFDMパイロット・シンボルのマルチプル)を有する、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス106と一致することができる。例えば、OFDMパイロット・シンボルは、複数の空間ストリーム124を用いて受信されうる(904)。ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス106の各行は、空間ストリーム124のうちの1つ(例えば、空間ストリーム124のうちの1つにおいて受信されたOFDMパイロット・シンボルのシーケンス)に対応しうる。ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス106の各列は、パイロット・シンボル又はパイロット・シンボルのセットに対応しうる。OFDMパイロット・シンボルの少なくとも1つのペア(例えば、列又はOFDMパイロット・シンボルのセット)は同じである、あるいは同じパイロット・シンボル値を有することができる。ノンゼロ特異値(例えば、固有値)を有する又は線形独立である行(例えば、OFDMパイロット・シンボルのシーケンス)の数は、空間ストリーム又は列の数よりも少ないものでありえ、これは、パイロット・マッピング・マトリクスがランク不足である又はフルランクに満たないことを示している。
【0074】
基地局114は、同一のOFDMパイロット・シンボルの少なくとも1つのペアに基づいて、1つ又は複数の位相推定を決定することができる(906)。例えば、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス106は、反復されたOFDMパイロット・シンボルの少なくとも1つのセットを含むことができる。例えば、4×4のランク不足パイロット・マッピング・マトリクス106において、第1及び第3のパイロット・シンボル(例えば、第1及び第3のセット又は列)は同じでありうる。追加的に又は代替的に、第2及び第4のパイロット・シンボル(例えば、第2及び第4のセット又は列)は同じでありうる。基地局114は、位相推定を決定する(906)ために、オリジナルおよび反復されたOFDMパイロット・シンボル(又はパイロット・シンボル・セット)の相関(例えば、相互相関)又は位相差を決定することができる。4×4のランク不足パイロット・マッピング・マトリクス106の例を続けると、基地局114は、1つ又は複数の位相推定を決定する(906)ために、第1および第3のパイロット・シンボル(例えば、第1および第3のセット又は列)の間の、ならびに第2および第4のパイロット・シンボル(例えば、第2および第4のセット又は列)の間の相関(例えば、相互相関)又は位相差を決定することができる。トレーニング期間444中に1つ又は複数の位相推定を決定する(906)ことは、例えば、位相及び/又は周波数オフセットを低減しうる。すなわち、1つ又は複数の位相推定は、トレーニング期間444中に決定されうる、又はトレーニング期間444中に受信されたパイロット・シンボルに基づいて決定されうる。
【0075】
基地局114は、1つ又は複数の位相推定に基づいてチャネルを推定することができる(908)。例えば、基地局114は、チャネル推定を得るために1つ又は複数の位相推定を用いることができる。チャネル推定は、より正確な(例えば、位相及び/又は周波数オフセットが低減された)ものでありうる1つ又は複数の位相推定に基づくので、より正確な(例えば、位相及び/又は周波数オフセットが低減された)ものとなりうる。1つ又は複数の位相推定は、トレーニング期間444中に決定されたので、又はトレーニング期間444中に受信されたシンボルに基づいて決定されたので、より正確なものとなりうる。基地局114は、受信シンボル(例えば、データ・シンボル)を復調及び/又は復号するために、チャネル推定を用いて1つ又は複数の無線通信デバイス102からデータを受信することができる(910)。
【0076】
図8は、フルランク・パイロット・マッピング・マトリクス1054の一例を示す図である。この例では、フルランク・パイロット・マッピング・マトリクス1054は、パイロット・シンボル・シーケンスA1056a、B1056b、C1056c、及びD1056dを含む。フルランク・パイロット・マッピング・マトリクス1054はまた、パイロット・シンボル・セット(例えば、列)A1058a、B1058b、C1058c、及びD1058dを含む。フルランク・パイロット・マッピング・マトリクス1054は、トレーニング期間444中に送信及び/又は受信されうる。図示したように、各パイロット・シンボル・シーケンス1056a−dは、フルランク・パイロット・マッピング・マトリクス1054の行に対応する。各パイロット・シンボル・シーケンス1056a−dはまた、空間ストリーム124に対応することもできる。フルランク・パイロット・マッピング・マトリクス1054では、各パイロット・シンボル・シーケンス1056a−dは、ノンゼロ特異値(例えば、固有値)を有し、及び/又は線形独立であり、ランク4を示している。このランクは、4×4マトリクスにおいて可能な最大であるので、パイロット・マッピング・マトリクス1054はフルランクである。例えば、ランク(例えば、4)は空間ストリームの数(例えば、4)に等しく、これはパイロット・シンボル・シーケンス1056a−dに対応するので、パイロット・マッピング・マトリクス1054はフルランクである。
【0077】
本明細書に開示されたシステム及び方法が用いられないときには、例えば、フルランク・パイロット・マッピング・マトリクス1054は、受信通信デバイス(例えば、基地局、アクセス・ポイント等)が、(パイロット・シンボル・シーケンス1056a−dに対応する)空間ストリームの全てについて位相(例えば、位相オフセット)を計算することを可能にしうる。しかし、パイロット・シンボル・セット1058a−dの各々は異なるので、トレーニング期間444中に位相ドリフト又は位相推定を決定するために、1つのパイロット・シンボル・セット1058と別のパイロット・シンボル・セット1058とを容易に比較することはできない。
【0078】
図9は、本明細書に開示されたシステム及び方法に従って用いられうるランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1160の一例を示す図である。この例では、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1160は、パイロット・シンボル・シーケンスA1162a、B1162b、C1162c、及びD1162dを含む。ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1160はまた、パイロット・シンボル・セット(例えば、列)A1164a、B1164b、C1164c、及びD1164dを含む。ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1160は、トレーニング期間444中、送信及び/又は受信されうる。示されるように、各パイロット・シンボル・シーケンス1162a−dは、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1160の行に対応する。各パイロット・シンボル・シーケンス1162a−dはまた、空間ストリーム124に対応しうる。ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1160において、パイロット・シンボル・シーケンス1162a−dのうちの1つ又は複数は、ノンゼロ特異値(例えば、固有値)を有していない、及び/又は線形独立ではないものでありうる。
図9に示される例では、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1160はランク2である。このランクは、4×4マトリクスにおいて可能な最大ではないので、パイロット・マッピング・マトリクス1160はランク不足である。例えば、ランク(例えば、2)が、パイロット・シンボル・シーケンス1162a−dに対応する空間ストリームの数(例えば、4)よりも少ないので、パイロット・マッピング・マトリクス1160はランク不足である。
【0079】
本明細書に開示されたシステム及び方法によれば、例えば、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1160は、受信通信デバイス(例えば、基地局、アクセス・ポイント等)114がトレーニング期間444中に1つ又は複数の位相ドリフト及び/又は位相推定を決定することを可能にしうる。
図9に示されるように、パイロット・シンボル・セットA1164a及びパイロット・シンボル・セットC1164cは、同一のパイロット・シンボルA1166aである。さらに、パイロット・シンボル・セットB1164b及びパイロット・シンボル・セットD1164dは、同一のパイロット・シンボルB1166bである。言い換えれば、パイロット・シンボル・セットA1164a及びC1164cは、(同じパイロット値を有する)同一のパイロット・シンボルのペアA1166aであり、パイロット・シンボル・セットB1164b及びD1164dは、(同じパイロット値を有する)同一のパイロット・シンボルのペアB1166bである。
【0080】
受信通信デバイス114は、1つ又は複数の位相推定を決定するために、同一のパイロット・シンボル1166のペア(又は例えばマルチプル)を用いることができる。例えば、受信通信デバイス114は、1つ又は複数の位相推定を決定するために、同一のパイロット・シンボルのペアA1166aを用いることができる。より具体的には、受信通信デバイス114は、位相推定を決定するために、パイロット・シンボル・セットA1164aとパイロット・シンボル・セットC1164cとの間の相関(例えば、相互相関)又は位相差を決定することができる。受信通信デバイス114はまた、1つ又は複数の位相推定を決定するために、パイロット・シンボル・セットB1164bとパイロット・シンボル・セットC1164cと(例えば、同一のパイロット・シンボルB1166b)の間の相関(例えば、相互相関)又は位相差を決定することができる。
【0081】
より一般的には、パイロット・マッピング・マトリクス(例えば、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1160)が反復されたパイロット・シンボル(例えば、パイロット・シンボル・セット1164)を含むときには、反復されたパイロット・シンボルの位相は、位相推定を決定するために、(例えば、相関又は位相差を用いて)オリジナル・パイロット・シンボルの位相と比較されうる。しかし、パイロット・マッピング・マトリクス1160はランク不足であるので、受信通信デバイス114は、(パイロット・シンボル・シーケンス1162a−dに対応する)空間ストリームの全てについて位相(例えば、位相オフセット)を決定することはできない。例えば、
図9に示されるランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1160はランク2であるので、(例えばフルランク・パイロット・マッピング・マトリクス1054の場合の4つではなく)2つの独立した位相推定しか決定されることができない。
【0082】
図10は、本明細書に開示されたシステム及び方法に従って用いられうるランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1260の別の例を示す図である。この例では、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1260は、パイロット・シンボル・シーケンスA1262a、B1262b、C1262c、D1262d、E1262e、F1262f、G1262g、及びH1262hを含む。ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1260はまた、パイロット・シンボル・セット(例えば、列)A1264a、B1264b、C1264c、D1264d、E1264e、F1264f、G1264g、及びH1264hを含む。ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1260は、トレーニング期間中、送信及び/又は受信されうる。示されるように、各パイロット・シンボル・シーケンス1262a−hは、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1260の行に対応する。各パイロット・シンボル・シーケンス1262a−hはまた、空間ストリーム124に対応しうる。ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1260において、パイロット・シンボル・シーケンス1262a−hのうちの1つ又は複数は、ノンゼロ特異値(例えば、固有値)を有していない、及び/又は線形独立ではないものでありうる。ランクが、8×8マトリクスにおいて可能な最大ではないので、パイロット・マッピング・マトリクス1260はランク不足である。例えば、ランクが、パイロット・シンボル・シーケンス1262a−hに対応する空間ストリームの数よりも少ないので、パイロット・マッピング・マトリクス1260はランク不足である。
【0083】
本明細書に開示されたシステム及び方法によれば、例えば、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1260は、受信通信デバイス(例えば、基地局、アクセス・ポイント等)114がトレーニング期間中に1つ又は複数の位相ドリフト及び/又は位相推定を決定することを可能にしうる。
図10に示されるように、パイロット・シンボル・セットA1264a及びパイロット・シンボル・セットE1264eは、同一のパイロット・シンボルA1266aである。さらに、パイロット・シンボル・セットB1264bとパイロット・シンボル・セットF1264f、パイロット・シンボル・セットC1264cとパイロット・シンボル・セットG1264g、及びパイロット・シンボル・セットD1264dとパイロット・シンボル・セットH1264hはそれぞれ、同一のパイロット・シンボルB1266b、C1266c、及びD1266dである。言い換えれば、パイロット・シンボル・セットA1264aとE1264e、B1264bとF1264f、C1264cとG1264g、及びD1264dとH1264hはそれぞれ、同一のパイロット・シンボルのペアA1266a、B1266b、C1266c、及びD1266dである。
【0084】
受信通信デバイス114は、1つ又は複数の位相推定を決定するために、同一のパイロット・シンボル1266のペア(又は例えばマルチプル)を用いることができる。例えば、受信通信デバイス114は、1つ又は複数の位相推定を決定するために、同一のパイロット・シンボルのペアA1266aを用いることができる。より具体的には、受信通信デバイス114は、位相推定を決定するために、パイロット・シンボル・セットA1264aとパイロット・シンボル・セットE1264eとの間の相関(例えば、相互相関)又は位相差を決定することができる。受信通信デバイス114はまた、1つ又は複数の位相推定を決定するために、パイロット・シンボル・セットB1264bとF1264f、C1264cとG1264g、及びD1264dとH1264hとの間の相関(例えば、相互相関)又は位相差を決定することができる。
【0085】
より一般的には、パイロット・マッピング・マトリクス(例えば、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1260)が反復されたパイロット・シンボル(例えば、パイロット・シンボル・セット1264)を含むときには、反復されたパイロット・シンボルの位相は、位相推定を決定するために、(例えば、相関又は位相差を用いて)オリジナル・パイロット・シンボルの位相と比較されうる。しかし、パイロット・マッピング・マトリクス1260はランク不足であるので、受信通信デバイス114は、(パイロット・シンボル・シーケンス1262a−hに対応する)空間ストリーム全てについて位相(例えば、位相オフセット)を決定することはできない。例えば、
図10に示されるランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1260はランク4であるので、(例えばフルランク・パイロット・マッピング・マトリクスの場合の8つではなく)4つの独立した位相推定しか決定されることができない。
【0086】
図11は、本明細書に開示されたシステム及び方法に従って用いられうるランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1360の別の例を示す図である。この例では、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1360は、パイロット・シンボル・シーケンスA1362a、B1362b、C1362c、D1362d、E1362e、F1362f、G1362g、及びH1362hを含む。ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1360はまた、パイロット・シンボル・セット(例えば、列)A1364a、B1364b、C1364c、D1364d、E1364e、F1364f、G1364g、及びH1364hを含む。ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1360は、トレーニング期間中、送信及び/又は受信されうる。示されるように、各パイロット・シンボル・シーケンス1362a−hは、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1360の行に対応する。各パイロット・シンボル・シーケンス1362a−hはまた、空間ストリーム124に対応しうる。ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1360において、パイロット・シンボル・シーケンス1362a−hのうちの1つ又は複数は、ノンゼロ特異値(例えば、固有値)を有していない、及び/又は線形独立ではないものでありうる。ランクが、8×8マトリクスにおいて可能な最大ではないので、パイロット・マッピング・マトリクス1360はランク不足である。例えば、ランクが、パイロット・シンボル・シーケンス1362a−hに対応する空間ストリームの数よりも少ないので、パイロット・マッピング・マトリクス1360はランク不足である。例えば、
図11に示されるランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1360はランク4であるので、(たとえば、フルランク・パイロット・マッピング・マトリクスの場合の8つではなく)4つの独立した位相推定しか決定されることができない。
【0087】
本明細書に開示されたシステム及び方法によれば、例えば、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1360は、受信通信デバイス(例えば、基地局、アクセス・ポイント等)114がトレーニング期間中に1つ又は複数の位相ドリフト及び/又は位相推定を決定することを可能にしうる。
図11に示されるように、パイロット・シンボル・セットA1364a及びパイロット・シンボル・セットB1364bは同一のパイロット・シンボルA1366aである。さらに、パイロット・シンボル・セットC1364cとパイロット・シンボル・セットD1364d、パイロット・シンボル・セットE1364eとパイロット・シンボル・セットF1364f、及びパイロット・シンボル・セットG1364gとパイロット・シンボル・セットH1364hはそれぞれ、同一のパイロット・シンボルB1366b、C1366c、及びD1366dである。言い換えれば、パイロット・シンボル・セットA1364aとB1364b、C1364cとD1364d、E1364eとF1364f、及びG1364gとH1364hはそれぞれ、同一のパイロット・シンボルのペアA1366a、B1366b、C1366c、及びD1366dである。
【0088】
受信通信デバイス114は、1つ又は複数の位相推定を決定するために、同一のパイロット・シンボル1366のペア(又は例えばマルチプル)を用いることができる。例えば、受信通信デバイス114は、1つ又は複数の位相推定を決定するために、同一のパイロット・シンボルのペアA1366aを用いることができる。より具体的には、受信通信デバイス114は、位相推定を決定するために、パイロット・シンボル・セットA1364aとパイロット・シンボル・セットB1364bとの間の相関(例えば、相互相関)又は位相差を決定することができる。受信通信デバイス114はまた、1つ又は複数の位相推定を決定するために、パイロット・シンボル・セットC1364cとD1364dとの間、E1364eとF1364fとの間、及びG1364gとH1364hとの間の相関(例えば、相互相関)又は位相差を決定することができる。
【0089】
様々なランク不足パイロット・マッピング・マトリクスが本明細書に開示されたシステム及び方法に従って用いられうることが留意されるべきである。例えば、いくつかの構成又は事例では、特定のランク不足パイロット・マッピング・マトリクスを用いることがより有益となりうる。例えば、位相誤差又はオフセットがより頻繁に変化する場合、
図11に示されるランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1360は、位相推定がより迅速に決定されることを可能にするので、(
図10に示されるランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1260よりも)
図11に示されるランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1360を用いることがより有益となりうる。しかし、ゆっくりと変化する周波数オフセットが存在する場合、(例えば、位相及び/又は周波数オフセットを決定するために)さらに離れたシンボルの位相が用いられうるので、
図10に示されるランク不足パイロット・マッピング・マトリクス1260を用いることがより有益となりうる。送信通信デバイス102及び/又は受信通信デバイス114は、1つの特定のランク不足パイロット・マッピング・マトリクスを用いるように、又はランク不足パイロット・マッピング・マトリクスを変更するように構成されうる。この変更は、例えば、観察された及び/又は予測された位相及び/又は周波数誤差に基づくことができる。
【0090】
図12は、通信デバイスのための位相トラッキングを可能にするためのシステム及び方法が実現されうる受信通信デバイス1414の1つの構成を示すブロック図である。受信通信デバイス1414(例えば、基地局、アクセス・ポイント、無線ルータ等)は、位相及び/又は周波数誤差低減モジュール1416と、シンボル復調及び/又は復号モジュール1480とを含むことができる。位相及び/又は周波数誤差低減モジュール1416とシンボル復調及び/又は復号モジュール1480とは、それぞれ、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせにおいて実現されうる。位相及び/又は周波数誤差低減モジュール1416は、相互相関又は位相デルタ計算モジュール1470及び/又はチャネル推定計算モジュール1476を含むことができる。
【0091】
受信通信デバイス1414は、信号1468を受信することができる。受信信号1468は、1つ又は複数のシンボル126を備えることができる。例えば、受信信号1468は、パイロット・シンボル1472及び/又はデータ・シンボル1482を含むことができる。相互相関又は位相デルタ計算モジュール1470は、1つ又は複数の位相推定1474を計算するために、パイロット・シンボル1472を用いることができる。例えば、相互相関又は位相デルタ計算モジュール1470は、1つ又は複数の位相推定1474を決定するために、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスにおける反復された又は同一のパイロット・シンボル(例えば、パイロット・シンボル・セット)の間の相互相関及び/又は位相デルタを計算することができる。1つ又は複数の位相推定1474は、それらの計算のために、(例えば、トレーニング期間中に)ランク不足パイロット・マッピング・マトリクス内の反復された又は同一のパイロット・シンボルを用いた結果、(低減された位相及び/又は周波数オフセットに対応して)より正確なものとなりうる。
【0092】
チャネル推定計算モジュール1476は、チャネル推定1478を計算するために1つ又は複数の位相推定1474を用いることができる。シンボル復調及び/又は復号モジュール1480は、データ・シンボル1482を復調及び/又は復号するためにチャネル推定1478を用いることができ、それにより復調及び/又は復号されたデータ1484を生成する。復調及び/又は復号されたデータ1484の例は、音声データ(例えば、通話のため)、ならびにネットワーク・データ(例えば、インターネット・データ、文書、ファイル、音楽、ビデオ等)を含む。シンボル復調及び/又は復号は、位相及び/又は周波数オフセットが低減されたより正確なチャネル推定1478を用いる結果、改善されうる。
【0093】
図13は、送信通信デバイス、無線通信デバイス、又はアクセス端末1502内に含まれうる、特定の構成要素を示す。上述の(1つまたは複数の)送信通信デバイス102は、
図13に示される送信通信デバイス、無線通信デバイス、又はアクセス端末1502と同様に構成されうる。
【0094】
送信通信デバイス、無線通信デバイス、又はアクセス端末1502は、プロセッサ1598を含む。プロセッサ1598は、汎用シングルチップまたはマルチチップ・マイクロプロセッサ(例えば、ARM)、専用マイクロプロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP))、マイクロコントローラ、プログラマブル・ゲート・アレイ等であることができる。プロセッサ1598は、中央処理装置(CPU)と称されうる。
図13の送信通信デバイス、無線通信デバイス、又はアクセス端末1502においては単一のプロセッサ1598だけが示されているが、代替的な構成では、プロセッサ(例えば、ARM及びDSP)の組み合わせが使用されることができる。
【0095】
送信通信デバイス、無線通信デバイス、又はアクセス端末1502は、また、プロセッサ1598と電子通信するメモリ1586を含む(すなわち、プロセッサ1598は、メモリ1586から情報を読み取る、及び/又はメモリ1586へ情報を書き込むことができる)。メモリ1586は、電子情報を格納することができる任意の電子部品であることができる。メモリ1586は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、RAM内のフラッシュ・メモリ・デバイス、プロセッサとともに含まれる内蔵メモリ、プログラマブル読取専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、レジスタ等、及びそれらの組み合わせであることができる。
【0096】
データ1588及び命令1590は、メモリ1586内に格納されうる。命令1590は、1つ又は複数のプログラム、ルーチン、サブルーチン、関数、プロシージャ、コード等を含むことができる。命令1590は、単一のコンピュータ読取可能ステートメントまたは多数のコンピュータ読取可能ステートメントを含むことができる。命令1590は、上述の方法600、700を実行するためにプロセッサ1598によって実行可能であることができる。命令1590を実行することは、メモリ1586内に格納されたデータ1588の使用を含みうる。
図13は、いくつかの命令1590a及びデータ1588aがプロセッサ1598にロードされている様子を示す。
【0097】
送信通信デバイス、無線通信デバイス、又はアクセス端末1502は、また、送信通信デバイス、無線通信デバイス、又はアクセス端末1502と、遠隔地(例えば、受信通信デバイス114)との間の信号の送受信を可能にするために、送信機1594及び受信機1596を含むことができる。送信機1594及び受信機1596は、集合的に、トランシーバ1592と称されうる。アンテナ1510が、トランシーバ1592に電気的に結合されうる。送信通信デバイス、無線通信デバイス、又はアクセス端末1502は、また、(図示されないが)複数の送信機、複数の受信機、複数のトランシーバ、及び/又は複数のアンテナを含むことができる。
【0098】
送信通信デバイス、無線通信デバイス、又はアクセス端末1502の様々な構成要素は、電力バス、制御信号バス、ステータス信号バス、データ・バス等を含みうる1つ又は複数のバスによって互いに結合されうる。簡略化のために、
図13では様々なバスがバス・システム1501として示されている。
【0099】
図14は、受信通信デバイス、アクセス・ポイント、又は基地局1614内に含まれうる、特定の構成要素を示す。上述の受信通信デバイス114は、
図14に示される受信通信デバイス、アクセス・ポイント、又は基地局1614と同様に構成されうる。
【0100】
受信通信デバイス、アクセス・ポイント、又は基地局1614は、プロセッサ1615を含む。プロセッサ1615は、汎用シングルチップまたはマルチチップ・マイクロプロセッサ(例えば、ARM)、専用マイクロプロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP))、マイクロコントローラ、プログラマブル・ゲート・アレイ等であることができる。プロセッサ1615は、中央処理装置(CPU)と称されうる。
図14の受信通信デバイス、アクセス・ポイント、又は基地局1614においては単一のプロセッサ1615だけが示されているが、代替的な構成では、プロセッサ(例えば、ARM及びDSP)の組み合わせが使用されることができる。
【0101】
受信通信デバイス、アクセス・ポイント、又は基地局1614は、また、プロセッサ1615と電子通信するメモリ1603を含む(すなわち、プロセッサ1615は、メモリ1603から情報を読み取る、及び/又はメモリ1603へ情報を書き込むことができる)。メモリ1603は、電子情報を格納することができる任意の電子部品であることができる。メモリ1603は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、RAM内のフラッシュ・メモリ・デバイス、プロセッサとともに含まれる内蔵メモリ、プログラマブル読取専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、レジスタ等、及びそれらの組み合わせであることができる。
【0102】
データ1605及び命令1607は、メモリ1603内に格納されうる。命令1607は、1つ又は複数のプログラム、ルーチン、サブルーチン、関数、プロシージャ、コード等を含むことができる。命令1607は、単一のコンピュータ読取可能ステートメントまたは多数のコンピュータ読取可能ステートメントを含むことができる。命令1607は、上述の方法800、900を実行するためにプロセッサ1615によって実行可能であることができる。命令1607を実行することは、メモリ1603内に格納されたデータ1605の使用を含みうる。
図14は、いくつかの命令1607a及びデータ1605aがプロセッサ1615にロードされている様子を示す。
【0103】
受信通信デバイス、アクセス・ポイント、又は基地局1614は、また、受信通信デバイス、アクセス・ポイント、又は基地局1614と、遠隔地(例えば、送信通信デバイス102)との間の信号の送受信を可能にするために、送信機1611及び受信機1613を含むことができる。送信機1611及び受信機1613は、集合的に、トランシーバ1609と称されうる。アンテナ1612が、トランシーバ1609に電気的に結合されうる。受信通信デバイス、アクセス・ポイント、又は基地局1614は、また、(図示されないが)複数の送信機、複数の受信機、複数のトランシーバ、及び/又は複数のアンテナを含むことができる。
【0104】
受信通信デバイス、アクセス・ポイント、又は基地局1614の様々な構成要素は、電力バス、制御信号バス、ステータス信号バス、データ・バス等を含みうる1つ又は複数のバスによって互いに結合されうる。簡略化のために、
図14では様々なバスがバス・システム1617として示されている。
【0105】
以上の説明において、参照番号が様々な用語に関連して何度か用いられた。参照番号に関連して用語が用いられる場合、これは、図面のうちの1つ又は複数の図に示された特定の要素に言及することが意図されている。参照番号なしで用語が用いられる場合、それは、いずれか特定の図に限定されることなく、その用語に一般的に言及することが意図されている。
【0106】
「決定する」という用語は、広範な動作を包含しており、したがって、「決定すること」は、算出すること(calculating)、計算すること(computing)、処理すること、導出すること、調査すること、検索すること(例えば、テーブル、データベース、又は別のデータ構造内を検索すること)、確認すること等を含むことができる。また、「決定すること」は、受信すること(例えば、情報を受信すること)、アクセスすること(例えば、メモリ内のデータにアクセスすること)等も含みうる。また、「決定すること」は、解決すること、選択すること(selecting)、選ぶこと(choosing)、確立すること等も含みうる。
【0107】
「基づいて」という語句は、明確に記載されない限り、「〜のみに基づいて」を意味するものではない。すなわち、「基づいて」と言う語句は、「〜のみに基づいて」と「少なくとも〜に基づいて」との両方を示す。
【0108】
本明細書で説明された機能は、プロセッサ読取可能媒体又はコンピュータ読取可能媒体において1つ又は複数の命令として格納されうる。「コンピュータ読取可能媒体」という用語は、コンピュータ又はプロセッサによってアクセスされることができる任意の利用可能な媒体を指す。限定ではなく一例として、そのような媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、CD−ROMもしくは他の光学ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶デバイス、又は、命令もしくはデータ構造の形態で所望のプログラム・コードを格納するために使用されることができ、コンピュータによってアクセスされることができる、他の任意の媒体を備えることができる。ディスク(disk)及びディスク(disc)は、本明細書で用いられるとき、コンパクト・ディスク(disc)(CD)、レーザ・ディスク(disc)、光学ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)、及びブルーレイ(登録商標)ディスク(disc)を含んでおり、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生するのに対し、ディスク(disc)は、レーザを用いてデータを光学的に再生する。コンピュータ読取可能媒体は、有形および非一時的でありうることが留意されるべきである。「コンピュータ・プログラム製品」という用語は、コンピューティング・デバイス又はプロセッサによって実行、処理、又は計算されうるコード又は命令(例えば、「プログラム」)と組み合わせたコンピューティング・デバイス又はプロセッサを指す。本明細書で使用されるとき、「コード」という用語は、コンピューティング・デバイス又はプロセッサによって実行可能なソフトウェア、命令、コード、又はデータを指しうる。
【0109】
ソフトウェア又は命令は、また、伝送媒体を通じて伝送されることができる。例えば、ソフトウェアが、ウェブサイト、サーバ、又は他の遠隔ソースから、同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、ツイスト・ペア、デジタル加入者線(DSL)、又は赤外線、無線、およびマイクロ波のようなワイヤレス技術を用いて伝送される場合、同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、ツイスト・ペア、DSL、又は赤外線、無線、およびマイクロ波のようなワイヤレス技術は、伝送媒体の定義に含まれる。
【0110】
本明細書に開示された方法は、上述された方法を達成するための1つ又は複数のステップ又はアクションを備える。方法のステップ及び/又はアクションは、特許請求の範囲から逸脱することなく互いに置換されうる。すなわち、説明されている方法の適正な動作のためにステップ又はアクションの特定の順序が必要でない限り、特定のステップ及び/又はアクションの使用及び/又は順序は、特許請求の範囲から逸脱することなく変更されうる。
【0111】
特許請求の範囲は、上述された精密な構成及び構成要素だけに限定されないことが理解されるべきである。本明細書で説明されたシステム、方法、及び装置の配置、動作、及び詳細において、特許請求の範囲から逸脱することなく様々な修正、変更、及び変形例が成立しうる。
以下に、本願の出願当初請求項に記載された発明を付記する。
[C1]
位相トラッキングを可能にするための通信デバイスであって、
プロセッサと、
前記プロセッサと電子通信するメモリと、
前記メモリ内に格納された命令と、を備え、前記命令は、
ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスと一致する複数のパイロット・シンボルを生成し、
前記複数のパイロット・シンボルを伝送する
ように実行可能である、通信デバイス。
[C2]
前記命令は、さらに、データ又はトレーニング・シンボルを伝送するように実行可能である、上記C1に記載の通信デバイス。
[C3]
前記データ又はトレーニング・シンボルは、直交周波数分割多重(OFDM)データ又はトレーニング・シンボルである、上記C2に記載の通信デバイス。
[C4]
前記パイロット・シンボルは、直交周波数分割多重(OFDM)パイロット・シンボルである、上記C1に記載の通信デバイス。
[C5]
前記ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、同一のパイロット・シンボルの少なくとも1つのペアを備える、上記C1に記載の通信デバイス。
[C6]
前記ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスRであり、各行が、異なる空間ストリームにおいて伝送されたパイロット・シンボルに対応し、各列が、異なる直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにおいて伝送されたパイロット・シンボルに対応する、上記C1に記載の通信デバイス。
[C7]
4つの空間ストリーム及び4つの直交周波数分割多重(OFDM)シンボルに関する前記ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、
【数12】
である、上記C1に記載の通信デバイス。
[C8]
6つの空間ストリーム及び6つの直交周波数分割多重(OFDM)シンボルに関する前記ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、
【数13】
である、上記C1に記載の通信デバイス。
[C9]
8つの空間ストリーム及び8つの直交周波数分割多重(OFDM)シンボルに関する前記ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、
【数14】
である、上記C1に記載の通信デバイス。
[C10]
前記複数のパイロット・シンボルは、トレーニング期間中に伝送される、上記C1に記載の通信デバイス。
[C11]
前記トレーニング期間は、電気電子技術者協会(IEEE)802.11ac規格に従って伝送された超高スループット−長トレーニング・フィールド(VHT−LTF)シンボルを備える、上記C10に記載の通信デバイス。
[C12]
前記パイロット・シンボルは、超高スループット−長トレーニング・フィールド(VHT−LTF)においてパイロット・トーンのために予約されたトーンにおいて伝送される、上記C10に記載の通信デバイス。
[C13]
前記通信デバイスは無線通信デバイスである、上記C1に記載の通信デバイス。
[C14]
位相をトラックするための通信デバイスであって、
プロセッサと、
前記プロセッサと電子通信するメモリと、
前記メモリ内に格納された命令と、を備え、前記命令は、
送信通信デバイスから、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスと一致する複数のパイロット・シンボルを受信し、
前記パイロット・シンボルに基づいて位相推定を決定し、
前記位相推定及び前記パイロット・シンボルに基づいてチャネルを推定し、
前記チャネル推定を用いて前記送信通信デバイスからデータを受信する
ように実行可能である、通信デバイス。
[C15]
前記パイロット・シンボルは、直交周波数分割多重(OFDM)パイロット・シンボルである、上記C14に記載の通信デバイス。
[C16]
前記ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、同一のパイロット・シンボルの少なくとも1つのペアを備える、上記C14に記載の通信デバイス。
[C17]
前記ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスRであり、各行が、異なる空間ストリームにおいて伝送されたパイロット・シンボルに対応し、各列が、異なる直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにおいて伝送されたパイロット・シンボルに対応する、上記C14に記載の通信デバイス。
[C18]
前記位相推定は、全ての空間ストリームにおいて伝送された、ただし、異なる直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにわたって伝送された、同一のパイロット・シンボルに基づいて決定される、上記C14に記載の通信デバイス。
[C19]
前記命令は、さらに、同一のパイロット・シンボルの前記少なくとも1つのペアに基づいて前記位相推定を決定するように実行可能である、上記C16に記載の通信デバイス。
[C20]
前記位相推定は、前記同一のパイロット・シンボルの相互相関を計算することによって決定される、上記C16に記載の通信デバイス。
[C21]
前記位相推定は、前記同一のパイロット・シンボルの位相デルタを計算することによって決定される、上記C16に記載の通信デバイス。
[C22]
前記位相推定は、全ての空間ストリームにおいて伝送された、ただし、異なる直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにわたって伝送された、同一のパイロット・シンボルの相互相関を計算することによって決定される、上記C14に記載の通信デバイス。
[C23]
前記位相推定は、全ての空間ストリームにおいて伝送された、ただし、異なる直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにわたって伝送された、同一のパイロット・シンボルの位相デルタを計算することによって決定される、上記C14に記載の通信デバイス。
[C24]
前記複数のパイロット・シンボルは、トレーニング期間中に受信される、上記C14に記載の通信デバイス。
[C25]
前記トレーニング期間は、電気電子技術者協会(IEEE)802.11ac規格に従って伝送された超高スループット−長トレーニング・フィールド(VHT−LTF)シンボルを備える、上記C24に記載の通信デバイス。
[C26]
前記位相推定は、トレーニング期間中に決定される、上記C14に記載の通信デバイス。
[C27]
前記トレーニング期間は、電気電子技術者協会(IEEE)802.11ac規格に従って伝送された超高スループット−長トレーニング・フィールド(VHT−LTF)シンボルを備える、上記C26に記載の通信デバイス。
[C28]
前記チャネルは、トレーニング期間中に推定される、上記C14に記載の通信デバイス。
[C29]
前記トレーニング期間は、電気電子技術者協会(IEEE)802.11ac規格に従って伝送された超高スループット−長トレーニング・フィールド(VHT−LTF)シンボルを備える、上記C28に記載の通信デバイス。
[C30]
前記通信デバイスは基地局である、上記C14に記載の通信デバイス。
[C31]
位相トラッキングを可能にするための方法であって、
通信デバイスにおいて、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスと一致する複数のパイロット・シンボルを生成することと、
前記複数のパイロット・シンボルを伝送することと
を備える方法。
[C32]
データ又はトレーニング・シンボルを伝送することをさらに備える、上記C31に記載の方法。
[C33]
前記データ又はトレーニング・シンボルは、直交周波数分割多重(OFDM)データ又はトレーニング・シンボルである、上記C32に記載の方法。
[C34]
前記パイロット・シンボルは、直交周波数分割多重(OFDM)パイロット・シンボルである、上記C31に記載の方法。
[C35]
前記ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、同一のパイロット・シンボルの少なくとも1つのペアを備える、上記C31に記載の方法。
[C36]
前記ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスRであり、各行が、異なる空間ストリームにおいて伝送されたパイロット・シンボルに対応し、各列が、異なる直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにおいて伝送されたパイロット・シンボルに対応する、上記C31に記載の方法。
[C37]
4つの空間ストリーム及び4つの直交周波数分割多重(OFDM)シンボルに関する前記ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、
【数15】
である、上記C31に記載の方法。
[C38]
6つの空間ストリーム及び6つの直交周波数分割多重(OFDM)シンボルに関する前記ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、
【数16】
である、上記C31に記載の方法。
[C39]
8つの空間ストリーム及び8つの直交周波数分割多重(OFDM)シンボルに関する前記ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、
【数17】
である、上記C31に記載の方法。
[C40]
前記複数のパイロット・シンボルは、トレーニング期間中に伝送される、上記C31に記載の方法。
[C41]
前記トレーニング期間は、電気電子技術者協会(IEEE)802.11ac規格に従って伝送された超高スループット−長トレーニング・フィールド(VHT−LTF)シンボルを備える、上記C40に記載の方法。
[C42]
前記パイロット・シンボルは、超高スループット−長トレーニング・フィールド(VHT−LTF)においてパイロット・トーンのために予約されたトーンにおいて伝送される、上記C40に記載の方法。
[C43]
前記通信デバイスは無線通信デバイスである、上記C31に記載の方法。
[C44]
位相をトラックするための方法であって、
通信デバイスによって、送信通信デバイスから、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスと一致する複数のパイロット・シンボルを受信することと、
前記通信デバイスによって、前記パイロット・シンボルに基づいて位相推定を決定することと、
前記位相推定及び前記パイロット・シンボルに基づいてチャネルを推定することと、
前記チャネル推定を用いて前記送信通信デバイスからデータを受信することと
を備える方法。
[C45]
前記パイロット・シンボルは、直交周波数分割多重(OFDM)パイロット・シンボルである、上記C44に記載の方法。
[C46]
前記ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、同一のパイロット・シンボルの少なくとも1つのペアを備える、上記C44に記載の方法。
[C47]
前記ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスは、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスRであり、各行が、異なる空間ストリームにおいて伝送されたパイロット・シンボルに対応し、各列が、異なる直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにおいて伝送されたパイロット・シンボルに対応する、上記C44に記載の方法。
[C48]
前記位相推定は、全ての空間ストリームにおいて送信された、ただし、異なる直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにわたって伝送された、同一のパイロット・シンボルに基づいて決定される、上記C44に記載の方法。
[C49]
同一のパイロット・シンボルの前記少なくとも1つのペアに基づいて前記位相推定を決定することをさらに備える、上記C46に記載の方法。
[C50]
前記位相推定は、前記同一のパイロット・シンボルの相互相関を計算することによって決定される、上記C46に記載の方法。
[C51]
前記位相推定は、前記同一のパイロット・シンボルの位相デルタを計算することによって決定される、上記C46に記載の方法。
[C52]
前記位相推定は、全ての空間ストリームにおいて伝送された、ただし、異なる直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにわたって伝送された、同一のパイロット・シンボルの相互相関を計算することによって決定される、上記C44に記載の方法。
[C53]
前記位相推定は、全ての空間ストリームにおいて伝送された、ただし、異なる直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにわたって伝送された、同一のパイロット・シンボルの位相デルタを計算することによって決定される、上記C44に記載の方法。
[C54]
前記複数のパイロット・シンボルは、トレーニング期間中に受信される、上記C44に記載の方法。
[C55]
前記トレーニング期間は、電気電子技術者協会(IEEE)802.11ac規格に従って伝送された超高スループット−長トレーニング・フィールド(VHT−LTF)シンボルを備える、上記C54に記載の方法。
[C56]
前記位相推定は、トレーニング期間中に決定される、上記C44に記載の方法。
[C57]
前記トレーニング期間は、電気電子技術者協会(IEEE)802.11ac規格に従って伝送された超高スループット−長トレーニング・フィールド(VHT−LTF)シンボルを備える、上記C56に記載の方法。
[C58]
前記チャネルは、トレーニング期間中に推定される、上記C44に記載の方法。
[C59]
前記トレーニング期間は、電気電子技術者協会(IEEE)802.11ac規格に従って伝送された超高スループット−長トレーニング・フィールド(VHT−LTF)シンボルを備える、上記C58に記載の方法。
[C60]
前記通信デバイスは基地局である、上記C44に記載の方法。
[C61]
命令を有する非一時的な有形のコンピュータ読取可能媒体を備える、位相トラッキングを可能にするためのコンピュータ・プログラム製品であって、前記命令は、
通信デバイスに、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスと一致する複数のパイロット・シンボルを生成させるためのコードと、
前記通信デバイスに、前記複数のパイロット・シンボルを伝送させるためのコードと
を備える、コンピュータ・プログラム製品。
[C62]
前記複数のパイロット・シンボルは、トレーニング期間中に伝送される、上記C61に記載のコンピュータ・プログラム製品。
[C63]
命令を有する非一時的な有形のコンピュータ読取可能媒体を備える、位相をトラックするためのコンピュータ・プログラム製品であって、前記命令は、
通信デバイスに、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスと一致する複数のパイロット・シンボルを送信通信デバイスから受信させるためのコードと、
前記通信デバイスに、前記パイロット・シンボルに基づいて位相推定を決定させるためのコードと、
前記通信デバイスに、前記位相推定及び前記パイロット・シンボルに基づいてチャネルを推定させるためのコードと、
前記通信デバイスに、前記チャネル推定を用いて前記送信通信デバイスからデータを受信させるためのコードと
を備える、コンピュータ・プログラム製品。
[C64]
前記位相推定は、トレーニング期間中に決定される、上記C63に記載のコンピュータ・プログラム製品。
[C65]
位相トラッキングを可能にするための装置であって、
ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスと一致する複数のパイロット・シンボルを生成するための手段と、
前記複数のパイロット・シンボルを伝送するための手段と
を備える装置。
[C66]
前記複数のパイロット・シンボルは、トレーニング期間中に伝送される、上記C65に記載の装置。
[C67]
位相をトラックするための装置であって、
送信通信デバイスから、ランク不足パイロット・マッピング・マトリクスと一致する複数のパイロット・シンボルを受信するための手段と、
前記パイロット・シンボルに基づいて位相推定を決定するための手段と、
前記位相推定及び前記パイロット・シンボルに基づいてチャネルを推定するための手段と、
前記チャネル推定を用いて前記送信通信デバイスからデータを受信するための手段と
を備える装置。
[C68]
前記位相推定は、トレーニング期間中に決定される、上記C67に記載の装置。