特許第5934379号(P5934379)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5934379カップリングゲートの改善されたストラッピングを有するスプリットゲート型不揮発性浮遊ゲートメモリセルのアレイ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5934379
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月15日
(54)【発明の名称】カップリングゲートの改善されたストラッピングを有するスプリットゲート型不揮発性浮遊ゲートメモリセルのアレイ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/8247 20060101AFI20160602BHJP
   H01L 27/115 20060101ALI20160602BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20160602BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20160602BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20160602BHJP
【FI】
   H01L27/10 434
   H01L29/78 371
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-542318(P2014-542318)
(86)(22)【出願日】2012年10月22日
(65)【公表番号】特表2015-508566(P2015-508566A)
(43)【公表日】2015年3月19日
(86)【国際出願番号】US2012061387
(87)【国際公開番号】WO2013074250
(87)【国際公開日】20130523
【審査請求日】2015年9月28日
(31)【優先権主張番号】13/299,320
(32)【優先日】2011年11月17日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500147506
【氏名又は名称】シリコン ストーリッジ テクノロージー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILICON STORAGE TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ガザヴィ パーヴィス
(72)【発明者】
【氏名】トラン ヒュー ヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ワン シウ−ルーン
(72)【発明者】
【氏名】ドー ニャン
(72)【発明者】
【氏名】オンマニ ヘンリー エイ
【審査官】 小山 満
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0008141(US,A1)
【文献】 特開2000−307075(JP,A)
【文献】 特開平02−250372(JP,A)
【文献】 特開2009−044164(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第101625893(CN,A)
【文献】 米国特許第06522004(US,B1)
【文献】 欧州特許出願公開第01047134(EP,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0039410(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/8247
H01L 21/336
H01L 27/115
H01L 29/788
H01L 29/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不揮発性メモリセルのアレイであって、
上面を有する第1の導電型の半導体基板と、
前記基板内に前記上面に沿って存在し、各々が行方向に延びる、複数の離間した第2の導電型の第1の領域と、
前記基板内に前記上面に沿って存在し、各々が、関連付けられた1つの第1の領域から、前記行方向に直交する列方向で離間する、複数の離間した第2の導電型の第2の領域と、
各々が、1つの第2の領域とその関連付けられた第1の領域との間に前記列方向で存在する、複数の離間したチャネル領域であって、前記チャネル領域の各々が、第1の部分と第2の部分とを有する、複数の離間したチャネル領域と、
各々が、前記複数のチャネル領域の前記第1の部分の上に該第1の部分から絶縁されて配置された、前記行方向に延びる複数の離間したワード線ゲートであって、前記チャネル領域の各々の前記第1の部分が前記第2の領域に直に隣接する、複数の離間したワード線ゲートと、
各々が、前記チャネル領域の前記第2の部分の上に該第2の部分から絶縁されて配置された、複数の離間した浮遊ゲートと、
各々が、前記複数の浮遊ゲートの上に延びて該浮遊ゲートから絶縁された、前記行方向に延びる複数の離間したカップリングゲートと、
前記行方向に延びる複数の離間した金属ストラッピング線であって、各々の金属ストラッピング線は、1つのカップリングゲートに関連付けられて該カップリングゲートの上に重なっており、第1の行内の1つの金属ストラッピング線は、関連付けられた下に重なるカップリングゲートに複数の第1の位置で電気的に接続されており、前記第1の行に直に隣接する行内の1つの金属ストラッピング線は、関連付けられた下に重なるカップリングゲートに複数の第2の位置で接続されており、前記第1の位置と前記第2の位置とが同じ列内にない、複数の離間した金属ストラッピング線と、
各々が、1つの第1の領域の上に該第1の領域から絶縁されて配置され、かつ、1つの浮遊ゲート及びカップリングゲートに隣接して該浮遊ゲート及びカップリングゲートから絶縁された、前記行方向に延びる複数の離間した消去ゲートと、
を含むことを特徴とする、アレイ。
【請求項2】
各消去ゲートが、隣接する1つの浮遊ゲートの一部の上に張り出していることを特徴とする、請求項1に記載のアレイ。
【請求項3】
前記第1の位置が互いに256列離間しており、かつ、前記第2の位置が互いに256列離間していることを特徴とする、請求項1に記載のアレイ。
【請求項4】
前記第1の位置及び前記第2の位置の各々が、互いに128列ずれていることを特徴とする、請求項3に記載のアレイ。
【請求項5】
不揮発性メモリセルのアレイであって、
上面を有する第1の導電型の半導体基板と、
前記基板内に前記上面に沿って存在し、各々が行方向に延びる、複数の離間した第2の導電型の第1の領域と、
前記基板内に前記上面に沿って存在し、各々が、関連付けられた1つの第1の領域から、前記行方向に直交する列方向で離間する、複数の離間した第2の導電型の第2の領域と、
各々が、1つの第2の領域とその関連付けられた第1の領域との間に前記列方向で存在する、複数の離間したチャネル領域であって、前記チャネル領域の各々が、第1の部分と第2の部分とを有する、複数の離間したチャネル領域と、
各々が、前記複数のチャネル領域の前記第1の部分の上に該第1の部分から絶縁されて配置された、前記行方向に延びる複数の離間したワード線ゲートであって、前記チャネル領域の各々の前記第1の部分が前記第2の領域に直に隣接する、複数の離間したワード線ゲートと、
各々が、前記チャネル領域の前記第2の部分の上に該第2の部分から絶縁されて配置された、複数の離間した浮遊ゲートと、
各々が、前記複数の浮遊ゲートの上に延びて該浮遊ゲートから絶縁された、前記行方向に延びる複数の離間したカップリングゲートと、
前記行方向に延びる複数の離間した金属ストラッピング線であって、各々の金属ストラッピング線は、1つのカップリングゲートに関連付けられて該カップリングゲートの上に重なっており、第1の交互行内の各々の金属ストラッピング線は、関連付けられた下に重なるカップリングゲートに複数の第1の位置で電気的に接続されており、前記第1交互行に直に隣接する第2の交互行内の各々の金属ストラッピング線は、関連付けられた下に重なるカップリングゲートに複数の第2の位置で接続されており、前記第1の位置及び前記第2の位置が同じ列内に存在しない、複数の離間した金属ストラッピング線と、
各々が、1つの第1の領域の上に該第1の領域から絶縁されて配置され、かつ、1つの浮遊ゲート及びカップリングゲートに隣接して該浮遊ゲート及びカップリングゲートから絶縁された、前記行方向に延びる複数の離間した消去ゲートと、
を含むことを特徴とする、アレイ。
【請求項6】
各消去ゲートが、隣接する1つの浮遊ゲートの一部の上に張り出していることを特徴とする、請求項5に記載のアレイ。
【請求項7】
前記第1の位置が互いに256列離間しており、かつ、前記第2の位置が互いに256列離間していることを特徴とする、請求項5に記載のアレイ。
【請求項8】
前記第1の位置及び前記第2の位置の各々が、互いに128列ずれていることを特徴とする、請求項7に記載のアレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各々のセルが浮遊ゲート及びカップリングゲートを有する不揮発性メモリセルのアレイ、並びに該カップリングゲートのための改善されたストラッピング機構に関する。
【背景技術】
【0002】
電荷を貯蔵するための浮遊ゲートを有する不揮発性メモリセルは、当該分野で周知である。図1を参照すると、従来技術の不揮発性メモリセル10の断面図が示されている。メモリセル10は、P型などの第1の導電型の半導体基板12を含む。基板12の表面又はその付近には、N型などの第2の導電型の第1の領域14がある。第1の領域14から離間して、やはり第2の導電型の第2の領域16がある。第1の領域14と第2の領域16との間に、チャネル領域18がある。ポリシリコンで作られたワード線20が、チャネル領域18の第1の部分の上に配置される。ワード線20は、(二)酸化シリコン層22でチャネル領域18から離間されている。ワード線20に直に隣接するとともにそこから離間して、やはりポリシリコンで作られた浮遊ゲート24が、チャネル領域18の第2の部分の上に配置される。浮遊ゲート24は、典型的にはこれもまた(二)酸化シリコンで作られた別の絶縁層30によって、チャネル領域18から隔てられている。カップリングゲート26もまたポリシリコンで作られており、浮遊ゲート24の上に別の絶縁層32で絶縁されて配置されている。浮遊ゲート24の別の側には、これもまたポリシリコンで作られた消去ゲート28が離間配置されている。消去ゲート28は、第2の領域16の上にそこから絶縁されて配置されている。消去ゲート28はまた、カップリングゲート26にも直に隣接しているがそこから離間しており、かつ、カップリングゲート26の別の側にも隣接している。消去ゲート28は、浮遊ゲート24の上にわずかに張り出した部分を有する。メモリセル10の動作において、浮遊ゲート24上に貯蔵された電荷(又は浮遊ゲート24上に電荷が存在しないこと)が、第1の領域14と第2の領域16との間の電流の流れを制御する。浮遊ゲート24が電荷を有しているとき、浮遊ゲート24はプログラムされる。浮遊ゲート24が電荷を有していないとき、浮遊ゲート24は消去される。メモリセル10は、その開示が参照により全体として本明細書に組み入れられる特許文献1及び特許文献2に詳しく開示されている。
【0003】
メモリセル10は、以下のように動作する。プログラミング動作中、電荷が浮遊ゲート24の上に貯蔵されているとき、パルスの形の第1の正電圧がワード線20に印加され、ワード線20の下のチャネル領域18の部分を導電性にする。第2の正電圧もパルスの形であり、これがカップリングゲート26に印加される。第3の正電圧もまたパルスの形であり、これが消去ゲート28に印加される。やはりパルスの形の電圧差が第1の領域14と第2の領域16との間に印加される。第1の正電圧、第2の正電圧、第3の正電圧及び電圧差は全て、実質的に同時に印加され、実質的に同時に終了する。第1の領域14からの電子は、第2の領域16の正電圧に引き寄せされる。電子が浮遊ゲート24に近づくにつれて、電子は、カップリングゲート26及び消去ゲート28に印加された電圧によって生じる電界の突然の増大を経験し、浮遊ゲート24上への電荷の注入が生じる。従って、ホットエレクトロン注入機構によってプログラミングが行われる。
【0004】
消去動作中、電荷が浮遊ゲート24から除去されるとき、高い正電圧が消去ゲート28に印加される。接地電圧をカップリングゲート26及び/又はワード線20に印加することができる。浮遊ゲート24上の電荷は、トンネル効果により浮遊ゲート24と消去ゲート28との間の絶縁層を通って、消去ゲート28に引き寄せられる。具体的には、浮遊ゲート24は、消去ゲート28に面した尖った先端部を有するように形成することができ、これにより、浮遊ゲート24からその先端部及び浮遊ゲート24と消去ゲート28との間の絶縁層を通って消去ゲート28に至る電子のファウラー−ノルトハイム(Fowler−Nordheim)トンネル効果が促進される。特許文献1及び特許文献2に開示されているように、浮遊ゲート24の側壁と浮遊ゲート24の上面との間に尖った縁部又は先端部を有することで、消去動作中に電子が浮遊ゲート24から消去ゲート28までより容易にトンネルすることができるようにすることは、有益であり得る。
【0005】
読み出し動作中、第1の正電圧が、ワード線20に印加され、ワード線20の下のチャネル領域18の部分をターンオンする。第2の正電圧が、カップリングゲート26に印加される。電圧差が、第1の領域14と第2の領域16とに印加される。浮遊ゲート24がプログラミングされたものである場合、すなわち浮遊ゲート24が電子を貯蔵している場合、カップリングゲート26に印加された第2の正電圧は、浮遊ゲート24上に貯蔵された負電子に打ち勝つことができないので、浮遊ゲート24の下のチャネル領域18の部分は非導電性のままである。従って、第1の領域14と第2の領域16との間には電流が全く流れないか又は最小量の電流しか流れないことになる。しかし、浮遊ゲート24がプログラミングされていない場合、すなわち浮遊ゲート24が中性のままであるか又はことによると幾らかの正孔すら貯蔵している場合、カップリングゲート26に印加された第2の正電圧は、浮遊ゲート24の下のチャネル領域18の部分を導電性にさせることができる。従って、電流が第1の領域14と第2の領域16との間に流れることになる。
【0006】
従来技術において、メモリセル10は、アレイ50を形成する複数の行及び列で配置される。図2を参照すると、従来技術のメモリセル10のアレイ50の平面図が示されている。複数のメモリセル10は、第1の領域14及びそれに関連付けられた第2の領域16並びにそれらの間のチャネル領域18によって定められる各々のメモリセル10が列方向に延びるように、配置される。さらに、各々のワード線20は、異なる列内の複数のメモリセル10を接続して行方向に延びている。それに加えて、各々のカップリングゲート26もまた、異なる列内の複数のメモリセル10を接続して行方向に延びている。さらに、消去ゲート28は、行方向に延びており、各列内のメモリセル10の対によって共有されている。最後に、第2の領域16は、異なる列内の複数のメモリセル10を接続して行方向に延びている。
【0007】
さらに、従来技術のアレイ50において、カップリングゲート26はストラップされる。ストラップは、各々のカップリングゲート26の上に重なるとともにそこから絶縁された金属ゲート線(図2には示されていないが、カップリングゲート26の上方に置かれている)から成る。周期的に、コンタクト52が、金属ゲート線を関連付けられたカップリングゲート26に電気的に接続する。従来技術において、コンタクト52は、図2に示すように、メモリセル10の各行に対して128列毎に作られる。コンタクト52又はストラッピング点の作製は、潜在的なプロセスマージンの問題を生じさせる可能性がある。具体的には、コンタクト52は同じ位置(たとえ異なる行だとしても列方向に)に配置され、コンタクト52の最小分離54が小さくなる(コンタクト52は消去ゲート28とは異なる面内にあるので、コンタクト52による消去ゲート28上への侵入はないことに留意されたい)。コンタクト52間の最小分離54が小さくなることで、プロセスマージンが小さくなること、すなわちプロセスの逸脱に対する誤差限界の低減が生じかねない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第7,868,375号明細書
【特許文献2】米国特許第6,747,310号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
それゆえ、本発明の1つの目的は、プロセスマージンを大きくすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従って、本発明において、不揮発性メモリセルのアレイは、上面を有する第1の導電型の半導体基板を有する。複数の離間した第2の導電型の第1の領域が、基板内に上面に沿って存在する。各々の第1の領域は、行方向に延びている。第2の導電型の複数の離間した第2の領域が、基板内に上面に沿って存在する。各々の第2の領域は、関連付けられた第1の領域から、行方向と直交する列方向で離間する。チャネル領域が、各々の第2の領域とその関連付けられた第1の領域との間に列方向で定められる。各チャネル領域は、第1の部分と第2の部分とを有する。複数の離間したワード線ゲートが、行方向に延びている。各々のワード線ゲートは、チャネル領域の第1の部分の上に該第1の部分から絶縁されて配置され、チャネル領域の各々の第1の部分は、第2の領域に直に隣接する。複数の離間した浮遊ゲートが、チャネル領域の第2の部分の上に該第2の部分から絶縁されて配置される。複数の離間したカップリングゲートが行方向に延びており、各々のカップリングゲートは、複数の浮遊ゲートの上に延びて該浮遊ゲートから絶縁されている。複数の離間した金属ストラッピング線が行方向に延びており、各々の金属ストラッピング線はカップリングゲートに関連付けられて該カップリングゲートの上に重なっている。第1の金属ストラッピング線は、関連付けられた下に重なるカップリングゲートに複数の第1の位置で接続されて第1の行内にある。第2の金属ストラッピング線は、関連付けられた下に重なるカップリングゲートに複数の第2の位置で接続されて第1の行に直に隣接する行内にある。第1の位置と第2の位置とは、同じ列内にない。複数の離間した消去ゲートが行方向に延びており、各々の消去ゲートは、第1の領域の上に該第1の領域から絶縁されて配置され、浮遊ゲート及びカップリングゲートに隣接して該浮遊ゲート及びカップリングゲートから絶縁されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】従来技術の不揮発性メモリセルの断面図である。
図2】カップリングゲートのストラッピングを有する従来技術のメモリセルのアレイの平面図である。
図3】カップリングゲートの改善されたストラッピングを有する本発明のメモリセルのアレイの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図3を参照すると、本発明のメモリセル10のアレイ100の平面図が示されている。各々のメモリセル10は、図1に示して上述した通りである。メモリセル10は、カップリングゲート26のストラッピング以外は、図2に示して上述したのと同様の方式で接続されている。従って、複数のメモリセル10は、第1の領域14及びその関連付けられた第2の領域16並びにそれらの間のチャネル領域18によって定められる各々のメモリセル10が列方向に延びるように、配置される。さらに、各々のワード線20は、異なる列内の複数のメモリセル10を接続して行方向に延びている。それに加えて、各々のカップリングゲート26もまた、異なる列内の複数のメモリセル10を接続して行方向に延びている。さらに、消去ゲート28は、行方向に延びておち、各列内のメモリセル10の対によって共有されている。最後に、第2の領域16は、異なる列内の複数のメモリセル10を接続して行方向に延びている。
【0013】
しかしながら、カップリングゲート26のストラッピングは以下の通りである。ストラップは、各々のカップリングゲート26の上に重なるとともにそこから絶縁された金属ゲート線(図3には示されていないが、カップリングゲート26の上方に置かれている)から成る。行0に関して、コンタクト52は、列ライン128及び列ライン384において、すなわち256列毎に周期的であるが列128から開始して、金属ゲート線を関連付けられたカップリングゲート26に電気的に接続する。行1に関して、コンタクト52は、列ライン256及び列ライン512において、すなわち256列毎に周期的であるが列256から開始して、金属ゲート線を関連付けられたカップリングゲート26に電気的に接続する。従って、列0及び1のストラッピングは、同じ周期性を有するが、互いに128列ずれている。列2に関して、ストラッピングは、列0のストラッピングと同じであり、すなわち列ライン128及び列ライン384で、すなわち256列毎に周期的に、ストラッピングする。列3の場合、ストラッピングは列1のストラッピングと同じであり、すなわち列ライン256及び列ライン512で、すなわち256列毎に周期的に、ストラッピングする。
【0014】
本発明によるストラッピングの利点は、図3を参照すると分かる。図3から分かるように、ストラップされているコンタクト52に最も近い構造部は、距離154で隔てられたカップリングゲート26である。メモリセル10がさらにスケール変更されると(すなわちサイズが縮小されると)、従来技術のアレイ50(図2に示すような)のコンタクト52間の距離54は、ますます短くなり、プロセスマージン誤差をもたらしかねない。対照的に、コンタクト52を千鳥状に配置することで、すなわちコンタクト52が同じ列内に存在しないようにそれらを千鳥状にすることで、コンタクト52と最も近い構造部との間の距離154をより長くすることができ、そのことにより、メモリセル10がスケール変更されたときのプロセスマージン誤差の余地をより大きくすることができる
【0015】
アレイ100は、制御ゲート26のストラップを256列毎のコンタクト52で作製するように記載されているが、コンタクト52の周期性は変更することができる。しかしながら、周期性を高めること、すなわちコンタクト52間の間隔を狭めることは、ポリシリコン制御ゲート26に供給される信号/電力の抵抗率を小さくするので望ましいが、ストラッピングの周期性を高めるという不利益がある。具体的には、ストラップ効率は、
=(ワード線に平行な幅方向で全てのストラップが占める面積)/(ワード線に平行な幅方向でビット線が占める面積)*100
として定義される。
【0016】
プロセスノードを例えば70nmとすると、従来技術のアレイ50のストラッピング効率を、128列毎のストラッピングで求めると、15.52%であった。しかしながら、本発明のアレイ100では、同じプロセスノードにおいて、同じメモリセル10サイズで、すなわち256列毎のストラッピングで、ストラッピング効率を求めると、やはり15.52%であった。しかしながら、ストラッピングの周期性は低くなるとはいえ、カップリングゲート28の抵抗率の上昇に対する耐性(tolerance)は許容できることが見いだされた。これは、カップリングゲート28が、読出し(浮遊ゲート24の貯蔵状態を補償するため)中及びプログラム中に電圧を供給するためにのみ機能し、カップリングゲート28に流入する又はカップリングゲート28から流出する電流は必要ないことによる。
【0017】
列内で互いに直に隣接するコンタクトの内の一方を除去することにより、制御ゲートストラップの上部及び下部の間により広い空間が作り出され、それにより、ワード線ポリシリコンのエッチングのためのプロセスウインドウが改善される。結果として、ストラップの高さは変化するが、ワード線方向に沿ったストラップ幅は変化しない。
【0018】
上記のことから、プロセスマージンを高める、改善されたカップリングゲート・ストラッピングを有する不揮発性メモリセルのアレイが開示されていることが分かる。
【符号の説明】
【0019】
10:メモリセル
12:半導体基板
14:第1の領域
16:第2の領域
18:チャネル領域
20:ワード線
22、30、32:絶縁層
24:浮遊ゲート
26:カップリングゲート(制御ゲート)
28:消去ゲート
50、100:アレイ
図1
図2
図3