(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5934765
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月15日
(54)【発明の名称】無線ディジタルコンテンツの管理のための方法及びメモリカード
(51)【国際特許分類】
H04B 1/38 20150101AFI20160602BHJP
G06K 19/077 20060101ALI20160602BHJP
H04N 5/765 20060101ALI20160602BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20160602BHJP
G06F 13/12 20060101ALI20160602BHJP
【FI】
H04B1/38
G06K19/077 244
H04N5/91 L
H04N5/225 F
G06F13/12 330A
G06F13/12 340A
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-191685(P2014-191685)
(22)【出願日】2014年9月19日
(62)【分割の表示】特願2010-530966(P2010-530966)の分割
【原出願日】2009年8月12日
(65)【公開番号】特開2015-92656(P2015-92656A)
(43)【公開日】2015年5月14日
【審査請求日】2014年9月29日
(31)【優先権主張番号】PCT/SG2008/000327
(32)【優先日】2008年9月4日
(33)【優先権主張国】SG
(73)【特許権者】
【識別番号】510098973
【氏名又は名称】ティー―データ・システムズ(エス)ピーティーイー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100093861
【弁理士】
【氏名又は名称】大賀 眞司
(74)【代理人】
【識別番号】100129218
【弁理士】
【氏名又は名称】百本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】タン、ジョン・ヨン、ウェイン
【審査官】
石田 昌敏
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−357182(JP,A)
【文献】
特開2005−167634(JP,A)
【文献】
特開2004−343663(JP,A)
【文献】
国際公開第2006/118860(WO,A1)
【文献】
特開2006−216011(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/38− 1/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディジタルデータをディジタルカメラの外部に独立してエクスポートすること、又はディジタルデータを前記ディジタルカメラの外部から独立してインポートすること、を行うことができない内蔵プロセッサ、を有する前記ディジタルカメラにおいて使用されるように構成されたメモリカードであって、
前記メモリカードは、
前記ディジタルカメラによってディジタルデータの受信を制御するように構成されているとともに、前記ディジタルデータが前記ディジタルカメラによって取得された時に前記ディジタルカメラから前記ディジタルデータの送信を制御するように構成された中央プロセッサと、
前記中央プロセッサに動作可能に接続された無線トランシーバモジュールと、
前記中央プロセッサに動作可能に接続されているとともに、前記ディジタルカメラに送信された前記ディジタルデータを受信したり前記ディジタルデータをエクスポートするために前記ディジタルカメラによって撮影された前記ディジタルデータを格納するように構成された記憶モジュールと、
を具備し、
前記メモリカードの前記中央プロセッサは、前記メモリカードが物理的にかつ動作可能に前記ディジタルカメラに取り込まれていると動作可能であり、かつ、前記ディジタルカメラが前記ディジタルデータのエクスポート又は受信することを行いうる所定のモードである時に、ユーザによる選択のためのメニュー項目を示すとともにインデックス画像内において各々分かれた複数の画像を表すことによって、これから先の動作を決定するためのメニューを前記ディジタルカメラのスクリーン上に表示するためのインデックス画像ファイルを前記内蔵プロセッサに送り、
前記メニューの項目のうちの1つの項目が、前記ディジタルカメラの制御ボタンを用いて選択されると、前記無線トランシーバモジュールを通して無線ネットワークの位置に前記ディジタルデータをエクスポートするように制御させるよう前記ディジタルカメラの前記内蔵プロセッサを制御し、
前記メニューの項目のうちその他の1つの項目が、前記ディジタルカメラの制御ボタンを用いて選択されると、前記無線トランシーバモジュールを通して遠隔画像収集装置から前記ディジタルデータを受信するよう前記ディジタルカメラの前記内蔵プロセッサに制御し、
前記ディジタルカメラが前記所定のモードである時に、前記中央プロセッサは、前記ディジタルカメラの自動オフ又は自動シャットダウンのいずれかを無効にするようにされている
メモリカード。
【請求項2】
前記メモリカードは、前記メモリカードが接続可能な候補無線ネットワークを検出するように構成されている、請求項1に記載のメモリカード。
【請求項3】
前記メモリカードは、前記ディジタルカメラに物理的かつ動作可能に結合し、通常のメモリカードと同じやり方で、前記内蔵プロセッサは前記メモリカードを通常のメモリカードとみなすように前記内蔵プロセッサに動作可能に接続するように構成されている、請求項1に記載のメモリカード。
【請求項4】
選択された前記メニュー項目は、
前記内蔵プロセッサが前記ディジタルデータを処理することに使用されるかどうか、
前記中央プロセッサ及び前記無線トランシーバモジュールが前記メモリカードから前記ディジタルデータを無線でエクスポートするために使用されるかどうか、又は、
前記中央プロセッサ及び前記無線トランシーバモジュールが前記ディジタルデータを無線で受信するために使用されるかどうか、
を決定する、請求項1乃至3の何れか1項に記載のメモリカード。
【請求項5】
前記メモリカードは、
前記中央プロセッサ及び前記無線トランシーバモジュールが前記ディジタルデータを送信する送信先として、又は、前記中央プロセッサ及び前記無線トランシーバモジュールが前記ディジタルデータを受信する受信元としての少なくとも1つのアドレスを含む、請求項1乃至4の何れか1項に記載のメモリカード。
【請求項6】
前記ディジタルカメラは、ディジタルカメラ、ディジタルビデオカメラ、ディジタルボイスレコーダ、及びディジタルダイヤリ、を含むグループから選択される、請求項1乃至5の何れか1項に記載のメモリカード。
【請求項7】
ディジタルデータをディジタルカメラの外部に無線でエクスポートすること、又はディジタルデータを前記ディジタルカメラの外部から無線でインポートすること、を独立して行うことができない内蔵プロセッサ、を有するディジタルカメラによって、ディジタルデータをエクスポートすること、又はディジタルデータを受信するための方法であって、
前記方法は、
メモリカードを物理的に動作可能に前記ディジタルカメラに接続すること、
前記ディジタルカメラが前記ディジタルデータのエクスポート又は受信することを行いうる所定のモードを選択すること、
前記ディジタルカメラが前記所定のモードである時に、前記メモリカードの中央プロセッサから前記ディジタルカメラに、インデックス画像内において各々分かれた画像であってユーザによる選択のためのメニュー項目を示す複数の画像を表すことによって、これから先の動作を決定するためのメニューを提供するためのインデックス画像ファイルを送ること、
前記メモリカードの無線トランシーバモジュールを通して前記ディジタルデータを無線ネットワークの位置にエクスポートするよう前記ディジタルカメラの前記内蔵プロセッサを制御するために、前記ディジタルカメラの制御ボタンを用いて前記メニューの項目のうちの1つの項目を選択すること、
前記無線トランシーバモジュールを通して遠隔画像収集装置から前記ディジタルデータを受信するよう前記ディジタルカメラの前記内蔵プロセッサを制御するために、前記メニューの項目のうちその他の1つの項目を前記ディジタルカメラの制御ボタンを用いて選択すること、及び、
前記ディジタルカメラが前記所定のモードである時に、前記中央プロセッサが、前記ディジタルカメラの自動オフ又は自動シャットダウンのいずれかを無効にするようにされていること
を含む、方法。
【請求項8】
前記メモリカードは、通常のメモリカードと同様の方法で前記ディジタルカメラに動作可能に接続するとともに、前記内蔵プロセッサが前記メモリカードを通常のメモリカードとしてみなす、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ディジタルカメラが前記所定のモードである時に、前記ディジタルカメラの前記制御ボタンが、前記中央プロセッサを制御するために使用できる、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記ディジタルデータは、請求項1乃至6の何れか1項に記載されたメモリカードを有する別のディジタルカメラにエクスポートされるか、又は前記別のディジタルカメラからインポートされる、請求項7乃至9の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記遠隔画像収集装置は無線送信能力を有する、請求項7乃至10の何れか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ディジタルコンテンツの管理のための方法及びメモリカードに関し、限定しないが、特に、ディジタルカメラの無線通信を可能にする無線媒体を使用する、このような方法及びメモリカードに関する。
【背景技術】
【0002】
ディジタルカメラは、ディジタルコンテンツのダウンロード及びアップロードを可能にするために、ホストコンピュータに物理的及び電気的に接続しなければならない。ディジタルコンテンツは、例えば、画像、ビデオ画像、市販のソフト(marketing materials)、音楽コンテンツ、等であり得る。アップロード及びダウンロードを管理及び制御するアプリケーションは、ホストコンピュータにある。これは、必ずしも便利とは限らない。
【0003】
その理由は、ディジタルカメラが、ディジタルカメラによって取り込まれた(capture)ディジタルデータを独立してエクスポートすることができないプロセッサを有しているからである。ホストコンピュータが、ディジタルカメラによって取り込まれたディジタルデータをインポートし、ホストコンピュータが、ホストコンピュータからディジタルカメラにディジタルデータをエクスポートするために、ディジタルカメラをホストコンピュータに接続しなければならない。全ての関連する機能について、ホストコンピュータがプロセスを制御している。その代わりに、メモリカードに記憶されているディジタルデータをホストコンピュータにアップロードするために、ディジタルカメラのメモリカード又は同様の不揮発性メモリを取り出して、ホストコンピュータに挿入してもよい。ホストコンピュータのメモリに記憶されると、ディジタルデータをウェブサイトにアップロードすることができる。例えば、個人的な写真を記憶することができる多くのウェブサイトがある。「フェイスブック(FaceBook)」及びユーチューブ(You−Tube)は、多くの例のうちのほんの2つである。これは、アップロードするためにホストコンピュータにアクセスしなければならない。これは、必ずしも便利とは限らないかもしれない。
【発明の概要】
【0004】
第1の例示的な態様によると、ディジタルデータをディジタルカメラの外部に独立してエクスポートすること、又はディジタルデータをディジタルカメラの外部から独立してインポートすること、を行うことができない内蔵プロセッサ、を有するディジタルカメラにおいて使用されるように構成されたメモリカードが提供される。メモリカードは、無線トランシーバモジュールを具備しており、無線トランシーバモジュールは、中央プロセッサと、記憶モジュールと、のうちの少なくとも一方に動作可能に接続され、ディジタルカメラに送信されたディジタルデータを受信することと、記憶モジュールからディジタルデータをエクスポートすることと、を行うように構成されている。中央プロセッサは、ディジタルカメラによってディジタルデータを受信することと、ディジタルデータがディジタルカメラによって取り込まれた場合に、ディジタルカメラからディジタルデータを送信することと、のうちの少なくとも一方を制御するように構成されている。記憶モジュールは、中央プロセッサに動作可能に接続され、ディジタルカメラによって取り込まれたディジタルデータと、ディジタルカメラによって受信されたディジタルデータと、のうちの少なくとも一方を記憶するように構成されている。メモリカードが、ディジタルカメラに物理的に動作可能に結合されて、且つディジタルカメラが、予め定められたモードである場合に、ディジタルカメラの少なくとも1つの制御ボタンを使用して、中央プロセッサを制御することができる。メモリカードは、ディジタルカメラの内蔵プロセッサから中央プロセッサによって受信された命令に応答して、無線トランシーバモジュールを通して無線ネットワークの位置にディジタルデータをエクスポートすることと、ディジタルカメラの内蔵プロセッサから中央プロセッサによって受信された命令に応答して、無線トランシーバモジュールを通して遠隔画像収集装置からディジタルデータを受信することと、のうち少なくとも一方を行うように構成されている。
【0005】
メモリカードは、メモリカードを接続することができる候補無線ネットワークを検出するように構成され得る。メモリカードは、ディジタルカメラに物理的に動作可能に結合し、通常のメモリカードと同じやり方で、内蔵プロセッサに動作可能に接続するように構成することができ、内蔵プロセッサはメモリカードを通常のメモリカードとして見なす。ディジタルカメラが予め定められたモードである場合に限って、ディジタルデータをエクスポートすることと、受信することとを行い得る。ディジタルカメラが予め定められたモードである場合に、中央プロセッサは、ディジタルカメラのスクリーンに第1のインデックス画像ファイルを表示するために、第1のインデックス画像ファイルを内蔵プロセッサに送信するように構成され得る。第1の画像インデックスファイルは、複数の第1のメニュー項目を含み得る。複数の第1のメニュー項目の各々は、画像を含み得る。選択された第1のメニュー項目は、内蔵プロセッサを使用して、ディジタルデータを処理するかどうか、プロセッサ及び無線トランシーバモジュールを使用して、メモリカードからディジタルデータを無線でエクスポートするかどうか、又は、プロセッサ及び無線トランシーバモジュールを使用して、ディジタルデータを無線で受信するかどうか、を決定し得る。ディジタルデータは、画像データ、オーディオデータ、画像及びオーディオデータ、ビデオデータ、並びにオーディオ及びビデオデータ、の中から選択され得る。メモリカードは、少なくとも1つのアドレスを含み、プロセッサ及び無線インターフェイスは、少なくとも1つのアドレスにディジタルデータを送信するか、又はプロセッサ及び無線インターフェイスは、少なくとも1つのアドレスからディジタルデータを受信し得る。ディジタルカメラは、ディジタルカメラ、ディジタルビデオカメラ、ディジタルボイスレコーダ、及びディジタルダイヤリ、の中から選択され得る。
【0006】
別の例示的な態様によると、ディジタルデータをディジタルカメラの外部にエクスポートすること、又はディジタルデータをディジタルカメラの外部からインポートすること、を独立して行うことができない内蔵プロセッサ、を有するディジタルカメラにおいて、ディジタルカメラからディジタルデータをエクスポートすること、又はディジタルカメラによってディジタルデータを受信すること、のうちの少なくとも一方のための方法が提供される。方法は、ディジタルカメラの所定のモードを選択し、ディジタルカメラにインストールされて動作可能に接続されたメモリカードから、ディジタルカメラに、第1のインデックス画像ファイルを送信することを含む。メモリカードは、中央プロセッサと、記憶モジュールと、無線トランシーバモジュールとを有する。第1のインデックス画像ファイルは、複数の第1のメニュー項目を含む。第1のメニュー項目の各々は、画像を含む。ディジタルカメラの制御ボタンを使用して、第1のメニュー項目から1つのメニュー項目を選択する。選択された1つのメニュー項目は、内蔵プロセッサを使用して、ディジタルデータを処理するかどうか、中央プロセッサ及び無線トランシーバモジュールを使用して、メモリカードからディジタルデータを無線でエクスポートするかどうか、又は、プロセッサ及び無線トランシーバモジュールを使用して、ディジタルデータを無線で受信するかどうか、を決定する。
【0007】
別の発明の態様によると、データをディジタルカメラの外部にエクスポートすること、又はディジタルデータをディジタルカメラの外部からインポートすること、を独立して行うことができない内蔵プロセッサ、を有するディジタルカメラにおいて、ディジタルカメラからデータをエクスポートするか、又はディジタルカメラによってディジタルデータを受信する方法が提供される。方法は、ディジタルカメラの所定のモードを選択して、中央プロセッサが、第1のインデックス画像ファイルを、メモリカードからディジタルカメラに送信することを含む。第1のインデックス画像ファイルは、複数の第1のメニュー項目を含む。ディジタルカメラの制御ボタンを使用して、複数の第1のメニュー項目から1つのメニュー項目を選択する。適切なメニュー項目が選択されると、中央プロセッサ及び無線トランシーバモジュールが、ディジタルデータをディジタルカメラから無線でエクスポートするか、又はディジタルデータをディジタルカメラに無線でインポートする。
【0008】
更なる態様の場合に、ディジタルカメラを使用してディジタルデータを取り込んで、ディジタルカメラにインストールされて動作可能に接続されたメモリカードに、ディジタルデータを記憶することができる。メモリカードは、中央プロセッサと、記憶モジュールと、無線トランシーバモジュールとを有する。
【0009】
他の態様の場合に、適切なメニュー項目が選択されると、中央プロセッサ及び無線トランシーバモジュールがディジタルデータをメモリカードから無線でエクスポートし得る。
【0010】
他の更なる態様の場合に、メモリカードは、ディジタルカメラに物理的に動作可能に結合し得る。メモリカードは、通常のメモリカードと同じやり方で、内蔵プロセッサに動作可能に接続することができ、内蔵プロセッサは、メモリカードを通常のメモリカードとして見なす。ディジタルカメラが予め定められたモードである場合に限って、ディジタルカメラの制御ボタンを使用して、中央プロセッサを制御することができる。ディジタルカメラが予め定められたモードである場合に限って、ディジタルデータをエクスポートすることと、ディジタルデータを受信することとを行うことができる。第1のインデックス画像ファイルは、ディジタルカメラのスクリーンに表示され得る。ディジタルデータは、記憶モジュールに記憶されている少なくとも1つのインターネットアドレスにエクスポートされるか、又はそのインターネットアドレスからインポートされ得る。ディジタルデータは、上述に記載されたメモリカードを有する別のディジタルカメラにエクスポートされるか、又は別のディジタルカメラからインポートされ得る。ディジタルデータは、無線送信能力を有する遠隔カメラからインポートされ得る。遠隔カメラは、セキュリティカメラであり得る。制御ボタンを使用して、第1のメニュー項目のうちの1つのメニュー項目を選択すると、内蔵プロセッサは、命令を中央プロセッサに送信し得る。命令は、1つのメニュー項目の識別子を含み得る。ディジタルカメラが所定のモードであり、且つ1つのメニュー項目が、メモリカードからディジタルデータを無線でエクスポートするか又はインポートすることに関連する場合に、中央プロセッサは、命令を「選択」として扱い得る。ディジタルカメラが所定のモードであり、且つ1つのメニュー項目が、ディジタルデータを無線で受信することに関連している場合に、中央プロセッサは、命令を「選択」として扱い得る。命令は、「削除」であってもよい。
【0011】
本発明が十分に理解され、容易に実用化され得るように、例示的な実施形態を、単なる非制限的な例示によって、添付の説明図を参照して次に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】ホストデバイスに接続可能な無線媒体であって、ホストデバイスから取り込んだデータをサーバに無線で転送することを可能にする無線媒体の例示的なシステムの概略図。
【
図4】
図1のホストデバイスのプロセッサを示す図。
【
図5A】
図1乃至4の例示的な実施形態の動作についての前半のフローチャート。
【
図5B】
図1乃至4の例示的な実施形態の動作についての後半のフローチャート。
【
図6】ホストデバイスに接続可能な無線媒体であって、ホストデバイスが外部ソースからデータを無線で受信することを可能にする無線媒体の例示的なシステムの概略図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
例示的な実施形態は、無線媒体を介して携帯型ディジタルカメラ100のディジタルコンテンツを管理する方法及びディジタルカメラである。携帯型ディジタルカメラ100は、ディジタルカメラ、ディジタルビデオカメラ、ディジタルボイスレコーダ、又はディジタルダイヤリであり得る。ディジタルカメラが図示されている。ディジタルカメラ100はスロット102を有し、メモリカード200はスロット102に普通のやり方で挿入される。
【0014】
メモリカード200は、
図3に示されている。メモリカード200は、中央プロセッサ202と、中央プロセッサ202に動作可能に接続された無線トランシーバモジュール204と、中央プロセッサ202に動作可能に接続された記憶モジュール206とを有する。中央プロセッサ202は、カードインターフェイス208と無線インターフェイス210とを有する。更に、無線トランシーバモジュール204はアンテナ212を有する。
【0015】
ディジタルカメラ100は、メモリカード200がスロット102に挿入されたときにメモリカード200とインターフェイスするカードインターフェイス106、を備えた内蔵プロセッサ104を有する。更に、内蔵プロセッサ104は、カメラ100のディスプレイスクリーン110を制御するディスプレイインターフェイス108を有する。更に、内蔵プロセッサ104は、カメラ100の動作を制御するために使用されるカメラ制御ボタン等114をイネーブルにする制御インターフェイス112を有する。内蔵プロセッサ104は、ディジタルデータをカメラ100の外部に独立してエクスポートすることができない。独立してエクスポートするとは、プロセッサ104が、コンピュータのようなインテリジェントホストにカメラ100を動作可能に接続し、インテリジェントホストが、カメラからコンピュータにデータをエクスポートすることを可能にする関連の操作ソフトウェア(relevant operative software)を有していて、エクスポートがコンピュータの制御を受けなければならないことを意味する。カメラ100の通常の動作は、内蔵プロセッサ104の制御を受ける。
【0016】
内蔵プロセッサ104は、ディジタルデータをカメラ100の外部から独立してインポートすることもできない。独立してインポートするとは、プロセッサ104が、コンピュータのようなインテリジェントホストにカメラ100を動作可能に接続し、インテリジェントホストが、コンピュータからカメラにデータをエクスポートすることを可能にする(即ち、カメラによってコンピュータからデータをインポートすることを可能にする)関連の操作ソフトウェアを有していて、エクスポート/インポートがコンピュータの制御を受けなければならないことを意味する。
【0017】
カードインターフェイス208により、メモリカード200がカメラ100のスロット102に結合されるたびに(500)、カードインターフェイス106は、メモリカード200を通常のメモリカードと見なすと、内蔵プロセッサ104からメモリカード200に画像及び/又はオーディオデータを転送するために、普通のやり方で、メモリカード200とインターフェイスする(501)。カメラ100によって認識されるカテゴリの中に、カード200がない場合に、カメラ100は通常のやり方でエラーメッセージを表示して、プロセスは終了する(502)。
【0018】
内蔵プロセッサ104とカード200との最初の接続が終わって、カメラの制御が、例えば「ビュー(view)」(又は、これと同等のもの、例えば、「再生」、「表示」、又は「データ転送」)のような所定のモードに設定されると(503)、内蔵プロセッサ104は、通常の動作に従って、ディスプレイ110に表示するために、カード200から第1の画像ファイルをダウンロードする。次に、表示されるメニューを制御するために通常のやり方で使用することができる制御114のナビゲーション制御によって、中央プロセッサ202は、第1のメニューを含んでいるインデックス画像ファイルを、ディスプレイインターフェイス108に送信する(504)。第1のメニューは、カメラ100のこれから先の動作を決定する一連の第1の項目を含んでいる。第1のメニュー項目の各々は、インデックス画像ファイル内の異なる画像である。第1のメニュー項目は、例えば、以下のものを含み得る。
【0019】
1.データ転送
2.無線検出
3.画像ビュー
(503)において、カメラ100が、所定のモード、即ち「ビュー」又はこれと同等のものに設定されていない場合は、内蔵プロセッサ104の動作のもとで、メモリカード200と内蔵プロセッサ104は、通常の既知のやり方で動作する(505)。
【0020】
カメラ100が所定のモードに設定されている場合は、表示された項目のうちの1つを選択しなければならない(506)。メニューの中の各項目は、異なる画像であるので、メニューリストの中の1つの項目を選択することは、異なる画像を選択することである。従って、使用される制御114は、プロセッサ104が中央プロセッサ202に命令を送信できるようにするようなものでなければならない。ビューモードの場合に、このような命令は、通常2つある。即ち、「次」(次の画像の送信)と、「削除」(この画像の削除)とである。後に続く動作に進むために、「次」を要求すると、「削除」機能が使用され得る。しかしながら、カメラ100が「ビュー」モードであって、且つ上述の第1のメニュー項目から、「データ転送」又は「無線検出」のうちの何れかが選択された場合は、中央プロセッサ202は、「削除」を「選択」として解釈する。「第1の画像を送信する」命令が、プロセッサ104によって送信されて、メモリカードの中央プロセッサ202によって受信されると(504)、このような命令が受信されるのは1回のみであるので、中央プロセッサ202は、カメラ100が「ビュー」モードであると認識する。
【0021】
第1のメニュー項目の各々は、異なる画像であるので、「削除」を使用することは、プロセッサ104から中央プロセッサ202に送信される命令であるというだけでなく、どの画像を削除すべきかを中央プロセッサ202に知らせる画像の識別子を含んだ命令である。
【0022】
中央プロセッサ202は命令を受信すると、所定のモードが選択されていて、且つ選択された画像が画像インデックスファイルからの(1)又は(2)の何れかであることを確認した後で、中央プロセッサ202は、「削除」命令を「選択」命令として扱う。
【0023】
次に、第1のメニュー項目1が選択されたか、又は第1のメニュー項目2が選択されたかに応じて、中央プロセッサ202は必要な対応をとる。
【0024】
選択された第1のメニュー項目が無線転送であるかどうかを決定するために、問い合わせが行なわれる(509)。選択された第1のメニュー項目が、無線転送でない場合は、項目3であるはずである。制御114を使用して、通常のやり方で、項目3が選択されると(507)、中央プロセッサ202は、通常のやり方でその命令を処理して、記憶モジュール206から第1の画像ファイルを送信して(508)、カメラ100とメモリカード200は、通常のやり方で動作を続ける(505)。(509)において、選択された第1のメニュー項目が無線転送である場合は、選択された第1のメニュー項目は、項目1又は項目2であり得る。従って、項目1が選択されたか、又は項目2が選択されたかを決定するために、第2の問い合わせが行われる(510)。
【0025】
510において、項目2が選択された場合に、中央プロセッサ202は、無線トランシーバモジュール204をアクティブにして(511)、カード200を接続することができる候補無線ネットワークをサーチする(512)。これは通常のやり方で行われる。全ての候補無線ネットワークが検出されると(513)、それらはディスプレイ110に表示され(514)、制御114を使用して、希望の無線ネットワークを選択する(515)。希望の無線ネットワークが選択されると、第2のインデックス画像ファイルが、中央プロセッサ202からディスプレイ110にダウンロードされる(516)。第2のインデックス画像ファイルは、第2のメニューリストを含んでいる(517)。第2のインデックス画像ファイルは、第1のインデックス画像ファイルと同じであっても、又は異なっていてもよい。第2のメニューリストの各々も、異なる画像であり、自身の識別子を有する。第2のメニューリストは、第1のメニューリストと同じであっても、又は異なっていてもよい。第2のメニューリスは、例えば、以下の項目を含み得る。
【0026】
1.データ転送
2.無線検出
3.画像ビュー
(510)において、第1のメニューリストから項目1が選択された場合に、中央プロセッサ202は、無線ネットワークが以前に選択されたかどうかを決定する(521)。無線ネットワークが以前に選択されていなかった場合は、項目2に戻って(510)、上述のように、候補無線ネットワークのサーチを開始する。無線ネットワークが以前に選択されていた場合は、中央プロセッサ202は、様々な画像ファイルの画像データを連続的に取得して(522)、無線トランシーバモジュール204を使用して、選択された所定のウェブサイトに画像データをアップロードする(523)。アップロードが完了すると、「完了」メッセージがディスプレイ110に表示され(524)、プロセスは終了する(525)。
【0027】
(518)において、第2のメニューリストから項目1が選択され、所定のウェブサイトが分かっている場合に、ネットワークが選択されたならば、中央プロセッサ202は、画像データを所定のウェブサイトに無線でアップロードするために、記憶モジュール206から画像ファイルを全てダウンロードし、無線トランシーバモジュール204にそれらを転送し始める。2以上の所定のウェブサイトがある場合に、中央プロセッサ202は、所定のウェブサイトのリストをディスプレイ110に表示するために送信して、通常のやり方で1つが選択された後で、選択された所定のウェブサイトを、画像データの送信先として使用する。所定のウェブサイトのリストは、URLによるものであっても、又は予め入力された略称によるものであってもよく、ウェブサイトにおける電子メールアカウントを含んでもよい。
【0028】
コンピュータ(示されていない)にメモリカード200を予め動作可能に接続することによって、所定のウェブサイトにエントリする。コンピュータが中央プロセッサ202から必要なインターフェイスをアップロードし、コンピュータを使用して、希望の1又は複数のウェブサイトのURL、或いは電子メールアカウントを入力する。次に、これらのURL又は電子メールアカウントを、メモリカード200の記憶モジュール206に記憶する。
【0029】
従って、カメラ100を使用して画像を取り込んで、通常のやり方でメモリカード200の記憶モジュール206に画像を記憶した場合に、カメラの制御114を、ビューのような所定のモードに設定すると、上述の手順が始まる。カメラ100が所定のモードである場合に中央プロセッサ202と無線トランシーバモジュール204とが、画像データを、選択された所定のウェブサイトにインターネット300によって送信するように動作すると、サーバ/PC又は他のコンピュータ400の記憶装置402に、画像を記憶することができる。これは、都合の良いときに行われ得る。都合の良いときは、例えば、通常カメラ100が使用されていない、夜間である。更に、カメラ100が所定のモードである場合に、カメラ100を使用して、画像データを、選択された所定のウェブサイトからインターネット300によってダウンロードして、記憶モジュール206に画像を記憶してもよい。これは、画像が記憶モジュール206から既に削除されていた場合に、必要であり得る。
【0030】
所望又は必要であれば、全ての画像データのアップロードが完了すると、中央プロセッサ202は、記憶モジュール206に記憶されている画像データを圧縮又はダウンサイズしてもよい。圧縮は、任意の既知の及び/又は適切な圧縮アプリケーションによって行われ得る。詳細 ダウンサイジングは、例えばサムネイルサイズに、画像をダウンサイズすることであり得る。圧縮及び/又は縮小は、画像データを記憶するのに必要な記憶モジュール206におけるメモリ量を低減するのに使用される。圧縮及び/又は縮小された任意の画像は、予め選択されたウェブサイトに通知され、再送信されない。更に、予め選択されたウェブサイトに送信された任意の画像は、送信されたとしてフラグを立てられて、その後は再送信されない。しかしながら、中央プロセッサ202は、ディスプレイ110にプロンプトを送信して、古い画像を再び送信すべきか、又は新しくて以前に送信されていない画像のみを送信すべきかを質問してもよい。上述のやり方で選択した後で、中央プロセッサ202によって適切な対応がとられる。
【0031】
図6には、第2の例示的な実施形態が示されている。第2の例示的な実施形態では、無線トランシーバモジュール204を使用して、外部ソース600からディジタルデータを無線で受信する。この例示的な実施形態において、外部ソースは、遠隔カメラ600であり、例えば、画像又はビデオを取り込むために使用されるセキュリティカメラである。しかしながら、外部ソースは、例えば携帯型ディジタルカメラ100と同様のカメラであってもよく、従って、カメラ間で画像又はビデオを共有することができる。遠隔カメラ600は、画像、ビデオ、及び/又はオーディオを取り込む能力を有し得る。遠隔カメラ600は、少なくとも1つの関連する適切な標準、例えば、ワイファイ(Wi−Fi)又はブルートゥース(登録商標)によって、無線通信をすることができる無線モジュールを有するべきである。遠隔カメラ600は、ネットワーク300を渡って無線モジュール204に、又は直接に無線モジュール204に、(オーディオを含んだ)ビデオデータ又は画像を送信する無線能力を有する。これは、ワイファイ、インターネット、ブルートゥース、等を必要に応じて使用してもよい。
【0032】
図5Aを参照すると、503において、ディジタルカメラ100が所定のモードである場合に、メモリカード200を使用して、ディジタルカメラ100によって取り込まれたディジタルデータをアップロードするのか、又はメモリカード200を使用して、遠隔カメラ600からディジタルデータを受信するのかを決定するために、別のメニュー項目によって、更に問い合わせされ得る。それがアップロードである場合は、ディジタルカメラ100は、上述のように動作する。それが受信である場合は、ディジタルカメラ100を使用して、遠隔カメラ600によって送信されたディジタルデータを受信して表示する。ディジタルカメラ100によって遠隔カメラ600から受信されたディジタルデータは、更に、記憶モジュール206に記憶され得る。
【0033】
このようにして、遠隔カメラ600によって取り込まれたディジタルデータを、ディジタルカメラ100によって表示及び/又は記憶することができる。このようにして、遠隔カメラ600がセキュリティカメラであって、侵入を検出した場合に、ディジタルカメラ100がディジタルデータを無線で受信することができるならば、ディジタルカメラ100でそれを見ることができる。従って、適切に対処することができる。セキュリティカメラ600は、任意の適切な性質を有するものであっても、又は唯一の要件を備えて作られたものであってもよい。唯一の要件は、無線送信能力である。無線送信モジュールは、セキュリティカメラ600と統合されていてもよく、又は異なるコンポーネントであって、セキュリティカメラ600と異なるコンポーネントとが動作可能に接続されてもよい。
【0034】
遠隔カメラ600が、メモリカード200を備えたディジタルカメラ100と同様のカメラである場合には、電子メール、ウェブサイト、又は他の取り外し可能な記憶デバイスを必要とすることなく、カメラ間でファイルを共有することができる。しかしながら、これは、必要又は希望に応じて、インターネット又は任意の他のネットワークを通じて行われてもよい。
【0035】
両者の例示的な実施形態の場合に、ドライバを設置することもなく、又はホストデバイス100で実行されるソフトウェアを変更することもなく、メモリカード200をホストデバイス100に接続することができ、従って、「プラグアンドプレイ」であることが分かるであろう。
【0036】
メモリカード200は、メモリカード200の記憶モジュール206にダウンロードされるコンテンツの著作権保護のためのディジタル著作権管理モジュール(digital right management module)を含み得る。
【0037】
更に、所定のモードである場合に、中央プロセッサ202は、カメラ100の自動オフ又は自動シャットダウンをオーバーライドして、カメラ100が所定のモードから抜け出るまで、カメラ100が動作し続けることができるようにしてもよい。
【0038】
上述では、例示的な実施形態を記載したが、本発明から逸脱することなく、設計、構成、及び/又は動作の詳細の多くのバリエーションを作成できることが、当業者に分かるであろう。
【符号の説明】
【0039】
100・・・携帯型ディジタルカメラ、102・・・スロット、200・・・メモリカード、300・・・インターネット、400・・・コンピュータ、402・・・記憶装置、600・・・外部ソース。