特許第5934834号(P5934834)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5934834導電性メッシュにおけるブリッジ構造を製造するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5934834
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月15日
(54)【発明の名称】導電性メッシュにおけるブリッジ構造を製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/044 20060101AFI20160602BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20160602BHJP
【FI】
   G06F3/044 125
   G06F3/044 122
   G06F3/041 660
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-503747(P2015-503747)
(86)(22)【出願日】2013年7月6日
(65)【公表番号】特表2015-512112(P2015-512112A)
(43)【公表日】2015年4月23日
(86)【国際出願番号】CN2013078944
(87)【国際公開番号】WO2014134893
(87)【国際公開日】20140912
【審査請求日】2013年9月13日
(31)【優先権主張番号】201310071856.3
(32)【優先日】2013年3月6日
(33)【優先権主張国】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513232406
【氏名又は名称】南昌欧菲光科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】NANCHANG O−FILM TECH. CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高 育 龍
(72)【発明者】
【氏名】周 菲
【審査官】 松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】 中国実用新案第202735635(CN,U)
【文献】 特開2012−079134(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/081112(WO,A1)
【文献】 中国特許出願公開第102681734(CN,A)
【文献】 特開2012−088956(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面上に配設された、第2方向のメッシュ化導電性トレースに電気的に接続されるべき導電性メッシュ化ブリッジ構造を製造する方法であって、この基板上に第1方向のメッシュ化導電性トレースが配設される、方法であって、
前記第2方向のメッシュ化導電性トレースの中断部分に、第1ブリッジ・ワイヤおよび第2ブリッジ・ワイヤを形成し、かつ前記第1方向のメッシュ化導電性トレースの2つの側面にそれぞれ配列されるようにするステップと、
前記第1ブリッジ・ワイヤおよび前記第2ブリッジ・ワイヤの形成後に、前記第1方向のメッシュ化導電性トレース上に絶縁層を配置するステップと、
前記第1方向のメッシュ化導電性トレースに対して絶縁されるべく、導電性ブリッジを前記絶縁層上に配置し、かつ前記第1ブリッジ・ワイヤおよび前記第2ブリッジ・ワイヤに接続されるようにするステップと、
を備え、
前記導電性ブリッジが金属粉末層導電性ブリッジであり、前記絶縁層上に前記導電性ブリッジを配置するステップが、前記絶縁層上に金属粉末をインクジェット印刷することによって実行される、方法。
【請求項2】
基板の同じ表面に配列された、前記第1方向のメッシュ化導電性トレースおよび前記第2方向のメッシュ化導電性トレースの形成が、前記基板上に前記第1方向のメッシュ化導電性トレースおよび前記第2方向のメッシュ化導電性トレースを配置するステップを備え、前記第1方向のメッシュ化導電性トレースおよび前記第2方向のメッシュ化導電性トレースが互いに平行ではなく、前記第2方向のメッシュ化導電性トレースが、前記第1方向のメッシュ化導電性トレースとの交差部で遮断され、その結果、前記第2方向のメッシュ化導電性トレースが、前記第1方向のメッシュ化導電性トレースに接続されない、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記基板上に同時に、前記第1ブリッジ・ワイヤと、前記第2ブリッジ・ワイヤと、前記第1方向のメッシュ化導電性トレースと、前記第2方向のメッシュ化導電性トレースとを配置するステップを含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記絶縁層が透明な絶縁性塗料層であり、前記第1方向のメッシュ化導電性トレース上に前記絶縁層を配置するステップが、前記第1方向のメッシュ化導電性トレース上に透明な絶縁性塗料をインクジェット印刷することによって実行される、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、導電性メッシュにおけるブリッジ構造、およびブリッジ構造を製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
容量性タッチ・スクリーンの導電性パターンは、導電性ワイヤから成る平行な導電性金属メッシュ化トレースの2つのグループを含む。従来、平行な金属メッシュ化トレースの一方のグループは、2次元座標におけるX軸に沿って配列されるのに対し、平行な金属メッシュ化トレースの他方のグループは、2次元座標におけるY軸に沿って配列される。金属メッシュ化トレースの2つのグループは、位置合わせにおいて一緒に接合された2つの異なる基板上に位置する。導電性構造がタッチ・スクリーンに応用される場合、タッチ・スクリーンは、厚みが大きいという欠点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
タッチ・スクリーンの厚みが大きいという問題に取り組むため、本開示は、タッチ・スクリーンの厚みを低減するための、導電性メッシュにおけるブリッジ構造、およびブリッジ構造を製造するための方法に向けられている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一態様によれば、導電性メッシュ化ブリッジ構造が提供され、これは、基板の表面上に配設された第2方向のメッシュ化導電性トレースに電気的につながるために構成され、第1方向のメッシュ化導電性トレースは基板の同じ表面上に配設され、第1方向のメッシュ化導電性トレースおよび第2方向のメッシュ化導電性トレースは互いに平行ではなく、第2方向のメッシュ化導電性トレースは、中断部分を形成するために、第1方向のメッシュ化導電性トレースとの交差部で遮断され、その結果、第2方向のメッシュ化導電性トレースは、第1方向のメッシュ化導電性トレースに接続されないが、
このブリッジ構造は、
第2方向のメッシュ化導電性トレースの中断部分に位置し、かつ第1方向のメッシュ化導電性トレースの2つの側面にそれぞれ位置する第1ブリッジ・ワイヤおよび第2ブリッジ・ワイヤと、
第1方向のメッシュ化導電性トレース上に配設された絶縁層と、
絶縁層上に配設され、第1方向のメッシュ化導電性トレースに対して絶縁され、かつ第1ブリッジ・ワイヤおよび第2ブリッジ・ワイヤに接続された導電性ブリッジと、
を含む。
【0005】
一実施形態において、第1ブリッジ・ワイヤの幅および第2ブリッジ・ワイヤの幅は共に、1μmから10μmまでの範囲にある。
【0006】
一実施形態において、導電性ブリッジは金属粉末層導電性ブリッジであり、金属粉末層導電性ブリッジの幅は、10μmから20μmまでの範囲にある。
【0007】
一実施形態において、絶縁層の上部表面は平滑な湾曲表面である。
一実施形態において、絶縁層は放物線状の絶縁層である。
【0008】
一実施形態において、絶縁層は透明な絶縁性塗料層である。
本開示の一態様によれば、導電性メッシュ化ブリッジ構造を製造する方法が提供され、ブリッジ構造は、基板の表面上に配設された第2方向のメッシュ化導電性トレースに電気的につながるために構成され、この基板上には、第1方向のメッシュ化導電性トレースが配設され、その方法は、以下のステップである、
第2方向のメッシュ化導電性トレースの中断部分に、第1ブリッジ・ワイヤおよび第2ブリッジ・ワイヤを形成し、かつ第1方向のメッシュ化導電性トレースの2つの側面にそれぞれ配列されるようにするステップと、
第1方向のメッシュ化導電性トレース上に絶縁層を配置するステップと、
第1方向のメッシュ化導電性トレースに対して絶縁されるべく、導電性ブリッジを絶縁層上に配置し、かつ第1ブリッジ・ワイヤおよび第2ブリッジ・ワイヤに接続されるようにするステップと、
を含む。
【0009】
一実施形態において、基板の同じ表面に配列された、第1方向のメッシュ化導電性トレースおよび第2方向のメッシュ化導電性トレースの形成は、以下のステップである、基板上に第1方向のメッシュ化導電性トレースおよび第2方向のメッシュ化導電性トレースを配置するステップであって、第1方向のメッシュ化導電性トレースおよび第2方向のメッシュ化導電性トレースは互いに平行ではなく、第2方向のメッシュ化導電性トレースは、第1方向のメッシュ化導電性トレースとの交差部で遮断され、その結果、第2方向のメッシュ化導電性トレースは、第1方向のメッシュ化導電性トレースに接続されない、ステップを備える。
【0010】
一実施形態において、その方法は、第1ブリッジ・ワイヤと、第2ブリッジ・ワイヤと、第1方向のメッシュ化導電性トレースおよび第2方向のメッシュ化導電性トレースとを、基板上に同時に配置するステップを含む。
【0011】
一実施形態において、導電性ブリッジは金属粉末層導電性ブリッジであり、第1方向のメッシュ化導電性トレースに対して絶縁されるべく絶縁層上に導電性ブリッジを配置するステップは、絶縁層上に金属粉末をインクジェット印刷することによって実行される。
【0012】
一実施形態において、絶縁層は透明な絶縁性塗料層であり、第1メッシュ化導電性トレース上に絶縁層を配置するステップは、第1方向のメッシュ化導電性トレース上に、透明な絶縁性塗料をインクジェット印刷することによって実行される。
【0013】
導電性メッシュ化ブリッジ構造および導電性メッシュ化ブリッジ構造を製造するための方法において、第1方向のメッシュ化導電性トレースおよび第2方向のメッシュ化導電性トレースは、同じ基板上に配設される。第1方向のメッシュ化導電性トレースが、交差点で第2方向のメッシュ化導電性トレースに接続されるのを防止するために、第2方向のメッシュ化導電性トレースは、第1方向のメッシュ化導電性トレースとの交差部で遮断され、その結果、第2方向のメッシュ化導電性トレースは、2つの中断されたメッシュ化導電性トレースに分割される。第1ブリッジ・ワイヤおよび第2ブリッジ・ワイヤは、第2方向のメッシュ化導電性トレース上に配設され、かつ第1ブリッジ・ワイヤは、導電性ブリッジによって第2ブリッジ・ワイヤに接続され、これによって、第1方向のメッシュ化導電性トレースの2つの側面に位置する、第2方向のメッシュ化導電性トレースの2つが接続される。そのうえ、導電性ブリッジは、絶縁層によって、第1方向のメッシュ化導電性トレースに対して絶縁される。第1方向のメッシュ化導電性トレースは、第2方向のメッシュ化導電性トレースに接続されず、その結果、第1方向のメッシュ化導電性トレースおよび第2方向のメッシュ化導電性トレースが同じ基板上に配設される、という目的が達成される。そのほかに、導電性ブリッジが、分離されたメッシュ化導電性トレースを接続するために直接用いられる場合、導電性ブリッジが、メッシュ化導電性トレースの間のブランク領域に接続される、というリスクは回避される。さらに、導電性メッシュ化ブリッジ構造がタッチ・スクリーンに応用される場合、タッチ・スクリーンの厚みおよびコストが低減され、かつ生産効率が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、導電性メッシュ化ブリッジ構造の概略図である。
図2図2は、一実施形態による導電性メッシュ化ブリッジ構造の部分的拡大図である。
図3図3は、導電性メッシュ化ブリッジ構造を製造するための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施形態の詳細な説明
さて、本発明の導電性メッシュ化ブリッジ構造、および導電性メッシュ化ブリッジ構造を製造するための方法の実施形態を詳細に説明するために、図面が参照される。
【0016】
図1を参照すると、導電性メッシュ化ブリッジ構造100が提供され、これは、第2方向のメッシュ化導電性トレース220に電気的につながるために構成され、第1方向のメッシュ化導電性トレース210は、基板表面の同じ表面上に配設される。導電性メッシュ化ブリッジ構造100は、第1ブリッジ・ワイヤ110と、第2ブリッジ・ワイヤ120と、絶縁層130と、導電性ブリッジ140とを含む。
【0017】
具体的には、基板は、ガラス、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)またはポリメチルメタクリレート(PMMA)などのような透明材料から成る。
【0018】
第1方向のメッシュ化導電性トレース210および第2方向のメッシュ化導電性トレース220は互いに平行ではなく、かつ第2方向のメッシュ化導電性トレース220は、中断部分を形成するために、第1方向のメッシュ化導電性トレース210との交差部で遮断され、すなわち、第2方向のメッシュ化導電性トレース220は、2つの中断されたメッシュ化導電性トレースに分割され、かつ第2方向のメッシュ化導電性トレース220は、第1方向のメッシュ化導電性トレース210に接続されない。第1方向のメッシュ化導電性トレース210および第2方向のメッシュ化導電性トレース220は、銀、銅、銀と銅またはニッケルなどの組成物から成ることができる。
【0019】
例示された実施形態において、第1方向が鉛直方向であり、第2方向が水平方向である。代替的実施形態において、第1方向が水平方向であり、第2方向が鉛直方向であることも可能である。そのほか、第1方向と第2方向が互いに平行でない限りにおいて、第1方向が第2方向に対して垂直でないこともあり得る。
【0020】
第1ブリッジ・ワイヤ110および第2ブリッジ・ワイヤ120は共に、第2方向のメッシュ化導電性トレース220の中断部分の対向端部に配設され、かつ第1ブリッジ・ワイヤ110および第2ブリッジ・ワイヤ120は、第1方向のメッシュ化導電性トレース210の2つの側面にそれぞれ配設され、すなわち、第1ブリッジ・ワイヤ110および第2ブリッジ・ワイヤ120は、第2方向のメッシュ化導電性トレース220の中断された部分の境界位置に配設される。メッシュ化導電性トレースは、金属ワイヤを継ぎ合せることによって形成され、金属ワイヤの幅は1μmから5μmまでの範囲であり、金属ライン間の距離は300μmから500μmまでの範囲である。仮に設計されたブリッジ・ワイヤの幅が大きすぎる場合(例えば150μmから500μmまでにも)、明らかなブリッジ・ワイヤが基板上に形成されることもあり、これによって、タッチ・スクリーンの光学的性能に影響を及ぼす。したがって、第1ブリッジ・ワイヤ110および第2ブリッジ・ワイヤ120の幅は、通常、1μmから10μmの範囲であり、これによって、第1ブリッジ・ワイヤ110および第2ブリッジ・ワイヤ120の幅が大きすぎ、その結果としてタッチ・スクリーンの光学的性能に影響を及ぼす、ということが回避される。
【0021】
第1ブリッジ・ワイヤ110および第2ブリッジ・ワイヤ120の長さは共に、第2方向のメッシュ化導電性トレース220の中断された部分の断面長に等しいか、または、それは、実際の状況に応じて構成され得る。理解されるべきことであるが、第1ブリッジ・ワイヤ110および第2ブリッジ・ワイヤ120の長さは、金属トレース間の距離に対して数倍または数十倍もあり、したがって、導電性ブリッジ140が分離されたメッシュ化導電性トレース220に接続される場合、導電性ブリッジ140が、金属ラインにではなく、金属ライン間のブランク領域に接続される、というリスクが回避される。第1ブリッジ・ワイヤ110および第2ブリッジ・ワイヤ120は、銀、銅、銀と銅またはニッケルなどの組成物から成ることができる。
【0022】
絶縁層130は、第1方向のメッシュ化導電性トレース220上に配設される。絶縁層130は、通常、第1ブリッジ・ワイヤ110と、第2ブリッジ・ワイヤ120と、第1ブリッジ・ワイヤ110および第2ブリッジ・ワイヤ120の端部とによって構成される領域上に配設され、かつ第1方向のメッシュ化導電性トレース210上に位置する。理解されるべきことであるが、それは、実際の状況に応じて、異なる方法で構成され得る。したがって、第1ブリッジ・ワイヤ110が、導電性ブリッジ140によって第2ブリッジ・ワイヤ120に接続される場合、導電性ブリッジ140は、第1方向のメッシュ化導電性トレース210に対して絶縁される。
【0023】
図2を参照すると、絶縁層130の上部表面は、放物線状の絶縁層130のような平滑な遷移湾曲表面であることが可能であり、絶縁層130の表面と第1ブリッジ・ワイヤ110または第2ブリッジ・ワイヤ120との間の高さの違いによって引き起こされる、導電性ブリッジ140が切断されるという問題は、回避され得る。
【0024】
例示された実施形態において、絶縁層130は透明な絶縁性塗料層であり、これによって、タッチ・スクリーンの光学的性能が影響されることを防止する。透明な絶縁性塗料層は、第1方向のメッシュ化導電性トレース210上に固着するために、インクジェット印刷によって形成されることが可能であり、これは簡単かつ便利である。代替的実施形態において、絶縁層130は不透明であり、その一方で、絶縁層130の幅は、タッチ・スクリーンの光学的性能が影響されることを防止するために、制限されるべきである。
【0025】
導電性ブリッジ140は、第1方向のメッシュ化導電性トレース210に対して絶縁するために、絶縁層130上に配設され、かつ第1ブリッジ・ワイヤ110は、導電性ブリッジ140によって第2ブリッジ・ワイヤ120に接続される。
【0026】
導電性ブリッジ140の幅は、10μmから20μmまでの範囲にあるように構成され得る。したがって、導電性ブリッジ140を第1ブリッジ・ワイヤ110および第2ブリッジ・ワイヤ120に接続することはより便利であるだけでなく、導電性ブリッジ140の幅が大きすぎることによって引き起こされる、タッチ・スクリーンの光学的性能に関する影響が回避されることも、また可能である。
【0027】
導電性ブリッジ140は、ワイヤまたは金属粉末層であり得る。例示された実施形態において、導電性ブリッジ140は金属粉末層導電性ブリッジであり、かつ、それは、絶縁層130上に固着するために、インクジェット印刷によって形成されることも可能であり、これは簡単かつ便利である。その後、導電性ブリッジ140は、接続の速度および精度を改善するために、第1ブリッジ・ワイヤ110および第2ブリッジ・ワイヤ120に、レーザー位置合わせによって接続される。導電性ブリッジ140は、銀、銅、銀と銅またはニッケルなどの組成物から成ることができる。
【0028】
導電性メッシュ化ブリッジ構造100において、第1方向のメッシュ化導電性トレース210および第2方向のメッシュ化導電性トレース220は、同じ基板上に配設され、第2方向のメッシュ化導電性トレース220は、第1方向のメッシュ化導電性トレース210が交差点で第2方向のメッシュ化導電性トレース220に接続されるのを防止するために、第1方向のメッシュ化導電性トレース210との交差部で遮断され、かつ第2方向のメッシュ化導電性トレース220は、2つの中断されたメッシュ化導電性トレースに分割される。第1ブリッジ・ワイヤ110および第2ブリッジ・ワイヤ120は、第2方向のメッシュ化導電性トレース220上に配設され、かつ第1ブリッジ・ワイヤ110は、導電性ブリッジ140によって第2ブリッジ・ワイヤ120に接続され、これによって、第方向のメッシュ化導電性トレース210の2つの側面に位置する、第2方向のメッシュ化導電性トレース220の2つが接続される。そのうえ、導電性ブリッジ140は、絶縁層130によって第1方向のメッシュ化導電性トレース210に対して絶縁される。第1方向のメッシュ化導電性トレース210は、第2方向のメッシュ化導電性トレース220に接続されず、その結果、第1方向のメッシュ化導電性トレース210および第2方向のメッシュ化導電性トレース220が同じ基板上に配設される、という目的が達成される。そのほか、導電性ブリッジ140が、分離された第2方向のメッシュ化導電性トレース220につながるために直接用いられる場合、導電性ブリッジ140がメッシュ化導電性トレースの間のブランク領域に接続される、というリスクが回避される。さらに、導電性メッシュ化ブリッジ構造100がタッチ・スクリーンに応用される場合、タッチ・スクリーンの厚みおよびコストが低減され、かつ生産効率が改善される。
【0029】
図3を参照すると、同じ基板上に配設された第1方向のメッシュ化導電性トレース210と第2方向のメッシュ化導電性トレース220を接続するための、導電性メッシュ化ブリッジ構造100を製造するための方法もまた提供され、これは以下のステップを含む。
【0030】
ステップS110:第1ブリッジ・ワイヤ110および第2ブリッジ・ワイヤ120が、第2方向のメッシュ化導電性トレース220の中断部分の上に配置される。
【0031】
第1ブリッジ・ワイヤ110および第2ブリッジ・ワイヤ120が、第2方向のメッシュ化導電性トレース220の中断部の境界位置に配置され、かつ第1方向のメッシュ化導電性トレース210の2つの側面にそれぞれ配設される。第1ブリッジ・ワイヤ110および第2ブリッジ・ワイヤ120は、銀、銅、銀と銅またはニッケルなどの組成物から成ることができる。
【0032】
具体的には、第1ブリッジ・ワイヤ110および第2ブリッジ・ワイヤ120の長さは共に、第2方向のメッシュ化導電性トレース220の中断部の断面長に等しいように構成され得る。理解されるべきことであるが、それは、実際の状況に応じて構成され得る。理解されるべきことであるが、第1ブリッジ・ワイヤ110および第2ブリッジ・ワイヤ120の長さは、金属ライン間の距離に対して数倍または数十倍もあり、それゆえに、導電性ブリッジ140が、分離されたメッシュ化導電性トレース220に接続される場合、導電性ブリッジ140が、金属ラインではなく、金属ライン間のブランク領域に接続される、というリスクが回避される。
【0033】
ステップS120:絶縁層130が、第1方向のメッシュ化導電性トレース210上に配置される。
【0034】
絶縁層130を配置する原理は、次の通りである。導電性ブリッジ140が配置される場合、導電性ブリッジ140および第1方向のメッシュ化導電性トレース210が、第1ブリッジ・ワイヤ110および第2ブリッジ・ワイヤ120に対して絶縁されていることは都合が良い。したがって、絶縁層130は、通常、第1ブリッジ・ワイヤ110と、第2ブリッジ・ワイヤ120と、第1ブリッジ・ワイヤ110および第2ブリッジ・ワイヤ120の端部とによって構成される領域上に配設され、かつ第1方向のメッシュ化導電性トレース210上に位置する。絶縁層130は、放物線状の絶縁層130のような、平滑な遷移湾曲絶縁層130として構成されることができ、絶縁層130の表面と第1ブリッジ・ワイヤ110または第2ブリッジ・ワイヤ120との間の高さの違いによって引き起こされる、導電性ブリッジ140が切断される、という問題が回避され得る。
【0035】
例示された実施形態において、絶縁層130は透明な絶縁性塗料層であり、これによって、タッチ・スクリーンの光学的性能が影響されることを防止する。透明な絶縁性塗料層は、第1方向のメッシュ化導電性トレース210上に固着するために、インクジェット印刷によって形成され得るが、これは簡単かつ便利である。代替的実施形態において、絶縁層130は不透明であることもあり、その一方で、絶縁層130の幅は、タッチ・スクリーンの光学的性能が影響されるのを防止するために、制限されるべきである。
【0036】
ステップS130:導電性ブリッジが、絶縁層130上に配置される。
導電性ブリッジ140は、第1方向のメッシュ化導電性トレース210に対して絶縁される。第1ブリッジ・ワイヤ110は、導電性ブリッジ140によって、第2ブリッジ・ワイヤ120に接続される。導電性ブリッジ140は、銀、銅、銀と銅またはニッケルなどの組成物から成ることができる。導電性ブリッジ140は、ワイヤまたは金属粉末層であることができる。例示された実施形態において、導電性ブリッジ140は、金属粉末層導電性ブリッジであり、かつ、それはまた、絶縁層130上に固着するために、インクジェット印刷によって形成されるが、これは簡単かつ便利である。この時点で、導電性ブリッジ140は、接続の速度および精度を改善するために、第1ブリッジ・ワイヤ110および第2ブリッジ・ワイヤ120に、レーザー位置合わせによって接続されることができる。
【0037】
上のステップでは、第1ブリッジ・ワイヤ110および第2ブリッジ・ワイヤ120の幅は、1μmから10μmまでの範囲となるように構成され得る。導電性ブリッジ140の幅は、10μmから20μmまでの範囲となるように構成され得る。したがって、導電性ブリッジ140が第1ブリッジ・ワイヤ110および第2ブリッジ・ワイヤ120につながることは都合がよく、かつ第1ブリッジ・ワイヤ110、第2ブリッジ・ワイヤ120および導電性ブリッジの幅が大きすぎることによって引き起こされる、タッチ・スクリーンの光学的性能の影響が回避される。
【0038】
同じ基板上に第1方向のメッシュ化導電性トレース210および第2方向のメッシュ化導電性トレース220を製造するステップは、第1方向のメッシュ化導電性トレース210および第2方向のメッシュ化導電性トレース220が基板上に配置される、ステップを含む。
【0039】
基板は、ガラス、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、またはポリメチルメタクリレート(PMMA)などのような、透明材料から成る。
【0040】
第1方向のメッシュ化導電性トレース210および第2方向のメッシュ化導電性トレース220は同じ基板上に配置され、第1方向のメッシュ化導電性トレース210および第2方向のメッシュ化導電性トレース220は互いに平行ではなく、第2方向のメッシュ化導電性トレース220は、第1方向のメッシュ化導電性トレース210との交差部で遮断され、これによって、第2方向のメッシュ化導電性トレース220は、第1方向のメッシュ化導電性トレース210に接続されない。
【0041】
第1方向が鉛直方向であり、第2方向が水平方向である。代替的実施形態では、第1方向が水平方向であり、第2方向が鉛直方向であることが可能である。そのほか、第1方向と第2方向が互いに平行でない限りにおいて、第1方向が第2方向に対して垂直でないこともあり得る。第1方向のメッシュ化導電性トレース210および第2方向のメッシュ化導電性トレース220は、銀、銅、銀と銅またはニッケルなどの組成物から成ることができる。
【0042】
実際の作業において、第1ブリッジ・ワイヤ110、第2ブリッジ・ワイヤ120、第1方向のメッシュ化導電性トレース210および第2方向のメッシュ化導電性トレース220は、同時に形成されることができ、すなわち、第1ブリッジ・ワイヤ110、第2ブリッジ・ワイヤ120、第1方向のメッシュ化導電性トレース210および第2方向のメッシュ化導電性トレース220は、基板上に同時に配置される。したがって、機械加工プロセスおよびコストが低減される。
【0043】
第1方向のメッシュ化導電性トレース210および第2方向のメッシュ化導電性トレース220は、第1方向のメッシュ化導電性トレース210が、交差点において第2方向のメッシュ化導電性トレース220に接続されることを防止するために、同じ基板上に配置され、これによって、第2方向のメッシュ化導電性トレース220が、第1方向のメッシュ化導電性トレース210との交差部で遮断される場合、第2方向のメッシュ化導電性トレース220は、2つの中断されたメッシュ化導電性トレースに分割される。導電性メッシュ化ブリッジ構造100を製造するための方法において、第1ブリッジ・ワイヤ110および第2ブリッジ・ワイヤ120は、第2方向のメッシュ化導電性トレース220上に配置され、かつ第1ブリッジ・ワイヤ110は、導電性ブリッジ140によって第2ブリッジ・ワイヤ120に接続され、これによって、第1方向のメッシュ化導電性トレース210の2つの側面に位置する、第2方向のメッシュ化導電性トレース220の2つが接続される。そのうえ、導電性ブリッジ140は、絶縁層130によって、第1方向のメッシュ化導電性トレース210に対して絶縁され、その結果、第1方向のメッシュ化導電性トレース210は、第2方向のメッシュ化導電性トレース220に接続されず、その結果、第1方向のメッシュ化導電性トレース210および第2方向のメッシュ化導電性トレース220を、基板の同じ表面上に配置する、という目的が達成される。そのほか、導電性ブリッジ140が、第2方向のメッシュ化導電性トレース220につながるために、直接用いられる場合、導電性ブリッジ140が、メッシュ化導電性トレースの間のブランク領域に接続される、というリスクが回避される。さらに、導電性メッシュ化ブリッジ構造100がタッチ・スクリーンに応用される場合、タッチ・スクリーンの厚みおよびコストが低減され、かつ生産効率が改善される。
【0044】
理解されるべきことであるが、実施例の記述は具体的かつ詳細であるが、しかし、これらの記述が、本開示を制限するために使用されることは可能ではない。それゆえに、開示特許の保護の範囲は、添付された請求項に従うべきである。
図1
図2
図3