特許第5934836号(P5934836)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5934836ラベル配布プロトコル(LDP)ラベルスイッチドパス(LSP)のデータプレーン死活分離のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5934836
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月15日
(54)【発明の名称】ラベル配布プロトコル(LDP)ラベルスイッチドパス(LSP)のデータプレーン死活分離のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/723 20130101AFI20160602BHJP
【FI】
   H04L12/723
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-504737(P2015-504737)
(86)(22)【出願日】2013年4月4日
(65)【公表番号】特表2015-515828(P2015-515828A)
(43)【公表日】2015年5月28日
(86)【国際出願番号】US2013035342
(87)【国際公開番号】WO2013152240
(87)【国際公開日】20131010
【審査請求日】2014年12月2日
(31)【優先権主張番号】61/620,279
(32)【優先日】2012年4月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダッタ,プランジャル・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】アイサウイ,ムスタファ
【審査官】 宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−333469(JP,A)
【文献】 特開2011−228864(JP,A)
【文献】 米国特許第07903554(US,B1)
【文献】 国際公開第2005/119980(WO,A1)
【文献】 VILLAMIZAR C,MULTIPATH EXTENSIONS FOR MPLS TRAFFIC ENGINEERING; DRAFT-VILLAMIZAR-MPLS-TP-MULTIPATH-TE-EXTN-01.TXT,IETF STANDARD-WORKING-DRAFT,IETF,2012年 2月27日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00−12/26,12/50−12/955
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベルスイッチドルータ(LSR)においてトラフィック転送を制御するための方法であって、
前記LSRとピアLSRとの間で少なくとも1つのデータプレーンインタフェースと関連付けられる1つまたは複数のトラフィック転送能力(TFC)を定義するステップと、
ラベル配布プロトコル(LDPメッセージを介して前記ピアLSRに前記1つまたは複数の定義されたTFCを示すステップと、
前記少なくとも1つのデータプレーンインタフェースを介して前記ピアLSRにトラフィックを伝達するステップにおいて、データプレーンインタフェースと関連付けられたトラフィックが、対応する1つまたは複数のTFCに従って制約される、ステップと
を含む、方法。
【請求項2】
第1のFECタイプのトラフィックが、第1のデータプレーンインタフェースを介して転送され、第2のFECタイプのトラフィックが、第2のデータプレーンインタフェースを介して転送される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のデータプレーンインタフェースと関連付けられた前記TFCが、前記第2のFECタイプのトラフィックの転送を妨げるように構成され、前記第2のデータプレーンインタフェースと関連付けられた前記TFCが、前記第1のFECタイプのトラフィックの転送を妨げるように構成される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記TFCが、IPv4 FEC要素タイプ、IPv6要素タイプ、ユニキャスト要素タイプ、マルチキャスト要素タイプ、擬似回線要素タイプ、マルチキャスト擬似回線要素タイプ、およびリンクレベルで動作しているLDP能力の無効のいずれかに基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
データプレーンインタフェースと関連付けられた1つまたは複数のTFCが、LDP TFC TLVを介して示される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記トラフィックが、前記ピアLSRから肯定応答メッセージを受信後に、前記ピアLSRに向かって伝達される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記トラフィックが、前記ピアLSRからの前記肯定応答メッセージ内に含まれる1つまたは複数のTFCに従って、前記ピアLSRに向かって伝達される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ラベルスイッチドルータ(LSR)においてトラフィック転送を制御するための電気通信ネットワーク要素であって、
前記LSRとピアLSRとの間で少なくとも1つのデータプレーンインタフェースと関連付けられる1つまたは複数のトラフィック転送能力(TFC)を定義し、
ラベル配布プロトコル(LDPメッセージを介して前記ピアLSRに前記1つまたは複数の定義されたTFCを示し、
前記少なくとも1つのデータプレーンインタフェースを介して前記ピアLSRに向かってトラフィックを伝達し、データプレーンインタフェースと関連付けられたトラフィックが、対応する1つまたは複数のTFCに従って制約される、
ように構成されたプロセッサを含む、電気通信ネットワーク要素。
【請求項9】
コンピュータによって実行されるとき、ラベルスイッチドルータ(LSR)においてトラフィック転送を制御するための方法を提供するように、コンピュータの動作を適合する命令を格納する、有形の、非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、方法が、
前記LSRとピアLSRとの間で少なくとも1つのデータプレーンインタフェースと関連付けられる1つまたは複数のトラフィック転送能力(TFC)を定義するステップと、
ラベル配布プロトコル(LDPメッセージを介して前記ピアLSRに前記1つまたは複数の定義されたTFCを示すステップと、
少なくとも1つのデータプレーンインタフェースを介して前記ピアLSRに向かってトラフィックを伝達するステップにおいて、データプレーンインタフェースと関連付けられたトラフィックが、対応する1つまたは複数のTFCに従って制約される、ステップと
を含む、有形の、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項10】
コンピュータプログラムであって、コンピュータ命令が、電気通信ネットワーク要素内のプロセッサによって実行されるとき、ラベルスイッチドルータ(LSR)においてトラフィック転送を制御するための方法を提供するように電気通信ネットワーク要素の動作を適合させ、方法が、
前記LSRとピアLSRとの間で少なくとも1つのデータプレーンインタフェースと関連付けられる1つまたは複数のトラフィック転送能力(TFC)を定義するステップと、
ラベル配布プロトコル(LDPメッセージを介して前記ピアLSRに前記1つまたは複数の定義されたTFCを示すステップと、
前記少なくとも1つのデータプレーンインタフェースを介して前記ピアLSRに向かってトラフィックを伝達するステップにおいて、データプレーンインタフェースと関連付けられたトラフィックが、対応する1つまたは複数のTFCに従って制約される、ステップと
を含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2012年4月4日に出願された、「SYSTEM, METHOD AND APPARATUS FOR IMPROVED MPLS」という名称の、係属中の米国仮特許出願第61/620,279号に基づく優先権を主張し、その出願は、引用によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)ネットワークのような通信ネットワークの分野に関し、より詳細には、ただし排他的ではなく、ネットワークにおけるトラフィック転送能力(traffic forwarding capability :TFC)に関する。
【背景技術】
【0003】
マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)により、多種多様な、差別化されたエンドツーエンドサービスを効率よく配信することができるようになる。インターネットエンジニアリングタスクフォース(Internet Engineering Task Force:IETF)は、RFC 3031として示された、「Multiprotocol Label Switching Architecture(マルチプロトコルラベルスイッチングアーキテクチャ)」と題するリクエストフォーコメント(Request for Comment:RFC)に、マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)のアーキテクチャを記載している。
【0004】
MPLSの基本概念は、2つのラベルスイッチングルータ(LSR)が、これらの間で、およびこれらを通じてトラフィックを転送するために使用されるラベルの意味について合意しなければならないことである。この共通の理解は、ラベル配布プロトコルと呼ばれる一連の手順を使用することによって実現され、このラベル配布プロトコルにより、一方のラベルスイッチルータ(LSR)は、このLSRが行ったラベルバインディングを、もう一方に通知する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】IETF RFC 3031、「Multiprotocol Label Switching Architecture」
【非特許文献2】IETF RFC 5036
【非特許文献3】RFC 6388
【非特許文献4】RFC 5561
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術における様々な欠陥は、ラベルスイッチドルータ(label switched router:LSR)においてトラフィック転送を制御して、それにより制約されたトラフィック転送利用、例えば異なるFECタイプ間のデータプレーン死活分離などを実現するためのシステム、方法、および装置によって対処される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの実施形態では、方法が、ラベルスイッチドルータ(LSR)とピアLSRとの間で少なくとも1つのデータプレーンインタフェースと関連付けられた1つまたは複数のトラフィック転送能力(TFC)を定義することと、LDPメッセージを介してピアLSRに1つまたは複数の定義されたTFCを表示することと、少なくとも1つのデータプレーンインタフェースを介してピアLSRに向かってトラフィックを伝達することとによって、LSRにおいてトラフィック転送を制御するために、少なくとも1つのプロセッサを使用し、データプレーンインタフェースと関連付けられたトラフィックは、対応する1つまたは複数のTFCに従って制約される。
【0008】
1つの実施形態では、装置が、プロセッサと、プロセッサに通信可能に結合されたメモリとを含む。プロセッサは、ラベルスイッチドルータ(LSR)とピアLSRとの間で少なくとも1つのデータプレーンインタフェースと関連付けられた1つまたは複数のトラフィック転送能力(TFC)を定義することと、LDPメッセージを介してピアLSRに1つまたは複数の定義されたTFCを表示することと、少なくとも1つのデータプレーンインタフェースを介してピアLSRにトラフィックを伝達することとによって、LSRにおいてトラフィック転送を制御するように構成され、データプレーンインタフェースと関連付けられたトラフィックは、対応する1つまたは複数のTFCに従って制約される。
【0009】
1つの実施形態では、有形の、非一時的コンピュータ可読記憶媒体が、命令を格納するために使用され、この命令がコンピューティングデバイスによって実行されるとき、ラベルスイッチドルータ(LSR)とピアLSRとの間で少なくとも1つのデータプレーンインタフェースと関連付けられた1つまたは複数のトラフィック転送能力(TFC)を定義することと、LDPメッセージを介してピアLSRに1つまたは複数の定義されたTFCを表示することと、少なくとも1つのデータプレーンインタフェースを介してピアLSRにトラフィックを伝達することとによって、LSRにおいてトラフィック転送を制御するように、コンピューティングデバイスの動作を適合し、データプレーンインタフェースと関連付けられたトラフィックは、対応する1つまたは複数のTFCに従って制約される。
【0010】
1つの実施形態では、コンピュータプログラム製品が提供され、コンピュータ命令が、電気通信ネットワーク要素中のプロセッサによって実行されるとき、ラベルスイッチドルータ(LSR)とピアLSRとの間で少なくとも1つのデータプレーンインタフェースと関連付けられた1つまたは複数のトラフィック転送能力(TFC)を定義することと、LDPメッセージを介してピアLSRに1つまたは複数の定義されたTFCを表示することと、少なくとも1つのデータプレーンインタフェースを介してピアLSRにトラフィックを伝達することとによって、LSRにおいてトラフィック転送を制御するために、電気通信ネットワーク要素の動作を適合し、データプレーンインタフェースと関連付けられたトラフィックは、対応する1つまたは複数のTFCに従って制約される。
【0011】
いくつかの実施形態の態様は、第1のFECタイプのトラフィックが、第1のデータプレーンインタフェースを介して転送され、第2のFECタイプのトラフィックが、第2のデータプレーンインタフェースを介して転送されることを含む。いくつかの実施形態の態様は、第1のデータプレーンインタフェースと関連付けられたTFCが、第2のFECタイプのトラフィックの転送を防ぐように構成されることを含む。いくつかの実施形態の態様は、第2のデータプレーンインタフェースと関連付けられたTFCが、第1のFECタイプのトラフィックの転送を防ぐように構成されることを含む。
【0012】
いくつかの実施形態の態様は、TFCが、IPv4 FEC要素タイプ、IPv6要素タイプ、ユニキャスト要素タイプ、マルチキャスト要素タイプ、擬似回線要素タイプ、およびマルチキャスト擬似回線要素タイプのうちのいずれかに基づくことを含む。
【0013】
いくつかの実施形態の態様は、データプレーンインタフェースと関連付けられた1つまたは複数のTFCがLDP TFC TLVにより表示されることを含む。いくつかの実施形態の態様は、LDP TFC TLVが、Helloメッセージのオプションパラメータ部分の中で搬送されることを含む。
【0014】
いくつかの実施形態の態様は、ピアLSRから肯定応答メッセージを受信後に、トラフィックがピアLSRに向かって伝達されることを含む。
【0015】
いくつかの実施形態の態様は、ピアLSRからの肯定応答メッセージ内に含まれる1つまたは複数のTFCに従って、トラフィックがピアLSRに向かって伝達されることを含む。いくつかの実施形態の態様は、合意に達するまで、時間間隔が期限切れになるまで、または繰り返しの数を超過するまで、ソースLSRおよびピアLSRが、提案するTFCを繰り返して交換することを含む。
【0016】
いくつかの実施形態の態様は、LDP FECタイプと関連する内在的要件、および特定のオペレータと関連する外在的要件のうちの少なくとも1つに従って、1つまたは複数のTFCが、定義されることを含む。いくつかの実施形態の態様は、内在的要件および外在的要件が、2つのLDPピアリングノード間のデータプレーンにおける様々なトラフィックタイプの死活分離(fate−separation)を含む。いくつかの実施形態の態様は、外在的要件が、特定のトラフィックタイプを転送することからパラレルリンクのサブセットを除外する、オペレータ明示構成(operator explicit configuration)を含むことを含む。いくつかの実施形態の態様は、外在的要件が、データプレーンのトラフィックの死活分離のために、リンクの互いに素なサブセットを各FECタイプに割り当てるオペレータ明示構成を含むことを含む。
【0017】
いくつかの実施形態の態様は、2つのピアリングノード間のセッションが、複数のFECタイプのラベルマッピング交換を可能にする複数のパラレルリンクを含むことを含む。いくつかの実施形態の態様は、セッションが、2つのLDPピアリングノード間で複数の等コストマルチパス(Equal Cost Multi Path :ECMP)インタフェースに関連付けられることを含む。
【0018】
いくつかの実施形態の態様は、少なくとも1つの決定されたTFCが、リンクレベルで動作している1つまたは複数のLDP能力を無効にすることを含むことを含む。
【0019】
本発明の教示は、添付の図面と関連する次の詳細な説明を検討することによって容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】様々な実施形態から利益を得る例示的ネットワークを示す図である。
図2】1つの実施形態により3つの等コストマルチパス(ECMP)を通じてHello隣接関係(Adjacencies)を用いてLDPセッションを形成するパラレルリンクの例示的配置を示す図である。
図3】1つの実施形態によるLDP TLVタイプ標準フォーマットで符号化された例示的トラフィック転送能力(TFC)情報を示す図である。
図4】様々な実施形態を実行するのに好適な例示的ノードの制御部分の高レベルブロック図である。
図5】1つの実施形態による方法の流れ図である。
図6】本明細書に記載する機能を実行する際に使用するのに好適な、電気通信ネットワーク要素中のプロセッサのようなコンピューティングデバイスの高レベルブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
理解を容易にするために、図に共通している同一の要素を示すために、可能であれば同一の参照符合を使用した。
【0022】
IETF RFC 3031およびRFC 5036に定義されるような、マルチプロトコルラベルスイッチングに対応するネットワークという状況の中で、様々な実施形態について説明する。IETF RFC 3031およびRFC 5036のそれぞれは、引用によりそのそれぞれの全体が本明細書に組み込まれている。
【0023】
一般的に言えば、運命共有(fate−sharing)は、エンティティ自体が同時に失われる場合、エンティティと関連付けられた状態情報を失うことが許容できる、設計プロセスである。運命共有の例は、BGPのようなルーティングプロトコルにおけるルーティングメッセージの伝送であり、リンクまたはリンクインタフェースの障害は、自動的に、そのインタフェースを介するルーティングアナウンスメントを終了させ、最終的にはリンクの各端部においてそのルートに対する状態を終了する(tearing down)という影響を有する。同様の考察は、伝送制御プロトコル(TCP)に当てはまる。
【0024】
LDP(ラベル配布プロトコル)は、MPLS LSP(ラベルスイッチドパス)のセットアップおよび管理のための、ならびにLSPをセットアップするためのラベルを配布するための、シグナリングプロトコルである。LDPは、一連の手順およびメッセージを含み、これによってラベルスイッチルータ(LSR)は、ネットワークレイヤルーティング情報を、データリンクレイヤスイッチドパス、すなわちLSPに直接マッピングすることによって、ネットワークを介してラベルスイッチドパス(LSP)を確立する。これらのLSPは、直接アタッチされたネイバー(neighbor)(IPホップバイホップ転送に相当する)のエンドポイント、それによりすべての中間ノードを介したラベルスイッチングを可能にするネットワーク出口ノードのエンドポイントなどを有することができる。
【0025】
LDPは、作成する各LSPと、転送等価クラス(Forwarding Equivalence Class:FEC)を関連付ける。LSPと関連付けられたFECは、どのパケットがそのLSPに「マッピング」されるかを指定する。このFECは、ラベルの「コンテキスト」である。LSPは、各LSRが、所与のFECに対して、FECの着信ラベルを、次のホップに割り当てられる出力ラベルに「接合する(splice)」とき、ネットワークを介して拡張される。
【0026】
様々な実施形態では、2つの隣接するLSRノードが、UDPに基づくHello隣接関係およびTCPに基づくセッションを維持する。リンクレベルのHello隣接関係は、直接ピアリングしているLSRがLSPトラフィックを送信/受信することを希望するリンクを決定する。ターゲットとされるHello隣接関係は、ネットワークにおいて数ホップ離れている可能性があり、直接接続されていないLDP LSR間のマルチホップLDPセッションを形成する。LDPセッションは、様々なFECに対して、すべてのラベルおよび様々なシグナリングパラメータが交換される(例えば、ラベルマッピング)チャネルである。
【0027】
図1は、様々な実施形態から利益を得る通信ネットワークの高レベルブロック図を示す。詳細には、図1の通信ネットワーク100は、複数のノード110−110(集合的に、ノード110)を含む。ノード110は、ネットワークインタフェースNI 112および/または外部インタフェース(EI)102の様々な組合せに対応する。ノード110は、EI 102を使用して、外部装置(例えば、他のネットワークドメインのノード、ユーザ装置など)と通信する。NI 112は、ネットワークリンクを含むことができる。EI 102は、外部リンクを含むことができる。
【0028】
ノード110は、パケットベースの通信に対応している通信ノードを含む。1つの実施形態では、ノード110は、インターネットプロトコル(IP)、マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)、イーサネット(登録商標)など、ならびにその様々な組合せのような、マルチキャスト能力に対応する任意の通信技術に対応する通信ノードを含む。NI 112およびEI 102は、関連ノード110によって対応される任意の通信技術に対応しているインタフェースを含む。
【0029】
本明細書では、特定のタイプ、数、および構成のノード110、NI 112、およびEI 102を有する通信ネットワークに関して主に示され、説明されるが、本実施形態は、様々な他のタイプ、数、および構成のノード110、NI 112、およびEI 102を有する通信ネットワークにおいて実行されることが可能である。同様に、本明細書では、特定のマルチキャスト通信技術に関して主に示され、説明されるが、本実施形態は、様々な他のユニキャスト通信技術、マルチキャスト通信技術など、ならびにその様々な組合せを使用して実行されることが可能である。
【0030】
ネットワークは、本明細書に記載する例示のプロトコルではなく、他のMPLS関連プロトコルを使用するように、当業者によって変更されることが可能である。
【0031】
ネットワーク100は、IP/MPLS通信ネットワーク(CN)105と、例示的には、発信元LSR 110−1と宛先LSR 110−7との間のトラフィックを、1つまたは複数のラベルスイッチドパス(LSP)112を介してルーティングするように動作する少なくとも1つのネットワーク管理システム(NMS)120とを含む。
【0032】
図のように、NMS 120は、CN 105を形成している複数のルータ110、すなわち、複数のラベルスイッチドルータ(LSR)110−1から110−7を制御するように動作する。7つのLSRのみが示されているが、CN 105はさらに多くのLSRを含むこともあることに留意されたい。CN 105の表現は、この説明のために簡略化されている。
【0033】
NMS 120は、本明細書に記載する様々な管理機能を行うように構成されたネットワーク管理システムである。NMS 120は、CN 105と通信するように構成されている。NMS 120は、他の運用支援システム(例えば、要素管理システム(EMS)、トポロジ管理システム(TMS)など、ならびにその様々な組合せ)と通信するように構成されることもある。
【0034】
NMS 120は、ネットワークノード、ネットワーク運用センター(NOC)、またはCN 105およびそれに関連する様々な要素と通信することができるその他の場所に実装されることが可能である。NMS 120は、1人または複数のユーザが様々なネットワーク管理、構成、プロビジョニング、または制御関連機能を行う(例えば、情報を入力する、情報を調査する、本明細書に記載する様々な方法の実行を開始するなど)ことができるユーザインタフェース能力を支援することができる。NMS 120の様々な実施形態は、様々な実施形態に関して本明細書に説明する機能を行うように構成される。NMS 120は、図6に関して以下に説明するような、汎用コンピューティングデバイスまたは特殊用途コンピューティングデバイスとして実装されることが可能である。
【0035】
NMS 120および様々なルータ110は、LDP LSPのデータプレーン死活分離を支援するように動作する。マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)アーキテクチャは、IETFのRFC 3031に記載されている。
【0036】
図1に示すように、トラフィックストリーム(例えば、ビデオまたは他のデータストリーム)が、ソースノード、例示的にはLSR 110−1から、宛先ノード、例示的にはLSR 110−7へ、1つまたは複数のラベルススイッチドパス(LSP)112を介して伝えられる。例えば、1つのパスが、ソースノード(LSR 110−1)から始まり、CN105のコアを横断し、LSR 110−7を宛先ノードとするノード110−6(LSR 110−6)で終端する。第2のパスが、ソースノード(LSR 110−1)から始まり、CN105のコアを横断し、エッジLSR 110−7を宛先ノードとするノード110−5(LSR 110−5)で終端する。
【0037】
図2は、1つの実施形態により3つの等コストマルチパス(ECMP)を通じてHello隣接関係を用いてLDPセッションを形成するパラレルリンクの例示的配置を示す。
【0038】
様々な実施形態が、2つのLDPスピーカ間の複数のパラレルリンクを提供する。1つの実施形態では、1つのセッションにおいて、2つのLDPスピーカ間の複数の等コストマルチパス(ECMP)インタフェースが確立される。したがって、複数のHello隣接関係がセッションと関連付けられ、各インタフェースに1つの隣接関係となる。複数のFECタイプに対して、2つのスピーカ間のLDPセッションを通じて、ラベルマッピングが交換される。しかしながら、パラレルリンクのサブセットが、あるFECタイプに対してマップされたトラフィックを転送することができない可能性がある。MPLSでは、通過LSRはトラフィックタイプに依存しないが、入口または出口LSRは、FECタイプによって識別されるプロトコルの「ネイティブ」機能を行う必要がある。
【0039】
様々な実施形態はオペレータに、(1)管理上の理由で、特定のトラフィックタイプを転送することからパラレルリンクのサブセットを除外する、および(2)データプレーンのトラフィックの死活分離のために、各FECタイプにリンクの互いに素なサブセットを割り当てる柔軟性を与える。例えば、データプレーンにおいて2つのLDPスピーカ間で、IPv4マップされたLDP LSPおよびIPv6マップされたLDP LSPの死活を分離することが要求されることがある。同様に、オペレータは、データプレーンにおいてユニキャストLSPからマルチキャストLDP LSPを分離することができる。
【0040】
1つの実施形態では、それぞれ206(IF1)、207(IF2)、および208(IF3)として示された3つの等コストマルチパス(ECMP)インタフェースを介してHello隣接関係を用いて、ノード205(LSR−A)とノード210(LSR−B)との間に、LDPセッションが形成される。この実施形態では、例示のために、IF1、IF2、およびIF3を介して形成されるリンク隣接関係は、IPv4またはIPv6のいずれかを使用し、両方を使用しないが、他の実施形態においては、デュアルスタックの実行が提供され、IPv4アドレスとIPv6アドレスの両方が、単一インタフェースを介して割り当てられることがある。様々な実施形態は、異なるインタフェース構成、異なるインタフェース能力などを支援するように構成される。例えば、3つのインタフェース206、207、208は、以下を含む、複数の異なる構成で使用されることが可能である:
(1)3つのインタフェースすべてが、IPv4 FEC要素タイプのトラフィックを転送することができる、
(2)インタフェースIF1(206)およびIF2(207)が、RFC 6388に定義されているマルチポイント(MP/マルチキャスト)FEC要素のトラフィックを転送することができる、および/または
(3)インタフェースIF2(207)およびIF3(208)が、IPv6 FEC要素タイプのトラフィックを転送することができる、またはオペレータは、死活分離のためにそのように有効にすることを決定した。この構成の実行は、インタフェースごとのレベルでLDPスピーカによってトラフィック転送意図(intent)/能力がセットアップされることを必要とする。このように、データプレーン死活分離が有効になる。
【0041】
様々な実施形態において、データプレーンにおいてトラフィックの分離を実現するために、インタフェースを通じて交換されるLDP Helloメッセージは、以下に説明するように、トラフィック転送意図/能力を伝える。このメカニズムは、インタフェース上で選択的に有効にされるようにして、LSPタイプを構成する。例示のために、構成は、以下を含む:
(1)インタフェースIF1(206)を通じて交換されるLDP Helloメッセージは、IPv4 FECタイプのトラフィック転送能力およびMP FECタイプ能力を含み、IPv6 FECタイプを除外する。
(2)インタフェースIF2(207)を通じて交換されるLDP Helloメッセージは、IPv4 FECタイプ、MP FECタイプ、およびIPv6 FECタイプのトラフィック転送能力を含む。
(3)インタフェースIF3(208)を通じて交換されるLDP Helloメッセージは、IPv4 FECタイプおよびIPv6 FECのトラフィック転送能力を含み、MP FECタイプを除外する。
【0042】
1つの実施形態では、LDPノード205またはスピーカからのHelloメッセージが、TFC TLVのわずか1つのインスタンスを含む。LDPノード205またはスピーカが、HelloメッセージにおいてTFC TLVの2つ以上のインスタンスを受信する場合、最初に現れるものが、受信ノードによって受け入れられ、そのメッセージ中の次に現れるものは無視される。
【0043】
様々な実施形態は、標準的なLDP実行との後方互換性を提供する。これらの実施形態では、ノードまたはスピーカが、TFC TLVのないLDP Helloメッセージを受信するとき、受信側は、Hello隣接関係が形成されたインタフェースが、ピアと確立されたセッションで交換されるFECタイプのセット全体を転送することができるものとして確認する。
【0044】
RFC 5561によりLDPセッションを介してアドバタイズされたFEC能力は、TFC交換によって所与のインタフェースで明示的に除外されない限り、すべてのインタフェースに適用できるものとなる。
【0045】
トラフィック転送能力(TFC)TLV
様々な実施形態は、LSRによって使用されるのに好適な「TFC」TLVとして、本明細書に示す新しいタイプ、長さ、値(TLV)要素を使用して、対応するLSRピア(例えば、隣接LSR)に、トラフィック転送の分離、制約、または他の条件/能力が、2つのLSR間に確立される1つまたは複数のデータプレーンインタフェースに望まれることを示す。TFC TLVは、Helloメッセージのオプションパラメータ部分の中など、ピアLSRと確立されるLDPセッションを介して伝えられることが可能である。
【0046】
本明細書で説明するように、例えばFECタイプに従って転送されるトラフィックを分離し、第1のFECタイプ(または複数のタイプ)に一致するトラフィックが、第1のデータプレーンインタフェースを介して転送され、第2のFECタイプ(または複数のタイプ)に一致するトラフィックが、第2のデータプレーンインタフェースを介して転送されるなど、様々な利用が想定される。このように、タイプによるトラフィックの死活分離が提供される。様々な実施形態では、3つ以上のインタフェースが使用される。
【0047】
図3は、本明細書に説明する様々な実施形態の利用に適しているTFC TLVの例示的フォーマットを示す。詳細には、図3は、例示的に、LDP Helloメッセージ中のオプションパラメータを介して送信し、それによりインタフェースと関連付けられたTFCのセットをアドバタイズするのに適した例示的TFC TLVメッセージ300を示す。様々な実施形態では、TFC TLVは、ターゲットとされるLDP(T−LDP)Helloメッセージに含まれる。
【0048】
様々な実施形態は、本明細書に記載するLDP Hello隣接関係セッションと関連付けられるトラフィック転送能力(TFC)を実行するLDP TFC交換機構を提供する。1つの実施形態では、TLVを符号化するための、RFC 5036に記載されたベンダプライベートLDP TLVスペースが使用される。他の実施形態では、各LDPノードまたはスピーカが、インタフェースごとにLDP TFCのセットを実行する。いかなるときにも、スピーカまたはノードが、これらのTFCの1つまたは複数をインタフェース上で有効にする、またはしないことが可能である。
【0049】
TFCが有効にされるとき、セッションレベルで有効にされている特定のトラフィック転送能力がオフにされる、あるいは他の方法で、LDPセッションという状況内で適合される。例えば、様々な実施形態において、オフにされる、制約される、または適合される能力は、様々なFECタイプに関連する1つまたは複数の能力(例えば、2つのピアLSR間のHello隣接関係のリンクに適用できる能力)に関連することがある。
【0050】
様々な実施形態では、専用リンクが使用されて、データパスにおけるFECタイプのサブセットを解決する。様々な実施形態では、TFCのようなHello隣接関係能力が定義され、使用されて、インタフェースレベルにおけるセッション能力をOFFにする。様々な実施形態が、RFC 5561によるTLVフォーマットを使用し、既存のLDP能力TLVのフォーマットは維持され、TLVはLDP Helloメッセージとともに送信される。様々な実施形態では、セッション能力は、2つのLSR間のすべてのHello隣接関係に適用できるというデフォルト選択を有する能力の上位セットを含む。
【0051】
インタフェースを通じてTFCをアドバタイズすることによって、スピーカまたは発信元ノードは、そのインタフェース上でTFCに指定されたプロトコルアクションを行うことを主張する(assert)。様々な実施形態では、スピーカまたは発信元ノードは、TFCがアドバタイズされていない限り、インタフェース上でTFCに指定されたプロトコルアクションを行わない。さらに、様々な実施形態では、LDPスピーカまたは発信元ノードが、インタフェースを通じて送信されるHelloメッセージ上でTFCのセットをアドバタイズしていたとき、スピーカまたは発信元ノードは、その後のHelloメッセージに変更を反映させることによって、いかなるときもアドバタイズされたTFCへの変更をアナウンスすることができる。
【0052】
TFC情報は、必要に応じて、図3に示すように、標準LDP TLVタイプ表示項目320のフォーマットで符号化される。TFC TLV320は、一組のサブTLV325を搬送し、各サブTLVが特定のTFCを定義する。様々な実施形態では、特定のTFCのサブTLVが、IPv4またはIPv6またはマルチキャストトラフィックタイプなどに対して定義されることが可能である。図2Bに示すように、第1のビット326、すなわちTFC TLV328のビット0が、1に設定される。第2のビット327、すなわちTFC TLV328のビット1が、0に設定される。TFC TLVタイプが標準化される場合、タイプは、IANA(Internet Assigned Numbers Authority、インターネット番号割り当て機関)のLDP TLVレジストリ中の利用できるタイプから割り当てられることが可能である。
【0053】
図4は、LDPノード110の制御部分など、様々な実施形態を実行するのに好適な例示的ノードの制御部分400の高レベルブロック図である。図4に示すように、ノード制御部分400は、1つまたは複数のプロセッサ440と、メモリ450と、入力/出力(I/O)インタフェース435と、ネットワークインタフェース445とを含む。
【0054】
(1つまたは複数の)プロセッサ440は、メモリ450、ネットワークインタフェース445、I/Oインタフェース435などと連携して、ノード110に関して本明細書に説明する様々な機能を提供するように構成される。様々な実施形態では、例示的ノードの制御部分400は、図6のコンピューティングデバイスに関して以下に説明するように実行されることが可能である。
【0055】
メモリ450は、一般的に言えば、ノード110と関連する様々な制御プレーン機能およびデータプレーン機能を提供する際に使用するように構成されたプログラム、データ、ツールなどを格納する。メモリ450は、本明細書に示して説明する様々な制御プレーン機能およびデータプレーン機能を支援する際に役立つプログラム452およびデータ453を格納するとして示される。例えば、メモリ450は、MPLS通信システム内の様々なコンピューティング機能およびホスティング機能を提供する際に使用するように構成されたプログラム422およびデータ423を格納するとして示される。
【0056】
また図4には、死活分離エンジン455およびトラフィック転送エンジン460が示される。これらのエンジンは、本明細書に説明するノード制御部分400の外部にあるハードウェアまたはファームウェアとして実装されることが可能である。様々な実施形態では、これらのエンジンは、本明細書に説明するノード制御部分400またはノード110内に含まれる、またはこれらによって実装されることが可能である。
【0057】
様々な実施形態では、このメモリ450は、死活分離エンジン455およびトラフィック転送エンジン460と関連するプログラムおよびデータを含む。様々な実施形態では、死活分離エンジン455、トラフィック転送エンジン460は、本明細書に示して説明する様々な機能を行うためにプロセッサ(例えば、プロセッサ403)によって実行されることが可能であるソフトウェア命令を使用して実装される。
【0058】
I/Oインタフェース435およびネットワークインタフェース445は、プロセッサ440の内部と外部の両方の周辺装置との通信を容易にするように構成される。例えば、I/Oインタフェース435は、メモリ450のインタフェースとなるように構成される。同様に、I/Oインタフェース435は、LDPノード110死活分離エンジン455、トラフィック転送エンジン460などとの通信を容易にするように構成される。様々な実施形態では、プロセッサポートと、MPLSネットワーク(図示せず)と通信するために使用される任意の周辺装置との間で接続が提供される。
【0059】
死活分離エンジン455およびトラフィック転送エンジン460とのLDPノード110制御部分の通信に関して主に示して説明するが、I/Oインタフェース435は、本明細書で説明するLDP Hello隣接関係セッションと関連付けられるトラフィック転送能力(TFC)を提供するのに好適な任意の他の装置との通信を支援するように構成されることが可能であることは理解されよう。
【0060】
死活分離エンジン455およびトラフィック転送エンジン460は連携して、本明細書に示して説明する様々なホスティング機能を提供する。エンジンが例示的ノードの示した制御部分400の外部および/または内部にある実施形態に関して示して説明するが、エンジンは、LDPノード110および/またはそのノード制御部分400の内部および/または外部の1つまたは複数の他の記憶装置に格納されることがあることを当業者には理解されよう。エンジンは、LDPノード110および/またはそのノード制御部分400の内部および/または外部の任意の好適な数および/またはタイプの記憶装置にわたって分配されることが可能である。メモリ450は、メモリ450のエンジンを含み、本明細書では以下にさらに詳細に説明される。さらに、エンジンによって、および/またはエンジンを使用して行われることが可能である、本明細書に示して説明する認証機能のいずれも、同様の機能を実行する他の要素によって行われることが可能であることは理解されよう。
【0061】
様々な実施形態では、死活分離エンジン455が、データプレーンにおいてトラフィックの死活分離のために各FECタイプへのリンクのサブセットを構成するように構成される。例えば、データプレーンにおいて2つのLDPノードまたはスピーカの間でIPv4およびIPv6をマップされたLDP LSPの死活を分離することが求められることがある。同様に、オペレータが、データプレーンにおけるユニキャストLSPなど、ならびにその様々な組合せからマルチキャストLDP LSPを分離することができる。
【0062】
様々な実施形態では、トラフィック転送エンジン460は、インタフェースのトラフィック転送能力などを実装し、行うように構成される。
【0063】
図5は、1つの実施形態による方法の流れ図を示す。方法500は、ステップ505から始まる。この例のために、複数の等コストマルチパス(ECMP)インタフェースを通じてHello隣接関係を用いてLSRノード110間にLDPセッションが形成されると仮定する。したがって、複数のHello隣接関係が、LDPセッションと関連付けられ、各インタフェースに1つの隣接関係となる。複数のFECタイプに対して2つのLSR110の間でLDPセッションを通じて、ラベルマッピングが交換される。
【0064】
ステップ505において、必要に応じて、2つのLSRノード110間に様々なLDPセッションが確立される。
【0065】
ステップ510において、データプレーン死活分離または他の制約された転送利用と関連する要件が決定される。データプレーン死活分離のためのボックス515を参照すると、2つのタイプの要件、すなわち、LDP LSP FECタイプのような内在的要件、またはシステムマネージャもしくはオペレータの明示的設定パラメータのような外在的要件が検討されることが可能である。様々な内在的要件および、または外在的要件が、制約される転送利用のタイプを熟考される際に使用される。前述のように、様々な実施形はオペレータに、(1)管理上の理由のために特定のトラフィックタイプを転送することからパラレルリンクのサブセットを除外する、および(2)データプレーンにおけるトラフィックの死活分離のために、各FECタイプにリンクの互いに素なサブセットを割り当てる柔軟性を与える。様々な実施形態では、ネットワーク管理システムが、ポリシーに基づく機構またはポリシー配布機構によりネットワーク内のLSRに内在的要件および/または外在的要件を提供する。
【0066】
ステップ520において、インタフェースごとのレベルのトラフィック転送能力が、ネゴシエートされて、それぞれのインタフェースに特定のLSPタイプを選択的に確立する、またはセットアップする。すなわち、ソースLSR110によってLDPメッセージングが使用されて、(例えば、TFC TLVにより)特定のトラフィック転送能力または様々なインタフェースに適用される制約、例えば、死活分離利用という状況のタイプ分離などを示す。ボックス525を参照すると、様々な検討事項には、ソースLSRと宛先LSRとの間のパラレルデータプレーンリンクの数、各リンクによって搬送される特定のFECタイプなどが含まれる。
【0067】
様々な実施形態ではソースLSRは、宛先LSRへのトラフィック制約を示し(例えば、TFC TLVによりアドバタイズし)、それに応じてトラフィックを転送する。様々な実施形態では、ソースLSRは、制約された転送利用と関連するTFCパラメータに従ってトラフィックを転送する前に、宛先LSRからの応答または肯定応答を待つ。様々な実施形態では、宛先LSRは、様々なデータプレーンインタフェースの1つまたは複数と関連するTFCパラメータの一部または全部を拒否することができる。この行ったり来たりのネゴシエーションおよび様々な実施形態は、Helloメッセージまたは他のLDPメッセージ内に含まれるTFC TLV情報により達成されことが可能である。
【0068】
したがって、様々な実施形態では、トラフィックは、トラフィック転送能力または制約が許容できることを示した、ピアからの肯定応答メッセージを受信した後、示されるトラフィック転送能力または制約に従って、ピアLSRに向かって伝達される。
【0069】
様々な実施形態では、肯定応答メッセージは、1つまたは複数のトラフィック転送能力または制約の拒否を含むことができ、この場合、トラフィックは、拒否されないトラフィック転送能力または制約に従ってピアLSRに向かって伝達される。
【0070】
様々な実施形態では、肯定応答メッセージは、提案される代替のトラフィック転送能力もしくは制約、および/またはその設定、例えば異なるトラフィック転送能力もしくは制約の使用、異なるデータプレーンインタフェースの状況での同じトラフィック転送能力もしくは制約の使用、またはその組合せを含むことができる。ソースLSRに受け入れ可能である場合、ソースLSRは、提案される代替のトラフィック転送能力または制約および/またはその構成に従って、トラフィックをピアLSRに伝達する。ソースLSRに受け入れ可能ではない場合、ソースLSRは、トラフィック転送能力または制約の第2のセットをピアLSRに提案することができる。このプロセスは、同意されるまで、または予め定められたもしくは同意された時間間隔の期限切れまで、または予め定められたもしくは同意された繰り返しの数を超えるまで、必要に応じて繰り返される。
【0071】
ステップ530において、トラフィックは、例示的にはソースLSRによって実行される様々なトラフィック転送能力要件によって定められる適切なインタフェースを介してピアリングノードに伝達される。
【0072】
様々な実施形態では、トラフィックのいくつかのフォームは、これらが複数のインタフェースを介してピアリングノードに転送されることが可能である優先待遇を受け取ることができる。様々な実施形態では、トラフィック死活分離は、2つのLSR間のパラレルリンクのサブセットが、特定のFECタイプと関連するトラフィックに対して「ネイティブ」処理機能を行う必要がある入口LSRまたは出口LSRのような、あるFECタイプに対してマップされたトラフィックを転送できない可能性がある場合、有益である。様々な実施形態では、システムオペレータは、管理上、パラレルリンクの特定のサブセットが特定のトラフィックタイプのためのトラフィック転送から除外されることを望むことがある。様々な実施形態では、リンクのこのジョイントサブセットは、オペレータによって1つまたは複数のFECタイプに割り当てられて、それによりデータプレーンにおけるトラフィックの死活分離を実行することが可能である。前述のように、様々な構成は、IPv4およびIPv6がマップされたLDP LSPの分離、ユニキャストとマルチキャストLDP LSPの分離などのような、様々な理由のためにシステムオペレータに有益であることがわかる。
【0073】
一般的に言えば、各インタフェースは、1つまたは複数のTFCパラメータにより構成されることが可能である。したがってトラフィックは、次に、特定のTFCのために構成されたインタフェースと関連するLSPを使用して転送されることが可能である。
【0074】
主として列挙した実施形態に関して示して説明しているが、特定のネットワークと関連する他の実施形態が、他の手順および上記の組合せを使用して実行されることが可能である。一般的に言えば、分離または他のトラフィック転送能力または制約は、IPv4 FEC要素タイプ、IPv6要素タイプ、ユニキャスト要素タイプ、マルチキャスト要素タイプ、擬似回線要素タイプ、マルチキャスト擬似回線要素タイプなどのような、FECタイプにより決定されることが可能である。さらに分離は、トラフィックソース(例えば、好ましいソース、優先されるソースなど)、または他のポリシー配慮に基づくことができる。
【0075】
図6は、図を参照して本明細書で説明する様々な要素と関連する機能など、本明細書に記載する機能を実行する際に使用するのに適した、電気通信ネットワーク要素中のプロセッサなど、コンピューティングデバイスの高レベルブロック図を示す。
【0076】
図6に示すように、コンピューティングデバイス600は、プロセッサ要素603(例えば、中央処理装置(CPU)および/または(1つまたは複数の)他の好適なプロセッサ)と、メモリ604(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)など)と、連携モジュール/プロセス605と、様々な入力/出力装置606(例えば、ユーザ入力装置(例えばキーボード、キーパッド、マウスなど)、ユーザ出力装置(例えばディスプレイ、スピーカなど)、入力ポート、出力ポート、受信機、送信機、および記憶装置(例えば、永続的ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ、コンパクトディスクドライブなど))とを含む。
【0077】
本明細書に示して説明した機能は、ハードウェアで、および/またはソフトウェアとハードウェアの組合せで、例えば汎用コンピュータ、1つもしくは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、および/または他のハードウェア同等物を使用して、実行されることが可能であることは理解されよう。1つの実施形態では、連携プロセス605は、メモリ604にロードされ、プロセッサ603によって実行されて本明細書に説明する機能を実行することができる。したがって、連携プロセス605(関連するデータ構造を含む)は、例えばRAMメモリ、磁気または光学式ドライブまたはディスケットなど、コンピュータ可読記憶媒体に格納されることが可能である。
【0078】
図6に示されるコンピューティングデバイス600は、本明細書に記載する機能要素または本明細書に記載する機能要素の一部を実行するために好適な、一般的なアーキテクチャおよび機能性を提供することは理解されよう。
【0079】
本明細書に記載したステップのいくつかは、例えばプロセッサと連携して様々な方法のステップを実行する回路として、ハードウェア内に実装されることが可能であると考えられる。本明細書に記載する機能/要素の一部は、コンピュータ命令が、コンピューティングデバイスによって処理されるとき、本明細書に記載する方法および/または技法が呼び出される、または他の方法で提供されるようにコンピューティングデバイスの動作を構成する、コンピュータプログラム製品として実装されることが可能である。発明の方法を呼び出すための命令は、固定のもしくは取り外し可能な媒体またはメモリのような、有形の、非一時的コンピュータ可読媒体に格納される、および/または命令に従って動作するコンピューティングデバイス内のメモリに格納されることが可能である。
【0080】
本発明の技法を組み込む様々な実施形態を本明細書で詳細に示して説明したが、これらの技法をやはり組み込んだ他の多くの変更形態を、当業者は容易に考案することができる。したがって、前述の内容は、本発明の様々な実施形態を対象とするが、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく、本発明の他のさらなる実施形態が考案されることが可能である。したがって、本発明の適切な範囲は、特許請求の範囲により定められなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6