(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
[実施例]
図1に示すように、遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には
図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には
図3に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
【0014】
前枠52の上側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
【0015】
上皿55の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられている。この演出ボタン67を拡大した図を
図2に示す。演出ボタンを
図2(a)に示すように遊技者が、その有効期間中に押すことにより、後述する演出図柄表示装置6に表示される内容が変化したり、スピーカより出力される遊技音が変化したりする。また、演出ボタンは、その周囲にジョグダイヤルを備えたものとなっており、
図2(b)のように回転させることにより、演出用の画像に変化を与えることが可能に構成されている。また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
【0016】
図3は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。
図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘4が打ち付けられている。
【0017】
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり演出図柄を表示する。)の画面を臨ませる窓等を備えている。センターケース5の下には、第1始動口11と第2始動口12とが配置され、センターケース5の左方には、ゲート17が配置されている。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えており、この翼片が開放しないと遊技球は第2始動口12に入球できない構成となっている。
【0018】
遊技領域の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄保留数表示装置18と、第2特別図柄保留数表示装置19と、7セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置9・第2特別図柄表示装置10とが配置されている。
【0019】
第2始動口12の下方にはアタッカー式の大入賞口14が配置されている。また、第1始動口11の左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33及び第4左入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34が、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。
【0020】
パチンコ機の裏面は
図4に示すとおり、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には(
図5も参照のこと)、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83がサブ制御装置に該当する。
【0021】
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、
図3では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
【0022】
このパチンコ機の電気的構成は、
図5のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0023】
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ31a等の検出信号が入力される。
【0024】
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
【0025】
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(
図5では普電役物ソレノイドと表記)12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータに送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
【0026】
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0027】
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
【0028】
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
【0029】
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお、本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
【0030】
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射できないようになっている。
【0031】
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。 また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67、ジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ユニット67、68を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。なお、演出ボタン67及びジョグダイヤル68を演出図柄制御装置82に接続する構成にしてもよい。
【0032】
サブ統合制御装置83には、「年」、「月」、「日」、「時」、「分」、「秒」をそれぞれデータとして提供するリアルタイムクロック103が搭載されている。また、リアルタイムクロック103を演出図柄制御装置82に搭載してもよい。なお、搭載されているリアルタイムクロック103は、「曜日」もカウントしてもよい。
【0033】
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。
なお、本実施例では、サブ統合制御装置83及び演出図柄制御装置82は別々の装置に分かれているが、1つの装置にまとめる構成にしてもよい。
【0034】
メインルーチンを
図6に従って説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10〜S65までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS70の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
【0035】
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
【0036】
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S70)に移行する。
【0037】
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「3966」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。
【0038】
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「3966」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が250であったとすると、大当り決定用乱数は「250」「251」「252」・・・「3966」「0」「1」・・・と更新されていく。
【0039】
なお、大当り決定用乱数が1巡(3967回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「249」になると1巡であるから、「249」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「249」「87」「88」・・・「3966」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。なお、通常確率状態時で大当りと判定される値の数は10で、値は「775」〜「777」「1775」〜「1777」「2774」〜「2777」であり、高確率状態時に大当りと判定される値の数は100で、値は「758」〜「777」「1314」〜「1333」「1758」〜「1777」「2758」〜「2777」「3314」〜「3333」である。
大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」〜「99」の100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0040】
S30に続く当り決定用乱数更新処理(S35)は、「0」〜「996」の997個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、当選することとなる値は通常確率状態では31〜40、高確率状態では31〜996である。なお、この当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
【0041】
リーチ判定用乱数更新処理(S40)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時にリーチとなる値の数は21で、値は「0」〜「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時にリーチとなる値の数は5で、値は「0」〜「4」であり、高確率状態時にリーチとなる値の数は6で、値は「0」〜「5」である。
【0042】
変動パターン決定用乱数更新処理(S45)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0043】
続く入賞確認処理(S50)では、第1始動口11、第2始動口12の入賞の確認及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11と第2始動口12でそれぞれ4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
【0044】
続く入賞確認処理(S50)では、第1始動口、第2始動口の入賞の確認及びパチンコ機に設けられ主制御装置に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
本実施例では、遊技球が第1始動口、第2始動口に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口と第2始動口でそれぞれ4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口又は第2始動口に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
【0045】
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての特別図柄制御処理(S55)を行う。この特別図柄制御処理(S55)が終了すると、続いて画像出力処理等の各出力処理(S60)が実行される。
各出力処理(S60)では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御装置81、発射制御装置84、サブ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド14b等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S50)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
【0046】
続く不正監視処理(S65)は、普通入賞口(第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御装置80に設けている。
【0047】
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S70)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S65までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、
図6に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が1巡したときの、初期値乱数の値(0〜3966の3967通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/3967である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S35)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
【0048】
S50の入賞確認処理は
図7に示すようなもので、主制御装置80は、第1始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて、第1始動口11に遊技球が入球したか否かを判断する(S100)。肯定判断なら(S100:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第1保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S105)。
【0049】
第1保留記憶が満杯でなければ(S105:no)、上記の各乱数を第1保留記憶として記憶し、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を1増加させる(S110)。既に4個の第1保留記憶があれば(S105:yes)保留記憶せず、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を増やすこともなくS115へ移行する。
【0050】
第1始動口11に遊技球が入球していないと判定された場合(S100:no)もS115に進み、第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて、第2始動口12に遊技球が入球したか否かを判断する。肯定判断(S115:yes)なら、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第2保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S120)。
【0051】
第2保留記憶が満杯でなければ(S120:no)、上記の各乱数を第2保留記憶として記憶し、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯数を1増加させる(S125)。既に4個の第2保留記憶があれば(S120:yes)、第2保留を記憶せず、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯数も増やさずに本処理を終了(リターン)する。また、第2始動口12に遊技球が入球していない場合(S115:no)も、本処理を終了する。
【0052】
図8〜11に示す特別図柄制御処理では、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S200)。S200の判定が否定判断で、特別図柄が変動中でなく(S205:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S210:no)、
図8のS250に移行し、第2保留記憶(上記、S125による保留記憶)があるか否かを判断する(S250)。
【0053】
この保留記憶があれば(S250:yes)、第2保留記憶数をデクリメントし(S255)、S270に進む。第2保留記憶がなければ(S250:no)、第1保留記憶(上記、S160による保留記憶)があるか否かを判断する(S260)。第1保留記憶があれば(S260:yes)、第1保留記憶数をデクリメントし(S265)、S270に進む。
【0054】
S270では第2保留記憶(但し第2保留が存在する場合は、第1保留の方が古い場合でも第2保留を優先)を読み込んで(その保留記憶は消去する)、確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。ここで確変フラグが1とは、現在のパチンコ機50が高確率遊技状態であることを意味する。肯定判断であれば(S270:yes)、読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合する(S275)。ここで当り値の数は100で、758〜777、1314〜1333、1758〜1777、2758〜2777、3314〜3333である。つまり当たり確率は1/39.67となる。否定判断であれば(S270:no)、読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する(S280)。ここで当り値の数は10で、775〜777、1775〜1777、2774〜2777である。つまり、当り確率は1/396.7となる。なお、本実施例においては、大当り確率はこれらの概数(通常時は1/400、高確率状態(確変)は1/40)にて表示している。そして大当り後に高確率状態になる割合は70%と設定されている。
【0055】
図9に戻る。S275またはS280の判定に基づき、大当りか否かを判定し(S285)、肯定判定であれば(S285:yes)、大当り図柄決定用乱数によって当り図柄を決定する(S290)。大当たり図柄が決定すると、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し(S295)、大当り設定処理を行う(S300)。大当り設定処理とは決定した大当り図柄によって、大当り後の遊技状態(確変や開放延長の有無等)や大当り遊技にかかる情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)を取得する処理である。
【0056】
S285において外れと判定された場合は、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定する(S320)。こうして変動パターンが設定されると、ハズレ設定処理を行なう(S325)。ハズレ設定処理では、時短回数または確変回数がプラスであれば、それぞれ−1する。
【0057】
S300又はS325に続いては、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には通常大当り、確変大当り、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力し(S330)、特別遊技処理を行なう。なお、S330の処理により演出図柄表示装置6では演出図柄の変動表示が開始されるが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。
【0058】
図8のS205において特別図柄が変動中(S205:yes)と判定された場合には、
図10のS340に移行し、図柄変動時間(S295、又はS320の変動パターンに基づく)を経過したか否かを判定する。否定判断(S340:no)であれば特別遊技処理を行い、肯定判断であれば確定図柄表示処理(S345)を行なってから特別遊技処理を行う。確定図柄表示処理では、確定図柄を表示する旨のコマンド(図柄確定コマンド)をサブ統合制御装置83に出力するとともに、特別図柄表示装置9,10にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。
【0059】
図8のS210において確定図柄を表示中と判定された場合には、
図11のS350に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判定の場合(S350:no)は特別遊技処理を行う。肯定判定(S350:yes)の場合は、確定図柄の表示を終了し(S355)、確定表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定する(S360)。肯定判断された場合(S360:yes)は、確変フラグが1か否かを判定する(S365)。確変フラグが1であれば(S365:yes)、S370にて確変フラグを0にし、S375に移行する。確変フラグが1でなければ(S365:no)、そのままS375に移行する。S375では、時短フラグが1か否かを判定する。時短フラグが1であれば(S375:yes)、S380にて時短フラグを0にし、S385に移行する。時短フラグが1でなければ(S375:no)、そのままS385に移行する。
【0060】
S385では条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットする。続くS390にて役物連続作動装置を作動させ、S395にて大当り開始演出処理を行なう。大当り開始演出処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。大当り開始演出処理が終了すると、特別遊技処理を行なう。
【0061】
S360で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は、確変フラグが1か否かを判定し、1であれば(S400:yes)、確変回数が0か否かを判定する(S405)。確変回数が0であれば(S405:yes)、S410にて確変フラグを0にしてS415に進む。確変フラグが1でないとき(S400:no)又は確変回数が0ではないとき(S405:no)はそのままS415に移行する。
S415では、時短フラグが1か否かを判定し、1であれば(S415:yes)、時短回数が0か否かを判定する(S420)。時短回数が0であれば(S420:yes)、S425にて時短フラグを0にしてS430に進む。時短フラグが1でないとき(S415:no)又は時短回数が0ではないとき(S420:no)はそのままS430に移行する。
【0062】
S430では、主制御装置80が現在の遊技状態が確変中であるか否か、時短中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドを特別図柄確定時間(600ms)後にサブ統合制御装置83に送信し、特別遊技処理を実行する。
なお、本実施例の場合、特別図柄制御処理における主制御装置80からサブ統合制御装置83に状態指定コマンドを送信するタイミングは、特別図柄確定時間後となっているが、特別図柄変動開始時及び電源復旧時においても状態指定コマンドを送信する構成にしてもよい。
【0063】
図12に示す特別遊技処理では、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S500)。役物連続作動装置が作動中でない場合(S500:no)は、そのまま本処理を終了(リターン)する。役物連続作動装置が作動中なら(S500:yes)、大入賞口14が開放中か否かを判断する(S505)。大入賞口14の開放中ではない場合は(S505:no)、ラウンド間のインターバル中により大入賞口14が閉鎖しているのか判断する(S510)。インターバル中でもない場合は(S510:no)、大当り終了演出中であるか判断する(S515)。これも否定判断の場合は(S515:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する(S520)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S520:yes)、大入賞口開放処理(S525)を行なって本処理を終了する。
【0064】
S505で大入賞口14が開放中であると判定された場合は、
図13のS550に進み、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。なお、本実施例では10個だが、9個、8個でもよく、特に限定するものではない。大入賞口14に10個入賞した場合(S550:yes)にはS560に進み、大入賞口閉鎖処理を行う。そして大当りインターバル処理(S565)を行なって、特別遊技処理を終了する。大入賞口14に10個入賞していない場合(S550:no)にはS555に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、15ラウンドでの大当りの場合は各ラウンドの最大開放時間は28秒に設定している。無論、この秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S555:yes)には、S560に合流し、終了していない場合(S555:no)は特別遊技処理を終了する。
【0065】
図12のS510でインターバル中であると判定された場合は、
図13のS570に進み、大当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。インターバル時間が経過している場合(S570:yes)は、直前に大入賞口14が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S575)。最終ラウンドであれば(S575:yes)、大当り終了演出処理(S580)を行い、特別遊技処理を終了する。最終ラウンドでなければ(S575:no)、再び大入賞口14を開放する処理(S585)を行い、特別遊技処理を終了する。なお、大当りインターバル時間が経過していないと判定された場合(S570:no)には、そのまま特別遊技処理を終了する。なお、大入賞口14を開放・閉鎖する処理においては、サブ統合制御装置83にも信号を送信する。サブ統合制御装置83は、その信号に基づいて、現在のラウンドを把握し、該ラウンドに応じた演出を行なう。
【0066】
図12のS515で大当りの終了演出中であると判定された場合は、
図14のS600に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。大当り終了演出時間が経過した場合には(S600:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S605)、条件装置の作動を停止する(S610)。そして、S300で取得した次回の遊技状態で確変に移行するか否かを判定する(S615)。確変に移行する場合(S615:yes)は、確変回数を設定し(S620)、確変フラグを1に設定し(S625)、S630に移行する。確変フラグを1にすると本実施例では特別図柄の当選確率が向上する。確変に移行しない場合(S615:no)はそのままS630に移行する。なお、確変回数は10000回が設定され、実質的に次回の大当りまでの確変の継続を保証する。
【0067】
S630では、次回の遊技状態で時短に移行するか否かを判定する。時短に移行する場合(S630:yes)は、時短回数を設定し(S635)、時短フラグを1に設定し(S640)、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理(S645)を行ない、状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信(S650)して特別遊技処理を終了する。
S635で設定する時短回数は、通常大当りでは100回であるが、確変大当りにおいては10000回が設定され、実質的に次回の大当りまでの時短の継続を保証する。時短フラグを1にすると本実施例では特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物12の開放延長機能をセットする。時短に移行しない場合(S630:no)はS645に直行する。
【0068】
図15は、インターネット網101を介した遊技機50とサーバ100のシステム構成を示す。
本実施例の遊技機は、該遊技機で遊技者が行った遊技の履歴、遊技者が遊技を終了したときの遊技状態、時刻等を含む遊技履歴情報に基づいて、取得2次元コードを生成し、該生成した取得2次元コードの表示が可能となっている。なお、本実施例では、遊技機50が演出図柄表示装置6に表示する2次元コードは、QRコード(登録商標)を使用する構成となっているが、バーコードを使用してもよく、他の形式であっても端末機102により読み取り可能な形式であれば何等差支えない。
ここで、本実施例における「特典遊技状態」とは、確変遊技状態、時短遊技状態及び確変時短遊技状態(
図25の説明で後述)を指す。
なお、本実施例における「移行条件」とは、第1始動口11及び第2始動口12への入賞し、且つ該入賞を起因として抽出された乱数に基づいて、大当り設定処理(S300)にて確変状態にする及び/又は時短状態にする、と決定されることである。
また、「遊技の履歴」とは、大当たり回数、特別図柄の変動回数及びリーチ回数等、サブ統合制御装置83又は演出図柄制御装置82によって蓄積可能な遊技に関する様々な履歴を示すものである。なお、必ずしも全ての履歴である必要はなく、遊技における特定された一部の履歴の構成であってもよい。
【0069】
端末機102は、インターネット網101にアクセス可能なカメラ付き携帯電話等から構成され、遊技機50で表示された特典遊技状態等及び時刻等を含む遊技履歴情報を2次元コードから取得し、インターネット網101を介して、該2次元コードをサーバ100に送信することが可能な構成となっている。また、サーバ100は、端末機102から遊技履歴情報を受信すると、ユーザー等の認証を行い、受信した該遊技履歴情報をパスワード化し、インターネット網101を介して、端末機102に送信され、遊技者はサーバから端末機102に受信したパスワードを遊技機50への入力が可能となる構成となっている。
【0070】
サーバ100は、情報処理装置として構成され、端末機102と情報の送受信を行い、本実施例における携帯連動サービスの遊技システムの紹介等の表示する機能を設けている。
また、サーバ100は、遊技機50に携帯連動サービスを開始させるための開始パスワードの開始情報の生成及び端末機102から受信した遊技履歴情報を記憶させるか否かの認証等を行う機能を設けている。なお、開始情報には、パスワードの文字データ又は音データが含まれている構成となっている。
また、遊技者が、端末機102を利用して、演出図柄表示装置6に表示された2次元コードを読み取り、サイトにアクセスすることで、サーバ100は取得した遊技状態や時刻等を含む遊技履歴情報を記憶する構成となっている。なお、本実施例でいう「携帯連動サービス」とは、遊技機50で蓄積した遊技者の遊技履歴情報を、サーバ100で蓄積し、次回の遊技時に反映させるサービスを指している。
【0071】
本実施例では、情報処理装置としてサーバ100で構成しているが、複数のサーバで構成してもよいし、他の機能を設けているサーバを含む構成としてもよい。
【0072】
次に、
図16を用いて、遊技システムのシーケンスを説明する。
左列は、遊技者の行為又は遊技者の端末機102による操作を示し、中央列は遊技機50の処理を示し、右列はサーバ100の処理を示している。なお、後述する
図17〜
図25は、
図16の示す各処理の詳細について示したものであり、それぞれの詳細については後述して説明する。
【0073】
まず、遊技者は、遊技機50に対して、ジョグダイヤル68及び演出ボタン67を用いて、開始操作を行うため、遊技機の演出図柄表示装置6に表示された携帯連動サービスのトップメニュー画面について、
図21(a)、
図22(a)、
図23(a)及び
図24(a)を用いて説明する。
本実施例のトップメニュー画面は、時計回りに「終了」、「2次元コード作成」、「パスワード入力」及び「新規遊技開始」から、ジョグダイヤル68及び演出ボタン67を操作することで、メニューを決定することができる構成となっている。
なお、「終了」をジョグダイヤル68及び演出ボタン67を操作して決定すると、遊技機の演出図柄表示装置6に演出図柄が表示されている画面に移行する構成となっている。「2次元コード作成」、「パスワード入力」、「新規遊技開始」及び「終了」は、
図17〜
図20で後述して説明する。
【0074】
遊技機50は、遊技者の開始操作が行われると、遊技機50で更新されている乱数値から識別コードを生成し、生成した識別コードとサーバ100へのホームページのアドレス情報が含まれた開始2次元コードを生成する(S651)。その後、生成した開始2次元コードを演出図柄表示装置6に表示する(S652)。
【0075】
そして、遊技者は、端末機102を用いて、遊技機50に表示された開始2次元コードを読み取り、読み取った開始2次元コードからサーバ100にアクセスする。すなわち、端末機102は、インターネット網101を介して開始2次元コードに含まれた識別コードを、サーバ100に送信する。
【0076】
サーバ100は、端末機102から開始2次元コードを介してアクセスがあると、サーバ100は開始情報生成処理を行う(S653)。
開始情報生成処理とは、サーバ100が、開始2次元コードに含まれた識別コード、端末機102の端末固有情報(例えば、携帯電話等であれば、ユーザーID)を取得し、サーバ100に記憶されている端末固有情報に対応する遊技履歴情報を取得する処理である。
そして、サーバ100は、取得した識別コード、端末固有情報及び遊技履歴情報等に基づいて、遊技機に携帯連動サービスを開始させるための開始パスワードを生成し、生成した開始パスワードを端末機102に送信することで、端末機102が開始パスワードを取得できる。
【0077】
端末機102が取得した開始パスワードを遊技機50に入力すると、遊技機50は入力した開始パスワードの認証を行い(S654)、開始パスワードの認証が成功すると、遊技機に記憶されている遊技履歴情報をクリアし(S655)、その後、遊技機50は、開始パスワードに含まれた遊技履歴情報を反映させた表示モードに設定するとともに(S656)、遊技履歴情報の蓄積を許可する(S657)。遊技者は、サーバ100から取得した開始パスワードを遊技機50に入力することで、携帯連動サービスを開始することになる。
詳細については、
図18及び
図21で後述する。
【0078】
遊技者が、発射ハンドル64を操作して遊技球を遊技領域3に発射を伴う遊技を開始すると、大当たりの抽選や特別図柄の変動表示等の遊技処理を実行(S658)し、S657で行われた遊技処理に対応した遊技履歴情報を蓄積していく(S659)。
【0079】
遊技者が遊技機50のジョグダイヤル68及び演出ボタン67を用いて、終了操作を行うと、遊技機50に記憶されている遊技履歴情報、端末固有情報、開始操作時に生成された識別コード、サーバにアクセスするためのホームページのアドレス情報等が含まれた取得2次元コードを生成する(S660)。その後、生成した取得2次元コードは、演出図柄表示装置6に表示する(S661)。
【0080】
そして、遊技者は、端末機102を用いて、遊技機の演出図柄表示装置6に表示された取得2次元コードを読み取り、取得2次元コードからサーバ100にアクセスする。すなわち、端末機102は、インターネット網102を介して、取得2次元コードに含まれた遊技履歴情報、端末固有情報、識別コード等を、サーバ100に送信する。
なお、本実施例において、演出図柄表示装置6に取得2次元コードを表示した後、ジョグダイヤル68及び演出ボタン67の所定の操作により遊技履歴情報をクリアする構成としている。また、演出図柄表示装置6に取得2次元コードを表示した後の経過時間を遊技履歴情報のクリアに関与させてもよい。
【0081】
端末機102から遊技履歴情報を受信すると、サーバ100は端末固有情報と識別コードを用いて、ユーザー等の認証を行い、認証が成功すると、取得2次元コードに含まれた遊技機で行われた遊技者が遊技を終了したときの特典遊技状態や時刻等を含む遊技履歴情報が記憶される(S662)。
【0082】
そして、次回、遊技者が
図16に示す開始操作によって開始2次元コードを取得し、開始2次元コードからサーバ100にアクセスすると、サーバ100は累積記憶した遊技履歴情報に基づいて開始パスワードを生成し、生成した開始パスワードを端末機102に送信し、遊技機50はジョグダイヤル68及び演出ボタン67の操作によって開始パスワードが入力されると、遊技履歴情報に基づいて表示モードが設定され、獲得ポイントやレベルなどが反映されることになる。
【0083】
上述したシーケンス図は、遊技者(携帯端末)、遊技機50、サーバ100の相互の処理の関連性を示すものであって、いずれも全ての処理を示したものではなく、この他にも多数の処理が実行される。
【0084】
S651〜S652においてサブ統合制御装置83により実行されるメニュー処理について、
図17を用いて説明する。「新規遊技開始メニュー」が表示中であるか否か判断する(S670)。「新規遊技開始メニュー」とは
図23(b)に示すもので、トップメニュー画面が
図23(a)に示すような状態で演出ボタン67が押されると、演出図柄表示装置6に表示される。肯定判断の場合(S670:yes)、S671に移行し、演出ボタン67及びジョグダイヤル68による操作に基づいて、「新規遊技開始メニュー」が選択させたか否かが判断される(S672)。否定判断の場合(S671:no)、S674に移行し、サブ統合制御装置83は、演出図柄表示装置6にトップメニューを表示させるために、表示指示コマンドをサブ統合制御装置83の送信バッファにセットし(S674)、今回の新規遊技開始処理はリターン(終了)となる。
S672において、サブ統合制御処理83は、2次元コードの生成回数を示す2次元コード生成カウンタに1を加算して更新し、2次元コード生成処理を行い、S673に移行する。
なお、本実施例において、2次元コードを生成する直前に2次元コードの生成回数を構成するように構成したが、2次元コードを生成した直後に2次元コードの生成回数を更新するように構成にしてもよい。
【0085】
ここで、開始2次元コード生成処理(S672)は、サブ統合制御装置83からサーバ100にアクセスするためのホームページのアドレスを読み込み、サブ統合制御装置83の2次元コード生成カウンタから、2次元コード生成回数を読み込む。
その後、読み込んだホームページのアドレス及び2次元コード生成回数に基づく、開始2次元コードを生成する。
なお、本実施例では、ホームページのアドレス及びサブ統合制御装置83の2次元コード生成回数に基づく開始2次元コードを生成しているが、それ以外の情報を生成する構成でもよい。
【0086】
サブ統合制御装置83は、生成した開始2次元コードを演出図柄表示装置6に表示するため(
図23(c))、該開始2次元コード表示指示コマンドをサブ統合制御装置83の送信バッファにセットする(S673)。さらに、開始2次元コードを表示する時間(例えば、180秒に対応するカウンタ値)セットし、今回の新規遊技開始処理はリターンとなる。
【0087】
S654〜656についてサブ統合制御装置83により実行されるメニュー処理について、
図18を用いて説明する。
メニュー画面が「新規遊技開始メニュー」を表示中ではないと否定判断すると(S670:no)、
図18のS680に移行し、「パスワード入力メニュー」を表示中であるか否かを判断する。「パスワード入力メニュー」とは
図21(b)に示すもので、トップメニュー画面が
図21(a)に示すような状態で演出ボタン67が押されると、演出図柄表示装置6に表示される。なお、トップメニュー画面を
図23(a)から
図21(a)に変更するには、ジョグダイヤル68を適宜回転させればよい。ジョグダイヤル68を回転させることにより、後述する
図22(a)の画面や
図24(c)の画面にすることもできる。
肯定判断(S680:yes)の場合、遊技者は開始パスワードを演出ボタン67及びジョグダイヤル68を用いて入力する。本実施例の場合、遊技者は開始パスワードに従って、数字の1〜8及び英文字のH,B,K,O,Tから順次選択していく。その後、遊技者がパスワードを完了したか否かを判断される(S681)。否定判断の場合(S681:no)、そのままS683の処理に移行する。なお、開始パスワードを選択するために使用する数字及び英文字は、他の文字等を使用する構成にしてもよい。
【0088】
S683では、サブ統合制御装置83は、演出図柄表示装置6にトップメニューを表示させるために、トップメニューのメニュー画面を表示させるための表示指示コマンドをサブ統合制御装置83の送信バッファにセットし、今回の新規遊技開始処理はリターンとなる。
【0089】
肯定判断の場合(S681:yes)、S682に移行する(S682)。S682において、サブ統合制御処理83は、入力したパスワードが
図16のS651〜S653を介して生成された開始パスワードであるか否かを判断する(S682)。否定判断の場合(S682:no)、S689に移行し、統合制御装置93は、演出図柄表示装置6にパスワード入力により開始パスワードの認証が失敗したことを表示させるために、認証失敗表示指示コマンドをサブ統合制御装置83の送信バッファにセットし(S689)、
図21(c)に示すように、演出図柄表示装置6にパスワードが認識成功の表示し、リターンする。
肯定判断の場合(S682:yes)、サブ統合制御装置83は、携帯連動サービス初期化処理を行う(S685)。
携帯連動サービス初期化処理(S685)は、これまでにサブ統合制御装置83に記憶されている遊技情報(演出情報、図柄情報、変動回数)を初期化する。さらに、サブ統合制御装置83の携帯連動サービス実行フラグ記憶領域に記憶されている携帯連動サービス実行フラグ及び端末固有情報も一旦クリアする。
【0090】
サブ統合制御装置83は、遊技履歴の蓄積を開始するために、サブ統合制御装置83に携帯連動サービス実行フラグをセットして、携帯連動サービスを開始する(S686)。
【0091】
S687において、サブ統合制御装置83は、演出図柄表示装置6にトップメニューを報知させるために、認証成功表示指示コマンドをサブ統合制御装置83の送信バッファにセットし(S687)、表示モード設定処理に移行する(S688)。
【0092】
表示モード設定処理について(S688)、
図25を用いて説明する。
本実施例の遊技機に搭載されているサブ統合制御装置83は、入力された開始パスワードに基づいて、遊技者の遊技の終了時刻が、所定の時間帯(例えば、21時30分以降)であった否かを判断する(S800)。肯定の場合(S800:yes)、S805に移行し、入力された開始パスワードに基づいて、前回の終了時における特典遊技状態が、確変時短遊技状態であったか否かを判断する。肯定判断の場合(S805:yes)、確変時短遊技状態に対応した第1の特別モードに設定する(S810)。否定判断の場合には、入力された開始パスワードに基づいて、前回終了時における遊技状態が、確変遊技状態であったか否かを判断する(S815)。肯定判断の場合、確変遊技状態に対応した第2の特別モードに設定する(S820)。否定判断の場合には(S815:no)、入力された開始パスワードに基づいて、前回の終了時における遊技状態が、時短遊技状態であったか否かを判断する(S825)。肯定判断の場合には(S825:yes)、第3の特別モードに設定する(S830)。否定判断の場合には(S825:no)、入力された開始パスワードに基づいて、前回の終了時における遊技状態が通常遊技状態に該当するため、通常モードに設定する(S835)。
サブ統合制御装置83による所定の時間帯であるか否かの判断により(S800)、否定判断(S800:no)の場合には、S840に移行し、入力された開始パスワードに基づいて、前回の終了時における遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判断する(S840)。肯定判断の場合(S840:yes)、通常モードに設定し(S845)、否定判断の場合、第4の特別モードに設定する。各モード設定処理後、リターンとなる。
なお、第1〜第4の特別モードの4つのモードはいずれも、遊技を実行している間には移行することのない表示モードである。
これら4つのモードと、遊技を実行している間に移行することがある通常のモードとを比較すると、演出表示される背景画像や、リーチ演出の選択率や、予告・リーチに用いられるキャラクタ画像などの少なくとも一部が異なっている。
なお、第1〜第3の特別モードの3つモードはいずれも、所定の時間帯(本実施例の場合は、21時30分以降)に、特典遊技状態で遊技を終了した遊技者に付与する表示モードであるため、第4の特別モードに比べて、遊技者にとって希少価値のある表示モードである。
【0093】
遊技者はジョグダイヤル68を回動させ、演出ボタン67を操作することにより、サブ統合制御装置83は表示モード設定処理で設定されたモードを演出図柄表示装置6に表示するために、設定されたモードに対応する表示指示コマンドを送信バッファにセットする。その後、遊技者が開始した遊技機の特典遊技状態や時刻等を含む遊技履歴情報を記憶していく(S689)。
【0094】
S659〜660についてサブ統合制御装置83により実行されるメニュー処理について、
図19を用いて説明する。
メニュー画面に「パスワード入力メニュー」が表示中ではないと否定判断すると(S680:no)、
図19のS695に移行し、「2次元コード作成メニュー」を表示中であるか否かを判断する。「2次元コード作成メニュー」とは
図22(b)に示すもので、トップメニュー画面が
図22(a)に示すような状態で演出ボタン67が押されると、演出図柄表示装置6に表示される。肯定判断の場合(S695:yes)、ジョグダイヤル68及び演出ボタン67の操作に基づいて2次元コード作成の決定を選択したか否かを判断する(S696)。否定判断の場合(S696:no)、演出図柄表示装置6に表示されたメニュー画面にトップメニューを表示させるための表示指示コマンドをサブ統合制御装置83の送信バッファにセットする(S700)。さらに、サブ統合制御装置83は、取得2次元コードを表示する時間(例えば、180秒に対応するカウンタ値)セットし、リターンとなる。
【0095】
S697において、サブ統合制御処理83は、取得2次元コードの生成回数を示す取得2次元コード生成カウンタに1を加算して更新し、直近に受信した状態指定コマンドに基づいて終了操作時の遊技状態を把握し、該把握した遊技状態と蓄積した大当たり回数、特別図柄の変動回数及びリーチ回数等の遊技履歴を含む遊技履歴情報に基づいて、取得2次元コード生成処理を実行し、S698に移行する。
取得2次元コード生成処理は、サブ統合制御装置83からサーバ100にアクセスするためのホームページのアドレスを読み込む。その後、読み込んだホームページのアドレスと遊技機50の遊技終了時点での特典遊技状態等や時刻等を含む遊技履歴情報を含んだ取得2次元コードを生成する(S697)。
開始2次元コードには該遊技履歴情報が含まれていない点と取得2次元コードには該遊技履歴情報及びが含まれている点が大きく異なる構成となっている。
【0096】
サブ統合制御装置83は、携帯連動サービス実行フラグをクリアし(S698)、S699において、サブ統合制御装置83は、演出図柄表示装置6に取得2次元コードを表示させるために(
図22(c))、取得2次元コードコマンドをサブ統合制御装置83の送信バッファにセットし、リターンとなる。なお、
図22(c)となっているときに、演出ボタンを操作すると取得2次元コードを取得したものと判断し、初期画面へと表示を変更するとともに、遊技履歴情報をクリアする。
【0097】
サブ統合制御装置83により実行されるトップメニューから通常画面への終了操作について、
図20を用いて説明する。
「2次元コード作成メニュー」ではないと否定判断すると(S695:no)、
図20のS705に移行し、「終了メニュー」を表示中であるか否かを判断する。「終了メニュー」とは
図24(b)に示すもので、トップメニュー画面が
図24(a)に示すような状態で演出ボタン67が押されると、演出図柄表示装置6に表示される。否定判断の場合(S705:no)、リターンとなる。肯定判断の場合(S705:yes)、
図24(b)に示す状態で演習ボタン67の操作で、終了を決定したか否か判断される(S706)。否定判断の場合(S706:no)、演出図柄表示装置6にトップメニューを表示させるために、表示指示コマンドをサブ統合制御装置83の送信バッファにセットし(S708)、リターンとなる。
【0098】
肯定判断の場合には(S706:yes)、通常画面を表示させるための表示指示コマンドをサブ統合制御装置83の送信バッファにセットし(S707)、リターンとなる。
【0099】
ここで本実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。S681及びS696が、本発明の「操作検知手段」に相当し、S660が、本発明の「取得コード生成手段」に相当し、S661及びS699が本発明の「取得コード表示手段」に相当し、S656、S688及び
図25に示す表示モード設定処理が、本発明の「モード決定手段」に相当し、
図12に示す特別遊技処理が、本発明の「遊技実行手段」に相当し、リアルタイムクロック103が本発明の「リアルタイムクロック」に相当し、S810、S820、S830、及びS850により設定されるモードが、本発明の「特別なモード」に相当する。
【0100】
本実施例によれば、遊技者の演出ボタン67及びジョグダイヤル68による遊技終了操作時点での特典遊技状態を含む取得2次元コードを生成することで、次回に特別なモードでの遊技を行うことができる。
これにより、普通に遊技をしていても見ることができない表示モードでの遊技を体験することができるため、遊技店の閉店時間が近い等の不遊技理由を抑制して稼働を高めることができる。
また、サブ統合制御装置83にリアルタイムクロック103を搭載し、遊技者の演出ボタン67及びジョグダイヤル68による遊技終了操作時点での時刻を含む取得2次元コードを生成することで、次回開始パスワードの入力時に、前回の遊技終了操作時が所定の時間帯であったか否かを判断することが可能となり、前回の遊技終了操作時に応じて設定される特別なモードにバリエーションを持たせることができる。
さらに、前回の遊技終了操作時点での特典遊技状態に応じて第1〜第3の特別モードを付与することで、遊技者に色々な演出を見たいという新たな興味を持たせ、遊技者の不遊技理由をより抑制することができる。
また、開始パスワードにより設定される特別なモードを、前記諸条件を満たした開始パスワードの入力時以外には設定されることがない表示モードとしているため、遊技状態と表示モードとの関係性を崩すことなく、遊技者が戸惑うのを防止することができる。
【0101】
[他の実施例]
本発明を、いわゆる潜伏機能を備えた遊技機に適用してもよい。潜伏機能とは、大当り後の遊技状態が高確率状態であるか低確率状態であるかを、演出図柄表示装置6にて遊技者に告知しない機能である。なお、潜伏機能が作動している場合は、普通電動役物の動作を高確率状態・低確率状態で同じにする。潜伏機能を備えることにより、遊技者は、「現在は高確率状態かもしれない」と考える可能性がある。このような遊技者は、高確率状態が終了しても直ちに遊技をやめない可能性が高く、遊技機の稼働が上がることが期待できる。こうした遊技機に本発明を適用すると、潜伏状態(潜伏機能が働いている状態)で取得2次元コードを取得した遊技者は、開始操作を行った後のモードにより、自分が高確率状態で終了したか否か(特別モードになれば高確率状態で終了し、特別モードにならなければ低確率状態で終了した)を知ることができる。また、このように構成することにより、潜伏状態で取得2次元コードを取得した遊技者が、どちらの遊技状態で終了したかを知るために、遊技を後日、再開することも期待できる。
【0102】
また、本発明を、回胴式遊技機に適用してもよい。回胴式遊技機の特典遊技状態は、アシストタイム(AT)モード、リプレイタイム(RT)モード、アシストリプレイタイム(ART)モード、チャレンジタイム(CT)等を指す。回胴式遊技機の特別なモードとは、回胴式遊技機の特典遊技状態の種類に応じた表示モードになるため、遊技者にバリエーションを富んだ特別なモードを付与することが可能となる。これにより、遊技者に回胴式遊技機の特別なモードを全て体験してみたいという興趣を持たせ、回胴式遊技機の稼働を高めることも期待できる。