(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、いずれの構成においても、認証番号を工場出荷時に予め着脱可能なデータ記憶手段か認証記憶手段に記憶させて置く必要がある。しかし、認証番号は個体ごとに異なる内容を記憶させる必要があるため、各個体のデータ記憶手段か認証記憶手段に対して個別の書き込み作業が必要となり、この書き込み作業のためのコストがかかるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、工場出荷時に個別の認証番号の書き込みが不要となり、従来よりも簡便な方法で、記憶媒体の電子機器への装着時にその記憶媒体に記憶された情報の利用を制限するかを決定できる電子機器等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するために、本発明に係る電子機器は、(1)着脱可能な記憶媒体に記憶された情報を当該記憶媒体の装着時に利用する電子機器であって、対象の記憶媒体が装着されており、対象の状態にあると判定された場合に、情報をユーザに入力させ、当該入力された情報に基づく情報である記憶用情報を、前記電子機器内に記憶するとともに前記記憶媒体にも記憶させておき、前記記憶用情報が記憶された記憶媒体が前記電子機器に装着されている場合に、前記記憶媒体に記憶された記憶用情報と前記電子機器内に記憶された記憶用情報とが一致しない場合には、当該記憶媒体内の情報の利用を制限することを特徴とする。
【0008】
このようにすることで、記憶媒体が電子機器に装着され、対象の状態にある場合、情報がユーザによって入力され、そのユーザによって入力された情報に基づく記憶用情報がその記憶媒体と電子機器内に記憶されることになる。そして、記憶用情報が記憶された記憶媒体が電子機器に装着されている場合に、その記憶媒体に記憶された記憶用情報と電子機器内に記憶された記憶用情報とが一致しない場合には、当該記憶媒体内の情報の利用が制限される。そのため、例えばこの記憶用情報が記憶された記憶媒体を本電子機器と同様の構成を有する別の電子機器に装着した場合には、この記憶媒体に記憶された記憶用情報と別の電子機器内に記憶された記憶用情報とは、同じ情報をユーザが入力していたというレアケースを除き、一致しないこととなるから、通常の場合、この記憶用情報が記憶された記憶媒体内の情報の利用は制限されることとなる。このようにユーザに入力させた情報に基づく情報である記憶用情報を電子機器内に記憶するとともに記憶媒体にも記憶させて両者が一致しない場合にその記憶媒体の情報の利用を制限する構成により、工場出荷時に個別の認証番号の書き込みが不要となり、従来よりも簡便な方法で、記憶媒体の電子機器への装着時にその記憶媒体に記憶された情報の利用を制限するかを決定できる。例えば、記憶媒体が有償で販売されており、その譲渡が禁止されている場合などにも、このような簡便な方法で譲渡された記憶媒体の別の電子機器での利用を制限できる。
【0009】
(2)工場出荷時には、前記記憶媒体に前記記憶用情報を記憶せず、前記電子機器内にも前記記憶用情報を記憶せず、前記対象の状態にある場合は、前記装着された記憶媒体に前記記憶用情報が記憶されていない状態である構成とするとよい。
【0010】
このようにすることで、新たに購入した記憶媒体を電子機器に装着した際に、情報をユーザに入力させ、当該入力された情報に基づく情報である記憶用情報を、前記電子機器内に記憶するとともに前記記憶媒体にも記憶させる処理が行われることとなる。また、すでに他の電子機器で利用された記憶媒体については、情報をユーザに入力させる処理が行われないこととなる。よって、一度、利用された記憶媒体を、他の電子機器で使いまわすことがより確実にできなくなる。
【0011】
(3)工場出荷時には、前記記憶媒体に前記記憶用情報を記憶せず、前記電子機器内にも前記記憶用情報を記憶せず、前記対象の状態にある場合は、前記装着された記憶媒体に前記記憶用情報が記憶されておらず、かつ、前記電子機器内に前記記憶用情報が記憶されていない状態である構成とするとよい。
【0012】
このようにすることで、新たに購入した記憶媒体を電子機器に装着した際であって、装着された記憶媒体に記憶用情報が記憶されている場合や、あるいは、電子機器内に記憶用情報が記憶されている場合には、情報をユーザに入力させる処理が行われないこととなる。したがって、一度、利用された記憶媒体や、一度当該記憶媒体を装着された電子機器について、当該記憶媒体の利用を制限することができる。例えば誤って他の電子機器で利用された記憶媒体が装着された場合や、まだ利用されていない記憶媒体がすでに他の記憶媒体を利用した電子機器に誤って装着された場合になどに優れた効果を発揮する。
【0013】
(4)前記記憶媒体に記憶された記憶用情報と前記電子機器内に記憶された記憶用情報とが一致しない場合に、当該記憶媒体の利用が制限される旨の出力を行う構成とするとよい。
このようにすることで、装着された記憶媒体が、利用制限のある記憶媒体であることをユーザは知ることができる。
【0014】
(5)着脱可能な記憶媒体に記憶された情報の当該記憶媒体の装着時の利用は、当該記憶媒体に記憶されたアップデート情報を用いた前記本体内の記憶部の情報のアップデートであり、前記利用の制限は、前記記憶媒体に記憶された情報を用いた前記本体内の記憶部の情報のアップデートを行わないことである構成とするとよい。
【0015】
このようにすることで、アップデート情報の記憶された記憶媒体を複数の電子機器で使い回して複数の電子機器をアップデートさせたりすることを防止することができる。例えばアップデート情報を記憶した記憶媒体を販売している場合に、自己の電子機器をこの記憶媒体を用いてアップデートした後に、他人の電子機器をこの記憶媒体を用いてアップデートすることを、従来よりも簡便な構成でできなくすることができる。
【0016】
(6)前記記憶媒体に記憶された記憶用情報と前記電子機器内に記憶された記憶用情報とが一致する場合には、当該記憶媒体内のアップデート情報を用いた前記本体内の記憶部の情報のアップデートを行う構成であり、前記記憶用情報を、前記電子機器内に記憶するとともに前記記憶媒体にも記憶させた際には、当該記憶媒体の取り出し指示を出力する構成とするとよい。
このようにすることで、アップデート後に再度アップデート処理が実行されることを防止できる。
【0017】
(7)前記アップデートにより、アップデート前の機能と、アップデート後の機能の双方を実行可能とし、いずれを実行するかをユーザが選択可能に構成するとよい。
【0018】
このようにすることで、例えば任意にアップデート前の機能と、アップデート後の機能を選択できる。また、アップデート後にもアップデート前の機能を実行させることができる。例えば、アップデート前の機能と、アップデート後の機能のいずれを実行するかの選択手段を設け、当該選択手段によって選択された機能を実行する構成とするとよい。
【0019】
(8)前記記憶媒体として、一般的なパソコンで読み書き可能な記憶形式の記憶媒体と、一般的なパソコンで読み書き不能な記憶形式の記憶媒体とを備え、前記一般的なパソコンで読み書き不能な記憶形式の記憶媒体は前記対象の記憶媒体とする一方、前記一般的なパソコンで読み書き可能な記憶形式の記憶媒体は前記対象の記憶媒体としないとともに前記一般的なパソコンで読み書き可能な記憶形式の記憶媒体の装着時には、当該記憶媒体内のアップデート情報を用いた前記本体内の記憶部の情報のアップデートを行う機能を備える構成とするとよい。
【0020】
このようにすることで、例えばインターネット等を介して提供される無償のアップデート情報を一般的なパソコンで読み書き可能な記憶形式の記憶媒体にダウンロードして、その記憶媒体を電子機器に装着することで、当該記憶媒体内のアップデート情報を用いた前記本体内の記憶部の情報のアップデートを行うことができる一方、例えば有償で提供される一般的なパソコンで読み書き不能な記憶形式の記憶媒体は前記対象の記憶媒体とすることで当該記憶媒体のコピーを防止できるとともに他の電子機器での利用制限をかけることができる。一般的なパソコンとは例えばその時点で主流のオペレーティングシステムを搭載しているパソコンとするとよい。
【0021】
(9)前記記憶媒体に記憶された記憶用情報と前記電子機器内に記憶された記憶用情報とが一致する場合には、当該記憶媒体内の情報の利用を制限しない構成とするとよい。
【0022】
このようにすることで、ユーザ自身が入力した情報に基づく認証情報が、記憶媒体と電子機器の双方に存在する場合に当該記憶媒体内の情報が制限なく利用できる。
(10)前記所定の情報をユーザに入力させるための入力手段と前記入力手段によって入力された情報を表示する表示手段を備える構成とするとよい。
このようにすれば、ユーザは入力した内容を確認しながら確実に前記所定の情報を入力することが容易にできるようになる。
【0023】
前記ユーザに入力させる情報は、任意の情報とすることができ、記憶用情報はその入力された情報に基づく情報であればよいが特に次のようにするとよい。
(11)前記ユーザに入力させる情報は認証番号であり、前記記憶用情報は認証番号そのものである構成とするとよい。このようにすれば、ユーザは番号を入力だけでよく、容易かつ簡便に所定の情報を容易に入力でき、記憶媒体に記憶された情報を当該記憶媒体の装着時に利用することが容易にでき、その利用を妨げる度合いを最小にすることができる。
【0024】
(12)請求項1〜11のいずれかの電子機器としての機能を当該電子機器のコンピュータに実現させるためのプログラムの少なくとも一部を当該装着された記憶媒体内に備え、前記電子機器は当該記憶媒体内のプログラムを実行する機能を備える構成とするとよい。
【0025】
(13)請求項1〜11のいずれかの電子機器としての機能を当該電子機器のコンピュータに実現させるためのプログラムの少なくとも一部を当該装着された記憶媒体内に備える記憶媒体とするとよい。
(14)請求項1〜11のいずれかの電子機器としての機能をコンピュータに実現させるためのプログラムとして構成するとよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、工場出荷時に個別の認証番号の書き込みが不要となり、従来よりも簡便な方法で、記憶媒体の電子機器への装着時にその記憶媒体に記憶された情報の利用を制限するかを決定できる電子機器等を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1,
図2は、本発明のシステムを構成する電子機器として好適な一実施形態であるレーダー探知機の構成を示している。レーダー探知機1は、薄型矩形状のケース本体2を備え、そのケース本体2の背面側下方に取り付けられたブラケット3を用いて車両のダッシュボード上等に貼り付けて固定される。
【0030】
ケース本体2の前面(車両後方(運転者側)に向く面)には、表示部5を備える。表示部5は、3.2インチのカラーTFT液晶ディスプレイで構成する。この表示部5上には、表示部5のどの部分がタッチされたかを検出するタッチパネル6を備える。また、ケース本体2の前面の右サイドには音量調整ボタン7が配置され、同左サイドには各種の作業用ボタン8が配置される。
【0031】
ケース本体2の右側面には、着脱可能な記憶媒体としてのメモリカードであるマイクロSDメモリカード(以下単にSDと記載することもある)を装着するためのカード挿入口9を備え、ケース本体2内のカード挿入口9の内側にメモリカードの読み書きを行うメモリカードリーダ10(リーダ、ライタ機能を有するが単にリーダと称する)が内蔵される。このカード挿入口9からマイクロSDメモリカード11を挿入することで、そのマイクロSDメモリカード11はメモリカードリーダ10に装着される。
【0032】
データベース19は、制御部18のマイコンに外付けした不揮発性メモリ(たとえばEEPROM)である。なお、データベース19には、出荷時に地図データ並びに一定の警報対象に関する情報が登録されており、その後に追加された警報対象についてのデータ等が後述のようにしてデータ更新される。
【0033】
ケース本体2の背面側中央上方の内部にGPS受信器13を配置し、さらにその横にマイクロ波受信器14,無線受信器15を配置する。GPS受信器13は、GPS衛星からのGPS信号を受信し、現在位置(経度・緯度)情報を出力する。マイクロ波受信器14は、速度測定装置から出射される所定周波数のマイクロ波を受信する。無線受信器15は、飛来する所定周波数の無線を受信する。ケース本体2内の下方には、スピーカ16も内蔵している。スピーカ口は、ケース本体2の底面に設けている。
【0034】
ケース本体2の側面側下方には、DCジャック18を配置する。このDCジャック18は、図示省略のシガープラグコードを接続するためのもので、そのシガープラグコードを介して車両のシガーソケットに接続して電源供給を受け得るようにする。
【0035】
また、制御部18は、CPU,ROM,RAM,不揮発性メモリ、I/O等を備えるマイコンであり、
図2に示すように上述した各部と接続され、上記の各種の入力機器(タッチパネル6、GPS受信器13、マイクロ波受信器14、無線受信器15等)から入力される情報に基づき所定の処理を実行し、出力機器(表示部5,スピーカ16等)を利用して所定の警報・メッセージを出力する。これらの基本構成は、基本的に従来のものと同様のものを用いることができる。例えば音声の出力は、音声のPCMデータを、EEPROM上に記憶しており、制御部18はこのPCMデータを再生してスピーカ16から音声を出力する。
【0036】
本実施形態のレーダー探知機1における機能は、制御部18に有するコンピュータが実行するプログラムとして制御部18のEEPROM上に格納され、これを制御部18に有するコンピュータが実行することで実現する。制御部18の有するプログラムによってコンピュータが実現する機能としては、通常の処理として、GPSログ機能、待ち受け画面表示機能、マップ表示機能、GPS警報機能、レーダー波警報機能、無線警報機能などがある。また起動時の処理として、更新機能を実現する後述するような第一の機能、第二の機能、第三の機能などがある。
【0037】
GPSログ機能は、制御部18が1秒ごとにGPS受信器8によって検出された現在位置をその検出した時刻および速度(車速)と関連づけて位置履歴として不揮発性メモリに記憶する機能である。この位置履歴は例えばNMEA形式で記録する。
【0038】
待ち受け画面表示機能は、所定の待ち受け画面を表示部5に表示する機能である。
図3(a)は、待ち受け画面の一例を示しており、ここではGPS受信器13によって検出した自車両の速度、緯度、経度、高度を示している。
【0039】
マップ表示機能は、
図3(b)に示すように、GPS受信器13によって検出した現在位置に基づき、データベース19にアクセスし、そこに記憶されている地図データを読み出して表示する機能である。また、マップ表示機能は、現在位置の周囲の警報対象をデータベース19に記憶された位置情報に基づいて検索し、周囲に警報対象が存在する場合に地図上の該当する位置にその警報対象を示す情報(ターゲットアイコン112等)を重ねて表示する機能も備える。具体的な表示態様は、以下の通りである。
【0040】
制御部18は、表示部5のほぼ全面のメイン表示領域R1に、車両の進行方向が常に上を向くように地図を表示する。制御部18は、メイン表示領域R1の下側中央が現在の自車位置になるように地図を表示するとともに、当該位置に自車アイコン111を表示する。
【0041】
制御部18は、メイン表示領域R1の上方側に設定されたステータスエリアR2に、ステータス情報を表示する。ステータスエリアR2に表示するステータス情報は、左から順に、現在時刻121(図では、「15:10」),GPS電波受信レベル表示アイコン122(図では、長さの異なる3本の直線が平行に起立した最大受信レベル),駐車禁止エリアアイコン123(駐車最重点エリア,駐車重点エリア内のときに表示),レーダーの受信感度を示す受信感度モード表示アイコン124(図では、最高感度の「SE」)、車両速度125(図では「30km/h」)、方位磁針126となっている。ステータスエリアR2は、透明な領域とし、メイン表示領域R1のレイアよりも上のレイアを用いて配置する。これにより、ステータスエリアR2内でも、ステータス情報が表示されていない場所では、下側に位置する地図が視認できる。
【0042】
制御部18は、メイン表示領域R1の左サイドに設定されるスケール表示領域R3に、現在のスケール情報(縮尺)を表示する。スケールは、自車位置を0mとし、その自車位置からメイン領域R1の上下方向の中間位置までの距離(図では「500」)と、上方位置までの距離(図では「1000」)を表示する。単位は、「m」である。制御部18は、メイン表示領域R1が2回連続してタッチされたことを検知すると、メイン表示領域R1内の所定位置(スケール表示領域R3に添う位置)に地図スケール変更ボタンを表示し(図示省略)、その地図スケール変更ボタンに対するタッチに応じて地図スケールを変更する。つまり、制御部18は、変更した地図スケールの縮尺に合わせてメイン表示領域R1に表示する地図の縮尺を変更すると共に、スケール表示領域R3に表示するスケール情報も変更する。
【0043】
図3(a)に示すような待ち受け画面表示機能実行中に、表示部5への1回のタッチを検知した制御部18は、メニュー画面を表示する。そのメニュー画面中に用意された画面切り替えボタンがタッチされたことを検知した制御部18は、
図3(b)に示すようなマップ表示機能に切り替える。同様にマップ表示機能実行中に表示部5への1回のタッチを検知した制御部18は、メニュー画面を表示する。そのメニュー画面中に用意された画面切り替えボタンがタッチされたことを検知した制御部18は、待ち受け画面表示機能に切り替える処理を行う。
【0044】
制御部18は、待ち受け画面表示機能、マップ表示機能(以下これらの機能を総称して待受機能と称する)の実行中に、発生したイベントに応じて、GPS警報機能、レーダー波警報機能、無線警報機能等の各機能を実現する処理を実行し、当該機能の処理終了時には元の待受機能の処理に戻る。各機能の優先度は、高いほうから、レーダー波警報機能、無線警報機能、GPS警報機能の順に設定している。
【0045】
GPS警報機能は、制御部18に有するタイマーからのイベントにより所定時間間隔(1秒間隔)で実行される処理であり、データベース19に記憶された警報対象の緯度経度とGPS受信器13によって検出した現在位置の緯度経度から両者の距離を求め、求めた距離が所定の接近距離になった場合に、表示部5に
図4(a)に示すような警報画面であるGPS警報表示130(警報対象の模式図・残り距離等)をし、スピーカ16からその旨を示す接近警告の音声を出力する処理である。
【0046】
こうした警報対象としては、居眠り運転事故地点、レーダー、制限速度切替りポイント、取締エリア、検問エリア、駐禁監視エリア、Nシステム、交通監視システム、交差点監視ポイント、信号無視抑止システム、警察署、事故多発エリア、車上狙い多発エリア、急/連続カーブ(高速道)、分岐/合流ポイント(高速道)、ETCレーン事前案内(高速道)、サービスエリア(高速道)、パーキングエリア(高速道)、ハイウェイオアシス(高速道)、スマートインターチェンジ(高速道)、PA/SA内
ガソリンスタンド(高速道)、トンネル(高速道)、ハイウェイラジオ受信エリア(高速道)、県境告知、道の駅、ビューポイントパーキング等があり、これらの目標物の種別情報とその位置を示す緯度経度情報と表示部5に表示する模式図または写真のデータと音声データとを対応付けてデータベース19に記憶している。
【0047】
図4(b)は、レーダー波警報機能の表示例を示している。このレーダー波警報機能は、マイクロ波受信器14によって速度測定装置(移動式レーダー等(以下、単に「レーダー」と称する))から発せられる周波数帯のマイクロ波に対応する信号が検出された場合に、表示部5に対して警報画面であるGPS警報表示131を表示するとともに、スピーカ20から警報音を出力する警報機能である。例えば、レーダーの発するマイクロ波の周波数帯のマイクロ波がマイクロ波受信器4によって検出された場合に、
図4(b)に示すように、データベース19に記憶されたレーダーの模式図または写真を表示部5に警報画面として表示するとともに、データベース19に記憶された音声データを読み出して「レーダーです。スピード注意」という音声をスピーカ16から出力する。表示する距離は、例えば、電界強度から推定した距離とするとよい。
【0048】
無線警報機能は、無線受信器15によって、緊急車両等の発する無線電波を受信した場合に、その走行等の妨げとならないよう、警報を発する機能である。無線警報機能においては、取締無線、カーロケ無線、デジタル無線、特小無線、署活系無線、警察電話、警察活動無線、レッカー無線、ヘリテレ無線、消防ヘリテレ無線、消防無線、救急無線、高速道路無線、警備無線等の周波数をスキャンし、スキャンした周波数で、無線を受信した場合には、データベース19に無線種別ごとに記憶されたその周波数に対応する無線を受信した旨の模式図を警報画面として表示部5に表示するとともに、データベース19に無線種別ごとに記憶された音声データを読み出して、スピーカ16からその無線の種別を示す警報音声を出力する。たとえば、取締無線を受信した場合には「取締無線です。スピード注意」のように音声を出力する。
【0049】
以下、本発明の特徴であるメモリカードリーダ10に装着されたマイクロSDメモリカード11に格納されたデータに基づいてデータベース19や、制御部18のEEPROMの内容を更新する処理について説明する。
本レーダー探知機1は、マイクロSDメモリカード11に格納されたデータに基づいて更新する機能として、次の3つの機能を備える。
【0050】
第一の機能として、GPS警報機能における警報対象の緯度経度情報と各警報対象の種別情報とを更新するGPSデータ更新機能を備える。GPS警報機能における警報対象の緯度経度情報と各警報対象の種別情報とを含むGPSデータファイルは、定期的(1ヶ月ごと)に、ホームページ上(インターネットに接続されたサーバ上)へアップロードされており、ユーザは、自己のパソコン等でこのGPSデータファイルをダウンロードし、パソコンで読み書きできるFAT形式のファイルシステムでフォーマットされたマイクロSDメモリカード11にこのGPSデータファイルをコピーする。制御部18は、制御部18の電源投入時にメモリカードリーダ10を介してマイクロSDメモリカード11の内容を参照し、GPSデータファイルが存在する場合には、データベース19の内容をGPSデータファイルの内容で更新する処理を行うことでGPSデータ更新機能を実現する。
【0051】
第二の機能として、無償プログラム更新機能がある。無償プログラム更新機能は、制御部18のプログラムの修正がある場合や無償での機能アップのために制御部18のプログラムやデータを更新する場合に、ホームページ上へこれらのプログラムやデータを含む無償プログラム更新ファイルがアップロードされており、ユーザは、自己のパソコン等でこの無償プログラム更新ファイルをダウンロードし、パソコンで読み書きできるFAT形式のファイルシステムでフォーマットされたマイクロSDメモリカード11にこの無償プログラム更新ファイルをコピーする。制御部18は、制御部18の電源投入時にメモリカードリーダ10を介してマイクロSDメモリカード11の内容を参照し、無償プログラム更新ファイルが存在する場合には、制御部18のプログラムが格納されたEEPROMの内容を無償プログラム更新ファイル内のプログラムやデータに更新する処理を行うことで無償プログラム更新機能を実現する。
【0052】
第三の機能として、有償プログラム更新機能がある。有償プログラム更新機能は、レーダー探知機1の有償での機能アップのために、制御部18のプログラムやデータを更新する機能である。有償プログラムは、一般的なパソコンでは読み書きできない特殊なファイルシステム(例えば組み込みシステム専用のファイルシステム)でフォーマットされたマイクロSDメモリカード11内にこれらのプログラムやデータを含む有償プログラム更新ファイルが格納されて、販売されているものである。ユーザはこの販売されている有償プログラム更新用マイクロSDメモリカード11を購入して、カード挿入口9に挿入する。制御部18は、制御部18の電源投入時にメモリカードリーダ10を介してマイクロSDメモリカード11の内容を参照し、有償プログラム更新ファイルが存在する場合には、制御部18のプログラムが格納されたEEPROMの内容を、有償プログラム更新ファイル内のプログラムやデータに更新する処理を行うことで有償プログラム更新機能を実現する。
次に、第一から第三の機能までの処理順序を含め、特に第三の機能について詳細に説明する。
【0053】
まず、電源が投入された際には、制御部18は周辺回路等の初期化を行い、接続された各部を動作可能な状態とする処理を行う。続いて、メモリカードリーダ10を介してマイクロSDメモリカード11が装着されているか(アクセス可能か)を確認する。アクセス可能な場合、マイクロSDメモリカード11のファイルシステムが、FAT形式であるか、特殊なファイルシステムであるかを確認する。
【0054】
FAT形式である場合には、FAT形式でマイクロSDメモリカード11をマウントし、無償プログラム更新ファイルが存在するか否かを確認する。無償プログラム更新ファイルが存在する場合(無償プログラム更新ファイルであることを示すファイル名を有し、データ構造が無償プログラム更新ファイルとしての形式であるものである場合)、前述した無償プログラム更新機能の処理を実行する。一方、無償プログラム更新ファイルが存在しない場合には、FAT形式でマウントしたマイクロSDメモリカード11内に、GPSデータファイルが存在するかを確認する。GPSデータファイルが存在する場合(GPSデータファイルであることを示すファイル名を有し、データ構造がGPSデータファイルとしての形式であるものである場合)、前述したGPSデータ更新機能の処理を実行する。
【0055】
一方、特殊なファイルシステムである場合には、その特殊なファイルシステムの形式でマイクロSDメモリカード11をマウントし、有償プログラム更新ファイルが存在するか否かを確認する。有償プログラム更新ファイルが存在する場合(有償プログラム更新ファイルであることを示すファイル名を有し、データ構造が有償プログラム更新ファイルとしての形式であるものである場合)、前述した有償プログラム更新機能の処理を実行する。具体的には、
図5に示すフローの処理を行う。
【0056】
図5に示すように、まずステップ10(S10)では、マイクロSDメモリカード11に認証番号ファイルが記憶されておらず、かつ、レーダー探知機1の本体の制御部18のEEPROMにも認証番号ファイルが記憶されていない状態であるか、すなわち、マイクロSDメモリカード11と制御部18のEEPROMの双方に認証番号ファイルがないかどうかを判定する。マイクロSDメモリカード11と制御部18のEEPROMの双方に認証番号ファイルがない場合には(S10:YES)、S20へ移行する。S20では、
図6に示す認証番号入力画面を表示部5に表示する。認証番号入力画面は、上部の左右方向に「シリアルNo.を入力してください」の文字列を表示するタイトル表示部を備え、その下に左右方向に設けた白色の矩形内部の領域である入力文字表示部を備える。更にその下に、0〜9までの数字ボタンと、再入力ボタン、OKボタンを有する入力ボタン部を備える。いずれかの数字ボタンの表示部の箇所へのタッチがタッチパネルから検出された場合、タッチされた数字を入力文字表示部に表示する。例えば数字ボタンの「0」のタッチが検出された場合、入力文字表示部に左詰めで「0」と表示する。続けてさらに「3」のタッチが検出された場合、「03」と左詰めで表示する。このようにして8桁まで入力を受け付ける。例えば「0」「3」「9」「6」「3」「1」「4」「6」の順に数字ボタンのタッチが検出された場合には、入力文字表示部には「03963146」と左詰めで表示されることとなる。このようにして、ユーザは8桁の認証番号を入力する。認証番号は任意としてもよいが、製品のシリアル番号とするとよい。この場合、例えば、レーダー探知機1のケース本体2の背面に8桁のシリアル番号シールを貼っておき、そのシリアル番号を入力するよう取扱説明書等で指示を記載しておくとよい。あるいは単に番号を記載した紙を添付するだけでもよい。このように単に、入力する情報を紙に印刷して製品に添付するだけでよいので、認証情報を制御部18のEEPROMに記憶するのと比べると遙かにコストがかからないこととなる。
【0057】
なお、再入力ボタンの表示部の箇所へのタッチがタッチパネルから検出された場合、現在、入力文字表示部に表示されている認証番号をクリアーして
図6の表示状態に戻す。
そして、8桁の入力が完了した場合、ユーザはOKボタンをタッチする。
【0058】
OKボタンの表示部の箇所へのタッチがタッチパネルから検出された場合、8桁の認証番号が入力されているか(入力文字表示部に8桁の認証番号を表示している状態か)をチェックし、8桁の認証番号が入力されている場合には、
図5のS30へ移行する。8桁の認証番号が入力されていない場合には、認証番号をクリアーして
図6の表示状態に戻す。
【0059】
S30では、入力された8桁の認証番号を含む認証番号ファイルをマイクロSDメモリカード11に作成して記憶させるとともに、入力された8桁の認証番号を含む認証番号ファイルをレーダー探知機1の本体の制御部18のEEPROMにも作成して記憶させる。
【0060】
続くS40では、マイクロSDメモリカード11の有償プログラム更新ファイルを読み取り、制御部18のEEPROMに記憶されたデータとプログラムを更新する。更新中には、
図7に示すように「アップデート中です。電源を切らないでください。」の文字列とその文字列の下にアップデートの進捗率を示すプログレスバーを備えた更新進捗表示画面を表示部5に表示させる。
図7の状態は、更新処理がほぼ終了に近い状態の更新進捗表示画面の状態を示している。更新が終了するとS50へ移行する。
【0061】
S50では、マイクロSDメモリカード11の取り出し指示を表示部5に表示する。具体的には、
図8に示すように、「アップデートが終了しました。電源を切ってからSDカードを取り出し再起動してください」の文字列を備えた更新終了表示画面を表示部5に表示する。この状態で処理を終了する(その結果、表示部5にはレーダー探知機1の再起動(電源の再投入)がなされるまで
図8の画面が表示されることとなる。
【0062】
カード挿入口9からマイクロSDメモリカード11が取り出された状態で、レーダー探知機1の再起動(電源の再投入)がなされると、更新された制御部18のEEPROMに記憶されたデータとプログラムに基づく処理(更新後の処理)がなされることとなる。
【0063】
一方、
図5のS10でNOの場合、すなわち、マイクロSDメモリカード11に認証番号ファイルが記憶されている場合、または、レーダー探知機1の本体の制御部18のEEPROMに認証番号ファイルが記憶されている場合(マイクロSDメモリカード11と制御部18のEEPROMの少なくともいずれか一方に認証番号ファイルが記憶されている場合)には(S10:NO)、S60へ移行する。
【0064】
S60では、マイクロSDメモリカード11内の認証番号と制御部18のEEPROM内の認証番号が一致するか否かを判定する。例えばマイクロSDメモリカード11と制御部18のEEPROMのいずれか一方に認証番号ファイルがない場合には認証番号は不一致と判定する。また、例えばマイクロSDメモリカード11と制御部18のEEPROMの双方に認証番号ファイルがある場合には、双方の認証番号ファイル内の認証番号が一致する場合に認証番号が一致すると判定し、双方の認証番号ファイル内の認証番号が不一致の場合には認証番号が不一致と判定する。
認証番号が一致する場合には(S60:YES)、S40の処理へ移行する。一方、認証番号が不一致の場合には(S60:NO)、S70へ移行する。
【0065】
S70では、
図9に示すように、「このSDカードではアップデートできません。電源を切ってからSDカードを取り出し再起動してください」の文字列を備えた更新不能表示画面を表示部5に表示する。この状態で処理を終了する(その結果、表示部5にはレーダー探知機1の再起動(電源の再投入)がなされるまで
図8の画面が表示されることとなる。カード挿入口9からマイクロSDメモリカード11が取り出された状態で、レーダー探知機1の再起動(電源の再投入)がなされると、更新されていない状態で、制御部18のEEPROMに記憶されたデータとプログラムに基づく処理がなされることとなる。なお、
図9に示すように更新不能表示画面は、
図8に示す更新終了表示画面とは文字の背景色をかえている。このように文字の背景色を変えるなど両画面は異なる表示態様で表示するとよい。
【0066】
本実施形態の有償プログラム更新ファイルは、GPS警報機能において、警報対象へ接近した場合に、
図4(a)に示したような警報対象の模式図を示した警報を行う模式図警報機能に替えて、
図10に示すように、警報対象へ接近した場合にキャラクタを表示して、このキャラクタを動かしてアニメーション表示し、BGMをスピーカ16から出力する処理を行うキャラクタ警報機能を実現するプログラムとデータを含むファイルである。ユーザは、この有償プログラム更新ファイルを含むキャラクタ警報機能追加用マイクロSDメモリカード11(このカードは前述の一般的なパソコンでは読み書きできない特殊なファイルシステムである)をカード挿入口9に挿入してレーダー探知機1の電源を入れることで、上述した処理によって、キャラクタ警報機能を追加することができる。
【0067】
なお、更新により追加されたキャラクタ警報機能と更新前から存在する模式図警報機能とは、ユーザ設定により切り替えられるように切り替えプログラムをこの有償プログラム更新ファイルに含むようにするとよい。
【0068】
例えば、このユーザ設定は、メイン表示領域R1が1回タッチされたのを検知した場合、選択画面を表示し、その選択画面のタッチ位置に基づいて行うようにするとよい。例えば、選択画面は、「GPS警報モード」の文字列を表示し、その文字列の下に左右に2つのボタンを備える。左側のボタンが「模式図警報」と表示した更新前機能選択ボタンであり、右側のボタンが「キャラクタ警報機能」と表示した更新後機能選択ボタンである。更新前機能選択ボタンの表示部へのタッチがタッチパネル6から検出された場合には、
図4(a)のような模式図警報を行い、更新後機能選択ボタンの表示部へのタッチがタッチパネル6から検出された場合には、
図10のようなキャラクタ警報を行う。
【0069】
以上のように本実施形態のレーダー探知機は、着脱可能な記憶媒体であるマイクロSDメモリカード11に記憶された情報をマイクロSDメモリカード11の装着時に利用する電子機器である。そして、有償プログラム更新ファイルが存在する対象のマイクロSDメモリカード11が装着されており、対象の状態にあるマイクロSDメモリカード11と制御部18のEEPROMの双方に認証番号がない状態の場合には(S10:YES)、
図6に示した認証番号入力画面を表示部5に表示して、認証番号をユーザに入力させ、当該入力された認証番号を記憶用情報としてレーダー探知機内の制御部18のEEPROMに記憶するとともに、その認証番号をマイクロSDメモリカード11にも記憶しておく。そして、認証番号が記憶されたマイクロSDメモリカード11がレーダー探知機に装着された場合に、電源がオンになると、マイクロSDメモリカード11に記憶された認証番号とレーダー探知機内の制御部18のEEPROMに記憶された認証番号とが一致しない場合には(S60:NO)、そのマイクロSDメモリカード11による制御部18のEEPROMに記憶されたデータとプログラムの更新を行わないというマイクロSDメモリカード11の利用の制限をする。
【0070】
したがって、例えば、一度、あるレーダー探知機1で有償プログラム更新に利用されたマイクロSDメモリカード11を、他のレーダー探知機1へ挿入して有償プログラム更新をしようとしても、他のレーダー探知機1をそのマイクロSDメモリカード11で更新することはできない。このようにユーザに入力させた情報に基づく情報である認証番号をレーダー探知機1内に記憶するとともにマイクロSDメモリカード11にも記憶させて両者が一致しない場合にそのマイクロSDメモリカード11の情報の利用を制限する構成により、工場出荷時に個別の認証番号の書き込みが不要となり、従来よりも簡便な方法で、マイクロSDメモリカード11のレーダー探知機1への装着時にそのマイクロSDメモリカード11に記憶された情報の利用を制限するかを決定できる。このように、マイクロSDメモリカード11が有償で販売されており、その譲渡が禁止されている場合などにも、こうした簡便な方法で譲渡されたマイクロSDメモリカード11の別のレーダー探知機1での利用を制限できる。
【0071】
本実施形態のキャラクタ警報機能追加用マイクロSDメモリカード11は、工場出荷時には認証番号を記憶せず、また、工場出荷時にレーダー探知機1内にも認証情報を記憶していない。装着されたキャラクタ警報機能追加用マイクロSDメモリカード11と制御部18のEEPROMの双方に認証番号が記憶されていない場合には(S10:YES)、
図6に示した認証番号入力画面を表示部5に表示して、認証番号をユーザに入力させ、当該入力された認証番号を記憶用情報としてレーダー探知機1内の制御部18のEEPROMに記憶するとともに、その認証番号をマイクロSDメモリカード11にも記憶しておく。そのためすでに他のレーダー探知機1で利用されたキャラクタ警報機能追加用マイクロSDメモリカード11については、マイクロSDメモリカード11には認証番号が存在することから、S10でNOとなり、また他のレーダー探知機1内の制御部18のEEPROMに記憶された認証番号とマイクロSDメモリカード11に記憶された認証番号とは一致しないから、S20〜S50の処理が行われないこととなる。よって、一度、更新に利用されたキャラクタ警報機能追加用マイクロSDメモリカード11を、他のレーダー探知機1で使いまわして、更新し、キャラクタ警報機能を追加するようなことが確実にできなくなる。また、例えば誤って他の電子機器で利用されたキャラクタ警報機能追加用マイクロSDメモリカード11が装着された場合や、まだ更新に利用されていないキャラクタ警報機能追加用マイクロSDメモリカード11がすでに他のキャラクタ警報機能追加用マイクロSDメモリカード11を利用して更新済みのレーダー探知機に誤って装着された場合になどに、そのまだ更新に利用されていないキャラクタ警報機能追加用マイクロSDメモリカード11に認証番号を書きこんでしまうといった誤りを防止できるなど優れた効果を発揮する。
【0072】
本実施形態では、キャラクタ警報機能追加用マイクロSDメモリカード11に記憶された認証番号とキャラクタ警報機能追加用マイクロSDメモリカード11内に記憶された認証番号とが一致しない場合に、
図9に示した更新不能表示画面を表示部5に表示する。このように、利用が制限される旨の出力を行う構成とすることで、装着されたキャラクタ警報機能追加用マイクロSDメモリカード11が、利用制限のあるキャラクタ警報機能追加用マイクロSDメモリカード11であることをユーザは知ることができる。
【0073】
本実施形態では、キャラクタ警報機能追加用マイクロSDメモリカード11に記憶されたアップデート情報である有償プログラム更新ファイルを用いたレーダー探知機1の本体内のEEPROMのプログラム(キャラクタ警報機能を実現するプログラム)とデータ(キャラクタの画像データやアニメーションのためのデータ、BGMの音声データ等)のアップデート(追加更新)を行なっている。また、S70に示したように(S40を実施しないことによる)利用の制限として、キャラクタ警報機能追加用マイクロSDメモリカード11に記憶された有償プログラム更新ファイルを用いたレーダー探知機1内のEEPROMのプログラムとデータのアップデートを行わない構成としている。そのため、アップデート情報の記憶されたキャラクタ警報機能追加用マイクロSDメモリカード11を複数のレーダー探知機1で使い回して複数のキャラクタ警報機能追加用マイクロSDメモリカード1をアップデートさせたりすることを防止することができる。例えばアップデート情報を記憶したマイクロSDメモリカード11を販売している場合に、自己のレーダー探知機をこのマイクロSDメモリカード11を用いてアップデートした後に、他人のレーダー探知機1をこのマイクロSDメモリカード11を用いてアップデートすることを、従来よりも簡便な構成でできなくすることができる。
【0074】
本実施形態では、キャラクタ警報機能追加用マイクロSDメモリカード11に記憶された認証番号とレーダー探知機1内の制御部18のEEPROMに記憶された認証番号とが一致する場合には、キャラクタ警報機能追加用マイクロSDメモリカード11内のアップデート情報である有償プログラム更新ファイルを用いたレーダー探知機1の制御部18のEEPROM内のプログラムとデータのアップデートを行う構成であり、認証番号を、レーダー探知機1内の制御部18のEEPROM内に記憶するとともにキャラクタ警報機能追加用マイクロSDメモリカード11にも記憶させた際には、キャラクタ警報機能追加用マイクロSDメモリカード11の取り出し指示を含む出力する(
図5のS50、
図8)構成としている。このようにすることで、アップデート後に再度アップデート処理が実行されることを防止できる。
【0075】
本実施形態では、アップデートにより、アップデート前の機能である模式図警報機能と、アップデート後の機能であるキャラクタ警報機能との双方を実行可能とし、いずれを実行するかをユーザが選択可能に構成している。 このようにすることで、例えば任意にアップデート前の模式図警報機能と、アップデート後のキャラクタ警報機能とを選択できる。また、アップデート後にもアップデート前の機能である模式図警報機能を実行させることができる。
【0076】
本実施形態では、マイクロSDメモリカード11として、一般的なパソコンで読み書き可能なマイクロSDメモリカード11と、キャラクタ警報機能追加用マイクロSDメモリカード11のように一般的なパソコンで読み書き不能な記憶形式のマイクロSDメモリカード11とを備え、一般的なパソコンで読み書き不能な記憶形式のマイクロSDメモリカード11は
図5の処理の対象(第三の機能の対象)の記憶媒体とする一方、一般的なパソコンで読み書き可能な記憶形式のマイクロSDメモリカード11は
図5の処理の対象としない(第3の機能の対象としない)とともに一般的なパソコンで読み書き可能な記憶形式のマイクロSDメモリカード11の装着時には、当該マイクロSDメモリカード11内のアップデート情報を用いたレーダー探知機1の制御部18のEEPROMの記憶部のアップデートを行う機能を備える(第二の機能を備える)構成としている。このようにすることで、例えばインターネット等を介して提供される無償のアップデート情報を一般的なパソコンで読み書き可能な記憶形式のマイクロSDメモリカード11にダウンロードして、そのマイクロSDメモリカード11をレーダー探知機1に装着することで、当該マイクロSDメモリカード11のアップデート情報を用いたレーダー探知機1内の制御部18のEEPROMのプログラムやデータのアップデートを行うことができる一方、例えば有償で提供される一般的なパソコンで読み書き不能な記憶形式の記憶媒体は
図5の処理の対象とすることで当該マイクロSDメモリカード11のコピーを防止できるとともに他のレーダー探知機1での利用制限をかけることができる。
【0077】
マイクロSDメモリカード11に記憶された認証番号とレーダー探知機1内に記憶された認証番号とが一致する場合には(
図5のS60:YES)、当該マイクロSDメモリカード11内の情報の利用を制限しない構成としている(
図5のS40)。
【0078】
このようにすることで、ユーザ自身が入力した情報に基づく認証番号が、当該マイクロSDメモリカード11とレーダー探知機内の双方に存在する場合に当該当該マイクロSDメモリカード11内の情報が制限なく利用できる。
【0079】
本実施形態では、所定の情報として8桁の認証番号をユーザに入力させるための表示部5への認証番号入力画面の表示を行い、タッチパネル6によって入力された認証番号を認証番号入力画面の入力文字表示部に表示する構成としている。このようにすれば、ユーザは入力した番号を確認しながら確実に認証番号を入力することが容易にできるようになる。
【0080】
本実施形態では、ユーザに入力させる情報は認証番号であり、レーダー探知機内の制御部18のEEPROMに記憶する情報とマイクロSDメモリカード11に記憶する情報は認証番号そのものである構成としている。このようにすることで、ユーザは番号を入力するだけでよく、容易かつ簡便に所定の情報を容易に入力でき、キャラクタ警報機能追加用マイクロSDメモリカード11に記憶された情報をそのキャラクタ警報機能追加用マイクロSDメモリカード11の装着時に利用することが容易にでき、その利用を妨げる度合いを最小にすることができる。
【0081】
本実施形態の第三の機能を実現するプログラムは、予め工場出荷時のレーダー探知機1の制御部18のEEPROM内に格納しておき、実行するようにしてもよいが、次のような構成とするとさらによい。
【0082】
すなわち、
図5の処理を行う更新プログラムを、販売するキャラクタ警報機能追加用マイクロSDメモリカード11内に記憶しておき、特殊なファイルシステムの形式でマイクロSDメモリカード11をマウントした後に、キャラクタ警報機能追加用マイクロSDメモリカード11内の
図5の処理を行う更新プログラムを制御部18が実行するように構成する。
【0083】
このようにすれば、第三の機能(有償プログラム更新機能)の更新プログラム自体の内容の変更を容易にできるようになる。この更新プログラムは、一般的なパソコンでは読み書きできない特殊なファイルシステムの形式のマイクロSDメモリカード11内に存在する場合のみ実行するようにし、パソコンで読み書きできる読み書きできるファイルシステムの形式のマイクロSDメモリカード11内に存在する場合には実行しないようする。一方で、第二の機能による更新プログラムは、予め工場出荷時にレーダー探知機1の制御部18のEEPROMに備えるプログラムとして記憶しておく。このようにすれば、悪意あるユーザが、例えばマイクロSDメモリカード11内に悪意あるプログラムを実行させることを困難にすることができる。
さらに、本実施形態では、
図5の処理を例として、挙げたがこれにとらわれることなく、本発明の範囲で適宜構成を変更することができる。
【0084】
例えば、
図5の処理に代えて、
図11の処理を行うようにしてもよい。
図11の処理では、S110で、有償プログラム更新機能のための更新用のマイクロSDメモリカード11であるか否かをまず判定する。この判定は、例えば更新用のマイクロSDであることを示すボリュームラベルが存在するかなど所定のID(識別情報)があるか否かで判定する。有償プログラム更新機能のための更新用のマイクロSDメモリカード11でなければ、無視して本処理を終了し、レーダー探知機1の上述した通常の処理(各種機能を実現する処理)へ移行する。一方、有償プログラム更新機能のための更新用のマイクロSDメモリカード11であれば、S120へ移行し、マイクロSDメモリカード11に認証番号が記憶されているか否かを判定する。マイクロSDメモリカード11に認証番号が記憶されている場合には(S120:YES)、S170へ移行する。マイクロSDメモリカード11に認証番号が記憶されていない場合には(S120:NO)、S130へ移行する。
S130では、
図5のS20と同様の処理で認証番号の入力を行い、S140へ移行する。
S140では、
図5のS30と同様の処理を行う。
【0085】
S150では、レーダー探知機1の本体の制御部18のEEPROMに記憶されている認証番号と、マイクロSDメモリカード11に記憶されている認証番号が一致するか否かをチェックする。一致する場合には(S150:YES)、S160へ移行し、一致しない場合には(S150:NO)、S140へ戻って再度書き込みを行う。このようにチェックすることで、レーダー探知機1の本体の制御部18のEEPROMとマイクロSDメモリカード11とのいずれかについて書き込みミスが発生した場合などに、そのマイクロSDメモリカード11の利用が制限されてしまうことを防止することができる。
【0086】
S160では、
図5のS40と同様の処理を行う。ただし、更新が終了したら、レーダー探知機1の上述した通常の処理(各種機能を実現する処理)へ移行する。このときには更新されたプログラムが実行されることとなる。
【0087】
一方、S170では、レーダー探知機1の本体の制御部18のEEPROMに認証番号が記憶されているか否かを判定する。レーダー探知機1の本体の制御部18のEEPROMに認証番号が記憶されている場合には(S170:YES)、S180へ移行する。レーダー探知機1の本体の制御部18のEEPROMに認証番号が記憶されていない場合には(S170:NO)、S210へ移行する。
【0088】
S180では、レーダー探知機1の本体の制御部18のEEPROMに記憶されている認証番号と、マイクロSDメモリカード11に記憶されている認証番号が一致するか否かを判定する。一致する場合には(S180:YES)、S190へ移行し、一致しない場合には(S180:NO)、S210へ移行する。
S210では、
図5のS70と同様の処理によって更新不能表示画面を表示部5に表示する。ただしこの状態で処理を終了せず
図8の画面を10秒間表示した後、レーダー探知機1の上述した通常の処理(各種機能を実現する処理)へ移行する。このときには更新されていないプログラムが実行されることとなる。
【0089】
S190では、マイクロSDメモリカード11に記憶されている有償プログラム更新ファイルを用いたレーダー探知機1の制御部18のEEPROM内のプログラムとデータの再更新を行うか否か選択するボタンを表示する再更新確認画面(図示省略)を表示する。再更新確認画面は、「再更新しますか」の文字列を表示し、その文字列の下に左右に2つのボタンを備える。左側のボタンが「再更新する」と表示した再更新実行ボタンであり、右側のボタンが「再更新しない」と表示した再度更新キャンセルボタンである。再更新実行ボタンの表示部へのタッチがタッチパネル6から検出された場合には(S190:YES)、S200へ移行する。S200では、
図5のS40と同様の処理を再度行うことで、レーダー探知機1の制御部18のEEPROM内のプログラムとデータの再更新を行い、再更新が完了したら、この処理を終了して、レーダー探知機1の上述した通常の処理(各種機能を実現する処理)へ移行する。このときには更新されたプログラムが実行されることとなる。
【0090】
一方、S190で、再更新キャンセルボタンの表示部へのタッチがタッチパネル6から検出された場合には(S190:NO)、この処理を終了して、レーダー探知機1の上述した通常の処理(各種機能を実現する処理)へ移行する。このときには再更新されていないプログラムが実行されることとなる。
【0091】
このような処理によれば、マイクロSDメモリカード11を差したままにした場合であっても、通常の処理に移行することとなる。また、一度更新に使用したマイクロSDメモリカード11を再度利用して、ユーザへの再更新の必要性の確認をとって、再更新させることができる。
この変形例にとらわれることなく、本発明の範囲内で各種の処理として構成することができる。
【0092】
また、本実施形態では、電子機器が、レーダー探知機1の例で説明したが、各種の電子機器の機能として実施することができる。たとえば、ナビゲーション装置や、ドライブレコーダ、カーオーディオの機能として組み込んでもよい。