【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために、本発明に係る車載用電子機器は、(1)交通違反の種別ごとに報知内容を記憶する記憶手段と、前記交通違反の種別のうち、いずれかの種別の交通違反が発生しやすい状況にあるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記交通違反の発生しやすい状況にあると判定された種別の前記報知内容を報知する報知手段とを備える。
【0010】
判定手段は、たとえば、GPS等から取得した現在の時刻に応じて最も発生しやすい状況にある交通違反の種別を判定し、報知手段は、判定手段によって判定された最も発生しやすい状況にある交通違反の種別の報知内容を記憶手段から読み出して報知する。たとえば、判定手段は、現在の時刻が日没に相当する時刻(たとえば午後5時〜6時)である場合には、交通違反の種別として、無灯火の交通違反が発生しやすい状況にあると判定し、報知手段は「ライトを点灯してください。無灯火違反の反則金は6000円です。」といった音声合成と画面表示での報知を行なう。
【0011】
このような構成によれば、車両や、運転者の状況に応じて、交通違反の発生しやすい状況に応じた内容の報知内容での報知がなされる。したがって、運転者の交通規則遵守意識を高めることができ、安全運転を促進することができる。
【0012】
(2)前記記憶手段は、前記報知内容として、前記交通違反の種別の名称と、当該交通違反の罰金金額と、当該交通違反の違反点数と、当該交通違反を防止するために採るべき措置の内容とを対応づけて記憶するとよい。
【0013】
このような構成によれば、報知手段によって、交通違反を防止するために採るべき措置が、当該交通違反の種別の名称と当該交通違反の罰金金額と当該交通違反の違反点数と対応づけて報知されることとなる。従来は、交通違反の種別の名称が報知されても、その交通違反をしないようにするためにどのような行動をとればよいのかが分からない場合があったが、このようにすれば、どのような行動をとればよいかが容易に分かる。また、報知は、その交通違反の発生しやすい状況でなされるため、どのような状況の場合に、どのような行動を採ればよいかの意識付けを行うことができる。
【0014】
(3)前記記憶手段は、前記報知内容として、前記交通違反の概要情報と詳細情報とを関連付けて記憶しており、前記報知手段は、前記記憶手段に記憶された概要情報を報知した後、ユーザからの指示の入力があった場合に、報知した概要情報に関連付けられた詳細情報を報知するとよい。
【0015】
このような構成によれば、交通違反の発生しやすい状況にあると判定された種別の交通違反の概要情報が報知される。したがって、まず、概要をすばやく把握することができる。さらにユーザからの指示の入力があった場合には、報知した概要情報に関連付けられた詳細情報が報知される。したがって、概要情報を知った後、ユーザがさらに詳しい情報を必要とする場合には、詳細情報を得ることができる。
【0016】
たとえば、(2)の報知内容を記憶する場合、前記交通違反の種別の名称と、当該交通違反の罰金金額と、当該交通違反の違反点数と、当該交通違反を防止するために採るべき措置のそれぞれについて、概要情報と詳細情報を設けるようにしてもよい。また、たとえば、交通違反を防止するために採るべき措置と交通違反の罰金金額とを概要情報とし、当該交通違反の違反点数と前記交通違反の種別の名称とを詳細情報としてもよい。
【0017】
なお、ユーザからの指示の入力は、たとえば、所定のスイッチ(たとえば当該車両用電子機器ないし車両装備されたボタン等)の押下が検出されたことの検出によって行うとよい。
【0018】
(4)前記記憶手段は、前記交通違反の種別ごとに推奨される報知の頻度に関する情報を記憶し、前記報知手段は、前記報知内容を報知した際に当該報知の時点に関する情報と当該報知した交通違反の種別に関する情報とを関連付けて記憶しておき、前記記憶手段に記憶された前記交通違反ごとの報知の頻度と、記憶しておいた交通違反の種別に関する情報と報知内容を報知した時点に関する情報とに基づく所定の頻度で報知するとよい。
【0019】
このようにすれば、交通違反の種別ごとに適切な頻度で交通違反の種別ごとの報知内容が報知される。したがって、従来よりも、運転者の交通規則遵守意識を高めることができ、安全運転を促進できる。
【0020】
(5)前記記憶手段に記憶された交通違反の種別ごとの報知内容を更新する更新手段を備え、前記報知手段は、当該車載用電子機器の電源投入直後に前記更新手段によって更新された前記報知内容を報知するとよい。
【0021】
このようにすれば、交通規則等が変更・追加された場合に、その内容をすぐに報知することができる。したがって、新しい交通規則についての運転者の交通規則遵守意識を高めることができ、安全運転を促進できる。
【0022】
(6)運転状態を検出する運転状態検出手段を備え、前記判定手段は、前記運転状態検出手段によって検出された運転状態に基づき、前記交通違反の種別のうち、いずれかの種別の交通違反が発生しやすい状況にあるか否かを判定するとよい。
【0023】
判定手段は、たとえば、前述のような時刻に基づいて判定するようにすることもできるが、このようにすれば、運転状態に基づいて判定するため、より状況に適した報知内容を報知することができる。
【0024】
運転状態としては、たとえば、速度、前後方向の加速度(急加速、急減速)、横方向の加速度(急な進路変更)など、車両の状態に関するものや、走行道路の情報(一般道、高速道路)のように車両周辺の状態に関するものや、運転者の状態に関するものを検出するようにするとよい。
【0025】
(7)検出した運転状態の履歴を記憶する運転履歴記憶手段を備え、前記判定手段は、前記運転履歴記憶手段に記憶された運転状態の履歴を加味して前記交通違反が発生しやすい状況にあるか否かを判定するとよい。
【0026】
このようにすれば、運転状態の履歴に沿う種別の報知内容が報知されることになる。したがって、その車両ごとにその運転者が陥りやすい交通違反を意識付けることができる。
【0027】
運転状態の履歴としては、たとえば、一旦停止や、速度違反などが挙げられる。たとえば、いつも速度オーバーしている履歴が記録されている場合には、速度違反に関する報知内容を報知するようにするとよい。
【0028】
(8)現在位置の位置情報を検出する現在位置検出手段と、交通ルールの内容をその交通ルールを要求する位置の情報と関連付けて記憶する位置別交通ルール記憶手段とを備え、前記運転履歴記憶手段は、前記運転状態の履歴として、少なくとも前記交通ルールに反する前記運転状態であった前記位置情報を記憶しておき、前記判定手段は、当該記憶された前記運転状態の履歴中の位置情報の示す位置と、現在位置検出手段によって検出された位置との関係に基づいて、前記判定を行なうとよい。
【0029】
このようにすれば、現在位置と交通ルールに反する運転状態の履歴中の位置情報の示す位置とが所定の位置関係になった場合に、その場所でその違反の種別に関する報知内容を報知することができる。したがって、特定の場所で運転者自身がする可能性の高い違反の内容について、所定の位置関係になった場合に意識付けをすることができる。この所定の位置関係は、例えば、過去に交通ルールに反する運転状態であった場所(例えば違反した場所)に接近した場合とするとよい。すなわち、例えば、前記判定は、前記交通ルールに反する前記運転状態であった前記位置に現在位置検出手段によって検出された位置が所定の距離内になった場合に行うとよい。このようにすれば、過去に違反した場所に至る前に意識付けを行うことができる。よって、安全運転をさらに促進できる。
【0030】
(9)前記判定手段は、当該記憶された前記運転状態の履歴中の前記交通ルールに反する前記運転状態の頻度を加味して、前記判定を行なうとよい。
【0031】
このようにすれば、たとえば、過去に違反した頻度が高い交通違反の種別の報知内容が報知されることになる。したがって運転者自身がする可能性の高い違反の内容について、意識付けをすることができる。よって、安全運転をさらに促進できる。
たとえば、所定の頻度以上の頻度で速度違反している箇所、所定の頻度以上の頻度で一旦停止していない箇所で報知するようにするとよい。
【0032】
(10)前記報知手段による報知の履歴を記憶する報知履歴記憶手段を備え、前記報知手段は、前記報知履歴記憶手段に記憶された報知の履歴の内容をユーザからの指示の入力に基づいて報知するとよい。
このようにすれば、たとえば、駐車場等に駐車した際にこれまでに報知された内容を確認することができる。
【0033】
また、たとえば、報知内容として前記交通違反の概要情報と詳細情報とを関連付けて記憶しておき、前記報知手段は、前記記憶手段に記憶された概要情報を報知するようにし、前記報知履歴記憶手段に記憶された報知の履歴の内容を報知する際には、簡易情報とともに詳細情報も報知する構成とするとよい。このようにすれば、たとえば駐車場等に駐車した際に、ゆっくりとこれまでの報知内容についての詳細情報を確認することができる。よって、安全かつ詳細に交通違反の内容を知ることができ、安全運転に関する意識付けをすることができる。
【0034】
(11)なお、(1)〜(10)のいずれかに記載の車載用電子機器の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムとして実現できる。