(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、
画像形成装置には、モーター、
画像形成装置の駆動ヘッド、及び、処理ボックスが設置される。処理ボックスは、取り外し可能に
画像形成装置に設置される。処理ボックスには、感光ドラム及び感光ドラムの端部に固定接続される感光ドラム駆動ヘッドが設置される。
画像形成装置の動作過程中に、処理ボックス上の感光ドラムを回転させるように、モーターによって動力を発生させながら、
画像形成装置の駆動ヘッドと感光ドラム駆動ヘッドとの整合によって動力を処理ボックスに伝達する。
【0003】
図1、
図2に示されるように、感光ドラム7の一端には、感光ドラム駆動ヘッドが固定状態で設けられる。当該感光ドラム駆動ヘッドは、凸形状の接続軸17を含む。当該凸形状の接続軸17にねじれ形状のボス17aが設けられる。ボス17aは末端部17a1を備える。凸形状の接続軸17の回転中心は、感光ドラム7の回転中心に合っている。凹形状の接続軸18は、ねじれ形状の凹溝18aを有する。凹溝18aに底面18a2が設けられている。
【0004】
画像形成装置の動作過程中に、
画像形成装置の駆動ヘッド18は、モーターからの動力を受けて回転する。凸形状の接続軸17は、
画像形成装置の駆動ヘッド18と噛み合う。
画像形成装置の駆動ヘッド18を介して回転動力を凸形状の接続軸17に伝達することで、感光ドラム7を回転させる。凸形状の接続軸17が
画像形成装置の駆動ヘッド18と噛み合うとき、凸形状の接続軸17上のねじれ形状のボス17aは
画像形成装置の駆動ヘッド18上のねじれ形状の凹溝18a内に挿入される。末端面17a1は底面18a2と対向する。
画像形成装置の駆動ヘッド18上の回転動力は、ねじれボス17aと凹溝18a
との噛み合いによって凸形状の接続軸17に伝達される。
【0005】
図3、
図4は、ねじれ形状のボス17aとねじれ形状の凹溝18aとが回転しないときと回転するときの断面状態の概略図である。図面から分かるように、ねじれ形状のボス17aとねじれ形状の凹溝18aとは、断面が共に三角形(例えば等辺三角形)であり、且つ三角形のボス17aのサイズは、三角形の凹溝18aのサイズより小さい。
図3に示されるように、ボス17aが凹溝18a内に挿入されたものの、凹溝18aと共に回転しないとき、感光ドラム上の凸形状の接続軸の回転軸X1は、
画像形成装置の駆動ヘッドの回転軸X2に合っていない。
図4に示されるように、ボス17aが凹溝18aに噛み合って凹溝18aと共に回転するとき、三角形のボス17aの三つの頂角17a2は、凹溝18a上の三角形をなす三本のエッジに噛み合い、凹溝18aから動力を凸形状の接続軸17aに伝達する。その時、感光ドラム上の凸形状の接続軸の回転軸X1が、
画像形成装置の駆動ヘッドの回転軸X2と重なり合うので、動作過程中に、ねじれ形状のボス17aとねじれ形状の凹溝18aとの間で動力をスムースに伝動させることが保証できる。図面において、R0は、ボス17aの三つの頂角17a2の回転円の直径であり、R1は、三角形の凹溝18aの内接円の直径であり、R2は、凹溝18aの三つの頂角の回転円の直径である。凸形状の接続軸17aと
画像形成装置の駆動ヘッド18aとの動力伝達を実現するために、R0、R1、R2は、以下の条件を満たすべきである。R1<R0<R2。
【0006】
図5は従来技術の別の実施例である。当該実施例においてねじれ形状のボス17aとねじれ形状の凹溝18aとは、いずれも四辺形(例えば正四辺形)であり、四辺形のボス17aは四辺形の凹溝18aと噛み合って動力を伝達する。
【0007】
従来技術の
画像形成装置の駆動ヘッドとして、
図6に示されるような方式を採用しても良い。
図6に示されるように、
画像形成装置の駆動ヘッド28の一端にねじれ形状の凹溝28aが設けられており、凹溝28a上に底面28a1及びボス28a2が設けられている。ボス28a2は、ねじれ三角形の凹溝28aの中心に位置しており(ボスの回転中心が
画像形成装置の駆動ヘッドの回転軸X2に合っており)、その高さは凹溝28aの深さと大体同じである。前記ボスはテーパー状であってもよい。
【0008】
従来の
画像形成装置に使われる処理ボックスでは、一般的に上記感光ドラム駆動ヘッド付きの感光ドラムが良く使われる。前記処理ボックスは、静電潜像を形成するための、上記感光ドラム駆動ヘッド付きの感光ドラムと、前記静電潜象を現像するための現像剤と、前記現像剤を感光ドラムに伝送するための現像ローラーとを少なくとも含む。前記処理ボックスを
画像形成装置に取り付けて利用するとき、上記
画像形成装置の駆動ヘッドによって
画像形成装置上のモーターからの回転動力を受け取り、前記感光ドラムと現像ローラーとを回転させる。
【0009】
従来技術のそのような動力伝達構成には、以下の欠点がある。
【0010】
1.ねじれ形状のボスとねじれ形状の凹溝とが噛み合うとき、ボス及び凹溝上のねじれ面のねじれ角度には比較的に高精度が求められている。製造精度の問題によってボス上のねじれ面と凹溝上のねじれ面とでねじれ角度が一致しないことが発生するとき、ボス上のねじれ面と凹溝上のねじれ面とで、点面間のコンタクトが起こり、その中の一つのねじれ面においては、ボスと凹溝とが噛み合う過程中に変形が発生する。また、感光ドラム上の凸形状の接続軸の回転軸X1が
画像形成装置の駆動ヘッドの回転軸X2に合っていないと、動力伝達の安定性に影響が生じる。上記の問題を回避するために、ボスと凹溝のねじれ面の製造には高精度が求められる。そのため、生産製造のコストが向上してしまい、また、生産製造も難しくなる等の問題がある。
【0011】
2.多辺形のボス及び凹溝は加工しにくく、ボスと凹溝の製造には比較的に高精度が求められている。例えば、等辺三角形のボスと凹溝であれば、高精度が求められたとしても、三角形の中心位置の精度を保証できる。しかし、そうでなければ、ボスと凹溝とが噛み合うとき、感光ドラム上の凸形状の接続軸の回転軸X1が
画像形成装置の駆動ヘッドの回転軸X2に合っていない現象が発生して、安定ではない伝動となってしまう。また、ボスと凹溝とが噛み合う過程中に、ボス上の三角形の頂角は、動力を伝達するため、容易に受力されて変形してしまい、長期に動作すると摩耗または破壊されやすくなる。そして、三角形の三つの頂角には、動作過程中に、受力されて回転する作用と、支持・位置決めの作用とが同時に機能するため、摩耗または破壊された後の三角形が凹溝と噛み合う過程中に、中心X1とX2とが合っていない現象が起こりしやすく、伝動に影響が生じる。従って、伝動の精度及び安定性を保証するために、三角形のボスの材料として、比較的に高硬度と高摩擦耐性とが求められている。同様に、三角形の凹溝のエッジ上の、ボスの三つの頂角と接触する箇所も、動作過程中に破壊または摩耗されやすいため、三角形の凹溝に対しても比較的に高硬度と高摩擦耐性とが求められている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】従来技術における感光ドラム駆動ヘッド付きの感光ドラムの斜視概略図である。
【
図2】従来技術における凸形状の接続軸及び凹形状の接続軸の斜視概略図である。
【
図3】従来技術のねじれ形状の突起とねじれ形状の凹溝とが回転しないときの断面状態の概略図である。
【
図4】従来技術のねじれ形状の突起とねじれ形状の凹溝とが回転しているときの断面状態の概略図である。
【
図5】従来技術の別の形態の突起と凹溝の形状が四方形である。
【
図6】従来技術において凹溝の中心位置にボスが設けられている状態の概略図である。
【
図7】
画像形成装置の駆動ヘッドの斜視概略図である。
【
図9】実施例1に適用された感光ドラム駆動ヘッドの斜視概略図である。
【
図10】実施例1に適用された感光ドラム駆動ヘッドと
画像形成装置の駆動ヘッドとが組み立てられたときの受力分析の概略図である。
【
図11】実施例2に適用された感光ドラム駆動ヘッドの斜視図である。
【
図12】実施例2に適用された感光ドラム駆動ヘッドの正面図である。
【
図13】実施例2に適用された感光ドラム駆動ヘッドと
画像形成装置の駆動ヘッドとが組み立てられたときの上面図である。
【
図14】実施例2に適用された感光ドラム駆動ヘッドと
画像形成装置の駆動ヘッドとが組み立てられたときの概略図である。
【
図15】実施例2に適用された
画像形成装置の駆動ヘッドと感光ドラム駆動ヘッドとを噛み合わせた後の断面受力分析の概略図である。
【
図16】実施例3に適用された感光ドラム駆動ヘッドの斜視概略図である。
【
図17】実施例4に適用された感光ドラム駆動ヘッドの斜視概略図である。
【
図18】本発明に適用されたボスの一部拡大図である。
【
図21】実施例5に適用された感光ドラム駆動ヘッドの斜視概略図である。
【
図22】実施例5に適用された感光ドラム駆動ヘッドの上面図である。
【
図23】実施例5に適用された感光ドラム駆動ヘッドと
画像形成装置の駆動ヘッドとが組み立てられたときの上面図である。
【
図24】(a)は実施例5に適用された感光ドラム駆動ヘッドと
画像形成装置の駆動ヘッドとが組み立てられたときの右側面図であり、(b)は
図24(a)におけるC方向に沿う断面図である。
【
図27】実施例5において凸歯の端面によって位置決められた感光ドラム駆動ヘッドの一部の構成の斜視概略図である。
【
図28】実施例6に適用された感光ドラム駆動ヘッドの斜視概略図である。
【
図30】実施例6において凸歯の端面によって位置決められた感光ドラム駆動ヘッドの一部の構成の斜視概略図である。
【
図31】実施例6においてストレート凸歯の間に弧状面によって接続されている状態の概略図である。
【
図32】実施例6において脱出防止部が設置されている感光ドラム駆動ヘッドの一部の構成の斜視概略図である。
【
図33】実施例6において脱出防止部が設置されている感光ドラム駆動ヘッドと
画像形成装置の駆動ヘッドとを噛み合わせた後の内部構成図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0018】
図7及び
図8は
画像形成装置の駆動ヘッドの斜視概略図及び上面図である。図面からわかるように、
画像形成装置の駆動ヘッド20は、等辺三角形の横断面を有する凹溝11と、三角形の三つの頂角に設けられ、ねじれ構成を有する動力伝送部11aと、三角形の三つの辺に位置した位置限定部11bとを含む。動力伝送部11aは、ねじれ斜面11a1と、導入斜面11a2とを有している。
図7に示されている上面図から分かるように、ねじれ斜面11a1が見えず、ねじれ斜面11a1と凹溝の底面との間の角度が90°より小さい。ねじれ斜面11a1の頂部にはエッジ11a3が含まれる。導入斜面11a2が見え、導入斜面11a2と凹溝の底面との間の角度が90°より大きい。
画像形成装置の駆動ヘッドは
画像形成装置のモーターに接続されて動力を伝達する。
【0019】
前記
画像形成装置の駆動ヘッド20は、従来技術の
画像形成装置の駆動ヘッドと同じである。
【0020】
図9は、実施例1に適用された感光ドラム駆動ヘッドの斜視概略図である。図面からわかるように、感光ドラム駆動ヘッドは、感光ドラム1の端部に設けられ、感光ドラム1と接続された、受けた駆動力を感光ドラム1に伝達するためのドラムフランジ2と、ドラムフランジ2の端部から軸方向に延出した、処理ボックスの動作過程中に感光ドラム1を回転可能に支持するためのドラム軸3と、ドラム軸3の端面から軸方向に延出した、
画像形成装置の駆動ヘッド20から駆動力を受け取るためのボス4と、ボス4の側壁4b上に設けられ、ボス4の径方向に沿って延伸した第1の凸歯5aとを含む。第1の凸歯5aは、ボスの側壁4b上に斜めに設けられている。
【0021】
駆動力の伝達過程中において、感光ドラム駆動ヘッドのボス4上に位置している第1の凸歯5aは、いずれかの動力伝送部11aと噛み合い、動力を伝達する。感光ドラム駆動ヘッドのボスの側壁4bと
画像形成装置の駆動ヘッドにおける凹溝の位置限定部11bとを三つの接点P1、P2及びP3で相接して噛み合わせることによって、駆動力の伝達過程中に感光ドラム駆動ヘッドと
画像形成装置の駆動ヘッド20との間での中心重なり合い(センタリング)を実現できる。
【0022】
図10は、感光ドラム駆動ヘッドと
画像形成装置の駆動ヘッドとが組み立てられたときの受力分析の概略図である。「A」は
画像形成装置の駆動ヘッドの回転方向である。第1の凸歯5aに対して
画像形成装置の駆動ヘッドによる力はF11である。F11を法線力F12と径方向力F14とに分解する。F15は
画像形成装置の駆動ヘッドが接点P1で発生した力であり、F13は
画像形成装置の駆動ヘッドが接点P2で発生した力である。
P3で力を受けないため、以下の受力分析式が得られる。
【0023】
【数1】
【0024】
よって、F13=2・F14、F15=(2・31/2/3)・F12が求まる。つまり、
画像形成装置の駆動ヘッドまたは感光ドラム駆動ヘッドは、P1で(2・31/2/3)・F12の大きさの力を受け、P2で2・F14の大きさの力を受けている。
【0025】
感光ドラム駆動ヘッドと
画像形成装置の駆動ヘッドとを噛み合わせて力を伝達する過程中において、お互いに摩耗が生じるため、本実施形態では、摩耗によって力伝達機能と位置決め機能とが相互に影響しないように、感光ドラム駆動ヘッドの動力伝送部である凸歯を、位置決め部であるボスの円柱面と異なる場所に設置している。
【実施例2】
【0026】
図11及び
図12は本実施例に適用された感光ドラム駆動ヘッドの斜視図及び正面図である。
図13は、本実施例に適用された感光ドラム駆動ヘッドと
画像形成装置の駆動ヘッドとが組み立てられたときの上面図である。本実施例に記載の
画像形成装置の駆動ヘッドは、実施例1に記載の
画像形成装置の駆動ヘッドを利用するため、重複な説明を省略する。図面からわかるように、感光ドラム駆動ヘッドは、感光ドラム1の端部に固定接続されたドラムフランジ2と、ドラムフランジ2の端部から軸方向に延出した、処理ボックスの動作過程中に感光ドラム1を回転可能に支持するためのドラム軸3と、ドラム軸3の端面から軸方向に延出した、
画像形成装置の駆動ヘッド20から駆動力を受け取るための円柱形ボス4と、円柱形ボス4の側壁4b上に設けられ、円柱形ボス4の径方向にそって延伸していると共に、
画像形成装置の駆動ヘッドのいずれか二つの動力伝送部と組み合わされる1組の凸歯4aとを含む。凸歯4aは、円柱形ボス4の側壁4b上に斜めに設けられている。凸歯4a上には噛み合い面4a1が設けられている。噛み合い面4a1の面積は5〜20mm2程度であり、好ましくは7〜16mm2である。力を伝達するとき、噛み合い面4a1と
画像形成装置の駆動ヘッドにおける動力伝送部の内壁とが噛み合うことで動力を伝達することになる。凸歯4aに噛み合い面4a1が設けられているのは、前記感光ドラム駆動ヘッドと
画像形成装置の駆動ヘッドとの間の摩耗を減少させるためである。凸歯4aと感光ドラム駆動ヘッドの回転軸線との間の角度βを3〜40°の範囲にすればよく、好ましくは、25〜30°である。感光ドラム駆動ヘッドと
画像形成装置の駆動ヘッドとを順調に噛み合わせることが保証でき、動力伝達の過程中に感光ドラム駆動ヘッドが
画像形成装置の駆動ヘッドから脱け出るのを防止できると共に、
画像形成装置の駆動ヘッドと感光ドラム駆動ヘッドとの間で安定して動力を伝達することができるためである。凸歯4aの側壁4bからの径方向上の長さはL1である。L1の範囲は、2〜5mmであり、好ましくは、2.3〜3.3mmである。感光ドラム駆動ヘッドが十分なモーメント伝達動力を有することが保証できるためである。二つの凸歯4aの間の最小の角度αは、標準角度が120°であり、角度の上限公差は一般的に2°以内である。本実施形態において、凸歯4aについて、約θの大きさの製造精度誤差を有しても良い。θの範囲は2°〜10°であり、好ましくは、2〜4°である。θが角度の誤差であれば、二つの凸歯4aの間の最小の角度αは、α+θとなる。その時、二つの凸歯4aが、同時に凹溝11の動力
伝送部11aと噛み合うことはないので、回転方向の最上流に位置している凸歯は先に
画像形成装置の駆動ヘッドにおける動力伝送部と噛み合い、バッファー機能として作用する。凸歯4aに回転方向に沿って下流に向かって角度θの大きさの製造誤差サイズがあれば、θによって凸歯には漸進的に変化する噛み合い面ができて、凸歯4aと凹溝の動力伝送部11aとの噛み合い過程中に凸歯4aのためのバッファー機能として作用するので、
画像形成装置の駆動ヘッドと感光ドラム駆動ヘッドとの間の損害を減少できる。二つの凸歯4aの間に位置しているボスの円柱面と
画像形成装置の駆動ヘッドの位置限定部11bとの接触によって感光ドラム駆動ヘッドの位置決めが実現できる。凸歯4aとボスの円柱面との接続箇所で応力集中を低減するように丸コーナが設けられている。なお、上記感光ドラム駆動ヘッドにおけるドラムフランジ3、ドラム軸3、円柱形ボス4及び凸歯4aは、同じ材料で一体に製作されても良く、バッファー構成を有しても良く、駆動力をその他の素子(例えば現像素子等)に伝達するためのドラム歯車2aがさらにドラムフランジ2上に設けられていても良い。
【0027】
図14は、感光ドラム駆動ヘッドと
画像形成装置の駆動ヘッドとが組み立てられたときの概略図であり、
図15は、
画像形成装置の駆動ヘッドと感光ドラム駆動ヘッドとを噛み合わせた後の断面受力分析の概略図である。図面からわかるように、感光ドラム駆動ヘッドと
画像形成装置の駆動ヘッドにおける凹溝の位置限定部11bとを三つの接点P4、P5及びP6で相接して噛み合わせる。「A」は
画像形成装置の駆動ヘッドの回転方向である。
画像形成装置の駆動ヘッドから感光ドラム駆動ヘッドに対して大きさが同様な力F24及びF56が作用する。感光ドラム駆動ヘッドが受けたトルクが、実施例1におけるトルクの二倍である場合、F24及びF56は、実施例1中のF11と同じ大きさの力である。F24を法線力F2と径方向力F4とに分解し、F56を法線力F5と径方向力F6とに分解すると、F2及びF5の大きさは、実施例1中のF12と同じであり、F4及びF6の大きさは従来技術におけるF14と同じである。F1を
画像形成装置の駆動ヘッドによる接点P5で発生した力と想定し、F3を
画像形成装置の駆動ヘッドによる接点P6で発生した力と想定すれば、P4で力を受けないため、以下の受力分析式が得られる。
【数2】
よって、F1=2・F4、F3=0が求まる。つまり、
画像形成装置の駆動ヘッド及び
感光ドラム駆動ヘッドは、P5で2・F4の大きさの力を受け、P6で受けた力が0である。実施例1よりも本実施形態において受力ポイントが減少し、
画像形成装置の駆動ヘッドと感光ドラム駆動ヘッドの接点P5及びP6での摩耗が低減し、感光ドラム駆動ヘッドの位置決めの安定性が向上するため、駆動力の伝達はより安定する。
【0028】
画像形成装置の駆動機構であって、上記実施例に記載の感光ドラム駆動ヘッド及び背景技術に記載の
画像形成装置の駆動ヘッド20を含む。即ち、
画像形成装置の駆動ヘッド20は、等辺三角形の横断面を有する凹溝11と、三角形の三つの頂角に設けられ、ねじれ構成を有する動力伝送部11aと、三角形の三つの辺に位置する位置限定部11bとを備える。
画像形成装置の駆動ヘッドは
画像形成装置のモーターに接続されて動力を伝達する。
【実施例3】
【0029】
二つの凸歯のうち、一つが斜歯であり、もう一つがストレート歯であるならば、本領域の技術者であれば、同じような技術的効果が得られることを容易に想到できる。
図16は、本実施例に適用された感光ドラム駆動ヘッドの斜視概略図である。図面からわかるように、斜歯4aはボスの側壁4b上に斜めに設けられており、ストレート歯4cは側壁4b上に側壁4bの面に対して直交に設けられている。
【実施例4】
【0030】
画像形成装置の回転速度が遅い場合、
画像形成装置の駆動ヘッドのトルクが比較的小さいので、感光ドラム駆動ヘッドの二つの凸歯を共にストレート歯にしてもよい。
図17は本実施例に適用された感光ドラム駆動ヘッドの斜視概略図である。4cは感光ドラム駆動ヘッドの凸歯であり、感光ドラム駆動ヘッドの製造精度はさらに低下する。
【0031】
本発明において、上記実施例中の凸歯4a上にさらに噛み合い面4a1が設けられている。噛み合い面4a1の面積は5〜20mm2の範囲であり、好ましくは7〜16mm2である。力を伝達するとき、噛み合い面4a1と
画像形成装置の駆動ヘッドにおける動力伝送部の内壁とが噛み合って動力を伝達する。凸歯4a上に設けられている噛み合い面4a1によって前記感光ドラム駆動ヘッドと
画像形成装置の駆動ヘッドとの間の摩耗を減少できる。前記凸歯は、頂角4a4、前記凸歯の側壁に連接する二つの相互に平行する平面4a2及び4a3をさらに含む。そして、平面4a2及び4a3と感光ドラムの軸線との間の角度はβである。前記噛み合い面は、直辺s1、s2及び斜辺s3をさらに含む。前記直辺s1と直辺s2とは平行する。斜辺s3と感光ドラムの軸線との間の角度は、5〜50°の範囲であり、好ましくは、10〜40°の範囲である。直辺s1と、感光ドラム駆動ヘッドの中心から凸歯の頂角4a4までの接続線との間の角度γは、0〜90°の範囲であり、25〜45°の範囲が好ましい。
図18〜20に示されるように、
図18に示されている「B」方向とボスの径方向に沿って延伸する方向とは平行している。
【0032】
本領域の技術者であれば、本発明によって、対称な三つの凸歯を設けてもよいことを容易に想到できる。その三つの凸歯を、いずれも斜めの凸歯として設けるか、いずれも垂直の凸歯として設けるか、その一つを斜めの凸歯として設けると共にもう二つを垂直の凸歯として設けるか、または、その一つを垂直の凸歯として設けると共にもう二つを斜めの凸歯として設けるかしても、いずれも同様な技術的効果が得られる。前記斜めの凸歯とは、前記凸歯がボスの側壁上に斜めに設けられていることを意味する。前記垂直の凸歯とは、前記凸歯がボスの側壁上に垂直に設けられていることを意味する。
【0033】
本領域の技術者であれば、本発明によって、前記ボスの側壁及び前記ボスの円柱面を同一にすることに容易に想到できる。
【実施例5】
【0034】
本実施例に採用された
画像形成装置の駆動ヘッドは、上記実施例に記載されたものと同一である。
【0035】
図21及び
図22は、本実施例に適用された感光ドラム駆動ヘッドの斜視概略図及び上面図である。感光ドラム駆動ヘッドは、感光ドラム1の端部に固定接続されたドラムフランジ200と、ドラムフランジ200の端部から軸方向に延出した、処理ボックスの動作過程中に感光ドラム1を回転可能に支持するためのドラム軸300と、ドラム軸300の端面から軸方向に延出した、
画像形成装置の駆動ヘッド20から駆動力を受け取るための円柱形ボス400と、円柱形ボス400の側壁400a上に設けられ、円柱形ボス400の径方向にそって延伸していると共に
画像形成装置の駆動ヘッドにおける動力伝送部11aと組み合わされる三つのストレート凸歯500とを含む。前記ストレート凸歯500と感光ドラムの軸線との間の角度は0度であり、円柱形ボス400が感光ドラムの軸方向に
そって延伸している長さは、ストレート凸歯500が感光ドラムの軸方向に沿って延伸している長さより長い。
【0036】
図23は、感光ドラム駆動ヘッドと
画像形成装置の駆動ヘッドとが組み立てられたときの上面図である。
図24(a)は、感光ドラム駆動ヘッドと
画像形成装置の駆動ヘッドとが組み立てられたときの右側面図であり、
図24(b)は
図24(a)におけるC方向に沿う断面図である。
図25及び
図26は、それぞれ
図23におけるA及びB方向に沿う断面図である。図面からわかるように、前記ストレート凸歯500は、噛み合い面500aと、第1の側面500b1と、第2の側面500b2とを含む。第1の側面500b1及び第2の側面500b2は、相互に平行し、且つドラム軸300の端面に直交していると共に感光ドラムの軸線に平行している。噛み合い面500aは、ドラム軸300の端面に直交していると共に感光ドラムの軸線に平行している。噛み合い面500aと第1の側面500b1との間の角度γは、凹溝11内のねじれ斜面11a1(
図7〜8)の角度と整合する。噛み合い面500aとねじれ斜面11a1との噛み合いによって、動力を伝達するときのコンタクト面積を増加できる。
図21〜22に示されるように、角度γは0〜90°の範囲であり、20〜45°の範囲が好ましい。
図23〜26に示されるように、ストレート凸歯500と
画像形成装置の駆動ヘッド20とが噛み合って動力を伝達するとき、ストレート凸歯500の根元部とねじれ斜面11a1のエッジ11a3(
図7〜8)とが噛み合う。即ち、噛み合い面500a上の一本のラインとエッジ11a3(
図7〜8)とが噛み合って動力を伝達することとなる。前記噛み合い面500aの面積は、2〜20mm2であり、好ましくは、3〜10mm2である。
図25に示されるように、より容易にボス400を凹溝11の中に挿入するために、ボス400がテーパー状に形成されている。即ち、ボスの端部の断面である円形外径d1は、ボスの根元部の断面である円形外径d2より小さい。
図26に示されるように、
画像形成装置の駆動ヘッド20の内部構成として、所定の方向に沿って捩じれ、凹溝11内のねじれ斜面11a1及び導入斜面11a2(
図7〜8)は傾斜しているので、凹溝内に挿入された凸歯500の幅Wのサイズは、高さLのサイズと反比例になる。即ち、幅が長ければ長いほど高さが低くなる。凸歯500の幅Wは、その強度と正比例になる。即ち、幅が長ければ長いほど強度が強く、高さが低く、凸歯が凹溝から脱け出やすくなる。高さLの範囲は1.0〜8.0mmであり、好ましくは、2.0〜4.0mmである。幅Wの範囲は1.0〜5.0mmであり、動力を伝達するときの強度要求を満たすことと、凸歯500が凹溝から脱け出にくいことの保証とを両立できるように、1.5〜4.0mmの範囲が好ましい。
【0037】
本実施例において、
図25に示されるように、感光ドラム駆動ヘッドと
画像形成装置の駆動ヘッドとの軸方向の位置決めは、ボス400の端面と凹溝11の底面との接触によって行っても良く、凸歯500の端面と凹溝11内の導入斜面11a2(
図7〜8)との接触によって行っても良い。
図27は、凸歯の端面による位置決めを採用した感光ドラム駆動ヘッドの一部の構成の斜視概略図である。図面からわかるように、円柱形ボス400が感光ドラムの軸方向に沿って延伸している長さは、ストレート凸歯500が感光ドラムの軸方向に沿って延伸している長さより小さい。
【0038】
前記噛み合い面は、前記ストレート凸歯の端面を縦方向にコーナーカットすることによって形成されている。前記ストレート凸歯の縦方向と前記感光ドラムの軸線方向とは平行する。
【0039】
前記ストレート凸歯の根元部は、前記ストレート凸歯と前記ドラム軸の端部とが接続される部分である。
【実施例6】
【0040】
図28は、本実施例に適用された感光ドラム駆動ヘッドの斜視概略図であり、
図29は
、
図28の右側面図である。図面からわかるように、本実施例に適用された感光ドラム駆動ヘッドと実施例5における感光ドラム駆動ヘッドとの区別として、ストレート凸歯の第2の側面500b2は、前記ストレート凸歯の端部500b3から前記ストレート凸歯の根元部の方向に沿って漸進的な斜面として形成されていることであり、その他の構成は同様である。第2の側面500b2と第1の側面500b1との間の角度はωである。ωの範囲は、3〜45°であり、好ましくは20〜30°である。実施例5において、凹溝11中に挿入される凸歯500の幅Wは、高さLと反比例になる。即ち、以下の技術的問題がある。幅Wが長ければ長いほど、凸歯の強度が強く、高さLが小さく、凸歯が凹溝中から脱け出やすくなる。その反面、幅Wが狭ければ狭いほど、凸歯の強度が小さく、高さLが大きく、凸歯が凹溝から脱け出難くなる。また、ストレート凸歯500の根元部と凹溝11内のねじれ斜面11a1のエッジ11a3とが噛み合って動力を伝達するため(
図26に示されるように)、ストレート凸歯500の根元部箇所の強度が高いことが求められている。本実施例中の第2の側面500b2の構成によって上記問題をうまく解決でき、その理由は以下である。第2の側面500b2は、前記ストレート凸歯の端部から前記ストレート凸歯の根元部方向にそって漸進的な斜面として形成されている。即ち、ストレート凸歯500の端部の幅は根元部の幅より小さいため、ストレート凸歯500の端部の幅を減少することによって凹溝11に挿入された前記ストレート凸歯の高さを増加でき、凸歯が凹溝から脱け出難くなる。根元部の幅を増加することによって根元部の強度を向上できるため、前記凹溝に挿入された前記ストレート凸歯の高さが満たされている条件の下で、さらに前記ストレート凸歯の根元部の強度が向上する。
【0041】
本実施例において、感光ドラム駆動ヘッドと
画像形成装置の駆動ヘッドの軸方向の位置決めを、ボス400の端面と凹溝11の底面との接触によって行っても良く、凸歯500の端面500b3と凹溝11の底面(
図7〜8)との接触によって行っても良い。
図30は、凸歯の端面による位置決めを採用した感光ドラム駆動ヘッドの一部の構成の斜視概略図である。図面からわかるように、円柱形ボス400が感光ドラムの軸方向に沿って延伸している長さは、ストレート凸歯500が感光ドラムの軸方向に沿って延伸している長さより小さい。
図31は、ストレート凸歯の間で弧状面によって接続されている概略図である。図面からわかるように、ストレート凸歯500の間でのボス400の端面は、ドラムの軸方向に凹んだ弧状面である。即ち、三つのストレート凸歯500の間が弧状面で接続されることで、前記ボスと前記ストレート凸歯との結合箇所での応力集中を低下でき、前記ストレート凸歯が受力した時に前記ボスと前記ストレート凸歯との結合箇所で破裂が発生する現象を防止できるようになる。
【0042】
図32及び
図33は、それぞれ脱出防止部が設置されている感光ドラム駆動ヘッドの一部の構成の斜視概略図と、脱出防止部が設置されている感光ドラム駆動ヘッドと
画像形成装置の駆動ヘッドとを噛み合わせ後の内部構成図である。さらに前記ストレート凸歯が前記凹溝から脱け出しやすいという問題を解決するために、噛み合い面500aにおける前記凸歯の端面に近づいている位置に脱出防止部500a2を設ける。図面からわかるように、脱出防止部500a2は、噛み合い面500aに直交して外へ延伸している。脱出防止部500a2は、噛み合い面500aの頂端から外へ延伸している弧状体または半球状体を成している。前記感光ドラム駆動ヘッドと前記
画像形成装置の駆動ヘッドとが噛み合って動力を伝達するとき、脱出防止部500a2は凹溝11内のねじれ斜面11a1と噛み合うことができる。そのため、前記感光ドラム駆動ヘッドが軸方向に沿って脱け出る傾向があるとしても、脱出防止部500a2が凹溝11内のねじれ斜面11a1に当接されると、感光ドラム駆動ヘッドと
画像形成装置の駆動ヘッドとで軸方向の引張力が発生することによって、感光ドラム駆動ヘッドが前記
画像形成装置の駆動ヘッドから脱け出ることを防止できる。