特許第5935091号(P5935091)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5935091
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月15日
(54)【発明の名称】集塵機の制御システム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/44 20060101AFI20160602BHJP
【FI】
   B01D46/44
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-185530(P2015-185530)
(22)【出願日】2015年9月18日
【審査請求日】2015年10月30日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510106131
【氏名又は名称】株式会社システム計装
(72)【発明者】
【氏名】藤原 利雄
【審査官】 中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−281048(JP,A)
【文献】 特開2001−087175(JP,A)
【文献】 特開2012−032665(JP,A)
【文献】 特開平05−039005(JP,A)
【文献】 特開2010−060266(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の吸気口を有する集塵機の制御システムであって、
各吸気口の近傍に粉塵センサを備え、
各吸気口と集塵機との間に連通された吸気経路の前記集塵機近傍に風圧センサを備え、
前記各集塵センサ及び前記風圧センサから受信される計測データに基づき、前記集塵機に対して制御信号を発する制御ユニットを有し、
前記制御ユニットは、予めマイコンに設定された基準粉塵濃度と、前記粉塵センサにより計測した粉塵量と、前記風圧センサにより計測した風圧値とに基づいて演算を行い、演算結果に応じて集塵機モータの回転数を割り出すように制御することを特徴とする集塵機の制御システム。
【請求項2】
前記制御ユニットは、予めマイコンに設定された基準粉塵濃度と、前記粉塵センサにより計測した粉塵量と、前記風圧センサにより計測した風圧値とに基づいて演算を行い、基準粉塵濃度を基準として、粉塵量が多い場合には、定格周波数で前記集塵機を運転することで吸気量を高くし、粉塵量が少ない場合には、定格周波数と最低周波数との間で前記集塵機を運転することで集塵機の吸気量を下げるように、演算結果に応じて集塵機モータの回転数を割り出すように制御することを特徴とする請求項1に記載の集塵機の制御システム。
【請求項3】
前記制御ユニットは、集塵機モータ保護のため一定規定の風圧を確保しながら制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の集塵機の制御システム。
【請求項4】
前記集塵機は、製造プラントの製造現場に設置され、前記吸気口は、その製造現場の複数の工程にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1、2又は3の集塵機の制御システム。
【請求項5】
前記粉塵センサ又は前記風圧センサは、前記制御ユニットと通信するための無線通信手段を備えていることを特徴とする請求項1、2、3又は4の集塵機の制御システム。
【請求項6】
複数の吸気口を有する集塵機には、各吸気口の近傍に粉塵センサと
各吸気口と集塵機との間に連通された吸気経路の前記集塵機近傍に風圧センサとを備え、
前記各集塵センサ及び前記風圧センサから受信される計測データに基づき、前記集塵機に対して制御信号を発する制御ユニットを有する集塵機の制御方法にあって、
前記制御ユニットは、予めマイコンに設定された基準粉塵濃度と、前記粉塵センサにより計測した粉塵量と、前記風圧センサにより計測した風圧値とに基づいて演算を行い、演算結果に応じて集塵機モータの回転数を割り出すように
前記集塵機に対して制御信号を発することを特徴とする集塵機の制御方法。
【請求項7】
前記制御ユニットは、予めマイコンに設定された基準粉塵濃度と、前記粉塵センサにより計測した粉塵量と、前記風圧センサにより計測した風圧値とに基づいて演算を行い、基準粉塵濃度を基準として、粉塵量が多い場合には、定格周波数で前記集塵機を運転することで吸気量を高くし、粉塵量が少ない場合には、定格周波数と最低周波数の間で前記集塵機を運転することで集塵機の吸気量を下げるように、演算結果に応じて集塵機モータの回転数を割り出すように前記集塵機に対して制御信号を発することを特徴とする請求項6に記載の集塵機の制御方法。
【請求項8】
前記制御ユニットは、集塵機モータ保護のため一定規定の風圧を確保しながら前記集塵機に対して制御信号を発することを特徴とする請求項6又は7に記載の集塵機の制御方法。
【請求項9】
複数の吸気口を有する集塵機の制御システムであって、
各吸気口の近傍に粉塵センサを備え、
各吸気口と集塵機との間に連通された吸気経路の前記集塵機近傍に風圧センサを備え、
前記各粉塵センサ及び前記風圧センサから受信される計測データに基づき、前記集塵機に対して制御信号を発する制御ユニットを有し、
前記制御ユニットは、予めマイコンに設定された基準粉塵濃度と、前記粉塵センサにより計測した粉塵量と、前記風圧センサにより計測した風圧値とに基づいて演算を行い、基準粉塵濃度を基準として、粉塵量が多い場合には定格周波数で前記集塵機を運転することで吸気量を高くし、粉塵量が少ない場合には最低周波数で前記集塵機を運転することで吸気量を低くするように制御することを特徴とする集塵機の制御システム。
【請求項10】
複数の吸気口を有する集塵機において、
各吸気口の近傍に粉塵センサを備え、
各吸気口と集塵機との間に連通された吸気経路の前記集塵機近傍に風圧センサを備え、
制御ユニットにおいて、前記各粉塵センサ及び前記風圧センサから計測データを受信し、当該計測データに基づいて演算を行い、基準粉塵濃度に比較して粉塵量が多い場合には定格周波数で前記集塵機を運転し、少ない場合には最低周波数で前記集塵機を運転するように、前記集塵機に対して制御信号を発することを特徴とする集塵機の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種製造プラントの製造現場に設置される集塵機の制御システム及び制御方法に関し、特に、吸気口や吸気経路に配置した粉塵センサによって計測される粉塵量・粉塵濃度などの計測データに基づいて集塵機の動作を制御するシステム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鋳造プラントなどの製造現場においては、研磨・切削作業(バリ取り、サンダーがけ)により金属粉等の粉塵が恒常的に発生する。また、製造工程によっては、ミスト、有害ガス、悪臭なども発生する(以下、このような微粒子・化学物質を総称して「粉塵」とする)。
これらの粉塵は人体及び環境にとって有害であるため、プラント内で粉塵を集塵し無害化処理するなどして、プラント内においてもプラント外に対しても相当な注意を持って環境保全をしなければならない。
【0003】
図7及び図8は、従来の集塵機(システム)の構成を示す概略図である。
図7に示すように、集塵機モータの運転は、直接電源駆動回路において、50Hzで定格運転をするものであった。
あるいは、図8に示すように、集塵機モータの運転は、内蔵インバータの周波数設定によって回転数制御を行うものであった。
上記のような従来方式の従来の集塵機(システム)では、プラントの稼働状況に応じて、集塵機モータの回転数を調節することで、効率的な運転を行うことが可能となっている。
【0004】
一方、特許文献1には、生コンクリート製造プラントの集塵装置であって、複数の吸引ダクト/吸引口を有し、各々の吸引口付近に粉塵センサを備え、各粉塵センサにおいて検出される粉塵濃度に応じて二機の集塵機の吸引力をインバータ制御にて調整することで、エネルギーの無駄を減らしながら効率的な清浄を行うことができる集塵装置が記載されている([要約]、[請求項1]等)。
【0005】
また、特許文献2には、鋳造ラインにおける集塵機の運転モニタシステムであって、集塵機周辺に取り付けられ各種属性を計測する複数の信号線でローカルユニットに接続し、さらにローカルユニットにおいて各センサの計測値から粉塵量や粉塵種類、粉塵濃度などを演算し、遠隔ユニットにより集塵機の運転をモニタするシステムが記載されている([要約]、[0016]〜[0039]等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−76101号公報
【特許文献2】特開2002−73152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1記載の集塵装置では、複数の粉塵センサにて各所の粉塵濃度を検出して粉塵装置の動作を制御することで粉塵装置の全体の効率化・省エネ化を図ることは可能であるが、複数の吸気口を配置しなければならないような大型プラント向けの集塵装置としては応用が難しいものと考えられる。
【0008】
特許文献2記載のモニタシステムでは、鋳造ラインの集塵機において、複数のセンサから得られる計測データから粉塵量などを取得し演算等しているが、これはシステムの異常検知を目的としたものであり、異状発生時に管理者が手動で機器制御を行うことはできるものの、平常運転時に集塵装置の動作を制御して効率化・省エネ化を図るものではない。
また一方で、集塵機の吸気風圧を極端に変化させてしまうと、集塵機モータに過負荷がかかり消耗してしまうおそれがあった。
【0009】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、吸気口や吸気経路などの複数個所に配置した粉塵センサによって計測される粉塵量・粉塵濃度などの計測データに基づいて集塵機が効率的に動作するよう制御するシステム及び方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記解決課題に鑑みて鋭意研究の結果、本発明者は、設備機器に利用可能な空気を媒体とするダスト及び、粉塵を移送させる際に、周囲の環境に応じた回転数に制御可能とする集塵機モータにおいて、取り分け集塵機設備機器を稼動させるために具備されたインバータにおいて、集塵機ファンの回転出力を制御するコントローラを具備し、計測環境センサ・ダクト内風圧センサにより計測された計測データを基とし、計測した数値の信号をコントローラに無線送信することにより集塵機モータの適正な回転数を割出し、コントローラからインバータへ指令するに際して、集塵機モータの回転数制御指令を出力させることにより、作業環境を考慮し、常時集塵機モータの消費電力を低減化させることが可能であることに想到した。
【0011】
すなわち、本発明は、複数の吸気口を有する集塵機であって、各吸気口の近傍に粉塵センサを備え、各吸気口と集塵機との間に連通された吸気経路の前記集塵機近傍に風圧センサを備え、前記各粉塵センサ及び前記風圧センサから受信される計測データに基づき、前記集塵機に対して制御信号を発する制御ユニットを有することを特徴とする集塵機の制御システムを提供するものである。
【0012】
本発明の集塵機の制御システムにおいて、前記吸気経路の前記集塵機近傍とは異なる位置に1又は複数の風圧センサを備え、また、前記各吸気口近傍とは異なる位置に1又は複数の粉塵センサを備えることとしてもよい。
これにより、集塵機近傍とは異なる位置における風圧や、各吸気口近傍とは異なる位置における粉塵量の計測データを得ることができ、制御ユニットにおいてはより精度の高い制御を行うことが可能となる。
【0013】
本発明の集塵機の制御システムにおいて、前記粉塵センサ及び前記風圧センサは、前記制御ユニットと通信するための無線通信手段を備えていることを特徴とする。
これにより、粉塵が多く、温度湿度等の環境が劣悪な製造現場において、機器や配線に関する負担を低減することができる。
【0014】
また、本発明は、複数の吸気口を有する集塵機において、各吸気口の近傍に粉塵センサを備え、各吸気口と集塵機との間に連通された吸気経路の前記集塵機近傍に風圧センサを備え、制御ユニットにおいて、前記各粉塵センサ及び前記風圧センサから計測データを受信し、当該計測データに基づき、前記集塵機に対して制御信号を発することを特徴とする集塵機の制御方法を提供するものである。
【0015】
本発明の集塵機の制御方法において、前記吸気経路の前記集塵機近傍とは異なる位置に1又は複数の風圧センサを備え、また、前記各吸気口近傍とは異なる位置に1又は複数の粉塵センサを備えることとしてもよい。
これにより、集塵機近傍とは異なる位置における風圧や、各吸気口近傍とは異なる位置における粉塵量の計測データを得ることができ、制御ユニットにおいてはより精度の高い制御を行うことが可能となる。
【0016】
本発明の集塵機の制御方法において、前記粉塵センサ及び前記風圧センサは、前記制御ユニットと通信するための無線通信手段を備えていることを特徴とする。
これにより、粉塵が多く、温度湿度等の環境が劣悪な製造現場において、機器や配線に関する負担を低減することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上、説明したように、本発明の集塵機の制御システム及び制御方法によれば、吸気口や吸気経路などの複数個所に配置した粉塵センサによって計測される粉塵量・粉塵濃度などの計測データに基づいて集塵機が効率的に動作するよう制御することが可能となる。
これにより、集塵機の消費電力が削減され、かつ、二酸化炭素の排出量が削減されることとなる。また、集塵機のモータ等の部品の耐久性を損なうことなく、集塵機の寿命を延ばすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態にかかる集塵機の制御システムの全体構成を概略的に示す図である。
図2】本発明の他の実施形態にかかる集塵機の制御システムの全体構成を概略的に示す図である。
図3】本発明のさらに他の実施形態にかかる集塵機の制御システムの全体構成を概略的に示す図である。
図4】本発明の集塵機の制御システム及び制御方法の一実施例における制御ユニットの内部構成を概略的に示す図である。
図5】本発明の集塵機の制御システム及び制御方法の一実施例における制御ユニットの内部構成を概略的に示す図である。
図6】本発明の集塵機の制御システム及び制御方法の実施例における計測データに基づく制御の具体例を示すグラフである。
図7】従来の集塵機(システム)の構成を示す概略図である。
図8】従来の集塵機(システム)の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の集塵機の制御システム及び制御方法を実施するための最良の形態を詳細に説明する。図1図8は、本発明の実施の形態を例示する図であり、これらの図において、同一の符号を付した部分は同一物を表わし、基本的な構成及び動作は同様であるものとする。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態にかかる集塵機の制御システムの全体構成を概略的に示す図である。
図1において、本システムは、製造現場の各所に吸気口A〜Dを設けた集塵機と、これを制御する制御ユニットを有し、各吸気口の近傍には粉塵センサを備え、各吸気口と集塵機とを接続する吸気経路の集塵機近傍には風圧センサを備えた構成となっている。
粉塵センサA〜Dは、それぞれ吸気口近傍における粉塵量をリアルタイムで計測し、計測データを無線通信にて制御ユニットに送信する。
風圧センサは、吸気経路の集塵機近傍における風圧をリアルタイムで計測し、計測データを有線通信にて制御ユニットに送信する。
【0021】
制御ユニットは、粉塵センサA〜Dから受信される計測データに基づいて解析を行い、集塵機に対して制御信号を発する。例えば、各吸気口の近傍における粉塵量が多い場合には集塵機の吸気量を上げ、各吸気口の近傍における粉塵量が少ない場合には集塵機の吸気量を下げるといった制御を行うことができる。また、各吸気口の近傍における粉塵量が少ない場合であっても、集塵機モータ保護のため一定の規定風圧を確保するよう制御を行うことができる。
【0022】
図2は、本発明の他の実施形態にかかる集塵機の制御システムの全体構成を概略的に示す図である。
図2において、本システムは、図1に示した実施形態において、吸気経路の集塵機近傍とは異なる位置にも風圧センサを備えた構成となっている。
集塵機近傍とは異なる位置における風圧の計測データも利用することで、制御ユニットは、より精度の高い制御を行うことが可能となる。
【0023】
図3は、本発明のさらに他の実施形態にかかる集塵機の制御システムの全体構成を概略的に示す図である。
図3において、本システムは、図2に示した実施形態において、各吸気口近傍とは異なる位置にも粉塵センサを備えた構成となっている。
各吸気口近傍とは異なる位置における粉塵量の計測データも利用することで、制御ユニットは、より精度の高い制御を行うことが可能となる。
【0024】
上記の各実施形態にかかる集塵機の制御システムにおいて、製造現場内に設置される粉塵センサ及び風圧センサは、すべて前記制御ユニットと通信するための無線通信手段を備えたものとしている。これにより、粉塵が多く、温度湿度等の環境が劣悪な製造現場において、機器や配線に関する負担を低減することができる。
【実施例1】
【0025】
本発明の集塵機の制御システム及び制御方法の実施例を以下に示す。
図4及び図5は、本発明の集塵機の制御システム及び制御方法の一実施例における制御ユニットの内部構成を概略的に示す図である。
図4に示すのは、集塵機の制御盤においてモータ制御のためのインバータを内蔵する場合の内部構成であり、図5に示すのは、集塵機の制御盤においてモータ制御のためのインバータを内蔵しない場合の内部構成である。
【0026】
図4に示すように、既設の集塵機の制御盤にコントローラを接続することで本発明の集塵機の制御システムが構成される。コントローラでは、予めマイコンに設定された基準粉塵濃度と、パーティクルセンサ1〜3(粉塵センサ)により計測した粉塵量データとダクト内の風圧センサにより計測した風圧値とに基づいて演算を行い、演算結果に応じて最適とされる集塵機モータの回転数を割り出し、集塵機制御盤の内蔵インバータに対して集塵機モータの回転数制御のための信号を出力する。
【0027】
図5に示すように、インバータ内蔵型のコントローラを用いる場合には、コントローラにおいて、予めマイコンに設定された基準粉塵濃度と、パーティクルセンサ1〜3(粉塵センサ)により計測した粉塵量データとダクト内の風圧センサにより計測した風圧値とに基づいて演算を行い、演算結果に応じて最適とされる集塵機モータの回転数を割り出し、コントローラの内蔵インバータに対して集塵機モータの回転数制御のための信号を出力する。
【0028】
図6は、本発明の集塵機の制御システム及び制御方法の実施例における計測データに基づく制御の具体例を示すグラフである。
図6に示すように、運転開始直後は粉塵量が多いので定格周波数50Hzで運転を行い、運転開始約25分後には粉塵量が低量に落ち着くので最低周波数30Hzでの運転に切り替えるといった制御が可能である。
【0029】
以上、本発明の集塵機の制御システム及び制御方法について、具体的な実施の形態を示して説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。当業者であれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上記各実施形態における各機器の構成及び機能に様々な変更・改良を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の集塵機の制御システム及び制御方法は、鋳造工場、金属加工仕上げ工場、リサイクル工場などの建造物内又は設備内において、作業環境の向上、並びに、消費電力低減及び二酸化炭素排出量低減を目的として、既設の集塵機の制御システムとして導入が可能である。
【要約】
【課題】吸気口や吸気経路などの複数個所に配置した粉塵センサによって計測される粉塵量・粉塵濃度などの計測データに基づいて集塵機が効率的に動作するよう制御するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】設備機器に利用可能な空気を媒体とするダスト及び、粉塵を移送させる際に、周囲の環境に応じた回転数に制御可能とする集塵機モータにおいて、取り分け集塵機設備機器を稼動させるために具備されたインバータにおいて、集塵機ファンの回転出力を制御するコントローラを具備し、計測環境センサ・ダクト内風圧センサにより計測された計測データを基とし、計測した数値の信号をコントローラに無線送信することにより集塵機モータの適正な回転数を割出し、コントローラからインバータへ指令するに際して、集塵機モータの回転数制御指令を出力させることにより、作業環境を考慮し、常時集塵機モータの消費電力を低減化させる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8