特許第5935110号(P5935110)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社大都技研の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5935110
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月15日
(54)【発明の名称】遊技台
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20160602BHJP
【FI】
   A63F5/04 512D
   A63F5/04 516F
【請求項の数】1
【全頁数】42
(21)【出願番号】特願2015-46332(P2015-46332)
(22)【出願日】2015年3月9日
(62)【分割の表示】特願2014-155440(P2014-155440)の分割
【原出願日】2014年7月30日
(65)【公開番号】特開2016-32624(P2016-32624A)
(43)【公開日】2016年3月10日
【審査請求日】2015年3月23日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】597044139
【氏名又は名称】株式会社大都技研
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(72)【発明者】
【氏名】石黒 徹
【審査官】 澤田 真治
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5712321(JP,B1)
【文献】 特開2011−087754(JP,A)
【文献】 特開2010−274066(JP,A)
【文献】 特開2010−268850(JP,A)
【文献】 特開2008−119213(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を開始させるために操作されるスタートレバーと、
複数種類の図柄が施され、遊技が開始されたことに基づいて回転駆動される複数のリールと、
回転中の前記複数のリールを個別に停止させるために操作されるストップボタンと、
表示手段と、
前記表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、
前回の遊技における前記複数のリールの回転が開始されてから予め定められた時間が経過したことに基づいて今回の遊技における前記複数のリールの回転を開始させることが可能であり、回転中の前記複数のリールを前記ストップボタンの操作に基づいて停止させ、停止された前記複数のリールの態様に応じた利益を付与する遊技台であって、
前記表示制御手段は、
前記ストップボタンの操作条件を示唆する表示である操作示唆表示を前記表示手段に行わせることが可能であり、
前記操作示唆表示として、第一の操作示唆表示と、示唆する操作条件が該第一の操作示唆表示とは異なる第二の操作示唆表示と、を行わせることが可能であり、
前記操作示唆表示が行われる遊技のうちの少なくとも一部の遊技において、遊技が開始されるタイミングにおいて前記第一の操作示唆表示を行わせ、前記複数のリールの回転が開始されるタイミングにおいて前記第一の操作示唆表示に替えて前記第二の操作示唆表示を行わせるものであることを特徴とする遊技台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技台の一つとして、例えば、スロットマシン(パチスロ)が知られている。このスロットマシンは、例えば、所定数の遊技媒体を使用し、スタートレバーが操作されることで、複数の役の中から内部当選役を決定する抽選を行うと共に、複数のリールを回転させ、決定した内部当選役とストップボタンの操作結果とに基づいてリールを停止させる。そして、停止されたリールの態様によって入賞を判定し、入賞と判定された役に応じた利益を付与する。この一連の処理は例えば主制御部が行うように構成されている。
【0003】
一方、このようなスロットマシンの中には、ストップボタンの操作条件(操作順序や操作タイミング等)を充足した場合に、遊技者に利益を付与したり、或いは不利益を付与するものも提案されている。そして、ストップボタンの操作条件に関する演出を行い、遊技の興趣を向上させるものが提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4785212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のストップボタンの操作条件に関する演出は、遊技の興趣を向上させる点で、改善の余地がある。
【0006】
本発明の目的は、ストップボタンの操作条件に関する演出を用いて遊技の興趣を向上させることができる遊技台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、
遊技を開始させるために操作されるスタートレバーと、
複数種類の図柄が施され、遊技が開始されたことに基づいて回転駆動される複数のリールと、
回転中の前記複数のリールを個別に停止させるために操作されるストップボタンと、
表示手段と、
前記表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、
前回の遊技における前記複数のリールの回転が開始されてから予め定められた時間が経過したことに基づいて今回の遊技における前記複数のリールの回転を開始させることが可能であり、回転中の前記複数のリールを前記ストップボタンの操作に基づいて停止させ、停止された前記複数のリールの態様に応じた利益を付与する遊技台であって、
前記表示制御手段は、
前記ストップボタンの操作条件を示唆する表示である操作示唆表示を前記表示手段に行わせることが可能であり、
前記操作示唆表示として、第一の操作示唆表示と、示唆する操作条件が該第一の操作示唆表示とは異なる第二の操作示唆表示と、を行わせることが可能であり、
前記操作示唆表示が行われる遊技のうちの少なくとも一部の遊技において、遊技が開始されるタイミングにおいて前記第一の操作示唆表示を行わせ、前記複数のリールの回転が開始されるタイミングにおいて前記第一の操作示唆表示に替えて前記第二の操作示唆表示を行わせるものであることを特徴とする遊技台が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ストップボタンの操作条件に関する演出を用いて遊技の興趣を向上させることができる遊技台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】スロットマシン100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図。
図2】制御部の回路ブロック図。
図3】スロットマシン100に設けられた図柄表示窓113および各リール110乃至112を正面から見た正面図。
図4】各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図。
図5】(a)は内部当選役(作動役を含む)の種類、各役に対応する図柄組み合わせ、付与数を示す図、(b)は各役の抽選データを示す図。
図6】スロットマシン100の遊技状態の変遷推移図及び移行条件を示す図。
図7】主制御部300のメイン処理の流れを示すフローチャート。
図8】主制御部300の内部抽選処理の流れを示すフローチャート。
図9】主制御部300のリール回転開始処理の流れを示すフローチャート。
図10】主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャート。
図11】(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャート、(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャート、(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャート。
図12】第1副制御部400の演出制御状態の変遷推移図及び移行条件を示す図。
図13】第1副制御部400の演出制御処理の流れを示すフローチャート。
図14】第1副制御部400の内部当選コマンド受付時処理の流れを示すフローチャート。
図15】第1副制御部400のAT状態1内部当選コマンド受付時処理の流れを示すフローチャート。
図16】第1副制御部400のリール回転開始コマンド受付時処理の流れを示すフローチャート。
図17】(a)は操作演出の演出タイプの例を示す図、(b)は演出パターンの例を示す図、(c)は演出タイプの選択率の例を示す図。
図18】第1副制御部400のAT状態2内部当選コマンド受付時処理の流れを示すフローチャート。
図19】第1副制御部400の遊技状態更新コマンド受付時処理の流れを示すフローチャート。
図20】第1副制御部400のAT状態1遊技状態更新コマンド受付時処理の流れを示すフローチャート。
図21】第1副制御部400の各前兆設定処理の流れを示すフローチャート。
図22】第1副制御部400の各前兆終了処理の流れを示すフローチャート。
図23】第1副制御部400のAT状態1終了処理の流れを示すフローチャート。
図24】第1副制御部400のAT状態2遊技状態更新コマンド受付時処理の流れを示すフローチャート。
図25】(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャート、(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャート、(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャート、(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャート。
図26】タイプ5の操作演出に当選した場合の演出の進行例を説明する図。
図27】(a)〜(c)は変動期間の長さが変動する例を説明する。
図28】(a)は操作演出パターンをアニメーションとした例を示す図、(b)は一通りの演出時間の説明図。
図29】(a)は変動期間を変動させる別例の説明図、(b)は各タイミングの関係性の概念図。
図30】(a)〜(d)は操作演出パターンが切り替わる他の例の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
以下、図面を用いて、本発明の第1実施形態に係る遊技台(ここではスロットマシン))について詳細に説明する。
【0011】
まず、図1および図3を用いてスロットマシン100の基本構成を説明する。図1は、スロットマシン100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。図3は、スロットマシン100に設けられた図柄表示窓113および各リール110乃至112を正面から見た正面図である。
【0012】
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取り付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
【0013】
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され(それぞれを図柄表示領域と呼ぶ場合がある)、合計9つの図柄が見えるようになっている。
【0014】
図3を用いて具体的に説明すると、左リール110の上段(図に示す1の位置)に表示される図柄を左リール上段図柄、左リール110の中段(図に示す2の位置)に表示される図柄を左リール中段図柄、左リール110の下段(図に示す3の位置)に表示される図柄を左リール下段図柄、中リール111の上段(図に示す4の位置)に表示される図柄を中リール上段図柄、中リール111の中段(図に示す5の位置)に表示される図柄を中リール中段図柄、中リール111の下段(図に示す6の位置)に表示される図柄を中リール下段図柄、右リール112の上段(図に示す7の位置)に表示される図柄を右リール上段図柄、右リール112の中段(図に示す8の位置)に表示される図柄を右リール中段図柄、右リール112の下段(図に示す9の位置)に表示される図柄を右リール下段図柄とそれぞれ呼ぶ。
【0015】
各リール110乃至112のそれぞれの図柄は図柄表示窓113を通して各リール110乃至112にそれぞれ縦方向に3つ、合計9つ表示される。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することになる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。別の表現をすれば、各リール110乃至112は、複数種類の図柄が施され、回転駆動されるようにスロットマシン100に設けられている。
【0016】
なお、このような表示装置としてはリール以外にも演出画像表示装置157等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0017】
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。後述する主制御部300は、このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判定し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
【0018】
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。入賞ラインとは、後述する図5で説明する役に対応する図柄組み合わせが表示されたか否かが判定されるラインのことであり、本実施形態では、図3に示すように、左リール中段図柄、中リール中段図柄および右中段図柄で構成される中段ラインL1、左リール上段図柄、中リール上段図柄および右リール上段図柄で構成される上段ラインL2、左リール下段図柄、中リール下段図柄および右リール下段図柄で構成される下段ラインL3、左リール下段図柄、中リール中段図柄および右リール上段図柄で構成される右上がりラインL4、左リール上段図柄、中リール中段図柄および右リール下段図柄で構成される右下がりラインL5の5つの入賞ラインが設けられている。
【0019】
有効となる入賞ライン(以下、単に「有効ライン」と称する場合がある)は、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。それぞれ例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段ラインおよび下段ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右上りラインおよび右下がりラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ラインの数については5ラインに限定されるものではない。
【0020】
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の役(具体的には、特別役)に内部当選していること、または、特別役内部当選状態であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
【0021】
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数投入するためのボタンである。本実施形態においては、1枚賭けベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、2枚賭けベットボタン131が押下されると2枚投入され、MAXベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。
【0022】
1枚賭けベットボタン130、2枚賭けベットボタン131およびMAXベットボタン132は貯留手段に電子的に記憶されている遊技媒体を所定の投入指示操作を受け付ける操作部である。また、さらに限定すると、1枚賭けベットボタン130、2枚賭けベットボタン131およびMAXベットボタン132は遊技に用いるための遊技媒体を電子的に記憶する貯留手段に電子的に記憶されている遊技媒体を遊技に使用するための指示のための操作を受け付ける投入操作部である。
【0023】
なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
【0024】
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。すなわち、1枚賭けベットボタン130、2枚賭けベットボタン131およびMAXベットボタン132を操作すること、および、メダル投入口141にメダルを投入することは投入操作にあたる。また、後述するが、投入操作が行われることで遊技の開始操作の受付が可能となるため、投入操作は遊技を進行するための複数種類の遊技操作の1つである。
【0025】
貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器である。
【0026】
スタートレバー135は、遊技を開始させるために操作されるレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作するか、再遊技役の入賞による自動投入がされたときに、スタートレバー135を操作すると、遊技が開始され、リール110乃至112が回転を開始することとなる。
【0027】
スタートレバー135に対する操作は遊技の開始を指示するものであり、開始操作にあたる。開始操作が行われることでリール110乃至112の回転が開始するため、開始操作は遊技を進行するための複数種類の遊技操作の1つである。また、スタートレバー135は遊技者の操作を受け付ける複数の操作部のうちの所定の操作部であり、特に、開始操作を受け付ける開始操作受付部である。換言すると、スタートレバー135は、遊技者による操作により各リール110乃至112を回転開始させる指示のための操作を受け付ける回転指示操作部である。
【0028】
ストップボタンユニット136には、左ストップボタン137、中ストップボタン138および右ストップボタン139で構成されるストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、回転中の複数のリール110乃至112を個別に停止させるために操作されるボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。
【0029】
より具体的に言えば、左ストップボタン137を操作することによって左リール110を停止させることができ、中ストップボタン138を操作することによって中リール111を停止させることができ、右ストップボタン139を操作することによって右リール111を停止させることができる。
【0030】
以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。また、回転中の各リール110乃至112を停止させるためにストップボタン137乃至139を停止操作する順序を停止操作順序又は単に操作順序という。
【0031】
各ストップボタン137乃至139の内部には発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
【0032】
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
【0033】
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
【0034】
音孔180はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。
【0035】
この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された演出画像表示装置157を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが演出画像表示装置157の手前で水平方向外側に開くと演出画像表示装置157の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。演出画像表示装置157は遊技に関する種々の情報を表示したり、演出画像を表示したりするものである。演出装置160が行う演出には、ストップボタン137〜139に対する操作条件に関する演出も含まれる。
【0036】
なお、シャッタ163によって遮蔽される表示部材は演出画像表示装置157でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能な表示装置であればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。
【0037】
なお、スピーカ272およびスピーカ277や各種ランプなども演出手段に該当する。つまり、演出手段には、演出画像表示装置157、各種スピーカ、各種ランプなどが含まれ得る。また、後述する第1副制御部400や第2副制御部500は、これらの演出手段を制御する制御部(たとえば第1副制御部400、第2副制御部500など)である。すなわち、第1副制御部400または第2副制御部500は、演出手段を制御するものであり演出制御手段に相当する。
【0038】
なお、演出画像表示装置157を直接制御する制御部は第2副制御部500であるが、第1副制御部400は第2副制御部500に対してどのような演出画像を表示するかを指示するものであり、演出画像表示装置157を間接的に制御するものであるから、第1副制御部400が演出画像表示装置157を制御するというように表現してもよい。
【0039】
また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
【0040】
次に、図2を用いて、スロットマシン100の制御部の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、図2は制御部の回路ブロック図である。
【0041】
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンドを受信し、コマンドに応じた処理を実行する副制御部(第1副制御部400、第2副制御部500)と、によって構成されている。本実施形態の場合、副制御部は、主制御部300からコマンドを受信して演出の制御に関わる処理を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
【0042】
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT(ウォッチドックタイマ)314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。
【0043】
この基本回路302のCPU304は、水晶発振器315bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに記憶された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器315bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
【0044】
主制御部300は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数値生成回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
【0045】
また、主制御部300には、センサ回路320を設けており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(メダル投入操作検出センサ、スタートレバー135センサ、ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダルセレクタのメダル検出センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110〜112の各インデックスセンサ等)の状態を監視している。CPU304は各センサの状態をI/O310の所定のポートから取得可能である。
【0046】
なお、スタートレバー135に対する開始操作を受け付け可能な状態で開始操作を検出した場合には、この検出を示す信号を乱数値生成回路316に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
【0047】
なお、メダル投入操作検出センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者による開始操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139センサは、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者による停止操作を検出する。
【0048】
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【0049】
リール110〜112のインデックスセンサは、例えば、リールに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
【0050】
主制御部300は、リール装置110乃至112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、各種ランプ339(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を備えている。
【0051】
また、基本回路302には、情報出力回路334を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
【0052】
また、主制御部300は、電源管理部(図示しない)から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路330を備えており、電圧監視回路330は、電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
【0053】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
【0054】
主制御部300は第1副制御部400に対して情報を出力する(または出力可能にしている)が、第1副制御部400が主制御部300に対して情報を出力しない(または出力不可能にしている)理由(つまり一方向の通信にしている理由)は、外部装置や不正に改造された第1副制御部から主制御部300に対して不正な信号が入力されることで主制御部が行う役の抽選などの処理において不正な処理が行われないようにするためである。また、別の理由としては一方向通信とすることで遊技台のプログラムを検査する検査機関の検査負担を軽減するという理由がある。本実施形態における主制御部300は第1副制御部400が行う処理の結果を入力することができないように設けられている。
【0055】
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412とを搭載している。
【0056】
基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM406は、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等を記憶する。
【0057】
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに記憶された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0058】
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
【0059】
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)が接続されている。
【0060】
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。第2副制御部500は、演出画像表示装置157の表示制御を含む演出装置160の各種制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、演出画像表示装置157の表示の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置の制御を行う制御部(例えば、シャッタ163のモータ駆動を制御する制御部)とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
【0061】
第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM506は、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等を記憶する。
【0062】
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに記憶された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU504に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0063】
また、第2副制御部500には、シャッタ163のモータを駆動する駆動回路530を設けており、駆動回路530には出力インタフェースを介してシャッタ163を設けている。この駆動回路530は、CPU504からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
【0064】
また、第2副制御部500には、センサ回路532を設けており、センサ回路532には入力インタフェースを介してシャッタセンサ538を接続している。CPU504は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ538状態を監視している。
【0065】
また、第2副制御部500には、VDP534(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)を設けており、このVDP534には、バスを介してROM506、VRAM536が接続されている。VDP534は、CPU504からの信号に基づいてROM306に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM536のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
【0066】
<図柄配列>
次に、図4を用いて、上述の各リール110乃至112に施される図柄配列について説明する。なお、図4は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
【0067】
各リール110乃至112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では10種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110乃至112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号1のコマには「スイカ」の図柄、中リール111の番号0のコマには「ベル」の図柄、右リール112の番号2のコマには「セブン1」の図柄、がそれぞれ配置されている。
【0068】
<役の種類>
次に、図5を用いて、スロットマシン100の役の種類について説明する。なお、図5(a)は内部当選役(作動役を含む)の種類、各役に対応する図柄組合せ、各役の付与数(入賞した場合のメダルの払出し数)を示す図である。本実施形態では停止された複数のリール110〜112の態様(ここでは図柄組合せ)に応じた利益としてメダルを付与する。
【0069】
図5(b)は各役の抽選データを示す図であり、遊技状態毎の内部当選確率を示す。遊技状態には、再遊技低確率状態(RT0と呼ぶ場合がある)、特別役内部当選状態(RT1と呼ぶ場合がある)及び特別遊技状態(RT2と呼ぶ場合がある)がある。
【0070】
図5(b)における「条件装置」は内部抽選の対象の役の種類を示している。内部当選確率は抽選値を65536で除算した値に100を乗算した値である。たとえば、RT0においては、小役1の抽選値が1024であり、小役1の当選確率は1024/65536*100≒1.6%である。各々の役の内部当選確率は、ROM306に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。なお、図示しないが、ハズレも抽選結果の1つである。この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた複数の設定(例えば設定1〜設定6)が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
【0071】
スロットマシン100の役には、特別役と、再遊技役と、小役(小役1〜小役3)とがある。なお、役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
【0072】
本実施形態における役のうち、特別役は特別遊技状態に移行する役とされ、再遊技役は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「役」には、作動役である、特別役および再遊技役が含まれる。
【0073】
また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、特別役、再遊技役への入賞が含まれる。
【0074】
特別役は、入賞により特別遊技が開始される役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「BAR−BAR−BAR」である。本実施形態の場合、特別役に入賞した場合、メダルの払出は行われない。特別役は、RT0において内部当選可能であり、比較的高確率で内部当選確率(16384/65536=25%)が設定されている。RT1、RT2では内部抽選の対象とされない。
【0075】
特別役についてはフラグ持越しを行う。すなわち、特別役に内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技において特別役に入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でも特別役に内部当選中となり、特別役に対応する図柄組み合わせ「BAR−BAR−BAR」が、揃って入賞する状態にある。
【0076】
なお、主制御部300は、この図柄組み合わせが表示されたことに基づいて遊技状態をRT2(特別遊技状態のことであり、後述する図6で詳細に説明する)に移行させる。
【0077】
再遊技役は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。再遊技役が入賞した場合、主制御部300は、前回の賭け枚数と同じ賭け枚数を自動的に投入する。対応する図柄組合せは「リプレイ−リプレイ−リプレイである。再遊技役は、RT0及びRT1において内部当選可能であり、RT0の方が内部当選確率が低く設定されている。
【0078】
小役(小役1〜小役3)は、入賞により所定数のメダルが払い出される役で、対応する図柄組合せは、小役1が「スイカ−スイカ−スイカ」(スイカ)、小役2が「ANY−チェリー−ANY」(チェリー)、小役3が「ベル−ベル−ベル」(ベル)である。小役2の図柄組合せの「ANY−チェリー−ANY」は、有効ラインのうちの中リール111の図柄が「チェリー」であればよく、左リール110と右リール112の図柄はどの図柄でもよいことを意味する。
【0079】
小役1〜小役3に入賞した場合のメダルの払出枚数は、図5(a)の「付与数」に示す通りである。小役3については、入賞した場合のメダルの払出枚数が遊技状態に応じて異なり、RT2においては2枚であり、RT0及びRT1においては9枚である。
【0080】
小役1及び小役2は、RT0及びRT1において内部当選可能であり、いずれの遊技状態においても内部当選確率が同じに設定されている。小役3はRT0〜RT2のいずれにおいても内部当選可能である。RT0及びRT1においては内部当選確率が同じに設定され、RT2においては内部当選確率がRT0及びRT1よりも高く設定されており、本実施形態の場合、100%内部当選する。
【0081】
小役3は、本実施形態の場合、ストップボタン137〜139に対する操作条件が設定される役であり、小役3に入賞するためには、小役3に内部当選し、かつ、操作条件を充足することが必要とされる。操作条件としては、例えば、ストップボタン137〜139の操作順序や、操作タイミングを挙げることができる。本実施形態の場合、操作条件をストップボタン137〜139の操作順序とする。
【0082】
操作順序は、第1乃至第3停止操作の全てを規定してもよいし、第1停止操作のみを規定して第2及び第3停止操作は規定しない場合のように、いずれか1つの停止操作を規定してもよい。また、いずれか2つの停止操作を規定してもよい。
【0083】
操作順序は、最大で6種類(左→中→右、左→右→中、中→左→右、中→右→左、右→左→中、右→中→左)の中から設定可能であるが、4種類(中→左→右、中→右→左、右→左→中、右→中→左)としてもよい。
【0084】
操作条件の設定は、例えば、小役3に内部当選した場合に、抽選によりいずれかを決定することで設定してもよい。また、例えば、操作条件毎に、小役3と他の役とを組み合わせた役を複数種類設定し、小役3に内部当選した場合に、同時に操作条件も決定される構成としてもよい。
【0085】
<遊技状態の種類>
次に、図6を用いて、スロットマシン100の遊技状態の種類および変遷について説明する。図6はスロットマシン100の遊技状態の変遷推移図及び移行条件を示す図である。
【0086】
図6を参照して、既に述べたとおり、本実施形態では遊技状態を、RT0〜RT3に区分けしている。遊技状態は同図の矢印にしたがって推移する。RT0は電源投入時等、初期状態の場合に設定される。RT0において特別役に内部当選し、かつ、その遊技で入賞しなかった場合、遊技状態がRT1に設定される。RT0において特別役に内部当選し、かつ、その遊技で入賞した場合、遊技状態がRT2に設定される。
【0087】
RT1において特別役に入賞すると遊技状態がRT2に設定される。RT2では、いわゆる2枚掛けの遊技となり、メダルの払出し数の合計が所定枚数(ここでは一例として32枚)を超えると遊技状態がRT1に設定される。RT1では小役3に100%内部当選するが払出しは2枚であるため、RT1は純増枚数の増加が見込めない遊技状態としている。本実施形態の場合、特別役に内部当選する確率は上記のとおり比較的高く(25%)、RT1に移行し易い。リール停止データによって特別役に入賞しずらくした場合、RT1で遊技する期間が長くなる仕様となる。
【0088】
<主制御部の処理>
次に、図7を用いて、主制御部300のメイン処理について説明する。なお、図7は、主制御部300のメイン処理の流れを示すフローチャートである。遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU304が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、CPU304が同図の主制御部メイン処理を繰り返し実行する。
【0089】
スロットマシン100に電源が投入されると、まず、S1において各種の初期設定処理が実行される。S2では、掛け数設定・スタート操作受付に関する処理を行う。主制御部300はまず、1枚賭けベットボタン130、2枚賭けベットボタン131およびMAXベットボタン132による電子的なメダル投入操作、または、投入口141からの直接的なメダル投入操作があったか否かをセンサ回路320による検出によって判定し、投入操作があった場合は、受け付けたメダルの枚数に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技役に入賞した場合は、メダルの追加投入をすることなく前回の遊技と同じ賭け数の遊技を行うことができる。
【0090】
また、主制御部300は、賭け枚数が3枚になったことに伴ってスタートレバー135の操作がされたか否かをセンサ回路320による検出する状態に遊技を進行し、スタートレバー135の操作がなされたと判定した場合は、投入されたメダル枚数を確定し、S3に進む。
【0091】
S3では、有効となる入賞ラインを確定する。S4では、乱数値生成回路316で発生させた乱数を取得する。S5では、役の内部抽選処理を行う。ここでは役の内部当選の当否を抽選する内部抽選を少なくとも行う。また、演出に関わる抽選(例えば、複数種類の中から演出内容を選択する抽選)を行ってもよい。図8はS5の内部抽選処理を示す。S11では内部当選役を決定する。役の内部抽選は、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている役抽選テーブルを読み出し、これとS4で取得した乱数値とを用いて抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの役に内部当選した場合、その役の内部当選フラグをONにする。S12では、決定された内部当選役を識別可能な情報を少なくとも含む内部当選コマンドを送信する準備を行う。準備されたコマンドは後述する図10の主制御部タイマ割込処理のS36にて第1副制御部400に送信される。
【0092】
S5の内部抽選処理では、また、内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。停止操作の操作条件が問われる役のリール停止データについては、その操作条件も設定されており、これらに対応するリール停止データが選択されると、その操作条件も設定されたことになる。こうして特定の役に内部当選した場合に操作条件が設定されることになる。操作条件に反する停止操作がなされた場合は、対応図柄組み合わせが表示されないように制御されることになる。
【0093】
図7に戻り、S6では全リール110乃至112の回転を開始させるリール制御を行う。詳細は後述する。
【0094】
S7ではリール停止制御処理を行う。ここでは、まず、所定の条件を満たすことで、ストップボタン137乃至139の受付を有効化する。所定の条件とは、例えば、リール110〜112の駆動制御の設定が、全てのリール110〜112の加速制御状態の後に設定される定速制御状態となり、かつ全てのリール110〜112に設けられたインデックスセンサを検知し、正確な図柄位置を確認できた場合である。
【0095】
その後、有効なストップボタンが操作された場合に、操作されたストップボタンに対応するリールを引き込み制御状態とし、S5での選択に基づき準備されたリール停止データに基づいて目標位置まで回転させ、目標位置まできたらブレーキ制御状態とし、その目標位置でリールを停止させるように制御する。
【0096】
つまり、リールの停止制御は、S5の役の内部抽選の結果と、停止操作のタイミングとに基づいたものとなる。リールの停止制御は、基本的には、内部当選した役がある場合は、その役に対応する図柄組み合わせが表示されることは許容し、ハズレ等の場合はいずれの役に対応する図柄組み合わせも表示されないように、いわゆる引き込み・蹴飛ばしといったリールの停止制御を行う。
【0097】
S7では、また、第1停止操作、第2停止操作および第3停止操作を受け付けるごとに、どのストップボタンが操作されたかに関する情報およびどのタイミングでストップボタンが操作されたかに関する情報を含むコマンドを送信する準備を行う。準備されたこれらのコマンドは後述する図10の主制御部タイマ割込処理のS36にて第1副制御部400に送信される。
【0098】
全リール110乃至112が停止するとS8へ進む。S8では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの役に対応する図柄組合せが表示された場合にその役に入賞したと判定する。また、フラグ持ち越しの場合を除き、内部当選フラグをリセットする。
【0099】
S9ではメダル付与処理を行う。ここでは、払い出しのある何らかの役に入賞していれば、その役に対応する枚数のメダルを払い出す。こうして、停止された複数のリール110〜112の態様(ここでは図柄組合せ)に応じた利益としてメダルが付与される。
【0100】
S10では遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われる。例えば、特別役が入賞した場合には次回の遊技から特別遊技状態(RT2)を開始できるよう準備し、特別遊技状態において所定枚数以上の払出枚数を払い出した場合には、次回から再遊技低確率遊技状態(RT0)が開始できるよう準備する。また、例えば、特別役が内部当選し、かつ、入賞しなかった場合は次回から特別役内部当選遊技状態(RT1)が開始できるよう準備する。また、現在の遊技状態を示す情報を含むコマンドを送信する準備を行う。準備されたこれらのコマンドは後述する図10の主制御部タイマ割込処理のS36にて第1副制御部400に送信される。
【0101】
こうして本実施形態では、停止表示された図柄の組み合わせに基づいて遊技者に特典を付与している。以上により1ゲームが終了する。以降S2へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
【0102】
次に、図9を用いてS6のリール回転開始処理について説明する。なお、図9は主制御部300が行うリール回転開始処理の流れを示すフローチャートである。
【0103】
S21では遊技間隔カウンタが0か否かを判定する。遊技間隔カウンタとは、連続する遊技間の時間を計時するカウンタであり、単位時間あたりの遊技回数を制限して、射幸性を抑制するものである。前回の遊技におけるリール回転開始からこのカウンタで計時される所定の時間(例えば4.1秒)が経過していないと今回の遊技におけるリール回転開始がなされないようになっている。遊技間隔カウンタが0である場合はS22へ進み、0でない場合はS21に戻る。
【0104】
S22では遊技間隔カウンタに初期値を設定する。S23では、S5での選択に基づき第1停止用のリール停止データを準備する。S24では割込み制御状態をリール制御状態に設定する。
【0105】
S25では各リール110〜112の制御状態を加速制御状態に設定する。S26ではリール回転開始コマンドの送信を準備する。準備されたコマンドは後述する図10の主制御部タイマ割込処理のS36にて第1副制御部400に送信される。以上により一単位の処理を終了する。
【0106】
次に、図10を用いて、主制御部300のCPU304にて実行されるタイマ割込処理について説明する。なお、図10は主制御部300が行うタイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【0107】
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
【0108】
S31では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。S32ではWDT(ウォッチドッグタイマ)のリスタートを行う。
【0109】
S33では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、センサ回路320に接続された複数のセンサの検出結果をI/0310の入力ポートを介して監視し、監視結果をRAM308に各センサごとに区画して設けた信号状態記憶領域を記憶する。
【0110】
S34では、各種遊技処理を行う。ここでは割込み制御状態に応じた各種処理を行う。逆に言うと、割込み制御状態とは遊技処理の内容を選択するための情報である。例えば、割込み制御状態がリール制御状態である場合には、各リールに設定されている制御状態を参照し、各リールに設けられているモータに対して設定されている制御状態に対応する励磁データを順次設定し、各リールを制御している。例えば、リール制御状態が加速制御状態である場合には、加速制御状態に対応する励磁データを順次設定し、対応するリールを加速させている。
【0111】
S35では、タイマ更新処理を行う。上述した遊技間隔カウンタ等の各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。S36では、コマンド設定送信処理を行い、設定された各種のコマンドが副制御部400に送信される。副制御部400では、受信したコマンドにより、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になる。S37では、外部信号設定処理を行う。ここでは、情報出力回路334から外部装置の情報入力回路652に対して所定の情報(たとえば遊技状態に関する情報など)を送信する。
【0112】
S38では、デバイス監視処理を行う。ここでは、メダルセレクタ170などの各種デバイスのエラー状態などを監視する。S39では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはS41に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはS40に進む。
【0113】
S40では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、S41で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。一方、S41では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行う。
【0114】
<第1副制御部の処理>
図11を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、図11は第1副制御部400が実行する処理のフローチャートであって、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
【0115】
第1副制御部400のメイン処理は第1副制御部400にリセット信号の入力があった場合に実行される。まず、同図(a)のS51では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずS51で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
【0116】
S52では、第1副制御部400のRAM408の所定の記憶領域であるタイマ変数記憶領域に記憶されたタイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、S53の処理に移行する。S53では、タイマ変数に0を代入する。
【0117】
S54では、第1副制御部コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別し、コマンドを受信した場合には、受信したコマンドに応じた所定の処理を行う。例えば主制御部300の内部情報(遊技状態、内部当選結果、入賞結果等)が更新された場合、これに対応して第1副制御部400の内部情報を更新する。
【0118】
S55では、演出制御処理を行う。ここでは、S54にて実行された処理に基づいて演出データの設定など、演出制御に関する処理を行う。詳細は後述する。
【0119】
S56では、S55で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。S57では、S55で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。S58では、S55で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、S52へ戻る。以上により一単位のメイン処理が終了する。
【0120】
次に、同図(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。
【0121】
S61では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。以上により一単位のコマンド受信割込処理が終了する。
【0122】
次に、同図(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【0123】
S71では、同図(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるS42において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、同図(a)のS32において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
【0124】
S72では、各種更新処理を行う。たとえば、第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値等の各種乱数の更新処理等を行う。以上により一単位のタイマ割込処理が終了する。
【0125】
<演出制御状態>
第1副制御部400の演出制御状態について図12を用いて説明する。同図は第1副制御部400の演出制御状態の変遷推移図及び移行条件を示す図である。第1副制御部400の演出制御状態は、演出制御状態を示すフラグをRAM408の所定のエリアに格納することで管理することができる。
【0126】
本実施形態の場合、第1副制御部400の演出制御状態は通常状態とAT状態とに大別される。AT状態では、ストップボタン137〜139に対する操作条件に関する演出(以下、操作演出と呼ぶ場合がある)を行う。通常状態では操作演出を行わないようにすることができる。なお、図6を参照して説明した遊技状態と、演出制御状態との関係言うと、例えば、RT1が設定されている場合にのみ、AT状態に移行可能とすることができる。
【0127】
操作演出には、遊技者に操作条件を報知する報知演出が含まれる。上記のとおり、小役3については操作条件が設定される。遊技者は、設定されている操作条件が報知されない限り、これを認識することができない。報知演出により操作条件が報知されることで、遊技者が有利になる。したがって、AT状態は遊技者によって有利な遊技状態ということができ、AT状態が設定されている演出制御状態のことをAT遊技と呼ぶ場合がある。
【0128】
AT状態は、通常状態において移行抽選に当選することによって設定される。移行抽選は、本実施形態の場合、小役1又は小役2に内部当選したことを条件として行う。
【0129】
AT状態は、本実施形態の場合、AT状態1と、AT状態2とに区別される。始めにAT状態1が設定され、AT状態1における残遊技回数(AT1ゲーム数と呼ぶ)が0になると、AT状態が終了して通常状態が設定される。AT1ゲーム数の初期値は、固定値でもよいし、抽選で決定される変動値としてもよい。本実施形態では、固定値とし、かつ、50回とする。
【0130】
AT状態1において移行抽選に当選すると、所定回数(本前兆ゲーム数と呼ぶ)の前兆演出遊技の消化の後、AT状態2が設定される。移行抽選は、本実施形態の場合、小役1又は小役2に内部当選したことを条件として行う。本前兆ゲーム数は固定値でもよいし、抽選で決定される変動値としてもよい。本実施形態では、固定値とし、かつ、5回とする。
【0131】
AT状態2における残遊技回数(AT2ゲーム数と呼ぶ)が0になると、AT状態2が終了する。AT状態2が終了したときにAT1ゲーム数が1以上であれば、再びAT状態1が設定される。AT2ゲーム数の初期値は、固定値でもよいし、抽選で決定される変動値としてもよい。本実施形態では、固定値とし、かつ、50回とする。
【0132】
本実施形態では、AT状態2においては、所定の条件が成立した場合に遊技者に特典を与える抽選を行う。本実施形態の場合、小役1又は小役2に内部当選した場合に遊技者に特典を与える抽選を行う。
【0133】
特典の内容は遊技者が有利となるものであればどのようなものでもよいが、本実施形態では、特典の内容をAT1ゲーム数の上乗せとし、上乗せするか否かの抽選を上乗せゲーム数抽選と呼ぶ。上乗せする回数は、固定値でもよいし、抽選で決定される変動値としてもよい。本実施形態では、固定値とし、かつ、50回とする。したがって、例えば、AT1ゲーム数が10回の状態で上乗せゲーム数抽選に当選すると、AT1ゲーム数が60回となり、AT状態2が終了した後、AT1状態が60回の遊技回数分だけ少なくとも継続されることになる。
【0134】
<操作演出の例>
AT状態2は、特典を得られる場合がある点でAT状態1よりも遊技者にとって有利な状態となっており、AT遊技中、遊技者の関心はAT状態2が設定されるか否かに向き易くなる。よって、AT遊技中の操作演出において、AT状態2に移行するか否かを示唆する演出を行うことで、遊技の興趣を向上することが可能となる。以下、操作演出の例について図17を用いて説明する。同図(a)は操作演出のタイプの例を示す図、同図(b)は操作演出のパターンの例を示す図、同図(c)は操作演出のタイプの選択率の例を示す図である。
【0135】
操作演出のパターンは操作演出の内容を示しており、本実施形態の場合、パターンAとパターンBとの2種類が設定されている。これら2種類のうちの一つのパターンの演出又は組み合わせの演出が一単位の操作演出を構成する。したがって、パターンA、パターンBの個々の演出を操作演出と呼ぶ場合があり、また、パターンA及びパターンBの組み合わせ全体を操作演出と呼ぶ場合がある。
【0136】
図17(b)に示すパターンAとパターンBとはいずれも操作条件を報知した報知演出となっており、本実施形態では演出画像表示装置157に画像を表示させる演出となっている。なお、操作演出を行わせる演出手段は演出が画像表示装置157に限られるわけではない。
【0137】
既に述べたとおり、本実施形態では操作条件をストップボタン137〜139の操作順序としており、図17(b)の例では、中→右→左の順にストップボタン137〜139を操作することを報知している。パターンAとパターンBとは、互いに異なる演出となっており、特に、パターンBでは操作条件を示す数字表示部分が、パターンAから変形して操作条件を強調した表示態様とされている。
【0138】
操作演出のタイプは、演出画像表示装置157に演出パターンA又は演出パターンBを行わせる条件を示しており、本実施形態の場合、タイプ1〜タイプ5までの5種類が設定されている。本実施形態の場合、操作演出を行わせる条件を、遊技の進行に応じて充足される条件としており、2種類の演出開始条件が規定されている。具体的には、一例として、第一演出開始条件を主制御部300から送信される内部当選コマンド(上記のS12))の受付時とし、第二演出開始条件をリール回転開始コマンド(上記のS26))の受付時を演出開始条件としている。
【0139】
タイプ1は内部当選コマンドの受付を条件としてパターンAのみを行わせる。タイプ2は内部当選コマンドの受付を条件としてパターンBのみを行わせる。タイプ3はリール回転開始コマンドの受付を条件としてパターンAのみを行わせる。タイプ4はリール回転開始コマンドの受付を条件としてパターンBのみを行わせる。タイプ5は内部当選コマンドの受付を条件としてパターンAを行わせ、回転開始コマンドの受付を条件としてパターンBを行わせる。
【0140】
タイプ5はタイプ1〜4と異なり、パターンAとパターンBとが連続的に行われる操作演出とされている。なお、パターンBの演出は、実行中のパターンAを終了せずに、パターンAの演出に加えられる演出であってもよいし、パターンAを終了させて行われる演出であってもよい。また、本実施形態は操作演出パターンAに基づく操作演出から操作演出パターンBに基づく操作演出へ連続的に切り替えるようにしており、必ずしもこのようにする必要はない、すなわち、操作演出パターンAに基づく操作演出を一度行わないようにしてから操作演出パターンBに基づく操作演出を行うようにしてもよいし、パターンAの演出終了からパターンBの演出開始までの間に別の演出が介在していてもよい。
【0141】
内部当選コマンド及びリール回転開始コマンドは、いずれも、ストップボタン137〜139に対する操作が有効となるタイミング(図7のS7。停止操作有効化タイミングと呼ぶ場合がある)以前に送信されるコマンドである。つまり、タイプ5の操作演出において、パターンA及びパターンBの操作演出を行わせる演出開始条件は停止操作有効化タイミング以前に充足される条件とされており、遊技者が停止操作を行う前に演出内容を認識可能なようにしている。
【0142】
また、リール回転開始コマンドは、内部当選コマンドよりも後に主制御部300から送信されるコマンドである。つまり、タイプ5の操作演出において、パターンBの操作演出を行わせる演出開始条件は、パターンAの操作演出を行わせる演出開始条件が充足された以降に充足される条件とされており、遊技者が停止操作を行う前に演出の切り替え(パターンA→パターンB)を認識可能なようにしている。
【0143】
内部当選コマンドの受付及びリール回転開始コマンドの受付は、タイプ5においてパターンA、パターンBの操作演出を行わせる演出開始条件の一例であり、停止操作有効化タイミング以前に充足される他の条件であってもよい。ただし、操作演出を行わせる条件を、本実施形態のように遊技の進行に応じて充足される条件とすることで、遊技操作に連動した演出の実行となるので、タイプ5における演出の切り替えを遊技者に認識し易くすることができる。なお、停止操作有効化タイミング”以前”とは、停止操作有効化タイミングと同時であってもよいことを意味する。
【0144】
次に、タイプ1〜5の選択率について図17(c)を参照して説明する。同図は、AT状態が設定されている場合の各状態におけるタイプ1〜5の選択率を示している。本実施形態の場合、AT状態1において、「非前兆中」、「偽前兆中」、「本前兆中」のいずれかの状態が設定される。「本前兆中」とは、AT状態1において移行抽選に当選し、前兆演出遊技の消化中の状態を意味する。「偽前兆中」とは、AT状態1において移行抽選にハズレた場合に設定される状態であり、前兆演出遊技の消化中ではないのにこれを遊技者に期待させる状態である。「非前兆中」とは、「本前兆中」及び「偽前兆中」のいずれでもない通常の状態(デフォルトの状態)である。これらの状態は、各状態を示すフラグをRAM408の所定のエリアに格納することで管理することができる。
【0145】
非前兆中では、リール回転開始コマンドで操作演出パターンが変化するパターン、およびリール回転開始コマンドで操作演出が開始されるパターンが選択されない。
【0146】
タイプ5は「本前兆中」の場合にのみ選択される。したがって、タイプ5の操作演出が行われるとAT状態2が設定されることになり、遊技者の期待感を向上できる。
【0147】
本前兆中では、非前兆中および偽前兆中と比較して操作演出にパターンBが選択される割合が高く、パターンBが行われるとAT状態2が設定される可能性が高くなる。すなわち、パターンBが遊技者にとって有利な操作演出パターンであると言え、同様に、パターンBを含むタイプ2、4及び5が有利な操作演出タイプと言える。
【0148】
なお、本実施形態では、タイプ5のようにパターンAから、より有利な操作演出パターンであるパターンBに切り替える場合はあるが、有利な操作演出パターンBから操作演出パターンAに切り替える操作演出タイプは設定されていない。必ずしもこのようにする必要はないが、操作演出の切り替えをこのように有利な操作演出に切り替わるようにすることで遊技の興趣の減退を防止することができる。
【0149】
<副制御部400の演出制御処理例>
<演出制御処理>
上述したAT状態の制御や操作演出に関する副制御部400の処理例について図13を用いて説明する。同図は図11のS55の演出制御処理の流れを示すフローチャートである。S81では、S54のコマンド処理の対象コマンドが、内部当選コマンドか否かを判定する。該当する場合はS82へ進み、該当しない場合はS83へ進む。S82では内部当選コマンド受付時処理を行う。詳細は後述する。
【0150】
S83ではS54のコマンド処理の対象コマンドがリール回転開始コマンドか否かを判定する。該当する場合はS84へ進み、該当しない場合はS85へ進む。S84ではリール回転開始コマンド受付時処理を行う。詳細は後述する。
【0151】
S85ではS54のコマンド処理の対象コマンドが遊技状態更新コマンドか否かを判定する。該当する場合はS86へ進み、該当しない場合はS87へ進む。S86では遊技状態更新コマンド受付時処理を行う。詳細は後述する。S87ではその他のコマンド受付時処理を行う。以上により一単位の演出制御処理が終了する。
【0152】
<内部当選コマンド受付時処理>
次にS82の内部当選コマンド受付時処理について図14を用いて説明する。同図は内部当選コマンド受付時処理の流れを示すフローチャートである。
【0153】
S91では第1副制御部400の演出制御状態が通常状態か否かを判定する。通常状態である場合はS92へ進み、通常状態でない場合はS93へ進む。
【0154】
S92では通常状態内部当選コマンド受付時処理を行う。ここでは、内部当選コマンドが小役1又は小役2の内部当選を示す場合、AT状態に移行させるか否かの移行抽選を行う。移行抽選に当選した場合、後述する通常状態遊技状態更新コマンド受付時処理(図19のS142)において、演出制御状態がAT状態1に設定されるとともにAT1ゲーム数の初期値が50に設定される。
【0155】
S93では第1副制御部400の演出制御状態がAT状態1か否かを判定する。AT状態1である場合はS94へ進み、AT状態1でない場合(AT状態2である場合)はS95へ進む。S94ではAT状態1内部当選コマンド受付時処理を実行する。詳細は後述する。S95ではAT状態2内部当選コマンド受付時処理を実行する。詳細は後述する。
【0156】
<AT状態1内部当選コマンド受付時処理>
次にS94のAT状態1内部当選コマンド受付時処理について図15を用いて説明する。同図はAT状態1内部当選コマンド受付時処理の流れを示すフローチャートである。
【0157】
S101では内部当選コマンドが小役2の内部当選を示すか否かを判定する。該当する場合、S102へ進み、該当しない場合はS107へ進む。S102では状態別操作演出タイプ抽選処理を行う。ここでは、現在の状態に応じて図17(c)に示した選択率により、操作演出のタイプをタイプ1〜タイプ5の中から抽選で決定する。
【0158】
S103ではS102の抽選において操作演出のタイプ1かタイプ5に当選したか否かを判定する。該当する場合はS104へ進み、該当しない場合はS105へ進む。
【0159】
S104ではストップボタン137〜139の操作条件として正解の操作順序を示す操作演出のパターンAを設定する。正解の操作順序とは内部当選した小役3を入賞させるための操作順序である。その後、S107へ進む。
【0160】
S105ではS102の抽選において操作演出のタイプ2に当選したか否かを判定する。該当する場合はS106へ進み、該当しない場合はS107へ進む。
【0161】
S106ではストップボタン137〜139の操作条件として正解の操作順序を示す操作演出のパターンBを設定する。その後、S107へ進む。
【0162】
S107では本前兆フラグがONか否かを判定する。本前兆フラグは「本前兆中」である場合にONとされるフラグであり、RAM408の所定のエリアに格納される(以下の他の各フラグの格納も同様である)。ONの場合は一単位の処理を終了し、OFFの場合はS108へ進む。S108では内部当選コマンドが小役1又は小役2の内部当選を示すか否かを判定する。該当する場合はS109へ進み、該当しない場合は一単位の処理を終了する。
【0163】
S109ではAT状態2への移行抽選を行う。S110ではS109の移行抽選に当選したか否かを判定する。当選した場合はS110へ進み、当選しなかった場合(ハズレた場合)はS112へ進む。S111では本前兆準備フラグをONに設定する。本前兆準備フラグは「本前兆中」に状態を移行させる準備中であることを示すフラグである。S112では偽前兆準備フラグをONに設定する。偽前兆準備フラグは「偽前兆中」に状態を移行させる準備中であることを示すフラグである。以上により一単位の処理が終了する。
【0164】
<AT状態2内部当選コマンド受付時処理>
次にS95のAT状態2内部当選コマンド受付時処理について図18を用いて説明する。同図はAT状態2内部当選コマンド受付時処理の流れを示すフローチャートである。
【0165】
S131では内部当選コマンドが小役3の内部当選を示すか否かを判定する。該当する場合はS132へ進み、該当しない場合は一単位の処理を終了する。
【0166】
S132ではストップボタン137〜139の操作条件として正解の操作順序を示す操作演出のパターンAを設定する。本実施形態の場合、AT状態2においては全て操作演出タイプ1、すなわち操作演出パターンAの演出が行われるものとしている。
【0167】
S133では内部当選コマンドが小役1又は小役2の内部当選を示すか否かを判定する。該当する場合はS134へ進み、該当しない場合は一単位の処理を終了する。S134ではAT1ゲーム数の上乗せゲーム数の抽選を行う。AT状態2ではこのように上乗せゲーム数の抽選が行われるため、AT状態1よりも有利な状態である。
【0168】
S135ではS134の上乗せゲーム数の抽選に当選したか否かを判定する。当選した場合はS136へ進み、当選しなかった場合は一単位の処理を終了する。S136ではAT1ゲーム数に50を加算する。以上により一単位の処理を終了する。
【0169】
<リール回転開始コマンド受付時処理>
次に、S84のリール回転開始コマンド受付時処理について図16を用いて説明する。同図はリール回転開始コマンド受付時処理の流れを示すフローチャートである。
【0170】
S121では今回の遊技において小役3に内部当選したか否かを判定する。該当する場合はS122へ進み、該当しない場合は一単位の処理を終了する。S123では、S102の抽選の結果、操作演出のタイプ3に当選したか否かを判定する。当選した場合はS124へ進み、当選しない場合はS125へ進む。S124ではストップボタン137〜139の操作条件として正解の操作順序を示す操作演出のパターンAを設定する。
【0171】
S125ではS102の抽選の結果、操作演出のタイプ4又はタイプ5に当選したか否かを判定する。当選した場合はS126へ進み、当選しなかった場合は一単位の処理を終了する。S126ではストップボタン137〜139の操作条件として正解の操作順序を示す操作演出のパターンBを設定する。これにより、操作演出のタイプ5に当選している場合、操作演出のパターンがパターンAからパターンBに切り替わることになる。
【0172】
なお、リール回転開始コマンド受付時処理においては、操作演出のタイプ1及びタイプ2に当選した場合について、パターンを設定する処理を規定していない。これは、操作演出のタイプ1及びタイプ2の場合は、図17(a)に示したように、内部当選コマンドの受付時に操作演出が開始され、リール回転開始コマンド受付時においては同じパターンの操作演出が継続されるだけであるので、パターンを設定する必要がないからである。しかし、プログラム上、リール回転開始コマンド受付時に同じパターンを再設定(上書き)しても構わない。以上により一単位の処理が終了する。
【0173】
<遊技状態更新コマンド受付時処理>
次に、S86の遊技状態更新コマンド受付時処理について図19を用いて説明する。同図は遊技状態更新コマンド受付時処理の流れを示すフローチャートである。
【0174】
S141では第1副制御部400の演出制御状態が通常状態か否かを判定する。通常状態である場合はS142へ進み、通常状態でない場合はS143へ進む。
【0175】
S142では通常状態遊技状態更新コマンド受付時処理を行う。ここではS92においてAT状態への移行抽選に当選した場合、演出制御状態がAT状態1に設定されるとともにAT1ゲーム数の初期値が50に設定される。
【0176】
S143では第1副制御部400の演出制御状態がAT状態1か否かを判定する。AT状態1である場合はS144へ進み、AT状態1でない場合(AT状態2である場合)はS145へ進む。S144ではAT状態1遊技状態更新コマンド受付時処理を実行する。詳細は後述する。S145ではAT状態2遊技状態更新コマンド受付時処理を実行する。詳細は後述する。
【0177】
<AT状態1遊技状態更新コマンド受付時処理>
次に、S144のAT状態1遊技状態更新コマンド受付時処理について図20を用いて説明する。同図はAT状態1遊技状態更新コマンド受付時処理の流れを示すフローチャートである。
【0178】
S151では本前兆準備フラグ又は偽前兆準備フラグがONか否かを判定する。該当する場合はS152へ進み、該当しない場合はS153へ進む。S152では各前兆設定処理を行う。詳細は後述する。S153では本前兆フラグ又は偽前兆フラグがONか否かを判定する。該当する場合はS154へ進み、該当しない場合はS155へ進む。S154では各前兆終了処理を行う。詳細は後述する。
【0179】
S155ではAT状態1終了処理を行う。詳細は後述する。以上により一単位の処理が終了する。
【0180】
<各前兆設定処理>
次に、S152の各前兆設定処理について図21を用いて説明する。同図は各前兆設定処理の流れを示すフローチャートである。
【0181】
S161では本前兆準備フラグがONか否かを判定する。ONの場合はS162へ進む。なお、偽前兆フラグがONの場合はOFFとして本前兆を優先する。本前兆準備フラグがOFFの場合(偽前兆準備フラグがONの場合)はS165へ進む。
【0182】
S162では本前兆ゲーム数に初期値を設定する。S163では本前兆フラグをONにする。S164では本前兆準備フラグをOFFにする。
【0183】
S165では偽前兆ゲーム数に初期値を設定する。なお、偽前兆フラグがONの場合はONのまま維持し、偽前兆ゲーム数を初期値に設定する。S166では偽前兆フラグをONにする。S164では偽前兆準備フラグをOFFにする。以上により一単位の処理が終了する。
【0184】
<各前兆終了処理>
次に、S154の各前兆設定処理について図22を用いて説明する。同図は各前兆終了処理の流れを示すフローチャートである。
【0185】
S171では本前兆フラグがONか否かを判定する。ONの場合はS172へ進み、OFFの場合(偽前兆フラグがONの場合)はS176へ進む。
【0186】
S172では本前兆ゲーム数を1つ減算する。S173では本前兆ゲーム数が0か否かを判定する。0の場合はS174へ進み、0でない場合は一単位の処理を終了する。
【0187】
S174では第1副制御部400の演出制御状態としてAT状態2を設定する。S175では本前兆フラグをOFFにして一単位の処理を終了する。
【0188】
S176では偽前兆ゲーム数を1つ減算する。S177では偽前兆ゲーム数が0か否かを判定する。0の場合はS178へ進み、0でない場合は一単位の処理を終了する。S178では偽前兆フラグをOFFにして一単位の処理を終了する。
【0189】
<AT状態1終了処理>
次に、S155のAT状態1終了処理について図23を用いて説明する。同図はAT状態1終了処理の流れを示すフローチャートである。
【0190】
S181ではAT1ゲーム数を1つ減算する。S181ではAT1ゲーム数が0か否かを判定する。0の場合はS183へ進み、0でない場合は一単位の処理を終了する。
【0191】
S183では本前兆フラグ又は偽前兆フラグがONか否かを判定する。ONの場合は、一単位の処理を終了する。これは、AT1ゲーム数が0であっても、本前兆ゲーム又は偽前兆ゲームの消化途中である場合には、これらを消化してからAT状態1を終了するようにしたものである。なお、本前兆ゲームの途中である場合には、その消化後にAT状態2が設定されてAT状態が継続することになる。また、偽前兆ゲームの消化途中にAT状態2への移行抽選に当選すると、本前兆ゲームを消化した上でAT状態2が設定されてAT状態が継続することになる。
【0192】
本前兆フラグ又は偽前兆フラグがいずれもOFFの場合はS184へ進み。S184では第1副制御部400の演出制御状態がAT状態2であるか否かを判定する。AT状態2である場合は一単位の処理を終了する。これは、AT1ゲーム数が0であっても、AT状態2の設定中はAT状態を終了しないようにしたものである。AT状態2の設定中に上乗せゲーム数抽選に当選すると、AT1ゲーム数が加算されるので、AT状態2の終了後に再びAT状態1が設定されることになる。
【0193】
第1副制御部400の演出制御状態がAT状態2でない場合はS185へ進み、第1副制御部400の演出制御状態を通常状態に設定して一単位の処理を終了する。
【0194】
<AT状態2遊技状態更新コマンド受付時処理>
次に、S145のAT状態2遊技状態更新コマンド受付時処理について図24を用いて説明する。同図はAT状態2遊技状態更新コマンド受付時処理の流れを示すフローチャートである。
【0195】
S191ではAT2ゲーム数を1つ減算する。S192ではAT2ゲーム数が0か否かを判定する。0の場合はS193へ進み、0でない場合は一単位の処理を終了する。S193では第1副制御部400の演出制御状態をAT状態1に設定して一単位の処理を終了する。
【0196】
<第2副制御部の処理>
次に図25を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。図25は第2副制御部500の処理のフローチャートである。同図(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。同図(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャートである。
【0197】
まず、同図(a)のS201では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずS1501で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
【0198】
S202では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、S203の処理に移行する。
【0199】
S203では第1副制御部400からの受信コマンドを未処理コマンドとして保存する。S204では、タイマ変数に0を代入する。S205では、コマンド処理を行う。第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。S206では、演出制御処理を行う。例えば、S205で新たなコマンドがあったと判定した場合には、このコマンドに対応する演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
【0200】
S207では、S206で読み出した演出データの中にシャッタ制御の命令がある場合には、この命令に対応するシャッタ制御を行う。S208では、S206で読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行い(詳細は後述する)、S202へ戻る。たとえば、第1副制御部400から操作演出に関する画像制御命令(画像表示コマンド)があった場合には、この制御命令に基づいて画像による操作演出を演出画像表示装置157に行わせる。以上により一単位のメイン処理が終了する。
【0201】
次に、同図(c)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のS81では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する(S211)。以上により一単位のコマンド受信割込処理が終了する。
【0202】
次に、同図(b)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。S221では同図(a)のS202で参照されるタイマ変数をインクリメントする。S222では各種の更新処理を行う。以上により、一単位のタイマ割込み処理が終了する。
【0203】
次に、同図(d)を用いて、第2副制御部500のメイン処理におけるS208の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示した図である。
【0204】
S231では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM536の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置157に表示される。次に、CPU504は、VDP534のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM536の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM536への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP534は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM536に転送する。その後、VDP536は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
【0205】
S232では、VDP534からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はS233に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
【0206】
S233では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、S101でVRAM536に転送した画像データに基づいてVRAM536の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM536の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP534に指示する。VDP534はアトリビュートレジスタに記憶された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
【0207】
S234では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP534に画像の描画開始を指示する。VDP534は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。S235では、画像の描画終了に基づくVDP534からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はS236に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。S236では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して一単位の画像制御処理を終了する。
【0208】
<操作演出の進行例>
操作演出の進行例について図26を参照して説明する。同図はタイプ5の操作演出に当選した場合の演出の進行例を説明する図である。
【0209】
スタートレバー135が操作されると図7のS3〜S5の処理がなされ、主制御部300から第1副制御部400に内部当選コマンドが送信される。内部当選コマンドを受け付けた第1副制御部400は、図15のS104で操作演出パターンAを設定する。これにより、演出画像表示装置157に操作演出パターンAの画像表示される。
【0210】
続いて主制御部300によって図7のS6の処理がなされ、第1副制御部400にリール回転開始コマンドが送信される。リール回転開始コマンドを受け付けた第1副制御部400は、図16のS126で操作演出パターンBを設定する。これにより、演出画像表示装置157に操作演出パターンBの画像表示される。
【0211】
遊技者から見ると、スタートレバー135を操作すると操作演出パターンAが開始され、リール110〜112が回転を開始すると操作演出パターンBが開始されるように見えることになる。
【0212】
操作演出パターンAでは、今回の遊技における内部当選役を入賞させるための操作順序が示される(図26の例では中→右→左)。操作演出パターンBにおいもては、今回の遊技における内部当選役を入賞させるための操作順序が示されるが(図26の例では中→右→左)、その表示態様がパターンAとは異なっている。演出態様が変化するので遊技の興趣を向上させることができる。
【0213】
ここで、本実施形態の場合、第一演出開始条件(ここでは内部当選コマンドの受付)が充足されてから第二演出開始条件(ここではリール回転開始コマンドの受付)が充足されるまでの期間の長さが変動可能に構成されている。この期間を変動期間と呼ぶ場合がある。変動期間の長さが変動する例を図27を参照して説明する。
【0214】
本実施形態の場合、図9のS21で説明したように遊技間隔カウンタによっては、連続する遊技間の時間が一定時間以上に維持される。このため遊技者による遊技の消化速度(遊技速度と呼ぶ場合がある)に応じて変動期間の長さが変動することになる。
【0215】
27(a)は、遊技速度が高速である場合を例示しており、図9のS21で遊技間隔カウンタが0になるまで処理待ちになるような場合を例示している。この場合、変動期間は相対的に長くなる。タイプ5の操作演出に当選している場合、遊技者から見ると、操作演出パターンA及び操作演出パターンBの双方をより確実に認識できる。
【0216】
27(b)は、遊技速度が中速である場合を例示しており、図9のS21で遊技間隔カウンタが0になるまで少し処理待ちになるような場合を例示している。この場合、変動期間は遊技速度が高速である場合よりも短くなる。タイプ5の操作演出に当選している場合、遊技者から見ると、操作演出パターンA及び操作演出パターンBの双方を一応認識できる。
【0217】
27(c)は、遊技速度が低速である場合を例示しており、図9のS21で処理待ちにならない場合を例示している。この場合、変動期間は極めて短くなる。プログラムの処理上は、第一演出開始条件と充足と第二演出開始条件とに時間差があるものの、極僅かである。タイプ5の操作演出に当選している場合、遊技者から見ると、操作演出パターンBは認識できるが操作演出パターンAを認識することは困難となる。
【0218】
このように本実施形態では変動期間の長さが変動する。図27(a)の場合と図27(b)の場合とを比較すると操作演出パターンAに基づく操作演出が操作演出パターンBに基づく操作演出に切り替えられるまでの時間が変動するため、遊技の進行速度に応じて操作演出パターンの切り替わりタイミングを変化させる斬新な操作演出を行うことができる。さらに、図27(c)の場合では、スタートレバー操作と略同時にリール回転開始がなされるため、操作演出タイプ5が選択された場合であっても、操作演出パターンAに基づく操作演出は操作演出パターンBに基づく操作演出へ即座に切り替わり、遊技者には操作演出パターンBに基づく操作演出のみを認識させることができ、より斬新な操作演出を行うことができる。
【0219】
特に、本実施形態では、スタートレバー135の操作から操作演出パターンAが行われる操作演出タイプ1に基づく演出も行われるため、遊技速度が比較的速い遊技者に対しては、操作演出パターンBへの切り替わりに対する期待感を持つ期間が変動し、遊技を飽きさせなくすることができる場合がある。
【0220】
同様に、本実施形態では、操作演出タイプ1に基づく操作演出も行われるため、遊技速度が遅い遊技者に対しては、スタートレバー操作時に操作演出パターンAが出てから操作演出パターンBに切り替わるか否かを楽しみたいという意欲をかき立て、遊技速度を速めさせることができる場合がある。
【0221】
また、遊技速度が低速の場合、タイプ2やタイプ4に当選した場合と、タイプ5に当選した場合とで、遊技者から見える演出は操作演出パターンBのみとなり、タイプの区別が困難となる。タイプ5は本前兆中にのみ当選するタイプであり、AT状態2への移行が約束される操作演出タイプである。したがって、タイプ5に当選したか否かを知る意欲を遊技者にかき立て、遊技速度を速めさせることができる場合がある。
【0222】
<第二実施形態>
パターンBの操作演出は、連続的に或いは段階的に演出態様が変化するものであってもよい。図28(a)はその一例を示す。
【0223】
第一実施形態では操作演出パターンBは、同図の右端にある一の静止画像で構成される場合を想定したが、本実施形態では同図の左端から右端の画像に連続的に画像が変化するアニメーションとなっている。タイプ5のように操作演出パターンAから操作演出パターンBに切り替わる場合、このように操作演出パターンBによって最終的に示される操作演出に至るまで操作演出パターンAから段階的に変化させるようにすることで操作演出パターンを切り替えつつも遊技者に違和感を与えないようにすることができる場合がある。図28(a)の例では数字表示部分は、パターンAの数字表示部分(ほぼ円形)から徐々に変形して、右端に示す表示態様(ほぼ楕円形)となっている。
【0224】
操作演出をアニメーションとする場合、一通り行われるのに所定の時間を要する演出となる。これが途中で中断されず、完遂されることが遊技者にとって好ましい。
【0225】
ここで、一通りとは、演出開始から演出終了までを基本とするが、画像の変化が終了して静止画像が継続的に表示される場合や、画像の変化はあるが既に表示した画像の繰り返しである場合等は、演出開始から静止画像の継続表示開始まで、或いは、演出開始から既に表示した画像の繰り返し表示の開始までを意味する。
【0226】
そこで、例えば、パターンBの操作演出をアニメーションのように一通り行われるのに所定の時間を要する演出とする場合、この時間は、リール110〜112の回転が開始されてからストップボタン137〜139に対する操作が有効となる所定のタイミングとなるまでの時間よりも短い時間であることが好ましい。図28(b)はその一例を示す。
【0227】
同図の例では、操作演出パターンBを上記のようなアニメーションとした場合、その再生に要する時間がリール回転開始がなされてからストップボタン137〜139が有効化されるまでの時間以下となるようになっており、必ずしもこのようにする必要はないが、このようにすることで、遊技者が操作を行おうとする前に操作演出パターンBによって最終的に示される操作演出を遊技者に認識させ易くすることができる場合がある。
【0228】
なお、上記した通り、必ずしもストップボタン137〜139が有効となる以前に操作演出パターンBによって最終的に示される操作演出を行う必要はないが、ストップボタン137〜139が有効となる以前に操作演出パターンBに基づく操作演出を開始させている必要はある。
【0229】
<第三実施形態>
第一実施形態では、第一演出開始条件を内部当選コマンドの受付とし、第二演出開始時条件をリール回転開始コマンドの受付とし、遊技間隔カウンタの働きを利用してて変動期間の長さを変動させたが、これに限られない。図29は変動期間を変動させる別例の説明図である。
【0230】
本実施形態では図29(a)に示すように第一演出開始条件をリール回転開始コマンドの受付とし、第二演出開始時条件をストップボタン137〜139に対する停止操作が有効化されたことを示すコマンドの受付とする。
【0231】
変動期間の長さは、各リール110〜112のリールの回転開始をばらつかせることで変動させる。スロットマシンに代表される遊技台では、各リールの図柄位置の相対的な関係をランダムにするため、全てのリールまたは一のリールを除くリールに対して遅延時間を抽選で設定し、設定された遅延時間が経過したことに基づいて対応するリールを回転させるランダム遅延を行う場合がある。このランダム遅延を行うことで、操作演出パターンの切り替わりタイミング(第二演出開始条件)をストップボタン有効化時にした場合であっても、変動期間を変動させる斬新な操作演出を行うことができる。なお、第一演出開始条件は、スタートレバー操作時(内部当選コマンドの受付)としてもよく、この場合であっても同様の効果を得ることができる。
【0232】
このように第一演出開始条件、第二演出開始条件、変動期間の変動原理は様々な条件及び原理を採用可能である。図29(b)を参照して、1回の遊技における各タイミングの関係性を、まとめとして説明する。同図に示すように、第二演出開始条件の充足タイミングは当該遊技における(当該遊技における内部当選結果に基づく停止のための)ストップボタン有効化のタイミング以前となる。本実施形態で説明したように第二演出開始条件の充足タイミングはストップボタン有効化のタイミングであっても構わない。
【0233】
第一演出開始条件の充足タイミングも同様に、当該遊技における(当該遊技における内部当選結果に基づく停止のための)ストップボタン有効化のタイミング以前となる。そして、第一演出開始条件の充足タイミングと第二演出開始条件の充足タイミングとの間隔(変動期間)が変動すればよい。
【0234】
なお、必ずしも、各実施形態のように、各操作演出パターンに基づく操作演出を開始するタイミングを遊技の進行に応じて或いは連動させる必要はないが、このようにすることで、操作演出の切り替えを遊技者に認識させ易くすることができる場合がある。
【0235】
<第四実施形態>
タイプ5の操作演出のように操作演出パターンが切り替わる他の例について図30を参照して説明する。各例において、左側が第一演出開始条件充足時に開始する演出例(第一操作演出と呼ぶ場合がある)、右側が第二演出開始条件充足時に開始する演出例(第二操作演出と呼ぶ場合がある)を示す。
【0236】
図30(a)はストップボタン137〜139に対する操作条件として、操作タイミングを採用した場合の操作演出例を示しており、「7を狙え」という表示により操作タイミングが報知されている。第二操作演出では、第一操作演出と異なり、「7を狙え」の表示面積が大きくなっており、表示態様が異なっている。
【0237】
図30(b)はストップボタン137〜139に対する操作条件として、操作順序を採用した場合の操作演出例を示しており、第一操作演出は不正解の操作順序(中→右→左)を示す操作演出であり、当該遊技における内部当選役を入賞させる操作順序とは異なる操作順序を示す操作演出である。第二操作演出は、正解の操作順序(右→中→左)を示す操作演出であり、当該遊技における内部当選役を入賞させる操作順序を示す操作演出である。なお、第一操作演出を正解の操作順序とし、第二操作演出を不正解の操作順序としてもよい。
【0238】
図30(c)はストップボタン137〜139に対する操作条件として、操作順序及び操作タイミングの双方を採用した場合の操作演出例を示しており、第一操作演出は操作順序(順押し)と操作タイミング(7を狙え)を示す操作演出であり、第二操作演出は操作順序(逆押し)と操作タイミング(7を狙え)を示す操作演出である。第一操作演出と第二操作演出とでは、操作順序の表示の点で異なる演出となっており、一方が不正解の操作順序を表示していることになる。このように第一操作演出と第二操作演出とでは、操作条件の一部の表示内容が異なっていてもよい。
【0239】
図30(d)は、第一操作演出と第二操作演出とで表示態様と表示内容とを異ならせたものであり、図30(a)と図30(c)の各操作演出例を組み合わせたものである。
【0240】
これらをまとめると、切り替え後の第二操作演出は、本実施形態のように切り替え前の第一操作演出と示す操作条件の内容が同じであって態様が異なるものであってもよいし、切り替え前の第一操作演出と示す操作条件の一部または全部の内容が異なり、かつ態様が同一のものであってもよいし、切り替え前の操作条件の一部または全部の内容が異なり、かつ態様が異なるものであってもよく、このような場合であっても斬新な操作演出を行うことができる。
【0241】
なお、上記した当該遊技における内部当選役を入賞させる操作条件の一部または全部の内容が異なる操作演出とは、当該遊技の内部当選結果とは無関係に決定された操作条件を示す操作演出であるとも言える。よって、決定した結果として同一の操作条件を示す操作演出であってもよく、異なる場合が存在すればよく、このような場合であっても斬新な操作演出を行うことができる。
【0242】
<実施形態のまとめ>
1.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール(例えば110-112)と、
回転中の前記複数のリールを個別に停止させるために操作されるストップボタン(例えば137-139)と、
演出手段(例えば157)と、
前記演出手段を制御する演出制御手段(例えば400)と、を備え、停止された前記複数のリールの態様に応じた利益を付与する(例えばS9)遊技台であって、
前記演出制御手段は、
前記ストップボタンに対する操作条件に関する演出として、第一の操作演出(例えばパターンA)および該第一の操作演出とは異なる第二の操作演出(例えばパターンB)を前記演出手段に行わせることが可能であり、
第一の条件(例えば第一演出開始条件)が充足されたことに基づいて前記第一の操作演出を行わせ、第二の条件(例えば第一演出開始条件)が充足されたことに基づいて前記第二の操作演出を行わせるものであり、
前記第一の条件は、
前記利益を付与するにあたって前記複数のリールを停止させるための前記ストップボタンに対する操作が有効となる所定のタイミングの以前に充足される条件(例えば内部当選コマンド受付、回転開始コマンド受付)であり、
前記第二の条件は、
前記所定のタイミングの以前に充足され、かつ、前記第一の条件が充足された以降に充足される条件であり(例えば回転開始コマンド受付、ストップボタン有効化コマンド受付)、
前記第一の条件が充足されてから前記第二の条件が充足されるまでの期間の長さが変動可能に構成されたことを特徴とする。
【0243】
この構成によれば、ストップボタンの操作条件に関する演出を用いて遊技の興趣を向上させることができる遊技台を提供することができる。
【0244】
2.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記第一の条件および前記第二の条件は、
遊技の進行に応じて充足される条件(例えば内部当選コマンド受付、回転開始コマンド受付、ストップボタン有効化コマンド受付)であることを特徴とする。
【0245】
この構成によれば、遊技者の操作に連動して操作演出が切り替わることから、操作演出の切り替わりを遊技者認識させ易くすることができる。
【0246】
3.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
遊技を開始させるために操作されるスタートレバー(例えば135)と、を備え、
前記複数のリールは、
前記スタートレバーが操作され、かつ前回の遊技における回転が開始されてからあらかじめ定められた時間が経過したことに基づいて、今回の遊技における回転が開始されるものであり(例えば図9)、
前記第一の条件は、
前記スタートレバーが操作されたことで充足される条件であり(例えば内部当選コマンド受付)、
前記第二の条件は、
前記複数のリールの回転が開始されたことで充足される条件である(例えば回転開始コマンド受付)ことを特徴とする。
【0247】
この構成によれば、遊技の進行速度に応じて切り換えタイミングが変化する斬新な操作演出を行うことができる。
【0248】
4.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記第二の操作演出は、
一通り行われるのに所定の時間を要する演出であり(例えば図28)、
前記所定の時間は、
前記複数のリールの回転が開始されてから前記所定のタイミングとなるまでの時間よりも短い時間である(例えば図28)ことを特徴とする。
【0249】
この構成によれば、変化後の操作演出を遊技者に認識させ易くすることができる。
【0250】
5.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記演出制御手段は、
前記第一の条件が充足されてから前記第二の条件が充足されるまで前記第一の操作演出を行わせ、かつ、前記第二の条件が充足されたことに基づいて前記第一の操作演出に続けて前記第二の操作演出を行わせるものである(例えば図26)ことを特徴とする。
【0251】
この構成によれば、操作演出の切り替えを認識させ易くすることができる。
【0252】
6.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記期間の長さは、前記第二の条件が充足されるタイミング(例えば回転開始コマンド受付、ストップボタン有効化コマンド受付)によって変動することを特徴とする。
【0253】
この構成によれば、前記期間を変動を前記第二の条件に依存させることができる。
【0254】
7.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記第一の条件は、遊技者による遊技の開始操作に応じて充足される条件であることを特徴とする。
【0255】
この構成によれば、前記第一の操作演出を遊技者に認識し易くすることができる、或いは、前記第一の操作演出の開始を遊技者の操作に連動させることができる。
【0256】
8.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
連続する遊技間の時間を計時する計時手段(例えば遊技間隔カウンタ)を備え、
前記第二の条件は、前記開始操作と前記計時手段の計時結果とに応じて充足される条件である(例えば図27)ことを特徴とする。
【0257】
この構成によれば、前記期間の長さを遊技者の開始操作タイミングで変動させることができる。
9.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
遊技を開始させるために操作されるスタートレバー(例えば135)と、
複数種類の図柄が施され、遊技が開始されたことに基づいて回転駆動される複数のリール(例えば110-112)と、
回転中の前記複数のリールを個別に停止させるために操作されるストップボタン(例えば137-139)と、
表示手段(例えば157)と、
前記表示手段を制御する表示制御手段(例えば400)と、を備え、
前回の遊技における前記複数のリールの回転が開始されてから予め定められた時間が経過したことに基づいて今回の遊技における前記複数のリールの回転を開始させ(例えば図9)、前記ストップボタンの操作に基づいて前記複数のリールを停止させ、停止された前記複数のリールの態様に応じた利益を付与する(例えばS9)遊技台であって、
前記表示制御手段は、
前記ストップボタンの操作条件を示唆する表示である操作示唆表示(例えば図26)を前記表示手段に行わせることが可能であり、
第一の表示態様(例えばパターンA)および該第一の表示態様とは異なる第二の表示態様(例えばパターンB)で前記操作示唆表示を行わせることが可能であり、
前記操作示唆表示が行われる遊技のうちの少なくとも一部の遊技において、遊技が開始されたタイミングで前記第一の表示態様で前記操作示唆表示を行わせ、かつ、前記複数のリールの回転が開始されたタイミングで前記第一の表示態様から前記第二の表示態様に替えて前記操作示唆表示を行わせるものである(例えばタイプ5)ことを特徴とする。
10.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記表示制御手段は、前記操作示唆表示が行われる遊技において、複数のタイプの中から選択されるタイプの操作示唆表示を行わせることが可能であり(例えば図17(a)(c))、
前記複数のタイプは、第一のタイプ(例えばタイプ5)と、第二のタイプ(例えばタイプ2)とを少なくとも含み、
前記第一のタイプは、遊技が開始されたタイミングで前記第一の表示態様で前記操作示唆表示を行わせ、かつ、前記複数のリールの回転が開始されたタイミングで前記第一の表示態様から前記第二の表示態様に替えて前記操作示唆表示を行わせるものであり(例えばタイプ5)、
前記第二のタイプは、遊技が開始されたタイミングで前記第二の表示態様で前記操作示唆表示を行わせるものであり(例えばタイプ2)、
前記第一のタイプの操作示唆表示が行われる場合と、前記第二のタイプの操作示唆表示が行われる場合とで、遊技者が有利となる期待度が異なること(例えば図17(c))を特徴とする。
11.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
遊技を開始させるために操作されるスタートレバー(例えば135)と、
複数種類の図柄が施され、遊技が開始されたことに基づいて回転駆動される複数のリール(例えば110-112)と、
回転中の前記複数のリールを個別に停止させるために操作されるストップボタン(例えば137-139)と、
表示手段(例えば157)と、
前記表示手段を制御する表示制御手段(例えば400)と、を備え、
前回の遊技における前記複数のリールの回転が開始されてから予め定められた時間が経過したことに基づいて今回の遊技における前記複数のリールの回転を開始させ(例えば図9)、前記ストップボタンの操作に基づいて前記複数のリールを停止させ、停止された前記複数のリールの態様に応じた利益を付与する(例えばS9)遊技台であって、
前記表示制御手段は、
前記ストップボタンの操作条件を示唆する表示である操作示唆表示(例えば図26)を前記表示手段に行わせることが可能であり、
第一の表示態様(例えばパターンA)および該第一の表示態様とは異なる第二の表示態様(例えばパターンB)で前記操作示唆表示を行わせることが可能であり、
前記操作示唆表示が行われる遊技のうちの少なくとも一部の遊技において、遊技が開始されたタイミングで前記第一の表示態様で前記操作示唆表示を行わせ、かつ、前記複数のリールの回転が開始されたタイミングで前記第一の表示態様から前記第二の表示態様に替えて前記操作示唆表示を行わせるものであり(例えばタイプ5)、
前記第二の表示態様で行われる前記操作示唆表示は、
一通り行われるのに所定の時間を要する演出であり(例えば図28)、
前記所定の時間は、
前記複数のリールの回転が開始されてから前記ストップボタンに対する操作が有効となるまでに要する時間よりも短い時間である(例えば図28)ことを特徴とする。
12.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
遊技を開始させるために操作されるスタートレバー(例えば135)と、
複数種類の図柄が施され、遊技が開始されたことに基づいて回転駆動される複数のリール(例えば110-112)と、
回転中の前記複数のリールを個別に停止させるために操作されるストップボタン(例えば137-139)と、
表示手段(例えば157)と、
前記表示手段を制御する表示制御手段(例えば400)と、を備え、
前回の遊技における前記複数のリールの回転が開始されてから予め定められた時間が経過したことに基づいて今回の遊技における前記複数のリールの回転を開始させることが可能であり(例えば図9)、回転中の前記複数のリールを前記ストップボタンの操作に基づいて停止させ、停止された前記複数のリールの態様に応じた利益を付与する(例えばS9)遊技台であって、
前記表示制御手段は、
前記ストップボタンの操作条件を示唆する表示である操作示唆表示(例えば図26)を前記表示手段に行わせることが可能であり、
前記操作示唆表示として、第一の操作示唆表示(例えばパターンA)と、示唆する操作条件が該第一の操作示唆表示とは異なる第二の操作示唆表示(例えばパターンB)と、を行わせることが可能であり、
前記操作示唆表示が行われる遊技のうちの少なくとも一部の遊技において、遊技が開始されるタイミングにおいて前記第一の操作示唆表示を行わせ、前記複数のリールの回転が開始されるタイミングにおいて前記第一の操作示唆表示に替えて前記第二の操作示唆表示を行わせるものであ(例えばタイプ5)ことを特徴とする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30