(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記配列情報決定手段によって決定された配列情報に基づいて、最後の表示順番の前記図柄番号に対応する最終図柄番号を超えているか否かを判定する番号判定手段とを更に備え、
前記表示図柄決定手段は、前記番号判定手段によって前記最終図柄番号を超えていると判定されると、前記図柄番号を、前記配列情報決定手段によって決定された配列情報の図柄の数の剰余に差し替えることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0015】
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技者が遊技可能なスロットマシン(遊技機)の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、スロットマシンの各基板における具体的な処理を説明する。
【0016】
(スロットマシン100の機械的構成)
図1は、スロットマシン100の概略的な機械的構成を説明するための外観図であり、
図2は、スロットマシン100の概略的な機械的構成を説明するための前面扉を開いた状態での外観図である。スロットマシン100は、略矩形状の箱体である筐体102と、筐体102の前面開口部に対して回動可能な連結部材により開閉可能に取り付けられた前面上扉104と、前面上扉104の下方で、前面上扉104同様、筐体102の前面開口部に対して開閉可能に取り付けられた前面下扉106と、前面下扉106の下方でメダル排出口108aから払い出されたメダルを貯留するための受け皿部108とを備えている。
【0017】
前面下扉106の上部には前方に突出した操作部設置台122が形成され、操作部設置台122には、メダル投入部124、ベットボタン126、スタートスイッチ128、ストップスイッチ130等が配設されている。
【0018】
操作部設置台122の右側に位置するメダル投入部124は、メダル投入口(投入口)124aからの遊技媒体としてのメダルの投入を受け付ける。メダル投入部124は、投入メダル検出部124bを備え、投入メダル検出部124bは、メダル投入口124aを通過した後、前面下扉106の背面に設けられたメダルセレクタ(図示せず)によって規格内と判定されたメダルを検出する。このとき、メダル投入口124aを通過した規格外のメダルはメダルセレクタによってメダル排出口108aから受け皿部108に排出される。遊技者により、1遊技を開始するために必要なメダルの投入枚数である規定数を超えてメダルが投入されると、その規定数を超えた分のメダルが、所定枚数(例えば50枚)を上限としてスロットマシン100の内部に電子的に貯留(以下、単に「クレジット」という。)される。ここで、1遊技は、メダルの投入を契機として1度の払い出しを受け得る一連の遊技をいう。また、本実施形態においては、規定数は「3」に設定されている。
【0019】
ベットボタン126は、クレジットされているメダルのうち規定数のメダルを投入(ベット)する、押圧式のボタンスイッチである。操作部設置台122の左側に位置するスタートスイッチ128は、傾倒操作を検出可能なスタートレバーまたは押圧操作を検出可能なボタンスイッチで形成され、遊技者による1遊技の開始操作を検出する。
【0020】
前面上扉104の下部略中央位置に位置するリールユニット134には、
図3に示すように、21に等分された各領域に複数種類の図柄がそれぞれ配列された回転リール134a、134b、134cが、それぞれ独立して回動可能に設けられ、遊技者は、ガラス板や透明樹脂板等で構成された無色透明の図柄表示窓136を通じて、回転リール134a、134b、134cを視認することができる。リールユニット134は、スタートスイッチ128の操作を契機として、回転リール134a、134b、134cの回転を開始する。
【0021】
操作部設置台122の中央に位置するストップスイッチ130は、複数の回転リール134a、134b、134cそれぞれに対応して設けられた、遊技者の押圧操作を検出可能なボタンスイッチ(ストップスイッチ130に係るボタンスイッチを特にストップボタンスイッチ130a、130b、130cという。)であり、回転リール134a、134b、134cを停止させようとする遊技者の停止操作を検出する。
【0022】
前面上扉104の上部略中央位置には、演出に伴う様々な画像を表示する液晶表示部138が設けられている。また、前面上扉104の裏面における液晶表示部138の左右位置や前面下扉106の裏面における受け皿部108の内面左右位置には、効果音や楽音等による聴覚的な演出(音源から出力されるあらゆる音を示し、人が発する音声の疑似音や楽曲等のBGMも含む概念)を行うためのスピーカ装置140が設けられている。さらに、前面上扉104の上部や左右には、例えば高輝度の発光ダイオード(LED)によって構成される演出用ランプ142が設けられる。
【0023】
また、
図2に示すように、筐体102内におけるリールユニット134の下方には、メダル排出口108aからメダルを払い出すためのメダル払出装置(メダルホッパー)264が設けられている。メダル払出装置264は、メダルを貯留するメダル貯留部264aと、メダル貯留部264aに貯留されたメダルをメダル排出口108aから排出するための払出制御部264bと、メダル排出口108aから排出されるメダルを検出するメダル検出部264cとを備えている。具体的に払出制御部264bは、当該払出制御部264bに回転可能に支持され、メダル貯留部264aから落下したメダルが上方より1枚ずつ嵌入するメダル嵌入孔を円周方向に複数配してなるディスク(図示せず)と、かかるディスクを回転するディスクモータ(図示せず)とを備え、このディスクを回転させて、メダル嵌入孔に嵌入したメダルを、押出機構を通じて1枚ずつ外部に排出するとともに、排出により空いたメダル嵌入孔に次のメダルを順次嵌入させることで、メダルを1枚ずつ連続排出する。
【0024】
また、
図1や
図2では図示していないが、リールユニット134の背面側には、回転リール134a、134b、134cに施された図柄のうち、図柄表示窓136に対応する(有効ラインの対象となり得る)各回転リールの上段、中段、下段の図柄を背面から個々に独立して照射するリールバックライト144(
図4参照)が設けられている。また、図柄表示窓136の裏面上部にも回転リール134a、134b、134c全ての正面を直接照射するリール上方ライト146が設けられている。
【0025】
また、
図1に示すように、操作部設置台122において、回転リール134a、134b、134cとストップスイッチ130との間に設けられた略水平面を成す段部122aには、メインクレジット表示部152およびメイン払出表示部154が設けられている。また、図柄表示窓136と操作部設置台122との間には、サブクレジット表示部156およびサブ払出表示部158が設けられている。これらメインクレジット表示部152およびサブクレジット表示部156にはクレジット枚数が表示され、メイン払出表示部154およびサブ払出表示部158にはメダルの払出枚数が表示される。
【0026】
(スロットマシン100の電気的構成)
図4は、スロットマシン100の概略的な電気的構成を示したブロック図である。
図4に示すように、スロットマシン100は、主として、主制御基板200と、副制御基板202とによって制御されている。ここでは、遊技の進行に関わるプログラムやデータのうち、特に重要な処理を主制御基板200で実行し、それ以外の例えば演出に関する処理を副制御基板202で実行している。また、指令信号を、主制御基板200から副制御基板202への一方向に制限することで、主制御基板200に対する不正処理を防止する。
【0027】
(主制御基板200)
主制御基板200は、中央処理装置であるメインCPU200a、プログラム等が格納されたメインROM200b、ワークエリアとして機能するメインRAM200c等を含む各種半導体集積回路を有し、スロットマシン100全体を統括的に制御する。
【0028】
主制御基板200では、投入メダル検出部124b、ベットボタン126、スタートスイッチ128およびストップスイッチ130から各種の検出信号を受信しており、受信した検出信号に基づいて、メインCPU200aが種々の処理を実行する。また、主制御基板200には、メインクレジット表示部152およびメイン払出表示部154が接続されており、メインCPU200aが両表示部152、154に対してメダルのクレジット枚数や払出枚数の表示を制御する。
【0029】
また、主制御基板200には、リール駆動制御部258が接続されている。このリール駆動制御部258は、スタートスイッチ128の操作信号に基づき主制御基板200から送信される回転リール134a、134b、134cの回転開始信号に基づいて、ステッピングモータ262を駆動するとともに、ストップスイッチ130の操作信号に基づき主制御基板200から送信される回転リール134a、134b、134cそれぞれの停止信号および回転位置検出回路260の検出信号に基づいてステッピングモータ262の駆動を停止するものである。
【0030】
また、主制御基板200には、メダル払出装置264が接続されている。主制御基板200には払出メダル検出部264cの検出信号が入力されるようになっており、メインCPU200aは、その検出信号に応じてメダルの払出枚数をカウントしながら払出制御部264bからのメダルの排出を制御する。
【0031】
さらに主制御基板200には、様々なエラーを検出する複数のエラー検出センサ148が接続され、メインCPU200aは、エラー検出センサ148からのエラー検出信号を受けて種々のエラー処理を実行する。エラー検出センサ148は、エラーを検出すべき複数の箇所に設けられており、エラー検出信号それぞれのエラーの内容(例えば、前面上扉104や前面下扉106の開放等)が識別できるようになっている。
【0032】
(副制御基板202)
副制御基板202は、主制御基板200と同様に、中央処理装置であるサブCPU202a、プログラム等が格納されたサブROM202b、ワークエリアとして機能するサブRAM202c等を含む各種半導体集積回路を有し、主制御基板200からの指令信号に基づき、特に演出を制御する。また、副制御基板202には、液晶制御基板204が接続されている。
【0033】
液晶制御基板204は、中央処理装置である液晶CPU204a、プログラムや画像データ等が格納された液晶ROM204b、ワークエリアとして機能する液晶RAM204c、画像制御を行う際のワークエリアとして機能するVRAM204d等を含む各種半導体集積回路を有し、副制御基板202と双方向通信することにより液晶表示部138を制御する。
【0034】
なお、主制御基板200および副制御基板202の双方には、乱数発生器256が設けられている。乱数発生器256によって生成される乱数は、主制御基板200においては、遊技者に付与する遊技上の利益を決定するために用いられ(第1内部抽選乱数)、副制御基板202においては、主に演出の態様を決定するために用いられる(第2内部抽選乱数)。
【0035】
ここで、演出とは、遊技の進行に伴い、液晶表示部138、スピーカ装置140、演出用ランプ142、リールバックライト144、リール上方ライト146等を通じて提供される視覚的および聴覚的な表現手段であり、当該遊技にストーリー性を与えたり、当選役の抽選結果をよりダイナミックな画像で示唆したりすることができる。また、たとえ、いずれの当選役も当選していなかったとしても、恰も当選しているかのような演出を通じて遊技者に高配当の期待感を持たせ、遊技者を飽きさせないようにすることが可能となる。
【0036】
以下、副制御基板202の特に演出に関する処理の流れを説明する。サブCPU202aは、メダル投入部124へのメダルの投入、または、ベットボタン126、スタートスイッチ128、ストップスイッチ130の操作等に基づいて主制御基板200で生成された遊技コマンドを受信すると、その遊技コマンドに応じ、演出用抽選テーブルを用いて、液晶コマンド、音声コマンドおよび照明コマンドを一括して決定する。
【0037】
ここで、液晶コマンドは、演出に対応する画像を液晶表示部138に表示させるコマンドであり、音声コマンドは、演出に対応する音声をスピーカ装置140に出力させるコマンドであり、照明コマンドは、演出に対応する照明態様を演出用ランプ142等で実現するコマンドである。
【0038】
サブCPU202aは、液晶コマンド、音声コマンドおよび照明コマンドを決定すると、まず、液晶コマンドをサブRAM202cにある液晶コマンドバッファに格納する。液晶コマンドバッファに格納された液晶コマンドは、格納された順に液晶制御基板204に送信される(FIFO)。液晶制御基板204の液晶CPU204aは、副制御基板202から液晶コマンドを受信すると、その液晶コマンドに基づいて液晶ROM204bから液晶表示データを抽出し、液晶表示データに基づく画像を液晶表示部138に表示する。
【0039】
ただし、液晶コマンドに関しては、液晶制御基板204が液晶コマンドを受信してから、その液晶コマンドに基づく画像が表示されるまで(表示完了まで)、所定のフレーム(例えば、30msec)分の処理時間が必要となる。ここで、フレームとは、液晶表示部138において画像が更新される周期をいう。
【0040】
また、サブCPU202aは、決定された音声コマンドを音源ICに設定する。音源ICは、設定された音声コマンドに基づいて音声ROMから音声データを参照し、音声信号をスピーカ装置140に出力する。さらに、サブCPU202aは、決定された照明コマンドを照明パターン制御ICに設定する。照明パターン制御ICは、設定された照明コマンドに基づいて照明ROMから照明パターンデータを参照して、照明信号を生成し、演出用ランプ142、リールバックライト144、リール上方ライト146等をそれぞれ独立して制御する。
【0041】
(液晶表示部138に表示される液晶図柄の配列)
図5は、液晶表示部138に表示される液晶図柄画像の配列を概念的に示す図である。
【0042】
本実施形態では、液晶表示部138には、特定の条件が成立することにより、左・右・中列の3列の液晶図柄画像が表示される。この液晶図柄画像を表示するにあたり、
図5に示すように、液晶ROM204bには、液晶図柄画像の表示順番を定めた0〜7または0〜8の液晶図柄番号と液晶図柄画像(液晶図柄のテクスチャ名)とを対応付けた液晶図柄リールの情報が記憶されている。そして、液晶表示部138では、液晶図柄番号0の液晶図柄画像から順番に、液晶図柄番号1の液晶図柄画像、液晶図柄番号2の液晶図柄画像、・・・、と順番に上から下へスクロール表示されていく。
【0043】
ここで、液晶図柄画像を表示させるための「特定の条件の成立」とは、BB遊技状態への移行、リプレイの当選確率が向上しているRT状態への移行、当選役の種類を報知するAT状態への移行、RT状態とAT状態とを組み合わせたART状態への移行、特定の当選役の当選または入賞、所定の演出抽選の当選等をいう。なお、本実施形態では、特定の条件が成立することにより、液晶図柄画像が表示されるように構成したが、特定の条件を設定せずに、毎回表示されるように構成してもよい。
【0044】
本実施形態では、
図5(a)に示すように、0〜7の液晶図柄番号と8個の液晶図柄画像とが対応付けられた第1液晶図柄リールと、
図5(b)に示すように、0〜8の液晶図柄番号と9個の液晶図柄画像とが対応付けられた第2液晶図柄リールとを記憶している。そして、左右列の液晶図柄画像を表示するにあたり、第1液晶図柄リールが参照され、中列の液晶図柄画像を表示するにあたり、第1液晶図柄リールまたは第2液晶図柄リールの2つの液晶図柄リールのうちいずれかの液晶図柄リールが参照される。
【0045】
ここで、第1液晶図柄リールと第2液晶図柄リールとを比較すると、第1液晶図柄リールと第2液晶図柄リールとに配列された液晶図柄画像の個数が異なり、ここでは、第2液晶図柄リールの方が配列された液晶図柄画像の個数が多く、第2液晶図柄リールには、第1液晶図柄リールに配列されていない特殊の液晶図柄画像(液晶図柄番号8のテクスチャ名=tokusyu)が配列されている。
【0046】
なお、本実施形態では、中列の液晶図柄画像を表示するにあたってのみ、第1液晶図柄リールまたは第2液晶図柄リールの2つの液晶図柄リールのうちいずれかの液晶図柄リールが参照されるように構成したが、左右列の液晶図柄画像を表示するにあたっても、2つの液晶図柄リールのうちいずれかの液晶図柄リールが参照されるように構成してもよい。また、液晶図柄リールの種類は、2種類であることに限られず、少なくとも2種類以上あればよい。
【0047】
また、液晶図柄リールに配列される液晶図柄画像の個数は、8個や9個に限られず、適宜設計変更自在である。さらには、第2液晶図柄リールには、最後の液晶図柄番号に特殊の液晶図柄画像が対応付けられているが、特殊の液晶図柄を対応付ける液晶図柄番号は、適宜設計変更自在である。
【0048】
(表示制御テーブルデータの構造)
そして、液晶表示部138に表示される液晶図柄画像は、
図6および
図7に示すような表示制御テーブルデータにしたがって、表示制御が行われる。このような表示制御テーブルデータは、液晶ROM204bに記憶されている。
【0049】
表示制御テーブルデータは、
図6(a)に示す上位テーブルデータ、
図6(b)に示す中位テーブルデータ、および
図7(a)に示す下位テーブルデータから構成される。また、
図6(a)に示す上位テーブルデータから
図6(b)に示す中位テーブルデータを指定し、指定された
図6(b)に示す中位テーブルデータから
図7(a)に示す下位テーブルデータを指定するように、細分化されて構成されている。
【0050】
図6(a)に示すように、上位テーブルデータ構造は、副制御基板202から送信される液晶コマンドと、液晶表示部138に表示される画像の種類とを対応付けた複数(1〜n個)の中位テーブル群とで構成している。
【0051】
そして、副制御基板202からの液晶コマンドを受信すると、
図6(a)に示す上位テーブルデータにより、受信した液晶コマンドに基づいて、中位テーブル群のそれぞれに対して、中位テーブルデータを指定する。
【0052】
例えば、
図6(a)に示す、左列図柄の停止に係る左図柄停止液晶コマンドを受信すると、中位テーブル群1から背景画像(背景レイヤ)に対応する中位テーブルデータ10を指定し、中位テーブル群2から左列図柄(左列図柄停止開始)に対応する中位テーブルデータ21を指定し、中位テーブル群3から右列図柄(右列図柄変動)に対応する中位テーブルデータ30を指定し、中位テーブル群4から中列図柄(中列図柄変動)に対応する中位テーブルデータ40を指定し、・・・、中位テーブル群nからキャラクタ画像(キャラレイヤ)に対応する中位テーブルデータn2を指定する。
【0053】
図6(b)に示すように、中位テーブルデータ構造は、下位テーブルデータのアドレス値を対応付けて構成している。この中位テーブルデータにより、下位テーブルデータのアドレス値を指定することができる。なお、それぞれの中位テーブルデータに対応付けられた下位テーブルデータのアドレス値の個数は、必ずしも同じ個数になるわけではなく、液晶表示部138に表示される画像等に応じて、単数または複数(1〜s個)に予め設定されている。
【0054】
例えば、
図6(c−1)に示すように、左列図柄に対応する中位テーブルデータ21であると、左列の第5図柄に対応する下位テーブルデータ20のアドレス値1、左列の第4図柄に対応する下位テーブルデータ21のアドレス値2、左列の第3図柄に対応する下位テーブルデータ22のアドレス値3、左列の第2図柄に対応する下位テーブルデータ23のアドレス値4、左列の第1図柄に対応する下位テーブルデータ24のアドレス値5として、合計5個のアドレス値を指定する。同様に、右列図柄に対応する中位テーブルデータ31であると、右列の第5〜第1図柄に対応する下位テーブルデータ30〜34の5個のアドレス値、中列図柄に対応する中位テーブルデータ41であると、中列の第5〜第1図柄に対応する下位テーブルデータ40〜44の5個のアドレス値が指定される(
図6(c−2)、(c−3)参照)。
【0055】
ここで、液晶図柄画像に対する下位テーブルデータに対しては、
図7(b)に示すように、左列の第1〜第5図柄、右列の第1〜第5図柄、中列の第1〜第5図柄の合計15個の液晶図柄画像が対応付けられている。なお、液晶CPU204aは、それぞれの液晶図柄画像をVRAM204dの仮想表示領域204eに描画し、仮想表示領域204e内の画像表示領域204fに描画された画像を液晶表示部138に表示することになる。
【0056】
図7(a)に示すように、下位テーブルデータ構造は、一例として、描画するテクスチャ名(画像)、描画する画像の横幅および縦幅の大きさ、描画する画像のX座標およびY座標、停止する液晶図柄画像との差分値、停止変動への移行に係る停止開始を判断するための停止フラグ、関数を呼び出すための呼出し関数名、描画の待機時間を示すウェイトタイマ値、描画する画像の移動値(前回のX座標との差分値を示すX移動値、前回のY座標との差分値を示すY移動値)等で構成されている。
【0057】
なお、必ずしも全ての下位テーブルデータが、
図7(a)に示すように構成されているわけではなく、適宜必要に応じた項目のデータで構成されている。
【0058】
例えば、液晶CPU204aは、この下位テーブルデータにしたがって、テクスチャ名に対応する画像を液晶ROM204bから読み込み、読み込んだ画像を、設定されたX、Y座標に、設定された横幅、縦幅の大きさで、仮想表示領域204eに描画する。また、ウェイトタイマ値であれば、前回のまま、ウェイトタイマまで待機し、移動値があれば、移動値分、画像を移動させて描画する。また、呼出し関数名がある場合には、その関数が呼び出される。
【0059】
(主制御基板200のメイン処理)
図8は、主制御基板200のメイン処理を示したフローチャートである。ここでは、まず、主制御基板200のメイン処理に沿って、1遊技の概略を説明する。
【0060】
(ステップS100)
まず、メインCPU200aは、遊技開始に備え、必要に応じて、メインRAM200cのクリア(RAMクリア)、投入枚数に対する払出枚数の比率の期待値を示す設定値(例えば、1〜6の6段階)の設定処理等、初期化処理を実行する。この初期化処理は電源投入時、設定値変更時、RAMクリア時等にのみ行われるものであり、リールユニット134をはじめとする各種装置の接続状況や作動状況を確認する。また、メインCPU200aは、電源が投入されている間、バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをメインRAM200cに保持し、不意の電源断が生じた場合、この初期化処理において、保持されたバックアップデータを用い電源断前の状態に復帰させる処理を実行する。
【0061】
(ステップS200)
次に、メインCPU200aは、メダル投入部124から規定数のメダルが投入されるか、あるいは規定数以上のクレジットが貯留されている状況でベットボタン126が操作されることにより、メダルのベットがなされ、スタートスイッチ128の操作待ち状態となる。また、メインCPU200aは、メダルのベット操作に応じて、その操作が為されたことを示す投入コマンドを副制御基板202に送信する。そして、スタートスイッチ128の操作が検知されると、次のステップS300に処理が移される。
【0062】
(ステップS300)
次に、メインCPU200aは、スタートスイッチ128の操作に応じ乱数発生器256で生成された第1内部抽選乱数に基づいて、複数設けられた当選役およびハズレのうちのいずれかを決定する内部抽選を行う。また、メインCPU200aは、スタートスイッチ128の操作に応じて、その操作が為されたことを示すスタートコマンドを副制御基板202に送信する。
【0063】
スロットマシン100においては、遊技の進行に際して複数の遊技状態が設けられており、これら遊技状態および設定値に対応する複数の抽選テーブルがメインROM200bに格納されている。メインCPU200aは、メインRAM200cに記憶された現在の遊技状態と設定値とに応じて、対応する抽選テーブルを選択するとともに、選択した抽選テーブルに基づいて乱数が抽選テーブル内のいずれの当選役に対応するか判定する。
【0064】
ここで、各抽選テーブルで抽出される当選役には、リプレイ役、小役、ボーナス役がある。このような当選役に対応する図柄組み合わせが、有効ライン上に揃った状態を表示(入賞)といい、当選役に当選し、その当選役に対応する図柄組み合わせが表示されるまでの状態を内部当選という。当選役のうちのリプレイ役は、そのリプレイ役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されると、次回の1遊技に際してメダルのベットが不要になる役であり、小役は、その小役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることにより所定枚数のメダルの払い出しを受けることができるものである。また、ボーナス役は、そのボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることにより、遊技状態を、通常遊技状態からBB(ビッグボーナス)遊技状態に移行させることができる当選役である。ここで、通常遊技状態は、当選役の判定にあたり、遊技の進行にともなってメダルが減少するように小役の当選確率が設定された抽選テーブル(通常遊技状態用抽選テーブル)を用いる遊技状態である。これに対して、BB遊技状態は、当選役の判定にあたり、メダルが増加するように小役の当選確率が設定された抽選テーブル(BB遊技状態用抽選テーブル)を用いる遊技状態である。
【0065】
そして、上述したスタートコマンドには、スタートスイッチ128の操作が為されたことのみならず、内部抽選の抽選結果(当選役)、遊技状態に関する情報等も含まれている。
【0066】
(ステップS400)
上記のようにして抽選処理が終了すると、次に、メインCPU200aは、ステッピングモータ262を駆動して回転リール134a、134b、134cを回転させる。このリール回転処理においては、前回の1遊技における回転リール134a、134b、134cの回転開始時点から所定の時間(例えば4.1秒)が経過していれば直ちに、一方、所定の時間経過していなければ所定の時間が経過するのを待って、当該遊技における回転リール134a、134b、134cの回転を開始し、回転リール134a、134b、134cの全てが定速回転となったところで、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を有効化する。
【0067】
(ステップS500)
続いて、メインCPU200aは、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cが有効化されている状態で、遊技者によるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を受け付けると、その操作に対応する回転リール134a、134b、134cを所定の停止制御に従ってそれぞれ停止させる。また、メインCPU200aは、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作に応じて、その操作が為されたことを示す停止コマンドを副制御基板202に送信する。
【0068】
(ステップS600)
次に、メインCPU200aは、有効ライン上に表示された図柄組み合わせを判定するとともに、判定結果に基づいて、各フラグのON/OFF、遊技状態の変更や再遊技に際して要求される種々の処理を実行し、次遊技に備えることとなる。また、メインCPU200aは、小役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されていると判定した場合、当該小役に対応するメダルを払い出す払出処理を実行する。また、メインCPU200aは、メダルの払出処理が為されたことを示す入賞コマンドを副制御基板202に送信する。
【0069】
(副制御基板202の処理)
以下に、副制御基板202の処理について説明するが、ここでは本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
【0070】
図9は、副制御基板202のメイン処理を示したフローチャートである。
【0071】
(ステップS1000)
まず、サブCPU202aは、電源が投入されると、サブRAM202c等を初期化し、割込を許可する初期化処理を実行する。
【0072】
(ステップS1001)
次に、サブCPU202aは、主制御基板200からのコマンドの入力を監視する。
【0073】
(ステップS1002)
次に、サブCPU202aは、主制御基板200から受信したコマンドを解析し、当該受信コマンドに基づいて種々の処理を実行する。以下、当該コマンド受信処理S1002を詳述する。
【0074】
図10は、上記ステップS1002のコマンド受信処理を示したフローチャートである。コマンド受信処理では、例えば、抽選処理S300で決定された当選役に基づく演出が実行される。
【0075】
(ステップS1101)
図10において、まず、サブCPU202aは、コマンドが受信されたか判定する。その結果、コマンドが受信されていなければ、当該コマンド受信処理を終了し、コマンドが受信されていれば、ステップS1102に処理を移す。
【0076】
(ステップS1102)
上記ステップS1101においてコマンドが受信されていると判定されると、サブCPU202aは、受信されたコマンドがスタートコマンドであるか判定する。その結果、スタートコマンドであれば、ステップS1103に処理を移し、スタートコマンドでなければ、ステップS1106に処理を移す。
【0077】
(ステップS1103)
上記ステップS1102においてスタートコマンドであると判定されると、サブCPU202aは、図示しない演出用抽選テーブルを参照し、遊技で行われる演出態様を決定する。
【0078】
(ステップS1104)
上記ステップS1103で決定された演出態様に基づいて、サブCPU202aは、液晶図柄画像の変動表示を開始させるための図柄回転液晶コマンド、図柄回転音声コマンドおよび図柄回転照明コマンドを決定して、決定した図柄回転液晶コマンド等を液晶制御基板204等に送信する。
【0079】
(ステップS1105)
上記ステップS1103で決定された演出態様に基づいて、サブCPU202aは、停止表示する液晶図柄番号(液晶図柄画像)を指定する登録図柄液晶コマンドを決定し、決定した登録図柄液晶コマンドを液晶制御基板204に送信する。特に、本実施形態の登録図柄液晶コマンドでは、左・中・右列の3つの液晶図柄番号(液晶図柄画像)が指定されている。なお、登録図柄液晶コマンドが指定する液晶図柄番号(液晶図柄画像)の数は3つに限定されるものではない。
【0080】
(ステップS1106)
上記ステップS1102においてスタートコマンドが受信されていないと判定されると、サブCPU202aは、受信されたコマンドが停止コマンドであるか判定する。その結果、停止コマンドであれば、ステップS1107に処理を移し、停止コマンドでなければ、ステップS1114に処理を移す。
【0081】
(ステップS1107)
上記ステップS1106において停止コマンドであると判定されると、サブCPU202aは、サブRAM202c内にある停止カウンタに1を加算して更新する。ここで、「停止カウンタ」とは、1遊技に対して、ストップスイッチ130が押圧操作された回数を計数するものであり、サブCPU202aは、この停止カウンタによりストップスイッチ130が押圧操作された回数を把握することができる。
【0082】
(ステップS1108)
上記ステップS1107において停止カウンタに1を加算して更新すると、サブCPU202aは、停止カウンタが1であるか否かを判定する。
【0083】
(ステップS1109)
上記ステップS1108において停止カウンタが1であると判定されると、サブCPU202aは、ストップスイッチ130の1回目の押圧操作があったと判断し、左図柄停止液晶コマンド、左図柄停止音声コマンドおよび左図柄停止照明コマンドを決定して、決定した液晶コマンド等を液晶制御基板204に送信する。
【0084】
(ステップS1110)
上記ステップS1108において停止カウンタが1でないと判定されると、サブCPU202aは、停止カウンタが2であるか否かを判定する。
【0085】
(ステップS1111)
上記ステップS1110において停止カウンタが2であると判定されると、サブCPU202aは、ストップスイッチ130の2回目の押圧操作があったと判断し、右図柄停止液晶コマンド、右図柄停止音声コマンドおよび右図柄停止照明コマンドを決定して、決定した液晶コマンド等を液晶制御基板204に送信する。
【0086】
(ステップS1112)
上記ステップS1110において停止カウンタが2でないと判定されると、サブCPU202aは、ストップスイッチ130の3回目の押圧操作があったと判断し、中図柄停止液晶コマンド、中図柄停止音声コマンドおよび中図柄停止照明コマンドを決定して、決定した液晶コマンド等を液晶制御基板204に送信する。
【0087】
(ステップS1113)
上記ステップS1112において中図柄停止液晶コマンド等を液晶制御基板204に送信すると、サブCPU202aは、停止カウンタをクリアして0にする。
【0088】
(ステップS1114)
上記ステップS1106において停止コマンドが受信されていないと判定されると、サブCPU202aは、スタートコマンドおよび停止コマンド以外の他のコマンドに対応する処理を実行する。例えば、投入コマンドであれば、投入枚数の表示や投入音を出力させたりする液晶コマンド等を決定し、入賞コマンドであれば、当選役の表示やメダルの払出枚数を表示させたりする液晶コマンド等を決定し、決定した各種のコマンドを液晶制御基板204等に送信する。
【0089】
(液晶制御基板204の処理)
以下に、液晶制御基板204の処理について説明するが、ここでは本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
【0090】
図11は、液晶制御基板204のメイン処理を示したフローチャートである。
【0091】
(ステップS2100)
液晶CPU204aは、副制御基板202からの液晶コマンドの入力を監視し、液晶コマンドを新たに受信すると、画像の表示制御を行う準備をする液晶コマンド受信処理を行う。この液晶コマンド受信処理については、詳しくは、
図12において後述する。
【0092】
(ステップS2200)
そして、液晶CPU204aは、表示制御テーブルデータの構造解析処理を行う。この表示制御テーブルデータの構造解析処理では、指定された下位テーブルデータに基づいて画像の表示制御を行う。具体的には、後述するステップS2105またはステップS2109で指定された下位テーブルデータにしたがって、テクスチャ名に対応する画像を液晶ROM204bから読み込み、読み込んだ画像を、設定されたX、Y座標に、設定された横幅、縦幅の大きさで、仮想表示領域204eに描画する。また、ウェイトタイマ値であれば、前回のまま、ウェイトタイマまで待機し、移動値があれば、移動値分、画像を移動させて描画する。また、呼出し関数名がある場合には、その関数が呼び出される。
【0093】
(ステップS2300)
液晶CPU204aは、液晶図柄番号の更新を行うために、図柄差し替え処理を行う。この図柄差し替え処理について、詳しくは、
図13において後述する。
【0094】
(ステップS2400)
液晶CPU204aは、液晶表示部138における画像のフレームを更新(同期)するために、VSYNC割込ウェイト処理を行う。このVSYNC割込ウェイト処理では、液晶制御基板204に備えられた発振器(図示せず)から、VSYNC信号(垂直同期信号)が入力されるまで待機する。そして、VSYNC信号(垂直同期信号)が入力されると、ウェイトタイマ値を更新する。
【0095】
本実施形態では、VSYNC信号の発生周期が30msに設定されているものとすると、30ms毎にウェイトタイマ値が更新されていくことになる。なお、VSYNC信号の発生周期は、30msであることに限られず、1/60s(約16.6ms)で構成してもよいし、1/30s(約33.3ms)で構成してもよい。さらには、VSYNC信号を1回入力するまで待機することに限られず、VSYNC信号を所定回数入力するまで待機するように構成してもよい。
【0096】
(ステップS2500)
液晶CPU204aは、液晶表示部138に画像を表示させるため、キャラクタ表示処理を行う。このキャラクタ表示処理では、VRAM204dの画像表示領域204fに描画された画像の画像データ(例えば、RGB信号等)を生成し、生成した画像データを液晶表示部138に出力する。
【0097】
図12は、上記ステップS2100の液晶コマンド受信処理を示したフローチャートである。
【0098】
(ステップS2101)
図12において、まず、液晶CPU204aは、液晶コマンドが受信されたか判定する。その結果、液晶コマンドが受信されていなければ、当該液晶コマンド受信処理を終了し、液晶コマンドが受信されていれば、ステップS2102に処理を移す。
【0099】
(ステップS2102)
上記ステップS2101において液晶コマンドが受信されていると判定されると、液晶CPU204aは、受信された液晶コマンドが登録図柄液晶コマンドであるか判定する。その結果、登録図柄液晶コマンドであれば、ステップS2103に処理を移し、登録図柄液晶コマンドでなければ、ステップS2104に処理を移す。
【0100】
(ステップS2103)
上記ステップS2102において登録図柄液晶コマンドであると判定されると、液晶CPU204aは、受信した登録図柄液晶コマンドで指定されている左・中・右列のそれぞれの液晶図柄番号を、第1登録図柄として、液晶RAM204c内の第1記憶領域に記憶する。
【0101】
(ステップS2104)
上記ステップS2102において登録図柄液晶コマンドでないと判定されると、液晶CPU204aは、受信された液晶コマンドが図柄回転液晶コマンドであるか判定する。その結果、図柄回転液晶コマンドであれば、ステップS2105に処理を移し、図柄回転液晶コマンドでなければ、ステップS2106に処理を移す。
【0102】
(ステップS2105)
上記ステップS2104において図柄回転液晶コマンドであると判定されると、液晶CPU204aは、表示制御テーブルデータ(下位テーブルデータ)の指定を行う。具体的には、まず、
図6(a)に示すような上位テーブルデータから、受信した液晶コマンドに基づいて、中位テーブル群のそれぞれに対して、
図6(b)に示す中位テーブルデータを指定する。次に、指定した中位テーブルデータから、
図7(a)に示すような下位テーブルデータを指定する。
【0103】
(ステップS2106)
上記ステップS2104において図柄回転液晶コマンドでないと判定されると、液晶CPU204aは、受信された液晶コマンドが左図柄停止液晶コマンド、右図柄停止液晶コマンドおよび中図柄停止液晶コマンドのいずれかの図柄停止液晶コマンドであるか判定する。その結果、図柄停止液晶コマンドであれば、ステップS2107に処理を移し、図柄停止液晶コマンドでなければ、ステップS2110に処理を移す。
【0104】
(ステップS2107)
上記ステップS2106において図柄停止液晶コマンドであると判定されると、液晶CPU204aは、さらに、受信された液晶コマンドが中図柄停止液晶コマンドであるか判定する。その結果、中図柄停止液晶コマンドであれば、ステップS2108に処理を移し、中図柄停止液晶コマンドでなければ、ステップS2109に処理を移す。
【0105】
(ステップS2108)
上記ステップS2107において中図柄停止液晶コマンドであると判定されると、液晶CPU204aは、液晶RAM204c内の第1記憶領域に記憶された左・中・右列のそれぞれの液晶図柄番号を、第2登録図柄を示す液晶図柄番号として、液晶RAM204c内の第2記憶領域にも記憶する。すなわち、中図柄停止液晶コマンドを受信すると、第2登録図柄が、登録図柄液晶コマンドで指定された第1登録図柄に更新されていくことになる。
【0106】
このように、同じ登録図柄を、液晶RAM204cの第1記憶領域と第2記憶領域とで異なる記憶領域に記憶するのは、後述するように、液晶図柄画像の変動表示を開始する際には、第2記憶領域に記憶された液晶図柄番号(第2登録図柄)を参照させ、前回の停止に係る液晶図柄画像を表示し、液晶図柄画像の停止表示を開始する際には、第1記憶領域に記憶された液晶図柄番号(第1登録図柄)を参照させ、今回の変動表示に係る液晶図柄画像を表示するためである。これにより、
図5(a)に示す第1液晶図柄リールと
図5(b)に示す第2液晶図柄リールとが差し替わることにより、液晶図柄画像の変動開始時に停止表示されていた液晶図柄画像が異なる液晶図柄画像にいきなり差し替わるような不整合をなくすことができる。
【0107】
例えば、前回の遊技において、
図5(b)に示す第2液晶図柄リールが決定され、停止表示されていた液晶図柄画像が、液晶図柄番号8に対応する画像であったものとする。そして、今回の遊技において、
図5(a)に示す第1液晶図柄リールが決定されてしまうと、液晶図柄画像の変動開始の際に、液晶図柄番号8がトグルされて液晶図柄番号0に対応する液晶図柄画像に差し替わった後、変動表示を開始することになってしまう。すなわち、液晶図柄番号8に対応する「印籠」を模した液晶図柄画像が停止表示されていたときに、変動表示が開始されると、液晶図柄番号8に対応する「印籠」が液晶図柄番号0に対応する「一」を模した液晶図柄画像に差し替わって、変動表示を開始することになってしまう。しかしながら、本実施形態では、同じ液晶図柄番号を、液晶RAM204cの異なる記憶領域に記憶し、液晶図柄画像の変動表示を開始する際には、第2記憶領域に記憶された液晶図柄番号(第2登録図柄)を参照するので、前回の液晶図柄リールを引き継いで変動表示を開始することができる。このため、液晶図柄画像の変動開始時に、停止表示されていた液晶図柄画像が異なる液晶図柄画像にいきなり差し替わるような不整合をなくすことができる。
【0108】
なお、本実施形態では、上記ステップS2108において、中図柄停止液晶コマンドを受信すると第2登録図柄が第1登録図柄に更新されていくように構成したが、左図柄停止液晶コマンドまたは右図柄停止液晶コマンドを受信したときに、第2登録図柄が第1登録図柄に更新されていくように構成してもよく、遊技者が視認困難な高速の液晶図柄画像の変動表示以降であれば、その更新タイミングは限定されるものではない。
【0109】
(ステップS2109)
次に、液晶CPU204aは、上記ステップS2105と同様に、表示制御テーブルデータ(下位テーブルデータ)の指定を行う。
【0110】
(ステップS2110)
上記ステップS2106において図柄停止液晶コマンドが受信されていないと判定されると、液晶CPU204aは、登録図柄液晶コマンド、図柄回転液晶コマンドおよび図柄停止液晶コマンド以外の他の液晶コマンドに対応する処理を実行する。例えば、各種液晶コマンドに対応する表示制御テーブルデータの指定を行ったり、各種液晶コマンドに対応するデータの生成等を行ったりする。
【0111】
図13は、上記ステップS2300の図柄差し替え処理を示したフローチャートであり、
図7(a)に示す下位テーブルデータから呼出し関数名として、図柄差し替え処理の関数が呼び出されたときの処理である。なお、
図7(a)に示す下位テーブルデータの呼出し関数名には、図柄差し替え処理の関数以外にも様々な関数が存在しているが、本実施形態では、理解を容易にするため、その処理を省略している。
【0112】
(ステップS2301)
まず、液晶CPU204aは、上記ステップS2105またはステップS2109で指定された下位テーブルデータを参照し、図柄差し替え処理の関数が呼び出されたか否かを判定する。その結果、図柄差し替え処理の関数が呼び出されたと判定すると、ステップS2302に処理を移し、図柄差し替え処理の関数は呼び出されていないと判定すると、当該図柄差し替え処理を終了する。
【0113】
(ステップS2302)
液晶CPU204aは、上記ステップS2105またはステップS2109で指定された下位テーブルデータを参照し、下位テーブルで予め設定されている停止フラグがONになっているか否かを判定する。その結果、停止フラグがONになっていると判定すると、ステップS2303に処理を移し、停止フラグがOFFになっていると判定すると、ステップS2306に処理を移す。この停止フラグは、指定された下位テーブルデータでON・OFFが設定されており、停止フラグがONになっていると、高速変動の変動表示から低速変動の変動表示を経て、液晶図柄画像の停止表示が行われる。
【0114】
(ステップS2303)
上記ステップS2302において停止フラグがONになっていると判定すると、液晶CPU204aは、液晶RAM204cの第1記憶領域に記憶され、停止表示を行わせようとしている列の液晶図柄番号(第1登録図柄)を参照して、液晶図柄画像の停止表示で使用される液晶図柄リールの情報を決定する。
【0115】
具体的には、液晶RAM204cの第1記憶領域に記憶され、停止表示を行わせようとしている列の液晶図柄番号(第1登録図柄)が、特殊図柄の液晶図柄番号8であるか否か(第1登録図柄=液晶図柄番号8?)を判定し、第1登録図柄=液晶図柄番号8でなければ、第1液晶図柄リールを使用するとして、第1液晶図柄リールの情報を決定する。また、第1登録図柄=液晶図柄番号8であれば、第2液晶図柄リールを使用するとして、第2液晶図柄リールの情報を決定する。そして、液晶図柄リールの情報として、各液晶図柄リールに対応付けられている液晶図柄画像の最大個数をmodとして決定する。すなわち、本実施形態では、第1登録図柄=液晶図柄番号8でなければmod=8を決定し、第1登録図柄=液晶図柄番号8であればmod=9を決定する。
【0116】
(ステップS2304)
次に、液晶CPU204aは、液晶RAM204cの第1記憶領域に記憶された液晶図柄番号(第1登録図柄)に、上記ステップS2105またはステップS2109で指定された下位テーブルデータに設定された差分値を加算して、新たな液晶図柄番号を算出する。
【0117】
(ステップS2305)
液晶CPU204aは、上記ステップS2303において決定した液晶図柄リールの液晶図柄番号の範囲内になるように、上記ステップS2304において算出した液晶図柄番号を補正して、補正した液晶図柄番号を表示図柄の液晶図柄番号として、液晶RAM204cの表示図柄記憶領域に記憶する。これにより、高速変動の変動表示から低速変動の変動表示を経て、液晶図柄画像の停止表示をさせるときに、第1登録図柄にあわせて、液晶図柄画像を差し替えることができる。
【0118】
ここで、液晶図柄番号を補正するとは、上記ステップS2304において算出した液晶図柄番号を、上記ステップS2303において決定した液晶図柄画像の最大個数(mod)で除算して、除算されたことによる余り値を算出することをいい、算出された余り値を補正した液晶図柄番号として、液晶RAM204cの表示図柄記憶領域に記憶する。
【0119】
例えば、第1登録図柄=7、差分値=+1である場合、上記ステップS2304において新たな液晶図柄番号として、液晶図柄番号=8が算出される。ここで、上記ステップS2303において、第1液晶図柄リールを使用するとしてmod=8が決定されているとすると、余り値0となり、液晶図柄番号=0が決定される。また、第2液晶図柄リールを使用するとしてmod=9が決定されているとすると、余り値8となり、液晶図柄番号=8が決定される。これにより、第1液晶図柄リールが決定されていれば、8個の液晶図柄番号でトグルして、図柄を差し替えることができ、第2液晶図柄リールが決定されていれば、9個の液晶図柄番号でトグルして、図柄を差し替えることができる。
【0120】
(ステップS2306)
そして、液晶CPU204aは、液晶RAM204cの第2記憶領域に記憶され、更新しようとしている列の液晶図柄番号(第2登録図柄)が、特殊図柄の液晶図柄番号8であるか否か(第2登録図柄=液晶図柄番号8?)を判定する。その結果、第2登録図柄が特殊図柄であると判定すると、ステップS2307に処理を移し、第2登録図柄が特殊図柄ではないと判定すると、ステップS2308に処理を移す。
【0121】
(ステップS2307)
上記ステップS2306において第2登録図柄が特殊図柄であると判定すると、液晶CPU204aは、第2液晶図柄リールが決定されているものとして、第1液晶図柄リールの液晶図柄番号のMAX値+1でトグルして、液晶RAM204cの表示図柄記憶領域に記憶された液晶図柄番号を更新する処理を行う。
【0122】
具体的には、上記ステップS2303〜ステップS2305で説明したように、液晶RAM204cの表示図柄記憶領域に記憶された液晶図柄番号に、所定の更新値を加算して、加算した液晶図柄番号を第2液晶図柄リールに対応するmod=9で除算して、除算されたことによる余り値を、液晶RAM204cの表示図柄記憶領域に記憶する。
【0123】
(ステップS2308)
上記ステップS2306において第2登録図柄が特殊図柄でないと判定すると、液晶CPU204aは、第1液晶図柄リールが決定されているものとして、第1液晶図柄リールの液晶図柄番号のMAX値でトグルして、液晶RAM204cの表示図柄記憶領域に記憶された液晶図柄番号を更新する処理を行う。かかる処理は、第1液晶図柄リールに対応するmod=8になること以外は、上記ステップS2307と同様である。
【0124】
ここで、上記ステップS2306で参照される第2登録図柄は、上記ステップS2108で示したように、中図柄停止液晶コマンドの受信時に、今回の遊技における第1登録図柄に更新されていくことになる。このため、中図柄停止液晶コマンドの受信前の第2登録図柄は、前回の遊技における第1登録図柄のままということになり、中図柄停止液晶コマンドの受信後の第2登録図柄は、今回の遊技における第1登録図柄ということになる。
【0125】
したがって、中列の液晶図柄画像の停止表示の開始前までは、前回の液晶図柄リールを引き継いでトグルすることができる。一方、中列の液晶図柄画像の停止表示の開始後(高速変動の変動表示から低速変動の変動表示を経て停止表示させるときの変動表示時)には、既に第2登録図柄が更新されているので、今回の液晶図柄リールに対応してトグルすることができる。
【0126】
(液晶表示部138に表示される液晶図柄画像の一例)
次に、
図14〜
図16を用いて、液晶表示部138に表示される液晶図柄画像の一例について説明する。
【0127】
図14および
図15は、VRAM204dの仮想表示領域204e内における画像表示領域204fに描画される液晶図柄画像の概念、および液晶表示部138に表示される実際の液晶図柄画像を示している。
【0128】
ここで、
図14および
図15の(a−1)、(b−1)、・・・、(g−1)は、仮想表示領域204eに描画される液晶図柄画像の概念を示し、
図14および
図15の(a−2)、(b−2)、・・・、(g−2)は、液晶表示部138に表示される実際の液晶図柄画像を示している。また、
図14(a−1)の仮想表示領域204eに描画された液晶図柄画像は、
図14(a−2)に示すように、液晶表示部138では液晶図柄画像が表示されることになり、
図14(a−1)と(a−2)とはそれぞれ対応している。このことは、
図14および
図15の(b−1)と(b−2)、・・・・、(g−1)と(g−2)についても同様である。
【0129】
図14(a−1)、(a−2)では、前回の遊技からの液晶図柄画像が停止表示されている状態を示している。
【0130】
このとき、
図14(a−1)で示すように、各列の第1図柄、第2図柄に対応する液晶図柄画像は、仮想表示領域204e内の画像表示領域204fの下部に描画され、画像表示領域204fの中央においては各列の第4図柄に対応する液晶図柄画像が描画されている。
【0131】
その結果として、
図14(a−2)で示すように、液晶表示部138の中央においては各列の第4図柄に対応する液晶図柄画像が表示されている。ここで、各列の第4図柄の液晶図柄番号は、左から順に「0、2、4」であることから、液晶表示部138の中央には、「1、3、5」の数字を模した液晶図柄画像が表示されている。
【0132】
そして、今回の遊技として、遊技者によりスタートレバーが操作されると、液晶CPU204aは、副制御基板202から登録図柄液晶コマンドおよび図柄回転液晶コマンドを受信して、表示制御テーブルデータ(下位テーブルデータ)に基づいて液晶図柄画像の変動表示を行う。すなわち、受信した登録図柄液晶コマンドに基づいて、今回の遊技における第1登録図柄が決定され、受信した図柄回転液晶コマンドに基づいて下位テーブルデータが指定され、指定された下位テーブルデータに基づいて、液晶図柄画像の変動表示が行われていく。
【0133】
図14(b−1)に示すように、本実施形態の一例として、図柄回転液晶コマンドに基づいて指定される、各列の図柄に対応する下位テーブルデータとしては、変動開始時に各列の第4図柄、第5図柄に対応する液晶図柄画像が、仮想表示領域204e内の画像表示領域204fの上部に描画されるように設定されている。
【0134】
また、図柄回転液晶コマンドの下位テーブルデータでは、停止フラグがオフとされているため、この時点では、今回の遊技で受信した登録図柄液晶コマンド(第1登録図柄)によって、液晶図柄画像が差し変わることはないように構成されている。
【0135】
すなわち、液晶図柄画像が停止表示されている状態から変動表示を開始する状態に移行するにあたっては、今回の遊技で受信した登録図柄液晶コマンド(第1登録図柄)とは関係なく、前回の遊技で受信した登録図柄液晶コマンド(第2登録図柄)に対応する液晶図柄リールと、現在の表示図柄として設定されている液晶図柄番号とを参照して、同じ液晶図柄画像が表示されるように、液晶図柄番号が決定される(上記
図13のステップS2306〜S2308参照)。例えば、今回の遊技における各列の第2図柄の液晶図柄番号が、前回の遊技における各列の第4図柄の液晶図柄番号と同じ番号に決定される。
【0136】
その結果として、
図14(b−2)で示すように、液晶表示部138においては、液晶図柄画像が停止表示されている状態から変動表示を開始する状態に移行するときであっても、同じ液晶図柄画像が表示されている。特に、前回の遊技で受信した登録図柄液晶コマンド(第2登録図柄)に対応する液晶図柄リールを引き継いで、同じ液晶図柄画像が表示されるように液晶図柄番号を決定するので、液晶図柄画像の変動開始時に、停止表示されていた液晶図柄画像が異なる液晶図柄画像にいきなり差し替わるような不整合をなくすことができる。
【0137】
その後、
図14(c−1)、(d−1)に示すように、所定のウェイトタイマ(所定のフレーム)がある毎に、各列の各図柄に対応する液晶図柄画像が、仮想表示領域204e内の画像表示領域204fの下部に移動するように描画されていく。
【0138】
その結果として、
図14(c−2)、(d−2)に示すように、液晶表示部138においては、液晶図柄画像が上から下へスクロール表示されるように変動表示される。
【0139】
図14(d−1)の後には、液晶図柄画像を差し替えて(液晶図柄番号を更新して)、
図14(b−1)に戻り、遊技者によりストップスイッチ130が操作されるまで、
図14(b−1)〜(d−1)を繰り返して、液晶図柄画像の変動表示を行う(上記
図13のステップS2306〜S2308参照)。
【0140】
そして、遊技者によりストップスイッチ130が操作されると、液晶CPU204aは、副制御基板202から図柄停止液晶コマンドを受信して、表示制御テーブルデータ(下位テーブルデータ)に基づいて液晶図柄画像の停止表示を行う。すなわち、受信した図柄回転液晶コマンドに基づいて、下位テーブルデータを指定して、指定した下位テーブルデータに基づいて液晶図柄画像の停止表示を行う。
【0141】
図16は、中図柄停止液晶コマンドを受信したときに指定される、中列の各図柄の下位テーブルの構造の一例である。
【0142】
図16に示す中列の下位テーブルは、中列の第1〜第5図柄の合計5個の下位テーブルを有している。
図16(a)に示す下位テーブル40が中列の第5図柄の下位テーブルを示し、
図16(b)に示す下位テーブル41が中列の第4図柄の下位テーブルを示し、
図16(c)に示す下位テーブル42が中列の第3図柄の下位テーブルを示し、
図16(d)に示す下位テーブル43が中列の第2図柄の下位テーブルを示し、
図16(e)に示す下位テーブル44が中列の第1図柄の下位テーブルを示している。
【0143】
また、
図16に示す中列の下位テーブルは、一例として、描画するテクスチャ名(液晶図柄画像)、描画する液晶図柄画像の横幅および縦幅の大きさ、描画する液晶図柄画像のX座標およびY座標、第1登録図柄との差分値、停止フラグ、呼出し関数名、描画の待機時間を示すウェイトタイマ値、描画する画像の移動値で構成されている。
【0144】
ここで、
図16に示す中列の各図柄の下位テーブルに関して、X座標は、中列の各図柄とも同じ座標(X座標=256)になっているのに対し、Y座標は、中列の各図柄で異なる座標となっている。また、移動値に関しては、X移動値は、中列の各図柄でX移動値=0となっているのに対し、Y移動値は、負の値(−32)に設定されている。これにより、中列の各図柄に対応する液晶図柄画像は、
図15(e−1)〜(g−1)に示すように、左右(X座標)には移動せずに、上から下方向に向かって、仮想表示領域204e内に描画されていくことになる。
【0145】
また、
図16に示す中列の各図柄の下位テーブルに関して、呼出し関数名「z−sasikae」は、
図13に示す図柄差し替え処理の関数を呼び出すための呼出し関数名であり、停止フラグに関しては、中列の各図柄ともON(停止フラグ=01)になっている。
【0146】
図15(e−1)、(e−2)では、既に左図柄停止液晶コマンドおよび右図柄停止液晶コマンドを受信して左右列の液晶図柄画像が停止表示された後に、新たに中図柄停止液晶コマンドを受信し、中列の液晶図柄画像の停止表示を開始しようとしたときの状態を示している。そして、中図柄停止液晶コマンドに対応した
図16に示す中列の各図柄の下位テーブルに基づいて、中列の液晶図柄画像の停止表示が行われていく。
【0147】
図15(e−1)で示すように、左右列の各図柄は描画が終了し、第1図柄、第2図柄に対応する液晶図柄画像は、画像表示領域204fの下部に描画されている。また、中列の各図柄は、新たに中図柄停止液晶コマンドを受信したことにより、各図柄の表示図柄を、今回の登録図柄液晶コマンドに対応した第1登録図柄に基づいて差し替える(上記
図13のステップS2301〜S2305参照)。
【0148】
具体的には、登録図柄液晶コマンドにより、第1登録図柄の液晶図柄番号として、左・中・右列の順に液晶図柄番号「6、8、6」が指定されたとすると、中列の各図柄を、中列の第1登録図柄の液晶図柄番号「8」を基準として、
図16に示す中列の下位テーブルの「差分値」を加算して、加算した演出図柄番号を補正した上で差し替える。
【0149】
例えば、
図16(a)に示す中列の第5図柄の下位テーブル40によれば、中列の第5図柄は、中列の第1登録図柄の液晶図柄番号「8」に差分値「+1」を加算し、加算した液晶図柄番号「9」を補正した(トグル)した液晶図柄番号「0」に差し替わる。また、
図16(b)に示す中列の第4図柄の下位テーブル41によれば、中列の第4図柄は、中列の第1登録図柄の液晶図柄番号「8」に差分値「0」を加算し、加算した液晶図柄番号「8」に差し替わり、
図16(c)に示す中列の第3図柄の下位テーブル42によれば、中列の第3図柄は、中列の第1登録図柄の液晶図柄番号「8」に差分値「−1」を加算し、加算した液晶図柄番号「7」に差し替わる。以降、
図16(d)に示す中列の第2図柄の下位テーブル43、
図16(e)に示す中列の第1図柄の下位テーブル44についても同様である。
【0150】
以降は、
図15(e−1)、(f−1)、(g−1)に示すように、
図16に示す中列の下位テーブルの「ウェイトタイマ値」および「移動値」を参照して、液晶図柄画像が上から下方向に向かって、VRAM204dの仮想表示領域204eに描画していく(
図11のステップS2200参照)。
【0151】
このとき、
図16に示す中列の下位テーブルの「ウェイトタイマ値」および「移動値」は、
図14(b−1)〜(d−1)に示すような高速の変動表示と比べ、低速の変動表示となるように設定されている。すなわち、
図16に示す中列の下位テーブルの「ウェイトタイマ値」は、
図14(b−1)〜(d−1)に対応する下位テーブルの「ウェイトタイマ値」よりも、長い時間に設定されている。
【0152】
その結果として、
図15(e−2)、(f−2)、(g−2)に示すように、液晶表示部138においては、液晶図柄画像が上から下方向に向かって低速でスクロール表示された後、
図15(g−2)に示すように、停止表示が行われることになる。
【0153】
なお、本実施形態では、
図15(g−1)に示すように、停止表示のときには最終的に、各列の第4図柄に対応する液晶図柄画像は、画像表示領域204fの中央部に描画されることになる。そして、その結果として、
図15(g−2)に示すように、液晶表示部138の中央部に第4図柄に対応する液晶図柄画像が表示されることになる。従って、
図16(b)に示す中列の第4図柄の下位テーブル41では、「差分値=0」となり、第4図柄が、今回の登録図柄液晶コマンドに対応した中列の第1登録図柄を示すことになっている。
【0154】
以上、説明したように、本実施形態のスロットマシン100によれば、通常の第1液晶図柄リールに、「印篭」を模した特殊の液晶図柄画像が入りこんだ第2液晶図柄リールに変動表示および停止表示をさせるような特殊な表示制御を行う場合にも、通常の第1液晶図柄リールに変動表示および停止表示をさせるような通常の表示制御と同じ表示制御テーブルデータを使用し、特殊な表示制御を通常の表示制御と同様に扱えるようにしたので、記憶容量の削減や制御処理の負荷の低減を図ることができる。
【0155】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0156】
また、上述した主制御基板200および副制御基板202が行う各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
【0157】
また、本実施形態においては、遊技機として、スロットマシン100における液晶表示部138の画像について説明したが、パチンコ遊技における液晶表示部の画像に用いてもよい。さらには、本実施形態においては、遊技に関する図柄を表示する図柄表示装置として、液晶表示部(液晶表示装置)を用いて説明したが、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイを用いてもよいし、プロジェクター、いわゆる7セグメントLED、ドットマトリクス等の表示装置等を用いてもよい。
【0158】
なお、上記実施形態において、液晶図柄画像が遊技に関する図柄に相当し、液晶表示部138が本発明の図柄表示手段に相当する。また、停止図柄が第1登録図柄に相当し、
図10に示す登録図柄液晶コマンドを決定するステップS1105の処理を行うサブCPU202aおよび
図12に示す第1登録図柄を記憶するステップS2103の処理を行う液晶CPU204aが停止図柄決定手段に相当する。また、
図5(a)に示す第1液晶図柄リールが第1配列情報に相当し、
図5(b)に示す第2液晶図柄リールが第2配列情報に相当し、第1液晶図柄リールおよび第2液晶図柄リールを記憶する液晶ROM204bが配列情報記憶手段に相当する。また、登録図柄を参照して液晶図柄リールの情報を決定するステップS2303またはステップS2306等の処理を行う液晶CPU204aが、配列情報決定手段に相当する。また、液晶図柄番号を差し替えたり、トグルして更新したりして、液晶RAM204cの表示図柄記憶領域に表示図柄を記憶するステップS2305、S2307、S2308の処理を行う液晶CPU204aが、表示図柄決定手段に相当する。また、表示制御テーブルデータ(下位テーブルデータ)が変化情報に相当し、表示制御テーブルデータを記憶する液晶ROM204bが変化情報記憶手段に相当する。また、表示制御テーブルデータ(下位テーブルデータ)に基づいて画像の表示制御を行うステップS2200、S2400、S2500等の処理を行う液晶CPU204aが、図柄制御手段に相当する。各液晶図柄リールに対応付けられている液晶図柄画像の最大個数(mod)で除算して余り値を算出するステップS2305、ステップS2307、S2308等の処理を行う液晶CPU204aが、番号判定手段に相当する。