(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5935192
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月15日
(54)【発明の名称】発光デバイスの光放出を制御するための方法
(51)【国際特許分類】
G09G 3/32 20160101AFI20160602BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20160602BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20160602BHJP
G09G 3/14 20060101ALI20160602BHJP
【FI】
G09G3/32 A
H01L33/00 J
G09G3/20 623H
G09G3/20 623G
G09G3/20 623R
G09G3/20 623D
G09G3/20 641A
G09G3/20 641E
G09G3/20 621A
G09G3/14 K
【請求項の数】7
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-184843(P2014-184843)
(22)【出願日】2014年9月11日
(65)【公開番号】特開2015-60221(P2015-60221A)
(43)【公開日】2015年3月30日
【審査請求日】2014年10月17日
(31)【優先権主張番号】102133904
(32)【優先日】2013年9月18日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】501271516
【氏名又は名称】聚積科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】許順淵
(72)【発明者】
【氏名】謝順景
【審査官】
中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭63−185271(JP,A)
【文献】
特開2005−010741(JP,A)
【文献】
特開2009−093188(JP,A)
【文献】
特開2004−272184(JP,A)
【文献】
特開2007−333913(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 − 3/38
H01L 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロック信号を受信するシフト・レジスタ・ユニット(3)と、前記シフト・レジスタ・ユニット(3)に結合されたデータ・ラッチ・ユニット(5)と、前記シフト・レジタ・ユニット(3)および前記データ・ラッチ・ユニット(5)に結合されたマルチプレクサ・ユニット(6)と、前記マルチプレクサ・ユニット(6)および発光デバイスに結合された駆動ユニット(7)とを備える駆動システムによって実施される、前記発光デバイスの光放出を制御するための方法であって、
(a)前記シフト・レジスタ・ユニット(3)によって、前記クロック信号に従って第1の論理データを受信し、格納するステップと、
(b)前記データ・ラッチ・ユニット(5)によって、ステップ(a)で格納された前記第1の論理データをそのユニットでラッチし、そこに格納するステップと、
(c)ステップ(b)の後に、前記シフト・レジスタ・ユニット(3)によって、第2の論理データをそのユニットで受信し、そこに格納するステップと、
(d)前記マルチプレクサ・ユニット(6)によって、前記データ・ラッチ・ユニット(5)に格納された前記第1の論理データと前記シフト・レジスタ・ユニット(3)に格納された前記第2の論理データのうちの一方を前記駆動ユニット(7)に選択的に出力するステップと、
(e)前記駆動ユニット(7)によって、これが受信した前記第1の論理データと前記第2の論理データのうちの前記一方を、前記発光デバイスに供給される駆動出力に変換するステップとを有し、
前記ステップ(d)が、
(d1)前記マルチプレクサ・ユニット(6)によって、前記データ・ラッチ・ユニット(5)に格納された前記第1の論理データを前記駆動ユニット(7)に出力するステップと、
(d2)サブステップ(d1)の後に、前記マルチプレクサ・ユニット(6)によって、前記シフト・レジスタ・ユニット(3)に格納された前記第2の論理データを前記駆動ユニット(7)に出力するステップと、
(d3)サブステップ(d2)の後に、前記マルチプレクサ・ユニット(6)によって、前記データ・ラッチ・ユニット(5)に格納された前記第1の論理データを前記駆動ユニット(7)に出力するステップと
を含み、
サブステップ(d3)およびサブステップ(d1)で出力された前記第1の論理データが、同じ第1の論理データであり、これが、前記ステップ(b)で前記データ・ラッチ・ユニット(5)に格納される、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
ステップ(e)が、
(e1)サブステップ(d1)中に、前記駆動ユニット(7)によって、前記第1の論理データを、第1の所定の期間において前記発光デバイスに供給される一定の第1の駆動出力に変換するステップと、
(e2)サブステップ(d2)中に、前記駆動ユニット(7)によって、前記第2の論理データを、第2の所定の期間において前記発光デバイスに供給される一定の第2の駆動出力に変換するステップと、
(e3)サブステップ(d3)中に、前記駆動ユニット(7)によって、前記第1の論理データを、第3の所定の期間において前記発光デバイスに供給される前記一定の第1の駆動出力に変換するステップと
を含み、
前記第2の所定の期間が、前記第1の所定の期間と前記第3の所定の期間との合計よりも短いことをさらに特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記駆動システムがさらに、前記シフト・レジスタ・ユニット(3)の動作を制御する制御ブロック(1)、前記データ・ラッチ・ユニット(5)、前記マルチプレクサ・ユニット(6)、および前記駆動ユニット(7)を備え、前記方法がさらに、
前記制御ブロック(1)によって、M個の数の輝度ビットから構成され、輝度の2Mレベルのうちの1つを示すソース論理データを受信するステップであって、MがM≧2の整数であり、前記輝度ビットが様々なビット順序を有し、第1のビット・グループおよび第2のビット・グループに分類され、前記第1のビット・グループの(1つまたは複数の)前記輝度ビットのそれぞれの前記ビット順序が、前記第2のビット・グループの(1つまたは複数の)輝度ビットのそれぞれのビット順序よりも高いステップと、
前記制御ブロック(1)によって、前記ソース論理データを、前記輝度ビットのうちのそれぞれ1つにそれぞれ対応するM組の論理データに分割するステップと、
前記制御ブロック(1)によって、出力シーケンスでの分割の後に前記M組の論理データを出力し、その結果、対応する輝度ビットが前記第1のビット・グループに分類された論理データの各セットは前記第1の論理データとして働き、対応する輝度ビットが前記第2のビット・グループに分類された論理データの各セットは前記第2の論理データとして働くステップと
をさらに特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
M≧3であり、前記出力シーケンスにおいて、対応する輝度ビットが前記第2のビット・グループに分類された論理データの少なくとも1つのセットは、対応する輝度ビットが両方とも前記第1のビット・グループに分類された論理データの2つのセットの間に配置されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記輝度ビットの前記ビット順序が、0〜M−1の範囲の整数であり、前記方法が、2k1T2≧2T1および2k2T2<2T1を満たすことを特徴とし、
T1が、ステップ(a)での前記第1の論理データとステップ(c)での前記第2の論理データのうちいずれか一方を受信し、格納するのに必要とされる時間の長さを表し、T2が、対応する輝度ビットのビット順序が0である論理データのセットに対応する前記第2の論理データから前記駆動出力が変換されるとき、前記駆動出力が前記発光デバイスに供給される時間の長さを表し、k1が、前記第1のビット・グループに分類された輝度ビットのうち任意のビットのビット順序を表し、k2が、前記第2のビット・グループに分類された輝度ビットのうち任意のビットのビット順序を表し、
対応する輝度ビットのビット順序がkである論理データのセットから前記駆動出力が変換されるとき、前記駆動出力が前記発光デバイスに供給される総合的な時間の長さが2kT2である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
R=2k1f−j+1−1を満たすことをさらに特徴とし、ここで、Rが、対応する輝度ビットが前記第2のビット・グループに分類された論理データの前記少なくとも1つのセットの数を表し、k1fが、対応する輝度ビットが両方とも前記第1のビット・グループに分類された論理データの前記2つのセットのうちの先行セットに対応するビット順序を表し、jが、前記第1のビット・グループに分類された前記輝度ビットのビット順序のうち最も低いビット順序を表す、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
M≧4であり、前記出力シーケンスにおいて、論理データの前記2つのセットのうちの前記先行セットが、対応する輝度ビットが前記第2のビット・グループに分類された論理データの前記少なくとも1つのセットの前、および、対応する輝度ビットが前記第2のビット・グループに分類され、ビット順序がtである論理データの別のセットの後に配置され、前記方法がさらに2tT2=T1を満たす、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2013年9月18日出願の台湾特許出願第102133904号明細書の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、制御方法および駆動システムに関し、より詳細には、発光デバイスに適応した制御方法および駆動システムに関する。
【背景技術】
【0003】
LED(発光ダイオード)が放出する光の輝度は、様々な期間においてLEDデバイスに定電流を供給するLED駆動システムによって制御され、ここで定電流とは、単位期間内での一定の電流値を指す。
【0004】
図1および3を参照すると、従来のLED駆動システムは、LEDデバイス(図示せず)を駆動するための16の駆動チャネルを有し、この16のチャネルにそれぞれ対応する16組のソース論理データを受信する。ソース論理データの各セットは、6つの輝度ビットから構成されて、輝度の2
6レベルのうちの1つを示す。輝度ビットは、0〜5になるように規定された様々なビット順序を有し、本明細書では、0番目〜5番目の輝度ビットと呼ぶ。LED駆動システムは、ソース論理データを6組の論理データに分割し、そのデータのそれぞれが、16の駆動チャネル用のそれぞれ16の論理値を有し、輝度ビットのうちのそれぞれ1つに対応する。LED駆動システムは、制御ユニット10、シフト・レジスタ・ユニット11、データ・ラッチ・ユニット12、および駆動ユニット13を備える。
【0005】
制御ユニット10は、ソース論理データを受信し、分割後の論理データ、クロック信号、ラッチ信号、および出力イネーブル信号を生成するように構成される。
【0006】
シフト・レジスタ・ユニット11は、16個のレジスタを備え、クロック信号および論理データを受信し、クロック信号の正のエッジに応答して、順次それぞれ論理値をレジスタに格納する。
【0007】
さらに
図2を参照すると、制御ユニット10により、シフト・レジスタ・ユニット11は、ビット順序が0〜5である(
図2の論理データに示した番号を参照)輝度ビットに対応する6組の論理データを所与の順序で格納できるようになる。シフト・レジスタ・ユニット11が論理データの各セットを格納するのに必要とされる時間の長さはT
1である。
【0008】
データ・ラッチ・ユニット12は、16個のラッチを備え、ラッチ信号を受信し、このラッチ信号の正のエッジに応答して、シフト・レジスタ・ユニット11に格納された論理値をラッチにそれぞれ格納する。
【0009】
駆動ユニット13は、出力イネーブル信号、およびデータ・ラッチ・ユニット12に格納された論理データを受信し、6つの所定期間のうちの1つにおいて駆動チャネルのそれぞれに定電流信号を出力する。さらに
図2を参照すると、所定の期間のそれぞれが、出力イネーブル信号および論理データに従った2
kT
2の長さを有し、ここで、kは、駆動ユニットが受信した論理データに対応する輝度ビットのビット順序を表し、T
2は、ビット順序が0の輝度ビットに対応する所定の期間の長さである。一例では、出力イネーブル信号と対応する論理値の両方の論理レベルが高いとき、対応するチャネルが、対応するLEDに第1の定電流を出力し、出力イネーブル信号の論理レベルが高く、対応する論理値の論理レベルが低いとき、対応するチャネルが、対応するLEDに第2の定電流(たとえば電流振幅が0A)を出力する。
【0010】
この構成では、2
kT
2<T
1のとき、LEDデバイスがアイドリング状態にある期間t
offが存在し、それにより、LEDデバイスの利用率および最大輝度が制限される。2
kT
2>T
1のとき、ビット順序が(k+1)の輝度ビットに対応する論理データの次のセットを制御ユニット10が出力できない期間D
offが存在し、それにより、LEDデバイスのリフレッシュ・レートが制限される。
【0011】
関連分野での従来技術が、台湾特許第M452576号明細書に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】台湾特許出願第102133904号明細書
【特許文献2】台湾特許第M452576号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の一目的は、発光デバイスの光放出を制御する方法を提供することである。この方法により、発光デバイスの利用率およびリフレッシュ・レートを相対的に高くすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様によれば、発光デバイスの光放出を制御するための方法が提供され、この方法は、レジスタ・ユニット、このレジスタ・ユニットに結合されたデータ・ラッチ・ユニット、このレジスタ・ユニットおよびデータ・ラッチ・ユニットに結合されたマルチプレクサ・ユニット、ならびにこのマルチプレクサ・ユニットおよび発光デバイスに結合された駆動ユニットを備える駆動システムによって実施されることになる。この方法は、
(a)レジスタ・ユニットによって、第1の論理データをそのユニットで受信し、そこに格納するステップと、
(b)データ・ラッチ・ユニットによって、ステップ(a)で格納された第1の論理データをそのユニットでラッチし、そこに格納するステップと、
(c)ステップ(b)の後に、レジスタ・ユニットによって、第2の論理データをそのユニットで受信し、そこに格納するステップと、
(d)マルチプレクサ・ユニットによって、データ・ラッチ・ユニットに格納された第1の論理データとレジスタ・ユニットに格納された第2の論理データのうちの一方を駆動ユニットに選択的に出力するステップと、
(e)駆動ユニットによって、駆動ユニットが受信した第1の論理データと第2の論理データのうちの前記一方を、発光デバイスに供給される駆動出力に変換するステップとを含む。
【0015】
本発明の他の目的は、発光デバイス用の駆動システムを提供することである。この駆動システムにより、発光デバイスの利用率およびリフレッシュ・レートを相対的に高くすることができる。
【0016】
本発明の他の態様によれば、発光デバイス用の駆動システムが提供され、これは、
論理データを受信し内部に格納するように配置されたレジスタ・ユニットと、
レジスタ・ユニットに格納された論理データを受信するようにレジスタ・ユニットに結合され、レジスタ・ユニットから受信された論理データを選択的にラッチし、内部に格納するよう動作可能なデータ・ラッチ・ユニットと、
内部に格納された論理データを受信して第1の論理データとして働くようにデータ・ラッチ・ユニットに結合され、内部に格納された論理データを受信して第2の論理データとして働くようにレジスタ・ユニットに結合され、第1の論理データと第2の論理データのうちの1つを選択的に出力するよう動作可能なマルチプレクサ・ユニットと、
第1の論理データと第2の論理データのうちの1つをマルチプレクサ・ユニットから受信するようにマルチプレクサ・ユニットに結合され、それが受信した第1の論理データと第2の論理データのうちの1つを駆動出力に変換するように構成され、この駆動出力を発光デバイスに供給するよう動作可能な駆動ユニットと
を備える。
【0017】
添付図面を参照しながら、好ましい実施形態の以下の詳細な説明において、本発明の他の特徴および利点が明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】従来のLED駆動システムを示すブロック図である。
【
図2】発光デバイスの光放出を制御する、従来のLED駆動システムを示すタイミング図である。
【
図3】ソース論理データを複数組の論理データに分割する様子を示す概略図である。
【
図4】本発明による、発光デバイス用の駆動システムの第1の好ましい実施形態を示すブロック図である。
【
図5】本発明による、発光デバイスの光放出を制御するための制御方法の、好ましい一実施形態の流れ図である。
【
図6】発光デバイスの光放出を制御する、本発明の駆動システムを示すタイミング図である。
【
図7】
図6の期間t
ex中での、第1の好ましい実施形態の詳細な信号タイミングを示すタイミング図である。
【
図8】本発明による、発光デバイス用の駆動システムの第2の好ましい実施形態を示すブロック図である。
【
図9】
図6の期間t
ex中での、第2の好ましい実施形態の詳細な信号タイミングを示すタイミング図である。
【
図10】本発明による、発光デバイス用の駆動システムの第3の好ましい実施形態を示すブロック図である。
【
図11】
図6の期間t
ex中での、第3の好ましい実施形態の詳細な信号タイミングを示すタイミング図である。
【
図12】本発明による、発光デバイス用の駆動システムの第4の好ましい実施形態を示すブロック図である。
【
図13】
図6の期間t
ex中での、第4の好ましい実施形態の詳細な信号タイミングを示すタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図3および4を参照すると、本発明による発光デバイス(たとえば、図には示していないが発光ダイオード(LED)デバイス)用の駆動システムの第1の好ましい実施形態は、たとえば、発光デバイスのLEDを駆動するためのN個の数の駆動チャネルを有し、ここでNはN≧1の整数である。駆動システムは、制御ブロック1、シフト・レジスタ・ユニット3、データ・ラッチ・ユニット5、マルチプレクサ・ユニット6、および駆動ユニット7を備える。制御ブロック1は、制御ユニット2およびスイッチング・ユニット4を備える。実際には、スイッチング・ユニット4は制御ユニット2と統合してもよく、データ・ラッチ・ユニット5およびマルチプレクサ・ユニット6と統合してもよく、または独立モジュールでもよく、この点において、本発明は限定されるべきではない。制御ユニット2はN組のソース論理データを受信し、それらデータのそれぞれが、M個の数の輝度ビットから構成されて、輝度の2
Mレベルのうちの1つを示す。ここで、MはM≧2の整数である。輝度ビットは、それぞれ0〜M−1になるように規定された様々なビット順序を有する。以下で、ビット順序がkである輝度ビットは、k番目の輝度ビットと呼ばれる。制御ユニット2は、ソース論理データをM組の論理データに分割し、そのそれぞれが、輝度ビットのぞれぞれ1つに対応し、(1つまたは複数の)駆動チャネルにそれぞれ対応するN個の論理値を有する。次いで、制御ユニット2は、分割後の論理データを、シフト・レジスタ・ユニット3に出力する。この実施形態では、N=16およびM=6であるが、本発明はその値に限定されない。さらに、制御ユニット2は、クロック信号、ラッチ信号、および出力イネーブル信号を生成し、出力して、シフト・レジスタ・ユニット3、スイッチング・ユニット4、データ・ラッチ・ユニット5、マルチプレクサ・ユニット5、および駆動システム7の動作を、直接または間接に制御する。
【0020】
この実施形態において
図4および7を参照すると、シフト・レジスタ・ユニット3は、N個のレジスタ31を備え、クロック信号の正のエッジに応答して制御ユニット2が出力する論理データを受信し、それをレジスタ31に格納する。シフト・レジスタ・ユニット3の格納動作中(すなわち、制御ユニット2が論理データを出力している間)、制御ユニット2が出力するクロック信号は、Nに関連する複数のクロック・サイクルを有する。
【0021】
この実施形態では、スイッチング・ユニット4が、クロック信号およびラッチ信号を受信し、クロック信号の正のエッジに応答してラッチ信号の論理レベルとは逆になるように調整された論理レベルを有するラッチ・イネーブル信号を出力する。スイッチング・ユニット4はさらに、ラッチ信号の負のエッジに応答して、ラッチ・イネーブル信号の論理レベルが高いときは、論理レベルの高いセレクト信号を出力し、ラッチ・イネーブル信号の論理レベルが低いときには、セレクト信号の論理レベルを反転させる。
【0022】
この実施形態では、データ・ラッチ・ユニット5は、N個のラッチ51を備え、シフト・レジスタ・ユニット3に結合されて、このレジスタ・ユニット3に格納された論理データを受信し、ラッチ信号の負のエッジに応答して、シフト・レジスタ・ユニット3から受信した論理データをラッチし、ラッチ・イネーブル信号の論理レベルが高いときはそれをラッチ51に格納する。
【0023】
この実施形態では、マルチプレクサ・ユニット6は、データ・ラッチ・ユニット5に結合されて、そこに格納された論理データを受信し、シフト・レジスタ・ユニット3に結合されて、そこに格納された論理データを受信し、セレクト信号の論理レベルが高いときはデータ・ラッチ・ユニット5に格納された論理データを出力し、セレクト信号の論理レベルが低いときにはシフト・レジスタ・ユニット3に格納された論理データを出力するように構成される。
【0024】
この実施形態では、駆動ユニット7は、マルチプレクサ・ユニット6に結合されて、このマルチプレクサ・ユニット6が出力した論理データを受信し、受信した論理データを駆動出力に変換し、出力イネーブル信号の論理レベルが低いとき、一定の駆動出力を発光デバイスに供給する。本明細書において、この一定の駆動出力は、単位期間内での定電流を指す。
【0025】
輝度ビットは、第1のビット・グループと第2のビット・グループに分類される。第1のビット・グループに分類された輝度ビットのそれぞれのビット順序は、第2のビット・グループに分類された輝度ビットのそれぞれのビット順序よりも高い。一実施形態では、この分類は、第1のビット・グループに分類された輝度ビットのビット順序から最も低いビット順序jを、ビット順序0〜M−1から次式を満足する最も高いビット順序であると規定することによって実現する。
【0026】
【数1】
すなわち、ビット順序がjと等しいか、またはそれより高い輝度ビットのそれぞれが第1のビット・グループに分類され、ビット順序がjより低い輝度ビットのそれぞれが第2のビット・グループに分類される。この実施形態では、M=6なので、ビット順序4が最も高いビット順序であり、これは前述の関係式(
【0027】
【数2】
)を満足し、すなわちj=4である。したがって、4番目と5番目の輝度ビットが第1のビット・グループに分類され、0番目〜3番目の輝度ビットが第2のビット・グループに分類される。
【0028】
さらに
図6を参照すると、この実施形態は以下を満たす。
2
k1T
2≧2T
1および2
k2T
2≧2T
1
ここで、T
1は、制御ユニット2が出力した論理データを受信して格納するためにシフト・レジスタ・ユニット3が必要とする時間の長さ(たとえば、クロック信号のN個のクロック・サイクル)を表し、T
2は、対応する輝度ビットのビット順序が0である論理データのセットから駆動出力が変換されるとき、この駆動出力が発光デバイスに供給される時間の長さを表し、k
1は、第1のビット・グループに分類された輝度ビットのうち任意のビットのビット順序を表し、k
2は、第2のビット・グループに分類された輝度ビットのうち任意のビットのビット順序を表す。この実施形態では、2
3T
2=8×T
2=T
1であり、ここで、2
3T
2は、駆動出力が3番目の輝度ビットに対応する論理データのセットから変換されるとき、この駆動出力が発光デバイスに供給される時間の長さであり、輝度ビットのビット順序から最も高いビット順序が第2のビット・グループに分類される。
【0029】
図5および6を参照すると、発光デバイスの利用率およびリフレッシュ・レートを改善するために、制御ブロック1が、シフト・レジスタ・ユニット3、データ・ラッチ・ユニット5、マルチプレクサ・ユニット6、および駆動ユニット7を制御して、以下のステップに従って動作する。
【0030】
ステップ50:制御ユニット2が、第1の論理データをシフト・レジスタ・ユニット3に出力し、このシフト・レジスタ・ユニット3が、第1の論理データを受信し、それを内部に格納する。第1の論理データは、対応する輝度ビットが第1のビット・グループに分類された論理データのMセットのうちの1つである(たとえば、
図6での番号4または5の論理データ)。
図6、7、9、11、13では、論理データの各セットに示した番号が、論理データのそのセットに対応する輝度ビットのビット順序を表すことに留意されたい。
【0031】
ステップ52:データ・ラッチ・ユニット5は、シフト・レジスタ・ユニット3に格納された第1の論理データをラッチし、それを内部に格納する。
【0032】
ステップ54:ステップ52の後、制御ユニット2が、第2の論理データをシフト・レジスタ・ユニット3に出力し、このシフト・レジスタ・ユニット3が、第2の論理データを受信し、それを内部に格納する。第2の論理データは、対応する輝度ビットが第2のビット・グループに分類された論理データのMセットのうちの1つである(たとえば、
図6での番号0、1、2、または3の論理データ)。
【0033】
ステップ56:マルチプレクサ・ユニット6が、データ・ラッチ・ユニット5に格納された第1の論理データ(
図6の「L」の印がついたセレクト信号である)と、シフト・レジスタ・ユニット3に格納された第2の論理データ(
図6の「R」の印がついたセレクト信号である)のうちの一方を駆動ユニット7に選択的に出力する。
【0034】
ステップ58:駆動ユニット7は、それが受信した第1の論理データと第2の論理データのうちの前記一方を駆動出力に変換し、この出力を発光デバイスに供給する(
図6の出力イネーブル信号である。)詳細には、k番目の輝度ビットに対応する論理データのセットについて、制御ユニット2が出力イネーブル信号をイネーブル・ステップ58に出力する総合的な期間は、2
kT
2である。
【0035】
発光デバイスがアイドリング状態にあるT
off、および制御ユニット2が論理データの次のセットを出力できないD
offを最小限に抑えるために、論理データのMセット、ラッチ信号、および出力イネーブル信号の出力シーケンスが制御ユニット2によって良好に構成されて、以下の特徴を実現する。
(1)マルチプレクサ・ユニット6が、第1の論理データ、第2の論理データ、および第1の論理データを、所与のシーケンスでのそれぞれ第1、第2、および第3の期間に出力する。第1の期間と第3の期間に出力される第1の論理データは、同じ第1の論理データであることに留意されたい(
図6の32×T
2(1)、2×T
2、および32×T
2(2)に対応する、データ・ラッチ・ユニット5に格納されたセレクト信号および論理データを指す)。
(2)第1の期間中、駆動ユニット7が第1の論理データを一定の第1の駆動出力に変換し、この出力が第1の所定の期間(たとえば、
図6の32×T
2(1))において発光デバイスに供給され、第2の期間中、駆動ユニット7は第2の論理データを一定の第2の駆動出力に変換し、この出力が第2の所定の期間(たとえば、
図6の2×T
2)において発光デバイスに供給され、第3の期間中、駆動ユニット7は第1の論理データを一定の第1の駆動出力に変換し、この出力が第3の所定の期間(たとえば、
図6の32×T
2(2))において発光デバイスに供給される。すなわち、一定の第1の駆動出力を発光デバイスに供給する長い期間が、いくつかの相対的に短い別々の期間に分割される。たとえば、この実施形態では、5番目の輝度ビットに対応する論理データのセットにおける期間32×T
2が、短い4つの期間、32×T
2(1)、32×T
2(2)、32×T
2(3)、および32×T
2(4)に分割され、そのそれぞれの時間長さは8×T
2に等しい。同様に、4番目の輝度ビットに対応する論理データのセットにおける期間16×T
2が、短い2つの期間、16×T
2(1)、および16×T
2(2)に分割され、そのそれぞれの時間長さは8×T
2に等しい。
(3)対応する輝度ビットが第2のビット・グループに分類された論理データの少なくとも1つのセットは、対応する輝度ビットが両方とも第1のビット・グループに分類された論理データの2つのセットの間に配置される。たとえば
図6では、0番目の輝度ビットに対応する論理データのセットの出力が、4番目および5番目の輝度ビットに対応する論理データのセットの出力の間に配置される。この実施形態では、論理データの前記少なくとも1つのセットの数Rは
【0036】
【数3】
を満たし、ここで、k
1fは、論理データの前記2つのセットのうちの先行セットに対応するビット順序を表す。たとえば、論理データの前記2つのセットのうちの先行セットが4番目の輝度ビットに対応するとき、R=2
4−4+1−1=1である。
図6を参照すると、0番目の輝度ビットに対応する論理データのセットのみが、4番目の輝度ビットに対応する論理データのセットに続くように配置される。論理データの前記2つのセットのうちの先行セットが5番目の輝度ビットに対応するとき、R=2
5−4+1−1=3である。
図6を参照すると、1番目〜3番目の輝度ビットに対応する論理データの3つのセットが、5番目の輝度ビットに対応する論理データのセットに続くように配置される。他の実施形態では、論理データの前記2つのセットのうちの先行セットは、論理データのセットのRセットの前、および、対応する輝度ビットが第2のビット・グループに分類され、ビット順序がtである論理データの別のセットの後に配置してもよい。ここで、2
tT
2=T
1である。
【0037】
このような配置によって、制御ユニット2による第2の論理データの出力、および第1の論理データから変換される駆動出力の供給が同時に進行して、T
offとD
offの両方が短縮され、それにより、発光デバイスの利用率、最大輝度、およびリフレッシュ・レートが改善される。
【0038】
図6を参照すると、この実施形態では、制御ユニット2はまず、4番目の輝度ビットに対応する論理データのセットを、シフト・レジスタ・ユニット3に出力する。次いで、データ・ラッチ・ユニット5が、シフト・レジスタ・ユニット3に格納された4番目の輝度ビットに対応する論理データのセットをラッチし、それを内部に格納する。
【0039】
次いで、制御ユニット2は、0番目の輝度ビットに対応する論理データのセットを、シフト・レジスタ・ユニット3に出力する。同時に、制御ユニット2により、駆動ユニット7が、(データ・ラッチ・ユニット5に格納された)4番目の輝度ビットに対応する論理データのセットを一定の駆動出力に変換できるようになり、この出力が、期間16×T
2(1)のうちのある長さ(すなわち、8×T
2)において発光デバイスに供給される。
【0040】
次いで、制御ユニット2により、駆動ユニット7が、(シフト・レジスタ・ユニット3に格納された)0番目の輝度ビットに対応する論理データのセットを一定の駆動出力に変換できるようになり、この出力が、期間1×T
2において発光デバイスに供給される。
【0041】
次いで、制御ユニット2は、5番目の輝度ビットに対応する論理データのセットを、シフト・レジスタ・ユニット3に出力する。同時に、制御ユニット2により、駆動ユニット7が、(データ・ラッチ・ユニット5に格納された)4番目の輝度ビットに対応する論理データのセットを一定の駆動出力に変換できるようになり、この出力が、期間16×T
2(2)のうちのある長さ(すなわち、8×T
2)において発光デバイスに供給される。次いで、データ・ラッチ・ユニット5が、シフト・レジスタ・ユニット3に格納された5番目の輝度ビットに対応する論理データのセットをラッチし、それを内部に格納する。
【0042】
次いで、制御ユニット2は、1番目の輝度ビットに対応する論理データのセットを、シフト・レジスタ・ユニット3に出力する。同時に、制御ユニット2により、駆動ユニット7が、(データ・ラッチ・ユニット5に格納された)5番目の輝度ビットに対応する論理データのセットを一定の駆動出力に変換できるようになり、この出力が、期間32×T
1(2)のうちのある長さ(すなわち、8×T
2)において発光デバイスに供給される。
【0043】
次いで、制御ユニット2により、駆動ユニット7が、(シフト・レジスタ・ユニット3に格納された)1番目の輝度ビットに対応する論理データのセットを一定の駆動出力に変換できるようになり、この出力が、期間2×T
2において発光デバイスに供給される。
【0044】
次いで、制御ユニット2は、2番目の輝度ビットに対応する論理データのセットを、シフト・レジスタ・ユニット3に出力する。同時に、制御ユニット2により、駆動ユニット7が、(データ・ラッチ・ユニット5に格納された)5番目の輝度ビットに対応する論理データのセットを一定の駆動出力に変換できるようになり、この出力が、期間32×T
2(2)のうちのある長さ(すなわち、8×T
2)において発光デバイスに供給される。
【0045】
次いで、制御ユニット2により、駆動ユニット7が、(シフト・レジスタ・ユニット3に格納された)2番目の輝度ビットに対応する論理データのセットを一定の駆動出力に変換できるようになり、この出力が、期間4×T
2において発光デバイスに供給される。
【0046】
次いで、制御ユニット2は、3番目の輝度ビットに対応する論理データのセットを、シフト・レジスタ・ユニット3に出力する。同時に、制御ユニット2により、駆動ユニット7が、(データ・ラッチ・ユニット5に格納された)5番目の輝度ビットに対応する論理データのセットを一定の駆動出力に変換できるようになり、この出力が、期間32×T
3(2)のうちのある長さ(すなわち、8×T
2)において発光デバイスに供給される。
【0047】
次いで、制御ユニット2により、駆動ユニット7が、(シフト・レジスタ・ユニット3に格納された)3番目の輝度ビットに対応する論理データのセットを一定の駆動出力に変換できるようになり、この出力が、期間8×T
2において発光デバイスに供給される。
【0048】
次いで、制御ユニット2は、4番目の輝度ビットに対応し、以下のソース論理データに関連する論理データのセットを、シフト・レジスタ・ユニット3に出力する。同時に、制御ユニット2により、駆動ユニット7が、(データ・ラッチ・ユニット5に格納された)5番目の輝度ビットに対応する論理データのセットを一定の駆動出力に変換できるようになり、この出力が、期間32×T
4(2)のうちのある長さ(すなわち、8×T
2)において発光デバイスに供給される。
【0049】
第1の好ましい実施形態では、シフト・レジスタ・ユニット3は、N個のレジスタを含むシフト・レジスタである。しかし、第1の好ましい実施形態の一変形形態では、シフト・レジスタ・ユニット3が、直列に結合された複数のシフト・レジスタを備えてもよく、その結果シフト・レジスタのレジスタの数の合計がNに等しく、データ・ラッチ・ユニット5が、それぞれシフト・レジスタに対応する複数のデータ・ラッチ・サブユニットを備える。具体的な変形形態では、シフト・レジスタ・ユニット3は、X個のシフト・レジスタを備え、そのそれぞれがn個のレジスタを備え、X×n=Nである。
【0050】
図8および9を参照すると、本発明による駆動システムの第2の好ましい実施形態は、第1の好ましい実施形態と同様であり、以下の点で異なっている。すなわち、スイッチング・ユニット4は、ラッチ信号および出力イネーブル信号を受信し、この出力イネーブル信号と同じラッチ・イネーブル信号を出力し、出力イネーブル信号の負のエッジに応答して、ラッチ信号の論理レベルが低いときは、論理レベルの高いセレクト信号を出力し、ラッチ信号の論理レベルが高いときには、論理レベルの低いセレクト信号を出力する。
【0051】
図10および11を参照すると、本発明による駆動システムの第3の好ましい実施形態は、第1の好ましい実施形態と同様であり、以下の点で異なっている。すなわち、スイッチング・ユニット4は、クロック信号の正のエッジに応答して、ラッチ信号の論理レベルとは逆になるように調整された論理レベルを有する中間信号を生成し、ラッチ信号の負のエッジに応答して、中間信号の論理レベルが高いときにラッチ・イネーブル信号として働くパルスを出力する。さらに、スイッチング・ユニット4は、ラッチ信号の負のエッジに応答して、中間信号の論理レベルが高いときは、論理レベルの高いセレクト信号を出力し、中間信号の論理レベルが低いときには、セレクト信号の論理レベルを反転させる。データ・ラッチ・ユニット5は、ラッチ・イネーブル信号に従って(たとえば、ラッチ・イネーブル信号の論理データが高いとき)、シフト・レジスタ・ユニット3に格納された論理データをラッチし、それを格納する。
【0052】
図12および13を参照すると、本発明による駆動システムの第4の好ましい実施形態は、第2の好ましい実施形態と同様であり、以下の点で異なっている。すなわち、スイッチング・ユニット4は、ラッチ信号の負のエッジに応答して、出力イネーブル信号の論理レベルが高いときにラッチ・イネーブル信号として働くパルスを出力する。データ・ラッチ・ユニット5は、ラッチ・イネーブル信号に従って(たとえば、ラッチ・イネーブル信号の論理データが高いとき)、シフト・レジスタ・ユニット3に格納された論理データをラッチし、それを格納する。
【0053】
要約すると、本発明によれば、シフト・レジスタ・ユニット3、データ・ラッチ・ユニット4、および駆動ユニット5の動作が、制御ブロック1を使用して良好に制御されて、発光デバイスの利用率およびリフレッシュ・レートが改善される。
【0054】
最も実際的で好ましい実施形態と考えられる形態に関して本発明を説明してきたが、本発明は、開示された実施形態に限定されるものではなく、このような全ての修正形態および等価な構成を含むよう、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる様々な構成を包含するものであることが理解される。