特許第5935298号(P5935298)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5935298
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月15日
(54)【発明の名称】家具システム、テーブル
(51)【国際特許分類】
   A47B 7/02 20060101AFI20160602BHJP
   A47B 7/00 20060101ALI20160602BHJP
   A47B 13/00 20060101ALI20160602BHJP
   A47B 13/08 20060101ALI20160602BHJP
【FI】
   A47B7/02 A
   A47B7/00 A
   A47B13/00 Z
   A47B13/08 B
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-249384(P2011-249384)
(22)【出願日】2011年11月15日
(65)【公開番号】特開2013-102994(P2013-102994A)
(43)【公開日】2013年5月30日
【審査請求日】2014年10月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】加藤 善雅
(72)【発明者】
【氏名】岩室 裕巳
(72)【発明者】
【氏名】赤松 広道
(72)【発明者】
【氏名】加賀 大喜
【審査官】 蔵野 いづみ
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−021731(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3106643(JP,U)
【文献】 特開2001−169832(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 1/00−41/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と脚体とを備えた少なくとも2つのテーブルを有してなる家具システムであって、
前記天板が、対をなす対向辺と、これら対向辺の一端間に形成される第1の端辺と、前記対向辺の他端間に形成される第2の端辺とを備えたものであり、前記脚体が、前記両対向辺の一端側にそれぞれ設けられ平面視において対向辺の外側に位置する対をなす外脚と、前記両対向辺の他端側に設けられ平面視において対向辺の内側に位置する内脚とを備えたものであり、
持ち上げられた一方のテーブルの外脚間に他方のテーブルの天板を第2の端辺側から通過させて他方のテーブル上に一方のテーブルをスタッキングすることができるようにしたものであり、
一方のテーブルの外脚の一つを他方のテーブルの天板の下に潜り込ませるとともに、他方のテーブルの外脚の一つを一方のテーブルの天板の下に潜り込ませることにより前記両テーブルを隣接させ得るようにしたものであり、
天板の下に潜り込む外脚と前記天板とを連結するための連結機構を設けたものであって、前記連結機構が、前記外脚の上端面に設けられた凹部と、前記天板の下面に設けられ前記凹部に係わり合う突部とを具備してなるものであり、
前記外脚が、外脚本体と、この外脚本体の上端に着脱可能に蓋着され、前記凹部が形成されたキャップとを備えたものであり、前記キャップを取り外した状態で前記外脚本体にオプション部材を挿着できるようにしていることを特徴とする家具システム。
【請求項2】
請求項1記載の家具システムに用いられるテーブルであって、前記天板が、その対向辺同士が平行をなすものであることを特徴とするテーブル。
【請求項3】
前記天板が、上面外縁に前記両対向辺及び第1及び第2の端辺に沿う張り出し部を備えたものであり、対をなす対向辺に沿った張り出し部が、天板上に載置される筆記シートをスライド移動可能に案内するものである請求項記載のテーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板と脚体とを備えたテーブル、及びこのようなテーブルを少なくとも2つ有してなる家具システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、研究所等の作業空間あるいはオフィス等の執務空間などと、ミーティング等を行うための会議用空間とは、別々に用意されていた。
【0003】
ところが近時、作業や執務の途中あるいは作業等の直後にその場でミーティングを行って、そのミーティング内容を充実させたいという要望がある。そのため、作業空間や執務空間などにスタッキング可能なテーブルを配置しておき、必要な場合にそのテーブルを展開し、ミーティング等を適宜行えるようにしたものも開発されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
ところが従来のものは、テーブルの高さ分以上に持ち上げないとスタッキングすることができないため、比較的軽量で小さなテーブルに限られていたという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−176884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、比較的大きめのテーブルでもスタッキング可能であり、スタッキングする際の作業を容易に行うことができるテーブル、及びこのようなテーブルを有してなる家具システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以上のような課題を解決するために、次のような構成を採用したものである。すなわち、本発明に係る家具システムは、天板と脚体とを備えた少なくとも2つのテーブルを有してなるものであって、前記天板が、対をなす対向辺と、これら対向辺の一端間に形成される第1の端辺と、前記対向辺の他端間に形成される第2の端辺とを備えたものであり、前記脚体が、前記両対向辺の一端側にそれぞれ設けられ平面視において対向辺の外側に位置する対をなす外脚と、前記両対向辺の他端側に設けられ平面視において対向辺の内側に位置する内脚とを備えたものであり、持ち上げられた一方のテーブルの外脚間に他方のテーブルの天板を第2の端辺側から通過させて他方のテーブル上に一方のテーブルをスタッキングすることができるようにしたことを特徴とする。
【0008】
このようなものであれば、従来のようなテーブルの高さ分以上に持ち上げないとスタッキングすることができないものと比べて比較的大きめのテーブルでもスタッキング可能であり、テーブルのスタッキング動作及びスタッキングされたテーブルを下ろす動作を容易に行うことができる。そのため、作業用、執務用、会議用等の幅広い使用用途に亘って好適に使用できる家具システムとすることができる。
【0009】
2つ以上のテーブルを横に並べて使用可能とするために、一方のテーブルの外脚の一つを他方のテーブルの天板の下に潜り込ませるとともに、他方のテーブルの外脚の一つを一方のテーブルの天板の下に潜り込ませることにより前記両テーブルを隣接させ得るようにしている
【0010】
天板の下に潜り込む外脚と前記天板とを連結するための連結機構を設けたものであって、前記連結機構が、前記外脚の上端面に設けられた凹部と、前記天板の下面に設けられ前記凹部に係わり合う突部とを具備してなるものであるため、2つ以上のテーブルを隣接させた状態を保持しておくことができる。
【0011】
前記外脚が、外脚本体と、この外脚本体の上端に着脱可能に蓋着され、前記凹部が形成されたキャップとを備えたものであり、前記キャップを取り外した状態で前記外脚本体にオプション部材を挿着できるようにしている。
【0012】
請求項1記載の家具システムに用いられるテーブルの一例としては、前記天板が、その対向辺同士が平行をなすものが好ましい。
【0013】
前記天板が、上面外縁に前記両対向辺及び第1及び第2の端辺に沿う張り出し部を備えたものであり、対をなす対向辺に沿った張り出し部が、天板上に載置される筆記シートをスライド移動可能に案内するものが好適な一態様として挙げられる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、以上のような構成であるから、比較的大きめのテーブルでもスタッキング可能であり、スタッキングする際の作業を容易に行うことができるテーブル、及びこのようなテーブルを有してなる家具システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態の家具システムを示す斜視図。
図2】同実施形態のミーティング用のテーブルを示す斜視図。
図3】同実施形態のミーティング用のテーブルを示す正面図。
図4】同実施形態のミーティング用のテーブルを示す右側面図。
図5】同実施形態のミーティング用のテーブルを示す平面図。
図6】同実施形態のミーティング用のテーブルを示す底面図。
図7図5におけるA−A線断面図。
図8図5におけるB−B線断面図。
図9】同実施形態のミーティング用のテーブルを連結する場合の作用説明図。
図10】同実施形態のミーティング用のテーブルを連結する場合の作用説明図。
図11図10におけるC−C線断面で示す作用説明図。
図12図10におけるC−C線断面で示す作用説明図。
図13】同実施形態のミーティング用のテーブルをスタッキングする場合の作用説明図。
図14】同実施形態のミーティング用のテーブルをスタッキングする場合の作用説明図。
図15】同実施形態の機器載置用のテーブルを示す正面図。
図16】同実施形態の機器載置用のテーブルを示す右側面図。
図17】同実施形態の機器載置用のテーブルのオプション取り付け方法を示す作用説明図。
図18】本発明の他の実施形態のミーティング用のテーブルを示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について図1図17を参照して説明する。
【0017】
この家具システムSは、図1図9図10図13及び図14に示すように、ミーティング用のテーブルT1と、機器載置用のテーブルT3等からなるもので、図1に示すように、複数台のミーティング用のテーブルT1を連結するとともに端のミーティング用のテーブルT1に前記機器載置用のテーブルT3を隣接させてミーティングを行ったり、それらのテーブルT1、T3を離間させて個別に使用したり、ミーティング用のテーブルT1をスタッキングさせて収容させたりする態様をとることができる。
【0018】
ミーティング用のテーブルT1は、図1図14に示すように、天板1と、この天板1を支持する脚体2とを備えたものである。本実施形態では、このテーブルT1の高さ寸法を720mmに設定している。
【0019】
天板1は、図1図14に示すように、木製の天板本体11と、この天板本体11の上面に設けた合成樹脂製の化粧板12と、これら化粧板12及び天板本体11の小口端面を覆う合成樹脂製のエッジ部材13とからなる。この天板1は、対をなす対向辺14と、これら対向辺14の一端14a間に形成される第1の端辺15と、前記対向辺14の他端14b間に形成される第2の端辺16とを備えたものである。この天板1は、その対向辺14同士及び第1の端辺15と第2の端辺16とがそれぞれ平行をなすもので、具体的には、一辺が900mm四方の平面視略正方形をなしている。この天板1は、上面17外縁に前記両対向辺14及び第1及び第2の端辺16に沿う張り出し部18を備えている。この張り出し部18は、前記エッジ部材13の上縁部13aを化粧板12の上面12aよりも上方に延出させることにより形成されたもので、天板1の外縁に沿って連続的に形成されている。この張り出し部18は、主に、天板1上に載置されたものが落下するのを防止する役割を担っている。この実施形態においては、天板1の上面17に載置される筆記シート10を前記張り出し部18の内側に嵌め込んで位置決めして使用することもできるようになっている。
【0020】
脚体2は、図1図14に示すように、前記両対向辺14の一端14a側にそれぞれ設けられ平面視において対向辺14の外側に位置する対をなす外脚21と、前記両対向辺14の他端14b側にそれぞれ設けられ平面視において対向辺14の内側に位置する対をなす内脚23とを備えたものである。詳述すれば、脚体2は、前記対をなす外脚21と、これら両外脚21を連結する外脚用横フレーム22と、前記対をなす内脚23と、これら両内脚23を連結する内脚用横フレーム24と、この内脚用横フレーム24及び外脚用横フレーム22を連結する縦フレーム25とを備えてなるもので、前記縦フレーム25の取付部251及び前記外脚用横フレーム22の取付部221に挿通されるビス等の止着具20により天板1の下面19に止着されている。なお、図7においては、止着具20を省略している。これらの外脚用横フレーム22、内脚用横フレーム24及び縦フレーム25はそれぞれ金属製のものであり、溶接等により互いに剛結されている。この実施形態においては、前記外脚21は、円筒柱状をなす外脚本体211と、この外脚本体211の上端に着脱可能に蓋着されたキャップ212と、前記外脚本体211の下端に設けられたキャスタ213とを備えたものである。外脚本体211は、パイプ状をなす金属製のものであり、キャップ212は、合成樹脂製のものである。本実施形態においては、外脚21の上端面215の高さ位置を、天板1の下面19の高さ位置と略同じに設定している。内脚23は、円筒柱状をなす内脚本体231と、この内脚本体231の下端に設けられたキャスタ232とを備えたものである。
【0021】
この実施形態においては、図1図9及び図10に示すように、ミーティング用のテーブルT1のうち一方のテーブルT11の外脚21の一つを他方のテーブルT12の天板1の下に潜り込ませるとともに、他方のテーブルT12の外脚21の一つを一方のテーブルT11の天板1の下に潜り込ませることにより前記両テーブルT11、T12を隣接させ得るようにしている。詳述すれば、天板1の下に潜り込む外脚21と前記天板1とを連結するための連結機構3を設けたものであって、前記連結機構3が、前記外脚21の上端面215及び天板1の下面19のいずれか一方に設けられた凹部31と、他方に設けられ前記凹部31に係わり合う突部33とを具備してなるものである。特定のテーブルT1に着目して説明すれば、対をなす外脚21のキャップ212にそれぞれ凹部31が形成されている。そして、天板1の両対向辺14の他端14b側の内側に同一構造をなすテーブルの外脚21が潜り込むことができる空間32をそれぞれ形成しており、それらの空間32に対応する天板1の下面19に、前記凹部31に係合可能な形状をなす突部33がビス等の止着具30を用いてそれぞれ取り付けられている。
【0022】
機器載置用のテーブルT3は、図1及び図15図17に示すように、上述したミーティング用のテーブルT1に準じた構成をなすもので、ミーティング用のテーブルT1と同一または対応する部分には同一の符号を付して説明を省略する。この機器載置用のテーブルT3の天板1の第1の端辺15及び第2の端辺16の長さ寸法は、ミーティング用のテーブルT1の天板1の第1の端辺15及び第2の端辺16の長さ寸法と等しく設定されており、機器載置用のテーブルT3の天板1の対向辺14の長さ寸法は、ミーティング用のテーブルT1の天板1の対向辺14の長さ寸法よりも短く設定されている。この機器載置用のテーブルT3は、ミーティング用のテーブルT1と連結できないようにするため、天板1下面19に突部33は設けられていない。機器載置用のテーブルT3は、キャップ212を取り外した状態で前記外脚本体211にオプション部材4が挿着されている。
【0023】
オプション部材4は、図1及び図15図17に示すように、ディスプレイ40を保持するためのもので、対をなす支柱41と、それら支柱41間の上端部を剛結するディスプレイ取付用のレールフレーム42とを具備してなるもので、このレールフレーム42の任意の箇所に取付具40aを介してディスプレイ40を装着できるようになっている。支柱41は、外脚21と同一の外形を有した支柱本体411と、この支柱本体411の下端から下方に突出し支柱本体411内に嵌合する取付部412とを備えたもので、その取付部412をキャップ212を外した外脚本体211に嵌合させることにより、支柱41の外面413と外脚21の外面214とが連続したものになる。
【0024】
機器載置用のテーブルT3は、図1図15及び図16に示すように、天板1下面19に機器載置用の機器収納箱5を備えるとともに、外脚21及び内脚23の下端部間に棚板6が着脱可能に設けられている。
【0025】
次いで、この家具システムS及びテーブルT1、T3の作動を説明する。
【0026】
複数台のミーティング用のテーブルT1を連結する場合は、図9に示すように、まず、離間されたテーブルT1同士をそれぞれキャスタ213、232を利用して互いに近づく方向へ移動させるか、または、一方のテーブルT11をキャスタ213、232を利用して他方のテーブルT12に隣接するように移動させる。そして、図10に示すように、一方のテーブルT11の天板1の第1の端辺15と他方のテーブルT12の天板1の第2の端辺16とが一直線状に並ぶとともに、一方のテーブルT11の天板1の第2の端辺16と他方のテーブルT12の天板1の第1の端辺15とが一直線状に並ぶように、一方のテーブルT11の対向辺14の一つと他方のテーブルT12の天板1の対向辺14の一つを隣接させる。すなわち、一方のテーブルT11の外脚21の一つを他方のテーブルT12の天板1の下に潜り込ませるとともに、他方のテーブルT12の外脚21の一つを一方のテーブルT11の天板1の下に潜り込ませることにより前記両テーブルT11、T12を隣接させる。その際、一方のテーブルT11の前記外脚21の上端面215に設けられた凹部31と、天板1の下面19に設けられた突部33とを係わり合わせるとともに、他方のテーブルT12の前記外脚21の上端面215に設けられた凹部31と、天板1の下面19に設けられた突部33とを係わり合わせる。なお、このように複数台のミーティング用のテーブルT1を連結させた状態においては、天板1を広く使うことができ、8つあるキャスタ213、232のうち全てのキャスタ213、232をロックする必要なしに連結されたテーブルT1を一時的に移動不能にすることができる。
【0027】
また、連結された複数台のミーティング用のテーブルT1を離間させて個別に使用したい場合には、連結されたテーブルT1同士をそれぞれキャスタ213、232を利用して互いに離れる方向へ移動させるか、または、一方のテーブルT11をキャスタ213、232を利用して他方のテーブルT12から離間するように移動させることで、前記連結機構3の突部33と凹部31との係合状態を解除すればよい。
【0028】
複数台のミーティング用のテーブルT1をスタッキングさせる場合は、まず、図13に示すように、一方のテーブルT11の外脚21を持ち上げ、内脚23のキャスタ232を利用して他方のテーブルT12の天板1の第2の端辺16側に近づくように移動させる。そして、一方のテーブルT11の内脚23のキャスタ232を利用した状態で、天板1の厚み寸法及び天板1の下面に配された横フレーム22、24や縦フレーム25の突出寸法だけ持ち上げられた一方のテーブルT11の外脚21間に、他方のテーブルT12の天板1を第2の端辺16側から通過させて、一方のテーブルT11の外脚21が他方のテーブルT12の外脚21に近づくように移動させる。このようにして、他方のテーブルT12の天板1上に一方の天板1が重なるように配置されるとともに、他方のテーブルT12の外脚21に一方のテーブルT11の外脚21が隣接して配置された状態でテーブルT11から手を離せば、図14に示すように、他方のテーブルT12上に一方のテーブルT11をスタッキングした状態を保つことができる。このように、上下方向のスタッキング動作を左右方向からネスティング動作のように行うことができるため、比較的テーブルT1が重い場合であっても、簡単にスタッキングさせることができる。
【0029】
また、スタッキングされた複数台のミーティング用のテーブルT1をそのスタッキング状態を解除して使用したい場合には、一番上にスタッキングされたテーブルT1を、このテーブルの外脚21間に配された下のテーブルT1の天板1の第2の端辺16側から抜き取るように移動させることで、前記スタッキング状態を解除すればよい。
【0030】
以上に述べたように、本実施形態にかかる家具システムSは、天板1と脚体2とを備えた2つのミーティング用のテーブルT1と、機器載置用のテーブルT3とを有してなるものであって、前記天板1が、対をなす対向辺14と、これら対向辺14の一端14a間に形成される第1の端辺15と、前記対向辺14の他端14b間に形成される第2の端辺16とを備えたものであり、前記脚体2が、前記両対向辺14の一端14a側にそれぞれ設けられ平面視において対向辺14の外側に位置する対をなす外脚21と、前記両対向辺14の他端14b側に設けられ平面視において対向辺14の内側に位置する内脚23とを備えたものであり、持ち上げられた一方のミーティング用のテーブルT1の外脚21間に他方のミーティング用のテーブルT1の天板1を第2の端辺16側から通過させて、他方のミーティング用のテーブルT1上に一方のミーティング用のテーブルT1をスタッキングすることができるようにした。そのため、従来のようなテーブルの脚の長さ分以上に持ち上げないとスタッキングすることができないものと比べて大きいテーブルT1であってもスタッキング可能であり、スタッキング動作及びスタッキングされたテーブルT1を下ろす動作を容易に行うことができる。したがって、作業用、執務用、会議用等の幅広い使用用途に亘って好適に使用できるとともに、不使用時には好適に収納することができる家具システムSを構築することができる。
【0031】
一方のテーブルT11の外脚21の一つを他方のテーブルT12の天板1の下に潜り込ませるとともに、他方のテーブルT12の外脚21の一つを一方のテーブルT11の天板1の下に潜り込ませることにより前記両テーブルT11、T12を隣接させ得るようにしたので、外脚21が平面視において対向辺14の外側に位置するものであるにもかかわらず、テーブルT11、T12の対向辺14同士を可及的に近づけることができる。したがって、テーブルT11、T12を広く使用することができる。
【0032】
また、天板1の下に潜り込む外脚21と前記天板1とを連結するための連結機構3を設けたものであって、前記連結機構3が、前記外脚21の上端面215に設けられた凹部31と、天板1の下面19に設けられ前記凹部31に係わり合う突部33とを具備してなるものであるため、凹凸係合を利用してテーブルT11、T12同士を隣接させた状態を保持することができる。特に、本実施形態では、凹部31及び突部33を合成樹脂製のものとしているため、係合動作や解除動作時にある程度の弾性変形を許容することができるとともに、衝突音の発生も抑制することができる。また、本実施形態では天板1の下面19が木製のものであるため、これに複雑な凹部の形状を設けることは難しいが、上述したように天板1の下面19に突部33を取り付けるようにしているので、突部33の形状を凹部31に合わせた複雑な形状にすることも可能であるとともに、天板1の強度も保つことができる。
【0033】
さらに、本実施形態のミーティング用のテーブルT1及び機器載置用のテーブルT3は、外脚21が、外脚本体211と、この外脚本体211の上端に着脱可能に蓋着されたキャップ212とを備えたものであり、前記キャップ212を取り外した状態で前記外脚本体211にオプション部材4を挿着できるようにしているので、外脚21をオプション部材4の取り付けのために用いることができる。
【0034】
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限られない。
【0035】
本発明の家具システムに用いられるテーブルとしては、図18に示すようなものであってもよい。すなわち、このテーブルT2は、前記天板1が、その対向辺14同士が平行をなすものであり、より具体的には、対向辺14同士が平行であり、第1の端辺15と第2の端辺16とが互いに平行であるとともに前記対向辺14よりも長尺な平面視略長方形をなしている。そして、前記天板1は、上面17外縁に前記両対向辺14及び第1及び第2の端辺16に沿う張り出し部18を備えたものであり、対をなす対向辺14に沿った張り出し部18が、天板1上に載置される筆記シート10をスライド移動可能に案内するものである。この筆記シート10は、一辺の長さが前記対向辺14の張り出し部18間の内法寸法と同一である平面視略正方形状をなしている。このようなものであれば、会議中等に天板1上の筆記シート10の位置を任意に変更させることができる。
【0036】
また、天板の形状及び脚の配置箇所は、持ち上げられた一方のテーブルの外脚間に他方のテーブルの天板を第2の端辺側から通過させて他方のテーブル上に一方のテーブルをスタッキングすることができるようなものであればどのようなものであってもよい。例えば、天板の形状は、正方形、長方形に限られず、台形やその他の異形状であってもよい。また、天板の対向辺、第1の端辺、及び第2の端辺は、直線的なものに限られず、曲線的なものであってもよい。さらに、内脚は、円筒柱状のものに限られず、板状のものであってもよい。また、内脚は1つであってもよい。
【0037】
上述した実施形態では、機器載置用のテーブルに棚板を着脱可能に設けていたが、ミーティング用のテーブルにもこれに準ずる棚板を着脱可能に設けてもよい。また、前記ミーティング用のテーブルにおいても、前記外脚が、外脚本体と、この外脚本体の上端に着脱可能に蓋着されたキャップとを備えたものであり、前記キャップを取り外した状態で前記外脚本体にオプション部材を挿着できるようにしているので、前記外脚をテーブルの連結用に用いない場合には、この外脚にオプション部材を取り付けてもよいのはもちろんである。なお、オプション部材は、上述したディスプレイ取付用の支柱に限られず、種々変更可能である。
【0038】
本発明の脚は、キャスタを備えないものであってもよいが、本実施形態のようにキャスタを備えたものであれば、持ち上げられた一方のテーブルの外脚間に他方のテーブルの天板を第2の端辺側から通過させて他方のテーブル上に一方のテーブルをスタッキングする際に、他方のテーブルを移動させやすい。特に、本実施形態のような比較的大きなテーブルにおいては、スタッキング動作以外の場合でもこのキャスタを用いて比較的容易にテーブルを動かすことができる。
【0039】
また連結機構は、上述した実施形態のものに限られず種々変更可能である。例えば、連結機構が、天板の下面に設けられた凹部と、外脚の上端面に設けられ前記凹部に係わり合う突部とを具備してなるものであってもよい。また、凹部や突部の大きさや形状も種々変更可能である。
【0040】
さらに、天板の大きさは上述した実施形態のものに限られず種々変更可能であり、スタッキングや連結するテーブルの台数も3台以上であってよいのはもちろんである。
【0041】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
【符号の説明】
【0042】
S…家具システム
T1…ミーティング用のテーブル
T11…一方のテーブル
T12…他方のテーブル
T3…機器載置用のテーブル
1…天板
14…対向辺
14a…一端
14b…他端
15…第1の端辺
16…第2の端辺
18…張り出し部
19…下面
2…脚体
21…外脚
211…外脚本体
212…キャップ
215…上端面
23…内脚
3…連結機構
31…凹部
33…突部
4…オプション部材
10…筆記シート
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