特許第5935461号(P5935461)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5935461
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月15日
(54)【発明の名称】プラズマ処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20160602BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20160602BHJP
   C23C 16/509 20060101ALI20160602BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20160602BHJP
【FI】
   H01L21/205
   H01L21/302 101D
   C23C16/509
   H05H1/46 L
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-84741(P2012-84741)
(22)【出願日】2012年4月3日
(65)【公開番号】特開2013-214646(P2013-214646A)
(43)【公開日】2013年10月17日
【審査請求日】2015年2月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】特許業務法人青海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】米澤 朋子
【審査官】 長谷川 直也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−200232(JP,A)
【文献】 特開2004−200233(JP,A)
【文献】 特開2007−262541(JP,A)
【文献】 特開2004−349199(JP,A)
【文献】 特開2002−069653(JP,A)
【文献】 特開2003−086581(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/058560(WO,A1)
【文献】 特開2003−109798(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205、21/302、21/3065−21/31、
21/365、21/461、21/469、21/86、
31/04−31/06、51/42、
C23C 16/00−16/56、
H05H 1/00− 1/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空状態に減圧可能な処理室にガス供給源から反応ガスが供給される真空チャンバと、
前記真空チャンバに設けられ、交流電源の給電側に基端が接続される給電側電極棒、前記交流電源の接地側に基端が接続されるとともに前記給電側電極棒に対向配置された接地側電極棒、該給電側電極棒および該接地側電極棒の先端同士を通電可能に接続する接続部材を有し、交流電源からの電力供給によって前記処理室内でプラズマを発生させる複数のアンテナ体と、を備え、
前記複数のアンテナ体は、
前記真空チャンバの所定の第1の面に前記給電側電極棒および接地側電極棒の基端が設けられた第1アンテナ体と、前記第1の面に対向する第2の面に前記給電側電極棒および接地側電極棒の基端が設けられた第2アンテナ体と、を備え、
前記第1アンテナ体を構成する給電側電極棒および接地側電極棒と、前記第2アンテナ体を構成する給電側電極棒および接地側電極棒と、が同一平面上に整列配置されており、
前記接地側電極棒の内部には、前記ガス供給源から供給された前記反応ガスが流通するガス供給路が形成されており、該ガス供給路を通過した反応ガスは、該接地側電極棒に形成された噴出孔を介して前記真空チャンバに供給されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項2】
前記第1アンテナ体を構成する給電側電極棒および接地側電極棒と、前記第2アンテナ体を構成する給電側電極棒および接地側電極棒と、が、これら両電極棒の長手方向に直交する方向において交互に設けられていることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
【請求項3】
前記第1アンテナ体を構成する電極棒と、前記第2アンテナ体を構成する電極棒とが、一直線上に軸心を沿わせて対向配置されていることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空チャンバ内でプラズマを発生させて処理対象の被処理面に薄膜を生成したり、エッチングを行ったりするプラズマ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1〜3に示されるプラズマ処理装置(プラズマCVD装置)が知られている。これらのプラズマ処理装置は、真空状態に減圧可能な処理室を有する真空チャンバを備えており、この真空チャンバの天井部に、高周波電源に電気的に接続された複数のコネクタが配設されている。また、処理室内には、複数本の電極棒を有するアレイアンテナユニットが設けられており、このアレイアンテナユニットの電極棒が、複数のコネクタそれぞれに接続されている。
【0003】
そして、真空状態に減圧された処理室内に、処理対象である基板を保持する基板搬送用の台車を搬送するとともに、当該基板をアレイアンテナユニットに対向させた状態で、真空チャンバ内に反応ガスを供給しつつ、電極棒に高周波電力を供給する。これにより、真空雰囲気中にプラズマが発生するとともに、プラズマによって分解された反応ガスの成分が基板の表面に付着し、非結晶シリコン膜または微結晶シリコン膜などの薄膜が基板表面に生成されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−262541号公報
【特許文献2】特開2003−86581号公報
【特許文献3】特開2003−109798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アンテナ式のプラズマ処理装置は、真空チャンバ内において、各電極棒の基端側のプラズマ密度が、各電極棒の先端側のプラズマ密度に比べて高くなる傾向がある。そのため、上記のように、全ての電極棒が真空チャンバの天井部に垂下支持されている場合には、天井部近傍のプラズマ密度が極めて高くなり、処理対象に均一な処理を施すことができなくなるばかりか、部分的にプラズマ処理が過剰となってしまい、処理対象の品質を劣化させてしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、処理対象に施されるプラズマ処理の均一性を向上するとともに、プラズマ処理が過剰に施されるのを防ぐことができるプラズマ処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のプラズマ処理装置は、真空状態に減圧可能な処理室にガス供給源から反応ガスが供給される真空チャンバと、前記真空チャンバに設けられ、交流電源の給電側に基端が接続される給電側電極棒、前記交流電源の接地側に基端が接続されるとともに前記給電側電極棒に対向配置された接地側電極棒、該給電側電極棒および該接地側電極棒の先端同士を通電可能に接続する接続部材を有し、交流電源からの電力供給によって前記処理室内でプラズマを発生させる複数のアンテナ体と、を備え、前記複数のアンテナ体は、前記真空チャンバの所定の第1の面に前記給電側電極棒および接地側電極棒の基端が設けられた第1アンテナ体と、前記第1の面に対向する第2の面に前記給電側電極棒および接地側電極棒の基端が設けられた第2アンテナ体と、を備え、前記第1アンテナ体を構成する給電側電極棒および接地側電極棒と、前記第2アンテナ体を構成する給電側電極棒および接地側電極棒と、が同一平面上に整列配置されており、前記接地側電極棒の内部には、前記ガス供給源から供給された前記反応ガスが流通するガス供給路が形成されており、該ガス供給路を通過した反応ガスは、該接地側電極棒に形成された噴出孔を介して前記真空チャンバに供給されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明のプラズマ処理装置は、第1アンテナ体を構成する給電側電極棒および接地側電極棒と、第2アンテナ体を構成する給電側電極棒および接地側電極棒と、が、これら両電極棒の長手方向に直交する方向において交互に設けられていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明のプラズマ処理装置は、第1アンテナ体を構成する電極棒と、第2アンテナ体を構成する電極棒とが、一直線上に軸心を沿わせて対向配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、処理対象に施されるプラズマ処理の均一性を向上するとともに、プラズマ処理が過剰に施されるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】(a)は真空チャンバの正面側の断面図、(b)は(a)におけるI(b)−I(b)線断面図である。
図2】第1コネクタおよび第2コネクタと高周波電源との接続関係を示す図である。
図3】第1電極棒および第2電極棒の部分断面図である。
図4】プラズマ処理について説明する図である。
図5】変形例のプラズマ処理装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0014】
本実施形態のプラズマ処理装置は、処理対象の被処理面に薄膜を生成するプラズマCVD装置や、処理対象の被処理面をエッチング加工するプラズマエッチング装置として用いることが可能であるが、ここでは、プラズマ処理装置をプラズマCVD装置として用いる場合について説明する。
【0015】
図1(a)は真空チャンバの正面側の断面図、図1(b)は図1(a)におけるI(b)−I(b)線断面図である。真空チャンバ1は、筐体2を備えて構成されている。この筐体2は、真空チャンバ1の上面を構成する天井部2aと、真空チャンバ1の側面を構成し、互いに対向配置された左側面部2b(第1の面)および右側面部2c(第2の面)と、真空チャンバ1の正面および背面を構成する正面部2dおよび背面部2eと、を備えており、これら各部によって処理室3が囲繞形成されている。ただし、筐体2の下部には底面開口部2fが形成されており、処理室3は、下方に開口を臨ませる構成となっている。
【0016】
また、真空チャンバ1の下方には、処理対象となるワークWを搬送するための搬送チャンバ100が設けられている。この搬送チャンバ100は、ワークWが載置された搬送台車101を搬送するものであり、搬送台車101は、ガイドレール102にガイドされて真空チャンバ1の下方まで搬送されることとなる。
【0017】
そして、真空チャンバ1と搬送チャンバ100とは、真空チャンバ1の底面開口部2fを介して接続されている。両チャンバ1、100の接続部には、ゲートバルブ103が開閉自在に設けられており、ゲートバルブ103が開状態にある場合には、両チャンバ1、100が連通し、ゲートバルブ103が図示のように閉状態にある場合には、両チャンバ1、100の連通が遮断されることとなる。このように、ゲートバルブ103が閉状態となると、真空チャンバ1内に設けられた処理室3が、外部から完全に密閉された状態となる。これにより、真空チャンバ1に接続された真空ポンプ4を駆動すれば、処理室3が減圧されて真空状態に維持されることとなる。
【0018】
なお、搬送チャンバ100には、搬送台車101を昇降する昇降装置104が設けられており、真空チャンバ1の下方まで搬送されたワークWは、昇降装置104によって、搬送台車101と一体となって上昇する。一方、真空チャンバ1には、ワーク保持装置5が設けられており、底面開口部2fから処理室3内に搬入されたワークWは、このワーク保持装置5によって、所定の処理位置に保持されることとなる。
【0019】
そして、真空チャンバ1の左側面部2bおよび右側面部2cには、第1コネクタ6(給電側コネクタ)および第2コネクタ7(接地側コネクタ)がそれぞれ複数設けられており、第1コネクタ6には、第1電極棒8(給電側電極棒)の一端(基端)が接続され、第2コネクタ7には、第2電極棒9(接地側電極棒)の一端(基端)が接続されている。第1コネクタ6および第2コネクタ7は、両側面部2b、2cにおいて、鉛直方向(図中上下方向)に所定の間隔を維持して一直線上に整列配置されており、また、左側面部2bに設けられた両コネクタ6、7と、右側面部2cに設けられた両コネクタ6、7と、が同一平面上に配置されている。
【0020】
ただし、左側面部2bに設けられた両コネクタ6、7と、右側面部2cに設けられた両コネクタ6、7とは、同一平面上において、鉛直方向に位相をずらして配置されている。このとき、両コネクタ6、7は、第1コネクタ6に接続される第1電極棒8と、第2コネクタ7に接続される第2電極棒9とが、図示のように、両電極棒8、9の長手方向に直交する方向(鉛直方向)に、交互に、かつ、一定の間隔で配設されるように設けられている。
【0021】
なお、両電極棒8、9は、その先端が接続部材10によって通電可能に接続されており、これら第1電極棒8、第2電極棒9および接続部材10によって、1つのアンテナ体Aが構成されている。そして、左側面部2bに支持されるアンテナ体Aを第1アンテナ体A1とし、右側面部2cに支持されるアンテナ体Aを第2アンテナ体A2とすると、第1アンテナ体A1と第2アンテナ体A2とが、鉛直方向に交互に配列されることとなる。
【0022】
図2は、第1コネクタ6および第2コネクタ7と、高周波電源21との接続関係を示す図である。なお、図2(a)は、図1(a)におけるII(a)矢視図であり、図2(b)は、図1(a)におけるII(b)矢視図である。この図に示すように、第1コネクタ6は、高周波電力(本実施形態では85MHzの交流電力)を供給する高周波電源21の供給側(給電側)に接続され、第2コネクタ7は、高周波電源21の接地側に接続されている。また、第2コネクタ7にはガス供給源22が接続されており、このガス供給源22から供給される反応ガスが、第2コネクタ7に接続された第2電極棒9から、処理室3内に噴出可能となっている。
【0023】
図3は、第1電極棒8および第2電極棒9の部分断面図である。第1電極棒8の基端部には、真空チャンバ1の左側面部2bおよび右側面部2cに設けられた第1コネクタ6に接続可能な第1アンテナ側コネクタ12が固定されている。また、第2電極棒9の基端部には、真空チャンバ1の左側面部2bおよび右側面部2cに設けられた第2コネクタ7に接続可能な第2アンテナ側コネクタ13が固定されている。
【0024】
第1アンテナ側コネクタ12は、円筒状の本体12aを備えており、この本体12aの底面部12bに、第1電極棒8が貫通した状態で固定されている。また、第2アンテナ側コネクタ13も、円筒状の本体13aを備えており、この本体13aの底面部13bに、第2電極棒9が貫通した状態で固定されている。
【0025】
第1電極棒8は、その外周にセラミックスまたは樹脂などの誘電体からなる被覆部材14を備えている。一方、第2電極棒9は円筒形状をなしており、その長手方向に延在するガス供給路9aが内部に形成されている。また、第2電極棒9は、ガス供給路9aに垂直に連通する噴出孔9bを備えている。この第2電極棒9は、上述したように、処理室3内に支持されたときに、第2コネクタ7に接続されて、上記したガス供給源22とガス供給路9aと、が連通する関係をなしている。したがって、第2電極棒9が処理室3内に支持された状態で、ガス供給源22から反応ガスが供給されることにより、噴出孔9bから処理室3に向けて反応ガスが噴出することとなる。
【0026】
図4は、本実施形態のプラズマ処理装置によるプラズマ処理について説明する図である。まず、真空チャンバ1の処理室3を密閉するとともに、真空ポンプ4を駆動して処理室3を真空状態に減圧する。この状態で、内部が真空状態に維持された搬送チャンバ100において、ワークWが載置された搬送台車101を真空チャンバ1の下方まで搬送する。そして、ゲートバルブ103を開いて両チャンバ1、100を連通させるとともに、昇降装置104を駆動して搬送台車101を上昇させ、処理室3内にワークWを搬入する。
【0027】
その後、図示のように、ワーク保持装置5によってワークWを処理室3内に保持するとともに、ゲートバルブ103を閉じて、真空チャンバ1と搬送チャンバ100との連通を遮断して処理室3を密閉する。本実施形態においては、処理対象であるワークWが薄板状に構成されており、ワーク保持装置5によってワークWが処理室3内に保持された状態では、第1アンテナ体A1および第2アンテナ体A2がワークWの被処理面W1に対向配置されることとなる。
【0028】
この状態で、ガス供給源22から第2電極棒9に反応ガスを供給して、噴出孔9bから真空チャンバ1内に反応ガスを噴出させるとともに、高周波電源21によって両アンテナ体A1、A2に高周波電力を供給する。これにより、両アンテナ体A1、A2すなわち両電極棒8、9の周囲にプラズマが発生し、このプラズマによって分解された反応ガスの成分がワークWの被処理面W1に付着する。このようにして、被処理面W1の表面に、非結晶シリコン膜または微結晶シリコン膜などの薄膜が成膜されることとなる。
【0029】
そして、本実施形態によれば、対面する左側面部2bおよび右側面部2cのそれぞれに、アンテナ体Aすなわち第1電極棒8および第2電極棒9が支持されている。より詳細には、プラズマ密度が高くなる第1電極棒8の基端が、左側面部2bと右側面部2cとに交互に設けられている。このとき、アンテナ体A1においては、第1電極棒8および第2電極棒9の基端が左側面部2bに支持されており、先端が右側面部2c近傍に位置し、アンテナ体A2においては、第1電極棒8および第2電極棒9の基端が右側面部2cに支持されており、先端が左側面部2b近傍に位置している。これにより、プラズマ密度が局部的に高くなってしまうことがなくなり、部分的に薄膜が厚くなり過ぎてしまうのを防いで、全体的に膜厚の均一性を向上することができる。
【0030】
なお、上記実施形態においては、被処理面W1に対して薄膜を生成する場合について説明したが、被処理面W1に対してエッチング加工を施す場合にも、上記と同様の効果を実現することができる。
【0031】
また、上記実施形態においては、第1アンテナ体A1と第2アンテナ体A2とを鉛直方向に位相をずらして設けることとしたが、アンテナ体は、図5に示す変形例のアンテナ体A3、A4のように構成してもよい。この変形例によれば、上記実施形態と同様に、第1アンテナ体A3を構成する第1電極棒28および第2電極棒29と、第2アンテナ体A4を構成する第1電極棒28および第2電極棒29と、が同一平面上に整列配置されている。
【0032】
このとき、第1アンテナ体A3を構成する第1電極棒28と、第2アンテナ体A4を構成する第1電極棒28とが、一直線上に軸心を沿わせて対向配置されており、第1アンテナ体A3を構成する第2電極棒29と、第2アンテナ体A4を構成する第2電極棒29とが、一直線上に軸心を沿わせて対向配置されている。このように、変形例のアンテナ体Aによっても、上記と同様の作用効果を実現することができる。
【0033】
なお、この変形例において、第1アンテナ体A3を構成する第1電極棒28と、第2アンテナ体A4を構成する第2電極棒29と、を一直線上に軸心を沿わせて対向配置し、第1アンテナ体A3を構成する第2電極棒29と、第2アンテナ体A4を構成する第1電極棒28と、を一直線上に軸心を沿わせて対向配置することとしてもよい。
【0034】
また、上記実施形態および変形例においては、第1アンテナ体A1(A3)を構成する両電極棒8(28)、9(29)と、第2アンテナ体A2(A4)を構成する両電極棒8(28)、9(29)とが、同一平面上に位置することとしたが、両電極棒8(28)、9(29)は、必ずしも同一平面上に位置しなければならないものではない。また、上記実施形態においては、真空チャンバ1が矩形状に構成されており、その水平方向に対面する左側面部2bおよび右側面部2cに、両アンテナ体A1(A3)、A2(A4)が支持されることとしたが、真空チャンバ1は矩形状に限らず、例えば、円筒状であってもよいし、さらには、鉛直方向に対面する2つの対面部に両アンテナ体を支持することとしてもよい。いずれにしても、第1アンテナ体と第2アンテナ体とが、真空チャンバの中で対面する部分に設けられていれば、各部材等の形状、構成は特に限定されない。
【0035】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、真空チャンバ内でプラズマを発生させて処理対象の被処理面にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 真空チャンバ
3 処理室
5 ワーク保持装置
8 第1電極棒
9 第2電極棒
10 接続部材
21 高周波電源
22 ガス供給源
A アンテナ体
A1、A3 第1アンテナ体
A2、A4 第2アンテナ体
W ワーク
W1 被処理面
図1
図2
図3
図4
図5