(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は実施形態に係る吊り下げ防爆形照明装置を示す正面図であり、
図2は吊り下げ防爆形照明装置を示す斜視図である。
吊り下げ防爆形照明装置1は、例えば工場等の比較的高い天面S等から吊り下げられる照明装置であり、灯具10と、この灯具10に連結された一対の吊り棒2,3とを備えている。灯具10は、光源(蛍光管)11を本体12の下面に支持して構成されている。光源11は、例えば、蛍光灯等の棒状の光源であり、本実施形態では、2本設けられている。
本体12は長手の箱体であり、本体12の長手方向に沿って光源11が設けられている。本体12内には光源11に電力を供給する電源装置(不図示)が収容され、電源装置には口出線等が接続される。電源装置からの口出線L1(
図13参照)は、一方の吊り棒3内を通って一方の吊り棒3の上端3Bから露出している。
【0014】
一対の吊り棒2,3は、中空に形成されたパイプであり、本体12の上面12Aに離間して連結されている。より具体的には、本体12の上面12Aには、吊り棒2,3を螺合するための2つの固定具13が離間して取り付けられており、各吊り棒2,3は、下端2A,3Aが固定具13に螺合されることにより本体12に固定されている。他方の吊り棒2の上端2Bは吊り金具20を用いて天面Sに固定され、一方の吊り棒3の上端3Bは端子箱40を用いて天面Sに固定されている。
天面Sには、商用電源等の電源線L2(
図13参照)を通す電線管Pが固定されており、吊り金具20は、電線管Pを跨ぐように天面Sに固定されている。
【0015】
図3は、他方の吊り棒2及び吊り金具20を示す斜視図である。
図4は他方の吊り棒2及び吊り金具20を示す図であり、
図4(A)は正面図、
図4(B)は側面図、
図4(C)は平面図である。
図5は、他方の吊り棒2及び吊り金具20を示す断面図であり、
図5(A)は全体図、
図5(B)は
図5(A)の範囲Vの拡大図である。
図6は、吊り金具20を下方から示す斜視図である。
図3〜
図5に示すように、他方の吊り棒2の上端2Bにはねじ部2Cが形成されており、このねじ部2Cに2つのロックナット(支持具)4が相互に離間して螺合されている。
【0016】
吊り金具20は、例えばアルミダイキャスト等の鋳物であり、対向する一対の壁部21と、これら一対の壁部21を繋ぐ底部22とを備えて側面視略U字状に形成されている。各壁部21の上端には、外側に延出する固定部23が設けられており、これらの固定部23が天面Sにねじ止めされることで吊り金具20が天面S(
図1)に固定される。
底部22には、他方の吊り棒2のロックナット4が両側から当接し、他方の吊り棒2のねじ部2Cの長さMは、底部22と、当該底部22に当接した2つのロックナット4との高さの和よりも長く形成されている。
【0017】
底部22には、他方の吊り棒2を挿通させる、U字状に切り欠いたU字溝24が形成されている。U字溝24は、U字の開口を本体12の長手方向外向きに配置してなる。また、底部22において、
図6に示すように、他方の吊り棒2の2つのロックナット4が当接する上座面22A及び下座面22Bが、一部が他より高くなった台座部22A1,22B1と、台座部22A1,22B1から底部22の厚みが減る方向に傾斜する傾斜部22A2,22B2とを備えて構成されている。したがって、ロックナット4は台座部22A1,22B1のみに当接するので、他方の吊り棒2に横方向の荷重がかかっても、座面22A,22Bに力が集中することがない。
【0018】
また、底部22には、
図3及び
図4に示すように、U字溝24の開口部両側に、座面22A,22Bよりも高くなったストッパ22Cが形成されており、このストッパ22CがU字溝24に嵌った他方の吊り棒2が当該U字溝24から外側へ脱出することを阻止する。したがって、他方の吊り棒2をU字溝24に挿通する際には、ロックナット4間を、ストッパ22Cの高さよりも大きくする。
【0019】
図7は、一方の吊り棒3及び端子箱40を示す斜視図である。
図8は一方の吊り棒3及び端子箱40を示す側面図であり、
図9は
図8のIX−IX断面を示す図である。
図10は端子箱40に仮留めされた一方の吊り棒3を示す斜視図である。
図11は、一方の吊り棒3及び分解された端子箱40を示す斜視図である。
図12は、リングを示す斜視図である。
【0020】
図7〜
図11に示すように、一方の吊り棒3の上端3Bには円盤状のフランジ5が設けられている。より詳細には、
図9に示すように、一方の吊り棒3の上端3Bにはねじ部3Cが形成されており、このねじ部3Cがフランジ5の中心に形成されたねじ孔5Aに螺合されている。このねじ孔5Aは、フランジ5を貫通するように設けられている。また、フランジ5の下面において、ねじ孔5Aの周囲は下方に突出するボス部5Bが形成されている。フランジ5の上面には、O−リング31を配置するための溝5Cが形成されている。
フランジ5の外周には、
図10に示すように、周方向に延びる2つの凸部5Dが、フランジ5の中心に対して対向するように設けられている。凸部5Dには凹部5Eが形成されており、フランジ5の底面には、凹部5Eに対応した位置に目印部5Fが形成されている。
【0021】
端子箱40は略円筒状に形成され、端子箱40の側面(外周面)には外側に延出する複数の固定部41が設けられており、この固定部41が天面Sにねじ止めされることで端子箱40が天面S(
図1)に固定される。
また、端子箱40の側面には、電線管P(
図1)を接続するための複数の接続部42が設けられている。本実施形態では、2つの接続部42が対向するように計4つの接続部42が形成され、接続部42間のそれぞれに固定部41が形成されている。接続部42は端子箱40の側面から外側に筒状に突出する部材であり、接続部42内には電線管Pをねじ込むためのねじ込み部42Aが形成されている。ねじ込み部42Aは、端子箱40を貫通して端子箱40の中空部Rに連通している。
【0022】
端子箱40内には、一方の吊り棒3を仮留めするための引っ掛け金具45が取り付けられており、一方の吊り棒3のフランジ5の上面にねじ固定したチェーン32を端子箱40内の引っ掛け金具45に引っ掛けることで、一方の吊り棒3が端子箱40に仮留めされる。
端子箱40の下部には、外側に延出するレール43が周方向に渡って形成されており、このレール43に連結リング50が係合される。また、
図9に示すように、レール43の下面には、フランジ5の溝5Cに対応する位置に、下方に突出する突起部44が形成されており、フランジ5が連結リング50に固定された際に、突起部44がO−リング31を押すことで、フランジ5と端子箱40との間がシールされる。
【0023】
端子箱40は、一方の吊り棒3のフランジ5を該端子箱40に連結する連結リング50を備えている。連結リング50は、一対の半割のリング体51を結合して構成されている。リング体51の外周面の端部には、リング体51を結合するための結合部52が形成されており、2つのリング体51は、この結合部52同士をねじ(止め具)53によって結合することで輪状の連結リング50となる。各リング体51の側面(外周面)にはビス54を貫通させる貫通孔55が対向するように形成されている。各リング体51の底面50Aには、貫通孔55に対応した位置に目印部55Aが形成されている。
【0024】
各リング体51の内周面50B上部には、
図12に示すように、レール43が嵌り合う周溝56が周方向に渡って形成されている。
また、各リング体51の内周面50Bには、周方向に延びる突条部57が形成されている。この突条部57の上面57Aは、下方から見た際に反時計回りに向けて先細りするように傾斜するとともに、突条部57の基部は上下に延びる当接面57Bを有している。
図10に示すように、連結リング50の底面50Aにおいて、突条部57が設けられていない凹部58の幅Wは、フランジ5の凸部5Dの長さWに一致している。突条部57とレール43との間に位置するリング体51の内周面50Bが、フランジ5の凸部5Dが配置される螺旋溝59となる。
【0025】
連結リング50は、
図9及び
図11に示すように、2つのリング体51のそれぞれを、端子箱40のレール43がリング体51の周溝56に嵌るように、端子箱40に組み付けてねじ53によって固定することで、端子箱40に回転可能に支持される。
【0026】
次に、吊り下げ防爆形照明装置1の組み付け方法について説明する。
図13は、取り付け途中の吊り下げ防爆形照明装置1を示す正面図である。
まず、吊り金具20及び端子箱40を天面Sに固定するとともに、端子箱40に電線管Pを接続し、電線管Pを通る電源線L2を、端子箱40の接続部42から端子箱40内及び連結リング50内を通して連結リング50の下部から露出させる。
【0027】
次に、
図3に示すように、他方の吊り棒2を吊り金具20のU字溝24に挿入する。このU字溝24は、他方の吊り棒2が外側から嵌る外向きのU字状に形成されているため、他方の吊り棒2をU字溝24に外側から嵌めるだけで吊り金具20に固定できるので、他方の吊り棒2を吊り金具20に容易に係合させることができる。このとき、ロックナット4は、吊り金具20の底部22(ストッパ22C)の厚みよりも大きく離間されている。
次いで、一方の吊り棒3のフランジ5の上面にねじ固定したチェーン32を端子箱40内の引っ掛け金具45に引っ掛けて、一方の吊り棒3を仮留めし、この状態で、一方の吊り棒3から延びる口出線L1と、端子箱40から延びる電源線L2とを結線する。
【0028】
そして、
図10に示すように、フランジ5の凸部5Dと連結リング50の凹部58との位置が整合していなければ、凸部5Dと凹部58が整合するまで連結リング50を周方向に回転する。次いで、結線した口出線L1及び電源線L2(
図13)及びチェーン32を端子箱40内に収納させながら、フランジ5の凸部5Dを連結リング50の凹部58に嵌め、連結リング50の底面50Aの開口50Cにフランジ5を嵌め合わせる。
【0029】
次に、凸部5Dの端部5D1が連結リング50の当接面57B(
図12)に当接するまで、連結リング50を周方向に回転(本実施形態では下方から見て左回転)する。このとき、フランジ5の凸部5Dは、連結リング50の突条部57の上面57A(
図12)に案内される。本実施形態では、突条部57の上面57Aが傾斜面となっているため、連結リング50を回転することで、フランジ5の凸部5Dがレール43と上面57Aとの間の螺旋溝59に挟持されて固定される。これにより、連結リング50とフランジ5との間の回転が防止され、フランジ5が連結リング50から外れることを防止できる。
この状態において、フランジ5と端子箱40とはO−リング31によってシールされているため、水分や埃等の異物が端子箱40内に浸入することがない。
【0030】
さらに、
図7に示すように、回り止め用のビス54を連結リング50の貫通孔55に通してフランジ5の凹部5Eに当接させることで、連結リング50とフランジ5との間の回転がより防止され、フランジ5が連結リング50から外れることを確実に防止できる。しかも、フランジ5には凹部5Eに対応する底面に目印部5Fが、連結リング50には貫通孔55に対応する位置の底面50Aに目印部55Aが設けられているため、凹部5Eと貫通孔55とが一致する位置にあるかどうかを目印部5F,55Aによって分かるようになっている。したがって、ビス54をフランジ5の凹部5Eに確実に当接させることができる。
【0031】
最後に、
図1に示すように、他方の吊り棒2のロックナット4を締めて、吊り下げ防爆形照明装置1の組み付けが完成する。ロックナット4を締めて、2つのロックナット4間の距離をストッパ22Cの高さより小さくすることにより、風圧荷重等の力がかかっても、ストッパ22CによってU字溝24に嵌った他方の吊り棒2の当該U字溝24から外側への脱出を阻止できる。
【0032】
とろこで、例えば回転可能な連結リングを一方の吊り棒側に設ける場合には、連結リングと、一方の吊り棒が別体となるので、部品点数が増加するだけでなく、連結リングを一方の吊り棒に通した状態で作業者が保持しなければならない。
これに対し、本実施形態では、端子箱40が一方の吊り棒3のフランジ5を端子箱40に連結するための連結リング50を備えたため、連結リングを一方の吊り棒側に設ける場合に比べ、取り扱い部品点数が減少するので、吊り下げ防爆形照明装置1の取り付け作業性を向上できる。さらに、連結リング50を一対の半割のリング体51で構成することで、部品点数を最小限に抑えつつ、連結リング50を回転可能に端子箱40に連結することができる。
このように、端子箱40により、一方の吊り棒3から延びる口出線L1と、端子箱40から延びる電源線L2とを容易に結線できるとともに、吊り下げ防爆形照明装置1を天面Sに容易に取り付けることができる。
【0033】
以上説明したように、本実施形態によれば、端子箱40が、一方の吊り棒3の上端3Bに固定されたフランジ5を、当該端子箱40に連結するための連結リング50を備えたため、連結リングを一方の吊り棒側に設ける場合に比べ、取り扱い部品点数が減少するので、吊り下げ防爆形照明装置1の取り付け作業性を向上できる。
【0034】
また、本実施形態によれば、一方の吊り棒3とは別に、灯具10に連結された他方の吊り棒2を備え、他方の吊り棒2は、吊り金具20を用いて天面Sに固定され、吊り金具20が、他方の吊り棒2が外側から嵌る外向きのU字溝24を備えたため、他方の吊り棒2をU字溝24に外側から嵌めるだけで吊り金具20に固定できるので、他方の吊り棒2を吊り金具20に容易に係合させることができる。
【0035】
また、本実施形態によれば、吊り金具20が、U字溝24に嵌った他方の吊り棒2の当該U字溝24から外側への脱出を阻止するためのストッパ22Cを備える構成とする。これにより、本体12の長手方向に風圧荷重等の力がかかっても、ストッパ22CによってU字溝24に嵌った他方の吊り棒2の当該U字溝24から外側への脱出を阻止できる。
【0036】
また、本実施形態によれば、吊り金具20が、U字溝24の座面22A,22Bに一部が他より高くなって他方の吊り棒2のロックナット4が当接する台座部22A1,22B1を備える構成とする。この構成により、風圧荷重等の力がかかっても、ストッパ22CによってU字溝24に嵌った他方の吊り棒2の当該U字溝24から外側への脱出を阻止できる。
【0037】
また、本実施形態によれば、端子箱40の下部に周方向に延びるレール43を備え、連結リング50が一対の半割のリング体51で構成され、各リング体51の内周面50Bにレール43が嵌り合う周溝56を備え、レール43と周溝56を整合させ、半割のリング体51同士をねじ53で結合させて、連結リング50を端子箱40に連結する構成とする。連結リング50を一対の半割のリング体51で構成することで、部品点数を最小限に抑えつつ、連結リング50を回転可能に端子箱40に連結することができる。
【0038】
また、本実施形態によれば、フランジ5が外周に凸部5Dを備え、連結リング50が底面50Aの開口50C周縁に凸部5Dが嵌る凹部58を備え、凸部5Dと凹部58を整合させ、連結リング50の底面50Aの開口50Cにフランジ5を嵌め合わせて、連結リング50を周方向に回転させたとき、フランジ5の凸部5Dを挟持する螺旋溝59を、連結リング50の内周面50Bに備える構成とする。この構成により、フランジ5の凸部5Dが螺旋溝59に挟持することができるので、比較的簡単な構成により、フランジ5が連結リング50から脱落することを防止できる。
【0039】
但し、上記実施形態は本発明の一態様であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、上記実施形態では、灯具10は光源として棒状の蛍光灯を備えていたが、光源はこれに限定されるものではなく、例えば、LED等の発光素子を備えていてもよい。
また、上記実施形態では、一対の半割のリング体51を止め具としてのねじ53で結合したが、リング体51の止め具はねじに限定されるものではない。
【0040】
また、例えば、
図14〜
図16に示すように、他方の吊り棒2の上端2Bにゴム等で形成した栓6を嵌合してもよい。この栓6により、雨や埃等が他方の吊り棒2内に入るのを防止できる。また、栓6の上部に上端2Bより外側に突出する鍔部6Aを設けることで、仮留め時にロックナット4が緩んだ状態にあっても、他方の吊り棒2が吊り金具20から抜けるのを防止でき、吊り下げ防爆形照明装置1をより安全に取り付けることができる。
【0041】
また、上記実施形態では、吊り下げ防爆形照明装置1は、棒状の光源11を支持すべく一対の吊り棒2,3を備えていたが、これに限定されるものではなく、例えば、吊り棒2のみを備えていてもよい。