(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、現在、電子部品の小型化に伴い、音叉型圧電振動片の小型化が進んでいる。特に、音叉型圧電振動片では、腕部の寸法変更が発振周波数に影響を及ぼすことから、基部の小型化が進められている。
【0006】
しかしながら、従来の音叉型圧電振動片において、基部の小型化を図ると、一対の励振電極から引出して一対の端子電極に接続する引出電極の電極パターンを形成する領域を確保することが困難になる。つまり、従来の音叉型圧電振動片では、基部の小型化に伴って引出電極の電極パターンの形成が困難化していた。
【0007】
そこで、本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、基部における引出電極の電極パターンの形成を容易に行うことが可能である音叉型圧電振動片、この音叉型圧電振動片を搭載した音叉型圧電振動デバイス、及び、前記音叉型圧電振動片の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る音叉型圧電振動片は、複数本の腕部と、これらの腕部を突出して設けた基部とを備える音叉型圧電振動片であって、前記腕部は、少なくとも一方の主面に溝部を有する励振部を含み、前記励振部には、前記溝部よりも前記腕部の突出方向の先端側に位置する先端部に、スルーホールが設けられており、前記溝部の内部を含む前記励振部の両主面に形成された励振電極が、前記スルーホールを介して導通されていることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、音叉型圧電振動片において、基部における引出電極の電極パターンの形成を容易に行うことが可能となる。具体的には、腕部(励振部)の両主面に形成された励振電極が、腕部に設けられたスルーホールにより導通される。このため、基部において、必ずしも、腕部の両主面の励振電極を導通させるための電極パターンを形成する必要がない。よって、基部での引出電極の電極パターン形成の自由度が増す。その結果、基部での引出電極の電極パターン形成の自由度が増すことから、基部での電極の断線や短絡の可能性が下がる。
【0010】
本発明に係る音叉型圧電振動片において、前記励振部の前記先端部は、基端側から前記先端側に向かって漸次幅広となる形状に形成されていてもよい。
【0011】
この構成では、励振部の先端部における電極形成領域を拡げることが可能となる。また、電極形成領域を拡げて、電極面積を拡げることにより、CI値を下げることが可能となる。
【0012】
また、本発明に係る音叉型圧電振動片において、前記スルーホールには、導電材料が充填されていてもよい。
【0013】
この構成では、スルーホールに導電材料が充填されているので、より安定した導通を確保できる。具体的には、異方性材料の水晶Z板からなる水晶ウエハをウェットエッチングして音叉型圧電振動片に、当該音叉型圧電振動片の基板を貫通するスルーホールを形成した場合、そのスルーホールの内側面は、均一な面とならず、凸凹な面となる。このような凸凹なスルーホールの内側面に電解メッキによりメッキ(導電材料)を析出させ、スルーホールの内側面に導電膜を形成する場合には、スルーホールの内側面に存在する凸部(エッジ部)などの電荷が集中し易いところで、核となるメッキが成長する。そのため、スルーホールの内側面に均一に導電膜が形成されないことがあり、結果として安定した導通を確保できない場合もある。しかしながら、スルーホールに導電材料が充填された構成では、スルーホールが導電性材料で満たされる。その結果、安定した導通を確保することができる。また、スルーホールに導電材料を充填する構成によれば、スルーホールの内側面に導電膜を形成する構成と比べ、スルーホール内における電極面積が拡張されるので、その結果、CI値が低下する。また、スルーホールに充填する導電材料に、音叉型圧電振動片の基板材料よりも比重の重い導電材料を使用すると、励振部の先端部が重くなるため、音叉型圧電振動片の発振周波数を下げることができる。
【0014】
また、本発明に係る音叉型圧電振動片において、前記腕部は、前記励振部よりも前記先端側に、当該音叉型圧電振動片の周波数調整に用いられる調整部を有していてもよい。
【0015】
この場合には、金属膜を形成する等して調整部の質量を調整することにより、音叉型圧電振動片の周波数を適宜調整することが可能となる。
【0016】
また、前記調整部は、当該音叉型圧電振動片の基板材料よりも比重の重い材料を含む錘部を有していてもよい。
【0017】
この構成では、調整部に設けた錘部によって腕部の質量を増加させることが可能である。このため、錘部によって腕部の質量を確保することにより、発振周波数の低周波数化を実現することができる。また、錘部によって腕部の質量が増すことに伴い、腕部が振動し易くなり、これにより小型化に伴うCI値の増大を抑制することが可能となる。
【0018】
また、本発明に係る音叉型圧電振動片によれば、前記励振部において、前記スルーホールは、前記腕部の突出方向に対して直交する幅方向の中心(中心位置)から偏位した位置に設けられていてもよい。
【0019】
この構成は、腕部単体の形状が左右非対称となる場合に有効な構成であり、例えば、異方性材料の水晶Z板からなる水晶ウエハをウェットエッチングして音叉型圧電振動片の外形を形成した場合、基板材料の結晶方向へのエッチングスピードの違いに起因して、腕部の幅方向に沿う各部位の厚みが異なり、腕部における基板の質量が左右対称とならないことがある。このことは、スルーホールの形成でも生じ、基板材料の結晶方向へのエッチングスピードの違いに起因して、スルーホールが平面視左右対称に形成されないことがある。平面視左右対称に形成されないスルーホールに対して、スルーホールの中心が、腕部の幅方向(腕部の突出方向に対して直交する方向)の中心に位置するようにスルーホールを形成すると、腕部の質量が左右非対称となり、振動損失を生じる可能性がある。そこで、本構成を音叉型圧電振動片に適用し、スルーホールを、腕部の幅方向の中心から偏位した位置に設けると、腕部の質量を左右対称に近づける、もしくは、左右対称にすることが可能となる。その結果、腕部の質量が左右非対称であることによりもたらされる振動損失を抑制することが可能となり、腕部を正常に振動させることが可能となる。
【0020】
本発明の音叉型圧電振動デバイスは、上記した本発明の音叉型圧電振動片が搭載されたことを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、上記した本発明の音叉型圧電振動片による作用効果を有する。
【0022】
また、本発明の音叉型圧電振動片の製造方法は、複数本の腕部と、これらの腕部を突出して設けた基部とを備える音叉型圧電振動片の製造方法であって、前記腕部の少なくとも一方の主面に、溝部を形成する工程と、前記溝部の内部を含む前記腕部の両主面に、励振電極を形成する工程と、前記腕部において、前記溝部の形成位置よりも前記腕部の突出方向の先端側に位置する先端部に、スルーホールを形成する工程と、前記スルーホールの内側面に、電解メッキにより導電材料をメッキして、前記腕部の両主面の前記励振電極を導通させる工程とを有することを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、上記した本発明の音叉型圧電振動片を製造することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、基部における引出電極の電極パターンの形成を容易に行うことが可能である音叉型圧電振動片、この音叉型圧電振動片を搭載した音叉型圧電振動デバイス、及び、前記音叉型圧電振動片の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施の形態では、音叉型圧電振動デバイスとして音叉型水晶振動子に本発明を適用した場合を示す。しかしながら、これは好適な実施の形態であり、本発明は、音叉型水晶振動子に限定されるものではなく、圧電材料を用いた音叉型圧電振動片を搭載した音叉型圧電振動デバイスであればよい。
【0027】
<実施の形態1>
本実施の形態1にかかる音叉型水晶振動子1(以下、水晶振動子という)は、
図1に示すように、フォトリソグラフィ法で成形された音叉型水晶振動片2(本発明でいう音叉型圧電振動片であり、以下、水晶振動片という)と、この水晶振動片2を搭載するベース4と、ベース4に搭載した(保持した)水晶振動片2を本体筐体内に気密封止するための蓋(図示省略)とが設けられて構成されている。
【0028】
この水晶振動子1では、ベース4と蓋とが接合されて本体筐体が構成されている。具体的には、ベース4と蓋とが封止材(図示省略)を介して接合され、この接合により本体筐体の内部空間11が形成されている。そして、この本体筐体の内部空間11内のベース4上に、導電性バンプ(図示省略)を介して水晶振動片2が保持接合されているとともに、本体筐体の内部空間11が気密封止されている。この際、ベース4に水晶振動片2が、金属材料(例えば金)等からなる導電性バンプを用いたFCB(Flip Chip Bonding)法により電気機械的に超音波接合される。
【0029】
次に、この水晶振動子1の各構成について説明する。
【0030】
ベース4は、
図1に示すように、底部41と、この底部41から上方に延出した堤部42とから構成される箱状体に形成されている。また、堤部42は、2層が積層されてなり、内部空間11に段部45が設けられる。このベース4は、セラミック材料からなる平面視矩形状の一枚板上に、セラミック材料の直方体が積層して凹状に一体的に焼成されている。また、堤部42は、
図1に示す底部41の平面視外周に沿って成形されている。この堤部42の上面には、蓋と接合するためのメタライズ層43が設けられている。なお、メタライズ層43は、例えば、タングステン層、あるいはモリブデン層上にニッケル,金の順でメッキした構成からなる。また、セラミック材料が積層して凹状に一体的に焼成されたベース4では、その内部空間11における長手方向の一端部および長手方向に沿った端部の一部に段部45が形成され、この段部45に、
図1に示すように、平面視面積の大きな電極パッド441と平面視面積の小さな電極パッド442が形成され、これら電極パッド441,442上に水晶振動片2が搭載保持されている。これらの電極パッド441,442は、それぞれに対応した引回電極(図示省略)を介して、ベース4の裏面に形成される端子電極(図示省略)に電気的に接続され、これら端子電極が外部部品や外部機器の外部電極に接続される。なお、これら電極パッド441,442、引回電極、端子電極は、タングステン、モリブデン等のメタライズ材料を印刷した後にベース4と一体的に焼成して形成される。そして、これら電極パッド441,442、引回電極、端子電極のうち一部のものについては、メタライズ上部にニッケルメッキが形成され、その上部に金メッキが形成されて構成される。
【0031】
蓋は、例えば金属材料からなり、平面視矩形状の一枚板に成形されている。この蓋の下面には、封止材の一部が形成されている。この蓋は、シーム溶接やビーム溶接、加熱溶融接合等の手法により封止材を介してベース4に接合され、これにより、蓋とベース4とによる水晶振動子1の本体筐体が構成される。
【0032】
次に、ベース4と蓋とによる水晶振動子1の本体筺体の内部空間11に配された水晶振動片2について説明する。
【0033】
水晶振動片2は、異方性材料の水晶Z板からなる水晶ウエハ(図示省略)から成形される。水晶振動片2の基板外形は、フォトリソグラフィ技術(フォトリソ工法)を用いて、レジストまたは金属膜をマスクとして例えばウエットエッチングによって一括的に成形されている。
【0034】
この水晶振動片2の基板は、振動部である第1腕部21及び第2腕部22と、これら第1腕部21及び第2腕部22が一端面231から突出して設けられた基部23とからなる外形を有する。
【0035】
基部23は、
図2に示すように、平面視左右対称形状とされ、第1腕部21及び第2腕部22よりも幅広に形成されている。また、基部23の一端面231付近は、一端面231の側から他端面232の側にかけて漸次幅広となるように形成されている。また、基部23の他端部(他端面232の側の端部)は、ベース4との接合部とされており、この基部23の他端部には、ベース4の電極パッド441,442と導電性バンプ(図示省略)を介して接合される2つの接合箇所27が設けられている。
【0036】
第1腕部21及び第2腕部22は、
図2に示すように、基部23の一端面231から突出して隙間部236を介して並設されている。なお、ここでいう隙間部236は、一端面231の幅方向の中央位置(中央領域)に設けられている。
【0037】
これら第1腕部21及び第2腕部22は、それぞれ、基部23の一端面231から突出する励振部211,221と、これら励振部211,221よりも先端側(第1腕部21及び第2腕部22の突出方向の先端側)に位置する調整部213,223とを有している。また、励振部211,221と調整部213,223との間に引出部214,224を有している。なお、
図1及び
図2において、調整部213,223と引出部214,224の境界を破線にて示す。
【0038】
励振部211,221の両主面(表面側の一主面と裏面側の他主面)には、水晶振動片2の小型化により劣化するCI値を改善させるために、溝部25がそれぞれ形成されている。
【0039】
また、励振部211,221において、溝部25よりも先端側に位置する先端部212,222には、水晶振動片2の基板を貫通するスルーホール26が設けられている。また、スルーホール26が設けられた励振部211,221の先端部212,222は、基端側から先端側に向かって漸次幅広となる形状に形成されており、これにより、励振部211,221の先端部における電極形成領域が拡げられている。また、電極形成領域を拡げて、電極面積を拡げることにより、CI値を下げることが可能となる。
【0040】
引出部214,224は、励振部211,221の先端部212,222と連なり延出するように、励振部211,221の先端部212,222の先端面の幅と同一幅で形成されている。
【0041】
調整部213,223は、引出部214,224と連なり延出するように、引出部214,224の先端面の幅と同一幅で形成されている。また、調整部213,223の先端隅部は曲面形成されており、これにより、外力を受けた時などにベース4の堤部42などに接触することを防止できる。
【0042】
上記した構成からなる水晶振動片2には、異電位で構成された第1励振電極31及び第2励振電極32と、引出電極33,34と、第1励振電極31及び第2励振電極32をベース4の電極パッド441,442に電気的に接合させるために第1励振電極31及び第2励振電極32から引出電極33,34を介して引き出された端子電極36,37とが形成されている。
【0043】
第1励振電極31及び第2励振電極32の一部は、溝部25の内部に形成されている。このため、水晶振動片2を小型化しても第1腕部21及び第2腕部22の振動損失が抑制され、CI値を低く抑えることができる。
【0044】
第1励振電極31は、第1腕部21の励振部211の両主面と、第2腕部22の励振部221の両側面とに形成されている。また、第1腕部21の励振部211の先端部212に設けられたスルーホール26の内側面には、導電材料261がメッキされており、このスルーホール26を介して、励振部211の両主面の第1励振電極31が導通されている。同様に、第2励振電極32は、第2腕部22の励振部221の両主面と、第1腕部21の励振部211の両側面とに形成されている。そして、第2腕部22の励振部221の先端部222に設けられたスルーホール26の内側面にも、導電材料261がメッキされており、このスルーホール26を介して、励振部221の両主面の第2励振電極32が導通されている。
【0045】
また、引出電極33,34は、基部23と第1腕部21及び第2腕部22の引出部214,224とに形成されている。具体的には、基部23に形成された引出電極33により、第1腕部21の励振部211の両主面に形成された第1励振電極31が、第2腕部22の励振部221の両側面に形成された第1励振電極31に繋げられている。ここで、第2腕部22の励振部221の両側面に形成された第1励振電極31は、第2腕部22の引出部224に形成された引出電極33により繋げられている。同様に、基部23に形成された引出電極34により、第2腕部22の励振部221の両主面に形成された第2励振電極32が、第1腕部21の励振部211の両側面に形成された第2励振電極32に繋げられている。ここで、第1腕部21の励振部211の両側面に形成された第2励振電極32は、第1腕部21の引出部214に形成された引出電極34により繋げられている。
【0046】
また、端子電極36,37は、基部23に形成されている。具体的には、基部23における電極パッド441との接合箇所27に接続された端子電極36が、第1励振電極31から引き出された引出電極33に接続されており、これにより、電極パッド441と第1励振電極31との電気的接続が可能とされている。同様に、基部23における電極パッド442との接合箇所27に接続された端子電極37が、第2励振電極32から引き出された引出電極34に接続されており、これにより、電極パッド442と第2励振電極32との電気的接続が可能とされている。
【0047】
また、第1腕部21及び第2腕部22の調整部213,223には、水晶振動片2の周波数調整に使用された周波数調整用金属膜35が形成されている。
【0048】
上記した水晶振動片2において、第1励振電極31と第2励振電極32とに電圧を印加すると、第1腕部21(励振部211)の内側と外側(両側面)との間、及び、第2腕部22(励振部221)の内側と外側(両側面)との間に電界が発生する。具体的には、第1腕部21の励振部211には、上記したように、両主面に溝部25が設けられ、これら溝部25とは別の箇所(すなわち、溝部25よりも先端側)に両主面の第1励振電極31を導通させるためのスルーホール26が設けられている。このため、第1腕部21では、溝部25の内部とスルーホール26の内部とにより、内側の励振領域が構成される。同様に、第2腕部22の励振部221には、両主面に溝部25が設けられており、溝部25とは別の箇所(すなわち、溝部25よりも先端側)に両主面の第2励振電極32を導通させるためのスルーホール26が設けられている。このため、第2腕部22でも、溝部25の内部とスルーホール26の内部とにより、内側の励振領域が構成される。このような構成によれば、第1腕部21及び第2腕部22のそれぞれにおいて、六倍波等の高周波振動の抑制のために溝部25の長さ(第1腕部21及び第2腕部22の突出方向の長さ)を短く設定(例えば、励振部211,221の長さ700〜740μm程度に対して、溝部の長さを650〜730μm程度に設定)した場合であっても、溝部25とスルーホール26とによって内側の励振領域を拡張することができる。よって、第1励振電極31及び第2励振電極32に電圧を印加した時に、第1腕部21(励振部211)及び第2腕部22(励振部221)のそれぞれにおいて、内側(溝部25の内部とスルーホール26の内部)と外側(両側面)との間に、十分な電界を発生させることができ、電気的な励振の強度を十分に確保できる。
【0049】
また、上記した水晶振動片2において、第1腕部21(励振部211)の両主面の第1励振電極31及び第2腕部22(励振部221)の両主面の第2励振電極32は、それぞれ、第1腕部21(励振部211)及び第2腕部22(励振部221)のそれぞれに設けられたスルーホール26により導通される。このため、基部23において、必ずしも、第1腕部21の両主面の第1励振電極31及び第2腕部22の両主面の第2励振電極32をそれぞれ導通させるための電極パターンを形成する必要がない。よって、基部23での引出電極33,34の電極パターン形成の自由度が増し、基部23における引出電極33,34の電極パターンの形成を容易に行うことが可能となる。その結果、基部23での引出電極33,34の電極パターン形成の自由度が増すことから、基部23での電極の断線や短絡の可能性が下がる。
【0050】
次に、上記した水晶振動片2の製造方法について説明する。
【0051】
本実施の形態では、異方性材料の水晶Z板からなる1枚の水晶ウエハを用い、水晶ウエハから、多数個の水晶振動片2をマトリックス状に一括形成する。具体的には、下記の第1工程〜第5工程を有する製造方法により水晶振動片2を形成する。
【0052】
−第1工程−
第1工程では、例えば、フォトリソグラフィ技術を用い、レジストまたは金属膜をマスクとして水晶ウエハをウェットエッチングすることにより、多数個の水晶振動片2の外形を一括成形する。
【0053】
−第2工程−
第2工程では、例えば、フォトリソグラフィ技術を用い、レジストまたは金属膜をマスクとして、水晶ウエハをウェットエッチングすることにより、第1腕部21及び第2腕部22のそれぞれにおいて、溝部25の形成位置よりも第1腕部21及び第2腕部22の突出方向の先端側(励振部211,221の先端部212,222)にスルーホール26を形成する。
【0054】
−第3工程−
第3工程では、フォトリソグラフィ技術を用い、レジストまたは金属膜をマスクとして水晶ウエハをウェットエッチングすることにより、水晶振動片2の第1腕部21及び第2腕部22(具体的には、励振部211,221)の両主面に溝部25を形成する。
【0055】
−第4工程−
第4工程では、第1励振電極31及び第2励振電極32、引出電極33,34、端子電極36,37、並びに周波数調整用金属膜35を形成する。具体的には、第1励振電極31を、第1腕部21(励振部211)の溝部25の内部を含む両主面と、第2腕部22(励振部221)の両側面とに形成する。また、第2励振電極32を、第2腕部22(励振部221)の溝部25の内部を含む両主面と、第1腕部21(励振部211)の両側面とに形成する。引出電極33を、基部23と第2腕部22(引出部224)とに形成し、引出電極34を、基部23と第1腕部21(引出部214)とに形成する。また、端子電極36,37を、基部23に形成する。さらに、周波数調整用金属膜35を、第1腕部21及び第2腕部22の調整部213,223に形成する。
【0056】
なお、第1励振電極31及び第2励振電極32、引出電極33,34、及び端子電極36,37は、例えば、水晶振動片2の基板(水晶ウエハ)に、金属蒸着によってクロム(Cr)層を形成し、このクロム層上に金(Au)層を形成して構成される薄膜である。この薄膜は、真空蒸着法やスパッタリング法などの手法により基板全体に形成した後、フォトリソグラフィ技術によりメタルエッチングして所望の形状に形成することで、一体的に同時形成することが可能である。なお、第1励振電極31、第2励振電極32、引出電極33,34、及び端子電極36,37を構成する薄膜は、クロム(Cr)、金(Au)の順に形成してなるが、例えば、クロム(Cr)、銀(Ag)の順や、クロム(Cr)、金(Au)、クロム(Cr)の順や、クロム(Cr)、銀(Ag)、クロム(Cr)の順や、クロム(Cr)、金(Au)、クロム(Cr)、銀(Ag)の順に形成してなるものであってもよい。また、クロム(Cr)、金(Au)、クロム(Cr)、金(Au)等の複数の膜が積層されたものであってもよい。下地のクロム(Cr)は、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、クロム(Cr)とニッケル(Ni)との合金からなるニクロムなどであってよい。また、第1励振電極31及び第2励振電極32を構成する薄膜、引出電極33,34を構成する薄膜、並びに端子電極36,37を構成する薄膜は、全て同一の構成であってもよいし、それぞれ、異なる構成であってもよい。
【0057】
また、周波数調整用金属膜35は、例えば、水晶振動片2の基板(水晶ウエハ)に、金属蒸着によってクロム(Cr)層を形成し、このクロム層上に金属蒸着によって金(Au)層を形成し、この金層上に金をメッキして構成される。この周波数調整用金属膜35におけるクロム層と、このクロム層上の金層とは、上記した第1励振電極31及び第2励振電極32、引出電極33,34、及び端子電極36,37を構成するクロム層と金層と同時形成することが可能である。なお、周波数調整用金属膜35は、クロム(Cr)、金(Au)、金(Au)メッキの順に形成してなるが、これに限定されず、例えば、クロム(Cr)、金(Au)、銀(Ag)メッキの順に形成してなるものであってもよい。下地のクロム(Cr)は、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、クロム(Cr)とニッケル(Ni)との合金からなるニクロムなどであってよい。
【0058】
−第5工程−
第5工程では、スルーホール26の内側面に、電解メッキにより導電材料261をメッキする。このスルーホール26の内側面にメッキされた導電材料261により、第1腕部21(励振部211)の両主面の第1励振電極31が導通し、第2腕部22(励振部221)の両主面の第2励振電極32が導通する。なお、スルーホール26の内側面にメッキされる導電材料261としては、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)等を使用することができる。また、導電材料261として、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)等の水晶よりも比重の大きい材料を使用すると、第1腕部21及び第2腕部22の質量を重くすることができ、これにより、水晶振動片2の発振周波数の低周波数化を図ることが可能となる。
【0059】
以上のように構成された水晶振動片2では、周波数を計測した後、周波数調整用金属膜35をビーム照射などで減少させたり、パーシャル蒸着により増加させたりすることで、周波数が調整されている。
【0060】
なお、実施の形態1では、第1工程と第2工程とを同時に実施した後、第3工程、第4工程、第5工程を順に実施している。具体的には、水晶振動片2の外形と、スルーホール26とを同時形成した後、溝部25を形成する。そして、溝部25の形成の後、第1励振電極31及び第2励振電極32を含む各種電極を形成し、次いで、スルーホール25の内部に導電材料261をメッキする。本発明の製造方法は、溝部25を形成する工程と、励振電極(第1励振電極31及び第2励振電極32)を形成する工程と、スルーホール26を形成する工程と、スルーホール26の内部に導電材料261をメッキする工程とを有していればよく、これら工程を実施する順番は、上記したような実施の形態1の製造方法における各工程(第1工程〜第5工程)の順番に限定されない。例えば、上記した実施の形態1では、スルーホール26を形成する工程(第2工程)の後に、溝部25を形成する工程(第3工程)を実施しているが、溝部25を形成する工程の後に、スルーホール26を形成する工程を実施してもよい。
【0061】
このような実施の形態1に係る水晶振動片2の製造方法によれば、第1腕部21及び第2腕部22のそれぞれにおいて、溝部25よりも先端側にスルーホール26を形成するため、溝部25によりもたらされる特性を低下させることなく、電解メッキにより、スルーホール26の内部に導電材料261をメッキすることができる。
【0062】
一方、従来の水晶振動片として、腕部に溝部を設けず、貫通孔(スルーホール)を腕部に設けた水晶振動片(例えば、特開2004−129181号公報の
図1参照)、及び、腕部に溝部を設け、基部に貫通孔(スルーホール)を設けた水晶振動片(特開2004−129181号公報の
図2及び
図3)がある。このような従来の腕部に溝部を有する水晶振動片の構成に、腕部に貫通孔を設ける構成を組み合わせると、腕部の溝部内に貫通孔を形成することとなる。しかし、溝部は、貫通孔を形成できる十分な面積を有していないため、溝部の中に貫通孔を形成することは困難である。また、溝部内に貫通孔があると、剛性が下がるため、腕部が折れ易くなってしまう。さらに、従来の水晶振動片において、腕部の溝部内に貫通孔を形成する場合には、貫通孔の内部に電解メッキにより導電材料をメッキする時に、その導電材料が腕部の溝部内に流れ込んで溝部の内部全体に拡がり、この結果、腕部の溝部によりもたらされる特性が低下、例えば、水晶振動片のQ値が低下するといった問題を生じる。
【0063】
これに対して、実施の形態1に係る水晶振動片2の製造方法では、上記の通り、第1腕部21及び第2腕部22のそれぞれにおいて、溝部25とは別の箇所、即ち、溝部25よりも先端側にスルーホール26を形成する。このため、スルーホール26の形成が容易である。また、溝部25内に貫通孔(スルーホール26)を有していないため、剛性の低下がなく、第1腕部21及び第2腕部22の強度を確保できる。さらに、スルーホール26の内側面に、電解メッキにより導電材料261をメッキするときに、その導電材料261が溝部25内に流れ込んで溝部25の内部全体に拡がることが抑制される。よって、スルーホール26の内部にメッキされる導電材料261が、第1腕部21及び第2腕部22の溝部25内に拡がることによりもたらされる特性の低下、例えば、Q値の低下が防止される。
【0064】
<実施の形態2>
本実施の形態2に係る水晶振動子1は、水晶振動片2の第1腕部21及び第2腕部22の調整部213,223の構成が、上記した実施の形態1と異なる。その他の構成については、実施の形態1に係る水晶振動子1と同一の構成であり、実施の形態1に係る水晶振動子1と同一の構成については、実施の形態1と同様の作用効果及び変形例を有する。そこで、本実施の形態2に係る水晶振動子1の説明においては、主に、実施の形態1に係る水晶振動子1と異なる点について説明する。
【0065】
本実施の形態2において、水晶振動片2の第1腕部21及び第2腕部22の調整部213,223の先端部には、
図3に示すように、錘部28がそれぞれ設けられている。この錘部28は、調整部213,223の少なくとも一主面に溝を形成し、もしくは調整部213,223の両主面を貫通する貫通孔を形成し、この溝もしくは貫通孔に、水晶よりも比重の重い充填材281を充填することにより構成されている。ここで、錘部28を構成する充填材281は、水晶振動片2の基板材料(即ち、水晶)よりも比重の重い材料であれば、特に限定されず、導電性物質及び非導電性物質のいずれであってもよい。貫通孔もしくは溝に電解メッキにより充填材281を充填して錘部28を形成する場合には、充填材281として、例えば、金、銀等の電解メッキが可能な金属を用いることが好ましい。
【0066】
実施の形態2に係る水晶振動片2の構成によれば、第1腕部21及び第2腕部22の調整部213,223に設けた錘部28によって、第1腕部21及び第2腕部22の質量を増加させることが可能となる。このため、錘部28によって、第1腕部21及び第2腕部22の質量を確保することにより、発振周波数の低周波数化を実現することが可能となる。また、錘部28によって第1腕部21及び第2腕部22の質量が増すことに伴い、第1腕部21及び第2腕部22が振動し易くなり、これにより小型化に伴うCI値の増大を抑制することが可能となる。
【0067】
なお、錘部28の形状は、特に限定されず、例えば、平面視多角形状、平面視円形状、平面視半円形状のいずれの形状であってもよい。例えば、調整部213,223の先端部に貫通孔もしくは溝を形成し、この貫通孔もしくは溝に充填材281を充填して錘部28を形成する場合には、貫通孔もしくは溝に充填材281を電解メッキする際に、充填材281が調整部213,223の先端側から溢れ出ることがないよう、
図3に示すように、先端側の端部の幅を絞った形状に錘部28を構成する貫通孔もしくは溝が形成されることが好ましい。
【0068】
また、上記した実施の形態1及び2の水晶振動片2では、励振部211,221の先端部212,222に設けられたスルーホール26の内側面に導電材料261をメッキすることにより、励振部211,221の両主面の第1励振電極31及び第2励振電極32を導通させるスルーホール26が形成されているが、これらのスルーホール26内には、
図4に示すように、導電材料261が充填されていてもよい。
【0069】
ところで、異方性材料の水晶Z板からなる水晶ウエハをウェットエッチングして水晶振動片2に、水晶振動片2の基板を貫通するスルーホール26を形成した場合、そのスルーホール26の内側面は、均一な面とならず、凸凹な面となる。このような凸凹なスルーホール26の内側面に電解メッキによりメッキ(導電材料261)を析出させ、スルーホール26の内側面に導電膜を形成する場合(
図2参照)には、スルーホール26の内側面に存在する凸部(エッジ部)などの電荷が集中し易いところで、核となるメッキが成長する。そのため、スルーホール26の内側面に均一に導電膜が形成されないことがあり、結果として安定した導通を確保できない場合もある。
【0070】
しかしながら、
図4に示す水晶振動片2によれば、スルーホール26に導電材料261を充填するので、スルーホール26が導電材料261で満たされる。その結果、安定した導通を確保することができる。また、スルーホール26に導電材料261を充填する構成によれば、スルーホール26の内側面に導電膜を形成する構成と比べ、スルーホール26内における電極面積が拡張されるので、その結果、CI値が低下する。また、スルーホール26に充填する導電材料261に、水晶振動片2の基板材料(即ち、水晶)よりも比重の重い導電材料261を使用すると、励振部211,221の先端部212,222が重くなるため、水晶振動片2の発振周波数を下げることができる。
【0071】
また、スルーホール26内に導電材料261を充填すると、駆動後の励振状態が安定するため、例えば、水晶振動子1が叩かれる等して水晶振動片2が軽度の衝撃を受けた場合であっても、ノイズの影響を受け難い。
【0072】
上記した実施の形態1及び2の水晶振動片2において、スルーホール26は、
図1〜
図3に示すように、当該スルーホール26の中心が第1腕部21及び第2腕部22の幅方向(第1腕部21及び第2腕部22の突出方向に対して直交する方向)の中心に位置するように設けられているが、
図5に示すように、スルーホール26は、第1腕部21及び第2腕部22の幅方向の中心から偏位した位置に設けられていもよい。この構成は、第1腕部21の単体の形状及び第2腕部22の単体の形状が左右非対称となる場合に有効な構成である。例えば、上記した水晶ウエハをウェットエッチングして水晶振動片2の外形を形成した場合、基板材料の結晶方向へのエッチングスピードの違いに起因して、第1腕部21及び第2腕部22の幅方向(第1腕部21及び第2腕部22の突出方向に対して直交する幅方向)に沿う各部位の厚みが異なり、第1腕部21及び第2腕部22のそれぞれにおける基板の質量が左右対称とならないことがある。このことは、スルーホール26の形成でも生じ、基板材料の結晶方向へのエッチングスピードの違いに起因して、スルーホール26が平面視左右対称に形成されないことがある。平面視左右対称に形成されないスルーホール26に対して、スルーホール26の中心が第1腕部21及び第2腕部22の幅方向(第1腕部21及び第2腕部22の突出方向に対して直交する方向)の中心に位置するようにスルーホール26を形成すると、第1腕部21及び第2腕部22のそれぞれの質量が左右非対称となり、振動損失を生じる可能性がある。そこで、
図5に示すように、スルーホール26を、第1腕部21及び第2腕部22の幅方向の中心から偏位した位置に設けると、第1腕部21及び第2腕部22の質量を左右対称に近づける、もしくは、左右対称にすることが可能となる。その結果、第1腕部21及び第2腕部22のそれぞれの質量が左右非対称であることによりもたらされる振動損失を抑制することが可能となり、第1腕部21及び第2腕部22を正常に振動させることが可能となる。
【0073】
なお、第1腕部21及び第2腕部22の幅方向の中心から偏位した位置にスルーホール26を設ける構成において、スルーホール26の位置は、
図5に示すような、第1腕部21及び第2腕部22の幅方向の中心よりも平面視左寄りの位置に限定されない。また、第1腕部21及び第2腕部22のそれぞれにおいて質量が左右対称に近づく、もしくは左右対称となれば、第1腕部21におけるスルーホール26の位置と、第2腕部21におけるスルーホール26の位置は、異なっていてよい。
【0074】
上記した実施の形態1及び2の水晶振動片2において、第1腕部21及び第2腕部22は、それぞれ、励振部211,221の先端部212,222、引出部214,224、及び調整部213,223が、他の部分に比べて、幅広(第1腕部21及び第2腕部22の突出方向に対して直交する方向に幅広)となる形状に成形にされているが、励振部211,221の基端から調整部213,223の先端に亘って同一幅となる形状に形成されていても、励振部211,221の先端部212,222にスルーホール26を設けたことによる本発明の効果を得ることができる。
【0075】
上記した実施の形態1及び2の水晶振動片2において、励振部211,221の先端部212,222は、
図1〜
図3に示すように、基端側から先端側に向かって漸次幅広になるようにテーパー状に形成されているが、基端側から先端側に向かって漸次幅広になる構成としてはテーパー状に限らず、段差形状や、
図6に示すような曲面を有する形状とされてもよい。
【0076】
また、上記した実施の形態1及び2の水晶振動片2において、第1腕部21及び第2腕部22には、それぞれ、調整部213,223が設けられているが、これら調整部213,223が設けられていなくても、励振部211,221の先端部212,222にスルーホール26を設けたことによる本発明の効果を得ることは可能である。例えば、第1腕部21及び第2腕部22は、それぞれ、励振部211,221と、これら励振部211,221の先端部212,222の先端面から延出する引出部214,224とのみから構成されてもよい。或いは、第1腕部21及び第2腕部22が、それぞれ、励振部211,221のみで構成されており、第1腕部21の励振部211の先端面に、第1腕部21の両側面の第2励振電極32を接続する引出電極34が形成され、第2腕部22の励振部221の先端面に、第2腕部22の両側面の第1励振電極31を接続する引出電極33が形成された構成とされていてもよい。
【0077】
上記した実施の形態1及び2の水晶振動片2においては、基部23に、ベース4の電極パッド441,442との接合箇所27が設けられているが、例えば、
図7に示すように、基部23の他端面232から突出する接合部24を設け、この接合部24に、ベース4の電極パッド441,442との接合箇所27を設けてもよい。この場合において、端子電極36,37は接合部24に形成される。
【0078】
具体的には、
図7に示す水晶振動片2において、基部23は、平面視左右対称形状とされている。また、基部23は、一端面231の側の部位が一端面231と同一幅で、他端面232の側の部位が一端面231の側から他端面232の側にかけて漸次幅狭になるように曲面形成されている。
【0079】
さらに、
図7に示す水晶振動片2において、接合部24は、基部23の他端面232の幅方向の中央部から突出して設けられている。この接合部24は、基部23の他端面232に対して平面視垂直方向に突出した短辺部241と、短辺部241の先端部と連なり基部23の幅方向に延出する長辺部242とから構成され、長辺部242の先端部243は、基部23の幅方向に向いている。すなわち、接合部24は、平面視直角に折曲された平面視L字状に成形されている。また、接合部24には、ベース4の電極パッド441,442と導電性バンプ(図示省略)を介して接合される2つの接合箇所27が設けられている。また、接合部24には、接合箇所27と接続された端子電極36,37が形成されており、この端子電極36,37が、基部23に形成された引出電極33,34を介して、第1腕部21及び第2腕部22に形成された第1励振電極31及び第2励振電極32と接続されている。
【0080】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。