特許第5935690号(P5935690)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5935690
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月15日
(54)【発明の名称】樹脂組成物、プリプレグおよび積層板
(51)【国際特許分類】
   B32B 5/28 20060101AFI20160602BHJP
   B32B 15/08 20060101ALI20160602BHJP
   B32B 27/38 20060101ALI20160602BHJP
   C08L 63/00 20060101ALI20160602BHJP
   C08G 59/62 20060101ALI20160602BHJP
   C08J 5/24 20060101ALI20160602BHJP
   C08L 61/06 20060101ALI20160602BHJP
   C08K 3/00 20060101ALI20160602BHJP
   C08K 5/3415 20060101ALI20160602BHJP
【FI】
   B32B5/28
   B32B15/08
   B32B27/38
   C08L63/00 B
   C08G59/62
   C08J5/24CFC
   C08L61/06
   C08K3/00
   C08K5/3415
【請求項の数】10
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2012-509697(P2012-509697)
(86)(22)【出願日】2011年4月7日
(86)【国際出願番号】JP2011058791
(87)【国際公開番号】WO2011126070
(87)【国際公開日】20111013
【審査請求日】2014年3月12日
(31)【優先権主張番号】特願2010-89801(P2010-89801)
(32)【優先日】2010年4月8日
(33)【優先権主張国】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004466
【氏名又は名称】三菱瓦斯化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】小柏 尊明
(72)【発明者】
【氏名】高橋 博史
(72)【発明者】
【氏名】宮平 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】加藤 禎啓
【審査官】 渡辺 陽子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−003167(JP,A)
【文献】 特開2001−254001(JP,A)
【文献】 特開2009−035728(JP,A)
【文献】 特開2010−229227(JP,A)
【文献】 特開2003−138103(JP,A)
【文献】 特開2006−299246(JP,A)
【文献】 特開2008−214602(JP,A)
【文献】 特開2006−249343(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00−101/14
C08K 3/00−13/08
C08G 59/00−59/72
C08J 5/24
B32B 5/28
B32B 15/08
B32B 27/38
B32B 27/38
H01L 21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と
非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)、
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(B)、
マレイミド化合物(C)、
無機充填剤(D)、および
ナフトールアラルキル樹脂(E)
を含んでなり、
前記非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)が、非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(B)およびマレイミド化合物(C)の合計質量100質量部に対して、20〜60質量部含まれ
前記ナフトールアラルキル樹脂(E)の含有量が、前記ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(B)を含むフェノール樹脂全体量に対して、80質量%以下であり、前記基材に含浸または塗布された樹脂組成物と、
を有するプリプレグ。
【請求項2】
非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)が、フェノールフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂およびナフトールアラルキル型エポキシ樹脂からなる群から選択されるものである、請求項1に記載のプリプレグ
【請求項3】
前記ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(B)が、下記式(I)で表されるものである、請求項1または2に記載のプリプレグ
【化1】
(式中、mは1以上の整数を示す。)
【請求項4】
前記ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(B)が、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂中の合計の水酸基数と、上記した非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)中のエポキシ基数との比(OH/Ep)が0.7〜1.4の範囲となる量で含まれる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプリプレグ
【請求項5】
前記マレイミド化合物(C)が、非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(B)およびマレイミド化合物(C)の合計質量100質量部に対して、5〜50質量部含まれる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプリプレグ
【請求項6】
前記無機充填剤(D)が、非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(B)およびマレイミド化合物(C)の合計質量100質量部に対して、50〜150質量部含まれる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプリプレグ
【請求項7】
シリコーンパウダー(F)をさらに含んでなる、請求項1〜のいずれか一項に記載のプリプレグ
【請求項8】
前記無機充填剤(D)がベーマイトである、請求項1〜のいずれか一項に記載のプリプレグ
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のプリプレグを積層成形した、積層板。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のプリプレグと金属箔とを積層成形した、金属箔張積層板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は樹脂組成物に関し、より詳細には、プリント配線板用プリプレグに使用される樹脂組成物、その樹脂組成物を基材に含浸または塗布したプリプレグ、およびそのプリプレグを硬化させて得られる積層板に関する。
【発明の背景】
【0002】
熱硬化性樹脂は、その架橋構造が高い耐熱性や寸法安定性を発現するため、電子部品等の高い信頼性を要求される分野において広く使用されている。近年、熱硬化性樹脂を用いて作製されるプリント配線板等の高密度化がますます加速していることから、銅張積層板には、微細配線形成のための高い銅箔接着性や、ドリルまたは打ち抜きによる穴開け加工の際の加工性が必要とされる。また、近年の環境問題から、鉛フリー半田による電子部品の搭載やハロゲンフリーによる難燃化が要求されており、銅張積層板用の熱硬化性樹脂には、従来よりも高い耐熱性および難燃性が要求されている。さらに、製品の安全性や作業環境の向上のため、毒性の低い成分のみで構成され、毒性ガス等が発生しない熱硬化性樹脂組成物が望まれている。
【0003】
臭素含有難燃剤に代わるハロゲンフリーの難燃剤として、リン化合物が提案されている。このような難燃化に用いられるリン化合物としては、トリフェニルホスフェートやクレジルジフェニルフォスフェートなどのリン酸エステル類が用いられている。しかしながら、リン酸エステルはアルカリに対する耐性が低いため、リン酸エステルを含むエポキシ樹脂などを用いてプリント基板を製造した場合、デスミア処理または粗化プロセスにおいて、リン酸化合物が分解して材料成分が溶出したり、得られたプリント基板の吸水率が高くなるという問題がある(特許文献1〜3)。また、これらのリン酸化合物の可塑性に起因して、樹脂のガラス転移点が低下したり、破断強度や破断伸度の低下などを招く。
【0004】
上記の問題に対する解決策として、リン化合物をエポキシ樹脂骨格に組み込むことが提案されており(特許文献4)、デスミア処理や粗化プロセスの際の処理液へ、リン化合物が溶出する問題や、樹脂のガラス転移点の低下などの問題が低減できると考えられている。
【0005】
しかしながら、リン化合物をその骨格に組み込んだエポキシ樹脂やフェノール樹脂などは高価であることに加えて、十分な難燃性を得るためにはリン化合物を多量に樹脂中に配合しなければならず、その樹脂組成物の諸特性を劣化させることになる。また、リン化合物は燃焼時にホスフィンなどの有毒化合物が発生する恐れもある。
【0006】
ところで、リン化合物以外の他の難燃剤として金属水和物が知られており、例えば、水酸化アルミニウムは、加熱時に結晶水を放出する反応を利用した難燃剤であることが知られている(特許文献5)。水酸化アルミニウムを樹脂に配合した場合、水酸化アルミニウムの一般構造であるギブサイトの配合量が多いと、加熱時に放出される結晶水の影響により、樹脂の耐熱性が低下することがあった。さらに、他の難燃剤としては、窒素を含有する樹脂としてアミノトリアジン骨格を含有するフェノール樹脂も提案されているが(特許文献6参照)、その配合量が多くなると、加熱時の分解ガスの発生で耐熱性が低下することがあった。
【0007】
また、臭素含有難燃剤やリン化合物以外の、上記したような金属水和物を難燃剤として用いる場合、樹脂組成物中の無機充填材の含有量が高くなるため、得られる樹脂が硬く脆くなり、ドリルビットの摩耗が早く、ドリルビットの折損や孔位置精度の低下によりドリルビットの交換の頻度が増えるなど、ドリル加工性が著しく低下してしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−124489号公報
【特許文献2】特開2001−254001号公報
【特許文献3】特開2004―067968号公報
【特許文献4】特開2001−283639号公報
【特許文献5】特開2001−226465号公報
【特許文献6】特開2008−127530号公報
【発明の概要】
【0009】
したがって、本発明の目的は、ハロゲン化合物やリン化合物を使用することなく、優れた難燃性を維持しつつ、耐熱性、耐リフロー性およびドリル加工性にも優れ、かつ吸水率も低いプリント配線板用樹脂組成物を提供することである。
【0010】
そして、本発明による樹脂組成物は、
非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)、
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(B)、
マレイミド化合物(C)、および
無機充填材(D)、
を含んでなるものである。
【0011】
また、本発明の別の態様によれば、上記樹脂組成物を、基材に含浸または塗布してなるプレプリグ、ならびに、そのプリプレグを硬化して得られる積層板およびそのプリプレグと金属箔とを積層し硬化してなる金属箔張積層板も提供される。
【0012】
本発明によれば、ハロゲン化合物やリン化合物を使用することなく、優れた難燃性を維持しつつ、耐熱性、耐リフロー性およびドリル加工性にも優れ、かつ吸水率も低いプリント配線板用樹脂組成物を実現することができる。その結果、本発明による樹脂組成物を基材に含浸または塗布させたプリプレグを硬化して得られる積層板または金属箔張積層板は、ハロゲン化合物やリン化合物を含有することなく高い難燃性が得られ、低吸水率でドリル加工性が優れることから、耐熱性、耐リフロー性、信頼性および生産性が要求される半導体用プラスチックパッケージ用のセンターコア材に好適である。
【発明の具体的説明】
【0013】
本発明による樹脂組成物は、非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(B)、マレイミド化合物(C)、および無機充填剤(D)を必須成分として含む。以下、本発明による樹脂組成物を構成する各成分について説明する。
【0014】
<非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)>
本発明において用いられる非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、分子骨格内にハロゲン原子を有しない化合物であれば特に制限なく使用することができる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、3官能フェノール型エポキシ樹脂、4官能フェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、アラルキルノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ポリオール型エポキシ樹脂、グリシジルアミン、グリシジルエステル、ブタジエンなどの2重結合をエポキシ化した化合物、水酸基含有シリコーン樹脂類とエピクロルヒドリンとの反応により得られる化合物等が挙げられる。これらのなかでも、難燃性の観点から、特にアラルキルノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。アラルキルノボラック型エポキシ樹脂としては、フェノールフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノールビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)は、単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0015】
非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)は、樹脂の総量100質量部に対して、20〜60質量部含まれていることが好ましい。ここで、樹脂の総量とは、非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(B)およびマレイミド化合物(C)の合計質量をいうものとする。
【0016】
<ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(B)>
本発明において用いられるビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(B)は、下記式(I)で表される、1分子中にフェノール性水酸基を2個以上有する樹脂である。
【0017】
【化1】
(式中、mは1以上の整数を示す。)
【0018】
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(B)は、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂中の合計の水酸基数と、上記した非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)中のエポキシ基数との比(OH/Ep)が0.7〜1.4の範囲となる量で含まれていることが好ましい。OH/Epが上記範囲となる量でビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(B)が含有されることにより、ガラス転移温度を維持しながら耐熱性を向上させることができる。具体的なビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(B)の含有量は、非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)の含有量にもよるが、ガラス転移温度および耐熱性の観点から、樹脂の総量に対して5〜55質量部が好ましい。
【0019】
上記のビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(B)は、従来公知の方法により合成することができる。ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(B)の好ましい重量平均分子量は、500〜8,000程度である。ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(B)として、市販のものを使用してもよく、例えば、KAYAHARD GPH−103(日本化薬株式会社製)等を好適に使用することができる。
【0020】
本発明の効果が損なわれない範囲において、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(B)に加えて、他のナフトール樹脂および/またはフェノール樹脂を併用してもよい。他のナフトール樹脂および/またはフェノール樹脂としては、1分子内で芳香族性の環に結合する水素原子が水酸基で2個以上置換された化合物であれば特に制限なく使用することができ、例えば、ナフトールアラルキル樹脂、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、Xylok型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ポリビニルフェノール類、アラルキル型フェノール樹脂などが挙げられる。これらのなかでも、耐熱性、吸水率の観点から、特に、下記式(II)で表されるナフトールアラルキル樹脂(E)が好ましい。
【0021】
【化2】
(式中、nは1以上の整数を示す。)
【0022】
ナフトールアラルキル樹脂(E)の配合量は、難燃性、ドリル加工性、低吸水性および耐熱性の観点から、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(B)を含むフェノール樹脂全体量に対して、80質量%以下であることが好ましい。
【0023】
上記のナフトールアラルキル樹脂(E)は、従来公知の方法により合成することができる。ナフトールアラルキル樹脂(E)の好ましい重量平均分子量は、200〜1,000程度である。ナフトールアラルキル樹脂(E)として、市販のものを使用してもよく、例えば、SN−495(新日鐵化学株式会社製)等を好適に使用することができる。
【0024】
<マレイミド化合物(C)>
本発明において用いられるマレイミド化合物(C)は、1分子中に1個以上のマレイミド基を有する化合物であれば特に制限なく使用することができる。例えば、N−フェニルマレイミド、N−ヒドロフェニルマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス{4−(4−マレイミドフェノキシ)−フェニル}プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3,5−ジエチル−4−マレイミドフェニル)メタンなどが挙げられる。上記したビスマレイミド化合物は、モノマーの形態だけでなく、プレポリマーの形態であってもよく、また、ビスマレイミド化合物とアミン化合物とのプレポリマーなどの形態であってもよい。これらのマレイミド化合物(C)は、単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。これらのなかでも、耐熱性の観点から、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス{4−(4−マレイミドフェノキシ)−フェニル}プロパン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタンが好ましい。
【0025】
耐熱性、耐リフロー性、および低吸水率の観点から、マレイミド化合物(C)は、樹脂の総量100質量部に対して、5〜50質量部含まれていることが好ましく、より好ましくは5〜20質量部である。
【0026】
<無機充填剤(D)>
本発明において用いられる無機充填剤(D)は、電気配線板用の樹脂組成物に通常用いられる無機充填剤であれば特に制限なく用いることができる。例えば、天然シリカ、溶融シリカ、アモルファスシリカ、中空シリカ等のシリカ類、ベーマイト、酸化モリブデン、モリブデン酸亜鉛等のモリブデン化合物、アルミナ、タルク、焼成タルク、マイカ、ガラス短繊維、球状ガラス(Eガラス、Tガラス、Dガラスなどのガラス微粉末類)などが挙げられる。これら無機充填剤は、単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。難燃性および耐熱性の観点から、上記した無機充填剤のなかでもベーマイトが好ましい。
【0027】
無機充填剤(D)は、分散性の観点から、平均粒子径(D50)が0.2〜5μmであることが好ましい。なお、D50とは、メジアン径を意味し、測定した粉体の粒度分布を2つに分けたときの大きい側と小さい側が等量となる径である。無機充填剤のD50値は、一般的には湿式レーザー回折・散乱法により測定される。
【0028】
無機充填剤(D)は、樹脂の総量100質量部に対して、50〜150質量部含まれていることが好ましく、より好ましくは50〜140質量部である。無機充填剤(D)の含有量を上記範囲とすることにより、高い耐燃性と成形性とを両立させることができる。
【0029】
無機充填剤(D)は単独で樹脂組成物に添加されてもよいが、シランカップリング剤や湿潤分散剤と併用して添加されてもよい。シランカップリング剤としては、一般に無機物の表面処理に使用されているシランカップリング剤であれば特に制限なく使用することができる。例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン系、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシシラン系、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのビニルシラン系、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩などのカチオニックシラン系、フェニルシラン系などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、上記したシランカップリング剤は、単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0030】
湿潤分散剤としては、塗料用に一般的に使用されている分散安定剤であれば、特に制限なく使用することができる。これら分散安定剤は市販のものを使用してもよく、例えばビッグケミー・ジャパン(株)製のDisperbyk−110、111、180、161、BYK−W996、W9010、W903等を好適に使用することができる。
【0031】
<シリコーンパウダー(F)>
本発明による樹脂組成物は、必要に応じて、シリコーンパウダー(F)を含んでいてもよい。シリコーンパウダー(F)は、燃焼時間を遅らせ、難燃効果を高める難燃助剤としての作用がある。好適に使用できるシリコーンパウダー(F)としては、シロキサン結合が三次元網目状に架橋したポリメチルシルセスキオキサンを微粉末化したもの、ビニル基含有ジメチルポリシロキサンとメチルハイドロジェンポリシロキサンの付加重合物を微粉末化したもの、ビニル基含有ジメチルポリシロキサンとメチルハイドロジェンポリシロキサンの付加重合物による微粉末の表面にシロキサン結合が三次元網目状に架橋したポリメチルシルセスキオキサンを被覆させたもの、無機担持体表面にシロキサン結合が三次元網目状に架橋したポリメチルシルセスキオキサンを被覆させたもの等が挙げられる。これらシリコーンパウダー(F)は、分散性の観点から、平均粒子径(D50)が1〜15μmであることが好ましい。
【0032】
シリコーンパウダーの含有量は、樹脂の総量100質量部に対して、1〜30質量部含まれていることが好ましく、より好ましくは1〜20質量部である。シリコーンパウダーの含有量が30質量部を超えると、成形性や分散性が低下する場合がある。
【0033】
<その他の成分>
本発明による樹脂組成物は、上記した成分以外にも、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。例えば、硬化速度を適宜調節するために、硬化促進剤が含まれていてもよい硬化促進剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチレンジアミン、トリエタノールアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の三級アミン類、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の有機ホスフィン類、オクチル酸亜鉛などの金属化合物、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩などが挙げられる。また、上記した硬化促進剤は、単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。硬化促進剤の添加量は、樹脂の硬化度や樹脂組成物の粘度等の観点から適宜調整でき、通常は、樹脂の総量100質量部に対して0.01〜15質量部程度である。
【0034】
本発明による樹脂組成物は、所期の特性が損なわれない範囲において、他の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、およびそのオリゴマーやエラストマー類などの種々の高分子化合物、他の難燃性の化合物、添加剤などが添加されていてもよい。これらは、プリント配線板用の樹脂組成物に一般に使用されているものであれば、特に制限なく使用することができる。例えば、難燃性の化合物としては、メラミンやベンゾグアナミンなどの窒素含有化合物やオキサジン環含有化合物などが挙げられる。添加剤としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光重合開始剤、蛍光増白剤、光増感剤、染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベリング剤、光沢剤、重合禁止剤等が挙げられ、これら添加剤は、必要に応じて、単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0035】
<プリプレグ>
本発明によるプリプレグは、上記した樹脂組成物を、基材に含浸または塗布したものである。基材としては、各種プリント配線板材料に用いられている公知のものを使用することができる。例えば、Eガラス、Dガラス、Sガラス、NEガラス、Tガラス、Qガラス等のガラス繊維、もしくはガラス以外の無機繊維、または、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステルなどの有機繊維が挙げられ、使用用途や性能によって適宜選択できる。これらの基材の中でも、面方向の膨張率とドリル加工性とのバランスに優れるEガラスのガラス繊維を使用することがより好ましい。
【0036】
基材の形態としては、樹脂組成物を含浸または塗布できるものであれば特に制限なく使用することができる。例えば、織布、不織布、ロービング、チョップドストランドマット、サーフェシングマットなどが挙げられる。また、基材の厚みは、通常は0.01〜0.30mm程度であるが、この範囲に限定されるものではない。
【0037】
本発明によるプリプレグは、上記した樹脂組成物を、基材に含浸または塗布することにより製造できる。例えば、上記した樹脂組成物と有機溶剤とからなる樹脂ワニスを基材に含浸または塗布させた後、100〜200℃の乾燥機中で、1〜60分加熱させて樹脂を半硬化させることにより製造する。基材に対する樹脂組成物(無機充填材を含む)の含有量は、プリプレグ全体に対して20〜90質量%の範囲であることが好ましい。
【0038】
有機溶剤は、樹脂組成物の粘度を下げ、ハンドリング性を向上させると共にガラスクロスとの含浸性を高めるために用いられる。樹脂ワニスに使用される有機溶剤としては、非ハロゲン系エポキシ樹脂(A)、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(B)及びマレイミド化合物(C)が溶解するものであれば、特に制限なく使用することができる。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミドなどのアミド類等が挙げられるが、これに限定されるものではない。また、これら有機溶剤は、単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0039】
<積層板>
本発明による積層板は、上記したプリプレグを積層し、成形(硬化)したものである。積層板は、上記したプリプレグを1枚または2枚以上を重ね合わせ、所望によりその片面または両面に、銅やアルミニウムなどの金属箔を配置して積層し、成形(硬化)することにより製造する。使用する金属箔としては、プリント配線板材料に用いられるものであれば、特に制限なく使用することができる。また、積層成形には、通常のプリント配線板用積層板および多層板の手法を採用できる。例えば、積層成形の条件としては、多段プレス、多段真空プレス、連続成形、オートクレーブ成形機などを使用し、温度は100〜300℃、圧力は2〜100kgf/cm、加熱時間は0.05〜5時間の範囲が一般的である。また、本発明においては、上記したプリプレグと、別途準備した内層用の配線板とを組み合わせて積層成形することにより、多層板とすることもできる。
【実施例】
【0040】
以下に実施例および比較例を示し、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0041】
実施例1
<樹脂組成物の調製>
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)35質量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)50質量部、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−70、ケイアイ化成製)15質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0042】
<金属箔張り積層板の作製>
上記にようにして得られたプリプレグを、4枚重ねて12μm厚の電解銅箔(3EC−III、三井金属鉱業(株)製)を上下に配置し、圧力30kgf/cm、温度220℃で120分間の積層成形を行い、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0043】
実施例2
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)20質量部、ナフトールアラルキル樹脂(SN−495、新日鐵化学(株)製、水酸基当量:236g/eq.)20質量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)45質量部、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−70、ケイアイ化成(株)製)15質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0044】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0045】
実施例3
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)15質量部、クレゾールノボラック樹脂(PHENOLITE KA−1165、DIC(株)製、水酸基当量:119g/eq.)15質量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)55質量部、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−70、ケイアイ化成(株)製)15質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0046】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0047】
実施例4
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)15質量部、フェノールノボラック樹脂(TD−2090、DIC(株)製、水酸基当量:105g/eq.)15質量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)55質量部、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−70、ケイアイ化成(株)製)15質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0048】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0049】
実施例5
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)15質量部、ナフタレン骨格型フェノール樹脂(EPICLON EXB−9500、DIC(株)製、水酸基当量:153g/eq.)15質量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)55質量部、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−70、ケイアイ化成(株)製)15.0質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0050】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0051】
実施例6
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)35質量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)50質量部、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−70、ケイアイ化成(株)製)15質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、シリコーンレジンで表面を被覆したシリコーンゴムパウダー(シリコーン複合パウダーKMP−605、信越化学工業(株)製)20質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0052】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0053】
実施例7
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)40質量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)45質量部、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−70、ケイアイ化成(株)製)15質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、シリコーンレジンパウダー(トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社 製)20質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0054】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0055】
実施例8
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)50質量部とフェノールノボラック型エポキシ樹脂(EPICLON N−770、エポキシ当量:190g/eq.、DIC(株)製)30質量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(EPICLON N−680、エポキシ当量:215g/eq.、DIC(株)製)5質量部、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−70、ケイアイ化成(株)製)15質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0056】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0057】
実施例9
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)55質量部とナフタレン型エポキシ樹脂(EPICLON EXA−4032−70M、エポキシ当量:152g/eq.、DIC(株)製)15質量部、ナフタレン骨格型4官能エポキシ樹脂(EPICLON EXA−4710、エポキシ当量:170g/eq.、DIC(株)製)15質量部、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−70、ケイアイ化成(株)製)15質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0058】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0059】
実施例10
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)35質量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)50質量部、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−70、ケイアイ化成(株)製)15質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、Eガラスフィラー(EGF、平均粒子径(D50)1.41μm、旭化成エレクトロニクス(株)製)100質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0060】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0061】
実施例11
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)35質量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)50質量部、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−70、ケイアイ化成(株)製)15質量部、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、球状溶融シリカ(SC2050MOB、アドマテックス(株)製)120質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で3分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0062】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0063】
実施例12
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)40質量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)55質量部、ビスマレイミドオリゴマー(DAIMIDO−100、大和化成工業(株)製)5質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0064】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0065】
実施例13
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)35質量部とアミノトリアジンノボラック樹脂(EXB−9891、水酸基当量:137g/eq.、DIC(株)製)5質量部、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)45質量部、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−70、ケイアイ化成(株)製)15質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0066】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0067】
実施例14
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)35質量部とアミノトリアジンノボラック樹脂(PHENOLITE LA−3018−50P、水酸基当量:151g/eq.、DIC(株)製)5質量部、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)45質量部、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−70、ケイアイ化成製)15質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0068】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0069】
実施例15
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)20質量部、ナフトールアラルキル樹脂(SN−495、新日鐵化学(株)製、水酸基当量:236g/eq.)15質量部とアミノトリアジンノボラック樹脂(PHENOLITE LA−3018−50P、水酸基当量:151g/eq.、DIC(株)製)5質量部、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)45質量部、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−70、ケイアイ化成(株)製)15.0質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0070】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0071】
実施例16
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)15質量部、ナフタレン骨格型フェノール樹脂(EPICLON EXB−9500、DIC(株)製、水酸基当量:153g/eq.)15質量部とアミノトリアジンノボラック樹脂(PHENOLITE LA−3018−50P、水酸基当量:151g/eq.、DIC(株)製)5質量部、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)50質量部、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−70、ケイアイ化成(株)製)15質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0072】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0073】
実施例17
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)35質量部とアミノトリアジンノボラック樹脂(PHENOLITE LA−3018−50P、水酸基当量:151g/eq.、DIC(株)製)5質量部、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)45質量部、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−70、ケイアイ化成(株)製)15質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、シリコーンレジンで表面を被覆したシリコーンゴムパウダー(シリコーン複合パウダーKMP−605、信越化学工業(株)製)20質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0074】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0075】
実施例18
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)35質量部とアミノトリアジンノボラック樹脂(PHENOLITE LA−3018−50P、水酸基当量:151g/eq.、DIC(株)製)5質量部、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)45質量部、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−70、ケイアイ化成(株)製)15質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、シリコーンレジンパウダー(トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社 製)20質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0076】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0077】
比較例1
ナフトールアラルキル樹脂(SN−495、新日鐵化学(株)製、水酸基当量:236g/eq.)35質量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)50質量部、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−70、ケイアイ化成(株)製)15質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0078】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0079】
比較例2
クレゾールノボラック樹脂(PHENOLITE KA−1165、DIC(株)製、水酸基当量:119g/eq.)25質量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)60質量部、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−70、ケイアイ化成(株)製)15質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0080】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0081】
比較例3
フェノールノボラック樹脂(TD−2090、DIC(株)製、水酸基当量:105g/eq.)25質量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)60質量部、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−70、ケイアイ化成(株)製)15質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0082】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0083】
比較例4
ナフタレン骨格型フェノール樹脂(EPICLON EXB−9500、DIC(株)製、水酸基当量:153g/eq.)30質量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)55質量部、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−70、ケイアイ化成(株)製)15質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0084】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0085】
比較例5
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)45質量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)55質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0086】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0087】
比較例6
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)20質量部、ナフトールアラルキル樹脂(SN−495、新日鐵化学(株)製、水酸基当量:236g/eq.)20質量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)60質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0088】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0089】
比較例7
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)20質量部、クレゾールノボラック樹脂(PHENOLITE KA−1165、DIC(株)製、水酸基当量:119g/eq.)20質量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)60質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0090】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0091】
比較例8
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)15質量部、フェノールノボラック樹脂(TD−2090、DIC(株)製、水酸基当量:105g/eq.)15質量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)70質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0092】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0093】
比較例9
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)20質量部、ナフタレン骨格型フェノール樹脂(EPICLON EXB−9500、DIC(株)製、水酸基当量:153g/eq.)20質量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)60質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0094】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0095】
比較例10
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)25質量部とアミノトリアジンノボラック樹脂(PHENOLITE LA−3018−50P、水酸基当量:151g/eq.、DIC(株)製)10質量部、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)65質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0096】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0097】
比較例11
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)14質量部、ナフトールアラルキル樹脂(SN−495、新日鐵化学(株)製、水酸基当量:236g/eq.)14質量部とアミノトリアジンノボラック樹脂(PHENOLITE LA−3018−50P、水酸基当量:151g/eq.、DIC(株)製)10質量部、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)62質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0098】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0099】
比較例12
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)12質量部、ナフタレン骨格型フェノール樹脂(EPICLON EXB−9500、DIC(株)製、水酸基当量:153g/eq.)12質量部とアミノトリアジンノボラック樹脂(PHENOLITE LA−3018−50P、水酸基当量:151g/eq.、DIC(株)製)10質量部、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)66質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0100】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0101】
比較例13
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)20質量部とアミノトリアジンノボラック樹脂(PHENOLITE LA−3018−50P、水酸基当量:151g/eq.、DIC(株)製)20質量部、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)60質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0102】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0103】
比較例14
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)10質量部、ナフトールアラルキル樹脂(SN−495、新日鐵化学(株)製、水酸基当量:236g/eq.)10質量部とアミノトリアジンノボラック樹脂(PHENOLITE LA−3018−50P、水酸基当量:151g/eq.、DIC(株)製)20質量部、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)60質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0104】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0105】
比較例15
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)10質量部、ナフタレン骨格型フェノール樹脂(EPICLON EXB−9500、DIC(株)製、水酸基当量:153g/eq.)10質量部とアミノトリアジンノボラック樹脂(PHENOLITE LA−3018−50P、水酸基当量:151g/eq.、DIC(株)製)20質量部、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)60質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更に湿潤分散剤(BYK−W903、ビッグケミージャパン(株)製)1.5質量部、ベーマイト(APYRAL AOH60、Nabaltec製)120質量部、イミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0106】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0107】
比較例16
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)35質量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)50質量部、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−70、ケイアイ化成(株)製)15質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更にイミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0108】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0109】
比較例17
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)20質量部、ナフトールアラルキル樹脂(SN−495、新日鐵化学(株)製、水酸基当量:236g/eq.)20質量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)45質量部、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−70、ケイアイ化成(株)製)15質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更にイミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0110】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0111】
比較例18
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)20質量部、クレゾールノボラック樹脂(PHENOLITE KA−1165、DIC(株)製、水酸基当量:119g/eq.)20質量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)45質量部、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−70、ケイアイ化成(株)製)15質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更にイミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0112】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0113】
比較例19
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)20質量部、フェノールノボラック樹脂(TD−2090、DIC(株)製、水酸基当量:105g/eq.)20質量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)45質量部、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−70、ケイアイ化成(株)製)15質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更にイミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0114】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0115】
比較例20
フェニルアラルキル型フェノール樹脂(KAYAHARD GPH−103、日本化薬(株)製、水酸基当量:231g/eq.)20質量部、ナフタレン骨格型フェノール樹脂(EPICLON EXB−9500、DIC(株)製、水酸基当量:153g/eq.)20質量部とビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000−FH、エポキシ当量:321g/eq.、日本化薬(株)製)45質量部、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−70、ケイアイ化成(株)製)15質量部をメチルエチルケトンで溶解混合し、更にイミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)0.01質量部を混合してワニスを得た。このワニスをメチルエチルケトンで希釈し、厚さ0.1mmのEガラス織布に含浸塗工し、160℃で5分間加熱乾燥して、樹脂含有量47.5質量%のプリプレグを得た。
【0116】
得られたプリプレグを用いて実施例1と同様にして、絶縁層厚さ0.4mmの銅張り積層板を得た。
【0117】
<金属箔張積層板の評価>
得られた金属箔張積層板について、難燃性、吸水性、耐熱性、耐リフロー性およびドリル加工性の評価を行った。難燃性および吸水性の評価は、金属箔張積層板をエッチングにより銅箔を全て除去した後、下記方法で行った。
(1)燃焼試験
UL94垂直燃焼試験法に準拠して評価を行った。
(2)吸水性
予め125℃、2時間乾燥機で乾燥させた50×50mmのサンプルを、プレッシャー・クッカー試験装置(平山製作所(株)製)を用いて121℃、2atmの条件で5時間放置した後の質量変化を測定し、放置前の質量に対する質量増加分を吸水率(質量%)として算出した。
【0118】
金属箔張積層板の耐熱性、耐リフロー性およびドリル加工性の評価は下記方法で行った。
(3)耐熱性
50×50mmのサンプルを、280℃半田に30分間フロートさせて、デラミネーションの有無を目視判定により行った。評価基準は以下の通りとした。
○:全く異常なし
×:0〜30分間フロートさせている間にデラミネーション発生
【0119】
(4)耐リフロー性
金属箔張り積層板の両面に残銅率約63%のパターンを形成したものを内層コアとして、レジンシート(ABF GX−13、厚み37.5μm、味の素ファインテクノ(株)製)と最外層に銅箔12μmをビルドアップさせ、180℃、1時間30分乾燥機で加熱した4層板を作製した。120×60mmにカットし、半田リフロー装置(サラマンダー、島津製作所(株)製)で最高到達温度280℃リフローを20回行ってビルドアップ層のデラミネーション有無を目視判定により行った。評価基準は以下の通りとした。
○:全く異常なし
×:デラミネーション発生
【0120】
(5)ドリル加工性
金属張り積層板を4枚重ね、バックアップボードにPS−1160G(利昌工業(株)製)、エントリーシートにLE450(三菱瓦斯化学(株)製)を用い、ND−1 V212(日立ビアメカニクス(株)製)にて回転数2000kpm、送り速度2.0m/minでドリル加工を行い、アナライザーにて9000〜10000穴の穴位置を測定した。
【0121】
難燃性、吸水率、耐熱性、耐リフロー性およびドリル加工性の評価結果は、下記の表1〜4に示す通りであった。なお、表中の樹脂組成の数値は質量部を表す。
【0122】
【表1】
【0123】
【表2】
【0124】
【表3】
【0125】
【表4】
【0126】
表1および2から明らかなように、実施例1〜18の樹脂組成物を用いた金属箔張積層板は、いずれも、難燃性、吸水率、耐熱性、耐リフロー性およびドリル加工性が優れている。これに対し、表3および4から明らかなように、比較例1〜18の樹脂組成物を用いた金属箔張積層板においては、難燃性、吸水率、耐熱性、耐リフロー性およびドリル加工性の各性能のバランスがとれたものは無く、いずれかの特性が劣っている。さらに、上記の評価結果から、以下のことが言える。
【0127】
1)比較例1〜4では、実施例1のビフェニルアラルキル樹脂を含有せず、他のフェノール樹脂を使用しているためドリル加工性に劣っている。
2)比較例5〜9では、実施例1〜5のビスマレイミドが含まれていないため、耐熱性、耐リフロー性、難燃性に劣っている。
3)比較例10〜12では、実施例1,2,5のビスマレイミドを含有せず、難燃化のため窒素を含有したアミノトリアジンノボラックを添加したが難燃効果が低く、高温での窒素の遊離によって、樹脂の耐リフロー性が劣っている。
4)比較例13〜15では、実施例1,2,5のビスマレイミドを含有せず、比較例10〜12より更に難燃化するため、窒素を含有したアミノトリアジンノボラックを増量した結果、十分な難燃性は得られるものの、高温での窒素の遊離によって樹脂の耐リフロー性だけでなく耐熱性も悪化する。
5)比較例16〜20では、実施例1〜5のベーマイトを含有していないため、十分なドリル加工性は得られるものの、難燃性および吸水率に劣る。
【0128】
本発明による樹脂組成物を用いた積層板は、ハロゲン化合物やリン化合物を使用することなく、優れた難燃性を維持しつつ、耐熱性、耐リフロー性およびドリル加工性にも優れ、かつ吸水率も低いプリント配線板用樹脂組成物を実現することができる。