特許第5935729号(P5935729)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5935729
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月15日
(54)【発明の名称】位置情報送信システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20160602BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20160602BHJP
   H04W 4/02 20090101ALI20160602BHJP
【FI】
   G08G1/09 H
   G01C21/26 B
   H04W4/02 150
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-48146(P2013-48146)
(22)【出願日】2013年3月11日
(65)【公開番号】特開2014-174827(P2014-174827A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2015年3月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100768
【氏名又は名称】アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120352
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100152087
【弁理士】
【氏名又は名称】伏木 和博
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 伸
【審査官】 島倉 理
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−096638(JP,A)
【文献】 特開平08−202995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/09
G01C 21/26
H04W 4/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一情報端末装置の現在位置の情報を送信する位置情報送信システムであって、
前記第一情報端末装置の現在位置を取得する第一位置取得部と、
前記第一情報端末装置の現在位置の情報を、前記第一情報端末装置とは異なる第二情報端末装置に送信する第一位置送信部と、
前記第二情報端末装置の現在位置を取得する第二位置取得部と、
前記第一情報端末装置の現在位置と前記第二情報端末装置の現在位置との距離である端末間距離を判定する距離判定部と、を備え、
前記第一位置送信部は、前記端末間距離が予め定めた第一設定値より大きく第二設定値未満の範囲内では、前記端末間距離が短くなるに従って、前記第一情報端末装置の現在位置の情報の送信頻度を段階的又は連続的に高くし、前記端末間距離が前記第一設定値以下の範囲及び前記第二設定値以上の範囲では、前記送信頻度を一定にする位置情報送信システム。
【請求項2】
前記第一設定値の前後で前記送信頻度の値が連続し、前記第二設定値の前後で前記送信頻度の値が連続し、前記第一設定値以下の範囲での前記送信頻度が前記第二設定値以上の範囲での前記送信頻度よりも高い請求項1に記載の位置情報送信システム。
【請求項3】
前記第一情報端末装置が移動しているか否かを判定する第一移動判定部を更に備え、
前記第一位置送信部は、前記第一情報端末装置の現在位置の情報の送信頻度を前記端末間距離に応じて異ならせるように設定した2つの設定マップである移動判定中用設定マップと非移動判定中用設定マップとを用い、前記第一移動判定部の判定結果に応じて、前記第一情報端末装置が移動していると判定した場合には前記移動判定中用設定マップに基づき前記送信頻度を設定し、前記第一情報端末装置が移動していないと判定した場合には前記移動判定中用設定マップよりも低い送信頻度に設定された前記非移動判定中用の設定マップに基づき前記送信頻度を設定する請求項1又は2に記載の位置情報送信システム。
【請求項4】
前記第一情報端末装置が移動しているか否かを判定する第一移動判定部を更に備え、
前記第一位置送信部は、前記第一移動判定部の判定結果に応じて前記送信頻度を異ならせる請求項1から3のいずれか一項に記載の位置情報送信システム。
【請求項5】
前記第一位置送信部は、前記第一移動判定部により前記第一情報端末装置が移動していると判定された場合は、移動していないと判定された場合よりも、前記送信頻度を高くする請求項に記載の位置情報送信システム。
【請求項6】
前記第一位置送信部は、前回送信したときからの経過時間が、予め定めた強制送信判定時間以上になったと判定した場合、前記端末間距離に応じた前記送信頻度に関わらず、前記第一情報端末装置の現在位置の情報を送信する請求項1からのいずれか一項に記載の位置情報送信システム。
【請求項7】
第一情報端末装置の現在位置の情報を送信する位置情報送信方法であって、
演算処理装置が、
前記第一情報端末装置の現在位置を取得する第一位置取得ステップと、
前記第一情報端末装置の現在位置の情報を、前記第一情報端末装置とは異なる第二情報端末装置に送信する第一位置送信ステップと、
前記第二情報端末装置の現在位置を取得する第二位置取得ステップと、
前記第一情報端末装置の現在位置と前記第二情報端末装置の現在位置との距離である端末間距離を判定する距離判定ステップと、を実行し、
前記第一位置送信ステップでは、前記端末間距離が予め定めた第一設定値より大きく第二設定値未満の範囲内では、前記端末間距離が短くなるに従って、前記第一情報端末装置の現在位置の情報の送信頻度を段階的又は連続的に高くし、前記端末間距離が前記第一設定値以下の範囲及び前記第二設定値以上の範囲では、前記送信頻度を一定にする位置情報送信方法。
【請求項8】
第一情報端末装置の現在位置の情報を送信する処理をコンピュータに実行させるための位置情報送信プログラムであって、
前記第一情報端末装置の現在位置を取得する第一位置取得ステップと、
前記第一情報端末装置の現在位置の情報を、前記第一情報端末装置とは異なる第二情報端末装置に送信する第一位置送信ステップと、
前記第二情報端末装置の現在位置を取得する第二位置取得ステップと、
前記第一情報端末装置の現在位置と前記第二情報端末装置の現在位置との距離である端末間距離を判定する距離判定ステップと、をコンピュータに実行させ、
前記第一位置送信ステップでは、前記端末間距離が予め定めた第一設定値より大きく第二設定値未満の範囲内では、前記端末間距離が短くなるに従って、前記第一情報端末装置の現在位置の情報の送信頻度を段階的又は連続的に高くし、前記端末間距離が前記第一設定値以下の範囲及び前記第二設定値以上の範囲では、前記送信頻度を一定にする位置情報送信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第一情報端末装置の現在位置の情報を送信する位置情報送信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような位置情報送信システムに関連して、例えば下記の特許文献1に記載された技術が既に知られている。特許文献1に記載されている技術では、第一情報端末装置が目標地点に近づくと、第二情報端末装置との間で、現在位置の情報の送受信を開始するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−298448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、通信コストや通信に要する情報端末装置の処理負荷等を考慮すると、通信頻度は必要最小限に抑えることが好ましい。
しかしながら、特許文献1の技術では、目標地点と情報端末装置との距離に応じて現在位置の情報を送受信するか否かが判定されるだけであるので、情報端末装置の現在位置の情報を送受信する頻度が、必ずしも適切なものとならない場合があった。例えば、情報端末装置の間の距離が近い場合と遠い場合とでは、相手方の情報端末装置の現在位置の情報の必要性は異なるため、適切な送受信頻度も異なるはずである。
【0005】
そこで、情報端末装置の間の距離に応じて、情報端末装置の現在位置の情報を送受信する頻度を異ならせることができる位置情報送信システムが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る、第一情報端末装置の現在位置の情報を送信する位置情報送信システムの特徴構成は、前記第一情報端末装置の現在位置を取得する第一位置取得部と、前記第一情報端末装置の現在位置の情報を、前記第一情報端末装置とは異なる第二情報端末装置に送信する第一位置送信部と、前記第二情報端末装置の現在位置を取得する第二位置取得部と、前記第一情報端末装置の現在位置と前記第二情報端末装置の現在位置との距離である端末間距離を判定する距離判定部と、を備え、前記第一位置送信部は、前記端末間距離が予め定めた第一設定値より大きく第二設定値未満の範囲内では、前記端末間距離が短くなるに従って、前記第一情報端末装置の現在位置の情報の送信頻度を段階的又は連続的に高くし、前記端末間距離が前記第一設定値以下の範囲及び前記第二設定値以上の範囲では、前記送信頻度を一定にする点にある。
【0007】
第一情報端末装置と第二情報端末装置との端末間距離に応じて、相手方の情報端末装置の現在位置の情報に対する必要性やユーザの興味は変化する。
一般に、端末間距離が短くなるに従って、相手方の情報端末装置の現在位置の情報に対する必要性やユーザの興味が高くなる。例えば、双方のユーザが別行動しているとき、相手方の現在位置を取得する必要があるが、その必要性は、端末間距離が短くなるに従って高くなり、円滑に合流するためには、現在位置の情報の送信頻度を高くする必要がある。別の例では、第一情報端末装置と第二情報端末装置とが共通の目標地点に向かって移動しているとき、目標地点との距離が離れていても、移動の途中で、端末間距離が短くなるに従って、目的地点への移動の途中で合流する等のために、現在位置の情報の送信頻度を高くすることが望ましい。
上記の構成によれば、端末間距離が予め定めた第一設定値より大きく第二設定値未満の範囲内では、端末間距離が短くなるに従って、第一情報端末装置の現在位置の情報の送信頻度を段階的又は連続的に高くすることができ、必要性やユーザの興味を適切に満たすことができる。
更に、上記の構成によれば、端末間距離が第一設定値以下の範囲及び第二設定値以上の範囲では、送信頻度を一定にするため、端末間距離が近い場合に送信頻度が高くなり過ぎないようにすると共に、端末間距離が遠い場合に送信頻度が低くなり過ぎないようにすることができる。
従って、上記の特徴構成によれば、第一情報端末装置と第二情報端末装置との端末間距離に応じて、第一情報端末装置の現在位置の情報の送信頻度を適切に設定することができる。
【0008】
上記の構成において、前記第一設定値の前後で前記送信頻度の値が連続し、前記第二設定値の前後で前記送信頻度の値が連続し、前記第一設定値以下の範囲での前記送信頻度が前記第二設定値以上の範囲での前記送信頻度よりも高いと好適である。
【0009】
また、前記第一情報端末装置が移動しているか否かを判定する第一移動判定部を更に備え、前記第一位置送信部は、前記第一情報端末装置の現在位置の情報の送信頻度を前記端末間距離に応じて異ならせるように設定した2つの設定マップである移動判定中用設定マップと非移動判定中用設定マップとを用い、前記第一移動判定部の判定結果に応じて、前記第一情報端末装置が移動していると判定した場合には前記移動判定中用設定マップに基づき前記送信頻度を設定し、前記第一情報端末装置が移動していないと判定した場合には前記移動判定中用設定マップよりも低い送信頻度に設定された前記非移動判定中用の設定マップに基づき前記送信頻度を設定すると好適である。
【0010】
ここで、前記第一情報端末装置が移動しているか否かを判定する第一移動判定部を更に備え、前記第一位置送信部は、前記第一移動判定部の判定結果に応じて前記送信頻度を異ならせると好適である。
【0011】
第一情報端末装置が移動している場合は、その現在位置が変化しているので、移動していない場合と比べ、第一情報端末装置の現在位置の情報に対する、第二情報端末装置にとって、必要性やユーザの興味が変化する。
上記の構成によれば、第一情報端末装置が移動しているか否かの判定結果に応じて、第一情報端末装置の現在位置の情報の送信頻度を適切に設定することができる。
【0012】
ここで、前記第一位置送信部は、前記第一移動判定部により前記第一情報端末装置が移動していると判定された場合は、移動していないと判定された場合よりも、前記送信頻度を高くすると好適である。
【0013】
第一情報端末装置が移動している場合は、その現在位置が変化しているので、移動していない場合と比べ、第一情報端末装置の現在位置の情報に対する、第二情報端末装置にとって、必要性やユーザの興味が変化する。
上記の構成によれば、第一情報端末装置が移動していると判定された場合は、移動していないと判定された場合よりも、第一情報端末装置の現在位置の情報の送信頻度を高くすることができ、必要性やユーザの興味を適切に満たすことができる。
【0014】
ここで、前記第一位置送信部は、前回送信したときからの経過時間が、予め定めた強制送信判定時間以上になったと判定した場合、前記端末間距離に応じた前記送信頻度に関わらず、前記第一情報端末装置の現在位置の情報を送信すると好適である。
【0015】
この構成によれば、第一情報端末装置の現在位置の情報が長時間送信されなくなることを防止できる。これにより、第二情報端末装置において、第一情報端末装置の動作確認が可能となる。
【0016】
以上の各構成を備えた本発明に係る位置情報送信システムの技術的特徴は、位置情報送信方法や位置情報送信プログラムにも適用可能であり、そのため、本発明は、そのような方法やプログラムも権利の対象とすることができる。なお、位置情報送信プログラムが記憶された、DVD−ROMやフラッシュメモリなどの記憶媒体も権利の対象とすることができる。
【0017】
その場合における、第一情報端末装置の現在位置の情報を送信する位置情報送信方法の特徴構成は、演算処理装置が、前記第一情報端末装置の現在位置を取得する第一位置取得ステップと、前記第一情報端末装置の現在位置の情報を、前記第一情報端末装置とは異なる第二情報端末装置に送信する第一位置送信ステップと、前記第二情報端末装置の現在位置を取得する第二位置取得ステップと、前記第一情報端末装置の現在位置と前記第二情報端末装置の現在位置との距離である端末間距離を判定する距離判定ステップと、を実行し、前記第一位置送信ステップでは、前記端末間距離が予め定めた第一設定値より大きく第二設定値未満の範囲内では、前記端末間距離が短くなるに従って、前記第一情報端末装置の現在位置の情報の送信頻度を段階的又は連続的に高くし、前記端末間距離が前記第一設定値以下の範囲及び前記第二設定値以上の範囲では、前記送信頻度を一定にする点にある。
【0018】
また、第一情報端末装置の現在位置の情報を送信する処理をコンピュータに実行させるための位置情報送信プログラムの特徴構成は、前記第一情報端末装置の現在位置を取得する第一位置取得ステップと、前記第一情報端末装置の現在位置の情報を、前記第一情報端末装置とは異なる第二情報端末装置に送信する第一位置送信ステップと、前記第二情報端末装置の現在位置を取得する第二位置取得ステップと、前記第一情報端末装置の現在位置と前記第二情報端末装置の現在位置との距離である端末間距離を判定する距離判定ステップと、をコンピュータに実行させ、前記第一位置送信ステップでは、前記端末間距離が予め定めた第一設定値より大きく第二設定値未満の範囲内では、前記端末間距離が短くなるに従って、前記第一情報端末装置の現在位置の情報の送信頻度を段階的又は連続的に高くし、前記端末間距離が前記第一設定値以下の範囲及び前記第二設定値以上の範囲では、前記送信頻度を一定にする点にある。
【0019】
当然ながら、これらの位置情報送信方法や位置情報送信プログラムも上述した位置情報送信システムに係る作用効果を得ることができ、更に、その好適な構成の例として挙げたいくつかの付加的技術を組み込むことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に係る位置情報送信システムの概略的な構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態に係る位置情報送信システムの処理を説明するためのフローチャートである。
図3】本発明の実施形態に係る送信判定時間の設定を説明するための図である。
図4】本発明の実施形態に係る送信頻度の設定を説明するための図である。
図5】本発明の実施形態に係る送信判定時間の設定を説明するための図である。
図6】本発明の実施形態に係る送信頻度の設定を説明するための図である。
図7】本発明の実施形態に係る位置情報送信システムの処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る位置情報送信システム1の実施形態について説明する。
位置情報送信システム1は、第一情報端末装置2(第一端末2とも称す)の現在位置の情報を送信するシステムである。位置情報送信システム1は、図1に示すように、第一位置取得部30、第一位置送信部31、第二位置取得部32、及び距離判定部33などの機能部を備えている。
【0022】
第一位置取得部30は、第一情報端末装置2の現在位置を取得する。第一位置送信部31は、第一情報端末装置2の現在位置の情報を、第一情報端末装置2とは異なる第二情報端末装置6(第二端末6とも称す)に送信する。第二位置取得部32は、第二情報端末装置6の現在位置を取得する。距離判定部33は、第一情報端末装置2の現在位置と第二情報端末装置6の現在位置との距離である端末間距離Dsを判定する。
このような構成において、第一位置送信部31は、送信頻度設定部34を備えている。送信頻度設定部34は、端末間距離Dsに応じて第一情報端末装置2の現在位置の情報の送信頻度を異ならせる点に特徴を有している。
以下、本実施形態に係る位置情報送信システム1について詳細に説明する。
【0023】
1.位置情報送信システム1
位置情報送信システム1は、第一情報端末装置2の現在位置の情報を送信する。
位置情報送信システム1は、単数又は複数のCPU等の演算処理装置を中核部材として備えるとともに、当該演算処理装置からデータを読み出し及び書き込みが可能に構成されたRAM(ランダム・アクセス・メモリ)や、演算処理装置からデータを読み出し可能に構成されたROM(リード・オンリ・メモリ)や、大容量のデータを記憶及び読み出し可能に構成されたフラッシュメモリやハードディスク等の記憶装置等を有して構成されている。そして、位置情報送信システム1のROM等に記憶されたソフトウェア(プログラム)又は別途設けられた演算回路等のハードウェア、或いはそれらの両方により、位置情報送信システム1の各機能部30〜34などが構成されている。各機能部30〜34などの機能を演算処理装置に実現させるための位置情報送信プログラムは、演算処理装置が参照可能なRAMやROMなどの記憶装置に記憶される。
【0024】
本実施形態では、位置情報送信システム1は、第一情報端末装置2に組み込まれている。典型的には、位置情報送信プログラムが、第一情報端末装置2の記憶装置にインストールされて、位置情報送信システム1を構成する。
例えば、位置情報送信システム1は、ユーザが持ち運び可能な多機能携帯電話や携帯型情報端末装置、或いは、車両に搭載されるナビゲーション装置や、テレビ、動画再生、音楽再生などのためのAV(音響・映像)装置や、情報端末装置などに組み込まれる。或いは、位置情報送信システム1は、位置情報送信システム1専用の情報端末装置に組み込まれてもよい。
【0025】
なお、位置情報送信プログラム又は位置情報受信プログラムは、DVD−ROMやフラッシュメモリなどの記憶媒体に記憶されてユーザに配布されたり、ネットワークサーバから通信網45を介してユーザに配信されたりする。配布又は配信された位置情報送信プログラム又は位置情報受信プログラムは、第一情報端末装置2又は第二情報端末装置6の記憶装置に記憶される。
【0026】
<第一情報端末装置2>
第一情報端末装置2は、移動体と共に移動する。
例えば、第一情報端末装置2が車両に搭載されている場合は、移動体は車両となる。この場合は、第一情報端末装置2は、ユーザが持ち運び可能な携帯型情報端末装置や多機能携帯電話であったり、車両に搭載されたカーナビゲーション装置などであったりする。
或いは、ユーザ(人間)が第一情報端末装置2を保持している場合は、移動体はユーザとなる。この場合は、第一情報端末装置2は、ユーザが持ち運び可能な携帯型情報端末装置や多機能携帯電話などであったりする。
【0027】
本実施形態に係わる位置情報送信システム1は、図1に示すように、第一位置取得部30、第一位置送信部31、第二位置取得部32、距離判定部33、送信頻度設定部34、及び第一移動判定部35などの機能部を備えている。以下、各機能部について詳細に説明する。
【0028】
2.第一位置取得部30
第一位置取得部30は、第一情報端末装置2の現在位置を取得する第一位置取得処理を行う機能部である。
本実施形態では、第一位置取得部30は、位置情報検出装置37などから取得した第一情報端末装置2の位置関連情報に基づいて、第一情報端末装置2の現在位置(座標)を判定するように構成されている。位置情報検出装置37は、GPS(Global Positioning System)受信機や、加速度センサや、方位センサや、道路に設置されたビーコンから発信される地点位置情報を含む電波や光を受信する受信機などの位置情報を検出するための各種装置を備えている。また、第一位置取得部30は、携帯電話回線の基地局や無線LANのアクセスポイントなどから発信される基地局などの地点位置情報を含む電波を、通信装置36で受信して、第一情報端末装置2の現在位置を判定するように構成されてもよい。
【0029】
位置判定の際、地図データが用いられてもよい。例えば、第一位置取得部30は、地図データに含まれる道路ネットワークと、位置情報検出装置37から得た位置情報の履歴が示す経路と、のパターンマッチング(いわゆるマップマッチング)により、自端末位置を判定するように構成される。本実施形態では、位置情報検出装置37は、位置情報送信システム1が組み込まれた第一情報端末装置2に備えられている。
【0030】
3.第二位置取得部32
第二位置取得部32は、第一情報端末装置2とは異なる第二情報端末装置6の現在位置を取得する第二位置取得処理を行う機能部である。
本実施形態では、第二位置取得部32は、位置情報受信システム5が取得した第二情報端末装置6の現在位置の情報を、無線通信又は有線通信などのデータ通信を介して位置情報受信システム5側から取得するように構成されている。第二位置取得部32は、位置情報受信システム5から第二情報端末装置6の現在位置の情報を取得した場合に、第二情報端末装置6の現在位置の情報を更新する。なお、位置情報受信システム5の詳細は後述する。
第二位置取得部32は、第一情報端末装置2に備えられた通信装置36を介して、位置情報受信システム5側から送信された第二情報端末装置6の現在位置に係る情報を取得するように構成されている。
【0031】
4.通信装置36
通信装置36は、無線通信又は有線通信などのデータ通信を行うデータ通信装置である。無線通信には、携帯電話回線、無線LAN、ブルートゥース(Bluetooth、登録商標)などがある。有線通信には、有線LAN、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)などがある。
本実施形態では、通信装置36は、無線通信又は有線通信などのデータ通信により、携帯電話通信網やインターネットなどの通信網45に接続する。そして、通信装置36は、通信網45を介して、第二情報端末装置6側の通信装置46と、第一情報端末装置2及び第二情報端末装置6の位置情報などのデータを送受信するように構成されている。
【0032】
なお、第一情報端末装置2側の通信装置36は、通信網45に接続されたネットワークサーバを介して、第二情報端末装置6側の通信装置46と、データを送受信するように構成されてもよい。
具体的には、第一情報端末装置2側の通信装置36は、第一情報端末装置2の現在位置の情報を、データ通信及び通信網45を介して、ネットワークサーバに送信する。ネットワークサーバは、受信した位置情報をネットワークサーバに備えられた記憶装置に記憶する。第二情報端末装置6側の通信装置46は、データ通信及び通信網45を介して、ネットワークサーバに接続して、記憶装置に記憶されている第一情報端末装置2側の現在位置の情報を取得する。或いは、ネットワークサーバは、記憶装置に記憶されている第一情報端末装置2の現在位置の情報を、データ通信及び通信網45を介して、第二情報端末装置6側の通信装置46に送信する。
一方、第二情報端末装置6側の通信装置46は、第二情報端末装置6の現在位置の情報を、データ通信及び通信網45を介して、ネットワークサーバに送信する。ネットワークサーバは、受信した位置情報をネットワークサーバに備えられた記憶装置に記憶する。第一情報端末装置2側の通信装置36は、データ通信及び通信網45を介して、ネットワークサーバに接続して、記憶装置に記憶されている第二情報端末装置6側の現在位置の情報を取得する。或いは、ネットワークサーバは、記憶装置に記憶されている第二情報端末装置6の現在位置の情報を、データ通信及び通信網45を介して、第一情報端末装置2側の通信装置36に送信する。
このようにネットワークサーバを介する場合は、第一情報端末装置2側と第二情報端末装置6側とで通信を同期させる必要がなく、位置情報の送受信の確実性を高めることができる共に、双方の通信頻度を低減させることが可能となる。
【0033】
また、通信装置36は、ブルートゥースやUSBや無線LANなどのデータ通信により、ユーザが所持している携帯電話などのデータ通信装置と接続され、データ通信装置が接続可能な携帯電話回線などのデータ通信を介して、通信網45に接続されるように構成されてもよい。
【0034】
5.位置情報受信システム5
位置情報受信システム5は、位置情報送信システム1側から送信された第一情報端末装置2の現在位置の情報を受信する機能を有すると共に、第二情報端末装置6の現在位置の情報を位置情報送信システム1側に送信する機能を有する、第二情報端末装置6側のシステムである。
本実施形態では、位置情報受信システム5は、第二位置取得部40、第二位置送信部41、第一位置取得部42、及び案内部43などの機能部を備えている。
【0035】
位置情報受信システム5は、位置情報送信システム1と同様に、演算処理装置、記憶装置等を有して構成されている。位置情報受信システム5の機能を演算処理装置に実現させるための位置情報受信プログラムは、演算処理装置が参照可能な記憶装置に記憶される。
本実施形態では、位置情報受信システム5は、第二情報端末装置6に組み込まれている。典型的には、位置情報受信プログラムが、第二情報端末装置6にインストールされて、位置情報受信システム5を構成する。例えば、位置情報受信システム5は、多機能携帯電話や携帯型情報端末装置、或いは、車両に搭載されるナビゲーション装置やAV装置や、情報端末装置などに組み込まれる。
本実施形態では、通信装置46及び位置情報検出装置47は、位置情報受信システム5が組み込まれた第二情報端末装置6に備えられている。
【0036】
5−1.第一位置取得部42
第一位置取得部42は、位置情報送信システム1側から送信された第一情報端末装置2の現在位置の情報を無線通信又は有線通信などのデータ通信を介して取得する機能部である。
第一位置取得部42は、第二情報端末装置6に備えられた通信装置46を介して、位置情報送信システム1側から送信された第一情報端末装置2の現在位置の情報を取得するように構成されている。
【0037】
5−2.第二位置取得部40
第二位置取得部40は、第二情報端末装置6の現在位置を取得する第二位置取得処理を行う機能部である。
本実施形態では、第二位置取得部40は、位置情報検出装置47から取得した第二情報端末装置6の位置関連情報に基づいて、第二情報端末装置6の現在位置を判定するように構成されている。位置情報検出装置47は、第一情報端末装置2側の位置情報検出装置37と同様に、GPS受信機や、加速度センサや、方位センサなどの位置情報を検出するための各種装置を備えている。
【0038】
5−3.第二位置送信部41
第二位置送信部41は、第二位置取得部40が取得した第二情報端末装置6の現在位置の情報を、第一情報端末装置2に送信する機能部である。
本実施形態では、第二位置送信部41は、第二情報端末装置6の現在位置の情報を、通信装置46を介して位置情報送信システム1側に送信する。通信装置46は、無線通信又は有線通信などのデータ通信を行うデータ通信装置である。なお、通信装置46は、位置情報送信システム1側の通信装置36と同様であるので説明を省略する。
【0039】
第二位置送信部41は、予め定められた送信頻度毎や、位置情報送信システム1から送信要求があった毎などに、第二情報端末装置6の現在位置の情報を送信するように構成されている。予め定めた送信頻度は、所定の周期毎、又は第二情報端末装置6が所定距離移動する毎など、一定の頻度や、可変の頻度に設定される。なお、第二位置送信部41は、位置情報送信システム1の送信頻度設定部34、距離判定部33、及び第一移動判定部35などと同様の機能を有するように構成され、位置情報送信システム1と同様に送信頻度を設定するように構成されてもよい。
【0040】
5−4.第一位置取得部42
第一位置取得部42は、位置情報送信システム1側から送信された第一情報端末装置2の現在位置の情報を取得する機能部である。
本実施形態では、第一位置取得部42は、位置情報送信システム1側から送信された第一情報端末装置2の現在位置の情報を、無線通信又は有線通信などのデータ通信を介して位置情報送信システム1側から取得するように構成されている。第二位置取得部32は、第二情報端末装置6に備えられた通信装置46を介して、位置情報を取得するように構成されている。
【0041】
5−5.案内部43
案内部43は、第一位置取得部42が取得した第一情報端末装置2の現在位置の情報などを案内する機能部である。案内部43は、第一情報端末装置2の現在位置の情報を、ディスプレイなどの表示装置やスピーカなどのユーザインターフェイス装置48を介して案内するように構成されている。
【0042】
例えば、案内部43は、地図データベースDBから取得した地図データに基づいて生成した地図画像に、少なくとも第一情報端末装置2の現在位置を重ね書きした画像を生成して表示装置に表示させたり、端末間距離や第一情報端末装置2の方向など、第一情報端末装置2の現在位置に係る情報を案内する音声データを生成してスピーカに出力させたり、表示画面に表示させたりする。
また、案内部43は、地図画像に、第二情報端末装置6の現在位置の情報や、第一情報端末装置2の移動履歴や、第二情報端末装置6の移動履歴を重ね書きするように構成されてもよい。また、案内部43は、第一情報端末装置2又は第二情報端末装置6において目的地点までの誘導経路の案内が実行されている場合は、地図画像にそれらの誘導経路を重ね書きするように構成されてもよい。
【0043】
6.送信頻度の設定
6−1.距離判定部33
距離判定部33は、第一情報端末装置2の現在位置と第二情報端末装置6の現在位置との距離である端末間距離Dsを判定する。
本実施形態では、距離判定部33は、第一情報端末装置2の現在位置と第二情報端末装置6の現在位置との実際の距離を判定するように構成されている。なお、距離判定部33は、図5、6に示すように、端末間距離Dsが複数段階のいずれに属するかを判定するように構成されてもよい。
【0044】
6−2.第一移動判定部35
第一移動判定部35は、位置情報検出装置37から取得した位置関連情報に基づいて、第一情報端末装置2が移動しているか否かを判定するように構成されている。例えば、第一移動判定部35は、上記の第一位置取得部30と同様に、GPS受信機が受信した位置情報や加速度センサが検出した加速度情報などに基づいて判定した第一情報端末装置2の現在位置を判定する。そして、第一移動判定部35は、予め定めた判定期間内における第一情報端末装置2の現在位置の移動距離が、予め定めた判定距離以上である場合に、移動したと判定し、移動距離が判定距離未満である場合は、移動していないと判定するように構成されることができる。また、第一移動判定部35は、加速度センサの検出信号に基づいて第一情報端末装置2の加速度を判定する。そして、第一移動判定部35は、加速度が予め定めた判定加速度以上である状態が予め定めた判定期間以上継続した場合に移動したと判定し、それ以外の場合は、移動していないと判定するように構成されることができる。
【0045】
6−3.第一位置送信部31
第一位置送信部31は、第一情報端末装置2の現在位置の情報を、第二情報端末装置6に送信する機能部である。
<端末間距離Dsに応じた送信頻度の設定>
送信頻度設定部34は、端末間距離Dsに応じて第一情報端末装置2の現在位置の情報の送信頻度を異ならせるように構成されている。
【0046】
本実施形態では、送信頻度設定部34は、図4及び図6の例に示すように、端末間距離Dsが短くなるに従って、送信頻度を段階的又は連続的に高くするように構成されている。図6に示す例では、送信頻度が4段階で高くされているが、任意の段階数で高くされてもよい。
【0047】
<送信判定時間Tjの設定>
本実施形態では、第一位置送信部31は、前回送信したときからの経過時間が、送信判定時間Tj以上になったと判定した場合に、第一情報端末装置2の現在位置の情報を送信するように構成されている。よって、送信判定時間Tjが小さくなるに従って、送信頻度が高くなる。
送信頻度設定部34は、図3及び図5の例に示すように、端末間距離Dsが短くなるに従って、送信判定時間Tjを段階的又は連続的に小さく設定するように構成されている。
本実施形態では、送信頻度設定部34は、図3及び図5の例に示すような、端末間距離Dsと送信判定時間Tjとの関係が予め設定された設定マップを備えており、設定マップを用い、端末間距離Dsに応じて送信判定時間Tjを設定するように構成されている。
【0048】
また、送信頻度設定部34は、図3から図6の例に示すように、端末間距離Dsが予め定めた距離(図に示す例では、DS1)以下である場合は、送信頻度(送信判定時間Tj)を一定にするように構成されている。送信頻度が高くなり過ぎないようにするためである。
また、送信頻度設定部34は、図3から図6の例に示すように、端末間距離Dsが予め定めた距離(図に示す例では、DS2)以上である場合は、送信頻度(送信判定時間Tj)を一定にするように構成されている。送信頻度が低くなり過ぎないようにするためである。
【0049】
<第一情報端末装置2の移動判定結果に応じた送信頻度の設定>
本実施形態では、第一移動判定部35は、第一情報端末装置2が移動しているか否かを判定するように構成されている。そして、送信頻度設定部34は、第一移動判定部35の判定結果に応じて送信頻度を異ならせるように構成されている。
送信頻度設定部34は、図3から図6の例に示すように、第一移動判定部35により第一情報端末装置2が移動していると判定された場合(移動判定中)は、移動していないと判定された場合(非移動判定中)よりも、送信頻度を高くする(送信判定時間Tjを小さく)ように構成されている。第一情報端末装置2が移動している場合は、第一情報端末装置2の現在位置が変化するため、その情報を送信する必要性が高くなるためである。
【0050】
本実施形態では、送信頻度設定部34は、図3及び図5の例に示すように、移動判定中用に高い送信頻度に予め設定された端末間距離Dsと送信判定時間Tjとの設定マップと、非移動判定中用に低い送信頻度に予め設定された端末間距離Dsと送信判定時間Tjとの設定マップと、を備えている。送信頻度設定部34は、第一移動判定部35の判定結果に応じて、移動判定中用の設定マップ及び非移動判定中用の設定マップのいずれか一方を選択し、選択した設定マップを用い、端末間距離Dsに応じて送信判定時間Tjを設定するように構成されている。
【0051】
送信頻度設定部34は、図3から図6に示す例では、端末間距離Dsが予め定めた距離(図に示す例では、DS2)以上であるときは、移動していると判定された場合と、移動していないと判定された場合とで、送信頻度(送信判定時間Tj)を異ならせず、同じにするように構成されている。
端末間距離Dsが十分長くなると、端末間距離Dsに対する第一情報端末装置2の移動量が十分低くなり、第一情報端末装置2の現在位置を送信する必要性が低くなる。よって、端末間距離Dsが予め定めた距離以上である場合は、送信頻度を低下させて、通信コストが増加することを抑制したり、通信のための処理負荷が増加することを抑制したりできる。
【0052】
<強制送信>
送信頻度設定部34は、前回送信したときからの経過時間が、予め定めた強制送信判定時間以上になったと判定した場合、端末間距離Dsに応じた送信頻度に関わらず、第一情報端末装置2の現在位置の情報を送信するように構成されている。強制送信判定時間は、図3及び図5の例に示すように、端末間距離Dsが距離DS2以上である場合に設定されている、送信判定時間Tjと同じ値に設定されてもよいし、より大きいな値に設定されてもよい。
【0053】
このように構成することで、第一情報端末装置2の現在位置の情報が長時間送信されなくなることを確実に防止できる。長時間送信されない場合として、例えば、位置情報送信システム1が作動していない状態が長時間継続した場合や、第二情報端末装置6の現在位置の情報を取得できず、端末間距離Dsを判定できないため、送信頻度(送信判定時間Tj)が設定されていない場合や、第一情報端末装置2が移動していないと判定された場合に設定される送信頻度が予めゼロに設定されている場合などがある。強制送信判定時間を設定することで、第一情報端末装置2においてこれらの状態が生じているか否かの確認を、第二情報端末装置6側で行うことが可能となる。
【0054】
7.フローチャート
以上で説明した本実施形態に係る位置情報送信システム1の処理を、図2に示すフローチャートの例に示すように構成することができる。
第一位置送信部31は、位置情報送信処理の開始要求があった場合(ステップ♯01:Yes)に、一連の位置情報送信処理(ステップ♯02からステップ♯12)を開始する。
例えば、第一位置送信部31は、ユーザにより、第二情報端末装置6を特定するための識別情報などが指定され、位置情報送信処理を開始する要求があった場合に、位置情報送信処理を開始する。なお、この場合は、第二情報端末装置6側に位置情報送信処理の開始の許可を求め、第二情報端末装置6側が開始を許可した場合に、位置情報送信処理が開始されるように構成されてもよい。
【0055】
識別情報は、第二情報端末装置6を特定し通信するための、第二情報端末装置6に割り当てられているIPアドレス(Internet Protocol address)などの通信網45上のアドレスであったり、第二情報端末装置6とされている多機能携帯電話の電話番号であったりする。また、ネットワークサーバを介して通信する場合は、識別情報は、ネットワークサーバに登録されている第二情報端末装置6の識別番号であったりする。なお、ネットワークサーバには、識別番号に対応する、第二情報端末装置6のIPアドレスや電話番号などの端末識別情報が記憶されている。
【0056】
或いは、第一位置送信部31は、第二情報端末装置6側から位置情報送信処理を開始する要求があった場合に、位置情報送信処理を開始する。なお、この場合は、第一情報端末装置2側が開始を許可した場合に、位置情報送信処理が開始されるように構成されてもよい。また、第二情報端末装置6側からの開始要求には、第二情報端末装置6を特定するための識別情報が含まれる。
【0057】
ステップ♯02からステップ♯12までの位置情報送信処理は、予め定めた演算周期毎(例えば、5秒毎)に実行されるように構成される。
位置情報送信処理を開始した後、第一位置取得部30は、第一情報端末装置2の現在位置を取得する第一位置取得処理を実行する(ステップ♯02)。また、第二位置取得部32は、第二情報端末装置6の現在位置を取得する第二位置取得処理を実行する(ステップ♯03)。そして、距離判定部33は、第一情報端末装置2の現在位置と第二情報端末装置6の現在位置との距離である端末間距離Dsを判定する距離判定処理を実行する(ステップ♯04)。
【0058】
また、第一移動判定部35は、第一情報端末装置2が移動しているか否かを判定する第一移動判定処理を実行する(ステップ♯05)。送信頻度設定部34は、ステップ♯05で第一情報端末装置2が移動していると判定された場合(ステップ♯06:Yes)は、図3及び図5の例に示すような、移動判定中用に高い送信頻度に予め設定された端末間距離Dsと送信判定時間Tjとの設定マップを用い、端末間距離Dsに応じて送信判定時間Tjを設定する処理を実行する(ステップ♯07)。一方、送信頻度設定部34は、ステップ♯05で第一情報端末装置2が移動していないと判定された場合(ステップ♯06:No)は、図3及び図5の例に示すような、非移動判定中用に低い送信頻度に予め設定された端末間距離Dsと送信判定時間Tjとの設定マップを用い、端末間距離Dsに応じて送信判定時間Tjを設定する処理を実行する(ステップ♯08)。
【0059】
そして、第一位置送信部31は、前回送信したときからの経過時間が、送信判定時間Tj以上であるか否かを判定する(ステップ♯09)。そして、第一位置送信部31は、前回送信からの経過時間が送信判定時間Tj以上であると判定した場合(ステップ♯09:Yes)は、第一情報端末装置2の現在位置の情報を送信する処理を実行する(ステップ♯10)。
一方、第一位置送信部31は、前回送信からの経過時間が送信判定時間Tj未満であると判定した場合(ステップ♯09:No)は、ステップ♯11に進み、前回送信したときからの経過時間が、強制送信判定時間以上であるか否かを判定する。そして、第一位置送信部31は、前回送信からの経過時間が強制送信判定時間以上であると判定した場合(ステップ♯11:Yes)は、ステップ♯10に進み、第一情報端末装置2の現在位置の情報を送信する処理を実行する。一方、第一位置送信部31は、前回送信からの経過時間が強制送信判定時間未満であると判定した場合(ステップ♯11:No)は、ステップ♯10で位置情報が送信されないようにステップ♯10を飛ばして、ステップ♯12に進む。
【0060】
第一位置送信部31は、位置情報送信処理を終了すると判定されていない場合(ステップ♯12:No)は、ステップ♯02に戻り、ステップ♯02からステップ♯12までの位置情報送信処理を繰り返し実行する。一方、第一位置送信部31は、位置情報送信処理を終了すると判定された場合(ステップ♯12:Yes)は、一連の位置情報送信処理を終了する。
第一位置送信部31は、例えば、端末間距離Dsが十分短くなった状態が継続した場合や、ユーザにより位置情報送信処理の終了要求があった場合などに、位置情報送信処理を終了すると判定する。
【0061】
8.位置情報送信処理の例
次に、図7を参照して、位置情報送信処理の例を説明する。
図7に示す例では、位置情報送信システム1は、第二情報端末装置6に加えて、第三の情報端末装置7(第三端末とも称す)にも第一情報端末装置2の現在位置の情報を送信するように構成されている。すなわち、位置情報送信システム1は、複数の情報端末装置との間において、位置情報送信処理が実行されるように構成されてもよい。なお、各情報端末装置に位置情報受信システム5などが備えられ、各情報端末装置について、図2のフローチャートに示すような位置情報送信処理が実行される。なお、第一情報端末装置2、第二情報端末装置6、及び第三情報端末装置7は、いずれも移動中と判定されている。
【0062】
また、図7に示す例では、第一情報端末装置2、第二情報端末装置6、及び第三情報端末装置7の間で同じ目的地点OPが設定され、それぞれの端末で目的地点までの誘導経路の案内が実行されている。なお、第一情報端末装置2、第二情報端末装置6、及び第三情報端末装置7の間で同じ目的地点OPが設定されておらず、別々に移動している場合に、単に互いの位置関係を確認するなどのために、位置情報送信処理が実行されていてもよい。
【0063】
図7において、第一情報端末装置2が2−1に示す位置にあるときに、第二情報端末装置6は6−1で示す位置にあり、その端末間距離DS_21は比較的短くなっている。よって、第一位置送信部31は、比較的高い送信頻度で、第一情報端末装置2の現在位置の情報を第二情報端末装置6に送信している。また、このとき、第三情報端末装置7は7−1で示す位置にあり、その端末間距離DS_31は比較的長くなっている。よって、第一位置送信部31は、比較的低い送信頻度で、第一情報端末装置2の現在位置の情報を第三情報端末装置7に送信している。
【0064】
その後、各情報端末装置は、目的地点OPに向かって移動している。第一情報端末装置2が2−2に示す位置に移動したときに、第二情報端末装置6は6−2で示す位置に移動し、その端末間距離DS_22は比較的長くなっている。よって、第一位置送信部31は、比較的低い送信頻度で、第一情報端末装置2の現在位置の情報を第二情報端末装置6に送信している。また、このとき、第三情報端末装置7は7−2で示す位置に移動し、その端末間距離DS_32は比較的長くなっている。よって、第一位置送信部31は、比較的低い送信頻度で、第一情報端末装置2の現在位置の情報を第三情報端末装置7に送信している。
【0065】
その後、各情報端末装置は、更に目的地点OPに向かって移動している。第一情報端末装置2が2−3に示す位置に移動したときに、第二情報端末装置6は6−3で示す位置に移動し、その端末間距離DS_23は中程度の距離になっている。よって、第一位置送信部31は、中程度の送信頻度で、第一情報端末装置2の現在位置の情報を第二情報端末装置6に送信している。また、このとき、第三情報端末装置7は7−3で示す位置に移動し、その端末間距離DS_33は中程度の距離になっている。よって、第一位置送信部31は、中程度の送信頻度で、第一情報端末装置2の現在位置の情報を第三情報端末装置7に送信している。
【0066】
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明のその他の実施形態について説明する。なお、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0067】
(1)上記の実施形態において、位置情報送信システム1が組み込まれた第一情報端末装置2に、通信装置36、位置情報検出装置37、及びユーザインターフェイス装置38が備えられている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、通信装置36、位置情報検出装置37、及びユーザインターフェイス装置38の一部又は全部は、第一情報端末装置2の外部に備えられ、無線通信又は有線通信などのデータ通信により第一情報端末装置2とデータ通信可能に構成されてもよい。
【0068】
(2)上記の実施形態において、位置情報送信システム1は、第一情報端末装置2に組み込まれている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、位置情報送信システム1の一部又は全部の機能が、通信網45に接続されたネットワークサーバなどの情報端末装置に組み込まれ、当該ネットワークサーバなどの情報端末装置と、第一情報端末装置2及び第二情報端末装置6とが、無線通信又は有線通信などのデータ通信によりデータ通信可能に構成され、データ通信を介して、位置情報検出装置37が検出した第一情報端末装置2の位置関連情報、第二情報端末装置6の現在位置の情報、第一情報端末装置2の現在位置の情報などが伝達されるように構成されてもよい。
【0069】
(3)上記の実施形態において、第一情報端末装置2に位置情報送信システム1が備えられ、第二情報端末装置6に位置情報受信システム5が備えられている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、第二情報端末装置6にも位置情報送信システム1が備えられ、第一情報端末装置2にも位置情報受信システム5が備えられるように構成されてもよい。すなわち、第二情報端末装置6側も、端末間距離に応じて第二情報端末装置6の現在位置の情報の送信頻度を異ならせるように構成されてもよい。また、第一情報端末装置2側にも、位置情報受信システム5の案内部43、地図データベースDBが備えられてもよい。
【0070】
(4)上記の実施形態において、第一位置送信部31は、第一移動判定部35の判定結果に応じて送信頻度を異ならせるように構成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、第一位置送信部31は、第一情報端末装置2が移動しているか否かで、送信頻度を同じとするように構成されてもよい。
【0071】
(5)上記の実施形態において、第一位置送信部31は、前回送信したときからの経過時間が、予め定めた強制送信判定時間以上になったと判定した場合に、端末間距離Dsに応じた送信頻度に関わらず、第一情報端末装置2の現在位置の情報を送信するように構成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、第一位置送信部31は、強制送信判定時間による、位置情報の送信判定を行わないように構成されてもよい。
【0072】
(6)上記の実施形態において、図2に示すフローチャートにおいて、第二位置取得部32は、ステップ♯03で、所定の演算周期毎に、第二情報端末装置6の現在位置の情報を取得するように構成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、第二位置取得部32は、第二情報端末装置6側(位置情報受信システム5側)から第二情報端末装置6の現在位置の情報が送信される毎に、第二情報端末装置6の現在位置の情報を取得するように構成されてもよい。
【0073】
また、図2に示すフローチャートにおいて、第一位置取得部30は、ステップ♯02で、所定の演算周期毎に、第一情報端末装置2の現在位置を取得するように構成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、第一位置取得部30は、図2に示すフローチャートの演算周期とは、異なる演算周期毎に、又は、位置情報検出装置37がGPS受信機の信号などの位置関連情報を取得する毎に、第一情報端末装置2の現在位置を取得するように構成されてもよい。
【0074】
(7)上記の実施形態において、第二位置取得部40は、位置情報検出装置47から取得したGPS受信機の信号などの第二情報端末装置6の位置関連情報に基づいて、第二情報端末装置6の現在位置を判定するように構成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、第二位置取得部40は、GPS受信機の信号などの位置関連情報に基づいて第二情報端末装置6の現在位置を判定せずに、当該位置関連情報をそのまま位置情報送信システム1側に送信するように構成されてもよい。この場合は、位置情報送信システム1が、位置情報受信システム5側から送信された位置関連情報に基づいて、第二情報端末装置6の現在位置を判定するように構成される。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、第一情報端末装置の現在位置の情報を送信する位置情報送信システムに好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0076】
1 :位置情報送信システム
2 :第一情報端末装置(第一端末)
5 :位置情報受信システム
6 :第二情報端末装置(第二端末)
7 :第三情報端末装置
30 :第一位置取得部
31 :第一位置送信部
32 :第二位置取得部
33 :距離判定部
34 :送信頻度設定部
35 :第一移動判定部
36 :通信装置
37 :位置情報検出装置
40 :第二位置取得部
41 :第二位置送信部
42 :第一位置取得部
43 :案内部
45 :通信網
46 :通信装置
47 :位置情報検出装置
48 :ユーザインターフェイス装置
Ds :端末間距離
Tj :送信判定時間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7