(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上下方向に立設された除糠金網筒と、該除糠金網筒内に回転可能に設けられた主軸と、該主軸に多数の研削式精白ロールを軸着した一体的な研削式精白ロール体と、前記除糠金網筒と前記研削式精白ロール体の間に形成した精白室と、前記除糠金網筒の外周側に形成される除糠室及び抵抗体装置を備えた研削式竪型精穀機であって、
前記の抵抗体装置は、前記除糠金網筒の周囲に立設された複数の支柱とこれら支柱のそれぞれに配置した抵抗体と付勢装置とからなり、
前記抵抗体は、先端面が前記精白室内において前記研削精白ロール体の外周面に近接し、前記研削式精白ロール体の回転に伴って移動する穀粒にその移動を抑制する抵抗を付与するものであって、先端面が前記研削精白ロール体の外周面に対して研削精白ロール体の半径方向で遠近に位置を調節可能とされ、前記付勢装置によって常時、前記研削式精白ロール体の方向へ付勢されるとともに、穀粒からの圧迫力が付勢装置による付勢を上回るときこの付勢に抗して前記研削式精白ロール体から後退されるものであって、
前記抵抗体は、軸方向に延びる一端縁と前記支柱とが蝶番により支持される一方、他端縁が前記付勢装置に連係されて前記蝶番を中心に回動可能に形成されてなる、
ことを特徴とした研削式竪型精穀機。
前記除糠金網筒と前記抵抗体装置の前記複数の支柱とは、除糠金網筒が平面視において円周方向で複数に分割した除糠金網筒部とされ、複数の支柱は前記複数に分割した除糠金網筒部の各両側縁を固定するために互いに円周方向で間隙を空けて立設されていることを特徴とした請求項1に記載の研削式竪型精穀機。
前記各支柱には、前記抵抗体の前記精白室内へ向けて突出した位置の付勢力を調節するため、調圧ダイヤルの回動位置により前記付勢力の調節ができる抵抗体装置を設けてなる請求項1又は2に記載の研削式竪型精穀機。
【背景技術】
【0002】
従来の精穀機として特許文献1に記載されたものがある。この精穀機について図面を参照しながら説明する。
図15は従来の精穀機の精穀部横断面図であり、複数の研削ロール102と複数のスペーサー103とを縦方向に交互に積み重ねて研削ロール体に形成し、これを主軸101に嵌装した状態の一部が示されている。この図において、研削ロール102の半径方向外側には、研削ロール102の外周面から間隔をおいて研削ロール102を囲繞するように多孔性筒状体105が設けられ、研削ロール102との間に精白室104を形成している。
【0003】
この多孔性筒状体105は、円周方向で間隔を置いて設けた支柱106の隣接した支柱106間に配置されており、
図15では4つの支柱106と4つの多孔製筒状体105が示されている。そして、各支柱106には、精白室104側に突出して抵抗体107が設けられる。抵抗体107は研削ロール102の回転に伴う円周方向への穀粒の移動を抑制して研削能力を向上させるものである。この抵抗体107は、主軸101の軸方向に長く、主軸101に取り付けられた複数の研削ロール102にわたるよう鉛直に配置された長尺の部材である。
【0004】
さらに、各支柱106には、各抵抗体107の半径方向への突出量をそれぞれ独立に調整する突出量調整手段108が設けられ、手動により抵抗体107の突出量が調節される(
図15の矢印参照)。なお、図中の符号109は支柱カバーであり、符号110は除糠室カバーであり、符号111は精穀後の穀粒を排出する穀粒排出樋である。
この構成では、各支柱106に設けた突出量調整手段108によりそれぞれの抵抗体107と研削ロール102外周面との間隔を独立に調節し、精白室104内での穀粒の移動に対する抵抗(移動を抑制する程度)を調節することができる。これにより、研削ロール102の穀粒に対する研削能力をそれぞれの抵抗体の箇所で調節することができる。また、精穀しようとする原料穀粒の性状や製品として求められる形状などに応じて、穀粒の流れに対する抵抗状態を細かく調整・変更できるというメリットがある。
【0005】
しかし、上記精穀機にあっては、各支柱106に設けられる突出量調整手段108が複数存在するために(
図15では円周方向に4カ所示され、さらに、主軸107方向に複数ヵ所設ける場合がある)、調整に長時間を要するという問題がある。また、作業者によっては突出量調整手段108による調整が不慣れな場合もあり、抵抗体107と研削ロール102外周面との間隙が極端に狭く設定されると、間隙に穀粒が挟まれ、米粒の場合には砕米が発生するといった問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記問題点を解決するため本発明は、作業者が手動により抵抗体の突出量を調節する必要がない抵抗体装置を備えた研削式竪型精穀機の提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため本発明は、研削式竪型精穀機を、上下方向に立設された除糠金網筒と、該除糠金網筒内に回転可能に設けられた主軸と、該主軸に多数の研削式精白ロールを軸着した一体的な研削式精白ロール体と、前記除糠金網筒と前記研削式精白ロール体の間に形成した精白室と、前記除糠金網筒の外周側に形成される除糠室及び抵抗体装置を備えたものとし、その抵抗体装置に次の技術的手段を用いた。
すなわち、抵抗体装置は、前記除糠金網筒の周囲に立設された複数の支柱とこれら支柱のそれぞれに配置した抵抗体とその付勢装置とからなり、
【0009】
前記抵抗体は、先端面が前記精白室内において前記研削精白ロール体の外周面に近接し、前記研削式精白ロール体の回転に伴って移動する穀粒にその移動を抑制する抵抗を付与するものであって、先端面が前記研削精白ロール体の外周面に対して研削精白ロール体の半径方向で遠近に位置を調節可能とされ、前記付勢装置によって常時、前記研削式精白ロール体方向へ付勢されるとともに、穀粒からの圧迫力が付勢装置による付勢を上回るときこの付勢に抗して前記研削式精白ロール体から後退されるものとした。
【0010】
前記構成に加え、前記除糠金網筒と前記抵抗体装置の前記複数の支柱とは、除糠金網筒が平面視において円周方向で複数に分割した除糠金網筒部とされ、複数の支柱は前記複数に分割した除糠金網筒部の各両側縁を固定するために互いに円周方向で間隙を空けて立設された研削式竪型精穀機とすることがある。
前記構成に加え、前記抵抗体のそれぞれを研削精白ロール体の軸方向に長い長尺に形成した研削式竪型精穀機とすることがある。
【0011】
前記構成に加え、前記各支柱には、前記抵抗体の前記精白室内へ向けて突出した位置での付勢力を調節するため、調圧ダイヤルの回動位置により付勢力の調節ができる抵抗体装置を設けた研削式竪型精穀機とすることがある。
前記構成に加え、前記抵抗体は、軸方向に延びる一端縁と前記支柱とが蝶番により支持される一方、他端縁が前記付勢装置に連係されて前記蝶番を中心に回動可能に形成された研削式竪型精穀機とすることがある。
【0012】
前記構成に加え、前記支柱に外気取入口と噴風口を設け、この噴風口を抵抗体装置における抵抗体の穀粒の流れに関して下流側であって、抵抗体に近接した箇所に配置し、この噴風口から前記精白室に向かって噴風を行う構成の研削式竪型精穀機とすることがある。
前記構成に加え、付勢装置の付勢がバネや弾力を有する樹脂ブロックや樹脂片など弾性体によるものとした研削式竪型精穀機とすることがある。
前記構成に加え、付勢装置の付勢がエアシリンダーやエアダンパーなど、エア圧によるものとした研削式竪型精穀機とすることがある。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、前記のように、研削式竪型精穀機の抵抗体装置において、研削式精白ロール体の回転に伴って移動する穀粒にその移動を抑制する抵抗を付与する抵抗体を、先端面が前記研削精白ロール体の外周面に対して研削精白ロール体の半径方向で遠近に位置を調節可能とされ、前記付勢装置によって常時、前記研削式精白ロール体の方向へ付勢されるとともに、穀粒からの圧迫力が付勢装置による付勢を上回るときこの付勢に抗して前記研削式精白ロール体から後退されるものとしたので、抵抗体が常時、精白室内へ向けて突出した位置に付勢されており、作業者が手動により抵抗体の突出量を調節する必要はない。
【0014】
この状態では、精白室内の穀粒は低圧力のもとで活発な流動作用(公転や自転)を受けながら移動している。そして、移動中に研削式精白ロールの周面に接触して穀粒の表面層が削られる。一方、精白室内で砕粒(米粒の場合には砕米)が発生するような高い圧力では穀粒の圧迫力が付勢装置による付勢力よりも上回り、抵抗体を精白ロールから離れる方向に自動的に移動する。これにより、精白室では、砕粒を生じることなく、所望の精白が行われる。したがって、この場合も人手により突出量を調節する手間がなくなる。
【0015】
除糠金網筒を平面視において円周方向で複数に分割し、抵抗体装置の支柱を円周方向で間隙を空けて立設し、これら複数の支柱で前記の分割された除糠金網筒の各両側縁をそれぞれ固定するとした構成では、抵抗体装置の支柱を除糠金網筒の取付けに利用でき、除糠金網筒を支持するための構造を簡素にできる。また、支柱に取り付けられた抵抗体は、先端面を精白室へ臨ませる構成や、精白室へ噴風を導入するための構成が簡単になる。
【0016】
調圧ダイヤルの回動位置により付勢力の調節ができる抵抗体装置によれば、抵抗体の精白室内へ向けて突出した位置での付勢力を調節することができ、作業者が原料の性状や製品として求められる形状などに応じて、穀粒の移動(流れ)に対する抵抗体の抵抗状態を細かく調整・変更できる。
【0017】
抵抗体を軸方向に延びた長尺板状の抵抗体とし、その一端縁を蝶番により前記支柱に支持させる一方、抵抗体の付勢力調節装置に連係させて前記蝶番を中心に前記抵抗体の他端縁が回動可能に形成した構成では、長尺板状の抵抗体の回動による角度で抵抗の強弱を簡単に調節することができる。また、蝶番を中心に回動する抵抗体の構成は、穀粒に対する抵抗の調節を穀粒の移動に沿って行いやすく、穀粒の移動を無用に攪乱してしまうことが少ない。
【0018】
支柱に外気取入口を穿設するとともに、穀粒の移動方向に関して抵抗体の下流側に前記精白室に向かって噴風を行う噴風口を設けた構成では、抵抗体と支柱との間隙が穀粒の通過しない領域か少ない領域であるため、噴風の取り込みがスムーズに行われる。
付勢装置において、付勢を付与する部材をバネや弾性を有する樹脂などの弾性体とするときは、部材が安価で構造も簡素にできる。
【0019】
付勢装置において、付勢を付与する部材をエアアクチュエータにすると圧力検出センサーなどと組み合わせて、穀粒の移動に対する抵抗体の抵抗をより精密に調節したり、あるいは積極的に調節したりすることができる。また、エアダンパーを用いると弾性体の場合に比べて抵抗調節の応答性がなめらかで穀粒の移動を攪乱してしまうことが少ない。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明を実施するための形態を図面とともに説明する。
【0022】
〔実施例1〕
(全体構成)
図1、
図2に示すように、本発明の一実施形態に係る研削式竪型精穀機1は、精穀すべき原料穀粒を供給する穀粒供給部2と、該穀粒供給部2より受け入れられた穀粒を下方へ移送しながら精穀する研削精穀部3と、該研削精穀部3で精穀された穀粒を排出する穀粒排出部4と、前記研削精穀部3において精白穀粒から分離された糠を集糠する集糠部5(
図2)と、機体及び駆動源となるモータを支持するための本体ベース部6と、を主な構成要素として構成してある。
【0023】
(穀粒供給部)
前記穀粒供給部2は、原料タンク(図示せず)などから供給される原料穀粒を受け入れる穀粒供給筒8と、該穀粒供給筒8に設けられて穀粒の受け入れを選択的に開放又は遮断するシャッター機構7(
図2)と、前記穀粒供給筒8から受け入れた穀粒を円周方向へ放射状に分散させる円錐形状の案内体9と、該案内体9内方に配設された上部軸受部10と、穀粒の供給流量を調節するための流量調節装置11と、前記案内体9、上部軸受部10及び流量調節装置11を収容するカバー体12と、前記流量調節装置11から前記研削精穀部3へ穀粒を送り込むための搬送螺旋13と、を備えている。
【0024】
前記シャッター機構7は供給口14に設けられた開閉弁15と、前記穀粒供給筒8の外部に設けられ、前記開閉弁15を開閉駆動させるエアーシリンダーなどの開閉駆動部16とを有している。
前記案内体9はその頂部が前記穀粒供給筒8直下に配設されており、該案内体9に落下した穀粒が、そのまま円錐部に沿って流下して放射状に均等に分散させる構造となっている。
【0025】
前記上部軸受部10は、軸受カバー17と、該軸受カバー17内に配設した軸受18(
図3)とで構成され、縦方向に立設した主軸19の上部を回転可能に支持する。このとき、
図3に示すように、主軸19と軸受18との間には、キー20によって嵌装されるカラー21が設けられており、前記穀粒供給部2と研削精穀部3とを容易に分解できる構成となっている。すなわち、研削精穀部3のケーシング22から穀粒供給部2のカバー体12を上方へ引き抜くと、主軸19からカラー21が抜脱し、穀粒供給部2と研削精穀部3とが分解される。これにより、研削精穀部3に設けられる精白ロールなどを交換する際はメンテナンス作業が非常に容易となり、作業時間も短縮されるようになる。
【0026】
前記流量調節装置11は、複数の開口部を有する固定板23と、複数の開口部を有し、調節レバー25によって回動する回動板24とを備えている(
図3参照)。そして、前記流量調節装置11の下方には、前記研削精穀部3へ穀粒を送り込むため、前記主軸19に軸着された搬送螺旋13が回転可能に配設されている。
【0027】
(研削精穀部)
前記研削精穀部3は、研削精白ロール体84、除糠金網筒28及び除糠カバー29とで主要部が構成されている。
研削式精白ロール体84は、主軸19に取り付けられた複数の研削式精白ロール26と、該複数の研削式精白ロール26相互の間に介挿したスペーサー27(
図4)とを一体的に組み付けてある。研削式精白ロール26は横断面が同心円状で、外周の表面に研削用砥石の砥粒が全周に埋め込まれている。研削式精白ロール26の研削部26a(
図6参照)はアーム部26bを介してボス部26cに連結する。複数の研削式精白ロール26相互の間にはスペーサー27が介挿されるが、スペーサー27の存在しない空間部は、噴風口32として精白室30に臨ませてある(
図4参照)
【0028】
除糠金網筒28は多孔壁部からなり、前記研削式精白ロール体84の周方向にわずかな間隙を介して立設される。また、除糠カバー29は、前記除糠金網筒28の周方向にさらに間隙を介して立設される。そして、前記除糠金網筒28と前記研削式精白ロール26との間に精白室30が形成され、さらに、前記除糠金網筒28と前記除糠カバーとの間に除糠室31が形成されている。
【0029】
除糠金網筒28は、この実施例において、縦割れ状に4分割に形成されている(
図4参照)。分割されたそれぞれの除糠金網筒28は、研削式精白ロール26の周囲に間隔を取って立設された4本の支柱33によって、それぞれの両側縁が固定されている。
支柱33は、抵抗体装置36の一部である。すなわち、抵抗体装置36は、支柱33、抵抗体34、付勢装置85及び調圧ダイヤル38を備えている。
そして、各支柱33の精白室30側には、精白室30の空間を狭める抵抗体34が設けられている(
図2,4,5)。該抵抗体34は主軸19の軸方向に縦長に形成された直方体形状であり、各支柱33の上下2ヵ所に取り付けた複数の支持ボルト35により抵抗体34の長尺方向の両端部が支持され、さらに、各支柱33の中間部に取り付けた抵抗体調節装置36により抵抗体34を水平方向に摺動可能(出入調節可能)に形成されている。そして、抵抗体34はバネ37により常時、精白ロール26側に付勢されており、この付勢力は調圧ダイヤル38の回動位置により調節できる構成となっている。
【0030】
(穀粒排出部)
前記精白室30の下端には、前記研削精穀部3により精穀された穀粒を排出する穀粒排出部4(
図1,6)が配設される。該穀粒排出部4は、除糠金網筒28の一部を開口して形成した排出口39と、該排出口39に接続した排出樋40と、該排出樋40に横架した軸41に固着した分銅レバー42と、該分銅レバー42の一端側に枢着して前記排出口39を閉鎖可能に対峙した抵抗板43と、前記分銅レバー42の他端側に移動可能に装着した分銅44とを備えている。
【0031】
(集糠部)
前記穀粒排出部4下方には、前記研削精穀部3において精白穀粒から分離された糠を集糠する集糠部5(
図1,6)が配設される。該集糠部5は、前記除糠室31下端部と連通する糠排出筒45と、該糠排出筒45からの糠を外部の糠吸引ファン47へ移送する糠排出管46とを備えている。そして、前記糠排出筒45と前記糠排出管46との連通部には、回転によって除糠風を発生させるファンの機能を有するプーリ48が配設されている。このプーリ48は、
図7に示すように、回転することで羽根形状のアーム部49によって下方向への除糠風が発生し、糠は、ボス部50とリム部51とアーム部49とで囲まれる空間部52を通過し、前記糠排出筒45から糠排出管46へ向けて糠排出が促進されるようになる。
【0032】
前記プーリ48の上部には、前記主軸19を支持するための下部軸受部53が配設される。該下部軸受部53は、前記ケーシング22に固設された軸受ケース54に内装されており、前記プーリ48の回転により主軸19が回転可能となる構成である。符号55は前記主軸19に軸着した穀粒排出ロールであり、該穀粒排出ロール55の上には、前述したように、多段状に複数の研削式精白ロール26を積み重ねて研削精穀部3を形成することになる。
【0033】
〔抵抗体装置〕
抵抗体装置36の内部機構について
図5を参照して説明する。前記除糠金網筒28を固定する支柱33には、抵抗体装置36のカバー体36aが固設されるとともに、該カバー体36aから外方向に膨出するように抵抗体装置36の本体36bが固設される。抵抗体装置36は付勢装置85を備える。付勢装置85は、前記本体36b、バネ37、調圧ダイヤル38、ねじ軸65、第1バネ69、摺動軸71などで構成されている。
【0034】
前記本体36bにはねじ孔(図示せず)を穿設し、該ねじ孔にねじ軸65を挿通するとともに、該ねじ軸65と本体36bとの隙間に摺動筒66を嵌装する。そして、前記ねじ軸65の先端部には、該ねじ軸65に固設された固定バネ受座67と、該ねじ軸65に対して摺動可能な可動バネ受座68と、前記ねじ軸65の固定バネ受座67および可動バネ受座68との間に嵌装された第1バネ69とを設け、可動バネ受座68が第1バネ69の弾性力を受けて水平方向に摺動可能となっている。一方、前記ねじ軸65の後端側には、雄ねじ部65aを形成するとともに、該雄ねじ部65aには、前記摺動筒66を
図8上で左右方向に摺動させる調圧ダイヤル38が螺合されている。符号70は調圧ダイヤル38を固定するためのロック部である。
【0035】
さらに、前記カバー体36aには、前記ねじ軸65下方に該ねじ軸65と平行な摺動軸71が挿通され、該摺動軸71の先端側が前記支柱33の中央開口部33aに挿通される。そして、摺動軸71の先端部71aがジョイント部72を介して抵抗体34に連結されている。摺動軸71の先端側は、該摺動軸71に固設された第2固定バネ受座73と、摺動軸71に対して摺動可能な第2可動バネ受座74と、前記第2固定バネ受座73および第2可動バネ受座74との間に嵌装されたバネ37とが設けられている。そして、前記第2可動バネ受座74と前記可動バネ受座68との間には、前記可動バネ受座68の可動に伴って同じ変位量で前記第2可動バネ受座74を可動させるための連結部材75が橋架して設けられている。なお、符号83は、研削式精白ロール26と抵抗体34との間隙の大きさを微調整することができる微調節ナットである。
【0036】
(本体ベース部)
機体下部の本体ベース部6の側部には、モータベース56が付設してあり、該モータベース56に駆動用モータ57を固定するとともに、モータプーリ58と前記プーリ48との間にVベルト59を連動・連結して駆動用モータ57の回転を主軸19に伝達できる構成である。また、本体ベース部6には、本体ベース部6に対してモータベース56を水平方向に相対的に移動させて、モータプーリ58とプーリ48との軸心距離を調節する移動装置60が付設されている。
【0037】
移動装置60は、モータベース56を水平方向に移動させるねじを引っ掛けるフック部61と、外周にねじが切られた雄ねじ部62と、該雄ねじ部62と螺合する内ねじを本体ベース部6側に固設した雌ねじ部63とによって構成される。そして、雄ねじ部62の先端部62aをフック部61に固定する一方、雄ねじ部62の頭部近傍を雌ねじ部63に螺合させることにより、モータプーリ57とプーリ47間に巻装されたVベルト59の長さが変わっても、その変化に応じた量だけ、雄ねじ部62を回転させると、本体ベース部6とモータベース56とが相対的に移動されるので、Vベルト59を緩み無く、かつ適当な張力に保つことができる。
本体ベース部6の内部には、前記プーリ48、モータプーリ58及びVベルト59と干渉しないように前記糠排出管46が横設される。
【0038】
(作動)
まず、駆動源となる駆動用モータ57を作動させてプーリ48、主軸19及び研削式精白ロール26を回転させた状態で、開閉駆動部16により開閉弁15を開放することにより、原料タンクなどに貯留されている穀粒が供給口14から下方に落下する。落下した穀粒は、その下方にある案内体9によって円周方向に均等に分散されながら流下し、調整レバー25によって適度な供給流量に調整されて搬送螺旋13に送り込まれる。
【0039】
搬送螺旋13では、穀粒を順次精白室30に送り込み、精白室30では、穀粒は低圧力のもとで活発な流動作用(公転や自転)を受けながら、研削式精白ロール26の周面に接触することにより穀粒の表面層が削られることになる。このとき、精白室30の空間を狭める抵抗体34がバネ37により精白ロール26側に付勢されている。一方、精白室30内で砕粒が発生するような高い圧力となってくると、穀粒の圧迫力により抵抗体34は、バネ37の弾性力に抗して押され、精白ロール26から離れる方向に移動する。これにより、精白室30は当初設定の適正な圧力に調節され、砕粒が生じる危険が自動的に回避される。
【0040】
そして、穀粒排出部4では、分銅44の力を受けた抵抗板43の押圧力に抗して穀粒が抵抗板43を開くことで排出が行われ、排出樋40を介して機外に取り出される。 また、集糠部5においては、主軸19に軸着したプーリ48が、ファン兼用型のプーリに形成されている。このため、除糠室31の糠は、プーリ48の回転による除糠風により、均等に吸引され、糠排出管46側へ向けての排出が極めて効率よく行われるようになる。
【0041】
抵抗体装置36において、抵抗体34の抵抗圧力(穀粒の移動を抑制する力)を強くする場合は、調圧ダイヤル38を時計方向に回動させる。すなわち、調圧ダイヤル38を雄ねじ部65aにねじ込むと、そのねじ込み量により底面38aに当接した摺動筒66が
図8の左方向に移動され、摺動筒66の先端に当接した可動バネ受座68が第1バネ69の付勢力に抗して左方向に移動される。そして、連結部材75により可動バネ受座68の変位が第2可動バネ受座74に伝達される。これにより、第2可動バネ受座74が左方向に移動してバネ37が圧縮され、弾性力を強めることができる。反対に、抵抗体34の抵抗圧力を弱くする場合は、調圧ダイヤル71を反時計方向に回動させる。これにより、第2可動バネ受座74が右方向に移動されるのに伴い、バネ37が伸びて弾性力を弱めることができる。
【0042】
〔外気取入れ構造〕
穀粒供給部2と研削精穀部3とに設けられた外気取入れ構造について説明する。前記穀粒供給部2のカバー体12には(
図1、
図3)、その周壁に複数の外気取入口76が設けられるとともに、流量調節装置11に開口77が形成されている。さらに、前記搬送螺旋13の上面には、取り入れた外気を前記研削精穀部3内部に流通させる通風口78が設けられている。
【0043】
また、前記研削精穀部3の各支柱33を覆う支柱カバー79(
図1)においても、その周壁に複数の外気取入口80(
図1)が設けられる。すなわち、各支柱33には、
図8に示すように研削精穀部3内に外気を取り入れる外気取入口81が設けられ、取り入れた外気は、研削精穀部3内部に流通させて、精穀により生じた糠を精白室30から除糠室31へ速やかに移送できる構造となっている。
【0044】
この構成によって、穀粒供給部2において、穀粒供給筒8から案内体9に穀粒が流下する際に外気取入口76から外気が取り入れられ、開口77を経て通風口78から搬送螺旋13内部に流入する。そして、搬送螺旋13内部からは研削式精白ロール26の内部に向かって外気が送り込まれ、研削式精白ロール26の噴風口32から精白室30へ向けて噴風が行われる。この精白室30に噴風された風によって糠が除糠金網筒28を通過して除糠室31に至ることになる。
【0045】
一方、
図8に示すように、研削精穀部3においても、支柱33に設けられた外気取入口81から外気が取り入れられ、抵抗体34の穀粒の移動に関する下流側の面と支柱33との間隙に形成された噴風口82から精白室30へ向けて噴風が行われる。前記下流側の面と支柱33との間隙は、穀粒の通過しない領域、または通過が少ない領域である。また、噴風口82を形成することで、穀粒の挟みや噛み込みが防止されるとともに、抵抗体34の回動がスムーズになる。そして、噴風口82から精白室30に噴風される風は、前記噴風口32から精白室30に噴風される風と相俟って、精白室30内の糠を確実に除糠室31へ移送するように作用する。
【0046】
以上説明したように、各支柱33には、研削式精白ロール26の円周方向への穀粒の移動に抵抗を付与する鉛直方向に長い長尺の抵抗体34を設けるとともに、該抵抗体34は、弾性体37によって精白室30内へ向けてあらかじめ設定した付勢力で突出しており、さらに、移動する穀粒の圧迫力に応じて精白室30内から離れる位置へ半径方向に移動自在に設けられている。前記の付勢力は、精白室30内の穀粒が研削式精白ロール体84の回転に伴い、低圧力のもとで活発な流動作用(公転や自転)を受けながら、研削式精白ロール26の周面に接触することにより穀粒の表面層が削られる状態とするものであり、一方、ある時、精白室30内で砕粒が発生するような高い圧力となってくると、穀粒の圧迫力によりバネ37(弾性体)の弾性力に抗して、精白ロール26から離れる方向に自動的に移動するものである。これにより、精穀の際に作業者が手動により抵抗体34の突出量(穀粒の移動を抑制する程度)を調節する必要はない。
【0047】
〔実施例2〕
図9〜12は、実施例2の要部を示したものである。この実施例における研削式竪型精穀機1の全体構成、穀粒供給部、研削精穀部、穀粒排出部、集糠部、本体ベース部の構成は、前記の実施例1と同じであり、同じ符号を用い、また、説明を援用する。
実施例1に対して実施例2は、抵抗体装置36及び外気取入れ構造に特徴を有する。
【0048】
〔抵抗体装置〕
抵抗体装置36は主軸19の軸方向に長く、研削精白ロール体84のほぼ全長にわたる長さである(
図10)。
抵抗体装置36の内部機構について
図10、11を参照して説明する。
前記除糠金網筒28を固定する支柱33には、抵抗体装置36のカバー体36aが固設されるとともに、該カバー体36aから外方向に膨出するように抵抗体装置36の本体36bが固設される。抵抗体装置36は付勢装置85を備える。付勢装置85(
図11)は、前記本体36b、バネ37、調圧ダイヤル38、ねじ軸65、第1バネ69、摺動軸71などで構成されている。
【0049】
前記本体36bにはねじ孔(図示せず)を穿設し、該ねじ孔にねじ軸65を挿通するとともに、該ねじ軸65と本体36bとの隙間に摺動筒66を嵌装する。そして、前記ねじ軸65の先端部には、該ねじ軸65に固設された固定バネ受座67と、該ねじ軸65に対して摺動可能な可動バネ受座68と、前記ねじ軸65の固定バネ受座67および可動バネ受座68との間に嵌装された第1バネ69とを設け、可動バネ受座68が第1バネ69の弾性力を受けて水平方向に摺動可能となっている。一方、前記ねじ軸65の後端側には、雄ねじ部65aを形成するとともに、該雄ねじ部65aには、前記摺動筒66を
図8上で左右方向に摺動させる調圧ダイヤル38が螺合されている。符号70は調圧ダイヤル38を固定するためのロック部である。
【0050】
さらに、前記カバー体36aには、前記ねじ軸65下方に該ねじ軸65と平行な摺動軸71が挿通され、該摺動軸71の先端側が前記支柱33の中央開口部33aに挿通される。そして、摺動軸71の先端部71aがジョイント部72を介して抵抗体34に連結されている。抵抗体34は、縦長に形成され、かつ、蝶番64(
図9)を中心に回動可能に形成した長尺の板である。抵抗体34は、板の一端縁と支柱33とが蝶番64により支持され、板の他端縁が付勢装置85により蝶番64を中心に移動可能(回動可能)に形成されている。
【0051】
摺動軸71の先端側は、実施例1の場合と同様に、該摺動軸71に固設された第2固定バネ受座73と、摺動軸71に対して摺動可能な第2可動バネ受座74と、前記第2固定バネ受座73および第2可動バネ受座74との間に嵌装されたバネ37とで構成されている。そして、前記第2可動バネ受座74と前記可動バネ受座68との間には、前記可動バネ受座68の可動に伴って同じ変位量で前記第2可動バネ受座74を可動させるための連結部材75が橋架して設けられている。なお、符号83は、研削式精白ロール26と抵抗体34との間隙の大きさを微調整することができる微調節ナットである。
【0052】
以上のように、実施例2において、抵抗体34は精白室30の空間に位置し、蝶番64を中心に回動した姿勢でこの空間を移動する穀粒の移動を抑制する。前記の回動した姿勢は研削精白ロール体84の回転による穀粒の流れ(移動)に関して蝶番側が上流、他端側が下流側となる傾斜した姿勢である。そして、抵抗体34は付勢装置85のバネ37により精白ロール26側に押し付けて付勢されており、この付勢力は調圧ダイヤル38の回動位置により調節できる構成となっている。
【0053】
バネ37による付勢力は、実施例1の場合と同様に通常では、精白室30内の穀粒が研削式精白ロール体84の回転に伴い、低圧力のもとで活発な流動作用を受けながら、研削式精白ロール26の周面に接触することにより穀粒の表面層が削られる状態とする程度のものであり、一方、何らかの理由により、精白室30内で砕粒が発生するような高い圧力状態では、穀粒の圧迫力により抵抗体34がバネ37の弾性力に抗して蝶番64を中心に外側へ逃げるように回動して、精白ロール26から離れる方向へ自動的に移動する。
【0054】
したがって、実施例1の場合と同様に、精穀の際に作業者が手動により抵抗体34の突出量(穀粒の移動を抑制する程度)を調節する必要がない。
なお、実施例2においても、穀粒供給部2のカバー体12の周壁に複数の外気取入口76が設けられ、また、前記研削精穀部3の各支柱33を覆う支柱カバー79(
図1)においても、その周壁に複数の外気取入口80が設けられ、これらから取り入れた外気を研削精穀部3内部に流通させて精穀により生じた糠を精白室30から除糠室31へ速やかに移送できる構造となっている。
【0055】
この場合に、支柱33の外気取入口81から取り入れられた外気は、抵抗体34の穀粒の移動に関する下流側の面と支柱33との間隙に形成された噴風口82から精白室30へ向けて噴風される。実施例2の場合は特に、抵抗体34が板であり、その穀粒の移動に関して上流側の端縁が蝶番64で支持され、他の端縁が研削精白ロール体84に近接する傾斜状態となるので、抵抗体34の前記下流側に穀粒が存在しない空間を作りやすい。このため、この箇所に設けた噴風口82からは穀粒に邪魔されずに効率よく噴風することができる。
【0056】
〔実施例3〕
図13、14は、実施例3の要部を示したものである。この実施例における研削式竪型精穀機1の全体構成、穀粒供給部、研削精穀部、穀粒排出部、集糠部、本体ベース部の構成は、前記の実施例1と同じであり、同じ符号を用い、また、説明を援用する。
実施例2に対して実施例3は、抵抗体装置36及び外気取入れ構造において、付勢装置85の付勢手段をエア圧としている点に特徴を有する。
【0057】
〔抵抗体装置〕
抵抗体装置36は実施例1の場合と同様に、主軸19の軸方向に長く、研削精白ロール体84のほぼ全長にわたる長さである。
抵抗体装置36の内部機構について
図13、14を参照して説明する。
前記除糠金網筒28を固定する支柱33には、抵抗体装置36のカバー体36aが固設されるとともに、該カバー体36aから外方向に膨出するように調圧装置38が設けられている。
【0058】
抵抗体装置36は付勢装置85を備える。付勢装置85は、エアアクチュエータ―であって、エアシリンダー86、可動ロッド87及び前記の調圧装置38とで構成されている。エアシリンダー86は一端の取付け部88を調圧装置38側の結合ブロック89に軸90で回動可能に取付け、他端を抵抗体34にフリージョイント構造91で回動可能に連結してある。抵抗体34は一端を支柱33側に軸92で回動可能に支持されており、可動ロッド87の進退で軸92を中心に回動して、研削式精白ロール26に対する突出度(傾斜角度)を調整することができる。
【0059】
エアシリンダー86には、コンプレッサー92からレギュレーター93を介して枝管No1が接続されており、エアシリンダー86内部にエア圧が供給されている。このエア圧は、レギュレーター93によって調整することができる。レギュレーター93には枝管No1〜No4が接続されており、この実施例において4個設けた抵抗体装置36におけるエアシリンダー86のそれぞれに配管されている。したがって、各抵抗体装置36の抵抗体34は、エア圧を受けて前記蝶番64を中心に回動し、穀粒の移動を抑制する。
【0060】
エアシリンダー内のエア圧による付勢力は、実施例1の場合と同様に通常では、精白室30内の穀粒が研削式精白ロール体84の回転に伴い、低圧力のもとで活発な流動作用を受けながら、研削式精白ロール26の周面に接触することにより穀粒の表面層が削られる状態とする程度のものであり、一方、何らかの理由により、精白室30内で砕粒が発生するような高い圧力状態では、穀粒の圧迫力により抵抗体34を介して可動ロッド87がエア圧に抗して押し込まれる。すると、エアシリンダー内部の圧力が高くなるが、この圧力変化はレギュレーター93が調整し、穀粒の移動が過剰に抑制されるのが防止される。
【0061】
したがって、実施例1の場合と同様に、精穀の際に作業者が手動により抵抗体34の突出量(穀粒の移動を抑制する程度)を調節する必要がない。このとき、エア圧による付勢なので、付勢装置において、付勢を付与する部材をエアアクチュエータにすると圧力検出センサーなどと組み合わせて、穀粒の移動に対する抵抗体の抵抗をより精密に調節したり、あるいは積極的に調節したりすることができる。また、エアダンパーを用いると弾性体の場合に比べて抵抗調節の応答性がなめらかで穀粒の移動を攪乱してしまうことが少ない。
【0062】
なお、実施例3においても、穀粒供給部2のカバー体12の周壁に複数の外気取入口76が設けられ、また、前記研削精穀部3の各支柱33を覆う支柱カバー79(
図1)においても、その周壁に複数の外気取入口80が設けられ、これらから取り入れた外気を研削精穀部3内部に流通させて精穀により生じた糠を精白室30から除糠室31へ速やかに移送できる構造となっている。