(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の場合、雄ネジ体105’a、雄ネジ体105’bを回動して取り付け、取り外しを行うため、例えば、雄ネジ体105’aの頭部を部材102’と接触しながら、雄ネジ体105’bの頭部を部材101’と接触しながら、固定具105’を固定しなければならず、摩擦抵抗が大きく固定しづらく、しかも、溶接後も、同様に、雄ネジ体105’aの頭部を部材102’と接触しながら、雄ネジ体105’bの頭部を部材101’と接触しながら、固定具105’を解除しなければならず、固定のみならず、固定の解除も容易でないという問題点が生じた。
【0004】
本発明は、前記問題点を考慮したなされたもので、固定のみならず、固定の解除も良好な固定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の固定方法は、対象物を固定する固定方法であって、ベースと、このベースに対して直交する関係にある支持部とを有した本体と、貫通孔を有し、前記貫通孔に臨む被係止部を備えると共に、外形が
ベース側の垂直方向に向かって先細りとなるテーパー部を有する外面当接部材と、前記貫通孔を通り、後端の裏面に前記被係止部に係止する係止部を有した係止部材と、この係止部材を前記ベースの面に対して垂直方向へ進退させる進退手段とを備え、前記係止部材の係止部は、
前記ベース側の垂直方向に向かって先細りとなる係止テーパー部を有し、前記外面当接部材を前記ベースに載置し、前記支持部と前記ベースに載置した前記外面当接部材のテーパー部との間に前記対象物を位置させ、前記進退手段により、前記係止部材を前記ベースに向かって前進させることにより、前記係止部材の前記係止テーパー部を前記外面当接部材の前記被係止部に係止させて、前記外面当接部材を介して前記対象物を前記支持部に押し付けて前記対象物を固定するものであり、前記係止部材の前記係止テーパー部と前記外面当接部材の前記被係止部との係止部位の前記ベースからの高さHは、前記外面当接部材と前記対象物との当接部位の前記ベースからの高さh(H>h)より高い位置にある。
【0006】
また、請求項2記載の固定方法は、対象物を固定する固定方法であって、ベースと、このベースに設けられた雌ねじ孔と、前記ベースに対して直交する関係にある支持部とを有した本体と、貫通孔を有し、前記貫通孔に臨む被係止部を備えると共に、外形が
ベース側の垂直方向に向かって先細りとなるテーパー部を有する外面当接部材と、前記貫通孔を通り、前記雌ねじ孔の雌ねじに螺合する雄ネジ部を全体に亘って有した雄ネジ体と、この雄ネジ体の雄ネジ部に螺合し、
前記ベース側の垂直方向に向かって先細りとなるテーパー部を有するテーパーナットとを備え、前記支持部と前記ベースに載置した前記外面当接部材のテーパー部との間に前記対象物を位置させ、前記雌ねじ孔の前記雌ねじに前記雄ネジ部を螺合した前記雄ネジ体を前記雌ねじ孔に向かって前進させることにより、前記テーパーナットの前記テーパー部を前記外面当接部材の前記被係止部に係止させて、前記外面当接部材を介して前記対象物を前記支持部に押し付けて前記対象物を固定するものであり、前記テーパーナットの前記テーパー部と前記外面当接部材の前記被係止部との係止部位の前記ベースからの高さHは、前記外面当接部材と前記対象物との当接部位の前記ベースからの高さh(H>h)より高い位置にある。
【0007】
また、請求項3記載の固定方法は、請求項2記載の固定方法において、テーパーナットの上に位置し、雄ネジ体の雄ネジ部に螺合し、前記テーパーナットの上端面に第1のナットを当接して前記第1のナットを締め付けるものである。
【0008】
また、請求項4記載の固定方法は、請求項2記載の固定方法において、テーパーナットの上に位置し、雄ネジ体の雄ネジ部に螺合し、前記テーパーナットの上端面に第1のナットを当接して前記第1のナットを締め付け、本体の雌ねじ孔より突出した前記雄ネジ体の雄ネジ部に第2のナットを螺合するものである。
【0009】
また、請求項5記載の固定方法は、請求項
1記載の固定方法において、外面当接部材の貫通孔は、
ベース側の垂直方向に向かって先細りとなる第1のテーパー部と、この第1のテーパー部に接続し、
前記ベース側の垂直方向に向かって末広がりとなる第2のテーパー部とを有し、
前記ベース側の垂直方向に向かって、前記第1のテーパー部、前記第2のテーパー部の順で構成され、係止部材は、円筒部と、この円筒部の先端に設けられた雄ネジ部とを有し、前記第1のテーパー部と前記第2のテーパー部との接続部位が前記円筒部に当接するものである。
【0010】
また、請求項6記載の固定方法は、対象物を固定する固定方法であって、ベースと、このベースに対して直交する関係にある支持部とを有した本体と、貫通孔を有し、前記貫通孔に臨む被係止部を備えると共に、外形が
ベース側の垂直方向に向かって先細りとなるテーパー部を有する外面当接部材と、前記貫通孔を通り、後端の裏面に前記被係止部に係止する係止部を有した係止部材と、この係止部材を前記ベースの面に対して垂直方向へ付勢させる付勢手段とを備え、
前記係止部材の係止部は、前記ベース側の垂直方向に向かって先細りとなる係止テーパー部を有し、前記支持部と前記ベースに載置した前記外面当接部材のテーパー部との間に前記対象物を位置させ、前記付勢手段により、前記係止部材の前記係止テーパー部を前記外面当接部材の前記被係止部に係止させて、前記外面当接部材を介して前記対象物を前記支持部に押し付けて前記対象物を固定するものであり、前記係止部材の前記係止テーパー部と前記外面当接部材の前記被係止部との係止部位の前記ベースからの高さHは、前記外面当接部材と前記対象物との当接部位の前記ベース
からの高さh(H>h)より高い位置にある。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の固定方法によれば、外面当接部材は、貫通孔を有し、前記貫通孔に臨む被係止部を備えると共に、外形が垂直方向に向かって先細りとなるテーパー部を有し、支持部と外面当接部材のテーパー部との間に対象物を位置させ、進退手段により、係止部材をベースに向かって前進させることにより、前記係止部材の係止テーパー部を前記外面当接部材の前記被係止部に係止させて、前記外面当接部材を介して前記対象物を前記支持部に押し付けて前記対象物を固定するため、固定のみならず、固定の解除に力を要せず行うことができ、しかも、前記係止部材の前記係止テーパー部と前記外面当接部材の前記被係止部との係止部位の前記ベースからの高さHは、前記外面当接部材と前記対象物との当接部位の前記ベースからの高さh(H>h)より高い位置にあり、対象物への押し付け作用が下方斜めであるため、固定をより確実にすることができ、更に、対象物の垂直方向の高さが外面当接部材の高さより低くても、高くても固定することができる。
【0012】
また、請求項2記載の固定方法によれば、外面当接部材は、貫通孔を有し、前記貫通孔に臨む被係止部を備えると共に、外形が垂直方向に向かって先細りとなるテーパー部を有し、支持部と外面当接部材との間に対象物を位置させ、雌ねじ孔の前記雌ねじに前記雄ネジ部を螺合した前記雄ネジ体を前記雌ねじ孔に向かって前進させ、対象物を介して支持部に押し付けて対象物を固定するため、固定のみならず、固定の解除に力を要せず行うことができ、しかも、前記テーパーナットの前記テーパー部と前記外面当接部材の前記被係止部との係止部位の前記ベースからの高さHは、前記外面当接部材と前記対象物との当接部位の前記ベースからの高さh(H>h)より高い位置にあり、対象物への押し付け作用が下方斜めであるため、固定をより確実にすることができ、更に、対象物の垂直方向の高さが外面当接部材の高さより低くても、高くても固定することができる。
【0013】
また、請求項3記載の固定方法によれば、請求項2記載の発明の効果に加え、テーパーナットの上に位置し、雄ネジ体の雄ネジ部に螺合し、前記テーパーナットの上端面に第1のナットを当接して前記第1のナットを締め付けるため、テーパーナットが緩むのを防ぐことができる。
【0014】
また、請求項4記載の固定方法によれば、請求項2記載の発明の効果に加え、テーパーナットの上に位置し、雄ネジ体の雄ネジ部に螺合し、前記テーパーナットの上端面に第1のナットを当接して前記第1のナットを締め付けるため、テーパーナットが緩むのを防ぐことができる。
【0015】
また、請求項5記載の固定方法によれば、上述した請求項2記載の発明の効果に加え、第1のテーパー部と第2のテーパー部との接続部位が係止部材の円筒部に当接するため、係止部材の雄ネジ部の損傷を防ぐことができる。
【0016】
また、請求項6記載の固定方法によれば、外面当接部材は、支持部とベースに載置した外面当接部材のテーパー部との間に対象物を位置させ、付勢手段により、係止部材の係止テーパー部を前記外面当接部材の被係止部に係止させて、前記外面当接部材を介して前記対象物を前記支持部に押し付けて前記対象物を固定するため、固定のみならず、固定の解除に力を要せず行うことができ、しかも、前記係止部材の前記係止テーパー部と前記外面当接部材の前記被係止部との係止部位の前記ベースからの高さHは、前記外面当接部材と前記対象物との当接部位の前記ベースからの高さh(H>h)より高い位置にあり、対象物への押し付け作用が下方斜めであるため、固定をより確実にすることができ、更に、対象物の垂直方向の高さが外面当接部材の高さより低くても、高くても固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例の固定方法(固定装置)によって対象物を固定する過程を示したもので、
図1(a)は、対象物を固定する前の状態の概略的図であり、
図1(b)は、壁面と外面当接部材との間に対象物を位置させた状態の概略的図であり、
図1(c)は、対象物を固定した状態の概略的図である。
【
図2】
図2は、
図1の固定方法と異なる他の実施例の(固定装置)によって対象物を固定する過程を示したもので、
図2(a)は、対象物を固定する前の状態の概略的図であり、
図2(b)は、壁面と外面当接部材との間に対象物を位置させた状態の概略的図であり、
図2(c)は、対象物を固定した状態の概略的図である。
【
図3】
図3は、
図2の固定方法と異なる他の実施例の(固定装置)によって対象物を固定する過程を示したもので、
図3(a)は、対象物を固定する前の状態の概略的図であり、
図3(b)は、壁面と外面当接部材との間に対象物を位置させた状態の概略的図であり、
図3(c)は、対象物を固定した状態の概略的図である。
【
図4】
図4は、
図3の固定方法と異なる他の実施例の(固定装置)によって対象物を固定する過程を示したもので、
図4(a)は、対象物を固定する前の状態の概略的図であり、
図4(b)は、対象物を固定した状態の概略的図である。
【
図5】
図5は、
図4の固定方法と異なる他の実施例の(固定装置)によって対象物を固定する過程を示したもので、
図5(a)は、対象物を固定する前の状態の概略的図であり、
図5(b)は、対象物を固定した状態の概略的図である。
【
図6】
図6は、
図5の固定方法と異なる他の実施例の(固定装置)によって対象物を固定する前の状態の概略的図である。
【
図7】
図7は、
図6の対象物を固定した状態の概略的図である。
【
図8】
図8は、
図6及び
図7の固定方法と異なる他の実施例の(固定装置)によって対象物を固定した状態の概略的図である。
【
図9】
図9(a)(b)(c)は、
図8の外面当接部材と異なる他の実施例の外面当接部材の概略的平面図である。
【
図10】
図10は、
図8の固定方法と異なる他の実施例の(固定装置)によって対象物を固定した状態の概略的図である。
【
図11】
図11は、従来の固定方法によって溶接された部材の概略的斜視図である。
【
図12】
図12は、従来の固定方法により対象物を固定し、
図11の部材の製造過程を示した概略的図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施例の固定方法を図面(
図1乃至
図4)を参照して説明する。
[実施例1
図1(a)(b)(c)]
図1(a)(b)(c)は、対象物10を固定する固定方法(固定装置K)を示すもので、固定装置Kは、ベース11と、このベース11に設けられた雌ねじ孔12と、ベース11に対して直交する関係にある支持部14とを有した本体1を有している。
【0019】
2は外面当接部材で、外面当接部材2は、貫通孔21を有し、貫通孔21に臨む被係止部22を備えると共に、外形が垂直方向に向かって先細りとなるテーパー部23を有する。
また、3は係止部材で、係止部材3は、貫通孔21を通り、先端に雌ねじ孔12の雌ねじ13に螺合する雄ネジ部31を有し、後端の裏面に被係止部22に係止する係止部32を有している。
また、係止部材3の係止部32は、垂直方向に向かって先細りとなる係止テーパー部33を有している。
また、4は進退手段で、係止部材3をベース11の面に対して垂直方向へ進退させるもので、進退手段4は、
図1(a)(b)(c)記載の実施例にあっては、係止部材3の頂部に設けたマイナス溝41に図示しないドライバーの先端を係止し、図示しないドライバーを正逆に回転して、係止部材3をベース11の面に対して垂直方向へ進退させることができる。
【0020】
対象物10を固定するには、外面当接部材2をベース11に載置し[
図1(a)参照]、支持部14とベース11に載置した外面当接部材2のテーパー部23との間に対象物10を位置させ、進退手段4により、係止部材3をベース11に向かって前進させる、具体的には、雌ねじ孔12の雌ねじ13に雄ネジ部31を螺合した係止部材3を雌ねじ孔12に向かって前進させる(具体的に言えば、図示しないドライバー等を使用して係止部材3を進退させる。)ことにより、係止部材3の係止テーパー部32を外面当接部材2の被係止部22に係止させて、外面当接部材2を介して対象物10を支持部14に押し付けて対象物10を固定することができる[
図1(c)参照]。
そして、
図1(c)に示すように、係止部材3の係止テーパー部32と外面当接部材2の被係止部22との係止部位のベース11からの高さHは、外面当接部材2と対象物10との当接部位のベース11からの高さh(H>h)より高い位置にある。
なお、
図1(a)の外面当接部材2に対象物10が当たると、外面当接部材2は、
図1(b)に示す矢印方向に移動し、雌ねじ孔12の雌ねじ13に雄ネジ部31を螺合した係止部材3を雌ねじ孔12に向かって前進させることにより、係止部材3の係止テーパー部32が外面当接部材2の被係止部22に係止しして、
図1(b)の外面当接部材2は、
図1(c)に示す矢印方向に移動することとなる。
【0021】
従って、上述した固定方法(固定装置K)によれば、外面当接部材2は、貫通孔21を有し、貫通孔21に臨む被係止部22を備えると共に、外形が垂直方向に向かって先細りとなるテーパー部23を有し、支持部14と外面当接部材2のテーパー部23との間に対象物10を位置させ、係止部材3をベース11に設けられた雌ねじ孔12に向かって前進させ、外面当接部材2のテーパー部23を支持部14の側に移動させ対象物10を介して支持部14に押し付けて対象物10を固定するため、固定のみならず、固定の解除に力を要せず行うことができ、しかも、係止部材3の係止テーパー部32と外面当接部材2の被係止部22との係止部位のベース11からの高さHは、外面当接部材2と対象物10との当接部位のベース11からの高さh(H>h)より高い位置にあり、対象物10への押し付け作用が下方斜めであるため、固定をより確実にすることができ、更に、対象物10の垂直方向の高さが外面当接部材2の高さより低くても、高くても固定することができる。
【0022】
[実施例2
図2(a)(b)(c)]
上述の実施例1の対象物10の断面形状は
図1(b)(c)に示すように、四角形であったが、本願発明にあっては、これに限らず、例えば、
図2(a)(b)(c)に示すように、対象物10’の断面形状が円であっても、実施例1と同様に適用することができる。
実施例2
図2(a)(b)(c)にあっては、実施例1
図1(a)(b)(c)と同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
【0023】
[実施例3
図3(a)(b)(c)]
上述の実施例1、2の対象物10、10’にあっては、対象物10、10’をベース11に載置した状態でスライドして外面当接部材2と支持部14との間に位置させたが、本願発明にあっては、これに限らず、例えば、
図3(a)(b)(c)に示すように、上方から対象物10を外面当接部材2と支持部14との間に位置させても、実施例1、実施例2と同様に適用することができる。
実施例3
図3(a)(b)(c)にあっては、実施例1
図1(a)(b)(c)と同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
【0024】
[実施例4
図4(a)(b)]
次に、
図4(a)(b)を参照して、対象物10を固定する固定方法(固定装置K)について、説明する。
図4(a)(b)は、対象物10を固定する固定方法(固定装置K)を示すもので、固定装置Kは、ベース11と、このベース11に設けられた雌ねじ孔12と、ベース11に対して直交する関係にある支持部14とを有した本体1を有している。
【0025】
2は外面当接部材で、外面当接部材2は、貫通孔21を有し、貫通孔21に臨む被係止部22を備えると共に、外形が垂直方向に向かって先細りとなるテーパー部23を有する。
また、3’は雄ネジ体で、雄ネジ体3’は、貫通孔21を通り、雌ねじ孔12の雌ねじ13に螺合する雄ネジ部31’を全体に亘って有したものである。
また、5はテーパーナットで、テーパーナット5は、雄ネジ体3’の雄ネジ部31’に螺合し、垂直方向に向かって先細りとなるテーパー部51を有する。
【0026】
対象物10を固定するには、支持部14とベース11に載置した外面当接部材2のテーパー部23との間に対象物10を位置させ、雌ねじ孔12の雌ねじ13に雄ネジ部31’を螺合した雄ネジ体3’を雌ねじ孔12に向かって前進させることにより、テーパーナット5のテーパー部51を外面当接部材2の被係止部22に係止させて、外面当接部材2を介して対象物10を支持部14に押し付けて対象物10を固定することができる[
図4(a)(b)参照]。
なお、外面当接部材2と支持部14との間に位置した対象物10が
図4(a)の外面当接部材2が当たると、外面当接部材2は、
図4(a)において反時計回りに回動し、雌ねじ孔12の雌ねじ13に雄ネジ部31’を螺合した雄ネジ体3’を雌ねじ孔12に向かって前進させることにより、テーパーナット5のテーパー部51を外面当接部材2の被係止部22に係止して、
図4(b)の外面当接部材2は、
図4(b)に示す矢印方向に移動することとなる。
また、雄ネジ体3’を雌ねじ孔12に向かって前進させるには、テーパーナット5の上に位置した雄ネジ体3’に螺合した第1のナット6をテーパーナット5に当接させ、第1のナット6を図示しないスパナ等を使用して行う。
そして、
図4(b)に示すように、テーパーナット5のテーパー部51と外面当接部材2の被係止部22との係止部位のベース11からの高さHは、外面当接部材2と対象物10との当接部位のベース11からの高さh(H>h)より高い位置にある。
【0027】
従って、上述した固定方法(固定装置K)によれば、外面当接部材2は、貫通孔21を有し、貫通孔21に臨む被係止部22を備えると共に、外形が垂直方向に向かって先細りとなるテーパー部23を有し、支持部14と外面当接部材2との間に対象物10を位置させ、雌ねじ孔12の雌ねじ13に雄ネジ部41を螺合した雄ネジ体3’を雌ねじ孔12に向かって前進させ、対象物10を介して支持部14に押し付けて対象物10を固定するため、固定のみならず、固定の解除に力を要せず行うことができ、しかも、テーパーナット5のテーパー部51と外面当接部材2の被係止部22との係止部位のベース11からの高さHは、外面当接部材2と対象物10との当接部位のベース11からの高さh(H>h)より高い位置にあり、対象物10への押し付け作用が下方斜めであるため、固定をより確実にすることができ、更に、対象物10の垂直方向の高さが外面当接部材2の高さより低くても、高くても固定することができる。
なお、テーパーナット5の上に位置し、雄ネジ体3’の雄ネジ部31’に螺合する第1のナット6を設け、テーパーナット5の上端面に第1のナット6を当接して第1のナット6を締め付けて、テーパーナット5が緩むのを防ぐようにしている。
【0028】
[実施例5
図5(a)(b)]
上述の実施例4においては、雌ねじ孔12は本体1を貫通していないが、次に示す実施例においては、雌ねじ孔12は本体1を貫通している。
即ち、
図5(a)(b)に示すように、雌ねじ孔12は本体1を貫通しているため、本体1の雌ねじ孔12より突出した雄ネジ体3’の雄ネジ部31’に第2のナット7を螺合すると共に、第2のナット7の上端面を本体1の裏面に当接して第2のナット7を締め付けて、テーパーナット5が緩むのを防ぐようにしている。
実施例5
図5(a)(b)にあっては、実施例4
図4(a)(b)と同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
【0029】
[実施例6
図6及び
図7]
上述の実施例1
図1(a)(b)(c)においては、進退手段4は、係止部材3の頂部に設けたマイナス溝41に図示しないドライバーの先端を係止し、図示しないドライバーを正逆に回転して、係止部材3をベース11の面に対して垂直方向へ進退させるようにしたが、本願発明にあっては、これに限らず、例えば、
図6及び
図7記載の進退手段4であっても良い。
即ち、
図6及び
図7に示す進退手段4は、係止部材3を垂直方向へ進退させるもので、例えば、エアーシリンダー42の動作によりロット43を介して接続された係止部材3を進退させるようにしている。
エアーシリンダー42は、例えば、取付部材44を介してベース11に取り付けられている。ロット43の一部は、ベース11の通路15内に位置している。
なお、
図6は、対象物10を固定する前の状態の概略的図であり、
図7は、
図6の対象物10を固定した状態の概略的図である。
実施例6
図6及び
図7にあっては、実施例1
図1(a)(b)(c)と同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
【0030】
[実施例7
図8]
上述の実施例において、外面当接部材2を介して対象物10を支持部14に押し付けて対象物10を固定する際、外面当接部材2の貫通孔21の縁部が係止部材3の雄ネジ部31、雄ネジ体3’の雄ネジ部31’に接触して、ネジ部31、31’を損傷させる不具合を生じる。
次に述べる実施例は、かかる不具合を防止したものである。
即ち、
図8に示すように、外面当接部材2の貫通孔21は、垂直方向に向かって先細りとなる第1のテーパー部21Aと、この第1のテーパー部21Aに接続し、垂直方向に向かって末広がりとなる第2のテーパー部21Bとを有し、垂直方向に向かって、第1のテーパー部21A、第2のテーパー部21Bの順で構成されている。
また、係止部材3は、円筒部32と、この円筒部32の先端に設けられた雄ネジ部31とを有する。
そして、第1のテーパー部21Aと第2のテーパー部21Bとの接続部位Xが円筒部32[係止部材3の雄ネジ部31が形成されていない部分、又は、雄ネジ体3’の雄ネジ部31’が形成されていない部分(図示せず)]に当接するようにして、係止部材3の雄ネジ部31(又は雄ネジ体3’の雄ネジ部31’)の損傷を防ぐようにしている。
実施例7
図8にあっては、実施例1
図1(a)(b)(c)と同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
【0031】
[実施例8
図9(a)(b)(c)]
上述の実施例における外面当接部材2の形状は、例えば、平面的に示す
図9(a)記載の円でも、
図9(b)記載の八角形でも、(c)記載の四角形でも良い。
図9(a)(b)(c)に示す21は、貫通孔である。
【0032】
[実施例9
図10]
上述の実施例における係止部材3、雄ネジ体3’を進退手段4により進退させたが、
図10に示す付勢手段100(具体的には、弾性部材)を用いても良い。
即ち、
図10に示すように、付勢手段100により、雄ネジ体3’(又は、
図1、
図2、
図3、
図8に示す係止部材3)をベース11に向かうように弾性力を作用させる。
そして、支持部14とベース11に載置した外面当接部材2のテーパー部23との間に対象物10を位置させ、付勢手段100により、係止部材5の係止テーパー部51を外面当接部材2の被係止部22に係止させて、外面当接部材2を介して対象物10を支持部14に押し付けて対象物10を固定することができる。なお、係止部材5の係止テーパー部51と外面当接部材2の被係止部22との係止部位のベース11からの高さHは、外面当接部材2と対象物100との当接部位のベース11からの高さh(H>h)より高い位置にある。
なお、
図10において、対象物10を固定する前にあっては、外面当接部材2を反時計回りに回動させて、外面当接部材2と支持部14との間に対象物10を位置させれば、
図10記載の通りとなる。11’はベース11に設けた貫通孔であり、Aは貫通孔11’に位置する雄ネジ体3’の貫通する部位であり、Sはストッパーで、ストッパーSとベース11との間に付勢手段100が位置している。
図10においては、雄ネジ体3’を図示しているが、
図10記載の雄ネジ体3’に代えて、
図1、
図2、
図3、
図8に示す係止部材3でも良い。
[実施例9
図10にあっては、上述の実施例(
図1乃至
図9)と同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
【解決手段】ベース11と、このベース11に対して直交する関係にある支持部14とを有した本体1と、貫通孔21を有し、貫通孔21に臨む被係止部22を備えると共に、外形が垂直方向に向かって先細りとなるテーパー部23を有する外面当接部材2と、貫通孔21を通り、後端の裏面に被係止部22に係止する係止部32を有した係止部材3と、この係止部材3をベース11の面に対して垂直方向へ進退させる進退手段4とを備え、外面当接部材2をベース11に載置し、支持部14とベース11に載置した外面当接部材2のテーパー部23との間に対象物10を位置させ、進退手段4により、係止部材3をベース11に向かって前進させることにより、外面当接部材2を介して対象物10を支持部14に押し付けて対象物10を固定するものである。