(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記レンズ部の焦点は、前記4つの発光面のうち当該レンズ部が配置された象限の対角に位置する象限に配置された発光面上の対角線上に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
前記レンズ部の前記複数のフレネル面の始点の焦点位置と、終点の焦点位置と、前記複数のフレネル面の始点と終点との間の焦点位置とが、前記4つの発光面のうち当該レンズ部が配置された象限の対角に位置する象限に配置された発光面上の対角線上に設定されていることを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の第1実施形態である照明装置について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1は本発明の第1実施形態である照明装置10の分解斜視図、
図2(a)は正面図、
図2(b)は背面図、
図2(c)は
図2(a)に示した照明装置10のA−A断面図である。
【0021】
図1、
図2(a)〜
図2(c)に示すように、本実施形態の照明装置10は、光源12、レンズ14、リフレクタ16等を備えている。
【0023】
図3に示すように、光源12は、発光面間に十字型の隙間が形成されるように2×2の格子状に配置された矩形形状の4つの発光面20(20a〜20d)を含む光源で、具体的には、基板K上に、矩形形状(例えば、1mm角)の発光面20(20a〜20d)を含む4つの半導体発光素子18(18a〜18d)を、所定間隔(例えば、0.2mm間隔)をおいて2×2の格子状(田字状)に配置した光源とされている。
【0024】
発光面20(20a〜20d)間には、横に延びる隙間S
H及び縦に延びる隙間S
Vにより構成される十字型の隙間が形成されている。これは、基板K上の電極(配線パターン等)等との関係で、半導体発光素子18(18a〜18d)を密に配置できないことによるものである。発光面20(20a〜20d)は、レンズ作用を持つドーム型の透明部材28で覆われている。なお、ドーム型の透明部材28は、省略してもよい。
【0025】
半導体発光素子18(18a〜18d)は、矩形形状の発光面20(20a〜20d)を含む半導体発光素子であればよく、その構造は特に限定されない。例えば、半導体発光素子18(18a〜18d)は、発光色が青系のLEDチップ(又はレーザーダイオード)とこれを覆う黄色系の蛍光体(例えば、YAG蛍光体)とを組み合わせた構造の半導体発光素子であってもよいし、RGB三色のLEDチップ(又はレーザーダイオード)を組み合わせた構造の半導体発光素子であってもよいし、その他構造の半導体発光素子であってもよい。
【0026】
光源12の中心軸AX(基準軸又は光軸とも称される)は、十字型を構成する隙間のうち横に延びる隙間S
H(厳密には、横に延びる隙間S
Hの中心線S
HC)と縦に延びる隙間S
V(厳密には、縦に延びる隙間S
Vの中心線S
VC)との交点を通り、かつ、発光面20(20a〜20d)の法線方向(
図3中紙面に直交する方向)に延びている。
【0027】
以下、中心軸AX及び横に延びる隙間S
H(厳密には、横に延びる隙間S
Hの中心線S
HC)を含む平面、並びに、中心軸AX及び縦に延びる隙間S
V(厳密には、縦に延びる隙間S
Vの中心線S
VC)を含む平面によって分割される4個の領域を、
図4に示すように、第1象限〜第4象限と称する。
【0028】
図4は、レンズ14を透視した光源12の正面図で、レンズ部26a〜26dの焦点F
26a〜F
26dと2×2の格子状に配置された矩形形状の4つの発光面20(20a〜20d)との位置関係等を表している。
【0029】
図4に示すように、2×2の格子状に配置された矩形形状の4つの発光面20(20a〜20d)は、第1象限〜第4象限に配置されている。
【0030】
以下、第1象限に配置された発光面20a及び第3象限に配置された発光面20cを通る対角線を、第1対角線DL1と称し、第2象限に配置された発光面20b及び第4象限に配置された発光面20dを通る対角線を、第2対角線DL2と称する。
【0031】
図2(a)はレンズ14の正面図、
図2(c)は断面図、
図5は背面図である。
【0032】
図2(c)に示すように、レンズ14は、光源12の前方、かつ、光源12の中心軸AX上に配置されている。レンズ14は、光源12(発光面20)からの光が入射する入射面22、入射面22からレンズ14内部に入射した光源12(発光面20)からの光が出射する出射面24を含むレンズで、具体的には、入射面22の面形状を、所定曲面(例えば、光源12側に凸の曲面)を同心円状の複数領域に分割して、略平面状に並べ替えた複数のフレネル面とし、出射面24の面形状を、中心軸AXに直交する平面とした、中心軸AX方向に厚みが薄いフレネル状のレンズとされている。
【0033】
レンズ14は、メタクリル樹脂やポリカーボネイト樹脂やシクロオレフィン樹脂等の透明樹脂を射出成形や射出圧縮することで一体的に成形されている。なお、レンズ14の材質は、透明樹脂以外の、例えば、ガラスであってもよい。
【0034】
図2(c)、
図4に示すように、レンズ14は、第1象限〜第4象限に配置されたレンズ部26(26a〜26d)及びレンズ部26(26a〜26d)の外側に配置された平板形状のレンズ部30等を含んでいる。なお、
図4中、レンズ部30は省略してある。
【0035】
第1象限に配置されたレンズ部26aは、次のように構成されている。
【0036】
図2(c)、
図4に示すように、第1象限に配置されたレンズ部26aの焦点F
26aは、光源12の中心ではなく、4つの発光面20(20a〜20d)のうち当該レンズ部26aが配置された第1象限の対角に位置する第3象限に配置された発光面20c上の第1対角線DL1上(具体的には、中心軸AXから第3象限側に1.2mmシフトした第1対角線DL1上の位置)に設定されている。第1象限に配置されたレンズ部26aは、その焦点F
26aを通り、かつ、中心軸AXに対して平行な回転軸AX
26aに対して回転対称のレンズ部(中心角90°)とされている。なお、第1象限に配置されたレンズ部26aの焦点F
26aと中心軸AXとの間の距離は、1.2mmに限定されない。
【0037】
第2象限に配置されたレンズ部26bは、次のように構成されている。
【0038】
第2象限に配置されたレンズ部26bの焦点F
26bは、光源12の中心ではなく、4つの発光面20(20a〜20d)のうち当該レンズ部26bが配置された第2象限の対角に位置する第4象限に配置された発光面20d上の第2対角線DL2上(具体的には、中心軸AXから第4象限側に1.2mmシフトした第2対角線DL2上の位置)に設定されている(
図4参照)。第2象限に配置されたレンズ部26bは、その焦点F
26bを通り、かつ、中心軸AXに対して平行な回転軸AX
26bに対して回転対称のレンズ部(中心角90°)とされている。なお、第2象限に配置されたレンズ部26bの焦点F
26bと中心軸AXとの間の距離は、1.2mmに限定されない。
【0039】
第3象限に配置されたレンズ部26cは、次のように構成されている。
【0040】
第3象限に配置されたレンズ部26cの焦点F
26cは、光源12の中心ではなく、4つの発光面20(20a〜20d)のうち当該レンズ部26cが配置された第3象限の対角に位置する第1象限に配置された発光面20a上の第1対角線DL1上(具体的には、中心軸AXから第1象限側に1.2mmシフトした第1対角線DL1上の位置)に設定されている(
図4参照)。第3象限に配置されたレンズ部26cは、その焦点F
26cを通り、かつ、中心軸AXに対して平行な回転軸AX
26cに対して回転対称のレンズ部(中心角90°)とされている。なお、第3象限に配置されたレンズ部26cの焦点F
26cと中心軸AXとの間の距離は、1.2mmに限定されない。
【0041】
第4象限に配置されたレンズ部26dは、次のように構成されている。
【0042】
第4象限に配置されたレンズ部26dの焦点F
26dは、光源12の中心ではなく、4つの発光面20(20a〜20d)のうち当該レンズ部26dが配置された第4象限の対角に位置する第2象限に配置された発光面20b上の第2対角線DL2上(具体的には、中心軸AXから第2象限側に1.2mmシフトした第2対角線DL2上の位置)に設定されている(
図4参照)。第4象限に配置されたレンズ部26dは、その焦点F
26dを通り、かつ、中心軸AXに対して平行な回転軸AX
26dに対して回転対称のレンズ部(中心角90°)とされている。なお、第4象限に配置されたレンズ部26dの焦点F
26dと中心軸AXとの間の距離は、1.2mmに限定されない。
【0043】
次に、レンズ14(レンズ部26a〜26d)の生成手順例について説明する。
【0044】
以下の生成手順は例えば、公知のレンズ設計用のソフトウエア(プログラム)を用いて実行される。
【0045】
第1象限に配置されたレンズ部26aは、次のようにして生成される。
【0046】
まず、第1象限に配置されたレンズ部26aの基礎となるレンズ断面形状を設定する。例えば、2×2の格子状に配置された矩形形状の4つの発光面20(20a〜20d)の対角方向を活用する観点から、中心線AX及び第1対角線DL1を含む断面上に、第1象限に配置されたレンズ部26aの基礎となるレンズ断面形状(例えば、
図2(c)参照)を設定する。
【0047】
次に、第1象限に配置されたレンズ部26aの基礎となるレンズ断面形状の焦点F
26aを、中心軸AXから第1象限の対角に位置する第3象限側に1.2mmシフトした第1対角線DL1上の位置に設定する(
図4参照)。
【0048】
次に、第1象限に配置されたレンズ部26aの基礎となるレンズ断面形状を、その焦点F
26aを通りかつ中心軸AXに対して平行な回転軸AX
26aを中心に第1象限において回転させる。
【0049】
以上により、第1象限に配置されたレンズ部26a(中心角90°)が生成される。
【0050】
第2象限に配置されたレンズ部26bは、次のようにして生成される。
【0051】
まず、第2象限に配置されたレンズ部26bの基礎となるレンズ断面形状を設定する。例えば、2×2の格子状に配置された矩形形状の4つの発光面20(20a〜20d)の対角方向を活用する観点から、中心線AX及び第2対角線DL2を含む断面上に、第2象限に配置されたレンズ部26bの基礎となるレンズ断面形状(例えば、
図2(c)と同様のレンズ断面形状)を設定する。
【0052】
次に、第2象限に配置されたレンズ部26bの基礎となるレンズ断面形状の焦点F
26bを、中心軸AXから第2象限の対角に位置する第4象限側に1.2mmシフトした第2対角線DL2上の位置に設定する(
図4参照)。
【0053】
次に、第2象限に配置されたレンズ部26bの基礎となるレンズ断面形状を、その焦点F
26bを通りかつ中心軸AXに対して平行な回転軸AX
26bを中心に第2象限において回転させる。
【0054】
以上により、第2象限に配置されたレンズ部26b(中心角90°)が生成される。
【0055】
第3象限に配置されたレンズ部26cは、次のようにして生成される。
【0056】
まず、第3象限に配置されたレンズ部26cの基礎となるレンズ断面形状を設定する。例えば、2×2の格子状に配置された矩形形状の4つの発光面20(20a〜20d)の対角方向を活用する観点から、中心線AX及び第1対角線DL1を含む断面上に、第3象限に配置されたレンズ部26cの基礎となるレンズ断面形状(例えば、
図2(c)と同様のレンズ断面形状)を設定する。
【0057】
次に、第3象限に配置されたレンズ部26cの基礎となるレンズ断面形状の焦点F
26cを、中心軸AXから第3象限の対角に位置する第1象限側に1.2mmシフトした第1対角線DL1上の位置に設定する(
図4参照)。
【0058】
次に、第3象限に配置されたレンズ部26cの基礎となるレンズ断面形状を、その焦点F
26cを通りかつ中心軸AXに対して平行な回転軸AX
26cを中心に第3象限において回転させる。
【0059】
以上により、第3象限に配置されたレンズ部26c(中心角90°)が生成される。
【0060】
第4象限に配置されたレンズ部26dは、次のようにして生成される。
【0061】
まず、第4象限に配置されたレンズ部26dの基礎となるレンズ断面形状を設定する。例えば、2×2の格子状に配置された矩形形状の4つの発光面20(20a〜20d)の対角方向を活用する観点から、中心線AX及び第2対角線DL2を含む断面上に、第4象限に配置されたレンズ部26dの基礎となるレンズ断面形状(例えば、
図2(c)と同様のレンズ断面形状)を設定する。
【0062】
次に、第4象限に配置されたレンズ部26dの基礎となるレンズ断面形状の焦点F
26dを、中心軸AXから第4象限の対角に位置する第2象限側に1.2mmシフトした第2対角線DL2上の位置に設定する(
図4参照)。
【0063】
次に、第4象限に配置されたレンズ部26dの基礎となるレンズ断面形状を、その焦点F
26dを通りかつ中心軸AXに対して平行な回転軸AX
26dを中心に第4象限において回転させる。
【0064】
以上により、第4象限に配置されたレンズ部26d(中心角90°)が生成される。
【0065】
なお、各象限に配置されたレンズ部26(26a〜26d)の境界線付近でオーバーラップした面は、自象限内までを有効面として曲面設定する。
図6(d)中、符号A1、A2は、オーバーラップしている部分を表している。
【0066】
以上の生成手順を実行することにより、第1象限〜第4象限に配置されたレンズ部26(26a〜26d)を含むレンズ14が生成される(
図6(e)参照)。
【0067】
次に、レンズ14(レンズ部26a〜26d)の他の生成手順例について説明する。
【0068】
以下の生成手順は例えば、公知のレンズ設計用のソフトウエア(プログラム)を用いて実行される。
【0069】
図6(a)〜
図6(e)は、レンズ14の生成手順の各ステップを表している。
【0070】
まず、レンズ14の基礎となる基本レンズ14´を設定する。基本レンズ14´は、その焦点Fが中心軸AX上に設定され、かつ、中心軸AXに対して回転対称のレンズとされている(
図6(a)参照)
次に、基本レンズ14´を、中心軸AXを含む水平面及び中心軸AXを含む鉛直面によって中心角が90°の4つのレンズ部26a´〜26d´に分割する(
図6(b)参照)。この段階で、レンズ部26a´〜26d´の焦点F
26a〜F
26dは、焦点Fに一致している。
【0071】
次に、第1象限に配置されたレンズ部26a´の焦点F
26aを、中心軸AXから第1象限の対角に位置する第3象限側に1.2mmシフトした第1対角線DL1上の位置に移動させる(
図6(c)参照)。同様に、第2象限に配置されたレンズ部26b´の焦点F
26bを、中心軸AXから第2象限の対角に位置する第4象限側に1.2mmシフトした第2対角線DL2上の位置に移動させる(
図6(d)参照)。同様に、第3象限に配置されたレンズ部26c´の焦点F
26cを、中心軸AXから第3象限の対角に位置する第1象限側に1.2mmシフトした第1対角線DL1上の位置に移動させる(
図6(d)参照)。同様に、第4象限に配置されたレンズ部26d´の焦点F
26dを、中心軸AXから第4象限の対角に位置する第2象限側に1.2mmシフトした第2対角線DL2上の位置に移動させる(
図6(d)参照)。
【0072】
なお、各象限に配置されたレンズ部26(26a〜26d)の境界線付近でオーバーラップした面は、自象限内までを有効面として曲面設定する。
図6(d)中、符号A1、A2は、オーバーラップしている部分を表している。
【0073】
以上の生成手順を実行することによっても、第1象限〜第4象限に配置された4つのレンズ部26(26a〜26d)を含むレンズ14が生成される(
図6(e)参照)。
【0074】
図1、
図2(c)に示すように、リフレクタ16は、主に、レンズ14を通して内部構造(例えば、光源12や基板K等)が視認されるのを防ぐための装飾部材で、レンズ14(レンズ部26a〜26d)の外側に配置された環状の反射面16aを備えている。環状の反射面16aは、光源12からの光のうち、レンズ部26a〜26dに入射しない光を前方に向けて反射する反射面として用いられる。環状の反射面16aで反射された光源12からの光は、レンズ14のうち平板形状のレンズ部30(
図2(c)参照)を透過して前方に照射される。
【0075】
次に、上記構成の照明装置10から照射される照射パターンについて説明する。
【0076】
図7は照明装置10から照射される光により形成される照射パターンP(写真)、
図8(a)は
図7に示した照射パターンPの光度分布図(等光度曲線)、
図8(b)は
図8(a)中の縦軸上の0を通る横軸上の照度分布図である。
【0077】
図8(a)、
図8(b)に示すように、照明装置10から照射される照射パターンPは、発光面20(20a〜20d)間の十字型の隙間(横に延びる隙間S
H及び縦に延びる隙間S
V)に起因するダーク部が改善され、かつ、中心光度(照度)が最大で、周囲に向かうに従って光度(照度)がなだらかに低くなる円形(又は円形に近い形状)の照射パターンとなる。
【0078】
以下、照明装置10から照射される照射パターンPが、発光面20(20a〜20d)間の十字型の隙間(横に延びる隙間S
H及び縦に延びる隙間S
V)に起因するダーク部が改善され、かつ、中心光度(照度)が最大で、周囲に向かうに従って光度(照度)がなだらかに低くなる円形(又は円形に近い形状)の照射パターンとなる理由について説明する。
【0079】
照射パターンPは、
図8(a)に示すように、レンズ部26a〜26dを透過した光により形成される照射パターンP1〜P4を含む合成配光パターンとなる。
【0080】
まず、照射パターンP1について説明する。
【0081】
照射パターンP1は、主に第1象限に配置されたレンズ部26aを透過した光源12からの光により形成される。
【0082】
図9(a)〜
図9(c)中下段はレンズ14の背面図、
図9(a)〜
図9(c)中点p1
0、p1
45、p1
90は、第1象限に配置されたレンズ部26aのうち、中心軸AXを中心とする円C1上の点(0°断面、45°断面、90°断面上の中央点)である。0°断面(45°断面、90°断面)とは、第1象限に配置されたレンズ部26aを、中心軸AXを含み、かつ、中心軸AXを含む鉛直面に対して0°(45°、90°)傾斜した平面で切断した断面のことである。
【0083】
図9(a)〜
図9(c)中上段は、下段に示したレンズ部26aのうち、中心軸AXを中心とする円C1上の点p1
0、p1
45、p1
90を通過した投影像P1
0、P1
45、P1
90を表している。投影像とは、2×2の格子状に配置された矩形形状の4つの発光面20(20a〜20d)の投影像(光源像)のことである。なお、投影像P1
0、P1
45、P1
90は、実際には、
図10(a)に示すように、重畳した状態で投影される。
【0084】
第1象限に配置されたレンズ部26aのうち、中心軸AXを中心とする円C1上の点(例えば、点p1
0、点p1
45、点p1
90)を通過した投影像(例えば、投影像P1
0、P1
45、P1
90)は、その通過位置に応じて、異なる位置(例えば、中心軸AXを中心とする円C1´に沿った位置)へ投影される(
図9(a)〜
図9(c)、
図10(a)参照)。円C1上の点p1
0と点p1
45との間の点、点p1
45と点p1
90との間の点を通過した投影像(図示せず)も同様である。これは、第1象限に配置されたレンズ部26aの焦点F
26aが、光源12の中心ではなく、4つの発光面20(20a〜20d)のうち当該レンズ部26aが配置された第1象限の対角に位置する第3象限に配置された発光面20c上(具体的には、中心軸AXから第3象限側に1.2mmシフトした第1対角線DL1上の位置)に設定されているためである。すなわち、第1象限に配置されたレンズ部26aの焦点F
26aが、光源12の中心ではなく、中心軸AXから第1象限の対角に位置する第3象限側にシフトした位置に設定されているため、円C1上の点と第1象限に配置されたレンズ部26aの焦点F
26aとの間の距離が、点p1
45から点p1
0、p1
90に向かうに従って徐々に変化することによるものである。
【0085】
上記のように、円C1上の点(例えば、点p1
0、点p1
45、点p1
90)を通過した投影像(例えば、投影像P1
0、P1
45、P1
90)が、その通過位置に応じて、異なる位置(例えば、中心軸AXを中心とする円C1´に沿った位置)へ投影される結果、当該投影像(例えば、投影像P1
0、P1
45、P1
90)の明るい部分(
図10(a)中の矩形領域参照)とダーク部(
図10(a)中の十字領域参照)とが重なる。その結果、照射パターンP1中の、発光面20(20a〜20d)間の十字型の隙間(横に延びる隙間S
H及び縦に延びる隙間S
V)に起因するダーク部が改善される(
図8(a)、
図8(b)参照)。
【0086】
円C1上の点(例えば、点p1
0、点p1
45、点p1
90)を通過した投影像(例えば、投影像P1
0、P1
45、P1
90)の明るい部分(
図10(a)中の矩形領域参照)とダーク部(
図10(a)中の十字領域参照)との重なり具合は、第1象限に配置されたレンズ部26aの焦点F
26aと中心軸AXとの間の距離に応じて変化する。
【0087】
すなわち、第1象限に配置されたレンズ部26aの焦点F
26aと中心軸AXとの間の距離を長くすると、円C1上の点を通過した投影像のダーク部同士の重なり具合がずれて、投影像(例えば、投影像P1
0、P1
45、P1
90)の明るい部分(
図10(a)中の矩形領域参照)とダーク部(
図10(a)中の十字領域参照)とが重なる。一方、第1象限に配置されたレンズ部26aの焦点F
26aと中心軸AXとの間の距離を長くしすぎると、投影像のサイズが大きくなり、照射パターンP1が求められるサイズよりも大きくなる。
【0088】
本実施形態では、発光面20(20a〜20d)間の十字型の隙間(横に延びる隙間S
H及び縦に延びる隙間S
V)に起因するダーク部が改善され、かつ、求められるサイズの照射パターンを形成する観点から、第1象限に配置されたレンズ部26aの焦点F
26aと中心軸AXとの間の距離を1.2mmに設定している。なお、第1象限に配置されたレンズ部26aの焦点F
26aと中心軸AXとの間の距離は、1.2mmに限定されない。
【0089】
第1象限に配置されたレンズ部26aは、円C1以外の中心軸AXを中心とする無数の円(例えば、
図11(a)に示す円C2、
図11(b)に示す円C3、
図11(c)に示す円C4)を含んでいる。これらの中心軸AXを中心とする無数の円(例えば、円C2、C3、C4)上の点(例えば、点p1
a、p1
b、p1
c)を通過した投影像(例えば、投影像P1
a、P1
b、P1
c)も、上記円C1と同様、その通過位置に応じて、異なる位置(例えば、中心軸AXを中心とする円C2´、C3´、C4´に沿った位置)へ投影され(
図11(a)〜
図11(c)、
図12(a)参照)、当該投影像の明るい部分とダーク部とが重なる。その結果、照射パターンP1中の、発光面20(20a〜20d)間の十字型の隙間(横に延びる隙間S
H及び縦に延びる隙間S
V)に起因するダーク部が改善される(
図8(a)、
図8(b)参照)。
【0090】
図11(a)〜
図11(c)、
図12(a)に示すように、第1象限に配置されたレンズ部26aを通過した投影像は、中心軸AXに近い点を通過する投影像ほど小サイズで高照度となり、かつ、照射パターンP1の中央寄りに投影される。これは、第1象限に配置されたレンズ部26aの屈折率が、中心軸AXに近いほど低く、周囲に向かうに従って高くなることによるものである。例えば、円C2上の点p1
aを通過した投影像P1
a<円C3上の点p1
bを通過した投影像P1
b<円C4上の点p1
cを通過した投影像P1
cの関係となる。その結果、照射パターンP1は、中心光度(照度)が最大で、周囲に向かうに従って光度(照度)がなだらかに低くなる円形(又は円形に近い形状の)照射パターンとなる(
図8(a)、
図8(b)参照)。
【0091】
次に、照射パターンP2について説明する。
【0092】
照射パターンP2は、主に第2象限に配置されたレンズ部26bを透過した光源12からの光により形成される。
【0093】
照射パターンP2は、中心軸AXを中心に90°回転させた照射パターンP1に相当する。これは、第2象限に配置されたレンズ部26bが、第1象限に配置されたレンズ部26aが、中心軸AXを中心に90°回転させたものに相当することによるものである。
【0094】
したがって、第2象限に配置されたレンズ部26bを通過した投影像は、第1象限に配置されたレンズ部26aと同様、その通過位置に応じて、異なる位置(例えば、中心軸AXを中心とする円C1´に沿った位置)へ投影され、当該投影像の明るい部分(
図10(b)中の矩形領域参照)とダーク部(
図10(b)中の十字領域参照)とが重なる(
図10(b)参照)。その結果、照射パターンP2中の、発光面20(20a〜20d)間の十字型の隙間(横に延びる隙間S
H及び縦に延びる隙間S
V)に起因するダーク部が改善される(
図8(a)、
図8(b)参照)。
【0095】
また、第2象限に配置されたレンズ部26bを通過した投影像は、第1象限に配置されたレンズ部26aと同様、中心軸AXに近い点を通過する投影像ほど小サイズで高照度となり、かつ、照射パターンP2の中央寄りに投影される(
図12(b)参照)。その結果、照射パターンP2は、中心光度(照度)が最大で、周囲に向かうに従って光度(照度)がなだらかに低くなる円形(又は円形に近い形状の)照射パターンとなる(
図8(a)、
図8(b)参照)。
【0096】
次に、照射パターンP3について説明する。
【0097】
照射パターンP3は、主に第3象限に配置されたレンズ部26cを透過した光源12からの光により形成される。
【0098】
照射パターンP3は、中心軸AXを中心に180°回転させた照射パターンP1に相当する。これは、第3象限に配置されたレンズ部26cが、第1象限に配置されたレンズ部26aが、中心軸AXを中心に180°回転させたものに相当することによるものである。
【0099】
したがって、第3象限に配置されたレンズ部26cを通過した投影像は、第1象限に配置されたレンズ部26aと同様、その通過位置に応じて、異なる位置(例えば、中心軸AXを中心とする円C1´に沿った位置)へ投影され、当該投影像の明るい部分(
図10(c)中の矩形領域参照)とダーク部(
図10(c)中の十字領域参照)とが重なる(
図10(c)参照)。その結果、照射パターンP3中の、発光面20(20a〜20d)間の十字型の隙間(横に延びる隙間S
H及び縦に延びる隙間S
V)に起因するダーク部が改善される(
図8(a)、
図8(b)参照)。
【0100】
また、第3象限に配置されたレンズ部26cを通過した投影像は、第1象限に配置されたレンズ部26aと同様、中心軸AXに近い点を通過する投影像ほど小サイズで高照度となり、かつ、照射パターンP3の中央寄りに投影される(
図12(c)参照)。その結果、照射パターンP3は、中心光度(照度)が最大で、周囲に向かうに従って光度(照度)がなだらかに低くなる円形(又は円形に近い形状の)照射パターンとなる(
図8(a)、
図8(b)参照)。
【0101】
次に、照射パターンP4について説明する。
【0102】
照射パターンP4は、主に第4象限に配置されたレンズ部26dを透過した光源12からの光により形成される。
【0103】
照射パターンP4は、中心軸AXを中心に270°回転させた照射パターンP1に相当する。これは、第4象限に配置されたレンズ部26dが、第1象限に配置されたレンズ部26aが、中心軸AXを中心に270°回転させたものに相当することによるものである。
【0104】
したがって、第4象限に配置されたレンズ部26dを通過した投影像は、第1象限に配置されたレンズ部26aと同様、その通過位置に応じて、異なる位置(例えば、中心軸AXを中心とする円C1´に沿った位置)へ投影され、当該投影像の明るい部分(
図10(d)中の矩形領域参照)とダーク部(
図10(d)中の十字領域参照)とが重なる(
図10(d)参照)。その結果、照射パターンP4中の、発光面20(20a〜20d)間の十字型の隙間(横に延びる隙間S
H及び縦に延びる隙間S
V)に起因するダーク部が改善される(
図8(a)、
図8(b)参照)。
【0105】
また、第4象限に配置されたレンズ部26dを通過した投影像は、第1象限に配置されたレンズ部26aと同様、中心軸AXに近い点を通過する投影像ほど小サイズで高照度となり、かつ、照射パターンP4の中央寄りに投影される(
図12(d)参照)。その結果、照射パターンP4を、中心光度(照度)が最大で、周囲に向かうに従って光度(照度)がなだらかに低くなる円形(又は円形に近い形状の)照射パターンとすることが可能となる(
図8(a)、
図8(b)参照)。
【0106】
以上説明したように、本実施形態の照明装置10によれば、各象限に配置されたレンズ部26a〜26dを通過した投影像は、その通過位置に応じて、異なる位置(例えば、中心軸AXを中心とする円C1´に沿った位置)へ投影され、当該投影像の明るい部分とダーク部とが重なる(
図10(a)〜
図10(d)、
図12(a)〜
図12(d)参照)。その結果、照射パターンP中の、発光面20(20a〜20d)間の十字型の隙間(横に延びる隙間S
H及び縦に延びる隙間S
V)に起因するダーク部が改善される(
図8(a)、
図8(b)参照)。
【0107】
また、各象限に配置されたレンズ部26a〜26dを通過した投影像は、中心軸AXに近い点を通過する投影像ほど小サイズで高照度となり、かつ、照射パターンPの中央寄りに投影される(
図12(a)〜
図12(d)参照)。その結果、照射パターンPは、中心光度(照度)が最大で、周囲に向かうに従って光度(照度)がなだらかに低くなる円形(又は円形に近い形状の)照射パターンとなる(
図8(a)、
図8(b)参照)。
【0108】
また、本実施形態の照明装置10によれば、2×2の格子状に配置された矩形形状の4つの発光面20(20a〜20d)の発光色度が一定でなく色度分布がある場合においても、各象限に配置されたレンズ部26a〜26dを通過した投影像が、その通過位置に応じて、ずれて重なった状態で投影される結果、発光色ムラも照射パターンPの一部に集中することがなくなり、照射パターンPの色ムラを解消できる。
【0109】
また、本実施形態の照明装置10によれば、光分散効果のあるシボ加工などを用いずに、光制御を応用し実現した分散光学系であるので、シボ加工のように金型表面精度や、シボ表面状態の継時変化の影響に依存せず、耐久性のある製品を実現できる。
【0111】
上記実施形態では、入射面22の面形状を、所定曲面(例えば、光源12側に凸の曲面)を同心円状の複数領域に分割して、略平面状に並べ替えた複数のフレネル面とし、出射面24の面形状を、中心軸AXに直交する平面とした例について説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0112】
例えば、入射面22の面形状を、中心軸AXに直交する平面とし、出射面24の面形状を、所定曲面(例えば、反光源12側に凸の曲面)を同心円状の複数領域に分割して、略平面状に並べ替えた複数のフレネル面としてもよい。
【0113】
あるいは、入射面22の面形状を、中心軸AXに直交する平面、光源12側に凸の曲面又は光源12側に凹の曲面のいずれかとし、出射面24の面形状を、反光源12側に凸の曲面又は反光源12側に凹の曲面のいずれかとしてもよい。
【0114】
例えば、出射面24の面形状を、反光源12側に凸の曲面とすることで、出射面24のうち各象限に配置されたレンズ部26(26a〜26d)の境界線に稜線(エッジ)が現れる新規見栄えのレンズ14を構成することが可能となる。これは、レンズ部26(26a〜26d)の焦点F
26a〜F
26dが、光源12の中心ではなく、当該レンズ部26(26a〜26d)が配置された象限の対角の象限に設定されていることによるものである。
【0115】
また、上記実施形態では、レンズ部26(26a〜26d)の焦点F
26a〜F
26dが、光源12の中心ではなく、当該レンズ部26(26a〜26d)が配置された象限の対角の象限に配置された発光面20(20a〜20d)上の第1対角線DL1上(又は第2対角線DL2上)の位置に設定されている例について説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0116】
すなわち、発光面20(20a〜20d)間の十字型の隙間に起因するダーク部を改善する観点では、少なくとも、レンズ部26(26a〜26d)の焦点F
26a〜F
26dは、当該レンズ部26(26a〜26d)が配置された象限の対角の象限に配置された発光面20(20a〜20d)上に設定されていればよい。なお、レンズ部26(26a〜26d)の焦点F
26a〜F
26dを、当該レンズ部26(26a〜26d)が配置された象限の対角の象限に配置された発光面20(20a〜20d)上の第1対角線DL1上(又は第2対角線DL2上)の位置に設定すれば、照明装置10から照射される照射パターンPを、円形(又は円形に近い形状)の照射パターンとすることが可能となる。
【0117】
また、上記実施形態では、レンズ14が、中心軸AXを含む2個の平面によって分割される4個の象限に配置されたレンズ部26(26a〜26d)を含む例について説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0118】
すなわち、レンズ14は、中心軸AXを含む2×N個(但し、Nは、1、2、3)の平面によって均等(又は略均等)に分割される4×N個の象限に配置されたレンズ部を含んでいてもよい。なお、2×N個の平面は、少なくとも、中心軸AX及び横に延びる隙間S
H(厳密には、横に延びる隙間S
Hの中心線S
HC)を含む平面と、中心軸AX及び縦に延びる隙間S
V(厳密には、縦に延びる隙間S
Vの中心線S
VC)を含む平面と、を含む。
【0119】
次に、本発明の第2実施形態である照明装置について、図面を参照しながら説明する。
【0120】
本実施形態の照明装置10Aは、上記第1実施形態の照明装置10と比べ、レンズ14に代えて、レンズ14Aを用いている点が相違する。それ以外、上記第1実施形態の照明装置10と同様の構成である。以下、上記第1実施形態の照明装置10との相違点を中心に説明し、上記第1実施形態の照明装置10と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0121】
図13は本発明の第2実施形態である照明装置10Aの断面図、
図14はレンズ14Aを透視した光源12の正面図である。
【0122】
図13に示すように、レンズ14Aは、光源12(発光面20)からの光が入射する入射面22A、入射面22Aからレンズ14A内部に入射した光源12(発光面20)からの光が出射する出射面24Aを含むレンズで、具体的には、入射面22Aの面形状を、所定曲面(例えば、光源12側に凸の曲面)を同心円状の複数領域に分割して、略平面状に並べ替えた複数のフレネル面22A1〜22A3とし、出射面24Aの面形状を、中心軸AXに直交する平面とした、中心軸AX方向に厚みが薄いフレネル状のレンズとされている点で、レンズ14と同じであるが、レンズ部26A(26Aa〜26Ad)の焦点位置が異なっている。
【0123】
第1象限に配置されたレンズ部26Aaは、次のように構成されている。
【0124】
図13、
図14に示すように、第1象限に配置されたレンズ部26Aaの複数のフレネル面22A1〜22A3の始点Bの焦点位置B
26Aaと終点Cの焦点位置C
26Aaとが、4つの発光面20(20a〜20d)のうち当該レンズ部26Aaが配置された第1象限の対角に位置する第3象限に配置された発光面20c上に設定されており、かつ、レンズ部26Aaの複数のフレネル面22A1〜22A3の始点Bと終点Cとの間の焦点位置が、複数のフレネル面22A1〜22A3の始点Bから終点Cに向かうに従って始点Bの焦点位置B
26Aaから終点Cの焦点位置C
26Aaに近づくように設定されている。
【0125】
具体的には、第1象限に配置されたレンズ部26Aaの複数のフレネル面22A1〜22A3の始点Bの焦点位置B
26Aaは、光源12の中心ではなく、4つの発光面20(20a〜20d)のうち当該レンズ部26Aaが配置された第1象限の対角に位置する第3象限に配置された発光面20c上の第1対角線DL1上(具体的には、中心軸AXから第3象限側に0.3mmシフトした第1対角線DL1上の位置)に設定されている(
図13、
図14参照)。
【0126】
また、第1象限に配置されたレンズ部26Aaの複数のフレネル面22A1〜22A3の終点Cの焦点位置C
26Aaは、光源12の中心ではなく、4つの発光面20(20a〜20d)のうち当該レンズ部26Aaが配置された第1象限の対角に位置する第3象限に配置された発光面20c上の第1対角線DL1上(具体的には、中心軸AXから第3象限側に1.2mmシフトした第1対角線DL1上の位置)に設定されている(
図13、
図14参照)。
【0127】
レンズ部26Aaは、複数のフレネル面22A1〜22A3の終点Cの焦点位置C
26Aaを通り、かつ、中心軸AXに対して平行な回転軸AX
26Aaに対して回転対称のレンズ部(中心角90°)とされている。
【0128】
第2象限に配置されたレンズ部26Abは、次のように構成されている。
【0129】
第2象限に配置されたレンズ部26Abの複数のフレネル面22A1〜22A3の始点Bの焦点位置B
26Abと終点Cの焦点位置C
26Abとが、4つの発光面20(20a〜20d)のうち当該レンズ部26Abが配置された第2象限の対角に位置する第4象限に配置された発光面20d上に設定されており、かつ、レンズ部26Abの複数のフレネル面22A1〜22A3の始点Bと終点Cとの間の焦点位置が、複数のフレネル面22A1〜22A3の始点Bから終点Cに向かうに従って始点Bの焦点位置B
26Abから終点Cの焦点位置C
26Abに近づくように設定されている。
【0130】
具体的には、第2象限に配置されたレンズ部26Abの複数のフレネル面22A1〜22A3の始点Bの焦点位置B
26Abは、光源12の中心ではなく、4つの発光面20(20a〜20d)のうち当該レンズ部26Abが配置された第2象限の対角に位置する第4象限に配置された発光面20d上の第2対角線DL2上(具体的には、中心軸AXから第4象限側に0.3mmシフトした第2対角線DL2上の位置)に設定されている(
図14参照)。
【0131】
また、第2象限に配置されたレンズ部26Abの複数のフレネル面22A1〜22A3の終点Cの焦点位置C
26Abは、光源12の中心ではなく、4つの発光面20(20a〜20d)のうち当該レンズ部26Abが配置された第2象限の対角に位置する第4象限に配置された発光面20d上の第2対角線DL2上(具体的には、中心軸AXから第4象限側に1.2mmシフトした第2対角線DL2上の位置)に設定されている(
図14参照)。
【0132】
レンズ部26Abは、複数のフレネル面22A1〜22A3の終点Cの焦点位置C
26Abを通り、かつ、中心軸AXに対して平行な回転軸AX
26Abに対して回転対称のレンズ部(中心角90°)とされている。
【0133】
第3象限に配置されたレンズ部26Acは、次のように構成されている。
【0134】
第3象限に配置されたレンズ部26Acの複数のフレネル面22A1〜22A3の始点Bの焦点位置B
26Acと終点Cの焦点位置C
26Acとが、4つの発光面20(20a〜20d)のうち当該レンズ部26Acが配置された第3象限の対角に位置する第1象限に配置された発光面20a上に設定されており、かつ、レンズ部26Acの複数のフレネル面22A1〜22A3の始点Bと終点Cとの間の焦点位置が、複数のフレネル面22A1〜22A3の始点Bから終点Cに向かうに従って始点Bの焦点位置B
26Acから終点Cの焦点位置C
26Acに近づくように設定されている。
【0135】
具体的には、第3象限に配置されたレンズ部26Acの複数のフレネル面22A1〜22A3の始点Bの焦点位置B
26Acは、光源12の中心ではなく、4つの発光面20(20a〜20d)のうち当該レンズ部26Acが配置された第3象限の対角に位置する第1象限に配置された発光面20a上の第1対角線DL1上(具体的には、中心軸AXから第1象限側に0.3mmシフトした第1対角線DL1上の位置)に設定されている(
図14参照)。
【0136】
また、第3象限に配置されたレンズ部26Acの複数のフレネル面22A1〜22A3の終点Cの焦点位置C
26Acは、光源12の中心ではなく、4つの発光面20(20a〜20d)のうち当該レンズ部26Acが配置された第3象限の対角に位置する第1象限に配置された発光面20a上の第1対角線DL1上(具体的には、中心軸AXから第1象限側に1.2mmシフトした第1対角線DL1上の位置)に設定されている(
図14参照)。
【0137】
レンズ部26Acは、複数のフレネル面22A1〜22A3の終点Cの焦点位置C
26Acを通り、かつ、中心軸AXに対して平行な回転軸AX
26Acに対して回転対称のレンズ部(中心角90°)とされている。
【0138】
第4象限に配置されたレンズ部26Adは、次のように構成されている。
【0139】
第4象限に配置されたレンズ部26Adの複数のフレネル面22A1〜22A3の始点Bの焦点位置B
26Adと終点Cの焦点位置C
26Adとが、4つの発光面20(20a〜20d)のうち当該レンズ部26Adが配置された第4象限の対角に位置する第2象限に配置された発光面20b上に設定されており、かつ、レンズ部26Adの複数のフレネル面22A1〜22A3の始点Bと終点Cとの間の焦点位置が、複数のフレネル面22A1〜22A3の始点Bから終点Cに向かうに従って始点Bの焦点位置B
26Adから終点Cの焦点位置C
26Adに近づくように設定されている。
【0140】
具体的には、第4象限に配置されたレンズ部26Adの複数のフレネル面22A1〜22A3の始点Bの焦点位置B
26Adは、光源12の中心ではなく、4つの発光面20(20a〜20d)のうち当該レンズ部26Adが配置された第4象限の対角に位置する第2象限に配置された発光面20b上の第2対角線DL2上(具体的には、中心軸AXから第2象限側に0.3mmシフトした第2対角線DL2上の位置)に設定されている(
図14参照)。
【0141】
また、第4象限に配置されたレンズ部26Adの複数のフレネル面22A1〜22A3の終点Cの焦点位置C
26Adは、光源12の中心ではなく、4つの発光面20(20a〜20d)のうち当該レンズ部26Adが配置された第4象限の対角に位置する第2象限に配置された発光面20b上の第2対角線DL2上(具体的には、中心軸AXから第2象限側に1.2mmシフトした第2対角線DL2上の位置)に設定されている(
図14参照)。
【0142】
レンズ部26Adは、複数のフレネル面22A1〜22A3の終点Cの焦点位置C
26Adを通り、かつ、中心軸AXに対して平行な回転軸AX
26Adに対して回転対称のレンズ部(中心角90°)とされている。
【0143】
次に、レンズ14A(レンズ部26Aa〜26Ad)の生成手順例について説明する。
【0144】
以下の生成手順は例えば、公知のレンズ設計用のソフトウエア(プログラム)を用いて実行される。
【0145】
第1象限に配置されたレンズ部26Aaは、次のようにして生成される。
【0146】
まず、第1象限に配置されたレンズ部26Aaの基礎となるレンズ断面形状を設定する。例えば、2×2の格子状に配置された矩形形状の4つの発光面20(20a〜20d)の対角方向を活用する観点から、中心線AX及び第1対角線DL1を含む断面上に、第1象限に配置されたレンズ部26Aaの基礎となるレンズ断面形状を設定する。
【0147】
具体的には、
図13に示すように、複数のフレネル面22A1〜22A3の始点Bの焦点位置B
26Aaと終点Cの焦点位置C
26Aaとが、4つの発光面20(20a〜20d)のうち第1象限の対角に位置する第3象限に配置された発光面20c上に設定されており、かつ、レンズ部26Aaの複数のフレネル面22A1〜22A3の始点Bと終点Cとの間の焦点位置が、複数のフレネル面22A1〜22A3の始点Bから終点Cに向かうに従って始点Bの焦点位置B
26Aaから終点Cの焦点位置C
26Aaに近づくように設定されたレンズ断面形状(例えば、
図13参照)を設定する。
【0148】
次に、第1象限に配置されたレンズ部26Aaの基礎となるレンズ断面形状を、その終点Cでの焦点位置C
26Aaを通りかつ中心軸AXに対して平行な回転軸AX
26Aaを中心に第1象限において回転させる。
【0149】
以上により、第1象限に配置されたレンズ部26Aa(中心角90°)が生成される。
【0150】
第2象限に配置されたレンズ部26Abは、次のようにして生成される。
【0151】
まず、第2象限に配置されたレンズ部26Abの基礎となるレンズ断面形状を設定する。例えば、2×2の格子状に配置された矩形形状の4つの発光面20(20a〜20d)の対角方向を活用する観点から、中心線AX及び第2対角線DL2を含む断面上に、第2象限に配置されたレンズ部26Abの基礎となるレンズ断面形状を設定する。
【0152】
具体的には、複数のフレネル面22A1〜22A3の始点Bの焦点位置B
26Abと終点Cの焦点位置C
26Abとが、4つの発光面20(20a〜20d)のうち第2象限の対角に位置する第4象限に配置された発光面20d上に設定されており、かつ、レンズ部26Abの複数のフレネル面22A1〜22A3の始点Bと終点Cとの間の焦点位置が、複数のフレネル面22A1〜22A3の始点Bから終点Cに向かうに従って始点Bの焦点位置B
26Abから終点Cの焦点位置C
26Abに近づくように設定されたレンズ断面形状(例えば、
図13と同様のレンズ断面形状)を設定する。
【0153】
次に、第2象限に配置されたレンズ部26Abの基礎となるレンズ断面形状を、その終点Cでの焦点位置C
26Abを通りかつ中心軸AXに対して平行な回転軸AX
26Abを中心に第2象限において回転させる。
【0154】
以上により、第2象限に配置されたレンズ部26Ab(中心角90°)が生成される。
【0155】
第3象限に配置されたレンズ部26Acは、次のようにして生成される。
【0156】
まず、第3象限に配置されたレンズ部26Acの基礎となるレンズ断面形状を設定する。例えば、2×2の格子状に配置された矩形形状の4つの発光面20(20a〜20d)の対角方向を活用する観点から、中心線AX及び第1対角線DL1を含む断面上に、第3象限に配置されたレンズ部26Acの基礎となるレンズ断面形状を設定する。
【0157】
具体的には、複数のフレネル面22A1〜22A3の始点Bの焦点位置B
26Acと終点Cの焦点位置C
26Acとが、4つの発光面20(20a〜20d)のうち第3象限の対角に位置する第1象限に配置された発光面20a上に設定されており、かつ、レンズ部26Acの複数のフレネル面22A1〜22A3の始点Bと終点Cとの間の焦点位置が、複数のフレネル面22A1〜22A3の始点Bから終点Cに向かうに従って始点Bの焦点位置B
26Acから終点Cの焦点位置C
26Acに近づくように設定されたレンズ断面形状(例えば、
図13と同様のレンズ断面形状)を設定する。
【0158】
次に、第3象限に配置されたレンズ部26Acの基礎となるレンズ断面形状を、その終点Cでの焦点位置C
26Acを通りかつ中心軸AXに対して平行な回転軸AX
26Acを中心に第3象限において回転させる。
【0159】
以上により、第3象限に配置されたレンズ部26Ac(中心角90°)が生成される。
【0160】
第4象限に配置されたレンズ部26Adは、次のようにして生成される。
【0161】
まず、第4象限に配置されたレンズ部26Adの基礎となるレンズ断面形状を設定する。例えば、2×2の格子状に配置された矩形形状の4つの発光面20(20a〜20d)の対角方向を活用する観点から、中心線AX及び第2対角線DL2を含む断面上に、第4象限に配置されたレンズ部26Adの基礎となるレンズ断面形状を設定する。
【0162】
具体的には、複数のフレネル面22A1〜22A3の始点Bの焦点位置B
26Adと終点Cの焦点位置C
26Adとが、4つの発光面20(20a〜20d)のうち第4象限の対角に位置する第2象限に配置された発光面20b上に設定されており、かつ、レンズ部26Adの複数のフレネル面22A1〜22A3の始点Bと終点Cとの間の焦点位置が、複数のフレネル面22A1〜22A3の始点Bから終点Cに向かうに従って始点Bの焦点位置B
26Adから終点Cの焦点位置C
26Adに近づくように設定されたレンズ断面形状(例えば、
図13と同様のレンズ断面形状)を設定する。
【0163】
次に、第4象限に配置されたレンズ部26Adの基礎となるレンズ断面形状を、その終点Cでの焦点位置C
26Adを通りかつ中心軸AXに対して平行な回転軸AX
26Adを中心に第4象限において回転させる。
【0164】
以上により、第4象限に配置されたレンズ部26Ad(中心角90°)が生成される。
【0165】
なお、各象限に配置されたレンズ部26A(26Aa〜26Ad)の境界線付近でオーバーラップした面は、自象限内までを有効面として曲面設定する。
【0166】
以上の生成手順を実行することにより、第1象限〜第4象限に配置されたレンズ部26A(26Aa〜26Ad)を含むレンズ14Aが生成される。
【0167】
次に、上記構成の照明装置10Aから照射される照射パターンについて説明する。
【0168】
図15は照明装置10Aから照射される光により形成される照射パターンPA(写真)、
図16(a)は
図15に示した照射パターンPAの光度分布図(等光度曲線)、
図16(b)は
図16(a)中の縦軸上の0を通る横軸上の照度分布図である。
【0169】
図16(a)、
図16(b)に示すように、照明装置10Aから照射される照射パターンPAは、上記第1実施形態で説明したのと同様の理由により、発光面20(20a〜20d)間の十字型の隙間に起因するダーク部が改善され、かつ、中心光度(照度)が最大で、周囲に向かうに従って光度(照度)がなだらかに低くなる円形(又は円形に近い形状)の照射パターンとなる。
【0170】
以上説明したように、本実施形態の照明装置10Aによれば、各象限に配置されたレンズ部26Aa〜26Adを通過した投影像は、その通過位置に応じて、異なる位置(例えば、中心軸AXを中心とする円C1´に沿った位置)へ投影され、当該投影像の明るい部分とダーク部とが重なる(
図10(a)〜
図10(d)、
図12(a)〜
図12(d)参照)。その結果、照射パターンPA中の、発光面20(20a〜20d)間の十字型の隙間(横に延びる隙間S
H及び縦に延びる隙間S
V)に起因するダーク部が改善される(
図16(a)、
図16(b)参照)。
【0171】
また、各象限に配置されたレンズ部26Aa〜26Adを通過した投影像は、中心軸AXに近い点を通過する投影像ほど小サイズで高照度となり、かつ、照射パターンPの中央寄りに投影される(
図12(a)〜
図12(d)参照)。その結果、照射パターンPAは、中心光度(照度)が最大で、周囲に向かうに従って光度(照度)がなだらかに低くなる円形(又は円形に近い形状の)照射パターンとなる(
図16(a)、
図16(b)参照)。
【0172】
また、本実施形態の照明装置10Aによれば、2×2の格子状に配置された矩形形状の4つの発光面20(20a〜20d)の発光色度が一定でなく色度分布がある場合においても、各象限に配置されたレンズ部26Aa〜26Adを通過した投影像が、その通過位置に応じて、ずれて重なった状態で投影される結果、発光色ムラも照射パターンPAの一部に集中することがなくなり、照射パターンPAの色ムラを解消できる。
【0173】
また、本実施形態の照明装置10Aによれば、光分散効果のあるシボ加工などを用いずに、光制御を応用し実現した分散光学系であるので、シボ加工のように金型表面精度や、シボ表面状態の継時変化の影響に依存せず、耐久性のある製品を実現できる。
【0175】
上記実施形態では、レンズ14Aが、中心軸AXを含む2個の平面によって分割される4個の象限に配置されたレンズ部26A(26Aa〜26Ad)を含む例について説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0176】
すなわち、レンズ14Aは、中心軸AXを含む2×N個(但し、Nは、1、2、3)の平面によって均等(又は略均等)に分割される4×N個の象限に配置されたレンズ部を含んでいてもよい。なお、2×N個の平面は、少なくとも、中心軸AX及び横に延びる隙間S
H(厳密には、横に延びる隙間S
Hの中心線S
HC)を含む平面と、中心軸AX及び縦に延びる隙間S
V(厳密には、縦に延びる隙間S
Vの中心線S
VC)を含む平面と、を含む。
【0177】
また、上記各実施形態では、1つの光源12、1つのレンズ14(レンズ14A)、1つのリフレクタ16を用いて、照明装置10(照明装置10A)を構成する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0178】
例えば、より明るく大光量であることが求められる場合には、
図17、
図18に示すように、複数の光源12、複数のレンズ14(レンズ14A)、複数のリフレクタ16(反射面16a)を用いて、照明装置10(照明装置10A)を構成してもよい。
【0179】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。