(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
スマートフォン等にはイヤホン等が差し込まれるコネクタが備えられている。このようなコネクタは、小型化が求められるとともに、防水性を備えることが求められている。
【0003】
特許文献1に、下側ハウジングと上側ハウジングとをレーザ溶着で接合し、ハウジングと環状部材とをレーザ溶着で接合したものが開示されている。
【0004】
図10は、特許文献1の制御機能付コネクタ装置100を示す斜視図である。
図10に示すように、接合部カバー140は、コネクタハウジング112の周囲三方の側面の凹溝114に、その凹みを埋めるように嵌め込みされている。この接合部カバー140は、分割ハウジング120、130に溶着されている。
【0005】
環状部材150は、分割ハウジング120、130と接合部カバー140との溶着部分を横切るようにしてコネクタハウジング112に外嵌めされる。さらに、環状部材150の全周に亘って、環状部材150がコネクタハウジング112の外周囲に溶着される。このようなレーザ溶着は、溶着のための特別な突出部分等を設ける必要がないので、他の溶着方法に比べて小型化に適している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、量産時には製造ばらつきを無視できず、分割ハウジング120、130と接合部カバー140との境界部分に微小な段差を生じている。そのため、レーザ溶着で環状部材150を分割ハウジング120及び分割ハウジング130に接合してようとしても、この段差のために確実な接合ができない、という問題点があった。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するもので、小型化を図るとともに、確実な接合が行われた防水型コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
また本発明の防水型コネクタの製造方法は、上側開口部及び前記上側開口部と連続する側方開口部を有する下側ハウジングと、下側開口部を有し、前記下側ハウジングの上側開口を塞ぐように取り付けられる上側ハウジングと、前記下側ハウジング及び前記上側ハウジングにより構成されるハウジングの前記側方開口部に取り付けられるキャップと、前記ハウジングの内外を貫通する端子部材と、を備えた防水型コネクタ
の製造方法であって、前記上側ハウジングと下側ハウジングとのいずれか一方は光吸収材料からなるとともに、前記上側ハウジングと下側ハウジングとのいずれか他方は光透過材料からなり、前記下側ハウジングは前記側方開口部の周囲に下側フランジ部を備え、前記上側ハウジングは側方に上側フランジ部を備え、前記キャップは、前記下側フランジ部及び前記上側フランジ部により構成されるハウジング側フランジ部に対向する位置に、キャップ側フランジ部を備え、前記下側ハウジングと前記上側ハウジングとをレーザ
溶着によって接合
するレーザ溶着部
の形成
工程と、前記ハウジング側フランジ部と前記キャップ側フランジ部とを超音波
溶着によって接合
する超音波溶着部
の形成
工程と、
を有し、前記レーザ溶着部
の形成工程では、
前記下側ハウジングと前記上側開口部を囲む前記上側ハウジングとを接合するハウジング溶着部と、前記下側フランジ部と前記上側フランジ部との接触部分であって前記キャップ側フランジ部に対向するフランジ面に至る前記フランジ面の近傍に前記フランジ面に沿って内側から外側に向かうフランジ溶着部
と、をレーザ溶着により一括して形成し、
前記超音波溶着部の形成工程では、前記ハウジング側フランジ部と前記キャップ側フランジ部との接触部分において、前記フランジ溶着部に交差して重なるように、前記超音波溶着部
を環状に形成
することを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、
下側ハウジングと上側ハウジングとは、レーザ溶着により接合されるので、フランジ部が突出して設けられる必要がなく、小型化を図ることができる。また、下側ハウジングと上側ハウジングとの境界部分に段差を生じても、超音波溶着の場合は、フランジ部全体を一度に溶着するので、キャップ側フランジ部が全体的に溶けてハウジング側フランジ部に向かって移動して段差を埋めることができ、確実な接合を行なうことができる。さらに、レーザ溶着によるフランジ溶着部と超音波溶着部とが交差して重なることによって部材同士の隙間を塞いでいるので、水の抜け道がなくなり、完全な防水を図ることができる。
【0013】
さらに本発明の防水型コネクタの製造方法において、
前記キャップ側フランジ部は環状突条部を備え、前記超音波溶着部の形成工程では、前記環状突条部
と前記ハウジング側フランジ部
とを圧接
して、超音波溶着によって
接合することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、超音波溶着部の沈み込み量を大きくすることができ、段差の影響をより少なくすることができる。
【0015】
さらに本発明の防水型コネクタの製造方法において、前記ハウジング側フランジ部は、前記環状突条部が圧接される底部及び前記底部を囲むように突出して設けられた壁部からなる環状溝部を
備え、前記超音波溶着部
の形成工程では、前記環状突条部と前記底部と
を溶着
させて接合することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、ハウジング側フランジ部に設けられた壁部によって、溶けた環状突条部のはみ出しを防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば
、レーザ溶着により下側ハウジングと上側ハウジングとが接合されるので小型化を図ることができ、超音波溶着によりフランジ部全体を一度に溶着するのでキャップ側フランジ部が全体的に溶けて段差を埋めることができ、これらによって確実な接合を行なうことができる。これにより小型化を図るとともに、確実な接合が行われた防水型コネクタの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、分かりやすいように、図面は寸法を適宜変更している。
【0020】
図1は、本発明の実施形態の防水型コネクタ1を示す平面図である。
図2は、本発明の実施形態の防水型コネクタ1を示す正面図である。
図3は、本発明の実施形態の防水型コネクタ1を示す右側面図である。
図4は、本発明の実施形態の防水型コネクタ1を示す斜視図である。
図5は、本発明の実施形態の防水型コネクタ1を示す分解斜視図である。
図6は、超音波溶着前のハウジング側フランジ部10cを説明する模式図であり、
図6(a)は斜視図であり、
図6(b)は異なる方向からの斜視図である。
図7は、超音波溶着前のキャップ側フランジ部20cを説明する模式図であり、
図7(a)は
図4と異なる方向からの斜視図であり、
図7(b)は左側面図である。
図8は、
図1のA−A線で切断した模式拡大断面図である。
図9は、溶着部を示す説明図である。
【0021】
本発明の実施形態の防水型コネクタ1は、
図1〜
図4に示すように、プラグが挿入される開口部20aを有するキャップ20と、電気接続のための複数の端子部材13が貫通するハウジング10と、を備えている。防水型コネクタ1は図示しない電子機器に装着され、電子機器に装着された状態で開口部20aが外部に露出する。
【0022】
なお、本明細書中では、
図2に示すX1−X2方向を側方、Z1側を上側、Z2側を下側とする。
【0023】
ハウジング10は、合成樹脂で形成されている。
図5に示すように、上側開口部11a及び上側開口部11aと連続する側方開口部10b(11b)を有する下側ハウジング11と、下側開口部12aを有し下側ハウジング11の上側開口を塞ぐように取り付けられる上側ハウジング12と、により構成される。下側ハウジング11には、端子部材13が取り付けられている。
【0024】
端子部材13は導電性の金属で形成され、ハウジング10の内外を貫通するように取り付けられている。端子部材13には、例えば、燐青銅を使用することができる。端子部材13は、例えば、イヤホン等の接続端子に電気的に接続される可動接点部13aが、開口部20aからハウジング10の内部に続く空間内に露出するように設けられている。
【0025】
端子部材13の貫通部分は、下側ハウジング11の合成樹脂と密着しており、水密にシールされている。例えば、インサート成形によって、端子部材13を下側ハウジング11に一体化させることができる。
【0026】
上側ハウジング12は、レーザ光を透過可能な光透過材料により形成されている。例えば、乳白色のナイロン樹脂を使用することができる。ナイロン樹脂は、適度な加熱で成形することができる。また、顔料を含有していない場合には乳白色で透光性を有している。上側ハウジング12は、
図5に示すように、上側フランジ部12cと平坦部12dとを備えている。平坦部12dは、レーザ照射部12eを3辺に有している。上側開口部11aを覆うように、下側ハウジング11にレーザ照射部12eの下面がレーザ溶着される。また、上側フランジ部12cには、薄板部12fと、壁部10e及び底部10dと、が形成されている。薄板部12fの下面は、レーザ溶着される箇所であり、レーザ照射部12eの下面と連続して平坦に形成されている。
【0027】
下側ハウジング11は、上側ハウジング12よりも光吸収性を有する光吸収材料により形成されている。例えば、黒色に着色されたナイロン樹脂を使用することができる。ナイロン樹脂は、適度な加熱で成形することができる。また、着色用の顔料を多く含有している場合は光吸収性を有している。下側ハウジング11は、
図5に示すように、上側開口部11a、側方開口部10b、及び、側方開口部10bの周囲に側方開口部10bから外側に突出する下側フランジ部11cを備えている。上側開口部11a及び下側フランジ部11cの上面は平坦に形成されている。下側フランジ部11cには、壁部10e及び底部10dと、が形成されている。
【0028】
下側ハウジング11のハウジング溶着部31aと、上側ハウジング12のハウジング溶着部31bと、がレーザ溶着によって接合されて、ハウジング溶着部31が形成される。
【0029】
下側フランジ部11cのフランジ溶着部32aと、上側フランジ部12cのフランジ溶着部32bと、がレーザ溶着によって接合されて、フランジ溶着部32が形成される。
図6(a)及び
図6(b)に示すように、上側フランジ部12cには、薄板部12fが形成されている。フランジ溶着部32は、キャップ側フランジ部20cに対向するフランジ面に至るフランジ面の近傍をフランジ面に沿って内側から外側に向かう箇所である。上側フランジ部12cの薄板部12fの下面と下側フランジ部11cとが接触する箇所は、キャップ側フランジ部20cに対向するフランジ面までレーザ溶着される。
【0030】
なお、ハウジング溶着部31及びフランジ溶着部32はレーザ溶着により一括して接合され、ハウジング10のレーザ溶着部30を構成している。ハウジング10を製造する工程において、レーザ溶着は、レーザ溶着部30の形状に整形されたビーム形状のレーザ光を一括照射してもよいが、小径のビーム形状のレーザ光を走査して少しずつ連続的に溶着させてもよい。
【0031】
下側ハウジング11と上側ハウジング12とがレーザ溶着によって一体化されたハウジング10のハウジング側フランジ部10cは、
図6(a)に示すように、下側ハウジング11の底部10dと、上側ハウジング12の底部10dとが、一体化されたフランジ面を形成する。同様に、下側ハウジング11の壁部10eと、上側ハウジング12の壁部10eとが、ハウジング側フランジ部10cの外周に沿って突出部を形成する。これにより、ハウジング側フランジ部10cには、底部10d及び底部10dを囲むように突出して設けられた壁部10eからなる環状溝部10fが形成される。
【0032】
図5に示すように、ハウジング10の側方開口部10bに取り付けられるキャップ20は、ハウジング側フランジ部10cに対向する位置に、キャップ側フランジ部20cを備えている。
【0033】
キャップ20は、合成樹脂で形成されている。例えば、黒色に着色されたナイロン樹脂を使用することができる。キャップ20には、下側ハウジング11と同じ材料を使用することができる。キャップ側フランジ部20cには、
図7(a)に示すように、環状突条部20dが設けられている。
【0034】
環状突条部20dは、
図7(b)に示すように、開口部20aを囲んで、キャップ側フランジ部20cに環状に形成されている。
【0035】
図8に示すように、ハウジング側フランジ部10cとキャップ側フランジ部20cとを接合する超音波溶着部33は、ハウジング側フランジ部10cとキャップ側フランジ部20cとの接触部分において、環状突条部20dの超音波溶着部33bと底部10dの超音波溶着部33aとが溶着されて形成される。すなわち、超音波溶着部33は環状突条部20dの形状に対応して、環状に形成される。また、超音波溶着部33は、超音波溶着前の環状突条部20dの突出する高さを、環状溝部10fの壁部10eが突出する高さよりも大きくしている。超音波溶着部33は、超音波溶着で溶けて環状突条部20dの高さが小さくなることによって、
図8に示すように、確実に溶着される。なお、
図8では断面の形状を分かりやすく示すために、断面位置以外の形状を省略している。
【0036】
図9は、キャップ20を透視して、ハウジング側フランジ部10cを示した模式図である。
図9に示すように、ハウジング側フランジ部10cの環状溝部10fにおいて、超音波溶着部33が環状に形成されている。また、環状の超音波溶着部33は、Y1−Y2方向に溶着されたフランジ溶着部32に交差して重なるように形成されている。このように、フランジ面において、レーザ溶着によるフランジ溶着部32と超音波溶着部33とが交差して重なることによって、部材同士を隙間なく接合している。これにより、部材間の隙間を塞いでいる。
【0037】
ハウジング10は、下側ハウジング11と上側ハウジング12とがレーザ溶着によって一体化され、端子部材13の貫通部分が下側ハウジング11の合成樹脂と密着しているので、ハウジング10の内部に浸み込んだ水がハウジング10の外部に漏れることがない。さらに、キャップ20とハウジング10との接合箇所は、レーザ溶着によるフランジ溶着部32と超音波溶着部33とが交差して重なって、部材同士を隙間なく接合しているので、キャップ20のキャップ側フランジ部20c側の水がハウジング10のハウジング側フランジ部10c側に浸透することがない。したがって、ハウジング10の外部に露出している端子部材13は、ハウジング10の内部に浸み込んだ水の影響を受けない。
【0038】
なお、超音波溶着は、ハウジング側フランジ部10cとキャップ側フランジ部20cとを圧接するように冶具で保持して、超音波が伝播されることによって行われる。このため、環状突条部20dを、できるだけ均一に圧接させなければならない。上側フランジ部12cに形成された薄板部12fは、均一に圧接させるために必要である。
【0039】
一方、レーザ溶着によるフランジ溶着部32は、薄板部12fの下面がレーザ溶着される箇所であるため、垂直に照射されるレーザ光の場合、薄板部12f以外の箇所(レーザ照射部12eの下面等)に比べ、到達するレーザ光のパワーが減衰してしまう。このため、この部分の溶着を行なうときだけレーザ光のパワーを上げて照射するようにしている。
【0040】
さらに、レーザ溶着によるフランジ溶着部32と超音波溶着部33とが交差する位置は、下側フランジ部11c及び上側フランジ部12cの底部10dと、キャップ側フランジ部20cの環状突条部20dと、の接触部である。製造上のばらつきによって、底部10dは、下側フランジ部11cと上側フランジ部12cとの境界で段差を生じてしまう。環状突条部20dは、この段差を吸収して超音波溶着による接合を確実にすることができる。超音波溶着前の環状突条部20dの突出する高さは、環状溝部10fの壁部10eが突出する高さよりも大きくしておけば、超音波溶着で溶けて環状突条部20dの高さが小さくなることによって、超音波溶着部33の沈み込み量を大きくすることができる。これによって、下側フランジ部11cと上側フランジ部12cとの境界での段差の影響を少なくすることができる。
【0041】
以下、本実施形態としたことによる効果について説明する。
【0042】
本実施形態の防水型コネクタ1は、下側ハウジング11と、上側ハウジング12と、キャップ20と、端子部材13と、を備えた防水型コネクタ1であって、下側ハウジング11は光吸収材料からなるとともに、上側ハウジング12は光透過材料からなる。そして、下側ハウジング11と上側ハウジング12とを接合するレーザ溶着部30(ハウジング溶着部31及びフランジ溶着部32)が形成される。さらに、下側ハウジング11は下側フランジ部11cを備え、上側ハウジング12は上側フランジ部12cを備える。さらに、キャップ20は、下側フランジ部11c及び上側フランジ部12cにより構成されるハウジング側フランジ部10cに対向する位置に、キャップ側フランジ部20cを備える。さらに、ハウジング側フランジ部10cとキャップ側フランジ部20cとを接合する超音波溶着部33が形成されたことを特徴とする。
【0043】
この構成によれば、下側ハウジング11と上側ハウジング12とは、レーザ溶着により接合されるので、フランジ部が突出して設けられる必要がなく、小型化を図ることができる。また、下側ハウジング11と上側ハウジング12との境界部分に段差を生じやすいが、超音波溶着の場合は、フランジ部全体を一度に溶着するので、キャップ側フランジ部20cが全体的に溶けて段差を埋めることができ、確実な接合を行なうことができる。
【0044】
また本実施形態の防水型コネクタ1は、レーザ溶着部30が、下側フランジ部11cと上側フランジ部12cとの接触部分であってキャップ側フランジ部20cに対向するフランジ面を含むフランジ面の近傍を内側から外側に向かうフランジ溶着部32を有する。それとともに、ハウジング側フランジ部10cとキャップ側フランジ部20cとの接触部分において、フランジ溶着部32に交差して重なるように、環状の超音波溶着部33が形成されたことを特徴とする。
【0045】
フランジ溶着部32は、レーザ溶着によって、下側フランジ部11cと上側フランジ部12cとの接触部分が、キャップ側フランジ部20cに対向するフランジ面まで溶着された箇所である。この構成によれば、レーザ溶着によるフランジ溶着部32と超音波溶着部33とが交差して重なることによって部材同士の隙間を塞いでいるので、水の抜け道がなくなり、完全な防水を図ることができる。
【0046】
さらに本実施形態の防水型コネクタ1において、超音波溶着部33は、キャップ側フランジ部20cに設けられた環状突条部20dと、ハウジング側フランジ部10cと、が圧接され超音波溶着によって形成されたことを特徴とする。
【0047】
この構成によれば、圧接して超音波溶着を行なうことによって、超音波溶着部33の沈み込み量を大きくすることができ、段差の影響をより少なくすることができる。
【0048】
本実施形態の防水型コネクタ1において、ハウジング側フランジ部10cは、環状突条部20dが圧接される底部10d及び底部10dを囲むように突出して設けられた壁部10eからなる環状溝部10fを有し、超音波溶着部33は環状突条部20dと底部10dとが溶着されて形成されたことを特徴とする。
【0049】
環状突条部20dは合成樹脂で形成されている。超音波溶着部33は、環状突条部20dと底部10dとが溶着されて形成された構成であるので、壁部10eによって、溶けた樹脂が外方又は側方開口部10bにはみ出して生じる不具合を防止することができる。
【0050】
以上のように、本発明の実施形態の防水型コネクタ1を具体的に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することが可能である。例えば次のように変形して実施することができ、これらも本発明の技術的範囲に属する。
【0051】
(1)本実施形態において、上側ハウジング12は、下側開口部12aと連続する側方開口部をほとんど有していない形状としたが、これに限定されるものではない。例えば、側方開口部10bの下側半分が下側ハウジング11の側方開口部11bで形成され、側方開口部10bの上側半分が上側ハウジング12の側方開口部で形成されていてもよい。
【0052】
(2)本実施形態において、下側ハウジング11を光吸収材料、上側ハウジング12を光透過材料としたが、下側ハウジング11が光透過材料で、上側ハウジング12が光吸収材料であってもよい。すなわち、上側ハウジングと下側ハウジングとのいずれか一方は光吸収材料からなるとともに、上側ハウジングと下側ハウジングとのいずれか他方は光透過材料であればよい。なお、いずれの場合においても、光透過材料のレーザ照射部が一定の厚さに設けられていることが好ましい。
【0053】
(3)本実施形態において、レーザ溶着によるフランジ溶着部32は、薄板部12fの下面と下側フランジ部11cとが接触する箇所を含むが、フランジ面まで連続してレーザ溶着部が形成されていればよい。そのためには、レーザ光をX2側に向かって傾けて照射させることに加えて、ハウジング側フランジ部10cの環状溝部10f側からX1側に向かって傾けて照射させて、ハウジング側フランジ部10cの両面から連続するレーザ溶着部を形成してもよい。