(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記第一部材が備える連結構造は、上記太陽電池モジュールの基底部に対して垂直上方に突出した係合突条、あるいは上記太陽電池モジュールの基底部に対して垂直上方に開口した係合溝であり、
上記第二部材が備える連結構造は、上記太陽電池モジュールの基底部に対して垂直下方に開口した係合溝、あるいは上記太陽電池モジュールの基底部に対して垂直下方に突出した係合突条であり、
上記第一部材と上記第二部材とを、上記太陽電池モジュールの基底部と平行にスライドさせることにより、上記第一部材の係合突条と上記第二部材の係合溝、あるいは上記第一部材の係合溝と上記第二部材の係合突起が係合して、上記第一部材と上記第二部材が一体的に連結する、
請求項5記載の太陽電池モジュール用取付金具。
上記第三部材が備える連結構造は、上記太陽電池モジュールの基底部に対して垂直上方に突出した係合突条、あるいは上記太陽電池モジュールの基底部に対して垂直上方に開口した係合溝であり、
上記第四部材が備える連結構造は、上記太陽電池モジュールの基底部に対して垂直下方に開口した係合溝、あるいは上記太陽電池モジュールの基底部に対して垂直下方に突出した係合突条であり、
上記第三部材と上記第四部材とを、上記太陽電池モジュールの基底部と平行にスライドさせることにより、上記第三部材の係合突条と上記第四部材の係合溝、あるいは上記第三部材の係合溝と上記第四部材の係合突起が係合して、上記第三部材と上記第四部材が一体的に連結する、
請求項8記載の太陽電池モジュール用取付金具。
受光して発電する太陽電池サブモジュールと、上記太陽電池サブモジュールを枠状に囲う枠体、当該枠体の側縁から架台側に延び出した板状の支持部、及び、当該支持部の下端から内側に向かって延び出し、架台上に載置される板状の基底部、を備えたフレームと、からなる太陽電池モジュールを、
上記太陽電池モジュールの基底部を、断面U字状の条溝内に挟持する挟持部と、上記挟持部の端部であって、上記太陽電池モジュールの基底部の下面側の端部から、隣接する太陽電池モジュール側に延び出すフランジと、上記挟持部の一端から延び出し、上記太陽電池モジュールの支持部に外側から当接して金具の脱離を防ぐ掛止部と、を有する太陽電池モジュール用取付金具により、上記架台上に複数、一列に隣接させて敷設するための施工方法であって、
上記架台上に固定された第一の太陽電池モジュールに、第二の太陽電池モジュールを隣り合わせにして連設させる際、上記第一の太陽電池モジュールの基底部に、上記第二の太陽電池モジュールの基底部に取り付けられた太陽電池モジュール用取付金具のフランジを下面側から当接させる工程と、
上記第二の太陽電池モジュールの端部のうち、上記第一の太陽電池モジュールと反対側の端部を、上記架台上に固定する工程と、を有する、
ことを特徴とする太陽電池モジュールの施工方法。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明の実施形態に係る太陽電池モジュール用取付金具について、図を参照して説明する。
図1は、屋根等の敷設面上において、本実施形態に係る差込型ブラケット3、及び固定型ブラケット4を用い、太陽電池モジュール1を敷設した状態を模式的に示している。
なお、差込型ブラケット3及び固定型ブラケット4は夫々、別の実施形態に係るものであるが、共に本発明の一実施形態であって、同時に用いられて太陽電池モジュール1を架台2上に固定する。
【0024】
本例における敷設面は傾斜のついた屋根である。
この敷設面上には、太陽電池モジュール1を設置するための架台2が複数本、水下側から水上側に向けて、互いに平行に取り付けられている。
【0025】
一方、各太陽電池モジュール1は、架台2の長さ方向に沿って、水下側から水上側に向かう方向を連設方向xとして、二本の架台2上に順次連設されている。
なお、この連設方向xに一列に敷設された一群の太陽電池モジュール1は、連設方向xと直交する向きにも複数列敷設することができ、これにより縦横に太陽電池モジュール1が敷設される。この場合、太陽電池モジュール1は縦横に当接して敷設されることになるが、本例においては、太陽電池モジュール用取付金具3、4を介して連設する方向を連設方向xという。
また、以下においては説明の便宜のため、連設方向xに一列に敷設された一群の太陽電池モジュール1について、水下側から順に第1太陽電池モジュール1、第2太陽電池モジュール1・・・第n太陽電池モジュール(nは2以上の自然数)と称することがある。
【0026】
図1に示されるように、各太陽電池モジュール1には、水下側に差込型ブラケット3が2つ取り付けられ、水上側に固定型ブラケット4が2つ取り付けられている。
また、第2〜第n太陽電池モジュール1において、差込型ブラケット3は、太陽電池モジュール1が架台2上に設置された際に架台2の外側に当たる位置に、固定型ブラケット4は同様の際に架台2と重なる位置に取り付けられている。
一方、第1太陽電池モジュール1においては、固定型ブラケット4は第2〜第n太陽電池モジュール1と同様、架台2と重なる位置に取り付けられているが、差込型ブラケット3も、架台2上と重なる位置に取り付けられている。
なお、本実施形態においては、差込型ブラケット3を、架台2の外側に当たる位置に取り付ける構成を示したが、本発明はこれに限らず、架台2の内側に当たる位置に取り付けてもよい。
【0027】
また、全ての太陽電池モジュール1の水上側端部は、固定型ブラケット4により、架台2上に固定されている。
これに対して、各太陽電池モジュール1の水下側端部は、直接的には架台2上に固定されていないが、後述する差込型ブラケット3のフランジ34が、水下側に隣接する太陽電池モジュール1の下面等に下方(施設面側)から当接している。これにより、太陽電池モジュール1は上方(受光面側)への動きを規制されている。
【0028】
このような各太陽電池モジュール1について、架台2に直接固定されてない水下側の端部を自由端、架台2に直接固定された水上側の端部を固定端と称すると、敷設された一群の太陽電池モジュール1は、連設方向xに沿って、自由端と固定端とが交互にくるように敷設されている。
【0029】
次に、太陽電池モジュール1の構成について説明する。
太陽電池モジュール1は、
図2(a)に示されるように、中空枠状のフレーム12と、このフレーム12の枠内に取り付けられた太陽電池サブモジュール11からなる。
太陽電池サブモジュール11とは、少なくとも受光により発電する太陽電池素子を備え、適宜これを保護するカバーガラス等を積層した基板である。
本実施形態に適用される太陽電池素子は、シリコン結晶系(単結晶シリコン、多結晶シリコン)、非結晶系(アモルファスシリコン)、化合物系(CIS、CdTe、GaAsなど)、あるいは有機系の太陽電池素子等いずれのものであってもよく、その種類は特に限定されない。
【0030】
フレーム12は、太陽電池サブモジュール11を保持すると共に、積層端面を保護する枠であって、アルミニウム等の金属からなる。このフレーム12は、四つの棒状のフレーム構成部材の端部同士を直角に接続させて、太陽電池サブモジュール11の外周形状に応じた長方形状に構成されている。
【0031】
さらに、このフレーム12は、
図2(b)、(c)に示されるように、太陽電池サブモジュール11を上面側から挟持する上面側挟持部121と、太陽電池サブモジュール11を下面側から挟持する下面側挟持部122と、上面側挟持部121及び下面側挟持部122の端部から下側(架台2側)へ直角に折曲して延び出した板状の支持部123と、支持部123の下端部から内側へ直角に折曲して延び出した板状の基底部124とから形成されている。
【0032】
また、フレーム12の側縁のうち、連設方向x(架台2の長さ方向)において対向する、水下側端部及び水上側端部において、基底部124は架台2上に載置され、さらに、支持部123が太陽電池サブモジュール11を架台2上に支持している。
【0033】
上面側挟持部121と下面側挟持部122とによって枠状に形成される隙間の縦幅は、太陽電池サブモジュール11の厚さよりも僅かに大きく、中空部側に開口した条溝12aを形成している。この条溝12aには、ブチルゴム等の充填材を介在させた上、太陽電池サブモジュール11の外周部分が差し込まれる。これにより、太陽電池サブモジュール11とフレーム12とが一体的に太陽電池モジュール1を構成する。
【0034】
架台2は、屋根等の敷設面上に複数、平行に設置され、二本一組で太陽電池モジュール1を敷設面上に支持する棒状の部材であり、亜鉛めっき鋼板などからなる。
この架台2は
図3(a)に示されるように、両端が開口した縦長中空の四角柱状に形成され、敷設面上に載置される底面部21と、底面部21に対して直角な一対の側面部22と、底面部21と平行で、太陽電池モジュール1が載置される一対の載置部23とから構成される。
【0035】
一対の載置部23の間には、架台2の長さ方向に沿って開口部24が形成されている。
また、一対の側面部22には夫々、水下側端部近傍にボルト孔22aが形成されている。このボルト孔22aは、後述するカバー25(
図3(b)参照)を取り付けるため、カバー25のボルト孔252aに対応して形成された孔である。
【0036】
架台2の水下側端部には、
図3(b)に示されるように、太陽電池モジュール1が設置される際に、カバー25が取り付けられる。
このカバー25は、架台2の水下側の開口端部を覆う板状の前面部251と、架台2の側面部22を覆う板状の側面部252と、架台2の載置部23及び開口部24を覆う板状の上面部253と、上面部253の水上側端部から上方に直角に立設した板状の掛止部254とからなる。
【0037】
一対の側面部252には夫々、架台2の側面部22に形成されたボルト孔22a(
図3(a)参照)に対応して、ボルト孔252aが形成されている。
架台2の水下側端部をカバー25で覆うと共に、カバー25のボルト孔252a及び架台2のボルト孔22aにボルト252bを挿通させることで、カバー25が架台2に取り付けられる。
なお、ボルト252bは、ボルト孔252aとボルト孔22aの内周面に予め形成された雌ネジ、あるいはナットに螺合し、これによりカバー25が架台2に固定される。
【0038】
次に、本発明の実施形態に係る差込型ブラケット3と固定型ブラケット4について、図を参照して説明する。
まず、差込型ブラケット3について、
図4〜
図6を参照して説明する。
差込型ブラケット3は、太陽電池モジュール1を架台2上に設置するための金具であって、太陽電池モジュール1の水下側の基底部124に取り付けられる。
【0039】
この差込型ブラケット3は例えば、アルミニウム、又はアルミニウムを主材料とする合金等の押出成型によって作製される。その幅は、太陽電池モジュール1の基底部124の長手方向の幅よりも十分に小さく、少なくとも、架台2の開口部24の開口幅(載置部23間の幅)以下に形成されている。
【0040】
この差込型ブラケット3は、
図4に示されるように、太陽電池モジュール1の基底部124を、断面略U字状の掛着溝32内に挟持する挟持部31と、挟持部31の端部から上方に直角に立ち上がった板状の掛止片33と、挟持部31の端部から外側に向かって水平に延び出した板状のフランジ34とからなる。
【0041】
挟持部31は、太陽電池モジュール1の基底部124を上面側から挟持する上面側挟持部311、上面側挟持部311の一側縁部から下方に延び出し、内側の面が掛着溝32の溝底部を形成する支持部312、及び、支持部312の一側縁部から水平に延び出し、太陽電池モジュール1の基底部124を下面側から挟持する下面側挟持部313から構成される。
【0042】
さらに、上面側挟持部311には、一側縁部近傍において下方に突出して形成された当接部311aが形成され、下面側挟持部313には、一側縁部近傍において上方に突出して形成された当接部313aが形成されている。
この当接部311a、313aは夫々、太陽電池モジュール1の基底部124に、上面又は下面から当接し、これにより太陽電池モジュール1の基底部124が挟持される。
【0043】
掛止片33は、下面側挟持部313の端部から上方に直角に立ち上がって形成されている。さらに、この掛止片33は、差込型ブラケット3を太陽電池モジュー
ル1に取り付けた状態を表す
図5又は
図6に示されるように、太陽電池モジュール1の支持部123と平行に形成されており、当該支持部123に外側から隙間なく当接する。これにより、太陽電池モジュール1の支持部123に掛止片33が掛止して、差込型ブラケット3の水上側方向への脱離が防がれる。
【0044】
なお、この掛止片33は少なくともその高さが、太陽電池モジュール1の支持部123の高さ以下であることが好ましく、この場合には、基底部124に差込型ブラケット3を取り付けた際、掛止片33が、太陽電池モジュール1の上面よりも高い位置に飛び出ることがない。
また、この掛止片33の厚みは、隣接する太陽電池モジュール1間の隙間を形成するため、太陽電池モジュール1に掛止するのに十分な強度を担保できる厚さを確保した上で、出来る限り薄く構成するとよい。
【0045】
フランジ34は、太陽電池モジュール1を敷設する際、水下側に隣接する太陽電池モジュール1の基底部124の下面、あるいはカバー25の上面部253の下面に差し込まれる部分である。
このフランジ34の差込方向の端部には、上面が差込方向に向かって徐々に大きく切り欠かれた傾斜面が形成されている。この傾斜面は、隣接する太陽電池モジュール1の基底部124の下面、あるいはカバー25の上面部253の下面に、フランジ34をスムーズにガイドするためのガイド部34aを構成する。
【0046】
以上の構成を有する差込型ブラケット3において、太陽電池モジュール1の基底部124を挟持する挟持部31の隙間は、太陽電池モジュールの基底部124の厚さよりも僅かに大きく形成されている。これにより、
図5又は
図6に示されるように、基底部124の上下面が挟持部31によって挟持され、差込型ブラケット3は、上下方向に動くことなく、太陽電池モジュール1に取り付けられる。
【0047】
また、掛着溝32の溝奥から掛止片33までの長さは、太陽電池モジュール1の基底部124の幅よりも僅かに大きく形成されている。これにより、掛着溝32内に掛着させた太陽電池モジュール1の基底部124は、両端部が夫々、掛止片33と掛着溝32の溝奥とに当接し、差込型ブラケット3が、太陽電池モジュール1の水下側方向あるいは水上側方向(連設方向x)に動くことなく、太陽電池モジュール1に取り付けられる。
【0048】
そして、第2太陽電池モジュールから第n太陽電池モジュールに取り付けられた差込型ブラケット3は、太陽電池モジュール1を敷設した際、
図5に示されるように、フランジ34が水下側に隣接する太陽電池モジュール1の基底部124に下面側から当接し、取り付けられている太陽電池モジュール1の上方への動きを規制する。
ここで、
図5に示されるように、フランジ34の上面と、下面側挟持部313の当接部313aの上面は同一平面上にある。これにより、差込型ブラケット3を介して太陽電池モジュール1を連設した際、挟持部31によって挟持された太陽電池モジュール1の基底部124の下面と、隣接する太陽電池モジュール1の基底部124の下面が同一平面上にくることになり、隣接する太陽電池モジュール1同士の上面も面一となる。
【0049】
一方、第1太陽電池モジュールに取り付けられた差込型ブラケット3は、
図6に示されるように、フランジ34が架台2に取り付けられたカバー25の上面部253の下面に差し込まれ、取り付けられた太陽電池モジュール1の上方への動きを規制する。
【0050】
続いて、固定型ブラケット4について、
図7〜
図11を参照して説明する。
固定型ブラケット4は、太陽電池モジュール1を架台2上に設置するための金具であって、太陽電池モジュール1の水上側の基底部124に取り付けられる。
【0051】
この固定型ブラケット4も差込型ブラケット3と同様、例えば、アルミニウム、又はアルミニウムを主材料とする合金等の押出成型によって作製される。また同様に、その幅は、太陽電池モジュール1の基底部124の長手方向の幅よりも十分に小さく、少なくとも、架台2の開口部24の開口幅(載置部23間の幅)以下に形成されている。
【0052】
この固定型ブラケット4は、
図7に示されるように、太陽電池モジュール1の基底部124を、断面略U字状の掛着溝42内に挟持する挟持部41と、挟持部41の外側端部から上方に直角に立ち上がった掛止片43と、挟持部41の端部から外側に延び出した板状のフランジ44とからなる。
【0053】
挟持部41は、太陽電池モジュール1の基底部124を上面側から挟持する上面側挟持部411、上面側挟持部411の一側縁部から下方に延び出し、内側の面が掛着溝42の溝底部を形成する支持部412、及び、支持部412の一側縁部から水平に延び出し、太陽電池モジュール1の基底部124を下面側から挟持する下面側挟持部413から構成される。
【0054】
さらに、上面側挟持部411には、一側縁部近傍から下方に突出して形成された当接部411aが形成され、下面側挟持部413には、一側縁部近傍から上方に突出して形成された当接部413aが形成されている。
この当接部411a、413aは夫々、太陽電池モジュール1の基底部124に、上面又は下面から当接し、これにより太陽電池モジュール1の基底部124が挟持される。
【0055】
掛止片43は、下面側挟持部413の端部から上方に直角に立ち上がって形成されている。さらに、この掛止片43は、固定型ブラケット4を太陽電池モジュー1に取り付けた状態を表す
図8又は
図9に示されるように、太陽電池モジュール1の支持部123と平行に形成されており、当該支持部123に外側から隙間なく当接する。これにより、太陽電池モジュール1の支持部123に掛止片43が掛止して、固定型ブラケット4の水下側方向への脱離が防がれる。
【0056】
なお、この掛止片43は少なくともその高さが、太陽電池モジュール1の支持部123の高さ以下であることが好ましく、この場合には、基底部124に固定型ブラケット4を取り付けた際、掛止片43が、太陽電池モジュール1の上面よりも高い位置に飛び出ることがない。
また、この掛止片43の厚みは、隣接する太陽電池モジュール1間の隙間を形成するため、太陽電池モジュール1に掛止するのに十分な強度を担保できる厚さを確保した上で、出来る限り薄く構成するとよい。
【0057】
フランジ44は、太陽電池モジュール1を敷設する際、架台2に固定される部分である。
このフランジ44には、
図10に基づいて後述する固定金具26に形成されたボルト孔261aに対応して、中央部にボルト孔44aが形成されている。
【0058】
以上の構成を有する固定型ブラケット4において、太陽電池モジュール1の基底部124を挟持する挟持部41の隙間は、太陽電池モジュールの基底部124の厚さよりも僅かに大きく形成されている。これにより、基底部124の上下面が挟持部41の上下面に隙間なく当接し、固定型ブラケット4は、上下方向に動くことなく、太陽電池モジュール1に取り付けられる。
【0059】
また、掛着溝42の溝奥から掛止片43までの長さは、太陽電池モジュール1の基底部124の幅よりも僅かに大きく形成されている。これにより、掛着溝42内に掛着させた太陽電池モジュール1の基底部124は、両端部が夫々、掛止片43と掛着溝42の溝奥とに当接し、固定型ブラケット4が、太陽電池モジュール1の水下側方向あるいは水上側方向に動くことなく、太陽電池モジュール1に取り付けられる。
【0060】
ここで、固定金具26は、固定型ブラケット4を架台2上に固定するための金具であって、一枚の金属板を断面略コの字状に折曲して形成したものである。
この固定金具26は、
図10(a)に示されるように、固定型ブラケット4のボルト孔44aに対応したボルト孔261aが形成された底面部261と、底面部261の両側縁から直角に立ち上がった一対の側面部262とからなる。
【0061】
底面部261の幅は、
図10(b)に示されるように、架台2の開口部24の幅(載置部23間の幅)よりも大きく、且つ、架台2の中空部あるいは底面部21の幅よりも小さく構成されている。また、側面部262の高さは、固定型ブラケット4が取り付けられた太陽電池モジュール1が架台2上に載置された際における、固定型ブラケット4の、架台2の開口部24から中空部内へ入り込んだ部分の深さと等しく構成されている。
【0062】
固定金具26により、架台2上に載置した太陽電池モジュール1を架台2に固定する際には、
図11に示されるように、架台2の中空部内に、開口部を上方に向けて配置された固定金具26のボルト孔261aと、固定型ブラケット4のボルト孔44aとにボルト261bを挿通させ、ナット、あるいはボルト孔261aとボルト孔44aの内周面に予め形成された雌ネジに螺合させる。
これにより、固定金具26の側面部262の上側端部が架台2の載置部23の下面に圧接する。その結果、太陽電池モジュール1は、側面部262と載置部23間の摩擦力により、上方向、及び、水下側方向あるいは水上側方向(連設方向x)の動きが規制され、架台2上に固定される。
なお、本実施形態において、固定金具26と架台2とは別の部材としたが、固定金具26と架台2とが一体的に構成された1つの部材であってもよい。さらに、固定金具26と架台2とが一体的に構成される場合、固定金具26の形状は断面略コの字状とは限らず、平板状の固定金具が架台2の側面部22に固定されている構成であってもよい。
【0063】
以上の構成からなる差込型ブラケット3と固定型ブラケット4は、太陽電池モジュール1のフレーム12の製造時に、フレーム12を構成する四つの棒状のフレーム構成部材の端部同士を連結する前に予め、水下側の基底部124、あるいは水上側の基底部124に差し込んでおくことで、基底部124に取り付けることができる。
【0064】
このように太陽電池モジュール1の基底部124に取り付けられた差込型ブラケット3と固定型ブラケット4は、掛着溝32、42内に掛着させた基底部124に沿って摺動させることができる。これにより、架台2上に太陽電池モジュール1を設置する際、架台2の配置に応じた所定の位置に、差込型ブラケット3と固定型ブラケット4を移動させることができ、施工が便利である。
具体的に説明すると、架台2を家屋の屋根等に設置する場合、架台2は垂木等の構造が強固な部材に取付けられる。ここで、屋根を構成する垂木等の位置は、屋根ごとに異なるため、結果、架台2の設置間隔も屋根ごとに異なることになる。ここで、本発明の差込型ブラケット3および固定型ブラケット4は、太陽電池モジュール1の基底部124に沿って摺動可能であるため、架台2の設置間隔が変動しても、太陽電池モジュール1を架台2に取付け可能となる。
【0065】
続いて、差込型ブラケット3と固定型ブラケット4とが取り付けられた太陽電池モジュール1を順次、架台2に取り付ける工程について説明する。
まず、第1太陽電池モジュール1を架台2に取り付ける。
この工程ではまず、第1太陽電池モジュール1に取り付けられている差込型ブラケット3と固定型ブラケット4を夫々、太陽電池モジュール1の基底部124に沿って摺動させ、架台2と重なる位置にもってくる。
【0066】
それから、
図12(a)に示されるように、水下側において、差込型ブラケット3のフランジ34を、架台2の開口部24から、カバー25の上面部253の下面に差し込むようにして、太陽電池モジュール1を架台2上に載置する。
この際、水上側においては、固定型ブラケット4のフランジ44を、架台2の開口部24から、架台2の中空部内に差し入れる。
なお、出来る限り太陽電池モジュール1を敷き詰めるため、差込型ブラケット3の掛止片33を、カバー25の掛止部254に当接させ、太陽電池モジュール1を前方に詰めておくとよい。
【0067】
次に、
図12(b)に示されるように、固定型ブラケット4のフランジ44に形成されているボルト孔44aと、固定金具26のボルト孔261aにボルト261bを挿通させ、ナット等で留める。
【0068】
ここで、固定型ブラケット4による固定の工程の詳細を
図13に示す。
まず予め、
図13(a)に示されるように、架台2の中空部内に、開口部24から固定金具26を横倒しにする等して差し入れ、固定型ブラケット4のボルト孔44aと固定金具26のボルト孔261aとが対応するように固定金具26を配しておく。
【0069】
そして、太陽電池モジュール1が架台2上に載置されると、
図13(b)に示されるように、太陽電池モジュール1に取り付けられた固定型ブラケット4は、その一部が、架台2の中空部内に開口部24から差し入れられる。これにより、固定型ブラケット4のフランジ44の下面が、固定金具26の底面部261に当接すると共に、固定型ブラケット4のボルト孔44aと、固定金具26のボルト孔261aとが重なる。
【0070】
さらに、
図13(c)に示されるように、固定型ブラケット4のボルト孔44aと、固定金具26のボルト孔261aとにボルト261bを挿通させ、ナット等で螺合させる。
なお、ボルト261bによる固定は、ナットによるほか、固定型ブラケット4のボルト孔44aと固定金具26のボルト孔262の内周面に予め形成しておいた雌ネジに螺合させるようにしてもよい。
【0071】
以上の工程を経ると、
図12(c)に示されるように、架台2上に載置された第1太陽電池モジュール1は、水下側において、差込型ブラケット3のフランジ34がカバー25の上面部253に下面側から当接して上方への動きが規制される。一方、水上側においては、固定型ブラケット4のフランジ44が固定金具26によって架台2に固定されて、水平方向及び上方への動きが規制される。
また、固定型ブラケット4が、ボルト261bによって固定金具26に締め付けられることにより、当接部413aを支点として、当接部411aが基底部124に押し付けられる。これにより、当接部411aと基底部124との間の摩擦力が増加し、結果、固定型ブラケット4に対する太陽電池モジュール1の摺動が抑制される。
【0072】
第1太陽電池モジュール1を架台2に取り付けると、今度は、第1太陽電池モジュール1に第2〜第n太陽電池モジュール1を順次、連設させていく。
第2〜第n太陽電池モジュール1の取付工程では、各太陽電池モジュール1に取り付けられている固定型ブラケット4を、太陽電池モジュール1の基底部124に沿って摺動させ、架台2と重なる位置にもってくる一方、差込型ブラケット3は、架台2の外側近傍にもってくる。
【0073】
まず、第2太陽電池モジュール1について、
図14(a)に示されるように、水下側において、差込型ブラケット3のフランジ34を、水下側に隣接する第1太陽電池モジュール1の基底部124の下面側に差し込むようにして架台2上に載置する。
この際、水上側においては、固定型ブラケット4のフランジ44を、架台2の開口部24から、架台2の中空部内に差し入れる。
なお、第1太陽電池モジュール1を取り付けた際と同様、出来る限り太陽電池モジュール1を敷き詰めるため、差込型ブラケット3の掛止片33を、第1太陽電池モジュール1の支持部123に当接させ、太陽電池モジュール1を水下方向に詰めておくとよい。
【0074】
次に、
図14(b)に示されるように、固定型ブラケット4のフランジ44に形成されているボルト孔44aと、固定金具26のボルト孔261aにボルト261bを挿通させ、ナット等で留める。
なお、固定金具26により固定型ブラケット4を架台2に固定する工程の詳細は、第1太陽電池モジュール1におけるのと同様である。
【0075】
以上の工程を経ると、
図14(c)に示されるように、架台2上に載置された第2太陽電池モジュール1は、水下側において、差込型ブラケット3のフランジ34が、水下側に隣接する第1太陽電池モジュール1の基底部124の下面に当接して上方への動きが規制される。一方、水上側においては、固定型ブラケット4のフランジ44が固定金具26により架台2に固定されて、水平方向及び上方への動きが規制される。
また、ボルト261bが固定金具26に締め付けられることにより、固定型ブラケット4に対する太陽電池モジュール1の摺動が抑制される。
【0076】
第2太陽電池モジュール1の設置と同様に、第n太陽電池モジュール1まで順次、太陽電池モジュール1を架台2に取り付けることで、全ての太陽電池モジュール1の設置が完了する。
以上の本実施形態によれば、複数の太陽電池モジュール1を敷き詰めて敷設することができる。また、差込型ブラケット3と固定型ブラケット4を、太陽電池モジュール1の基底部124に沿って摺動させることができるので、敷設面毎に架台2の配置が異なる場合でも対応が可能である。
【0077】
次に、本発明の別の実施形態に係る差込型ブラケット5と固定型ブラケット6について、図を参照して説明する。なお、本実施形態に係る差込型ブラケット5と固定型ブラケット6は夫々、既述した差込型ブラケット3と固定型ブラケット4の変形例であり、太陽電池モジュール1に対する取付位置は、
図1における差込型ブラケット3と固定型ブラケット4の場合と同様である。
本実施形態において、差込型ブラケット5と固定型ブラケット6は共に、係合可能な二つの構成部材を係合してなる。
【0078】
図15に示される差込型ブラケット5は、既述した差込型ブラケット3と同様、太陽電池モジュール1を架台2上に設置するための金具であって、太陽電池モジュール1の水下側の基底部124に取り付けられる。
また、差込型ブラケット3と同様に、その幅が、太陽電池モジュール1の基底部124の長手方向の幅よりも十分に小さく、少なくとも、架台2の開口部24の幅(載置部23間の幅)以下に形成されている。
【0079】
この差込型ブラケット5は、太陽電池モジュール1の基底部124を、断面略U字状の掛着溝52内に挟持する挟持部51と、挟持部51の外側端部から上方に直角に立ち上がった板状の掛止片53と、挟持部51の端部から外側に延び出した板状のフランジ54とを備える。
ここで、挟持部51、掛着溝52、掛止片53、フランジ54、及び、フランジ54の端部に形成されたガイド部54aの構成は、既述した差込型ブラケット3が備える挟持部31、掛着溝32、掛止片33、フランジ34、及び、フランジ34の端部に形成されたガイド部34aと同様である。
【0080】
一方において、本実施形態に係る差込型ブラケット5は、既述した差込型ブラケット3とは異なり、
図15に示されるように、掛着部材7Aと掛止部材7Bとが一体的に係合して構成される。
この掛着部材7Aと掛止部材7Bはいずれも、アルミニウムの押出成型等により作製され、互いと係合するための係合構造を備えている。
なお、掛着部材7Aは後述のとおり、固定型ブラケット6にも共通して用いられ、掛止部材7Cと係合して固定型ブラケット6を構成する。
【0081】
図16に、差込型ブラケット5を構成する掛着部材7Aを示す。
掛着部材7Aは、
図16(a)に示されるように、挟持部51の上面側を構成する上面側挟持部711、上面側挟持部711の一側縁部近傍から下方に突出した当接部711a、上面側挟持部711の一側縁部から下方に延び出した支持部712、及び、支持部712の一側縁部から、上面挟持部711と平行に延び出した底面部713とからなる。
【0082】
支持部712及び底面部713の内側には、掛止部材7Bの係合突条722及び係合片723(
図17参照)と夫々係合する係合溝714、715が形成されている。
なお、係合溝714、715は、後述する掛止部材7Cの係合突条732及び係合片733(
図21参照)とも係合するように形成されている。
【0083】
ここで、係合溝714は、支持部712から水平方向に突出して形成された溝壁714aと、溝壁714aの下方において、支持部712から鉤形形状に突出して形成された溝壁714bの内側に、上方に開口して形成されている。
また、係合溝715は、底面部713から上方に突出して形成された一対の溝壁715a、715bの内側に、上方に開口して形成されている。
【0084】
また、
図16(a)および
図16(b)に示されるように、底面部713の側縁を構成する側縁部716には、掛止部材7Bと係合する側に向かって上方に突出した係合突起716aが形成されている。
この係合突起716aは、底面部713あるいは側縁部716の幅方向の中央の位置に形成されており、掛着部材7Aと掛止部材7Bとが組み合わさった際に、後述する掛止部材7Bの係合凹部726aと係合する。
なお、係合突起716aは、後述する掛止部材7Cの係合凹部737a(
図21参照)とも係合するように形成されている。
【0085】
図17に、差込型ブラケット5を構成する掛止部材7Bを示す。
掛止部材7Bは、
図17(a)に示されるように、挟持部51の下面側を構成する下面側挟持部721、下面側挟持部721の一側縁部近傍から上方に突出した当接部721a、下面側挟持部721の一側縁部から下方に突出した係合突条722、下面側挟持部721の中央部近傍から下方に延び出した板状の係合片723、下面側挟持部721の一側縁部から真っ直ぐに延び出したフランジ54、下面側挟持部721の一側縁部から上方に直角に立ち上がった掛止片53、下面側挟持部721の一側縁部あるいは掛止片53の下面から斜め下方に延び出した支持部724、及び、支持部724の一側縁部と係合片723との間に掛け渡された掛架部725からなる。
【0086】
係合突条722及び係合片723は夫々、掛着部材7Aの係合溝714、715(
図16参照)に対応して形成されており、これら係合溝714、715と係合することにより、掛着部材7Aと掛止部材7Bとが一体的に差込型ブラケット5を構成する。
【0087】
掛架部725の中央には、掛架部725の幅方向に沿って、掛合する掛着部材7A側に向かって斜め下方に突出した突条726が形成されている。この突条726の中央には、
図17(b)に示されるように、掛着部材7Aと係合するための窪みである係合凹部726aが形成されている。
この係合凹部726aは、掛着部材7Aの係合突起716aに対応して突条726の中央に形成されており、掛着部材7Aと掛止部材7Bとが組み合わさった際に、掛着部材7Aの係合突起716aと係合する。
【0088】
次に、以上において説明した掛着部材7Aと掛止部材7Bとを係合させて差込型ブラケット5を構成すると同時に、差込型ブラケット5を太陽電池モジュール1の基底部124に取り付ける工程について、
図18及び
図19を参照して説明する。
まず、
図18(a)、
図19(a)に示されるように、太陽電池モジュール1の水下側の基底部124の上面に、掛着部材7Aの上面挟持部711を掛着させる。
【0089】
それから、
図18(b)、
図19(b)に示されるように、基底部124に掛着させた掛着部材7Aから離れたところで、太陽電池モジュール1の水下側の基底部124の下面に、掛止部材7Bの下面側挟持部721を当接させた上、掛着部材7Aと掛止部材7Bを、互いに近づくに向きにスライドさせる。
【0090】
これにより、
図18(c)、
図19(c)に示されるように、掛着部材7Aの係合溝714、715と、掛止部材7Bの係合突条722及び係合片723とが夫々係合し合い、差込型ブラケット5が構成されると共に、太陽電池モジュール1の基底部124に取り付けられる。
なお、この際、掛着部材7Aの係合突起716aが、掛止部材7Bの係合凹部726aに係合し、掛着部材7Aと掛止部材7Bとが、夫々の幅方向に脱離不能に結合する。
【0091】
図20に示される固定型ブラケット6は、既述した固定型ブラケット4と同様、太陽電池モジュール1を架台2上に設置するための金具であって、太陽電池モジュール1の水上側の基底部124に取り付けられる。
この固定型ブラケット6は、固定型ブラケット4と同様に、その幅が、太陽電池モジュール1の基底部124の長手方向の幅よりも十分に小さく、少なくとも、架台2の開口部24開口幅(載置部23間の幅)以下に形成されている。
【0092】
また、この固定型ブラケット6は、太陽電池モジュール1の基底部124を、断面略U字状の掛着溝62内に挟持する挟持部61と、挟持部61の外側端部から上方に直角に立ち上がった掛止片63と、挟持部61の端部から外側に延び出した板状のフランジ64とを備える。
ここで、挟持部61、掛着溝62、掛止片63、フランジ64、及び、フランジ64に形成されたボルト孔64aの構成は、既述した固定型ブラケット4が備える挟持部41、掛着溝42、掛止片43、フランジ44、及び、フランジ44に形成されたボルト孔44aと同様である。
【0093】
一方において、本実施形態に係る固定型ブラケット6は、既述した固定型ブラケット4とは異なり、
図20に示されるように、掛着部材7Aと掛止部材7Cとが係合して構成される。
掛止部材7Cも、掛止部材7Bと同様、アルミニウムの押出成型等により作製され、掛着部材7Aと係合するための係合構造を備えている。
【0094】
図21に、固定型ブラケット6を構成する掛止部材7Cを示す。
掛止部材7Cは、
図21(a)に示されるように、挟持部61の下面側を構成する下面側挟持部731、下面側挟持部731の一側縁部近傍から上方に突出した当接部731a、下面側挟持部731の一側縁部から下方に突出した係合突条732、下面側挟持部731の中央部近傍から下方に延び出した板状の係合片733、下面側挟持部731の一側縁部から上方に直角に立ち上がった掛止片63、下面側挟持部721の一側縁部又は掛止片63の下端部から下方に延び出した支持部734、支持部734の端部から、下面側挟持部731と平行に外側へ延び出したフランジ64、支持部734の一側縁部から下面側挟持部731と平行に内側へ延び出した底面部735、底面部735の一側縁と係合片733との間に掛け渡された掛架部736からなる。
【0095】
係合突条732及び係合片733は夫々、掛着部材7Aの係合溝714、715(
図16参照)に対応して形成されており、これら係合溝714、715と係合することにより、掛着部材7Aと掛止部材7Cとが一体的に固定型ブラケット6を構成する。
【0096】
掛架部736の中央には、掛架部736の幅方向に沿って、係合する掛着部材7A側に向かって斜め下方に突出した突条737が形成されている。この突条737の中央には、
図21(b)に示されるように、掛着部材7Aと係合するための窪みである係合凹部737aが形成されている。
この係合凹部737aは、掛着部材7Aの係合突起716aに対応して突条737の中央に形成されており、掛着部材7Aと掛止部材7Bとが組み合わさった際に、掛着部材7Aの係合突起716aと係合する。
【0097】
次に、以上において説明した掛着部材7Aと掛止部材7Cとを係合させて固定型ブラケット6を構成すると同時に、固定型ブラケット6を太陽電池モジュール1の基底部124に取り付ける工程について、
図22及び
図23を参照して説明する。
まず、
図22(a)、
図23(a)に示されるように、太陽電池モジュール1の水上側の基底部124の上面に、掛着部材7Aの上面挟持部711を掛着させる。
【0098】
それから、
図22(b)、
図23(b)に示されるように、基底部124に掛着させた掛着部材7Aから離れたところで、太陽電池モジュール1の水上側の基底部124の下面に、掛止部材7Cの下面側挟持部731を当接させた上、掛着部材7Aと掛止部材7Cを、互いに近づくに向きにスライドさせる。
【0099】
これにより、
図22(c)、
図23(c)に示されるように、掛着部材7Aの係合溝714、715と、掛止部材7Bの係合突条732及び係合片733とが夫々係合し合い、固定型ブラケット6が構成されると共に、太陽電池モジュール1の基底部124に取り付けられる。
なお、この際、掛着部材7Aの係合突起716aが掛止部材7Cの係合凹部737aに係合し、掛着部材7Aと掛止部材7Cとが、夫々の幅方向に脱離不能に結合する。
【0100】
続いて、差込型ブラケット5と固定型ブラケット6とが取り付けられた太陽電池モジュール1を順次、架台2上に取り付ける工程について説明する。
まず、第1太陽電池モジュール1を架台2に取り付ける。
この工程ではまず、第1太陽電池モジュール1に取り付けられている差込型ブラケット5と固定型ブラケット6を夫々、太陽電池モジュール1の基底部124に沿って摺動させ、架台2と重なる位置にもってくる。
【0101】
それから、
図24(a)に示されるように、水下側において、差込型ブラケット5のフランジ54を、架台2の開口部24から、カバー25の上面部253の下面に差し込むようにして、太陽電池モジュール1を架台2上に載置する。
この際、水上側においては、固定型ブラケット6のフランジ64を、架台2の開口部24から、架台2の中空部内に差し入れる。
なお、出来る限り太陽電池モジュール1を敷き詰めるため、差込型ブラケット5の掛止片53を、カバー25の掛止部254に当接させ、太陽電池モジュール1を前方に詰めておくとよい。
【0102】
次に、
図24(b)に示されるように、固定型ブラケット6のフランジ64に形成されているボルト孔64aと、固定金具26のボルト孔261aにボルト261bを挿通させ、ナット等で留める。
【0103】
ここで、固定型ブラケット6による固定の工程の詳細を
図25に示す。
まず予め、
図25(a)に示されるように、架台2の中空部内に、開口部24から固定金具26を横倒しにする等して差し入れ、固定型ブラケット6のボルト孔64aと固定金具26のボルト孔261aとが対応するように固定金具26を配しておく。
【0104】
そして、太陽電池モジュール1が架台2上に載置されると、
図25(b)に示されるように、太陽電池モジュール1に取り付けられた固定型ブラケット6は、その一部が、架台2の中空部内に開口部24から差し入れられる。これにより、固定型ブラケット6のフランジ64の下面が、固定金具26の底面部261に当接すると共に、固定型ブラケット6のボルト孔64aと、固定金具26のボルト孔261aとが重なる。
【0105】
さらに、
図25(c)に示されるように、固定型ブラケット6のボルト孔64aと、固定金具26のボルト孔261aとにボルト261bを挿通させ、ナット等で螺合させる。
なお、ボルト261bによる固定は、ナットによるほか、固定型ブラケット6のボルト孔64aと固定金具26のボルト孔261aの内周面に予め形成しておいた雌ネジに螺合させるようにしてもよい。
【0106】
以上の工程を経ると、
図24(c)に示されるように、架台2上に載置された第1太陽電池モジュール1は、水下側において、差込型ブラケット5のフランジ54がカバー25の上面部253に当接して上方への動きが規制される。一方、水上側においては、固定型ブラケット6のフランジ64が固定金具26によって架台2に固定されて、水平方向及び上方への動きが規制される。
また、固定型ブラケット4と同様に、固定型ブラケット6は、ボルト261bによって固定金具26に締め付けられることにより、当接部711aと太陽電池モジュール1の基底部124との間の摩擦力が増加し、結果、固定型ブラケット6に対する太陽電池モジュール1の摺動が抑制される。
【0107】
第1太陽電池モジュール1を架台2上に取り付けると、今度は、第1太陽電池モジュール1に第2〜第n太陽電池モジュール1を順次、連設させていく。
第2〜第n太陽電池モジュール1の取付工程では、各太陽電池モジュール1に取り付けられている固定型ブラケット6を、太陽電池モジュール1の基底部124に沿って摺動させ、架台2と重なる位置にもってくる一方、差込型ブラケット5は、架台2の外側近傍にもってくる。なお、差込型ブラケット3と同様に、差込型ブラケット5を、架台2の内側近傍に配置してもよい。
【0108】
まず、第2太陽電池モジュール1について、
図26(a)に示されるように、水下側において、差込型ブラケット5のフランジ54を、水下側に隣接する第1太陽電池モジュール1の基底部124の下面側に差し込むようにして架台2上に載置する。
この際、水上側においては、固定型ブラケット6のフランジ64を、架台2の開口部24から、架台2の中空部内に差し入れる。
なお、第1太陽電池モジュール1を取り付けた際と同様、出来る限り太陽電池モジュール1を敷き詰めるため、差込型ブラケット5の掛止片53を、第1太陽電池モジュール1の支持部123に当接させ、太陽電池モジュール1を水下方向に詰めておくとよい。
【0109】
次に、
図26(b)に示されるように、固定型ブラケット6のフランジ64に形成されているボルト孔64aと、固定金具26のボルト孔261aにボルト261bを挿通させ、ナット等で留める。
なお、固定金具26により固定型ブラケット6を架台2に固定する工程の詳細は、第1太陽電池モジュール1におけるのと同様である。
【0110】
以上の工程を経ると、
図26(c)に示されるように、架台2上に載置された第2太陽電池モジュール1は、水下側において、差込型ブラケット5のフランジ54が、水下側に隣接する第1太陽電池モジュール1の基底部124の下面に当接して上方への動きが規制される。一方、水上側においては、固定型ブラケット6のフランジ64が固定金具26により架台2に固定されて、水平方向及び上方への動きが規制される。
また、固定型ブラケット4と同様に、固定型ブラケット6は、ボルト261bによって固定金具26に締め付けられることにより、当接部711aと太陽電池モジュール1の基底部124との間の摩擦力が増加し、結果、固定型ブラケット6に対する太陽電池モジュール1の摺動が抑制される。
【0111】
第2太陽電池モジュール1の設置と同様に、第n太陽電池モジュール1まで順次、架台2に取り付けることで、全ての太陽電池モジュール1の設置が完了する。
以上の本実施形態によれば、施工の際に、差込型ブラケット5及び固定型ブラケット6を太陽電池モジュール1に取り付ければよい。そのため、太陽電池モジュール1の搬送や梱包等の際に、差込型ブラケット5や固定型ブラケット6が邪魔にならない。また、太陽電池モジュール1を設置する架台2の数に応じて適宜、差込型ブラケット5や固定型ブラケット6を取り付けることができるので便利である。
【0112】
続いて、本発明のさらに別の実施形態に係る差込型ブラケット8と固定型ブラケット9について、図を参照して説明する。なお、本実施形態に係る差込型ブラケット8と固定型ブラケット9は夫々、既述した差込型ブラケット3、5と固定型ブラケット4、6の変形例であり、太陽電池モジュール1に対する取付位置は、
図1における差込型ブラケット3と固定型ブラケット4の場合と同様である。
本実施形態において、差込型ブラケット8と固定型ブラケット9は共に、係合可能な二つの構成部材からなる。
【0113】
図27に示される差込型ブラケット8は、既述した差込型ブラケット3、5と同様、太陽電池モジュール1を架台2上に設置するための金具であって、太陽電池モジュール1の水下側の基底部124に取り付けられる。
この差込型ブラケット8は、差込型ブラケット3、5と同様に、その幅が、太陽電池モジュール1の基底部124の長手方向の幅よりも十分に小さく、少なくとも、架台2の開口部24の開口幅(載置部23間の幅)以下に形成されている。
【0114】
また、この差込型ブラケット8は、太陽電池モジュール1の基底部124を、断面略U字状の掛着溝82内に挟持する挟持部81と、挟持部81の外側端部から上方に直角に立ち上がった板状の掛止片83と、挟持部81の端部から外側へ水平に延び出した板状のフランジ84とを備える。
なお、挟持部81、掛着溝82、掛止片83、フランジ84、及び、フランジ84の端部に形成されたガイド部84aの構成は、既述した差込型ブラケット3、5が備える挟持部31、51、掛着溝32、52、掛止片33、53、フランジ34、54、及び、フランジ34、54の端部に形成されたガイド部34a、54aと同様である。
【0115】
一方において、本実施形態に係る差込型ブラケット8は、
図27に示されるように、掛着部材10Aと掛止部材10Bとが係合して構成される。
掛着部材10Aと掛止部材10Bはいずれも、アルミニウムの押出成型等により作製され、互いと係合するための係合構造を備えている。
なお、掛着部材10Aは後述のとおり、固定型ブラケット9にも共通して用いられ、掛止部材10Cと係合して固定型ブラケット9を構成する。
【0116】
図28に、差込型ブラケット8を構成する掛着部材10Aを示す。
掛着部材10Aは、
図28(a)に示されるように、挟持部81の上面側を構成する上面側挟持部1011、上面側挟持部1011の一側縁部近傍から下方に突出した当接部1011a、上面側挟持部1011の一側縁部から下方に延び出した支持部1012、支持部1012の一側縁部から、上面挟持部1011と平行に延び出した底面部1013、支持部1013の上面側挟持部1011近傍から、上面側挟持部1011と平行に延び出した下面側挟持部1014、及び、下面側挟持部1014の一側縁部近傍から上方に突出した当接部1014a、及び、底面部1013の一側縁部と下面側挟持部1014の一側縁部とを繋ぐ支持部1015からなる。
【0117】
支持部1015の外側には、
図29に基づいて後述する、掛止部材10Bの係合溝1022b、1023b(
図29参照)と夫々係合する係合片1016a、1017aが上下に、掛止部材10Bと係合する側に向かって、鉤形形状に突出して形成されている。
また、この係合片1016a、1017aと支持部1015の間には夫々、掛止部材10Bの係合片1022a、1023a(
図29参照)と係合する係合溝1016b、1017bが、上方に開口して形成されている。
なお、係合溝1016b、1017bは、後述する掛止部材10Cの係合片1032a、1033a(
図31参照)とも係合するように形成されている。
【0118】
また、
図28(b)に示されるように、底面部1013の側縁部のうち、掛止部材10Bと係合する側には、掛止部材10Bの係合突起1024(
図29参照)と係合する係合凹部1018が形成されている。
この係合凹部1018は、底面部1013の幅方向の一端側に偏った位置に形成されている。また、係合凹部1018の端部のうち、底面部1013の幅方向の端部に近い端部から、底面部1013の端部までが斜めに切り欠かれている。この切り欠かれた部分は、掛着部材10Aと掛止部材10Bを、幅方向に互いにスライドさせて係合させる際、係合突起1024を係合凹部1018にスムーズに係合させるためのガイド部1018aを構成する。
なお、係合凹部1018は、後述する掛止部材10Cの係合突起1034(
図31参照)とも係合するように形成されている。
【0119】
図29に、差込型ブラケット8を構成する掛止部材10Bを示す。
掛止部材10Bは、
図29(a)に示されるように、フランジ84、フランジ84の下面から下方に延び出した支持部1021、及び、フランジ84の一端部から上方に立ち上がった掛止片83からなる。
【0120】
掛止片83の下方には、掛着部材10Aの係合溝1016bと係合する係合片1022aが下方に延び出して形成されている。
また、支持部1021の中央部近傍からは、掛着部材10Aの係合溝1017bと係合する係合片1023aが、掛着部材10Aと係合する側に向かって、鉤形形状に突出して形成されている。
この係合片1022a、1023aと支持部1021の間には夫々、掛着部材10Aの係合片1016a、1017aと係合する係合溝1022b、1023bが下方に開口して形成されている。
【0121】
そして、掛止部材10Bの係合片1022a、1023aを夫々、掛着部材10Aの係合溝1016b、1017bと係合させると共に、掛止部材10Bの係合溝1022b、1023bに、掛着部材10Aの係合片1016a、1017aを係合させることにより、掛着部材10Aと掛止部材10Bとが一体的に差込型ブラケット8を構成する。
【0122】
支持部1021の一側縁部には、
図29(b)に示されるように、掛着部材10Aと係合する側に向かって、係合突起1024が突出して形成されている。
この係合突起1024は、掛着部材10Aの係合凹部1018に対応して、支持部1021の幅方向の一端部側に偏って形成されている。
【0123】
以上において説明した掛着部材10Aと掛止部材10Bを夫々、互いと係合させて差込型ブラケット8を構成させると共に、太陽電池モジュール1の水下側の基底部124に取り付ける工程は、既述した差込型ブラケット5の場合と同様である。
即ち、掛着部材10Aの掛着溝82内に、太陽電池モジュール1の水下側の基底部124を差し込むことにより、太陽電池モジュール1の基底部124の上面に、掛着部材10Aの上面挟持部1011を掛着させる。
【0124】
それから、基底部124に掛着させた掛着部材10Aから離れたところで、掛止部材10Bの掛止片83を太陽電池モジュール1の支持部123に当接させた上、掛着部材10Aと掛止部材10Bを、互いに近づくに向きにスライドさせる。
これにより、掛着部材10Aの係合片1016a、1017a、及び係合溝1016b、1017bが夫々、掛止部材10Bの係合溝1022b、1023b、及び係合片1022a、1023aと係合し合い、差込型ブラケット8が構成されると共に、太陽電池モジュール1の基底部124に取り付けられる。
なお、この際、掛止部材10Bの係合突起1024が、掛着部材10Aのガイド部1018aを越えて係合凹部1018に係合し、掛着部材10Aと掛止部材10Bとが、夫々の幅方向に脱離不能に結合する。
【0125】
図30に示される固定型ブラケット9は、既述した固定型ブラケット4、6と同様、太陽電池モジュール1を架台2上に設置するための金具であって、太陽電池モジュール1の水上側の基底部124に取り付けられる。
固定型ブラケット9は、固定型ブラケット4、6と同様に、その幅が、太陽電池モジュール1の基底部124の長手方向の幅よりも十分に小さく、少なくとも、架台2の開口部24開口幅(載置部23間の幅)以下に形成されている。
【0126】
また、この固定型ブラケット9は、太陽電池モジュール1の基底部124を、断面略U字状の掛着溝92内に挟持する挟持部91と、挟持部91の外側端部から上方に直角に立ち上がった掛止片93と、挟持部91の端部から外側に延び出した板状のフランジ94とを備える。
なお、挟持部91、掛着溝92、掛止片93、フランジ94、及び、フランジ94に形成されたボルト孔94aの構成は、既述した固定型ブラケット4、6が備える挟持部41、61、掛着溝42、62、掛止片43、63、フランジ44、64、及び、フランジ44、64に形成されたボルト孔44a、64aと同様である。
【0127】
一方において、本実施形態に係る固定型ブラケット9は、
図30に示されるように、掛着部材10Aと掛止部材10Cとが係合して構成される。
掛止部材10Cも、掛止部材10Bと同様、アルミニウムの押出成型等により作製され、掛着部材10Aと係合するための係合構造を備えている。
【0128】
図31に、固定型ブラケット9を構成する掛止部材10Cを示す。
掛止部材10Cは、
図31(a)に示されるように、フランジ94、フランジ94の一側縁部から上方に立ち上がった支持部1031、及び、支持部1031の一端部から鉤形形状に屈曲して上方に延び出した掛止片93からなる。
【0129】
掛止片93の下方には、掛着部材10Aの係合溝1016bと係合する係合片1032aが下方に延び出して形成されている。
また、支持部1031の中央部近傍からは、掛着部材10Aの係合溝1017bと係合する係合片1033aが、掛着部材10Aと係合する側に向かって、鉤形形状に突出して形成されている。
この係合片1032a、1033aと支持部1031の間には夫々、掛着部材10Aの係合片1016a、1017aと係合する係合溝1032b、1033bが下方に開口して形成されている。
【0130】
そして、掛止部材10Cの係合片1032a、1033aを夫々、掛着部材10Aの係合溝1016b、1017bと係合させると共に、掛止部材10Cの係合溝1032b、1033bに、掛着部材10Aの係合片1016a、1017aを係合させることにより、掛着部材10Aと掛止部材10Cとが一体的に固定型ブラケット9を構成する。
【0131】
支持部1031の一側縁部には、
図31(b)に示されるように、掛着部材10Aと係合する側に向かって、係合突起1034が突出して形成されている。
この係合突起1034は、掛着部材10Aの係合凹部1018に対応して、支持部1031の幅方向の一端部側に偏って形成されている。
【0132】
以上において説明した掛着部材10Aと掛止部材10Cを夫々、互いと係合させて固定型ブラケット9を構成させると共に、太陽電池モジュール1の水上側の基底部124に取り付ける工程は、既述した固定型ブラケット6の場合と同様である。
即ち、掛着部材10Aの掛着溝92内に、太陽電池モジュール1の水下側の基底部124を差し込むことにより、太陽電池モジュール1の基底部124の上面に、掛着部材10Aの上面挟持部1011を掛着させる。
【0133】
それから、基底部124に掛着させた掛着部材10Aから離れたところで、掛止部材10Cの掛止片93を太陽電池モジュール1の支持部123に当接させた上、掛着部材10Aと掛止部材10Cを、互いに近づくに向きにスライドさせる。
これにより、掛着部材10Aの係合片1016a、1017a、及び係合溝1016b、1017bが夫々、掛止部材10Cの係合溝1032b、1033b、及び係合片1032a、1033aと係合し合い、固定型ブラケット9が構成されると共に、太陽電池モジュール1の基底部124に取り付けられる。
【0134】
なお、この際、掛止部材10Cの係合突起1034が、掛着部材10Aのガイド部1018aを越えて係合凹部1018に係合し、掛着部材10Aと掛止部材10Cとが、夫々の幅方向に脱離不能に結合する。
以上の本実施形態によっても、施工の際に、差込型ブラケット8及び固定型ブラケット9を太陽電池モジュール1に取り付ければよいため、太陽電池モジュール1の搬送や梱包等の際に、差込型ブラケット8や固定型ブラケット9が邪魔にならない。また、太陽電池モジュール1を設置する架台2の数に応じて適宜、差込型ブラケット8や固定型ブラケット9を取り付けることができるので便利である。
【0135】
なお、以上の本発明の実施形態においては、太陽電池モジュール1を2本の架台2で支持するものとしているが、これに限らず、3本以上の架台2で支持するものとしてもよい。この場合には、架台2の数に応じた数の差込型ブラケット3、5、8や固定型ブラケット4、6、9を用いるとよい。
【0136】
また、太陽電池モジュール1の基底部124を挟持する上面側挟持部311、411、711、1011や下面側挟持部313、413、721、731、1014には適宜、当接する基底部124の表面を保護するためのクッション材等を貼り付けておいてもよい。
このクッション材の取付例について、差込型ブラケット5及び固定型ブラケット6に応用した場合を
図32に示す。
この例では、差込型ブラケット5、固定型ブラケット6ともに、下面側挟持部721、731にクッション材70が取り付けられている。
【0137】
クッション材70は、スポンジなどの弾性基材、押圧力に対する反発力を示す樹脂やスプリングなどによって実現することができる。
また、このクッション材70は、上面挟持部711や下面挟持部721、731に対して、各種の粘着テープ等によって取り付けることができる。
【0138】
図32では、クッション材70は下面側挟持部721、731に取り付けられているが、これに限らず、上面側挟持部711に取り付けられてもよいし、上面側挟持部711、及び下面側挟持部721、731の両方に取り付けられてもよい。
また、クッション材70は、上面側挟持部711、下面側挟持部721、731において、太陽電池モジュール1の基底部124に当接する面全体に取り付けてもよいが、少なくとも、太陽電池モジュール1の基底部124に当接する面のうち、上面側挟持部711と下面側挟持部721、731によって基底部124を上下から直接挟み込む部分、即ち、上面側挟持部711の当接部711aと下面側挟持部721、731とが対向する部分に取り付けるとよい。
【0139】
このようなクッション材70を差込型ブラケット5あるいは固定型ブラケット6に取り付けることで、差込型ブラケット5あるいは固定型ブラケット6を太陽電池モジュール1の基底部124に取り付けた際、クッション材70の反発力によって基底部124がほどよく挟持される。
これにより、差込型ブラケット5あるいは固定型ブラケット6を太陽電池モジュール1の基底部124に取り付けた状態において、太陽電池モジュール1を運搬等によって傾けたりしても、差込型ブラケット5あるいは固定型ブラケット6が、基底部124に沿って取付位置からずれることがない。また、差込型ブラケット5あるいは固定型ブラケット6が基底部124を挟持した状態において、僅かに力を加えることで、基底部124に沿って差込型ブラケット5あるいは固定型ブラケット6をスライドさせることができるので、取付位置を容易に調整することができる。
なお、他の差込型ブラケット3、8や固定型ブラケット4、9でも、同様の適用が可能である。
【0140】
また、以上の本実施形態においては、第2〜第n太陽電池モジュール1において、差込型ブラケット3、5、8は、これら第2〜第n太陽電池モジュール1を架台2上に載置した際、架台2の外側にくるように取り付けられたが、これに限らず、架台2と重ならない位置であれば、架台2の内側にくるように取り付けられてもよい。
【0141】
また、以上の実施形態においては、掛着部材7Aと、掛止部材7Bあるいは掛止部材7Cとを係合させて一体とする際には、掛着部材7Aの係合突起716aと、掛止部材7Bの係合凹部726aあるいは掛止部材7Cの係合凹部737aとを係合させるものとしているが、掛着部材10Aと、掛止部材10Bあるいは10Cとを係合させて一体とするための構成と同様の構成によって係合させるものとしてもよい。即ち、掛着部材7A側にガイドが設けられた係合凹部を形成すると共に、掛止部材7Bあるいは掛止部材7C側に係合突起を形成し、当該係合凹部と係合突起とを係合させる。
また逆に、掛着部材10Aと、掛止部材10Bあるいは掛止部材10Cとを係合させて一体とする構成についても、これを、掛着部材7Aと、掛止部材7Bあるいは掛止部材7Cとを係合させて一体とする構成と同様の構成によって係合させるものとしてもよい。即ち、掛着部材10A側に係合突起を形成すると共に、掛止部材10Bあるいは掛止部材10C側に係合凹部を形成し、当該係合突起と係合凹部とを係合させる。
なお、係合突起716a、係合凹部726a、及び係合凹部737aは夫々、側縁部716、突条726、及び突条737の幅方向の中央に形成しているが、夫々の位置が対応していれば、端部に形成してもよい。同様に、係合凹部1018、係合突起1024、係合突起1034は夫々、底面部1013、支持部1021、及び支持部1031の幅方向の一端側に形成しているが、夫々の位置が対応していれば、中央に形成してもよい。
【0142】
また、以上の本実施形態における架台2及び固定金具26の別の例を
図33に示す。
架台201は、前述の架台2と同様、両端が開口した縦長中空の四角柱状に形成され、敷設面上に載置される底面部2011と、底面部2011に対して直角な一対の側面部2012、2013と、底面部2011と平行で、太陽電池モジュール1が載置される一対の載置部2014とから構成される。
また同様に、一対の載置部2014の間には、架台201の長さ方向に沿って開口部2015が形成されている。
【0143】
この例における架台201の一対の側面部2012、2013にはそれぞれ、固定金具202の係合片2024、2025が係合する係合孔2012a、2013aが形成されている。
なお、係合孔2012aは、固定金具202の係合片2024のサイズに対応している。
また、係合孔2013aは、固定金具202の係合片2025の先端部を構成する係合爪2025bのサイズに対応している。この係合孔2013aに係合片2025を係合させると、係合爪2025bが係合孔2013aに挿し込まれる一方、係合片2025の基部2025aは係合孔2013aの縁に引っ掛かり、これにより係合孔2013aに係合片2025が係合する。
【0144】
固定金具202は、前述の固定金具26と同様、固定型ブラケット4、6、9を架台201上に固定するための金具である。
この固定金具202は、固定型ブラケット4、6、9のボルト孔44a、64a、94aに対応したボルト孔2021aが形成された底面部2021と、底面部2021の両側縁から直角に立ち上がった側面部2022、2023とによって断面コの字状に形成されている。
【0145】
側面部2022、2023の長さ方向の両端部からはそれぞれ、架台201の係合孔2012a、2013aに係合する係合片2024、2025が延び出ている。
この係合片2024、2025は、側面部2022、2023の両端部から、外側に向かって直角に折曲して形成されている。さらに係合片2025は、先端部を部分的に切り欠いた形状からなり、側面部2023の端部から延び出した基部2025aと、基部2025aの一端から真っ直ぐに延び出し、細い爪状に形成された係合爪2025bとから構成される。
【0146】
側面部2022には、架台201の側面部2012と向き合う外側の面に、固定金具202の長さ方向に沿って、四角柱状の弾性基材2026が取り付けられている。
弾性基材2026は、架台201に固定金具202が取り付けられた際、架台201の側面部2012と、固定金具202の側面部2022とによって挟み込まれ、反発力によって固定金具202を架台201の側面部2013側に付勢する。
【0147】
この弾性基材2026は、弾力性を有し、押圧力に対して一定の反発力を示すものであり、例えば、スポンジや樹脂、スプリングなどによって構成することができる。なお、弾性基材2026の形状は特に四角柱形状等に限られず、反発力を示すことができれば、各種の形状によって構成することができる。
【0148】
このような構成からなる架台201と固定金具202について、架台201に固定金具202を取り付けるときは、
図34に示されるように、まず架台201の開口部2015から、固定金具202を挿し入れる。
そして固定金具202を傾げ、架台201の係合孔2012aに、固定金具202の係合片2024を係合させる。
【0149】
それから、弾性基材2026の弾性力を利用して、弾性基材2026を架台201の側面部2012の内側に押し付けながら固定金具202を水平に戻すと、架台201の係合孔2013aと、固定金具202の係合片2025とが、互いに対応する位置にくる。
【0150】
ここで弾性基材2026の反発力を開放させると、弾性基材2026によって、係合片2025が架台201の側面部2013側に向かって付勢され、架台201の係合孔2013aに固定金具202の係合片2025が係合させられる。なお、このとき、係合片2025の係合爪2025bが係合孔2013aに挿し込まれると共に、係合片2025の基部2025aが、架台201の側面部2013の内側に引っ掛かることにより、係合片2025が係合孔2013aに係合する。
このように架台201と固定金具202を構成することで、取付工程がシンプルになって作業効率を上げることができる。