(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5936114
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月15日
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
H01M 10/658 20140101AFI20160602BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20160602BHJP
H01M 10/627 20140101ALI20160602BHJP
H01M 10/6551 20140101ALI20160602BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20160602BHJP
H01M 2/10 20060101ALI20160602BHJP
【FI】
H01M10/658
H01M10/613
H01M10/627
H01M10/6551
H02J7/00 301A
H01M2/10 E
【請求項の数】20
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-60709(P2012-60709)
(22)【出願日】2012年3月16日
(65)【公開番号】特開2013-196850(P2013-196850A)
(43)【公開日】2013年9月30日
【審査請求日】2015年2月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】303013763
【氏名又は名称】NECエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】黒崎 恵子
(72)【発明者】
【氏名】飯田 顕
【審査官】
田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開平04−117138(JP,A)
【文献】
特開平06−253472(JP,A)
【文献】
特開平07−226195(JP,A)
【文献】
特開平11−325546(JP,A)
【文献】
特開2000−166119(JP,A)
【文献】
特開2000−232792(JP,A)
【文献】
特開2001−275274(JP,A)
【文献】
特開2005−243580(JP,A)
【文献】
特開2007−335157(JP,A)
【文献】
特開2008−047371(JP,A)
【文献】
特開2010−148193(JP,A)
【文献】
特開2010−182541(JP,A)
【文献】
特開2011−165390(JP,A)
【文献】
特開2011−181369(JP,A)
【文献】
特開2012−009309(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0284159(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01M 10/60−10/667
H02J 7/00− 7/12
H02J 7/34− 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワーコンディショナと、電池収容体と、前記パワーコンディショナ及び前記電池収容体を収納する筐体と、を備えた蓄電装置であって、
前記筐体は、
第1の側面に設けられた第1の開口を開閉可能な第1の蓋体と、
前記パワーコンディショナを収納するPCS収納部と、
前記電池収容体を収納する電池収納部と、
を有し、
前記パワーコンディショナは、前記第1の蓋体の内面上に設けられ、
前記パワーコンディショナと前記電池収納部との間に第1の断熱部材が設けられている、蓄電装置。
【請求項2】
前記第1の蓋体の外面上における前記パワーコンディショナと対向する位置に放熱部材が設けられている請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記第1の断熱部材は、前記パワーコンディショナとの間に空間を設けて配置されている請求項1又は2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記第1の断熱部材は、前記パワーコンディショナに対向する位置に配置されている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記筐体は、前記PCS収納部と前記電池収納部とを区画する隔壁を有し、
前記第1の断熱部材は、前記PCS収納部側の前記隔壁上に配置されている請求項1乃至4のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記第1の断熱部材は、弾性部材で形成され、弾性を利用して前記PCS収納部の内壁に対して嵌め込まれて設置されている請求項5に記載の蓄電装置。
【請求項7】
前記筐体は、該筐体の上面と前記電池収納部の上部を構成する壁との間に、前記パワーコンディショナと前記第1の断熱部材との間の空間に連通する上部空間を有する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項8】
前記上部空間内の前記電池収納部の上壁側に、さらに第2の断熱部材が配置されている請求項7に記載の蓄電装置。
【請求項9】
前記筐体の上面における前記PCS収納部の直上部分に第1の放熱フィンが設けられている請求項1乃至8のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項10】
前記筐体の上面における前記電池収納部の直上部分にさらに第2の放熱フィンが設けられている請求項9に記載の蓄電装置。
【請求項11】
前記PCS収納部は、前記第1の側面の上端部に至って設けられている請求項1乃至10のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項12】
前記筐体は、前記第1の側面に対向する第2の側面に設けられた第2の開口を開閉可能な第2の蓋体、を有し、
前記電池収容体は、前記第2の開口から挿入又は取出しされる請求項1乃至11のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項13】
前記筐体の内部形状は、前記第1の側面と前記第2の側面との間の長さが、該第1及び第2の側面の幅および高さより長い扁平直方体形状を有する請求項12に記載の蓄電装置。
【請求項14】
前記電池収容体を複数備え、
前記電池収容体は扁平直方体形状を有し、
前記電池収容体の端部が前記第2の開口に面するように縦置きで並列配置されている請求項12又は13に記載の蓄電装置。
【請求項15】
前記電池収納部は、下段側の第1の収納部と上段側の第2の収納部とを有し、該第1及び第2の収納部にそれぞれ前記電池収容体が並列配置されている請求項14に記載の蓄電装置。
【請求項16】
前記筐体はさらに電池管理ユニットを収容し、
前記電池管理ユニットは、前記電池収容体と隣接して配置されている請求項1乃至15のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項17】
前記電池管理ユニットは、扁平直方体形状を有し、縦置きで配置されている請求項16に記載の蓄電装置。
【請求項18】
前記電池収容体は、フィルム外装電池を収容している請求項1乃至17のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項19】
前記電池収容体は、リチウムイオン二次電池を収容している請求項1乃至18のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項20】
請求項1乃至19のいずれか一項に記載の蓄電装置と、該蓄電装置を制御する制御システムユニットとを備えた蓄電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
蓄電装置は、複数の二次電池を備え、それら二次電池に充電されている電気を必要に応じて放電することができる。例えば、電気料金が安い深夜に充電された電気を昼間に放電したり、太陽光発電によって昼間に充電された電気を夜間に放電したりすることができる。また、停電時に、それまでに蓄電装置に充電されていた電気を放電することもできる。
【0003】
このような蓄電装置は、工場や事業所などに設置されることが多かったが、近年では一般住宅にも設置されるようになってきた。
【0004】
現在、蓄電装置に用いられる二次電池は、フィルム外装電池が一般的である。フィルム外装電池は、正極板と負極板がセパレータを介して交互に積層された電池要素を含み、この電池要素と電解液がラミネートフィルム等の外装フィルムからなる容器内に封入されている。
【0005】
特許文献1には、周囲が金属板で囲まれた直方体状のケーシング内に、複数のセルが一体に箱詰めされたリチウムイオン電池が配置された蓄電装置が記載されている。このケーシング内は、壁にて左右の空間に区画され、一方の空間にリチウムイオン電池とその充電ユニットが配置されている。他方の空間には、この電池からの電力を交流電力に変換し供給する制御部が配置され、この制御部と前記壁との間に放熱空間が存在している。
【0006】
特許文献2には、複数の電池セルを収納した電池モジュールと、この電池モジュールを収納する収納ケースを備え、その電池モジュールに蓄電された電荷を交流電力に変換して負荷へ供給する蓄電システムが記載されている。前記収納ケースは最も面積の大きい面を前面部とする直方体形状であり、この収納ケースに、直方体形状の前記電池モジュールが複数収納されている。これらの電池モジュールは、収納ケースの前面部と電池モジュールの最も面積の大きい面が対向するように配置され、収納ケースの側面から挿入及び取出しが可能である。さらに、この収納ケース内には、交流電力への変換または電池モジュールへの充電/放電を制御する制御部が配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−182541号公報
【特許文献2】特開2012−9309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
蓄電装置は電池や電気部品を収納しているため、外部からの異物の侵入を防ぐことが求められる。特に蓄電装置を屋外に設置する場合、雨水や塵埃の浸入を防ぐことが重要である。しかしながら、水密性や気密性を保つ密閉構造にすると、蓄電装置内に設けられた電気部品(特にパワーコンディショナ)の発熱によって蓄電装置内の温度が上昇する傾向がある。蓄電装置内の温度が高くなると、蓄電装置内の電池の寿命特性や動作特性が低下する問題が生じやすくなる。
【0009】
そこで、本発明の目的は、電池への伝熱が抑えられた蓄電装置及び蓄電システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様による蓄電装置は、
パワーコンディショナと、電池収容体と、前記パワーコンディショナ及び前記電池収容体を収納する筐体と、を備えた蓄電装置であって、
前記筐体は、
第1の側面に設けられた第1の開口を開閉可能な第1の蓋体と、
前記パワーコンディショナを収納するPCS収納部と、
前記電池収容体を収納する電池収納部と、
を有し、
前記パワーコンディショナは、前記第1の蓋体の内面上に設けられ、
前記パワーコンディショナと前記電池収納部との間に第1の断熱部材が設けられている。
【0011】
本発明の他の態様による蓄電システムは、前記蓄電装置と、該蓄電装置を制御する制御システムユニットとを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電池への伝熱が抑えられた蓄電装置及び蓄電システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】本発明の実施形態による蓄電装置の筐体の外観を示す前面側の斜視図である。
【
図1B】本発明の実施形態による蓄電装置の筐体の外観を示す後面側の斜視図である。
【
図2A】本発明の実施形態による蓄電装置の筐体の内部(側面パネルを取り外した状態)を説明するための側面図である。
【
図2B】本発明の実施形態による蓄電装置の筐体の内部(フロント扉を開放した状態)を説明するための前面側の正面図である。
【
図3A】本発明の実施形態による蓄電装置の筐体の構造を説明するための前面側の斜視図である。
【
図3B】本発明の実施形態による蓄電装置の筐体の構造を説明するための後面側の斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態による蓄電装置の電池収容体の斜視図である。
【
図5】本発明の本実施形態による蓄電装置の筐体の内部構造を説明するための、フロント扉を開放した状態を示す前面側の正面図である。
【
図6】筐体内に電池収容体を収納した状態を示す前面側の正面図である。
【
図7】BMUを収納する工程を示す前面側の斜視図である。
【
図8】断熱部材を設置する工程を示す後面側の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態による蓄電装置について説明する。
【0015】
本発明の実施形態によれば、複数の電池収容体(例えば電池モジュール、電池パック)と、パワーコンディショナ(以下「PCSユニット」という)と、電池管理ユニット(以下「BMU」という)と、これらを収納する筐体を備えた蓄電装置を提供でき、また、この蓄電装置と、この蓄電装置を制御する制御システムユニット(システムコントローラ)とを備えた蓄電システムを提供できる。
【0016】
BMUは、各電池収容体とPCSユニット及び制御システムユニットとの間に介在し、各電池収容体の状態に関する情報を収集し、収集された情報に基づいて各電池収容体の状態を判断する。また、BMUは、判断結果に基づいて、各電池収容体の状態を示す情報をPCSユニット及び制御システムユニットへ出力する。
【0017】
PCSユニットは、外部電源(商用電源等)から供給される交流電力を直流電力に変換して各電池収容体に出力し、また、各電池収容体から供給される直流電力を交流電力に変換して外部(負荷)へ出力する。
【0018】
制御システムユニットは、演算処理装置、メモリ、及びメモリに記憶されているプログラムから主に構成されており、蓄電装置を統括的に制御する。制御システムユニットは、例えば、プログラムに従ってBMUとPCSユニットの間の情報伝達を管理・制御したり、電池収容体の充電量や放電量を管理・制御したり、蓄電装置の運転モード(充電モード、放電モード)を切り替えたりする。制御システムユニットは、例えば、パーソナルコンピュータ等の制御装置を用いて、蓄電装置とは別体として筐体の外部に配置することができる。また、制御システムユニットは蓄電装置に備えてもよい。なお、上記説明は、BMU、PCSユニットおよび制御システムが有する主な機能を説明したものであり、BMU、PCSユニットおよび制御システムユニットは上記機能以外の機能も有する。
【0019】
図1A及び
図1Bは、それぞれ筐体1の外観を示す前面側の斜視図および後面側の斜視図である。
図2A及び
図2Bは筐体1の内部を説明するための図であり、
図2Aは筐体1の側面パネルを取り外した状態の側面図であり、
図2Bはフロント扉11を開放した状態の前面側の正面図である。
図3A及び
図3Bは、それぞれ筐体1の前面側及び後面側の構造を説明するための斜視図である。
【0020】
筐体1は、扁平直方体状の外観をもつ金属製(例えばステンレス製)の収納ケースであり、雨水や塵埃の浸入防止に対する十分な気密性と水密性が保たれている。なお、本実施形態の説明においては、地面等の設置面(水平面)に対向する面を下面とし、筐体1の周囲を構成する複数の側面のうち、開口20を備えた側面を前面とする。
【0021】
図において、筐体1は扁平直方体形状を有し、筐体1の前面部及び後面部は、縦長の矩形状を有し、筐体1の側面は幅の広い横長の矩形状を有している。筐体1の上面は矩形状を有し、上面の対向する2つの端辺は前面及び後面の横の長さと略同じであり、残りの2つの対向する端辺は両側面の幅長と略同じである。筐体1のサイズは、例えば、高さ900mm、正面の幅(扉11が設けられた前面の水平方向の長さ)300mm、側面の幅(フロント扉11側からリア扉12側にわたる水平方向の長さ)800mmに設定できる。
【0022】
筐体1は、その側面(前面)に開口20が設けられ、この開口20(フロント側開口、又は第2の開口とも称す)を開閉するフロント扉(第2の蓋体とも称す)11が設けられている。
図1A及び
図3Aに示されるようにフロント扉11は、回動式のものであり、装置の設置や保守・点検時の作業性を向上できる。フロント扉11として、この回動式の扉に代えて脱着式の蓋を設けてもよい。扉と筐体との当接部にはパッキンが設けられ、十分な気密性と水密性が保たれている。開口20からは、
図3Aに示すように電池収容体21を挿入し、取り出すことができる。また、BMU22も開口(フロント側開口)20から挿入し、取り出すことができる。
【0023】
電池収容体21及びBMU22は、
図2A及び
図2Bに示すように筐体1内に配置された電池収納部に収納される。収納された電池収容体21は、回動式又は着脱式の電池収容体カバー24で支持され、揺れ等による取出し方向の動きが固定できる。電池収容体カバー24はネジ止め等により固定される。
【0024】
電池収容体21は、扁平直方体形状を有し、その端部(前面)が開口20の開口面に面するように縦置きで並列配置されている。下段側の収納スペース(第1の収納部とも称す)及び上段側の収納スペース(第2の収納部とも称す)にそれぞれ複数の電池収容体21が収納され、2段の配列が形成されている。
図2B及び
図3Aに示す例では、下段側に3つ、上段側に3つの合計6つの電池収容体が収納されている。隣接する電池収容体は主面(挿入方向且つ高さ方向(設置面に垂直方向)に沿った面)同士が対向し、これらの主面は筐体1の側面(フロント扉側からリア扉側へ向かう方向に沿った側面)と平行に配置されている。扁平直方体形状の電池収容体がこのように配置されることにより、高密度に収納することができる。また、このように複数の電池収容体21を縦置きで並列配置することにより、横置きで積み重ねた場合に対して、隣接する電池収容体の重量による作用を回避でき、撓みや変形による不具合の発生を防止できる。複数段の収納スペースを設けて電池収容体を収納する場合は、上段側の収納スペースと下段側の収納スペースとの間には、上段側の収納スペースに収納される電池収容体の全重量に対して変形及び破損しない十分な強度をもつ支持部材を設ける。支持部材としては、載置面を備えた棚部材に限られず、フレーム状や格子状のものも用いることができる。
【0025】
図5は、筐体の内部構造を説明するためのフロント扉を開放した状態を示す前面側の正面図である。
図5に示すように、電池収容体の収納スペースである電池収納部(26a、26b)が筐体内に設けられている。
図5において、電池収納部は上段側の収納スペース(26a)と下段側の収納スペース(26b)の二段に分かれて構成されている。また、電池収納部の電池収容体を出し入れする開口は、フロント扉の鉛直方向に亘って設けられている。
【0026】
図5において、符号27は、BMUを収納するスペースを構成するBMU収納部を示す。
図5において、BMU収納部27は、下段側電池収納部26bの左側に配置されており、該BMU収納部27には扁平直方体形状を有するBMUが収納される。BMU22は、電池収容体21と同様の高さを有する扁平直方体形状を有し、下段側の配列端部の電池収容体と隣接して縦置きで配置されている。BMU22はネジ止め等により固定できる。
【0027】
BMU22の直上のスペース(上段側の電池収容体配列端部に隣接するスペース)においては、後面側に配置されたPCSユニット23等の電子機器に接続するケーブルを配置したり、遮断スイッチ等を備えた制御盤を設けたりすることができる。
【0028】
図1B、
図2A及び
図3Bに示すように、筐体1の後面側には、PCS内設扉(第1の蓋体とも称す)12、メンテナンス扉(第3の蓋体とも称す)13が設けられている。PCS内設扉12の外面(外側)にはヒートシンク14が設けられ、PCS内設扉12の内面(内側)にはPCSユニット23が設けられている。また、PCS内設扉12を閉じた際にPCSユニット23と対面する位置に断熱部材25が設けられている。換言すると、PCSユニット23を収納スペースであるPCS収納部に収納した際に、PCSユニット23と対面する位置に断熱部材25が設けられている。PCS内設扉12は、開口(フロント側開口)20が設けられている側面と対向する側面に設けられている開口(PCS側開口、又は第1の開口とも称す)を開閉可能に設けられている。
【0029】
PCSユニットは、
図3Bに示すように、PCS内設扉12の内面に沿って配置されている。PCSユニットをPCS内設扉12の内面に沿って設けることにより、PCSユニットで発生した熱をPCS内設扉からより効果的に放出することができる。PCS内設扉12は、
図3Bにおいて、右端辺を軸にして筐体に取り付けた状態で開閉可能に構成されている。PCS内設扉は、左右端辺(いずれでもよい)を回転軸として回動自在に筐体1に支持固定することができる。そのため、PCSユニットを交換・点検することが容易である。
【0030】
後面部に設けられたPCS内設扉12の外面上にヒートシンク14が、内面上にはPCSユニット23がPCS内設扉12を介して互いに対向するように設けられている。そのため、ヒートシンク14によってPCSユニット23からの発熱を筐体外部に効果的に放出することができる。ヒートシンク14はPCS内設扉12と一体に設けられてもよい。PCSユニット23及びヒートシンク14が設けられたPCS内設扉12は、筐体本体に対して回動可能であり、これによりPCSユニット23及び断熱部材25の取り付けや保守・点検時の作業性を向上できる。PCSユニット23と収納された電池収容体21及びBMU22と間には、断熱部材25が設けられている。これにより、電池収容体21及びBMU22に対するPCSユニット23の発熱による影響を抑えることができる。背面パネルと筐体1との当接部にはパッキンが設けられ、十分な気密性と水密性が保たれている。
【0031】
メンテナンス扉13は、PCS内設扉12の下側に設けられている。メンテナンス扉13は、回動式であり、内側にはヒューズスイッチ、ブレーカー等が配置されている。メンテナンス扉13によって内側のスイッチ等が外部環境から保護されるとともに、開閉が容易であるため保守・メンテナンス時の作業性を向上できる。メンテナンス扉13と筐体1との当接部にはパッキンが設けられ、十分な気密性と水密性が保たれている。
【0032】
また、
図2Aに示すように、筐体内は、隔壁にて、フロント扉11側の右空間とPCS内設扉12及びメンテナンス扉13側の左空間とに区画されている。換言すると、筐体1は、PCS側開口からフロント側開口20にわたる方向の側面方向において、PCS収納部が配置される空間側と、電池収納部が配置される空間側と、に区画されている。また、右空間には電池収納部及びBMU収納部が配置されている。すなわち、筐体内は、筐体の側面の横幅方向において、PCS収納部と、電池収納部及びBMU収納部と、に区画されている。左空間の上側には、PCS内設扉の内面に設けられたPCSユニット23を収納するPCS収納部が配置され、左空間の下側には、保守・点検用のメンテナンス系統類が設置されている。また、左空間と右空間を区画する隔壁の左空間側の面に沿って断熱部材25が配置されている。左空間と右空間を区画する隔壁は、電池収納部のうち電池収容体挿入方向の奥側部分を構成する壁となっており、該隔壁の電池収納部側には電池収容体との接続端子である接続部材29が設けられている。
【0033】
筐体1は、
図1A及び
図1B等に示されるように、架台10上に設置され、ボルト等により固定することができる。筐体1を架台10上に設置することにより、安定性が向上し転倒を防止でき、雨水の水溜まりによる浸水も防ぐことができる。図示されていないが、直射日光や雨の影響を抑えるため、筐体1の上面を覆うサンシェードを設けることができる。
【0034】
図4は、電池収容体の縦置き状態の斜視図である。図中の符号41は把手、符号42は第1のコネクタ、符号43はガイドレール用凸部、符号44は凹部(支持部)、符号45は第2のコネクタを示す。
【0035】
電池収容体21の外観は、
図4に示されるように、扁平直方体形状を有し、筐体1への挿入方向手前側の端部に把手41が設けられている。この把手41を把持し、蓄電装置内への挿入、取出しを行うことが容易になる。この把手41が設けられた端部には第1のコネクタ42が設けられている。これにより、電池収容体21を筐体1内に収納した状態で第1のコネクタ42へのケーブルの脱着が可能となる。また、電池収容体の把手41が設けられている端部と反対側の端部(挿入方向奥側)には第2のコネクタ45が設けられている。電池収容体21の挿入方向に沿った下端部及び上端部には、筐体1内のガイドレールに嵌まる凸部43が設けられている。また、電池収容体21の下端部及び上端部には凹部44が設けられている。電池収容体21の挿入・取出し時に凹部を片手で支持したり、持ち運びの際に凹部を持つことにより、挿入・取出し作業や持ち運びが容易になる。また、
図5に示すように、電池収納部の奥側(挿入方向奥側)には接続部材29が設けられており、接続部材29と第2のコネクタは一対の端子となっている。電池収容体21を電池収納部に収納すると、接続部材29と電池収容体の第2のコネクタ45とが接続される。
【0036】
図6は、
図5に示した状態に続き、電池収容体を収納した状態を示す前面側の正面図である。上段側の収納スペース26aと下段側の収納スペース26bに扁平直方体形状の電池収容体がそれぞれ3つずつ配置されている。電池収納部を構成する内壁のうち上面と下面には、それぞれガイドレールが設けられており、該ガイドレールに沿って扁平直方体形状の電池収容体がそれぞれ収納される。それぞれのガイドレールは所定間隔で平行に並べられており、該ガイドレールに沿って電池収容体を電池収納部に収納することにより、電池収容体の第2のコネクタ45と電池収納部の接続部材29とが接続される。上面のガイドレールと下面のガイドレールは一対一で対応している。
【0037】
各電池収容体は、扁平直方体形状のケース内に複数の二次電池を備えている。ケースの二つの主面のそれぞれの内部側表面に複数の凹部を設け、これらの凹部にそれぞれ一つずつ電池を配置することができる。例えば、片方の主面に四つの電池を配置し、他方の主面に四つの電池を配置して、合計八つの電池を収納した電池収容体が得られる。ケース内の複数の電池は直列に接続することができる。このケースには、一体成形により把手41及び凸部43を設けることができる。なお、複数の電池の配置や数、接続形式は上記に限定されるものではなく、所望の設計仕様に応じて適宜決定することができる。
【0038】
電池収容体内の電池としては、フィルム外装電池を用いることができる。フィルム外装電池は、正極と負極がセパレータを介して交互に積層された電池要素を含み、この電池要素と電解質がラミネートフィルム等の外装フィルムからなる容器内に封入されている。ケース内に高密度で収容する点から、扁平直法体形状の電池を用いることが望ましい。このような電池としては、リチウムイオン電池を好適に用いることができる。
【0039】
これらの電池収容体は、
図2A、
図2B及び
図3Aを用いて既に説明した通り、筐体1内に縦置きで並列配置される。把手41を設けた端部側を手前にして挿入され、把手が設けられた端部が開口20(あるいは閉じたフロント扉11の内側表面)に面している。
図3Aでは、複数の電池収容体が一体的に描かれているが、各電池収容体は互いに独立しており、それぞれ単独で筐体1に出し入れ可能である。また、筐体1内に収納された電池収容体21は直列に接続され、隣り合う電池収容体は第1のコネクタ42同士を接続するケーブルを介して接続される。直列接続の両端の電池収容体はそれぞれ、第1のコネクタに接続されたケーブルを介してBMU22に接続される。
【0040】
図7は、
図6に示した状態に続き、電池収容体カバー24を閉じた後、BMUをBMU収納部27に収納する工程を示す斜視図である。BMUはフロント扉11の開口20から挿入されて、電池収納部が配置される空間側に電池収容体と隣接して収納されている。なお、
図2Bが、BMUを収納した状態を示す正面図に相当する。
【0041】
筺体1の外側には、必要に応じて補強材が取り付けられてもよい。また、筺体1の外側には、例えば、パネルを被せることができる。各パネルは、必要に応じてリベットまたは溶接によって互いに固定され、或いは筺体に固定されてもよい。筺体1およびパネルは例えば金属製であり、本実施形態ではステンレス製である。
【0042】
本実施形態の蓄電装置は、PCS内設扉の内面に設置したPCSユニット23と、電池収納部26との間に断熱部材が配置されている。
図8に示すように、断熱部材25は、PCS内設扉12を閉じた際にPCSユニット23と対向する位置に設けられている。また、断熱部材25は、電池収納部とPCS収納部とを区画する隔壁上に配置されている。電池収納部とPCS収納部とを区画する隔壁のPCS収納部側には配線等が設けられていてもよく、その場合はその配線を含む前記隔壁に沿って断熱部材が配置される。したがって、断熱部材は絶縁性を有することが好ましい。本実施形態の蓄電装置は、筐体の側面に設けられたPCS内設扉12の内面にPCSユニット23が設けられているため、PCSユニット23で発生した熱をPCS内設扉12から効果的に筐体の外部に放出することができる。また、電池収納部とPCSユニットとの間に断熱部材を設けることにより電池収容体21への伝熱を抑えることができる。
【0043】
また、本実施形態の蓄電装置において、
図2Aに示すように、PCSユニット23と断熱部材25との間に空間30を設けて断熱部材が配置されることが好ましい。PCSユニット23と断熱部材25との間に空間30を設けることにより、該空間30に放出された熱は対流によって上方に移行し、上方に移行した熱は筐体に接して、筐体から外部へ放出される。そのため、PCSユニットで発生した電池収容体への伝熱を顕著に抑制することができる。また、PCS内設扉12は、筐体の側面の上側部分に設けられていることが好ましい。PCS内設扉を筐体側面の上側部分に設けることにより、PCSユニットを筐体内の上側に設けることができる。その結果、筐体の上面にPCSユニットを近づけることができるため、PCSユニットで発生した熱を筐体の上面から外部に効果的に放出することができる。
図2Aにおいて、PCS内設扉12は、該扉12の上端部が筐体の上面と同等の高さに設置されている。換言すると、PCS収納部は筐体側面の上端部に至って設けられている。
【0044】
断熱部材の形状は、例えば、板状である。断熱部材は、点検やメンテナンス等の観点から、筐体内に脱着可能に形成されていることが好ましい。また、断熱部材は、弾力を有する断熱材料で構成され、該弾性を利用してPCS収納部の内壁に対して嵌め込まれて配置されることが好ましい。これにより、断熱部材を筐体内に脱着可能とすることができるとともに、断熱部材と筐体との隙間を減らすことができ、より有効に電池収容体への伝熱を抑えることができる。弾性を有する断熱部材は筐体内に押し込むようにして所定の位置に配置することができる。断熱部材の形状は、筐体内の形状や大きさに合わせて適当に選択することができる。例えば、
図8に示すように、弾性を有する断熱部材の幅長は、筐体の後面部の横幅とほぼ等しい又はそれより少し大きい長さとすることができる。また、断熱部材は、断熱部材自身又は筐体等に固定部材を設け、該固定部材により筐体内に設置されてもよい。
【0045】
弾性を有する断熱材料としては、例えば、発泡ウレタン、発泡ポリイミド、又は発泡ポリプロピレンなどを用いることができるが、特にこれらに制限されない。
【0046】
本実施形態の蓄電装置において、PCS内設扉が設けられている側面と対向する側面に電池収容体の取出し用の開口(フロント側開口)を設けることにより、熱源であるPCSユニットと電池収容体との距離を大きくとることができ、またPCSユニット23と断熱部材25との間の空間30を広げることができる。この空間30が広がれば、熱の対流が起きやすくなり、筐体から放出する熱の量を大きくすることができる。また、筐体の内部形状を扁平直方体形状とし、電池収容体を扁平直方体形状とすることにより、PCSユニットと電池収容体とが対向する面積を小さくすることができ、PCSユニットから電池収容体へ移行する熱量を最小限に抑えることができる。さらに、電池収納部の開口をフロント扉11側の側面の鉛直方向に亘って設けることにより、電池収容体の収納スペースを広げることができる。その際、電池収容体の収納スペースの増大によりPCSユニットで発生した熱が電池収容体に伝わり易くなるが、筐体又は電池収容体を扁平直方体形状とすることにより、PCSユニットと対向する電池収納部の面積を小さくすることができる。その上、本実施形態では、上述のように熱を効果的に外部に放出することができる構成を有するため、本実施形態の蓄電装置は、蓄電装置全体のコンパクト化、交換や点検作業の簡便化、外部への熱の放出性、並びに電池収容体への伝熱の抑制を同時に達成することができる。
【0047】
本実施形態の蓄電装置は、電池収納部の上部を構成する壁と筐体の上面との間に、PCSユニット23と断熱部材25との間の空間30に連通する空間(不図示、上部空間とも称す)が設けられている構成を有することもできる。熱は対流によって上側に移動する性質を有するため、筐体の上部空間に空間30と連通する空間を設けることによって、空間30から熱を該上部空間に逃がすことができ、さらにこの上部空間は筐体の上面と接しているため、筐体の上面から有効に熱を放出することができる。その際、断熱部材25は、電池収納部の上部を構成する壁にも配置されることが好ましい。電池収納部を構成する壁のうちPCSユニットと対向する壁の上に配置される断熱部材(第1の断熱部材とも称す)25に加え、電池収納部の上部を構成する壁の上にも断熱部材(第2の断熱部材とも称す)を配置することにより、電池収容体への伝熱をさらに抑制することができる。第2の断熱部材は、電池収納部を構成する壁の上に脱着可能に配置されていても、固定されて配置されていてもよい。電池収納部の上に配置される第2の断熱部材とPCSユニットに対向する位置に配置される第1の断熱部材25とを一体に形成してもよい。
【0048】
本実施形態の蓄電装置は、PCSユニットと断熱部材との間の空間30の上方であって前記筐体部分に放熱フィン(第1の放熱フィンをも称す)が設置されている構成を有することができる。換言すると、筐体の上面におけるPCS収納部の直上部分に放熱フィンを設けることができる。PCSユニットから空間30に放出された熱は対流によって上に移行して空間30の上側に溜まりやすいため、この部分に放熱フィンを設置することにより、効果的に外部に熱を放出することができる。該放熱フィンは、筐体の内側及び外側の少なくとも一方に設置されていればよく、熱放出の観点からは両側に設置されていることが好ましい。また、筐体の上面における電池収納部の直上部分にもさらに放熱フィン(第2の放熱フィンとも称す)を設けることもできる。放熱フィンを筐体の上面に亘って設けることにより筐体内の熱を効果的に外部に放出することができる。とくに、上述のように、電池収納部の上に空間30に連通する上部空間を設ける構成とした場合、PCSユニットで発生した熱の電池収容体への電熱は第1の断熱部材及び第2の断熱部材によって抑えることができる。また、PCSユニットから空間30に放出された熱は、対流によって上側に移行し、空間30及び上部空間の上側の筐体上面に設けられた第1の放熱フィン及び第2の放熱フィンによって効果的に筐体外に放出される。したがって、本実施形態の蓄電装置は、電池への電熱を顕著に抑えることができる。
【0049】
本実施形態の蓄電装置は、筐体が密閉性を有する構成を有することができる。筺体1内に収容されているフィルム外装電池は周囲温度によって性能が変化するため、筺体1内の温度を所定温度範囲内に維持することが望ましい。この場合、筺体1の内部空間を外気に連通させれば、内部空間の温度上昇を抑制することができる。しかし、筺体1の内部空間を外気に連通させるための開口や貫通穴を設けると、雨水や塵埃の侵入が懸念される。そこで、筺体は、開口が蓋体によって閉じられると密閉され、気密性および水密性が確保される構造となっていることが好ましい。換言すれば、筺体1の内部空間を外気に連通させるための開口や貫通穴は設けられていない。本実施形態の蓄電装置は、電池収容体への熱の移行を抑制できるとともに、熱を外部に効果的に放出できるため、筺体1の内部空間を外気に連通させていなくても、熱が電池収容体に溜まることを充分に抑制することができる。
【0050】
本実施形態の蓄電システムは、本実施形態の蓄電装置を備えるとともに、制御システムユニット(システムコントローラ)を備えている。この蓄電システムは、好ましくは、一般家庭に供給される商用電源と家電製品等の負荷との間に接続され、停電時等のバックアップ電源や補助電力として、更には余剰の電力を商用電源に供給するために使用されるものである。なお、各家庭に太陽電池システムやマイクロ風力発電機等の家庭用分散電源が設けられている場合には、これらの家庭用分散電源も蓄電システムに接続される。
【符号の説明】
【0051】
1 筐体
10 架台
11 フロント扉(第2の蓋体)
12 PCS内設扉(第1の蓋体)
13 メンテナンス扉(第3の蓋体)
14 ヒートシンク
20 開口
21 電池収容体
22 BMU
23 PCSユニット
24 電池収容体カバー
25 断熱部材
26 電池収納部
26a 上段側収納スペース
26b 下段側収納スペース
27 BMU収納部
28 制御盤
29 接続部材
41 把手
42 第1のコネクタ
43 ガイドレール用凸部
44 凹部(支持部)
45 第2のコネクタ