(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5936140
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月15日
(54)【発明の名称】圧力配管の接続構造を製造する方法
(51)【国際特許分類】
F16L 21/08 20060101AFI20160602BHJP
F16L 21/02 20060101ALI20160602BHJP
【FI】
F16L21/08 E
F16L21/02 E
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-221717(P2013-221717)
(22)【出願日】2013年10月25日
(65)【公開番号】特開2015-83846(P2015-83846A)
(43)【公開日】2015年4月30日
【審査請求日】2014年7月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000230777
【氏名又は名称】日本管洗工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091719
【弁理士】
【氏名又は名称】忰熊 嗣久
(72)【発明者】
【氏名】小林 理人
【審査官】
鈴木 貴雄
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2012/096042(WO,A1)
【文献】
特開平08−121662(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/013126(WO,A1)
【文献】
特開2005−042878(JP,A)
【文献】
特開2004−162731(JP,A)
【文献】
実公昭52−045844(JP,Y2)
【文献】
特開平09−152067(JP,A)
【文献】
特開2003−014169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 21/02
F16L 21/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力のかけられた流体を内部に流す圧力配管を接続する接合構造を製造する方法において、
前記圧力配管が挿入される内部の中空に対して外周から貫通した複数の貫通孔と、当該中空の内径を縮小する突起部とを有する円筒状のスリーブと、尾部が雄テーパー面に形成されており、前記スリーブの複数の貫通孔に螺入される複数のボルトとを用意し、
Oリングを前記圧力配管と突起部との間に収容し、
前記圧力配管に対して、前記ボルトの尾部の雄テーパー面と同じテーパー角度を有する雌テーパー面が形成された有底孔を前記貫通孔の対応する位置に設け、かつ、前記圧力配管の端部に対して先細り状の雄テーパー面を設け、
前記圧力配管が前記スリーブの内部中空に挿入されたときに、前記収容されたOリングにより前記貫通孔に対応する前記有底孔がズレ量をもった状態であって、前記ボルトが前記貫通孔に螺入される過程で、前記ボルトの雄テーパー面が前記有底孔の雌テーパー面を滑りながら入り込み、前記Oリングに圧縮力を加えるとともに前記ボルトは前記スリーブの貫通孔を通して前記圧力配管を固定し、前記圧縮力が加わったOリングは、前記雄テーパー面と突起部との間に挟まれて前記圧力配管の中空をシールすることを特徴とする圧力配管の接続構造を製造する方法。
【請求項2】
前記スリーブは、前記突起部が他のボルトにより固定されていることを特徴とする請求項1記載の圧力配管の接続構造を製造する方法。
【請求項3】
前記突起部は、前記圧力配管の雄テーパー面と同じテーパー角度の雌テーパー面を有して前記圧力配管のテーパー面と接触させており、かつ前記スリーブには前記雌テーパー面の途中もしくは一端に前記Oリングを収容するOリング溝が設けられていることを特徴とする請求項1記載の圧力配管の接続構造を製造する方法。
【請求項4】
前記Oリング溝の底は前記スリーブの中空の中心線に平行であることを特徴とする請求項3記載の圧力配管の接続構造を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管設置箇所に適合する長さに切りそろえられた圧力配管に対して溶接を必要とすることなく、接続させることを可能とした圧力配管の接続構造
を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
圧力配管用の鋼管として炭素鋼鋼管(STPG)が知られている。JIS規格には、接続する圧力配管に応じて使用すべき継手の強度が規定されている。具体的には、継手の強度は、引張試験において、継手に接続される圧力配管の母材の方が切断されるような強度とすることを要求している。また、溶接による接続についても同様に圧力配管の母材の方が切断するような溶接強度を持たせるため、全周に渡って圧力配管に対して脚長を延ばすことが求められている。このような溶接作業には熟練を要し、作業を行える者には限りがある。
【0003】
溶接によらない接続手段として、接着剤やボルトなど手段がある。例えば特許文献1及び2にはボルトで管と管を接続するものが開示されている。これらの技術は、電線を収容する管の周面壁にその半径方向に沿って螺着されたボルトの締め付け力で管側を変形させて固定するものである。このようなボルトにより接続される管は、内部の電線を保護するものであり、内部の電線自体が圧力をもったり漏れたりするものではない。又特許文献3では、ボルトで棒同士を接続する技術が開示されているが、これも先の特許文献と同様に、ボルトの締め付け力で棒側を変形させて固定する。
【0004】
一方、溶接を用いずに、高圧の流体を案内する圧力配管を接続する技術として、出願人は特許文献4に示すようにボルトを接続手段として利用した圧力配管の接続構造を提案した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公昭51−9667号公報
【特許文献2】特開2003−180011号公報
【特許文献3】特開2010−180957号公報
【特許文献4】WO 2012/096042A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献4に示される接続構造によれば、引張強度が要求される圧力配管の配管工事において、溶接を用いずにボルトにより圧力配管の接続を行うことができる。しかしながら、接合すべき圧力配管からの流体漏れを防ぐために、圧力配管が切断された端部断面の位置でシールをしており、圧力配管の肉厚自体が薄いものであるため、径の小さなシール部材を使用せざるを得なかった。一般的に、Oリングは、線径の太いほうがひずみ率は小さく、安定したシール性が得られることが知られている。圧力配管として例えば、STPG Sch40 10Aを用いる場合、パイプの肉厚は2.3mmであり、利用可能なシール材としては例えば直径1.5mmのOリングである。
【0007】
本発明の目的は、圧力配管の端部断面をより大きな線径のシール部材を利用してシール可能とすることにより、シール部材に係る歪を小さくすることができる接続構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するため本願発明では 圧力のかけられた流体を内部に流す圧力配管を接続する接合構造
を製造する方法において、
前記圧力配管が挿入される内部の中空に対して外周から貫通した複数の貫通孔と、当該中空の内径を縮小する突起部とを有する円筒状のスリーブと、
尾部が雄テーパー面に形成されており、前記スリーブの複数の貫通孔に螺入される複数のボルトとを用意し、
Oリングを前記圧力配管と突起部との間
に収容し、
前記圧力配管に対して、前記ボルトの尾部の雄テーパー面と同じテーパー角度を有する雌テーパー面が形成された有底孔
を前記貫通孔の対応する位置に
設け、かつ、前記圧力配管の端部
に対して先細り状の雄テーパー面を
設け、
前記圧力配管が前記スリーブの内部中空に挿入されたときに、前記収容されたOリングにより前記貫通孔に対応する前記有底孔がズレ量をもった状態であって、前記ボルトが前記貫通孔に螺入される過程で、前記ボルトの雄テーパー面が前記有底孔の雌テーパー面を滑りながら入り込み、前記Oリングに圧縮力を加えるとともに前記ボルトは前記スリーブの貫通孔を通して前記圧力配管を固定し、前記圧縮力が加わったOリングは、前記雄テーパー面と突起部との間に挟まれて前記圧力配管の中空をシールすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、圧力配管の端部をテーパー面として、この面においてOリングによるシールを行うため、径の大きなOリングを使用することができるという効果がある。
また、ボルトを螺入するだけで、Oリングに対して適正な圧縮力を付加することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図5】さらに他の実施例に係る接続構造を示す図である。
【
図6】さらに他の実施例に係る接続構造を示す図である。
【
図7】フランジ継手に適用した他の実施例に係る接続構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、ボルトで得られる接続強度を利用して、圧力配管を接続する具体例について、図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0012】
第1の実施例に係る接続構造100を
図1に示す。本実施例は圧力配管同士を接続する継手の例を示す。接続構造100は、スリーブ1、圧力配管2、Oリング3、及び、多数のボルト4からなっている。
スリーブ1は、圧力配管2の外径に公差があることを考慮して、圧力配管2の外形よりやや大きい内径の中空10を有する直線状の円筒管であり、内周面のほぼ中央に、内側に向かって、圧力配管2の肉厚tに相当する長さだけ、中心に向けてスリーブ1の内径を縮小する突出部11を有している(破線Dより中心線c側の部分)。突起部11は、スリーブ1の中心線c方向に垂直な環状面11a、11bを有している。そして、図面上において突出部11から離れた位置に図面の表裏方向に雌ねじ山が設けられた貫通孔13(以下、実施例1−9においては、ボルト孔13と称する)が設けられ、さらに離れた位置に図面上下の方向に雌ねじ山が設けられた貫通孔13(以下、実施例1−9においては、ボルト孔13と称する)が設けられ、夫々スリーブ1の中空10に貫通している。ボルト4は、頭部41と雄ねじ山が刻まれた胴部42と円錐台形状の尾部43とを有しており、ボルト孔13に胴部42が螺合する。
【0013】
圧力配管2は、設置場所に適合する長さに切り揃えられた後(
図1A)に、端部に対して加工がなされる。まず、端部に先細り状の雄テーパー面21と非貫通の有底孔23が形成される(
図1B)。雄テーパ21面に続く先端は、垂直な面22とされる。有底孔23は円錐台状である。有底孔23の位置は、圧力配管2をスリーブ1の中空10に差し込み、圧力配管2の面22が環状面11a、11bと接触する状態のとき、ボルト孔13と対向する位置に設けられる。有底孔23のテーパー角度θ1は、ボルト4の尾部43のテーパー角度θ1と等しくなっている。
【0014】
Oリング3は、環状面11a、11bと雄テーパー面21及びスリーブ1の内周面12との間で形成された空間に挟みこまれ、圧力配管2が中空10に差し込まれるにつれて、雄テーパー面21により、Oリングが圧縮される。面22が環状面11a又は11bに接触したとき、Oリング3の直径が圧縮により、30%程度の径変化するようなテーパー角度θ2にテーパー面21は設定されている。尚、Oリングが接触する箇所(環状面11a、11bとテーパー面21及びスリーブ1の内周面12)の表面粗さは、Oリング3を収容する箇所であるため、滑らかなものに加工されていることは言うまでない。
【0015】
実施例1の接続構造100によれば、Oリング3は、圧力配管2が雄テーパー面21となっているため、環状面11a、11b及びスリーブ1の内周面12との間で形成される空間を大きくすることができ、その結果、径の大きなOリング3を使用することができる。また、スリーブ1の内周面12と圧力配管2の外周面24とは、圧力配管2の公差のために若干の隙間が開くことは避けられないが、ボルト4をボルト孔13に螺合されたとき、ボルト4の尾部43と有底孔23のテーパー同士が面同士で固定されるため、強固に固定することができる。
【実施例2】
【0016】
実施例2の接続構造200は、接続構造100の突起部11を突起部14に変更したものである。突起部14は、雌テーパー面14a、14bと、スリーブ1の中心線cに垂直な面14dとを有している。スリーブ1はさらに、雌テーパー面14a、14bに挟まれた位置にOリング3を収容するOリング溝14cが設けられており、Oリング溝14cの前後の雌テーパー面14aは内周面12側の面であり、また面14dは雌テーパー面14b側の面である。
【0017】
雌テーパー面14a、14bは、圧力配管2の雄テーパー面21と面接触するため、テーパー角度を角度θ2に設定されている。雌テーパー面14a、14bは、圧力配管2の雄テーパー面21と面接触するとき、面14dは圧力配管2の面22と接触しないようスキマsを持つようになっている(
図3D)。この結果、圧力配管2をスリーブ1の中空10に挿入したときに面22が障害にならず、スリーブ1と圧力配管2とが雌テーパー面14a、14bと雄テーパー面21を介して面で接触することが確実になる。また、テーパー面同士の接触であるため、圧力配管2の外形とスリーブ1の内径とに公差による隙間があっても、圧力配管2とスリーブ1の中心を合わせることが容易にできる。
【0018】
Oリング溝14cは、Oリング溝14cの両側に壁p、qが設けられている。Oリング溝14cの溝の底rは、中心線cに対して平行であるが、その理由は専らOリング溝14cを形成する際の形成のしやすさに依存している。また、面14dは、圧力配管2の面22に対向するために設けられているが、中心線cに垂直でなくてもよく、圧力配管2の面22と接触しないものであれば良い。
【0019】
図3は、接続構造200による圧力配管2を接続する様子を示している。
図3Aにおいて、Oリング3をOリング溝14cに設定する。Oリング溝14cの前側の壁p(中空10の入口に近い側)は、やや中心線cに対して垂直よりも斜めになっていて、Oリング3を挿入しやすくなっている。
【0020】
圧力配管2をスリーブ1の中空10に挿入すると、Oリング3の肉厚のために、ボルト孔13の位置が有底孔23の位置と若干ズレ量をもった状態となる。このズレ量は、ボルト4をボルト孔13に螺合した際に、ボルト4の尾部43が、有底孔23に入り込める程度のズレ量となっている。
【0021】
次に、ボルト4をボルト孔13に螺入する。ボルト4の尾部43の中心c1は、Oリング3の存在により、有底孔23の中心c2からはズレてはいるが、尾部43は有底孔23内に入る状態とする。
【0022】
ボルト4をさらに螺入すると、尾部43の雄テーパー面が有底孔23の雌テーパー面を滑りながら入り込んでゆき、圧力配管2は図面の右方向に向かって移動して、Oリング3に圧縮力を加える。最終的には、尾部43の雄テーパー面は有底孔23の雌テーパー面に対して面で接触により強固に固定する。その際、Oリング3は、適正な圧縮力が加えられた状態になる(
図3D)。このとき、面14dは圧力配管2の面22と接触しないようスキマsを持つ。本実施例においては、スキマsは0.5mm程度と想定している。
【0023】
また、本実施例では、Oリングは直径の30%程度圧縮することを予定しており、Oリングとして直径2mmのものを用いた場合には、圧縮寸法は0.6mmであり、尾部43の雄テーパー面が有底孔23のテーパー面を滑りながら圧力配管2を移動させる距離もそれを実現する程度である。
【0024】
本実施例によれば、雌テーパー面14a、14bとOリング溝14cが設けられ、実施例1におけるOリング3が挿入される空間を狭められてはいるが、実施例1と同様に径の大きなOリングを使用することができる。一方で、壁p,qを有するOリング溝14aを設けたため、圧力配管2において大きな圧力(又は、小さな圧力)を受けたとき、Oリング3を壁p若しくは壁qにより支えることができる。また、雌テーパー面14aと雌テーパー面21または雌テーパー面14bと雌テーパー面21は密接に接触しているため、圧力のかかったOリング3が、Oリング溝14cからはみ出す隙間がない。
【0025】
さらに、市販されている圧力配管2の外径は所定の公差が許容されているので、スリーブ1の中空10と圧力配管2の外周の間には隙間の存在を回避できないが、本実施例においてはOリング溝14cの前後に位置する雌テーパー面14a、14bを雄テーパー面21に確実に面接触させて固定することができる。このため、スリーブ1と圧力配管2とが実質的に接触している面積を大きくできるため、接触している箇所の破損が少なくでき、かつ圧力配管2の中心をスリーブ1の中心に合わせやすいという効果がある。尚、本実施例においては、テーパー角度θ2は15度とした。
【0026】
また、ボルト4を螺入するだけで、Oリング3に対して適正な圧縮力を付加することができるという効果がある。
【実施例3】
【0027】
図4Aに示される実施例3の接続構造300は、接続構造200の突起部14を突起部15に変更している。また、Oリング3を収容するOリング溝15cは、その前後の雌テーパー面15a、15bに対して垂直の壁p、qと、雌テーパー面15a、15bに対して平行な底rを有している点で異なる。本実施例によれば、Oリング3は、圧力配管2のテーパー面21と底rの間で、平行に挟みこまれ、かつ圧力配管2の内部圧力が高まった場合にOリング3が押し付けられる前側の壁pの高さを高くできる。
【実施例4】
【0028】
図4Bに示される実施例4の接続構400は、接続構造200の突起部14を突起部16に変更している。また、Oリング3を収容するOリング溝16cは、その片側にのみテーパー面16aを有している。また、Oリング溝16cの他方側の壁qはスリーブ1の中心線cと垂直な面16dとなっている点で異なる。垂直な面16dは、実施例1の面14dと同様に、テーパー面16aと圧力配管2の雄テーパー面21と面接触するとき、面16dは圧力配管2の面22と接触しないようスキマを持つようになっている。本実施例4によれば、テーパー面16aと雄テーパー面21との密接に接触するため、圧力配管2内の圧力が大きくなってOリング3が壁pに押し付けられても、さらにOリング3がOリング溝16cからはみ出す隙間が無い。
【実施例5】
【0029】
図4Cに示される実施例5の接続構造500は、接続構造200の突起部14を突起部17に変更している。また、Oリング3を収容するOリング溝17cは、テーパー面17a、17bの間に設けられるが、壁p、qはスリーブ1の中心線cに平行であり、底rは中心線cに垂直である。
【実施例6】
【0030】
図5に示される実施例6の接続構造550は、接続構造200の突起部14を突起部30(破線Dより中心部分)に変更している。また、Oリング3を収容するOリング溝31cは、その両側に雌テーパー面31a、31bを有している。また、Oリング溝31cの壁p、qはスリーブ1の中心線cと垂直な面となっており、底面rは破線Dよりも外径側であって中心線cと平行になっている。
本実施例6においては、圧力配管2の雄テーパー面21は雌テーパー面31bにのみ接触している。従って、圧力配管2のテーパー角θ2と等しくする必要があるのは雌テーパー面31aではなく雌テーパー面31bである。雌テーパー面31b側の垂直な面31は、実施例1の面14dと同様に、雄テーパー面31bと圧力配管2のテーパー面21と面接触するとき、面31は圧力配管2の面22と接触しないようスキマを持つようになっている。
尚、本実施例においては、テーパー角度θ2は10度である。圧力配管2の側は、雄テーパー面21と面22との間に、面取り25がされている。また、Oリング3は直径の25%程度圧縮されている。
【実施例7】
【0031】
図6Aに示される実施例6の接続構造600は、スリーブ1と突起部15’とが、ボルト18により着脱自在(
図6B)にされた構成である。突起部15’は、実施例3の突起部15と同様に、Oリング3を収容するOリング溝15’cは、その前後のテーパー面15’a、15’bに対して垂直の壁p、qと、テーパー面15’a、15’bに対して平行な底rを有している突起部15’の加工をスリーブ1とは別に単独に行えるという効果がある。
【実施例8】
【0032】
図7は、フランジ継手に対して適用した例を示している。
図7Aに示される実施例7の接続構造700は、実施例1の接続構造100のスリーブ1を半分にする一方、突起部11は残し、突起部11のスリーブ1外周側にフランジ19を設けた構造である。フランジ19は、図示しない他のフランジと接合するための貫通孔19aを有している。本実施例において、突起部11の代わりに突起部14、15、15’、16又は17の形状を用いることができる。
【実施例9】
【0033】
図7Bに示される実施例8の接続構造800は、実施例2の接続構造200のスリーブ1を半分にする一方、突起部14は残し、突起部14のスリーブ1の肉厚を厚くして、図示しない他のフランジと接合するための貫通孔19aを、スリーブの中心線cの方向に穿孔している。本実施例においても、突起部14の代わりに突起部11、15、15’、16又は17の形状を用いることができる。
【0034】
上記夫々の実施例において、スリーブ1側の貫通孔13側に雌ネジ山を設けて、圧力配管側2の有底孔23側には雌ネジ山を設けてはいない。しかしながら、ボルト4の尾部43と有底孔23の両方をテーパーネジとしても良い。また、貫通孔13を馬鹿穴(クリアランスホール)にしても良い。また、有底孔23側をテーパー状にせずに平行穴でもよく、平行ネジを設けても良い。尚、これらの場合においては、ボルト4の螺入によるOリング3の圧縮作用は期待できないので、圧力配管2をスリーブ1の中空10に圧力を掛けて押し込んでおき、貫通孔13と有底孔23を正確に連通状態としておくのが望ましい。
【符号の説明】
【0035】
100、200、300、400、500、550、600、700、800 接続構造
1 スリーブ
2 圧力配管
3 Oリング
4 ボルト
11、14、15、15’、16、30 突起部