【実施例】
【0306】
47才の男性におけるAFに関する根源の識別および局所化
図11のパネル900〜910は、代表的な患者、すなわち5年以上にわたって持続性の心房細動(AF)を患っていた47才の男性を示す。この患者は、アミオダロンを用いた様々な療法や他の適切な療法にもかかわらず、またAFに対する以前のアブレーション手術にもかかわらず、心臓の症候性の動悸を引き続き有し、治療のために病院の緊急治療室に入る必要があった。そこで、自分の症候の深刻さに鑑みて、その患者は、さらなる評価およびアブレーションのために電気生理学的検査室に戻ることを選んだ。
【0307】
図11のパネル900〜910は、電気生理学的検査の開始時のAF中の右心房および左心房からの信号を示す。AFサイクル長(連続する活性化開始時点間の時間)はかなり短く、右心房での最初の2つのサイクルに関しては172msおよび165msと示されており(パネル910)、AFに関して典型的であるように変化していることを見ることができる。顕著には、信号は、よくそうであるように、左心房(「post LA」)、および冠状静脈洞(「CSP」近位冠状静脈洞;「CSD」遠位冠状静脈洞)において、右心房(「HRA」右心房上方;「Lat RA」右心房側方;「post RA」右心房後方)におけるよりも形状が細分化され、無秩序であった。
【0308】
これらの所見は、通常は、左心房に向けてアブレーションをガイドする。この症例での典型的な処置は、肺静脈の近くでアブレートして隔離を確認することから始まり、続いて、以下のものを含めたいくつかの部位での追加のアブレーションの選択を行う。(a)細分化された電位図の左心房部位、天蓋部での線形アブレーション、僧帽弁輪での線形アブレーション、他の線形アブレーション、次いで(b)細分化の部位および解剖学的峡部を含めた右心房アブレーション。この提案されている処置は、約2〜3時間かかり、AFを収束させる可能性が<50%であり、これは、処置の終わりに正常な律動を回復するために電気除細動が必要とされることを意味する(Calkins, Brugada et al. 2007)。
【0309】
この既知の手法を使用せずに、本発明の方法および治療の一実施形態を適用した。64個のセンサ(電極)を含むカテーテルアセンブリを、大腿静脈を通して右心房内に挿入し、また、経中隔穿孔にわたって患者の左心房内に挿入した。これらを、ワイヤケーブルを介して、AF中に各センサで信号を収集するための記録システムに接続した。これらの信号をデジタル形式に変換し、コンピュータプログラムに入力した。活性化開始時点を、AFの2秒間に各センサで記録した。この患者では2秒を使用したが、任意のより大きいまたはより小さい時間間隔が有用であることもある。1秒以下を使用することができることが望ましい。いくつかの実施形態では、数ミリ秒を使用することもできる。各センサ位置での活性化開始時点を、時間的に逐次に順序付けした。記憶されている活動電位トレーシングを使用して、各センサに関して活性化時間の開始時に前記トレーシングを挿入することによって電位図(電圧−時間系列)を生成した。最後に、直接位相割当て技法を使用して、コア領域を識別した。活性化トレールは、コア領域に対するこれらの活性化シーケンスの関係によって直接示される。すなわち、それらがコアの周りで回転する場合には、電気ロータが検出され、それが原因とみなされるが、それらがコア領域から半径方向に発散する場合には、限局性拍動が検出され、それが原因とみなされる。医師の検討のために、結果をコンピュータモニタ上にアニメーションとして表示した。
【0310】
活性化トレール(
図12でのパネル1035)は、この男性のAFに関する原因として電気ロータを表した。
図12のパネル1000において、活性化開始時点が、10ms(レベル「a」)〜200ms(レベル「f」)までグレースケールでアルファベットで符号化された時間に、右心房内でコア領域の周りで回転することを見ることができる。左心房では、局所化された原因は見つからなかった(パネル1020)。パネル1040は、脱分極(活性化;「赤」)および再分極(非活性化;「青」)された組織の3つの時間スナップショットとして、この同じロータを異なる形態で表示する。時系列で見て(左から右)、これらのスナップショットも、コア領域の周りで回転する活性化シーケンス(ロータ)を追跡する。このコア領域は、原因である高い尤度を有していた。なぜなら、これは、周囲の心房のほぼすべて(大きな空間定数)に関する電気的活性化を制御していた唯一の根源であったからである。
【0311】
臨床的には、この電気ロータが右心房にあったことは驚くべきことであった。右心房のロータ部位は、高いスペクトル優位周波数も、低い振幅の細分化された信号も示しておらず、普通であればアブレーションのために識別されない、またはアブレーションの標的とされない。
【0312】
右心房内のロータコア(パネル1050)で、すなわち
図12のパネル1060において暗色のドットによって示される部位でアブレーションを直接開始した。顕著には、AFは、30秒のエネルギー送達の間に、サイクル長227msまで遅くなった。
図10のパネル1050において白い点によって示されるすぐ傍の部位での後続のアブレーションがさらにAFを遅くし、AFは収束して、
図13に示されるように6分間のアブレーションの間に正弦波の律動になった。
図13のパネル1100〜1120では、AFは停止しており(パネル1110)、正常な正弦波の律動(参照番号1120を付されている)が回復されたと見ることができる。この時点で、AFは、
図14に示されるような典型的な高速ペーシング技法を使用して再開することはできず、ここで、パネル1210は、心房捕捉を伴う高速ペーシングを示し、パネル1220は、AFの誘発がないことを示し、パネル1230は、ペーシングの終了後の正弦波の律動を示す。
【0313】
この結果は、現況技術に対するパラダイムシフトである。典型的には、広範囲に経験的に印加される冗長なアブレーション(心室の30〜40%)によってAFを遅くすることはできるが、それでも、持続性のAFが収束することはまれである。対照的に、本発明者らは、心房の約2〜3%未満のアブレーションによってAFを急激に遅くして、急激に収束させた。持続的なAFにおいて、先験的に(a priori)識別された1つの部位のみでアブレートしてAFの即時の減速および収束を確認した、以前に行われた事例は知られていない。
【0314】
AFに関する根源の識別および局所化の他の実施例
77才の男性が、心房細動(AF)のアブレーションのために来院した。複数の抗不整脈剤、わずかに拡大した左心房(直径45mm)、および正常な左心室駆出率(58%)にもかかわらず、その男性の病歴は、発作性のAFに関して顕著であった。侵襲性の電気生理学的検査で、上述したようにカテーテルを心房に挿入した。本発明を複数のセンサに適用した。
図15で、パネル900が、左下肺静脈の近くでの電気ロータの形で、局所化された根源を示す。左から右へ(時間的に進む方向で)パネルを見ると、より暖色(赤)での脱分極(活性化)組織が、左下肺静脈の内側唇(黒い砂時計形状での外形を参照)にあるコア領域を中心として時計周りに回転することが示されている。この部位でのアブレーションは、AFを急激に収束させた。
【0315】
持続性のAFを起こしている40才の患者がアブレーションのために来院した。AFは、フレカイニドおよび他の抗不整脈剤に対する耐性があった。患者の左心房直径は52mmであり、左心室駆出率は69%であった。侵襲性の電気生理学的検査で、上述したようにカテーテルを心房に挿入した。本発明を複数のセンサに適用した。
図15のパネル910は、左心房の前壁での電気ロータの形で、局所化された根源を示す。ここでも、左から右へパネルを見ると、活性化(脱分極)された組織が、肺静脈の間の左心房の前壁にあるコア領域を中心として反時計回りに回転することが示されている。この部位でのアブレーション後、患者はAFを発症していない。
【0316】
発作性のAFおよび重大な症候を起こしている56才の患者がアブレーションのために来院した。AFは、いくつかの抗不整脈剤にもかかわらず続いていた。この患者の左心房は、少し拡大していた。侵襲性の電気生理学的検査で、上述したようにカテーテルを心房に挿入した。本発明を複数のセンサに適用した。
図16のパネル1610は、肺静脈には位置していないが肺静脈の間にある、左心房内での局所化された根源の出力を示す。根源は反復的なものであった(パネル1620)。パネル1630で、活性化トレール(1630)は、この部位から半径方向に発散する活性化を示す。パネル1640で、左心房の活性化は、細動している(無秩序である)と見られる。この限局性拍動原因にアブレーションを施したところ、AFが急激に止まった。本出願の時点で、患者は、数ヶ月にわたってAFを全く発症していない。これは、パラダイムシフトである。なぜなら、肺動脈を取り囲むこの患者での通常のアブレーション損傷であれば、この根源からは外れていた(missed)からである。したがって、この患者は、AFを治療する先行技術の既知の技法が使用されていた場合、アブレーション後に再発していた可能性が高かった。
【0317】
図17A〜
図17Cは、患者の心臓から複数のチャネルを介して受信される複雑な律動障害に関連付けられた心臓信号を再構成する方法を示す。心臓信号は、心電図(ECG)信号、心臓内部からの信号(電位図)、これらの信号の表現、例えば心磁図信号、または機械的な活動の表現(ドップラー心エコー図またはそれ以外の心エコー電図)、あるいは一般に患者の生物学的律動を表現する任意の信号でよい。心臓信号は、受信して記憶媒体に記録することができる。信号は、患者の心臓から複数のセンサによって捕捉され、チャネルを介して少なくとも1つの計算デバイスに送信される。少なくとも1つの計算デバイスは、
図17A〜
図17Cに従って心臓信号を再構成するように構成される。また、
図17A〜
図17Cは、複雑な律動障害での拍動の活性化時間を決定する構成的方法を示す。さらに、少なくとも1つの計算デバイスは、
図17A〜
図17Cに従って拍動の活性化時点を決定するように構成される。
【0318】
図17Aは、チャネルを介して受信された信号での拍動の品質に従って複数のチャネルを分類するための例示的な方法の流れ図を示す。この方法は、複数のチャネルから1つのチャネルが選択される操作100Aから始まる。チャネルを介して受信される信号(またはその一部)が検索される。操作105Aで、信号からベースライン変動および雑音を取り除くために、1つまたは複数のフィルタが適用される。周波数領域フィルタリング(例えば帯域通過、高域通過、低域通過、および/または他の周波数領域フィルタリング)、および時間領域フィルタリング(例えばメジアン拍動フィルタリング、相関フィルタリングを生成するためのテンプレートマッチング、および/または他の時間領域フィルタリング)など、信号の追加のフィルタリングを行うことができる。操作110Aで、受信された信号の一部が、拍動(例えばテンプレート拍動)の高い信頼性水準の表現として識別または選択される。例えば、テンプレート拍動は、(アルゴリズムで、データベースから、またはユーザ対話によって)1つまたは複数の属性によって選択することができ、そのような属性としては、限定はしないが、許容できる振幅(信号対雑音比>1)、許容できるサイクル長(予想されるレート関連の活動電位期間よりも大きい)、および信号形状を歪めることがある識別可能な雑音がないことが挙げられる。選択されたテンプレート拍動は、信号での他の高信頼性の拍動を識別するために使用される。一実施形態では、テンプレート拍動は、エキスパートシステム115Aを使用して、患者または信号に関連付けられるもう1つの基準に従って、拍動タイプのライブラリから選択することができる。これらの基準としては、限定はしないが、年齢、性別、AFタイプ(発作性または持続性)、AF病歴の長さ、AFサイクル長、信号振幅、心房内部での記録位置(例えば左心房、右心房、冠状静脈洞)、左心室駆出率が挙げられる。
【0319】
操作120Aで、例えば選択されたテンプレート拍動を使用してテンプレートマッチングを行うことによって、信号での連続する拍動が識別される。また、しきい値を超える電圧、またはしきい値を上回る電圧の最大変化率(1次導関数dV/dt)を含めた、信号での拍動を識別する代替法を使用することもできる。操作125Aで、選択された信号が許容できる信号対雑音比(SNR)を有するかどうかについて判断が下される。SNRは、一般には1よりも大きい(すなわち信号がノイズフロアよりも大きい)が、センサの位置および雑音の性質に応じて変えることができる。例えば、信号と雑音が周期的であるが、異なる期間を有する場合、それらの異なるスペクトル特性によってそれぞれを分離することができる。操作125Aで、信号のSNRが許容できないと判断された場合、そのチャネルは、操作130Aで、解釈不能または使用不能なチャネルとしてマークされる。あるいは、操作125Aで、信号のSNRが許容できると判断された場合、例示的な方法は、操作135A〜175Aに進み、このチャネルに関連付けられた信号での拍動に従って、このチャネルを高信頼性チャネルまたは低信頼性チャネルとして分類する。
【0320】
操作135Aで、選択されたチャネルの信号での複数の識別された拍動から、1つの識別された拍動が選択される。操作140Aで、選択された拍動が、活性化開始(例えば偏向)を表す可能性がある複数の成分を含むかどうか判断が下され、それらの成分のうちの1つを、選択された拍動の活性化開始として選択することができる。操作140Aで、選択された拍動が複数の成分を有すると判断された場合、操作145Aで、選択された拍動が「クラスB」の拍動としてタグを付けられ、選択された拍動の成分に関連して活性化開始が選択される。クラスBの拍動は、「クラスA」の拍動とは対照的に高い信頼度で活性化開始を決定することができないものである。クラスAの拍動は、典型的には、低雑音環境での単相であり(すなわち活性化開始が問題とならない複雑でない拍動)、したがって高い信頼度を有する拍動とみなされる。
【0321】
活性化開始は、以下のものの少なくとも1つに基づいて選択される。選択された拍動の最大dV/dt;(自動で選択される、または患者のタイプおよび心臓内の位置に基づいてデータベースから選択される、またはユーザによって対話によって選択される)テンプレートに対する拍動のテンプレートマッチ;選択された拍動の振幅;選択された拍動での成分と、隣接するチャネルでの対応する拍動の成分との比較;および/または別の1つまたは複数の選択基準。その後、この方法は、本明細書で以下に述べる操作150Aに進む。あるいは、操作140Aで、選択された拍動が、活性化開始を表す可能性がある複数の成分を有さないと判断された場合(例えば上で定義したクラスAの拍動(典型的には、低雑音領域での単相の拍動))、活性化開始が選択され、この方法も、本明細書で以下に述べる操作150Aに進む。
【0322】
操作150Aで、選択された活性化開始に基づいて、選択された拍動のサイクル長が許容できるものであるかどうかについて判断が下される。選択された活性化開始からの許容できるサイクル長は、最小値(レート関連の活動電位期間APD)から最大値(定義されたサイクル長CL)までの範囲と定義される。例えば、
図19Cで、偏向608Aは許容できない。なぜなら、それらが、(606Aによって示される)活性化開始から始まる最小のレート関連のAPD内にあるからである。最大のCLは、選択された活性化開始から次の拍動までの時間の尺度である。本発明者の観察から、最小のレート関連のAPDは、90〜400msの範囲内でよい。最大CLも、約90ms〜400msの範囲内でよい。操作150Aで、サイクル長が許容できると判断された場合、選択された拍動は、操作153で「クラスA」の拍動としてタグを付けられる。
【0323】
しかし、操作150Aで、決定されたサイクル長が許容できないものである場合、操作156A、158Aで、選択された拍動の成分(欠陥)は、選択された成分の活性化開始からのサイクル長が操作150Aで許容できるものと判断されるまで、所定数の反復(例えば2回の反復)を繰り返される。(操作140Aから)「クラスA」とみなされた拍動は、典型的には修正されず、すなわちそれらの拍動の活性化開始は、これらの操作によって変更されない。その後、操作160Aで、選択された信号に(または検査される拍動の所定数に対して)残っている拍動がなくなるまで、選択された信号から次の拍動が選択され、選択された拍動に対して操作135A〜160Aが繰り返される。
【0324】
操作165Aで、「クラスA」の拍動が、拍動の総数、または選択されたチャネルの信号において検査される拍動の数の所定のパーセンテージを占めるどうか判断が下される。所定のパーセンテージは、拍動の総数または検査される拍動の75%に選択することができる。他の所定のパーセンテージを使用することもできることに留意されたい。操作165Aで、十分な数のクラスAの拍動があると判断された場合、操作170Aで、選択されたチャネルが高信頼性チャネルとして分類される。あるいは、操作165Aで、十分な数のクラスAの拍動がないと判断された場合、操作175Aで、選択されたチャネルが低信頼性チャネルとして分類される。方法は、操作180Aに進み、そこで、複数のチャネルから次のチャネルが選択され、この選択されたチャネルに対して操作100A〜175Aが繰り返され、最終的に、複数のチャネルが
図17Aに示される例示的方法に従って分類される。
【0325】
図17Bは、チャネルを介して受信された信号における特定の品質の拍動の選択された活性化開始を改定または更新するための例示的方法の流れ図を示す。具体的には、
図17Bの方法は、複数のチャネルのクラスBの拍動に対して反復され、場合によっては、選択された活性化開始を改定または更新する。したがって、この方法は、チャネルが選択され、選択されたチャネルでクラスBの拍動が選択される操作200Aから始まる。選択されたチャネルでクラスBの拍動が処理されると、クラスBの拍動を有する次のチャネルが選択され、最終的に、(
図17Aの操作130Aで解釈不能とマークされたチャネルは除いて)複数のチャネルのクラスBの拍動が処理される。
【0326】
操作210Aで、選択されたチャネルに隣接するチャネルにおいて、選択されたクラスBの拍動に対応する(例えばクラスBの拍動の所定時間内にある)クラスAの拍動が存在するかどうかについて判断が下される。操作210Aで、隣接するチャネルの信号での対応するクラスAの拍動があると判断された場合、方法は、操作220A〜240Aに進む。あるいは、操作210Aで、隣接するチャネルの信号での対応するクラスAの拍動がないと判断された場合、この方法は、以下に述べるように操作250Aに進む。
【0327】
操作220Aで、選択されたクラスBの拍動での活性化開始の選択をガイドするために、対応する(近くの)クラスAの拍動の活性化開始を使用してベクトルが計算される。操作230Aで、計算されたベクトルが、少なくとも1つの特性に基づいて洗練される。計算されるベクトルは、対象のチャネルを取り囲むチャネル位置によって定義される。
図19Bに示されるように、これらの各チャネルでの考慮中の拍動に関して活性化開始が定義される。これらの活性化開始を使用して、(各チャネルの空間的位置が分かっている)
図19Dに示されるような1組の妥当なベクトルを定義する。これらの周囲のチャネル位置に基づくベクトルは、その拍動に関する対象のチャネルに関して、最良の活性化開始時点を決定することができるようにする(例えば
図19D、
図21A、
図22A〜
図22C)。また、選択された拍動の形状もしくは極性の変化に基づいて、またはこの部位からの活性化が回転するか(すなわちロータ)、それとも半径方向であるか(すなわち限局性拍動)に基づいて(これらはどちらも、選択されたクラスB拍動でゼロベクトルを与える)、および/または1つまたは複数の他の特性に基づいて、ベクトルを洗練させることもできる。明らかに、このベクトルは、拍動ごとに(サイクルごとに)異なることがある。
【0328】
操作240Aで、選択されたクラスBの拍動に関して時間インターバル(すなわち許容窓)が定義される。時間インターバルは、選択されたクラスBの拍動の(前の拍動に対する)許容可能な最も早い開始、および(少なくとも1つの特性に基づく)選択されたクラスBの拍動の許容可能な最も遅い開始を示す。考慮または使用される特性には、ベクトル、APD回復、伝達速度(CV)回復、心拡張インターバル(DI)、線維角、1つまたは複数の解剖学的因子、および1つまたは複数の追加の特性が含まれる。具体的には、本発明者は、様々な患者タイプにおいて、様々な心房領域で様々なレートで伝達速度測定値を記録している。これらの伝達速度ダイナミクスを使用して、提案された信号偏向が、計算されたベクトルに沿って伝達するには早すぎるか、または遅すぎるかを判断する。同様に、本発明者は、複数の心房位置での線維角の向き、および解剖学的因子(分界稜などの領域が伝達ブロックを示す既知の傾向など)に基づいて、活動電位期間レートダイナミクスの測定値を記録している。
【0329】
一実施形態では、特性は、患者(例えば、患者が高齢であるかどうか、または非常に大きい心房を有するかどうか。これらについてはどちらもより遅い伝達が予測される)または信号(例えば、信号が比較的単純であるか、それともより複雑であるか)に関連付けられたもう1つの基準に従って、特性のライブラリからエキスパートシステム245Aによって提供することができる。エキスパートシステム245Aで考慮されるパラメータには、年齢、性別、AFが発作性であるか持続性であるか、血圧、心房体積、左心室駆出率、真性糖尿病の有無、および1つまたは複数の他の基準が含まれる。許容窓を定義するためのDIの使用を、本明細書で以下により詳細に説明する。
【0330】
操作250Aで、選択されたクラスBの拍動に関する以前に選択された活性化開始が、許容窓内にあるクラスBの拍動に関する信号の選択された成分(偏向)の活性化開始と比較することによって改定または更新される。一実施形態では、選択されたクラスBの拍動を通る計算されたベクトルに最も近い成分を選択することができる。別の実施形態では、患者または信号に関連付けられるもう1つの基準に従って信号形状のライブラリを記憶するエキスパートシステム255Aを使用して、許容窓内の選択されたクラスBの成分を選択することができる。例えば、年齢、性別、および1つまたは複数の他の基準を使用して、エキスパートシステム255Aで信号形状を分類することができる。したがって、許容窓は、レート、位置、患者背景、および/または1つまたは複数の他の因子に基づいて、拍動ごとに定義することができる。
【0331】
操作260Aで、選択されたチャネルに少なくとも2つのクラスAの拍動があるかどうかについて判断が下される。操作260Aで、選択されたチャネルに少なくとも2つのクラスAの拍動があると判断された場合、方法は、操作265Aに進み、(例えばクラスAの拍動の活性化開始時点の差を取ることによって)クラスAの拍動間のサイクル長の時間インターバルを決定する。操作270Aで、信号の偏向が許容窓内でこの時間インターバルの位置にある、またはその近くにあるかどうか判断するために、選択されたチャネルの信号に沿って、決定された時間インターバルが連続的に進められる。一実施形態では、時間インターバルは、選択されたチャネルの信号で利用可能な場合には、連続するクラスAの拍動に基づいて平均化する(またはメジアンを使用する)ことができる。しかし、操作260Aで、選択されたチャネルにクラスAの拍動がないと判断された場合には、方法は、操作290Aに進む。
【0332】
操作280Aで、選択されたクラスBの拍動の改定または更新された活性化開始が、決定された時間インターバルの第2の活性化開始と調和され、調和された活性化開始を割り当てられる。一実施形態では、これらの開始の平均に最も近い(許容窓内の)偏向を、調和された活性化開始として選択することができる。他の実施形態は、(重要性の順に重み付けされた)これらの活性化時点の1つに最も近い偏向、または操作145A、250A、もしくは270Aからの他の出力を使用することができる。
【0333】
操作290Aで、選択されたチャネルの信号から次のクラスBの拍動が選択され、この方法は、次のクラスBの拍動に対して操作200A〜290Aを繰り返す。選択されたチャネルでクラスBの拍動が処理されると、クラスBの拍動を有する次のチャネルが選択され、最終的に、
図17Aでマークされた解釈不能なチャネルは除いて、複数のチャネルのクラスBの拍動が
図17Bに従って処理される。
【0334】
図17Cは、複数のチャネルを介して受信された信号でのすべての拍動の最終的な活性化開始を選択するための例示的方法の流れ図を示す。具体的には、
図17Cの方法は、複数のチャネル(高信頼性チャネルおよび低信頼性チャネル。
図17Aでマークされた解釈不能なチャネルは除く)にわたってクラスAおよびクラスBの拍動に対して繰り返され、拍動に関連付けられる活性化開始を最終決定する。したがって、この方法は、チャネルが選択される操作300から始まる。操作310Aで、選択されたチャネルで拍動が選択される。
【0335】
操作320Aで、それぞれ
図17Bの操作220Aおよび240Aで述べたのと同様に、選択された拍動を通るベクトルが計算され、選択された拍動に関して許容窓が定義される。
図17Cの操作は、ここではベクトルをクラスAの拍動および(
図17Bにおいて改定された)クラスBの拍動から計算することができるという点で、前述の操作とは異なる。この目的は、すべてのクラスAの拍動とクラスBの拍動の間で活性化開始が一致していることを保証することである。ここで生じている不一致を最小限にするために、活性化開始の最終的な調整を行うことができる。一実施形態では、許容窓を定義するために、エキスパートシステム325Aを使用して、APDおよびCV回復、DI、および/または他の特性など1つまたは複数の特性を提供することができる。操作330Aで、計算されたベクトルが、少なくとも1つの特性に基づいて洗練される。例えば、計算されたベクトルは、心房上にマッピングされたときの波面曲率、拍動信号形状、既知の解剖学的因子、例えば分界稜での伝達ブロック、推定される線維角、および/または1つまたは複数の他の特性に基づいて洗練することができる。一実施形態では、これらの因子は、患者の年齢、性別、AFが発作性であるか持続性であるか、血圧、心房体積、左心室駆出率、真性糖尿病の有無、および1つまたは複数の他の基準に基づいて、エキスパートシステム335Aにおいて定量化および符号化される。操作338Aで、選択された拍動に関して、選択された拍動をベクトルが横切る許容窓内で活性化開始が決定される。
【0336】
操作340Aで、(
図17Bからの)選択された拍動に関する以前の活性化開始が、選択された拍動の現在決定された活性化開始と近似的に等しい(例えば所定のしきい値内にある)かどうかについて判断が下される。操作340Aで、選択された拍動に関する以前の活性化開始が近似的に等しいと判断された場合、この方法は、以下の操作370Aに進む。あるいは、操作340Aで、選択された拍動に関する以前の活性化開始が近似的に等しくないと判断された場合には、この方法は、操作350Aに進む。
【0337】
操作350Aで、以前の活性化開始が現在の活性化開始と調和されて、調和された活性化開始が得られる。一実施形態では、これらの活性化開始の平均に最も近い(許容窓内の)偏向を、調和された活性化開始として選択することができる。エキスパートシステム355Aを使用してサイクル長の推定値を提供することができ、この推定値を使用して、この場合には信号がこのチャネルで規則性を示すと仮定して、特定の拍動に続く各活性化開始の位置を推定することができる。操作360Aで、活性化開始の調和が必要とされるかどうかについて判断が下される。操作360Aで、調和が必要とされた場合、操作363Aで、選択された拍動のタグ付けが、クラスBの拍動へと更新される。しかし、操作360Aで調和が必要とされなかった場合には、操作368Aで、選択された拍動のタグ付けが、クラスAの拍動へと更新される。
【0338】
操作363Aおよび368Aの後、この方法は、操作370Aに進み、調和された活性化開始、(操作338Aからの)決定された活性化開始、または(操作280Aからの、またはクラスAの拍動に関して操作140Aおよび153Aを参照して述べた)既存の活性化開始が、選択された拍動に関する最終的な活性化開始として選択される。操作380で、選択されたチャネルですべての拍動が処理されるまで、選択されたチャネルで次の拍動が選択され、選択された拍動に対して操作320A〜370Aが繰り返される。選択されたチャネルですべての拍動が処理されると、操作390Aで次のチャネルが選択され、選択されたチャネルに対して操作310A〜380Aが繰り返され、最終的に、
図17Aでマークされた解釈不能のチャネルを除いてすべてのチャネルが
図17Cに従って処理される。
【0339】
心拡張インターバル(DI)と活動電位期間(APD)の関係を使用して、信号の拍動での活性化開始を識別することができる。複雑な律動障害(例えば心臓細動)において、チャネルを介して受信された信号でのクラスBの拍動の活性化開始を正確に決定するには信号の品質が不十分であるとき、以前のDIに対するAPDの依存性と共に、信号でのクラスAの拍動の活性化開始を使用して、クラスBの拍動に関する許容窓を推定することができる。より具体的には、信号から活動電位(AP)トレースを再構成するために、各活性化サイクルに関して、以前のDIに基づいてAPDを定義することができる。
【0340】
任意の定義されたAPDが事前定義された最小値(例えば90ms)未満であるか、またはAPDがそれ以内に収まらなければならない利用可能なサイクル長(CL)を超えるときには、AP再構成の試行は失敗と考えられる。
図18に示されるAPトレースは、そのような失敗を示す。
【0341】
例えば、破線を選択された活性化開始とみなし、曲がった垂直線をAP再構成でのAPDとみなすと、第5のAPDは、次の活性化開始に達する前に、再活性化のための許容レベルになっていない。これは再構成の失敗と考えられ、使用されたAPD−DI関係と、最初のAPD(DIシード)を計算するために使用された初期DIとの対が、実際のAPDを表すには有効でないことを示唆する。APD−DI関係が不適切であった、DIシードが不適切であった、またはその両方であった可能性がある。
【0342】
DIと後続のAPDとの関係が分かっている場合、DI−APD関係での定数に関するある範囲の値にわたる複数回の計算を行わずに、患者特有の回復曲線を使用して一連の選択された活性化開始をチェックすることができる。患者特有の回復曲線に従って、適切に再構成されたAPトレースをもたらすDIシードがない場合には、一連の活性化開始が不適切とみなされる。APトレースを再構成するとき、(最初の4つの活性化開始の後の)任意の低信頼性の活性化開始に関して、(各DIシードに関する)過度に多数の再構成の試行が失敗する場合、その活性化開始は不適切と考えられ、再評価すべきである。
【0343】
線形または対数関数(アルゴリズム)を使用して、DIとAPDを関係付けることができる。例えば、線形関数は、APD=C1*DI+C2でよい。対数関数は、APD=C
1*ln(DI)+C
2でよい。DIとAPDの関係における定数が分かっていない場合、線形関数APD=C1*DI+C2を仮定することができる。AP再構成は、妥当なDIシードに関して、および妥当な定数C1およびC2に関して行うことができる。マークされた各活性化開始に関して、AP再構成の失敗の総数を追跡することができる。AP再構成の失敗の数は、最初のいくつかの活性化開始において最大であると予想される。これは、不適切なDIシードおよび定数は通常、最初のいくつかの活性化開始においてシーケンスに適合しないからである。AP再構成において、その後、過度に多数の失敗が生じた場合、活性化開始は、「妥当でない」とみなされ、検討および/またはさらなる分析のためにマークされる。
【0344】
DIとAPDの関係が心臓内のすべての位置に関して不変であると仮定される場合、高信頼性の活性化開始を有する信号においてトレース再構成の失敗をもたらす定数C1およびC2を除外することによって、計算の精度を改善することができる。このようにして、前述のアルゴリズムは、分析される特定の患者に当てはまらない可能性が高い数学的なDI−APD関係をすべて除外する。
【0345】
図19Aは、複雑な律動障害中に患者の心臓から心臓(電気的)活動を受信するセンサから得られる複数の時間変動信号404を示す。センサは、患者内に導入された心臓カテーテル内に含めることができ、または患者の体外に配設することもできる。各信号は、「A1A2」、「B3B4」、および「B5B6」などの信号識別子によって表される。
図19Aに網掛け部分によって示される例示的なスナップショットまたは窓402Aは、指定された時間間隔(例えば2ms)内での12個の心臓信号404Aそれぞれに対する例示的な活動を表す。心臓信号402Aは、心房細動(AF)など複雑な律動障害中における、対応するセンサが位置される心房内の様々な位置の電気的な心臓活動を表す。「最も早い」活性化開始の検出は、
図19Aに示される心臓信号404Aの目視検査のみでは不可能であることに留意されたい。なぜなら、信号404Aからの最も早い活性化開始の検出を可能にするような心臓信号404Aでの判別可能な休止期間はないからである。
【0346】
図19Bは、
図19Aに示される窓402A内での電気的活動の部分のみを示す。垂直線504Aが、時間変動心臓信号それぞれに関する活性化開始を表す。
図19Bに示される心臓信号から容易に分かるように、少なくともC5C6、C7C8、およびD7D8によって識別される信号に関する活性化開始504Aは、よく定義されない。矢印512Aは、隣接する時間変動心臓信号での対応する点をつなぐベクトルを定義する。理解できるように、
図19Bに示される信号において、判別可能な最も早い活性化開始は存在しない。すなわち、単純に活性化を最も早いチャネル(この場合はチャネルC7C8)に遡及させることはできない。これは、(上室頻拍などの律動とは異なり)AFでは、複数の共存する波が存在することがあるからである。
図19Dは、これらのあり得る波方向のいくつかを図示し、複数のあり得る波経路を示す。最大および最小の可能な伝達速度、および上述した他の生理学的特性を考慮することで、各電極における観察された連続的であり変動する複雑な信号を記述している可能性がより高い、またはより低い波経路が決定される。
【0347】
図19Cは、複数の偏向があるため活性化開始を決定することができない符号C7C8によって識別される信号の拡大図、および対応するレート調節された活動電位期間(APD)の表示(要素606)を示す。レート調節されたAPD606は、この特定のチャネルC7C8での信号が、レート調節されたAPD606Aの終了の近くまでは生じることができないことを示す。このことを用いて、矢印608Aによって示されるようなAPD606A中に生じる信号C7C8の偏向を除外して、それらの偏向を活性化開始とみなさないようにする。これは、APD(「再分極」)606Aの期間に心臓組織は物理的に再活性化することができないからである。当然、APD606Aの実際の位置は、以前の活性化開始時点610Aのタイミングに依存する。
【0348】
図19Dは、心臓センサまたは電極の位置の2次元表現であり、これは、患者の心室での格子を提供する。「B78」、「C56」、および「D12」など格子上の点の表現は、
図19Aおよび
図19Bに示される「B7B8」、「C5C6」、および「D1D2」などそれぞれ対応する時間変動心臓信号を提供するために使用される電極またはセンサに対応する。したがって、センサ「B78」は時間変動心臓信号「B7B8」に対応し、センサ「C56」は心臓信号「C5C6」に対応する。
図19Dにおいて指定されたセンサをつなぐ矢印714Aは、患者の心房の対応する位置の間で方向付けられたベクトルを表す。したがって、心臓信号C5C6での情報のみを使用して、どちらも活性化が既知であるセンサC78からC34へのベクトルの非線形補間を用いて、信号C5C6に関連付けられる活性化開始を決定することができる。センサB34からC34へのベクトルなど別のベクトルは見込みがない。なぜなら、それらは、心臓組織が示すには速すぎる伝達速度を必要とするからである。心臓信号D7D8は、典型的には、解釈不能なチャネルまたは信号として除外される。
【0349】
図20Aは、
図19Aに示される時間変動心臓信号での拍動を検出し、活性化開始を決定し、雑音を無視するための様々な方法の例を示す。高信頼性チャネルからの時間変動心臓信号は、信号802Aとして示される。信号802Aでの活性化開始にマークまたはタグ付けするために、信号802Aの所与の時間間隔におけるより判別可能な偏向(または拍動)の1つからテンプレート804Aを導出することができる。次いで、このテンプレート804Aを使用して、相関関数または他の方法を用いることによって、信号802での後続の拍動および前の拍動を検出することができる。信号802Aでの活性化開始にタグを付けるために使用することができる別の方法は、レート適合されたAPD806Aを使用して示され、これは、
図19Cを参照して基本的に上述した。すなわち、APD806Aの終了808A前に信号802で生じる偏向は、除去されるか、または雑音として分類される。なぜなら、心臓組織がこの時間中に再活性化することは物理的に不可能であるからである。したがって、矢印810によって示される偏向は、考慮する活性化開始から除外される。活性化開始を正確に決定するさらに別の方法は、
図20Aで矢印812Aによって示されるように、指定された周波数範囲または帯域内で雑音をフィルタ除去することによるものであり、この雑音も次いで活性化開始としての考慮から除外される。活性化開始時点は、テンプレートマッチ、所定の電圧しきい値との交差、および最大dV/dt(時間に対する電圧の最大変化率または時間変動心臓信号の傾きとして定義される)の組合せを使用して決定される。
【0350】
図20Bは、低信頼性チャネルからの信号902Aを示す。低信頼性チャネルに関して、様々なテンプレートを使用して、信号成分の様々な形状または偏向を検出することができる。したがって、
図20Bでの「A」、「B」、および「C」によって識別される複数の異なる形状それぞれに関連付けられる活性化開始を検出するために、異なるテンプレートを定義して使用することができる。
【0351】
図20Cは、複雑なチャネルからの信号1010Aを示し、この信号1010Aでは、個々の拍動表現の形状が拍動ごとに大きく変化する。上述した方法の中にベクトルおよびAPD回復方法があり、これを使用して、このタイプの信号に関する活性化開始を決定することができる。
【0352】
図21Aおよび
図21Bは、ベクトルを使用してクラスBの拍動に関する活性化開始を決定する方法を定義するために、それぞれ
図19Bおよび
図19Dに示されているものに対する追加の詳細を与える。
図19Bと同様に、
図21Aに示される短い垂直線1102Aは、時間変動心臓信号に対して決定された例示的な活性化開始を表す。各垂直線の傍に記された数値1104Aは、所与の開始時点に対する、対応する時間変動心臓信号に関する活性化開始の時点を表す。例えば、「37」と記されている心臓信号B3B4に関する活性化開始時点は、「42」と記されている心臓信号B1B2に関する活性化開始時点の前に生じる。
図21Bは、「B34」、「B12」、「C12」、および「D12」などの識別番号1106によって表されるセンサのマトリックスまたは格子を示す。見込みのあるベクトルが、特定のセンサ1106Aをつなぐ矢印または線1108Aとして
図21Bに示されている。例えば、Bチャネルとして表される心臓信号C5C6での活性化開始は、決定的な活性化開始を有する周囲のチャネルからのベクトルを使用して決定することができると仮定する。
図21Bから、(活性化開始が分かっていない)心臓信号C5C6を通る最も見込みのあるベクトル経路は、センサC78からC34へのものである。なぜなら、例えばセンサC56を通る他の経路は、速すぎる伝達速度を示す(センサB56からC56へのものなど)か、またはセンサC78からC34へのものよりも蓋然性が低い(例えば、センサB78、B56、C78、およびC56を通るジグザグ進行など)からである。したがって、分析の結果は、心臓信号C5C6に関する活性化開始が、センサC78とC34、したがってそれぞれ心臓信号C7C8およびC3C4に関連付けられる活性化開始の間でのベクトル(直線である必要は必ずしもない)を使用して導出されることを示す。
【0353】
図22A〜
図22Cは、本出願で説明する方法およびシステムによる選択された活性化開始からの、細動時の再構成された波経路の表示を示す。活性化開始は、2次元アレイまたは格子に配列された数値(単位はミリ秒)として提供される。
図22A〜
図22Cそれぞれに示される数値の格子は、
図19B、19D、および21Bに示される心臓センサの格子に対応し、したがって、同じ位置にある対応する心臓センサによって決定される活性化開始時点を表す。各チャネルに関して、考慮中の拍動は、その活性化開始時点をミリ秒単位で表す数値、およびそこから得られるこの2次元空間にわたる活性化ベクトルを与えられる。これらの活性化時点は、
図17Bからの初期割当て後に、クラスAの拍動あるいはまたクラスBの拍動を示すことがあることに留意されたい。低信頼性チャネルは、疑問符で示される。波経路は、同じまたは同様の活性化開始の空間的な輪郭として再構成される。例えば、
図22Aで、非常に類似した活性化開始(12msおよび11ms)を有する2つのセンサをつないで等高線1302Aが描かれ、約11ms〜12msでの波面の位置を表す。同様に、類似した活性化開始時点(90ms、81ms、および81ms)に関連付けられるセンサをつないで等高線1304Aが描かれ、約81ms〜90msでの波面の位置を表す。各等高線は、残りの等高線に対する各等高線の相対時間を示すようにマークされる。したがって、最も早い等高線は記号「E」で示され、線1306Aとして識別される最も遅い等高線は記号「L」で示される。矢印1310A、1312Aは、等高線を横切って波が伝播するときのベクトルの方向を示す。したがって、
図22Aは、2つの別個のベクトル1310A、1312Aの衝突を示す。等高線およびベクトルを使用して、疑問符でマークされた低信頼性の信号での活性化開始を定義する。
【0354】
さらに、APD回復および再分極時間、ならびに線維角(解剖学的経路)を使用して、活性化開始が決定される。例えば、線維角が、示される衝突時の伝播のベクトルに垂直である場合、これは、結果に信頼性を加える。そうでない場合、このゆっくりとした外観を与えるクラスBのチャネルでの特定の偏向によって活性化開始時点が歪められないことを保証するために、さらなる反復が必要とされることがある。一般に、線維角に垂直な波伝播は、線維角に平行な伝播よりも遅いと予想される。線維角は、実験から、ならびに心室内の特定の位置、例えば左心室前壁やPapezのseptopulmonary束での既知の角度および異方性から与えられる。
【0355】
拍動形状の変化または経路の不連続性は、青線として示される。一般に、拍動信号の極性の反転は、波が双極記録電極を逆方向に通過していることを示すと考えられる。この情報は、実質的な拍動極性変化の時点で波の輪郭が実際に変化したかどうか判断するために、追加の検証ステップとして使用することができる。
【0356】
同様に、
図22Bは、別の例示的な表示を示し、それによって定義される波面は、「E」から「L」への等高線1402A〜1412Aの進行および矢印1414Aによって示されるように、ロータまたは回転パターンである以外は上記の例と同じ表示を示す。。
【0357】
同様に、
図22Cは、等高線1502Aによって定義される中心位置から発散する限局性拍動を表す例示的な表示を示し、これは、等高線1506Aに向けて矢印1504Aに沿って外方向に進む。
【0358】
図23Aは、センサ1602Aのマトリックスの2次元表現を示し、センサ1602Aは、手描き形状で示される心房表面上に重ね合わされた点または電極位置として示される。この形状は、僧帽弁の平面を通って水平方向に切断した左心房を示し、2つの半分の部分が上下に折り畳まれている。したがって、上部は上側僧帽弁を示し、下部は下側僧帽弁を示す。
【0359】
図23Bは、
図23Aに示される心臓電極またはセンサ1602Aのうちの9個から得られる時間変動心臓信号を示す。心臓信号は、生の信号1702Aとして表される。なぜなら、それらは、心臓センサから直接得られるか、または最小量の処理またはフィルタリングのみを行って得られるからである。
【0360】
図23Cは、当技術分野で知られている従来の方法を使用して、
図23Bに示される生の信号1702Aから得られる例示的な表示を示す。表示は生の信号から直接得られているので、結果は、複雑な律動障害に関連付けられる原点または最も早い活性化開始を示すパターンをなんら示さない(すなわち活性化トレールを示さない)複数の遷移パターンを含む込み入ったマップである。
図24Aの表示は、
図23Aに示される格子に対応し、格子内の位置は、心臓体積内の位置に関係付けられるので、センサの位置に対応する。この表示に示される網掛け領域は、表示の右側にあるスケール1802Aに従って、所与の開始時点に対する活性化開始を表す。グレースケール1802Aは、活性化開始に関連付けられる網掛けを(例えばミリ秒単位で)示す。したがって、例えば、領域1804Aで示される表示の部分は、領域1806Aで示される部分よりも早い活性化開始を有し、領域1806Aで示される部分は、領域1808Aで示される部分よりも早い。
【0361】
図23Cは、本明細書で述べるシステムおよび方法に従って9個の生の信号それぞれでの拍動に関する活性化開始にタグを付けた結果を示す。活性化開始は、点線1902Aとして示される。
図17A〜
図17Cに概説したプロセスを使用して、
図23Cでの垂直線によって示される各チャネルでの各拍動に関する活性化時点を生成する。
【0362】
図24Bは、
図23Cでの活性化開始時点のタグ付けから導出された例示的な表示を示し、ここで、ロータは、コアの周りの矢印2002によって示されるように、赤色の領域(「R」で示す)から青色の領域(「B」で示す)に達するまで、これらの網掛け領域間の様々なグレースケール網掛け網掛け領域を通って進む場所として示される。このコアは、活性化がその周りで回転してロータを生成する支点である。
図24Bでの表示が、
図24Aで示される表示からは検出不可能であったロータを明瞭に示すことに留意されたい。また、ロータコアの厳密な位置は、時間にわたって空間的に移動(移行)することがあるが、典型的には小さな空間的位置(「地点(locus)」)に留まることにも留意されたい。
【0363】
図23Dは、活動電位期間(APD)2102Aの再構成を示し、この活動電位期間2102Aは、
図23Cで決定された活性化開始から始まり、その後、指定された時間または減衰の間にわたる。したがって、APD2102Aは、活性化開始2104Aで始まり、APDの終了2106Aまで続く。
【0364】
図24Cは、
図23Cで決定されたタグ付きの活性化時点と、
図23Dで決定された再構成されたAPDを使用して、等高線2202Aで示される脱分極線と、等高線2204Aで示される再分極線との交点を定義する表示を示す。具体的には、再構成された各APD時間系列が、ヒルベルト変換への入力として使用される。デトレンドアルゴリズムを適用して、活性化時間での電圧をゼロに設定する。ヒルベルト変換を使用して、デトレンドされた信号の位相面を構成する。次いで、すべての電極でのヒルベルト変換が、細かい規則的な格子にわたって補間される。トポロジカルチャージ技法を用いて位相の空間分布が分析されて、リエントリ性の波の先端などでの波面の端部に関連付けられる位相特異点を位置特定する。次いで、活性化波面が、アクティブエッジ技法を使用して、ゼロ位相の等位相線を追跡することによって構成される。要約すると、時間スナップショットに関して、線2202Aが、組織にわたる脱分極の前縁を示し、線2204Aが、再分極の後縁を示す。これらの線の交点がロータコアを示す。臨床での実践への還元によって、このロータコアは、狙いを定めたアブレーションエネルギーがAFを収束させて解消することができる位置であることが示されている。脱分極または再分極電流の送達や、遺伝子療法や他の活性剤の送達など他の治療も、ロータが位置する組織の地点(空間領域)に適用することができる。
【0365】
これらの同じ技法が限局性拍動を表すこともでき、これに関しては、活性化時点の等高線およびヒルベルト変換が、限局性拍動の原点から発散する活性化を表し、律動が心房細動または心室細動をもたらす場合には、それに続く無秩序化を伴う(それに関する治療の例は上述した)ことに留意されたい。
【0366】
図25は、コンピュータシステム2300Aのブロック図である。コンピュータシステム2300Aは1組の命令を含み、この命令を実行しては、
図17A〜
図24Cに関して本明細書で開示した方法またはコンピュータベースの機能の任意の1つまたは複数をコンピュータシステム2300Aに行わせることができる。コンピュータシステム2300Aまたはその任意の部分は、スタンドアローンデバイスとして動作することができ、または
図17A〜
図24Cに関して本明細書で開示した他のコンピュータシステムまたはデバイスに(例えばネットワーク2324Aを使用して)接続することもできる。例えば、コンピュータシステム2300Aは、
図1〜
図24Cに関して本明細書で開示したカテーテル、計算デバイス、サーバ、生物学的センサ、および/または任意の他のデバイスまたはシステムのうちの任意の1つまたは複数を含むことができ、またはその内部に含めることができる。
【0367】
ネットワーク化された展開では、コンピュータシステム2300Aは、サーバ−クライアントネットワーク環境でのサーバもしくはクライアント機械、またはピアツーピア(もしくは分散)ネットワーク環境でのピア機械の機能で動作することができる。また、コンピュータシステム2300Aは、様々なデバイスとして実装することができ、または様々なデバイスに組み込むことができ、そのようなデバイスは、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、携帯情報端末(PDA)、ウェブアプライアンス、通信デバイス、モバイルデバイス、サーバ、クライアント、または機械が取るべき動作を指定する1組の(逐次または他の)命令を実行することができる任意の他の機械である。さらに、単一のコンピュータシステム2300Aが示されているが、用語「システム」は、1つまたは複数のコンピュータ機能を行うために1組または複数組の命令を個別にまたは協働して実行するシステムまたはサブシステムの任意の集合を含むと解釈されるものとする。
【0368】
図25に示されるように、コンピュータシステム2300Aは、処理装置2302A、例えば中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)、またはそれら両方を含むことができる。さらに、コンピュータシステム2300Aは、メインメモリ2304Aおよびスタティックメモリ2306Aを含むことができ、これらは、バス2326Aを介して互いに通信することができる。図示されるように、コンピュータシステム2300Aは、さらに、ビデオ表示ユニット2310A、例えば液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、フラットパネルディスプレイ、ソリッドステートディスプレイ、または陰極線管(CRT)を含むことがある。さらに、コンピュータシステム2300Aは、入力デバイス2312A、例えばキーボード、およびカーソル制御デバイス2314A、例えばマウスを含むことがある。また、コンピュータシステム2300Aは、ディスクドライブユニット2316A、信号発生デバイス2322A、例えばスピーカや遠隔制御装置、およびネットワークインターフェースデバイス2308Aを含むこともある。
【0369】
図25に示される特定の実施形態では、ディスクドライブユニット2316Aは、機械またはコンピュータ可読媒体2318Aを含むことがあり、そこに1組または複数組の命令2320A(例えばソフトウェア)を埋め込むことができる。さらに、命令2320Aは、
図1〜
図24Cを参照して本明細書で説明した1つまたは複数の方法、機能、または論理を具現化することができる。特定の実施形態では、命令2320Aは、コンピュータシステム2300Aによる実行中に、メインメモリ2304A、スタティックメモリ2306A、および/または処理装置2302Aに完全に、または少なくとも一部、常駐することができる。また、メインメモリ2304Aおよび処理装置2302Aがコンピュータ可読媒体を含むこともある。
【0370】
代替実施形態では、本明細書で述べた方法、機能、または論理の1つまたは複数を実装するために、専用のハードウェア実装形態、例えば特定用途向け集積回路、プログラマブル論理アレイ、および他のハードウェアデバイスを構成することができる。様々な実施形態の装置およびシステムを含むことがあるアプリケーションは、様々な電子およびコンピュータシステムを広範に含むことができる。本明細書で述べる1つまたは複数の実施形態は、モジュール間で、およびモジュールを介して通信することができる関連の制御信号およびデータ信号を用いて、相互接続された2つ以上の専用のハードウェアモジュールまたはデバイスを使用して機能を実装することができ、または特定用途向け集積回路の一部として機能を実装することができる。したがって、本発明によるシステムは、ソフトウェア、ファームウェア、およびハードウェア実装形態を包含する。
【0371】
様々な実施形態によれば、本明細書で述べた方法、機能、または論理は、処理装置可読媒体で有形に具現化され、処理装置によって実行することができるソフトウェアプログラムによって実装することができる。さらに、例示的な非限定的な実施形態では、実装が、分散処理、コンポーネント/オブジェクト分散処理、および並列処理を含むことができる。あるいは、本明細書で述べた方法、機能、または論理の1つまたは複数を実装するために、仮想コンピュータシステム処理を構成することができる。
【0372】
コンピュータ可読媒体は、単一の媒体として示されているが、用語「コンピュータ可読媒体」は、1組または複数組の命令を記憶する単一の媒体または複数の媒体、例えば中央データベースもしくは分散データベース、および/または関連のキャッシュやサーバを含む。また、「コンピュータ可読媒体」は、処理装置によって実行するための1組の命令を記憶、符号化、もしくは担持することができる任意の媒体、または本明細書で開示した方法、機能、論理、もしくは操作の任意の1つまたは複数をコンピュータシステムに実施させる任意の媒体を含むものとする。
【0373】
特定の非限定的な例示的実施形態では、コンピュータ可読媒体は、1つまたは複数の不揮発性の読み出し専用メモリを収納するメモリカードまたは他のパッケージなどソリッドステートメモリを含むことができる。さらに、コンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリまたは他の揮発性の書き換え型メモリでもよい。さらに、コンピュータ可読媒体は、伝送媒体を介して通信される信号など搬送波信号を捕捉するために、磁気光媒体または光媒体、例えばディスクまたはテープまたは他の記憶媒体を含むことができる。電子メールへのデジタルファイル添付や、他の自立型の情報アーカイブまたはアーカイブの組を、有形の記憶媒体と同等の配布媒体とみなすことができる。したがって、本開示は、データまたは命令を記憶することができるコンピュータ可読媒体または配布媒体および他の均等物ならびにサクセサ媒体の任意の1つまたは複数を含むものとみなされる。
【0374】
様々な実施形態によれば、本明細書で述べる方法、機能、または論理は、コンピュータ処理装置上で実行される1つまたは複数のソフトウェアプログラムとして実装することができる。同様に、限定はしないが、特定用途向け集積回路、プログラマブル論理アレイ、および他のハードウェアデバイスを含めた専用ハードウェア実装形態も、本明細書で述べる方法を実施するように構成することができる。さらに、限定はしないが、分散処理またはコンポーネント/オブジェクト分散処理、並列処理、または仮想機械処理を含めた代替のソフトウェア実装形態も、本明細書で述べた方法、機能、または論理を実施するように構成することができる。
【0375】
また、開示した方法、機能、または論理を実施するソフトウェアは、任意選択で、有形の記憶媒体に記憶することができることに留意されたい。そのような有形記憶媒体は、例えば、磁気媒体、例えばディスクやテープ;磁気光媒体もしくは光媒体、例えばディスク;またはソリッドステート媒体、例えば、1つまたは複数の読み出し専用(不揮発性)メモリ、ランダムアクセスメモリ、もしくは他の書き換え型(揮発性)メモリを収納するメモリカードもしくは他のパッケージである。電子メールへのデジタルファイル添付や、他の自立型の情報アーカイブまたはアーカイブの組が、有形の記憶媒体と同等の配布媒体とみなされる。したがって、本開示は、本明細書におけるソフトウェア実装を記憶することができる本明細書に列挙した有形の記憶媒体または配布媒体、および他の均等物、ならびにサクセサ媒体を含むものとみなされる。
【0376】
以上、生物学的な(複雑な)律動障害の検出、診断、および治療のための方法、システム、および装置を述べてきた。具体的な例示的実施形態を説明してきたが、本明細書で述べた進歩性のある主題(発明)のより広範な範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に様々な修正および変更を施すことができることは明らかである。したがって、本明細書および図面は、限定の意味合いではなく、例示とみなすべきである。本明細書の一部を成す添付図面は、限定ではなく例として、主題を実施することができる具体的な実施形態を示す。例示した実施形態は、本明細書で開示した教示を当業者が実施できるように十分に詳細に述べてある。他の実施形態を利用することができ、また例示した実施形態から他の実施形態を導き出すことができ、したがって、本開示の範囲から逸脱することなく、構造および論理上の置換および変形を施すことができる。したがって、発明を実施するための形態は、限定の意味合いとみなされるべきでなく、様々な実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲、およびそのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等形態の全範囲のみによって定義される。
【0377】
進歩性のある主題のそのような実施形態を、本明細書では個別におよび/または総称して単に便宜上「発明」と呼ぶことがあり、これは、実際に複数のものが開示されている場合、任意の単一の発明または進歩性のある概念に本明細書の範囲をあえて限定する意図はない。したがって、具体的な実施形態を本明細書で例示して説明してきたが、同じ目的を実現するように考慮された任意の構成を、図示される具体的な実施形態の代わりに用いることができることを理解すべきである。本開示は、様々な実施形態のあらゆる適応形態または変形形態を網羅するものと意図される。上述した実施形態、および本明細書で具体的には述べていない他の実施形態の組合せは、上記の説明を検討すれば当業者には明らかであろう。
【0378】
前述の実施形態の説明では、本開示を合理化する目的で、様々な特徴を単一の実施形態にまとめてある。この開示法は、特許請求される実施形態が、各請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を有することを反映するものと解釈すべきではない。そうではなく、添付の特許請求の範囲が反映するとき、進歩性のある主題は、単一の開示された実施形態のすべての特徴ではない。したがって、添付の特許請求の範囲は、各請求項が個別の例示的実施形態として独立した状態で実施形態の説明に組み込まれる。
【0379】
参考文献
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