特許第5936146号(P5936146)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5936146全高調波歪みが低減されたLED照明用の駆動回路
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5936146
(24)【登録日】2016年5月20日
(45)【発行日】2016年6月15日
(54)【発明の名称】全高調波歪みが低減されたLED照明用の駆動回路
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20160602BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20160602BHJP
【FI】
   H05B37/02 J
   H01L33/00 J
【請求項の数】14
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-550625(P2013-550625)
(86)(22)【出願日】2012年1月20日
(65)【公表番号】特表2014-516452(P2014-516452A)
(43)【公表日】2014年7月10日
(86)【国際出願番号】US2012022059
(87)【国際公開番号】WO2012100183
(87)【国際公開日】20120726
【審査請求日】2015年1月20日
(31)【優先権主張番号】61/435,258
(32)【優先日】2011年1月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513183500
【氏名又は名称】ワンス イノヴェイションズ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Once Innovations,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】クラジカー,ズデンコ
【審査官】 宮崎 光治
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5550716(JP,B2)
【文献】 特開2009−182074(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B37/00−39/10
H01L33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の発光ダイオード(LED)グループ、第1のトランジスタおよび第1の抵抗器の第1の直列相互接続と、
第2のLEDグループ、第2のトランジスタおよび第2の抵抗器の第2の直列相互接続とを備える回路において、
前記第2の直列相互接続が前記第1のトランジスタのドレイン端子とソース端子との間に接続され、
前記第1および第2のLEDグループは、前記第1の直列相互接続の両端間に印加される可変電圧によって選択的に起動され、
前記回路が、1組の入力端子側でAC駆動電圧を受信する整流器であって、前記受信したAC駆動電圧を整流し、1組の出力ノード側で前記可変電圧として前記整流した電圧を出力する整流器をさらに備え、
前記第1のLEDグループの陽極は、前記整流器の前記1組の出力ノードの一方と結合され、
前記第1のLEDグループの陰極は、前記第1のトランジスタの前記ドレイン端子と結合され、
前記第1のトランジスタの前記ソース端子は、前記第1の抵抗器の第1の端子と結合され、
前記第1のトランジスタのゲート端子は、前記第1の抵抗器の第2の端子と、前記整流器の前記1組の出力ノードの他方とに結合される、
ことを特徴とする回路。
【請求項2】
請求項1に記載の回路において、
前記第2のLEDグループの陽極は、前記第1のトランジスタの前記ドレイン端子と結合され、
前記第2のLEDグループの陰極は、前記第2のトランジスタのドレイン端子と結合され、
前記第2のトランジスタのソース端子は、前記第2の抵抗器の第1の端子と結合され、
前記第2のトランジスタのゲート端子は、前記第2の抵抗器の第2の端子と、前記第1のトランジスタの前記ソース端子とに結合される
ことを特徴とする回路。
【請求項3】
請求項1に記載の回路において、
第3のLEDグループ、第3のトランジスタおよび第3の抵抗器の第3の直列相互接続をさらに備え、
前記第3の直列相互接続は前記第2のトランジスタのドレイン端子とソース端子との間に接続される、
ことを特徴とする回路。
【請求項4】
請求項1に記載の回路において、前記第1および第2のトランジスタは、空乏型MOSFETトランジスタであることを特徴とする回路。
【請求項5】
請求項4に記載の回路において、
前記第1の抵抗器は、前記第1のトランジスタの前記ソース端子とゲート端子との間に結合され、
前記第1のトランジスタは、前記可変電圧が第1の閾値を超える際に導電状態から非導電状態へと移行する
ことを特徴とする回路
【請求項6】
請求項5に記載の回路において、
前記第2のLEDグループは、前記可変電圧が前記第1の閾値を超える際に選択的に起動される
ことを特徴とする回路。
【請求項7】
請求項5に記載の回路において、
前記第1および第2のLEDグループは、それぞれの閾値電圧を有し、
前記第1のLEDグループは、前記可変電圧が前記第1のLEDグループの前記閾値電圧を超える際に起動され、
前記第2のLEDグループは、前記可変電圧が前記第1および第2のLEDグループの前記閾値電圧の合計を超える際に起動される
ことを特徴とする回路。
【請求項8】
第1の発光ダイオード(LED)グループ、第1のトランジスタおよび第1の抵抗器の第1の直列相互接続と、
第2のLEDグループ、第2のトランジスタおよび第2の抵抗器の第2の直列相互接続とを備える回路において、
前記第2の直列相互接続は、前記第1のLEDグループの陽極と前記第1のトランジスタのソース端子との間に接続され、
前記第1および第2のLEDグループは、前記第1の直列相互接続の両端間に印加される可変電圧によって選択的に起動され、
前記回路が、1組の入力端子側でAC駆動電圧を受信する整流器であって、前記受信したAC駆動電圧を整流し、1組の出力ノード側で前記可変電圧として前記整流した電圧を出力する整流器をさらに備え、
前記第1のLEDグループの前記陽極は、前記整流器の前記1組の出力ノードの一方と結合され、
前記第1のLEDグループの陰極は、前記第1のトランジスタのドレイン端子と結合され、
前記第1のトランジスタの前記ソース端子は、前記第1の抵抗器の第1の端子と結合され、
前記第1のトランジスタのゲート端子は、前記第1の抵抗器の第2の端子と、前記整流器の前記1組の出力ノードの他方とに結合される、
ことを特徴とする回路。
【請求項9】
請求項8に記載の回路において、
前記第2のLEDグループの陽極は、前記第1のLEDグループの前記陽極と結合され、
前記第2のLEDグループの陰極は、前記第2のトランジスタのドレイン端子と結合され、
前記第2のトランジスタのソース端子は、前記第2の抵抗器の第1の端子と結合され、
前記第2のトランジスタのゲート端子は、前記第2の抵抗器の第2の端子と、前記第1のトランジスタの前記ソース端子とに結合される
ことを特徴とする回路。
【請求項10】
請求項8に記載の回路において、
第3のLEDグループ、第3のトランジスタおよび第3の抵抗器の第3の直列相互接続をさらに備え、
前記第3の直列相互接続は、前記第1のLEDグループの前記陽極と前記第2のトランジスタのソース端子との間に接続される、
ことを特徴とする回路。
【請求項11】
請求項8に記載の回路において、前記第1および第2のトランジスタは、空乏型MOSFETトランジスタであることを特徴とする回路。
【請求項12】
請求項11に記載の回路において、
前記第1の抵抗器は、前記第1のトランジスタの前記ソース端子とゲート端子との間に結合され、
前記第1のトランジスタは、前記可変電圧が第1の閾値を超える際に導電状態から非導電状態へと移行する、
ことを特徴とする回路。
【請求項13】
請求項12に記載の回路において、
前記第2のLEDグループは、前記可変電圧が前記第1の閾値を超える際に起動される、
ことを特徴とする回路。
【請求項14】
請求項12に記載の回路において、
前記第1および第2のLEDグループは、それぞれの閾値電圧を有し、
前記第1のLEDグループは、前記可変電圧が前記第1のLEDグループの前記閾値電圧を超え、かつ、前記第1の閾値を超えない際に起動され、
前記第2のLEDグループは、前記可変電圧が前記第2のLEDグループの前記閾値電圧を超える際に起動される、
ことを特徴とする回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2011年1月21日に出願された「CURRENT CONDITIONER WITH REDUCED TOTAL HARMONIC DISTORTION」と称する米国仮特許出願第61/423,258号明細書からの優先権の利益を主張し、同特許は、あらゆる目的において、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
照明を生み出すための発光ダイオード(LED)を使用した照明回路は、通常、同等の白熱電球、蛍光灯または他の照明源より高いエネルギー効率と長い耐用年数を有する。
【0003】
しかしながら、LEDは、一方向のみに電流を導通するため、直流(DC)を使用して機能する。交流(AC)電源によって給電される際に効率的に機能するため、LEDベースの照明回路は、正弦波AC入力電力信号を半波または全波整流DC電力信号に変換するための整流回路を含む。整流正弦波信号は、正弦波エンベロープに従う変数値を有する。LED(およびLED照明回路)は、それを下回るとLEDが電源遮断されて電流を導通することも発光することもなくなる閾値電圧を有するため、整流正弦波信号によって給電されるLED(またはLED照明回路)は、一般に、整流正弦波信号の瞬時値がLEDの閾値電圧を超えるか否かに応じて、オンとオフを繰り返し行う。
【0004】
入力電力を効率的に使用するため、LED照明回路は、各サイクルの間、異なる時間に異なる数のLEDへの給電が行われるように設計することができる。一般に、照明回路は、整流正弦波信号の瞬時値を測定するための電圧検知回路と、整流正弦波信号の測定値に基づいて、どのLEDへの給電を行うべきかを決定するためのマイクロプロセッサとを含む。マイクロプロセッサは、マイクロプロセッサの制御に基づいてLEDのさまざまな組合せを選択的に起動するためにデジタルスイッチのセットを制御する。例えば、マイクロプロセッサは、サイクルの開始時と終了時、整流正弦波信号の瞬時値が低い際にLEDの第1のセットを起動することができ、マイクロプロセッサは、サイクルの中間時、整流正弦波信号の瞬時値が高い際にLEDの2つ以上のセットの直列接続を起動することができる。
【0005】
しかしながら、デジタルスイッチによるLEDのセットの起動と解除は、LED照明回路およびAC駆動信号を提供する電力線における高調波歪みのレベルの上昇をもたらす。それに加えて、非線形LED負荷の駆動は、LED照明回路およびAC駆動信号を提供する電力線における力率歪みを引き起こす。歪みが原因で高調波電流はAC駆動信号を提供する電力線中を移動するため、高調波および力率歪みは両方とも、LED照明の全効率の低下の一因となる。
【0006】
したがって、最小限の全高調波歪みを生み出すLED照明応用のための駆動回路の必要性が存在する。
【発明の概要】
【0007】
一態様では、整流AC入力電圧を使用して2つ以上のLEDグループを駆動するための調整回路が提供される。回路は、第1の発光ダイオード(LED)グループ、第1のトランジスタおよび第1の抵抗器の第1の直列相互接続と、第2のLEDグループ、第2のトランジスタおよび第2の抵抗器の第2の直列相互接続とを含む。第2の直列相互接続は、第1のトランジスタのドレイン端子とソース端子との間に接続され、第1および第2のLEDグループは、第1の直列相互接続の両端間に印加される可変電圧によって選択的に起動される。第1の抵抗器は、第1のトランジスタのソース端子とゲート端子との間に結合される。その結果、第1のトランジスタは、可変電圧が第1の閾値を超える際に導電状態から非導電状態へと移行する。それに加えて、第1および第2のLEDグループはそれぞれの閾値電圧を有し、その結果、第1のLEDグループは、可変電圧が第1のLEDグループの閾値電圧を超える際に起動され、第2のLEDグループは、可変電圧が第1および第2のLEDグループの閾値電圧の合計を超える際に起動される。
【0008】
別の態様では、整流AC入力電圧を使用して2つ以上のLEDグループを駆動するための第2の調整回路が提供される。第2の回路は、LEDグループ、トランジスタおよび抵抗器の第1および第2の直列相互接続を含む。しかし、第2の回路では、第2の直列相互接続は、第1のLEDグループの陽極と第1のトランジスタのソース端子との間に接続され、第1および第2のLEDグループは、第1の直列相互接続の両端間に印加される可変電圧によって選択的に起動される。第1および第2のLEDグループはそれぞれの閾値電圧を有し、その結果、第1のLEDグループは、可変電圧が第1のLEDグループの閾値電圧を超え、かつ、第1のトランジスタが非導電状態に移行する第1の閾値を超えない際に起動され、第2のLEDグループは、可変電圧が第2のLEDグループの閾値電圧を超える際に起動される。
【0009】
本開示から、対象技術のさまざまな構成が当業者に容易に明らかになることが理解され、対象技術のさまざまな構成は、例証として示され、説明される。当然のことながら、対象技術は他の異なる構成が可能であり、そのいくつかの細部はさまざまな他の点において変更が可能であり、そのすべては対象技術の範囲から逸脱することはない。それに従って、概要、図面および詳細な説明は、事実上例示的なものであって、限定的なものと見なされるべきではない。
【0010】
図面は、限定としてではなく、単なる例示として、本教示による1つまたは複数の実装形態を描写する。図面では、同様の参照番号は、同じまたは同様の要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A図1Aは、整流AC入力電圧を使用して2つのLEDグループを駆動するための調整回路を示す回路図である。
図1B図1Bは、図1Aの調整回路の動作を例示的に示す第1の電圧タイミング図である。
図1C図1Cは、図1Aの調整回路の動作を例示的に示す電流タイミング図である。
図1D図1Dは、図1Aの調整回路の動作を例示的に示す第2の電圧タイミング図である。
図2A図2Aは、図1Aの調整回路において使用するためのLEDおよびLEDグループの相互接続の例を示す回路図である。
図2B図2Bは、図1Aの調整回路において使用するためのLEDおよびLEDグループの相互接続の例を示す回路図である。
図2C図2Cは、図1Aの調整回路において使用するためのLEDおよびLEDグループの相互接続の例を示す回路図である。
図2D図2Dは、図1Aの調整回路において使用するためのLEDおよびLEDグループの相互接続の例を示す回路図である。
図3A図3Aは、整流AC入力電圧を使用して2つのLEDグループを駆動するための修正された調整回路を示す回路図である。
図3B図3Bは、図3Aの調整回路の動作を例示的に示す電流タイミング図である。
図4A図4Aは、整流AC入力電圧を使用して3つのLEDグループを駆動するための修正された調整回路を示す回路図である。
図4B図4Bは、図4Aの調整回路の動作を例示的に示す電流タイミング図である。
図5A図5Aは、整流AC入力電圧を使用して2つのLEDグループを駆動するための修正された調整回路を示す回路図である。
図5B図5Bは、図5Aの調整回路の動作を例示的に示す電流タイミング図である。
図5C図5Cは、図5Aの調整回路の動作を例示的に示す照明強度図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細な説明では、関連教示の徹底的な理解を提供するため、多数の特定の詳細が例示として記載される。しかしながら、そのような詳細を省略して本教示を実践できることが当業者に明らかであるべきである。他の例では、周知の方法、手順、コンポーネントおよび/または回路は、本教示の態様を不必要に曖昧にすることを避けるため、詳細を省略して、比較的高いレベルで説明されている。
【0013】
発光ダイオード(LED)灯への給電を行うための駆動回路は、一般に、デジタル回路に依存して、測定値に基づいて起動するためのLEDを識別するためにマイクロプロセッサ上で、および、識別されたLEDを選択的に起動するためにデジタルスイッチ上で、駆動電圧の瞬時値を測定する。しかしながら、デジタル回路は、LED灯および関連電力線における高調波歪みおよび力率歪みを引き起こすことによって、LED照明の全体の効率を低下させる。デジタル回路に起因する高調波歪みおよび力率歪みを低減するため、LED灯のさまざまなLEDグループに電流を選択的にルーティングするための電流調整回路が提示される。電流調整回路は、動作用のアナログコンポーネントおよび回路を使用し、最小限の高調波歪みおよび力率歪みを生成する。
【0014】
電流調整回路は、AC入力電圧の瞬時値に応じて、異なるLEDグループに電流を選択的にルーティングするために提供される。好ましい実施形態では、調整回路は、アナログ回路コンポーネントのみを含み、動作用のデジタルコンポーネントもデジタルスイッチも含まない。
【0015】
回路は、動作用の空乏モード金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)トランジスタに依存する。好ましい実施形態では、空乏型MOSFETトランジスタは、同トランジスタのドレイン端子とソース端子との間に高い抵抗を有し、導電状態と非導電状態を比較的ゆっくりと切り替える。ゲート端子とソース端子との間の電圧VGSがゼロまたは正であり、MOSFETトランジスタが飽和(またはアクティブ、または導電)モード(または領域、または状態)で動作している際、空乏モードMOSFETトランジスタは、同トランジスタのドレイン端子とソース端子との間に電流を導通することができる。しかしながら、負のVGS電圧が端子間に印加され、MOSFETトランジスタがカットオフ(または非導電)モード(または領域、または状態)に入る場合、空乏モードMOSFETトランジスタ中を通る電流は制限され得る。MOSFETトランジスタは、トランジスタ中(ドレイン端子とソース端子との間)を流れる電流の量がゲート端子とソース端子との間の電圧VGSに依存する、線形またはオームの法則に従うモードまたは領域で動作することによって、飽和モードとカットオフモードとの間を移行する。一例では、空乏型MOSFETトランジスタは、好ましくは、ドレインとソースとの間に上昇抵抗を有し(線形モードで動作する際)、その結果、トランジスタは、飽和モードとカットオフモードを比較的ゆっくりと切り替える。空乏型MOSFETトランジスタは、線形またはオームの法則に従う領域で動作することによって、飽和モードとカットオフモードを切り替え、それにより、飽和モードとカットオフモードとの間の滑らかな段階的移行を提供する。一例では、空乏モードMOSFETトランジスタは、−2.6ボルトの閾値電圧を有し得、その結果、空乏モードMOSFETトランジスタは、ゲートソース電圧VGSが−2.6ボルトを下回る際に、ドレイン端子とソース端子との間に実質的に全く電流を通さないようにすることができる。あるいは、閾値電圧の他の値を使用することができる。
【0016】
図1Aは、整流AC入力電圧を使用して2つのLEDグループを駆動するための調整回路100を示す回路図である。調整回路100は、アナログ回路を使用して、AC入力電圧の瞬時値に基づいてLEDグループの一方または両方に電流を選択的にルーティングする。
【0017】
調整回路100は、電源、AC線間電圧または同様のものなどのAC電圧源101からAC入力電圧を受信する。AC電圧源101は、ヒューズ103と直列に結合され、AC電圧源101およびヒューズ103の直列相互接続は、過渡電圧サプレッサ(TVS)105または他のサージ防護回路と並列に結合される。AC電圧源101およびヒューズ103の直列相互接続は、さらに、電圧整流器107の2つの入力端子と並列に結合される。一例では、電圧整流器107は、入力正弦波AC電圧波形の全波整流を提供するダイオードブリッジ整流器を含み得る。他の例では、他のタイプの電圧整流回路を使用することができる。
【0018】
電圧整流器107は、可変DC電圧の供給源として機能し、その2つの出力端子VとVとの間に整流電圧Vrectを生成する。整流電圧Vrectは、AC駆動電圧の整流バージョンに相当する。一般に、整流電圧Vrectは、全波整流DC電圧である。整流電圧Vrectは、調整回路100のLEDグループ109および111を駆動するための入力DC電圧として使用される。具体的には、整流電圧Vrectは、LEDグループ、トランジスタおよび抵抗器の2つの直列相互接続を駆動するための入力電圧として使用される。
【0019】
第1のLEDグループ109、第1のn型チャネル空乏型MOSFETトランジスタ113(ドレインおよびソース端子によって結合される)および第1の抵抗器117の第1の直列相互接続は、電圧整流器107の出力端子Vと出力端子Vとの間に結合される。第1のLEDグループ109は、その陽極が端子V(ノードn1)と結合され、その陰極が第1の空乏型MOSFETトランジスタ113のドレイン端子(ノードn2)と結合される。トランジスタ113のソース端子は、抵抗器117の第1の端子(ノードn3)と結合され、トランジスタ113のゲート端子と抵抗器117の第2の端子は両方とも、電圧整流器107の端子V(ノードn4)と結合され、その結果、第1の抵抗器117の両端間の電圧は、第1のトランジスタ113のゲート端子とソース端子との間のバイアス電圧VGSとしての役割を果たす。
【0020】
第2のLEDグループ111、第2のn型チャネル空乏型MOSFETトランジスタ115(ドレインおよびソース端子によって結合される)および第2の抵抗器119の第2の直列相互接続は、第1のトランジスタ113のドレイン端子とソース端子との間に結合される。具体的には、第2のLEDグループ111の陽極は、ノードn2と結合され、第2のLEDグループ111の陰極は、ノードn5で、第2のトランジスタ115のドレイン端子と結合される。第2のトランジスタ115のソース端子は、ノードn6で、第2の抵抗器119の第1の端子と結合され、第2のトランジスタ115のゲート端子と第2の抵抗器119の第2の端子は両方とも、ノードn3および第1のトランジスタ113のソース端子と結合される。それにより、第2の抵抗器119の両端間の電圧は、第2のトランジスタ115のゲート端子とソース端子との間のバイアス電圧VGSとしての役割を果たす。
【0021】
第1のLEDグループ109および第2のLEDグループ111はそれぞれ、順電圧(または閾値電圧)を有する。順電圧は、一般に、LEDグループ中に電流を流すためおよび/またはLEDグループによって発光するために、LEDグループの両端間で必要とされる最小電圧である。第1のLEDグループ109および第2のLEDグループ111が同じ順電圧(例えば、50ボルト)を有することも、第1のLEDグループ109および第2のLEDグループ111が異なる順電圧(例えば、それぞれ、60ボルトと40ボルト)を有することもあり得る。
【0022】
動作の際、図1Aの駆動回路100では、LEDグループ109および111の一方または両方は、LEDグループ109および111の一方または両方の順電圧が満たされているかどうかに応じて、電流を導通することができる。図1AのLED駆動回路100の動作については、図1Bの電圧タイミング図を参照して説明される。
【0023】
図1Bは、一サイクルの間の整流電圧Vrectを示す電圧タイミング図である。図1Aの駆動回路100に示されるように、整流電圧Vrectは、電圧整流器107の出力側で、LEDグループ109および111に印加することができる。
【0024】
図1Bに示される整流電圧Vrectの例示的なサイクルは、整流電圧Vrectが0V(0ボルト)の値を有する時間tに始まる。整流電圧Vrectは、時間tとtとの間では、半正弦サイクルを起こす。時間tとtとの間では、整流電圧Vrectの値は、第1のLEDグループ109の順電圧を下回る状態を維持し、第1のLEDグループ109中には電流は流れない。整流電圧VrectがVの値に達すると、第1のLEDグループ109の順電圧に達し、第1のLEDグループ109中を電流が徐々に流れ始める。この時点で、第1の空乏型MOSFETトランジスタ113は導電状態にあり、その結果、整流器107から第1のLEDグループ109中を流れる電流は、MOSFETトランジスタ113(ドレイン端子からソース端子へ)および第1の抵抗器117中を流れる。
【0025】
整流電圧Vrectがその値をVからVまで増加すると、第1のLEDグループ109、第1の空乏型MOSFETトランジスタ113および第1の抵抗器117中を流れる電流の値が増加する。第1の抵抗器117中を流れる電流の増加により、第1の抵抗器117の両端間の電圧が増加し、第1の空乏型MOSFETトランジスタ113のゲート端子とソース端子との間の対応する逆電圧が増加する。しかしながら、逆ゲートソース電圧が増加すると、第1の空乏型MOSFETトランジスタ113は、飽和範囲外および動作の「線形」または「オームの法則に従う」モードまたは領域に移行し始める。したがって、整流電圧Vrectの値が値Vに達すると、第1の空乏型MOSFETトランジスタ113は、遮断されて、より少ない電流が導通し始める。
【0026】
その間、整流電圧Vrectが値Vに達すると(時間t)、整流電圧Vrectは、第1のLEDグループ109および第2のLEDグループ111の順電圧の合計に達するかまたは超える。その結果、第2のLEDグループ111は、電流を導通し始め、第1のLEDグループ109中を流れる電流は、第2のLEDグループ111、第2の空乏型MOSFETトランジスタ115ならびに第2の抵抗器119および第1の抵抗器117の直列相互接続中を流れ始める。VrectがVを超えて、第1の空乏型MOSFETトランジスタ109がカットオフモードに入ると、第1のLEDグループ109中を流れる電流の大部分またはすべては、第2のLEDグループ111中を流れる。
【0027】
したがって、サイクル前半では、第1のLEDグループ109中にも第2のLEDグループ111中にも最初は電流は流れない(時間帯[t,t])。しかしながら、Vrectの値がVに達するかまたは超えると、第1のLEDグループ109中を電流が流れ始め、これにより、発光し始める(時間帯[t,t])一方で、第2のLEDグループ111はオフ状態のままである。最終的に、Vrectの値がVに達するかまたは超えると、第1のLEDグループ109および第2のLEDグループ111の両方の中を電流が流れ始め、これにより、両方とも発光する(t後の時間帯)。
【0028】
サイクル後半では、Vrectは、最大Vmaxから0ボルトまで減少する。この時間帯の間、第2のLEDグループ111および第1のLEDグループ109は、順次にオフになり、徐々に電流の導通を停止する。具体的には、Vrectの値がVを上回る状態を維持する間、第1のLEDグループ109および第2のLEDグループ111は両方とも、導電状態を維持する。しかしながら、Vrectの値がVに達するかまたは下回ると(時間t)、Vrectはもはや第1のLEDグループ109および第2のLEDグループ111の順電圧の合計に達することも超えることもなくなり、第2のLEDグループ111は、オフになり、電流の導通を停止し始める。ほぼ同じ時間に、第1の抵抗器の両端間の電圧降下が第1の空乏型MOSFETトランジスタ109の閾値電圧未満まで降下し、第1の空乏型MOSFETトランジスタ109は、線形またはオームの法則に従う動作モードに入り、再度電流を導通し始める。その結果、第1のLEDグループ109、第1の空乏型MOSFETトランジスタ109および第1の抵抗器117中を電流が流れ、したがって、第1のLEDグループ109は発光し続ける。しかしながら、Vrectの値がVに達するかまたは下回ると(時間t)、Vrectはもはや第1のLEDグループ109の順電圧に達することも超えることもなくなり、第1のLEDグループ109は、オフになり、電流の導通を停止し始める。その結果、第1のLEDグループ109および第2のLEDグループ111は両方とも、オフになり、時間帯[t,t]の間、発光を停止する。
【0029】
図1Cは、整流電圧Vrectの一サイクルの間に第1のLEDグループ109および第2のLEDグループ111中をそれぞれ流れる電流IG1およびIG2を示す電流タイミング図である。
【0030】
図1Bに関連して説明されるように、第1のLEDグループ109中を通る電流IG1は、時間t頃に流れ始め、第1の値Iまで増加する。電流IG1は、時間t頃から時間t頃まで第1のLEDグループ109中を流れ続ける。時間tからtまでは、電流IG2が第2のLEDグループ111中を流れ、第2の値Iに達する。時間帯[t,t]の間、電流IG1は、値Iまで増加する。
【0031】
一般に、駆動回路100のコンポーネントの電気パラメータは、回路100の機能を調整するように選択することができる。例えば、第1のLEDグループ109および第2のLEDグループ111の順電圧は、第1および第2のLEDグループが起動される電圧VおよびVの値を決定することができる。具体的には、電圧Vは、第1のLEDグループの順電圧と実質的に等しくあり得、電圧Vは、第1および第2のLEDグループの順電圧の合計と実質的に等しくあり得る。一例では、例えば、第1のLEDグループの順電圧は、60Vの値に設定することができ、第2のLEDグループの順電圧は、40Vの値に設定することができ、その結果、電圧Vは60Vにほぼ等しく、電圧Vは100Vにほぼ等しい。それに加えて、第1の抵抗器117の値は、電圧VrectがVの値に達する際に第1の空乏型MOSFETトランジスタ113が非導電状態に入るように設定することができる。そのため、第1の抵抗器117の値は、第1の空乏型MOSFETトランジスタ113の閾値電圧、第1の空乏型MOSFETトランジスタのドレインソース抵抗、ならびに、電圧VおよびVに基づいて設定することができる。一例では、第1の抵抗器は、約31.6オームの値を有し得る。
【0032】
図1Aの調整回路100を使用して、第1のLEDグループ109および第2のLEDグループ111を使用した調光可能な照明を提供することができる。調整回路は、具体的に、整流駆動電圧Vrectの振幅に基づいて、可変照明強度を提供することができる。図1Dは、LED照明回路100上の低減された駆動電圧振幅の効果を示す電圧タイミング図である。
【0033】
図1Dに示されるように、駆動電圧Vrectの振幅は、151の時点で、Vmaxの値からVmax’の値まで低減されている。駆動電圧Vrectの振幅は、電位差計、調光スイッチまたは他の適切な手段の起動を通じて低減されている場合がある。駆動電圧の振幅は低減されているが、閾値電圧は回路100のコンポーネントのパラメータによって設定されるため、閾値電圧VおよびVは一定のままである。
【0034】
駆動電圧Vrectはより低い振幅を有するため、駆動電圧は、各サイクルの前半において、第1の閾値電圧Vに達するのに時間[t,t’]を要し、この時間は、時間[t,t]よりも長い。同様に、駆動電圧は、第2の閾値電圧Vに達するのに時間[t,t’]を要し、この時間は、時間[t,t]よりも長い。それに加えて、より低い振幅の駆動電圧は、各サイクルの後半において、より早く第2の閾値に達し(時間t’。この時間は、時間tより早く起こる)、同様に、各サイクルの後半において、より早く第1の閾値に達する(時間t’。この時間は、時間tより早く起こる)。その結果、第1のLEDグループ109中を電流が流れる時間帯[t’,t’]は、入力電圧が全振幅を有する際の対応する時間帯[t,t]に対して実質的に低減される。同様に、第2のLEDグループ111中を電流が流れる時間帯[t’,t’]は、入力電圧が全振幅を有する際の対応する時間帯[t,t]に対して実質的に低減される。第1のLEDグループ109および第2のLEDグループ111のそれぞれによって生成される照明強度はLEDグループ中を流れる電流の総量に依存するため、各LEDグループ中を電流が流れる時間帯の短縮は、LEDグループのそれぞれによって生成される照明強度の低減をもたらす。
【0035】
調光可能な照明の提供に加えて、図1Aの調整回路100を使用して、色依存の調光可能な照明を提供することができる。色依存の調光可能な照明を提供するため、第1および第2のLEDグループは、異なる色のLEDまたは異なる色を有するLEDの異なる組合せを含み得る。全振幅電圧Vrectが提供される際、調整回路100の光出力は、第1および第2のLEDグループの両方によって提供され、光出力の色は、LEDグループのそれぞれによって提供される相対光強度およびそれぞれの着色光に基づいて決定される。しかしながら、電圧Vrectの振幅が低減されると、第2のLEDグループによって提供される光強度は、第1のLEDグループによって提供される光強度よりも急速に低減される。その結果、調整回路100の光出力は、第1のLEDグループによって生成される光出力(および光の色)によって徐々に支配される。
【0036】
図1Aに示される調整回路100は、第1のLEDグループ109と、第2のLEDグループ111とを含む。各LEDグループは、1つもしくは複数のLEDまたは1つもしくは複数の高電圧LEDで形成することができる。LEDグループが2つ以上のLED(または2つ以上の高電圧LED)を含む例では、LEDは、直列および/または並列に結合することができる。
【0037】
図2Aおよび2Bは、LEDグループ109および111として使用することができるLEDの相互接続の例を示す。図2Aの例では、例示的なLEDグループ(図1AのLEDグループ109など、ノードn1とn2との間に結合される)は、直列に結合された4つのLEDのサブグループで形成され、各サブグループは、3つのLEDの並列相互接続である。図2Bの例では、例示的なLEDグループ(図1AのLEDグループ111など、ノードn2とn5との間に結合される)は、直列に結合された3つのLEDのサブグループで形成され、各サブグループは、2つのLEDの並列相互接続である。
【0038】
さまざまな他のLEDの相互接続を使用することができる。別の例では、第1のLEDグループは、直列に結合された22個のLEDのサブグループで形成することができ、各サブグループは、3つのLEDの並列相互接続であり、第2のLEDグループは、直列に結合された25個のLEDのサブグループで形成することができ、各サブグループは、2つのLEDの並列相互接続である。単一のグループ内のLEDは、単一の半導体ダイまたは相互接続された複数の半導体ダイにワイヤボンディングすることができる。
【0039】
一般に、LEDグループの構造は、特定の電気パラメータをLEDグループに提供するように選択することができる。例えば、LEDグループの閾値電圧は、より多くのLEDサブグループを直列に結合することによって増加することができ、LEDグループの最大電力(または最大電流)定格は、各サブグループ内でより多くのLEDを並列に結合することによって増加することができる。そのため、LEDグループは、40V、50V、60V、70V、120Vまたは他の適切な電圧レベルの閾値電圧を有するようになど、特定の電気パラメータを有するように設計することができる。同様に、LEDグループは、2、7、12.5または16ワットの電力定格など、特定の電力定格を有するように設計することができる。
【0040】
さらに、各LEDグループは、同じまたは異なる色を発光するLEDで形成することができる。例えば、赤色光を発光するLEDのみを含むLEDグループは、実質的に赤色の光を発光することができ、赤色光と白色光を発光するLEDの混合物を含むLEDグループは、赤みがかった光を発光することができる。
【0041】
図1Cの例示的な電流タイミングに示されるように、第1のLEDグループ109および第2のLEDグループ111中を通る電流IG1およびIG2の最大振幅は、ほぼ同じである。しかしながら、第1のLEDグループ109はより長い時間帯の間電流を導通するため、第1のLEDグループ109による総電力出力は、一般に、第2のLEDグループ111による総電力出力よりも高い。第1のLEDグループ109の過度な駆動を避けるため、第1のLEDグループ109および第2のLEDグループ111は、上記の図2Aおよび2Bに関連して説明されるように、LEDの異なる相互接続を含み得る。一例では、第1のLEDグループ109は、第2のLEDグループ111よりも多くの並列に結合されたLEDを含み得、第1のLEDグループ109の各LED中を流れる電流の最大振幅を低減し、それにより、第1のLEDグループ109の過度な駆動の可能性を減らすことができる。
【0042】
あるいは、調整回路100において異なる数のLEDグループを使用することができる。図2Cおよび2Dは、調整回路100がさまざまな数のLEDグループを含むように修正されている2つの例を示す。
【0043】
例えば、図2Cは、調整回路100と実質的に同様な調整回路200を示す。しかしながら、図2Cの調整回路200では、第1のLED照明グループは、2つのLEDグループ109aおよび109bの並列相互接続によって置き換えられている。並列に結合された2つのLEDグループ109aおよび109bを提供することによって、LEDグループ109aおよび109b中にそれぞれ、電流IG1の半分ずつが流れるようになる。したがって、2つのLEDグループ109aおよび109bの並列相互接続は、各LEDグループ中を流れる総電流を低減し、各LEDグループによる総電力出力を低減することができる。したがって、並列相互接続は、LEDグループ109aおよび109bの何れかが過度に駆動される可能性を最小限に抑えることができる。
【0044】
図2Dは、調整回路100と実質的に同様な別の例示的な調整回路250を示す。しかしながら、調整回路250では、第1のLED照明グループは、3つのLEDグループ109c、109dおよび109eの並列相互接続によって置き換えられている。それに加えて、第2のLED照明グループ111は、2つのLEDグループ111aおよび111bの並列相互接続によって置き換えられている。図2Cに関連して説明されるように、2つ以上のLEDグループの並列の並列相互接続は、各LEDグループ中を流れる総電流を低減し、LEDグループの何れかが過度に駆動される可能性を低減することができる。
【0045】
図3Aは、整流AC入力電圧を使用して2つのLEDグループを駆動するための修正された調整回路300の回路図を示す。修正された調整回路300は、図1Aの調整回路100と実質的に同様である。しかしながら、修正された回路300は、回路100の第2の空乏型MOSFETトランジスタ115を含まない。代わりに、第2のLEDグループ111の陰極は、第2の抵抗器119と直接結合される。
【0046】
回路300は、回路100と実質的に同様に機能する。図1Bおよび1Cに関連して説明されるように、回路300の第1のLEDグループ109は、第1の時間帯[t,t]の間に電流を導通し、回路300の第2のLEDグループ111は、第2の時間帯[t,t]の間に電流を導通する。しかしながら、回路300は空乏型MOSFETトランジスタ115を含まないため、時間帯[t,t]の間に第1および第2のLEDグループ中を流れるピーク電流は、空乏型MOSFETトランジスタ115のコンダクタンスによって制限されない。その結果、回路300の第1および第2のLEDグループ中を流れる電流は、回路100より高い値でピークとなり得る。しかしながら、第2の抵抗器119によってより多くの電力が消費されるため、回路300は、回路100より低い照明効率を有し得る。
【0047】
図3Bは、一サイクルの間に回路300の第1のLEDグループ109および第2のLEDグループ111中をそれぞれ流れる電流IG1およびIG2を示す電流タイミングである。図3Bに示されるように、回路300中を流れる電流は、一般に、図1Cに示される、回路100中を流れる電流と同様である。しかしながら、回路300において電流IG1およびIG2によって達せられるピーク振幅(図3Bに示されるような)は、回路100において達せられるピーク振幅(図1Cに示されるような)よりも高い。
【0048】
図4Aは、整流AC入力電圧を使用して3つのLEDグループを駆動するための修正された回路400の回路図を示す。修正された回路400は、図1Aの調整回路100と実質的に同様である。しかしながら、修正された回路400は、第2のLEDグループ111の陰極と第2の空乏型MOSFETトランジスタ115のソースとの間に結合された、第3のLEDグループ112、第3の空乏型MOSFETトランジスタ116および第3の抵抗器120の直列相互接続を含む。
【0049】
修正された回路400は、LED照明回路100と同様に機能する。しかしながら、修正された回路400は、整流駆動電圧Vrectの瞬時値に応じて、LEDグループの0、1、2または3つのすべてに電流を選択的にルーティングする。修正された回路400は、異なるLEDグループが起動される3つの電圧閾値V、VおよびVを有し得る。具体的には、第1のLEDグループ109は、駆動電圧Vrectが第1の電圧閾値Vを超える時間帯[t,t]の間に起動することができ、第2のLEDグループ111は、駆動電圧Vrectが第2の電圧閾値Vを超える時間帯[t,t]の間に起動することができ、第3のLEDグループ112は、駆動電圧Vrectが第3の電圧閾値Vを超える時間帯[t21,t22]の間に起動することができる。電圧閾値は、V<V<Vとなるようなものであり得、時間帯は、[t21,t22]が[t,t]の一部を形成し、[t,t]が[t,t]の一部を形成するようなものであり得る。
【0050】
図4Bは、回路400の動作の一サイクルの間に第1のLEDグループ109、第2のLEDグループ111および第3のLEDグループ112中をそれぞれ流れる電流IG1、IG2およびIG3を示す電流タイミング図である。図4Bに示されるように、第1および第2のLEDグループは、図1Cに示されるものと実質的に同様に機能する。具体的には、図4Bのタイミング図によれば、電流IG1は、時間帯[t,t]の間に第1のLEDグループ109中を流れ、電流IG2は、時間帯[t,t]の間に第2のLEDグループ111中を流れる。しかしながら、回路400では、それに加えて、電流IG3が、時間帯[t21,t22]の間に第3のLEDグループ112中を流れる。
【0051】
回路400では、コンポーネントの電気パラメータは、回路100の機能を調整するように選択することができる。例えば、電圧Vは、第1のLEDグループの順電圧と実質的に等しくあり得、電圧Vは、第1および第2のLEDグループの順電圧の合計と実質的に等しくあり得、電圧Vは、第1、第2および第3のLEDグループの順電圧の合計と実質的に等しくあり得る。一例では、例えば、第1のLEDグループの順電圧は、40Vの値に設定することができ、第2および第3のLEDグループの順電圧はそれぞれ、30Vの値に設定することができ、その結果、電圧V、VおよびVはそれぞれ、40V、70Vおよび100Vにほぼ等しい。それに加えて、第1の抵抗器117の値は、電圧VrectがVの値に達する際に第1の空乏型MOSFETトランジスタ113が非導電状態に入るように設定することができ、第2の抵抗器119の値は、電圧VrectがVの値に達する際に第2の空乏型MOSFETトランジスタ115が非導電状態に入るように設定することができる。
【0052】
LED照明回路は、2つのLEDグループ109および111(図1Aの回路100を参照)を選択的に駆動し、3つのLEDグループ109、111および112(図4Aの回路400を参照)を選択的に駆動するように提示されてきたが、本明細書に含まれる教示は、より一般に、4つ以上のLEDグループを駆動する回路の設計に使用することができる。例えば、4つのLEDグループを駆動する回路は、回路400と実質的に同様であり得るが、第3のLEDグループ112の陰極と第3の空乏型MOSFETトランジスタ116のソースとの間に結合された、第4のLEDグループ、第4の空乏型MOSFETトランジスタおよび第4の抵抗器の追加の直列相互接続を含み得る。同様に、5つのLEDグループを駆動する回路は、4つのLEDグループを駆動する回路と実質的に同様であり得るが、第4のLEDグループの陰極と第4の空乏型MOSFETトランジスタのソースとの間に結合された、第5のLEDグループ、第5の空乏型MOSFETトランジスタおよび第5の抵抗器の追加の相互接続を含み得る。
【0053】
図5Aは、整流AC入力電圧を使用して2つのLEDグループを駆動するための修正された回路500の回路図を示す。修正された回路500は、図1Aの調整回路100と同様である。しかしながら、修正された回路500では、第1のLEDグループ509および第2のLEDグループ511は、並列に結合され、したがって、実質的に交互に駆動電流が提供され得る(回路100でのように、実質的に同時に駆動電流が提供される代わりに)。
【0054】
具体的には、回路500では、第1のLEDグループ509、第1の空乏型MOSFETトランジスタ513(ドレインおよびソース端子によって結合される)および第1の抵抗器517の第1の直列相互接続は、電圧整流器107の出力ノードVと出力ノードVとの間に結合される。第1の空乏型MOSFETトランジスタ513のゲート端子は、ノードVと結合される。しかしながら、第2のLEDグループ511、第2の空乏型MOSFETトランジスタ515(ドレインおよびソース端子によって結合される)および第2の抵抗器519の第2の直列相互接続は、電圧整流器107の出力ノードVと第1の空乏型MOSFETトランジスタ513のソース端子との間に結合される。第2の空乏型MOSFETトランジスタ515のゲート端子は、第1の空乏型MOSFETトランジスタ513のソース端子と結合される。
【0055】
回路500の機能については、図5Bの電流タイミング図を参照して説明される。調整回路100の場合のように、調整回路500は、第1および第2の電圧閾値VおよびVを有し、整流駆動電圧Vrectはそれぞれ、各サイクルの時間帯[t,t]および[t,t]の間に第1および第2の閾値を超える。
【0056】
しかしながら、第1のLEDグループ509と第2のLEDグループ511は直列に結合されていないため、第1のLEDグループ509中を流れる電流IG1は、第2のLEDグループ511中には流れず、第2のLEDグループ511中を流れる電流IG2は、第1のLEDグループ509中には流れない。その結果、第1のMOSFET空乏型トランジスタ513が非導電状態に入り動作すると(時間帯[t,t])、第1のLEDグループ509中を流れる電流IG1は、低減されるかまたはカットオフされる。その結果、第1のLEDグループ509は、時間帯[t,t]の間、実質的にオフになる(発光を停止する)。その間、回路500の第2のLEDグループ511は、実質的に回路100の場合のように機能する。具体的には、第2のLEDグループ511は、時間帯[t,t]の間、電流を導通する(発光する)。
【0057】
回路500用の電気パラメータは、回路の機能を調整するように選択することができる。例えば、第1のLEDグループ509および第2のLEDグループ511の順電圧は、第1および第2のLEDグループが起動される電圧VおよびVの値を決定することができる。具体的には、電圧Vは、第1のLEDグループの順電圧と実質的に等しくあり得、電圧Vは、第2のLEDグループの順電圧の合計と実質的に等しくあり得る。一例では、例えば、第1のLEDグループの順電圧は、60Vの値に設定することができ、第2のLEDグループの順電圧は、100Vの値に設定することができ、その結果、電圧Vは60Vにほぼ等しく、電圧Vは100Vにほぼ等しい。それに加えて、第1の抵抗器117の値は、電圧VrectがVの値に達する際に第1の空乏型MOSFETトランジスタ113が非導電状態に入るように設定することができる。そのため、第1の抵抗器117の値は、第1の空乏型MOSFETトランジスタ513の閾値電圧、第1の空乏型MOSFETトランジスタ513のドレインソース抵抗、ならびに、電圧VおよびVに基づいて設定することができる。
【0058】
LED照明回路500の機能は、駆動電圧振幅が変動するという状況においても一定の照明強度を提供するという観点から利点を提示することができる。図1Dに関連して説明されるように、整流電圧Vrectの振幅が低減すると、第1および第2のLEDグループが発光する時間帯[t,t]および[t,t]の長さは、それに応じて減少する。その結果、LEDグループによって生成される総照明強度が低減される。しかしながら、整流電圧Vrectの振幅がわずかに変動するにもかかわらず、LED照明回路500は、比較的一定の照明強度を提供することができる。
【0059】
図5Cは、駆動電圧Vrectの振幅による、第1および第2のLEDグループの相対照明強度G1およびG2を示す第1の図を示す。照明強度は、各LEDグループに対して、駆動電圧振幅が120Vの100%の値に正規化される。駆動電圧の振幅が120V未満まで低減すると、第2のLEDグループの照明強度G2は、100%未満まで徐々に低減する。しかしながら、駆動電圧の振幅が120V未満まで低減すると、第1のLEDグループの照明強度G1は、最初は増加し、その後、低駆動電圧振幅のために低減する。その結果、LED回路によって生成された総照明強度(すなわち、第1および第2のLEDグループの組合せによって提供された総照明強度G1+G2)は、低駆動電圧振幅のために低減する前は、入力電圧の振幅範囲(例えば、図5Cの例では、振幅範囲[120V,100V])において比較的一定のままである。したがって、LED照明回路500を有利には使用して、可変電力供給振幅にもかかわらず、一定の照明強度を提供することができる一方で、それでもなお、低電力供給振幅での照明強度の調光を可能にする。例えば、LED照明回路500は、電力線上の過渡電流に起因する供給振幅の変動が起こる場合でも、一定の照明強度を提供することができる。
【0060】
本明細書に記載される調整回路100のさまざまな変更形態は、調整回路500に適用することができる。例えば、調整回路500は、図2A〜2Dに関連して本明細書に記載されるLEDおよびLEDグループの直列および並列相互接続など、LEDおよびLEDグループのさまざまな相互接続を含み得る。別の例では、第2のトランジスタ515は、任意選択で、調整回路500から取り外して、第2のLEDグループ511の陰極を抵抗器519の第1の端子と結合することができる。さらに別の例では、LEDグループ、空乏型MOSFETトランジスタおよび抵抗器の追加の直列相互接続を調整回路500に含めることができる。例えば、第3のLEDグループ、第3の空乏型MOSFETトランジスタおよび第3の抵抗器の第3の直列相互接続は、第1のLEDグループ509の陽極と第2の空乏型MOSFETトランジスタ515のソースとの間に結合することができる。次いで、第3の空乏型MOSFETトランジスタのゲート端子は、第2の空乏型MOSFETトランジスタ515のソースと結合されることになる。同様に、第4のLEDグループ、第4の空乏型MOSFETトランジスタおよび第4の抵抗器の第4の直列相互接続は、第1のLEDグループ509の陽極と第3の空乏型MOSFETトランジスタのソースとの間に結合することができる。次いで、第4の空乏型MOSFETトランジスタのゲート端子は、第3の空乏型MOSFETトランジスタのソースと結合されることになる。
【0061】
図面に示される調整回路100、200、250、300、400および500を含む、本願で示され、説明される調整回路ならびに本願で説明される調整回路のさまざまな変更形態は、全高調波歪みが低減または最小化されたLED照明回路を駆動するよう構成される。さまざまなLEDグループに電流を徐々におよび選択的にルーティングするアナログ回路を使用することによって、調整回路は、駆動電圧の瞬時値に基づいて、1つ、2つまたはそれを超えるLEDグループを駆動することによって、高い照明効率を提供する。
【0062】
その上、ドレインソース抵抗rdsが上昇された空乏型MOSFETトランジスタを使用することによって、空乏型MOSFETトランジスタは、飽和モードとカットオフモードとの間を比較的ゆっくりと移行する。そのため、トランジスタが導電状態と非導電状態を徐々に切り替えることを保証することによって、LEDグループおよびトランジスタのオンとオフの切り替えは、実質的に正弦波曲線をたどる。その結果、LEDグループは徐々に起動および解除されるため、回路は、高調波歪みをほとんど生成しない。それに加えて、第1および第2(またはそれを超える)のLEDグループは、互いを通じて電流を制御する。すなわち、第2のLEDグループの順電圧レベルは、第1のLEDグループ中を流れる電流に影響を及ぼし、第1のLEDグループの順電圧レベルは、第2のLEDグループ中を流れる電流に影響を及ぼす。その結果、回路は、複数のLEDグループと複数のMOSFETトランジスタとの相互作用を通じて自己制御される。
【0063】
一態様では、「電界効果トランジスタ(FET)」という用語は、電界を制御して、半導体材料における一タイプの電荷キャリアのチャネルの形状ひいては導電性を制御する支配者上で一般に動作するさまざまな多端子トランジスタの何れも指し得、これらに限定されないが、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、接合FET(JFET)、金属半導体FET(MESFET)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、変調ドープFET(MODFET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、ファーストリバースエピタキシャルダイオードFET(FREDFET)およびイオン感受性FET(ISFET)を含む。
【0064】
一態様では、「ベース」、「エミッタ」および「コレクタ」という用語は、トランジスタの3つの端子を指し得、バイポーラ接合トランジスタのベース、エミッタおよびコレクタを指すことも、電界効果トランジスタのゲート、ソースおよびドレインを指すこともそれぞれあり得、その逆もあり得る。別の態様では、「ゲート」、「ソース」および「ドレイン」という用語は、トランジスタの「ベース」、「エミッタ」および「コレクタ」をそれぞれ指し得、その逆もあり得る。
【0065】
別段の言及がない限り、本開示で説明されるさまざまな構成は、シリコン、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ガリウムヒ素(GaAs)、リン化インジウム(InP)もしくはリン化インジウムガリウム(InGaP)基板または他の任意の適切な基板上で実装することができる。
【0066】
単数形の要素に対する言及は、そのように明示されていない限り、「唯一の」を意味することを意図せず、むしろ、「1つまたは複数の」を意味することを意図する。例えば、抵抗器は、1つまたは複数の抵抗器を指し得、電圧は、1つまたは複数の電圧を指し得、電流は、1つまたは複数の電流を指し得、信号は、差動電圧信号を指し得る。
【0067】
「例示的な」という単語は、本明細書では、「例示または例証としての役割を果たすもの」を意味するために使用される。「例示的な」ものとして本明細書に記載されるいかなる態様または設計も、必ずしも他の態様または設計より好ましいまたは有利なものとして解釈されなければならないわけではない。一態様では、本明細書に記載されるさまざまな代替の構成および動作は、少なくとも均等なものであると見なすことができる。
【0068】
「例」または「態様」などの語句は、そのような例または態様が対象技術に不可欠であることも、そのような態様が対象技術のすべての構成に適用されることも含意しない。例または態様に関連する開示は、すべての構成に適用することも、1つまたは複数の構成に適用することもできる。態様は、1つまたは複数の例を提供することができる。態様などの語句は、1つまたは複数の態様を指し得、その逆もあり得る。「実施形態」などの語句は、そのような実施形態が対象技術に不可欠であることも、そのような実施形態が対象技術のすべての構成に適用されることも含意しない。実施形態に関連する開示は、すべての実施形態に適用することも、1つまたは複数の実施形態に適用することもできる。実施形態は、1つまたは複数の例を提供することができる。実施形態などの語句は、1つまたは複数の実施形態を指し得、その逆もあり得る。「構成」などの語句は、そのような構成が対象技術に不可欠であることも、そのような構成が対象技術のすべての構成に適用されることも含意しない。構成に関連する開示は、すべての構成に適用することも、1つまたは複数の構成に適用することもできる。構成は、1つまたは複数の例を提供することができる。構成などの語句は、1つまたは複数の構成を指し得、その逆もあり得る。
【0069】
本開示の一態様では、動作または機能(例えば、ルーティングすること、点灯すること、放出すること、駆動すること、流すこと、生成すること、起動すること、オンまたはオフにすること、選択すること、制御すること、伝送すること、送信すること、または、他の任意の動作もしくは機能)がアイテムによって実行されるものとして説明される場合は、そのような動作または機能は直接的または間接的にアイテムによって実行できることが理解される。一態様では、モジュールが動作を実行するものとして説明される場合、モジュールは直接的に動作を実行するものとして理解することができる。一態様では、モジュールが動作を実行するものとして説明される場合、モジュールは間接的に(例えば、そのような動作を容易にする、可能にするまたは引き起こすことによって)動作を実行するものとして理解することができる。
【0070】
一態様では、特に明記しない限り、本明細書(以下に続く特許請求の範囲を含む)に記載されるすべての測定値、値、定格、位置、大きさ、サイズおよび他の仕様は、近似値であり、厳密値ではない。一態様では、それらの数値は、それらの数値が関連する機能およびそれらの数値が関係する当技術分野で通例のものと一致する合理的な範囲を有することを意図する。
【0071】
一態様では、「結合された」、「接続された」、「相互接続された」という用語または同様の用語は、直接的に結合、接続または相互接続されている(例えば、直接的に、電気的に結合、接続または相互接続されている)ことを指し得る。別の態様では、「結合された」、「接続された」、「相互接続された」という用語または同様の用語は、間接的に結合、接続または相互接続されている(例えば、間接的に、電気的に結合、接続または相互接続されている)ことを指し得る。
【0072】
本開示は、当業者が本明細書に記載されるさまざまな態様を実践できるように提供される。本開示は、対象技術のさまざまな例を提供し、対象技術は、これらの例に限定されない。これらの態様のさまざまな変更形態は、当業者であれば容易に明らかになり、本明細書で定義される一般原理を他の態様に適用することができる。
【0073】
当業者に知られているかまたは後に知られることになる、本開示全体にわたって説明されるさまざまな態様の要素に対する構造上および機能上のすべての均等物は、参照により本明細書に明らかに組み込まれ、特許請求の範囲によって包含されることを意図する。その上、本明細書で開示されるものは何れも、そのような開示が特許請求の範囲で明示的に列挙されるかどうかにかかわらず、公に捧げることを意図しない。「〜するための手段」と言う語句を使用して要素が明示的に列挙されない限り、または、方法クレームの場合は、「〜するためのステップ」と言う語句を使用して要素が列挙されない限り、いかなる請求要素も、米国特許法第112条第6段落の規定の下で解釈されてはならない。その上、「含む」、「有する」という用語または同様の用語が使用される限り、そのような用語は、「備える」が特許請求の範囲で転換語として使用される場合に解釈されるように、「備える」という用語と同様の形で、包括的であることを意図する。
【0074】
本開示の発明の名称、背景技術、発明の概要、図面の簡単な説明および要約は、本明細書により本開示に組み込まれ、本開示の限定的な説明としてではなく、例示的実例として提供される。本開示は、それらが請求項の範囲または意味を限定するのに使用されないことを理解の上、提出される。それに加えて、発明を実施するための形態では、本開示の合理化を目的として、説明は例示的実例を提供し、さまざまな特徴はさまざまな実施形態でグループ化されることが分かる。本開示のこの方法は、特許請求される主題が各請求項で明示的に列挙されるよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものと解釈してはならない。むしろ、以下の請求項が反映するように、発明の主題は、単一の開示される構成または動作のすべての特徴にあるわけではない。以下の請求項は、本明細書により発明を実施するための形態に組み込まれ、各請求項は、個別に特許請求される主題のように、それ自体で独立している。
【0075】
請求項は、本明細書に記載される態様に限定されることを意図しないが、言語による特許請求の範囲(language claims)と一致するすべての範囲に従い、すべての法的均等物を包含することを意図する。それにもかかわらず、何れの請求項も、米国特許法第101、102または103条の要件を満たさない主題を包含することを意図することも、それらの請求項をそのように解釈することもしてはならない。そのような主題の意図しない包含は何れも、本明細書により排除される。
図1-1】
図1-2】
図1-3】
図2-1】
図2-2】
図3
図4
図5-1】
図5-2】